IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】インターベンション医療デバイスの追跡
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20230620BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B17/00 700
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020544411
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019054399
(87)【国際公開番号】W WO2019162422
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】62/633,788
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】バーラト,シャム
(72)【発明者】
【氏名】チェン,アルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイジャ,クナール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニョン,フランソワ ギー ジェラール マリー
(72)【発明者】
【氏名】エルカンプ,ラモン キド
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン,アメート クマール
【審査官】佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-081764(JP,A)
【文献】特開2013-240369(JP,A)
【文献】特表2012-513238(JP,A)
【文献】特表2014-516738(JP,A)
【文献】特開2017-153953(JP,A)
【文献】特開平02-246948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0296694(US,A1)
【文献】特開2002-102221(JP,A)
【文献】特開2016-047191(JP,A)
【文献】特開2017-225645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00- 8/15
A61B 16/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内でのインターベンション医療デバイスの追跡のためのシステムであって、
インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉するために、イメージングビームを発して第1結像面及び該第1結像面に対して直角をなす第4結像面の第1の結像面の対と、第2結像面及び該第2結像面に対して直角をなす第3結像面の第2の結像面の対とを含む視野内の結像面を生成するように撮像素子をアクティブにするよう構成される撮像プローブと、
前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の両方を同時に捕捉するよう前記撮像プローブを制御するよう構成されるコントローラと
を有し、
前記インターベンション医療デバイス及び前記対象とされる生体構造は、3次元空間において物理的に分離しており、
前記撮像プローブは、前記第1の結像面の対又は前記第2の結像面の対のうちの一方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の少なくとも一方を捕捉するよう、かつ、前記第1の結像面の対又は前記第2結像面の対のうちの他方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の他方を捕捉するよう制御され、
前記コントローラは、前記第1の結像面の対又は前記第2の結像面の対のうちの一方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の少なくとも一方を、及び前記第1の結像面の対又は前記第2結像面の対のうちの他方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の他方を同時に捕捉するイメージ信号を処理する信号プロセッサを含み、
前記インターベンション医療デバイスを捕捉するよう前記撮像プローブを制御することは、前記撮像プローブの前記イメージングビームが前記視野をスイープするときに、前記インターベンション医療デバイスに配置されているパッシブ超音波センサによって受信される超音波信号を解析することによって決定される前記インターベンション医療デバイスの追跡された位置に基づいて、各々の結像面により前記インターベンション医療デバイスを自動追跡することを有する、
システム。
【請求項2】
前記撮像プローブは、経食道心エコー法(TEE)超音波プローブを有する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ディスプレイを更に有し、
前記コントローラは、前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造をリアルタイムで同時に表示するように前記ディスプレイを制御するよう更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2結像面及び前記第3結像面は、前記インターベンション医療デバイスに専用である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2結像面及び前記第3結像面は、前記インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造に専用である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2結像面及び前記第3結像面は、前記インターベンション医療デバイスを捕捉するよう構成され、
前記第1結像面及び前記第4結像面は、前記インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造を捕捉するよう構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1結像面及び前記第2結像面は、略平行であり、
前記第3結像面及び前記第4結像面は、略平行である、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2結像面及び前記第3結像面は、前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の両方を捕捉するよう構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第4結像面及び前記第1結像面を軸周りに回転させて前記第2結像面及び前記第3結像面に対して傾けるよう前記撮像プローブを制御するよう更に構成される、
請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第4結像面は、前記インターベンション医療デバイスに専用であり、
前記第4結像面は、前記インターベンション医療デバイスの動き及び前記インターベンション医療デバイスの現在の位置に基づいて投影される前記インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の領域を撮像するよう調整される、
請求項に記載のシステム。
【請求項11】
者内でインターベンション医療デバイスを追跡するシステムの作動方法であって、前記システムは、撮像素子をアクティブにするよう構成される撮像プローブと、該撮像プローブを制御するよう構成されるコントローラとを有する、前記作動方法において、
3次元空間において物理的に分離しているインターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉するために、前記撮像プローブによって前記撮像素子をアクティブにすることによって、第1結像面及び該第1結像面に対して直角をなす第4結像面の第1の結像面の対と、第2結像面及び該第2結像面に対して直角をなす第3結像面の第2の結像面の対とを含む視野内の結像面を生成するようイメージングビームを発することと、
前記撮像プローブによって、前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造から反射された前記イメージングビーム受信することと
を有し、
前記撮像プローブは、前記第1の結像面の対又は前記第2の結像面の対のうちの一方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の少なくとも一方を捕捉するよう、かつ、前記第1の結像面の対又は前記第2の結像面の対のうちの他方の対において前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の他方を捕捉するよう制御され、
前記インターベンション医療デバイスを捕捉するよう前記撮像プローブを制御することは、前記撮像プローブの前記イメージングビームが前記視野をスイープするときに、前記インターベンション医療デバイスに配置されているパッシブ超音波センサによって受信される超音波信号を解析することによって決定される前記インターベンション医療デバイスの追跡された位置に基づいて、各々の結像面により前記インターベンション医療デバイスを自動追跡することを有する、
方法。
【請求項12】
所定の座標系において、前記インターベンション医療デバイスの位置及び前記インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の位置を識別することと、
前記インターベンション医療デバイスの位置と前記インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造の位置との間の距離を取り出すことと
を更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造を同時に捕捉することに基づいて、前記インターベンション医療デバイス及び該インターベンション医療デバイスの対象とされる前記生体構造を同時に表示すること
を更に有する請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
経食道心エコー法(transesophageal echocardiography,TEE)超音波プローブは、心像モニタリング及びナビゲーションにおいて広く使用されている。TEE超音波プローブのための現在利用可能なマルチプレーン撮像モードには、X平面及び完全3次元(3D)ボリュームがある。
【0002】
超音波追跡技術は、超音波プローブの撮像ビームが視野をスイープするときにパッシブ超音波センサによって受信される信号を解析することによって、診断超音波Bモード画像の視野(FOV)内でのパッシブ超音波センサ(例えば、PZT、PVDF、共重合体(copolymer)又は他の圧電材料)の位置を推定する。タイム・オブ・フライト(time-of-flight)測定は、撮像アレイからのパッシブ超音波センサの軸/半径方向距離をもたらし、一方、ビーム焼成シーケンスの振幅測定及び知識は、パッシブ超音波センサの側方/角度位置をもたらす。
【0003】
図1は、パッシブ超音波センサを使用してインターベンション医療デバイスを追跡する既知のシステムを表す。図1中、超音波プローブ102は、インターベンション医療デバイス105のツール先端にあるパッシブ超音波センサ104にわたってスイープする撮像ビーム103を発する。超音波プローブ102によって、組織の画像107がフィードバックされる。インターベンション医療デバイス105のツール先端にあるパッシブ超音波センサ104の位置は、信号処理アルゴリズムによる決定時に先端位置108として与えられる。先端位置108は、オーバーレイ画像109として組織の画像107にオーバーレイされる。組織の画像107、先端位置108、及びオーバーレイ画像109は全て、ディスプレイ100で表示される。
【0004】
米国特許出願公開第2012/041311(A1)号(特許文献1)は、医療プロシージャガイダンスのための3次元音響イメージングのシステム及び方法であって、関心ボリュームをインタロゲートするようスキャンされる音響信号を受信することと、音響信号から、インタロゲートされたボリューム内のプロシージャデバイスの位置を決定することと、プロシージャデバイスの向きに垂直な第1の面の第1のビューを表示デバイスで表示することを含むものに関係がある。第1の面と直角をなす少なくとも1つの面の第2のビューも表示される。第1の面と及び第2の面と直角をなす第3の面の第3のビューも表示される。第1、第2、及び第3のビューは同時に表示される。
【0005】
米国特許出願公開第2005/090742(A1)号(特許文献2)には、検査される身体へ超音波を伝送し/身体から超音波を受け取る超音波プローブと、超音波プローブの位置及び方向を検出するプローブ位置センサと、超音波プローブの出力に基づいて画像データを生成する画像生成部と、検査される身体内に挿入された穿刺プローブの位置及び方向を検出するプローブ位置センサと、画像データに基づいて、穿刺プローブの位置及び方向並びに超音波プローブの位置及び方向に従って、穿刺プローブの端部位置が画像表示領域内の特定の位置に固定される表示画像のデータを生成する表示画像生成部と、画像表示領域に表示画像を表示するディスプレイとを備えた超音波診断装置が開示されている。
【0006】
米国特許出願公開第2013/197357(A1)号(特許文献3)には、目標位置での1つ以上の医療デバイスの設置のための画像ガイダンスを提供するシステム及び方法が開示されている。システムは、所定エリア内の医療デバイスの据え付け情報を受け取る。システムは、複数の医療デバイスに対応する複数の仮想医療デバイスの仮想3D空間内のビュー角度を計算する。システムはまた、表示デバイスに、計算されたビュー角度に少なくとも基づいて複数の医療デバイスを表示させる。
【0007】
国際公開第2016/081321号(特許文献4)には、ロケータフィールドに基づいて先端位置データを生成する第1追跡要素を有するインターベンション医療デバイスを含む超音波撮像システムが開示されている。超音波プローブは、超音波トランスデューサメカニズム及び第2追跡要素を有する。超音波トランスデューサメカニズムは、3次元撮像ボリューム内の複数の離散撮像位置のうちのいずれかでの2次元超音波スライスデータを生成するアクティブ超音波トランスデューサアレイを有する。第2追跡要素は、ロケータフィールドに基づいてプローブ位置データを生成する。プロセッサ回路は、プログラム命令を実行して、表示のために超音波画像を生成するよう構成され、かつ、先端位置データ及びプローブ位置データに基づいてポジショニング信号を生成して、2次元超音波スライスデータがインターベンション医療デバイスの遠位先端を含むようにアクティブ超音波トランスデューサアレイを動的に位置付けるよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2012/041311(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2005/090742(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2013/197357(A1)
【文献】国際公開第2016/081321号
【発明の概要】
【0009】
本開示の態様に従って、患者内でのインターベンション医療デバイスの追跡を制御するコントローラは、命令を記憶しているメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。命令は、プロセッサによって実行される場合に、コントローラに、撮像プローブを制御することを含むプロセスを実行させる。撮像プローブは、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉するために、イメージング信号を発して第1結像面、第2結像面、及び第2結像面に対して直角をなす第3結像面を含む3つ以上の結像面を生成するように撮像素子をアクティブにするよう制御される。撮像プローブはまた、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の両方を同時に捕捉するよう制御される。撮像プローブは、3つ以上の結像面のうちの少なくとも2つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の少なくとも一方を捕捉するよう、かつ、3つ以上の結像面のうちの少なくとも1つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の他方を捕捉するよう制御される。
【0010】
本開示の他の態様に従って、患者内でのインターベンション医療デバイスの追跡のための方法は、インターベンションデバイス及び該インターベンションデバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉するために、撮像プローブによって制御されるアクティブにされた撮像素子によって、第1結像面、第2結像面、及び第2結像面に対して直角をなす第3結像面を含む3つ以上の結像面を生成するようイメージング信号を発することを含む。方法はまた、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉することも含む。撮像プローブは、3つ以上の結像面のうちの少なくとも2つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の少なくとも一方を捕捉するよう、かつ、3つ以上の結像面のうちの少なくとも1つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の他方を捕捉するよう制御される。
【0011】
本開示の更なる他の態様に従って、患者内でのインターベンション医療デバイスの追跡のためのシステムは、撮像プローブ及びコントローラを含む。撮像プローブは、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を同時に捕捉するために、イメージング信号を発して第1結像面、第2結像面、及び第2結像面に対して直角をなす第3結像面を含む3つ以上の結像面を生成するように撮像素子をアクティブにするよう構成される。コントローラは、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる前記生体構造の両方を同時に捕捉するよう撮像プローブを制御する。撮像プローブは、3つ以上の結像面のうちの少なくとも2つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の少なくとも一方を捕捉するよう、かつ、3つ以上の結像面のうちの少なくとも1つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の他方を捕捉するよう制御される。コントローラは、3つ以上の結像面のうちの少なくとも2つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の少なくとも一方を、及び3つ以上の結像面のうちの少なくとも1つにおいてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の他方を同時に捕捉するイメージ信号を処理する信号プロセッサを含む。
【0012】
例となる実施形態は、添付の図面とともに読まれる場合に下記の詳細な説明からより良く理解される。様々な図は、必ずしも実寸通りでないことが強調される。実際に、寸法は、記述の明りょうさのために任意に増減されることがある。適用可能かつ実際的であれば、同じ参照番号は同じ要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】代表的な実施形態に従って、パッシブ超音波センサを使用したインターベンション医療デバイスの追跡のための既知のシステムを表す。
図2】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡の方法が実装され得る一般的なコンピュータシステムの実例となる実施形態である。
図3】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための方法を表す。
図4A】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための、プローブとコントローラとの間の関係を表す。
図4B】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための、プローブとコントローラとの間の他の関係を表す。
図5A】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの断面を表す。
図5B図5Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。
図6A】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。
図6B図6Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。
図7A】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。
図7B図7Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。
図8A】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。
図8B図8Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。
図9】代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのユーザインターフェースで提供されるビューを表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、具体的な詳細を開示する代表的な実施形態が、本教示に従う実施形態の完全な理解をもたらすために示されている。既知のシステム、デバイス、材料、動作方法、及び製造方法の記載は、代表的な実施形態の記載を不明りょうすることを避けるべく省略されることがある。それでもなお、当業者の通常の知識範囲内にあるシステム、デバイス、材料及び方法は、本教示の適用範囲内にあり、代表的な実施形態に従って使用され得る。本願で使用される用語は、単に、特定の実施形態について記載するためのものであって、限定であることは意図されない点が理解されるべきである。定義される語は、定義される語の技術的及び科学的な意味に加えて、本教示の技術分野において一般に理解され受け入れられている通りである。
【0015】
第1、第2、第3などの語が、様々な要素又はコンポーネントについて記載するために本願で使用されることがあるが、これらの要素又はコンポーネントは、それらの語によって制限されるべきではない点が理解されるだろう。それらの語は、単に、1つの要素又はコンポーネントを他の要素又はコンポーネントと区別するために使用される。よって、以下で言及される第1要素又はコンポーネントは、発明概念の教示から外れることなしに、第2要素又はコンポーネントと呼ばれることもあり得る。
【0016】
本願で使用される用語は、単に、特定の実施形態について記載するためのものであって、限定であることは意図されない。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、「前記」が付される場合を含め、要素を単数形で言及することは、文脈中で特段示されない限りは、単数及び複数の両方を含むことが意図される。更に、「有する」(comprises、comprising)及び/又はそれと類似の語は、本明細書中で使用される場合に、はっきりと記載されている特徴、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外するわけではない。本願で使用されるように、「及び/又は」との語は、関連する記載された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0017】
別段示されない限りは、要素又はコンポーネントが他の要素又はコンポーネント「へ接続される」、「へ結合される」、又は「に隣接する」と言われるとき、その要素又はコンポーネントは、他の要素又はコンポーネントへ直接接続又は結合され得るか、あるいは、介在する要素又はコンポーネントが存在してもよい。すなわち、それら及び類似の語は、1つ以上の中間の要素又はコンポーネントが2つの要素又はコンポーネントを接続するために用いられ得る場合を包含する。なお、要素又はコンポーネントが他の要素又はコンポーネントへ「直接接続」されると言われる場合に、これは、2つの要素又はコンポーネントが、如何なる中間の又は介在する要素又はコンポーネントにもよらずに、互いに接続される場合のみを包含する。
【0018】
以上を鑑みて、本開示は、その態様、実施形態及び/又は具体的な特徴若しくはサブコンポーネントのうちの1つ以上を通じて、以下で具体的に述べられるような利点の1つ以上を示すようこのようにして意図される。説明のために、制限なしに、具体的な詳細を開示する例となる実施形態は、本教示に従う実施形態の完全な理解をもたらすために示されている。なお、本開示と一致する他の実施形態は、それが本願で開示されている具体的な詳細から外れているとしても、添付の特許請求の範囲の適用範囲内のままである。更に、よく知られている装置及び方法の記載は、例となる実施形態の記載を不明りょうにしないために省略されることがある。そのような方法及び装置は、本開示の範囲内にある。
【0019】
先に紹介されたように、X平面の使用は高フレームレートを提供することができるが、調整可能な結像面がたった2つしかない。他方で、完全3次元(3D)ボリュームの使用は、スライシングに対する制御をも提供することができるが、フレームレートが低い。本開示は、例えば、3つ以上の結像面においてイメージング信号を発することによって、同じ超音波撮像プローブを用いて、インターベンション医療デバイス及びインターベンション医療デバイスの対象とされる生体構造の両方を同時に視覚化する能力を提供する。最初から明らかにするために、超音波撮像プローブによる同時の放射及び捕捉は、インターベンション医療デバイス及び対象とされる生体構造が3次元空間において物理的に分離しているときにインターベンション医療デバイス及び対象とされる生体構造に放射し捕捉することを含んでよい。
【0020】
以下、実施形態に関して記載されるように、デバイスの周りの組織は、所望の生体構造を見失わずに、他の定量的なナビゲーションメトリクスにより視覚化され得る。デバイス追跡出力は、結像面選択の制御にデバイス位置をリンクする自動フィードバック/制御ループを介して、結像面選択アルゴリズムへブートストラップされ得る。自動フィードバック/制御ループの例は、識別されたデバイスを、デバイスが動かされるときに、結像面を通じて追跡する遠隔制御リンク(remote control link,RCL)である。インターベンションデバイス追跡出力と結像面選択とをリンクすることによって、本願で記載される多種多様な実施形態は様々な可能性をもたらす。言い換えれば、インターベンションデバイス追跡は、インターベンションデバイスを追跡する能力が続くことを確かにするためにフィードバックループの部分として使用され得、それにより、1つ以上の結像面がインターベンションデバイスへ結びつけられるか又は専用にされ得る。よって、デバイス追跡は、インターベンションデバイスを追跡し続けるために、結像面によりデバイスを自動的に視覚的に追うよう使用され得る。
【0021】
図2は、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡の方法が実装され得る一般的なコンピュータシステムの実施例である。コンピュータシステム200は、コンピュータシステム200に本願で開示される方法又はコンピュータに基づく機能のいずれか1つ以上を実行させるよう実行可能である命令の組を含むことができる。コンピュータシステム200は、スタンドアローンのデバイスとして動作してよく、あるいは、例えば、ネットワーク201を用いて、他のコンピュータシステム又は周辺デバイスへ接続されてもよい。
【0022】
コンピュータシステム200は、固定コンピュータ、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、超音波システム、超音波プローブ、又は任意の他の機械によって行われるべき動作を特定する命令(シーケンシャル又は他)の組を実行可能なその機械のような様々なデバイスとして実装されるか又はそのようなデバイスに組み込まれ得る。コンピュータシステム200は、更なるデバイスを含む集積システム内にあるデバイスとして又はそのデバイスにおいて組み込まれ得る。実施形態において、コンピュータシステム200は、音声、映像又はデータ通信を提供する電子デバイスを用いて実装され得る。更に、コンピュータシステム200は単一のシステムとして表されている一方で、語「システム」はまた、1つ以上のコンピュータ機能を実行するよう命令の組又は複数の組を個々に又はまとまって実行するシステム又はサブシステムの任意の集合を含むと解されるべきである。
【0023】
図2で表されるように、コンピュータシステム200はプロセッサ210を含む。コンピュータシステム200用のプロセッサは、有形であってかつ非一時的である。本願で使用されるように、語「非一時的」は、状態の永遠の特性としてではなく、一定期間続く状態の特性として解釈されるべきである。語「非一時的」は、いつでもどこでも一時的にしか存在しない搬送波若しくは信号又は他の形態の特性などの束の間の特性を特に否定する。プロセッサは、製品及び/又は機械部品である。コンピュータシステム200用のプロセッサは、本願で様々な実施形態において記載される機能を実行するようにソフトウェア命令を実行するよう構成される。コンピュータシステム200用のプロセッサは、汎用プロセッサであってよく、あるいは、特定用途向け集積回路(ASIC)の部分であってよい。コンピュータシステム200用のプロセッサはまた、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、状態機械、又はプログラム可能論理デバイスであってもよい。コンピュータシステム200用のプロセッサはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能ゲートアレイ(PGA)を含む論理回路、あるいは、ディスクリートゲート及び/又はトランジスタロジックを含む他のタイプの回路であってもよい。コンピュータシステム200用のプロセッサは、中央演算処理装置(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)、又は両方であってよい。その上、本願で記載される如何なるプロセッサも、多重プロセッサ、並列プロセッサ、又は両方を含んでよい。多重プロセッサは、単一のデバイス又は複数のデバイスに含まれるか又はそのようなデバイスへ結合されてよい。
【0024】
更に、コンピュータシステム200は、バス208を介して互いと通信することができるメインメモリ220及びスタティックメモリ230を含む。本願で記載されるメモリは、データ及び実行可能命令を記憶することができる如何なる有形な記憶媒体でもあり、命令がそこに記憶されている時間中は非一時的である。本願で使用されるように、語「非一時的」は、状態の永遠の特性としてではなく、一定期間続く状態の特性として解釈されるべきである。語「非一時的」は、いつでもどこでも一時的にしか存在しない搬送波若しくは信号又は他の形態の特性などの束の間の特性を特に否定する。本願で記載されるメモリは、コンピュータ可読媒体であり、それからデータ及び実行可能命令がコンピュータによって読み出され得る。本願で記載されるメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、テープ、コンパクトディスク型リードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイディスク、又は当該技術で知られているあらゆる他の形態の記憶媒体であってよい。メモリは、揮発性又は不揮発性、セキュア及び/又は暗号化、アンセキュア及び/又は未暗号化であってよい。
【0025】
図示されるように、コンピュータシステム200は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、又は陰極線管(CRT)などの映像表示ユニット250を更に含んでよい。その上、コンピュータシステム200は、キーボード/仮想キーボード又はタッチ検出入力画面又は音声認識による発話入力などの入力デバイス260と、マウス又はタッチ検出入力画面又はパッドなどのカーソル制御デバイス270とを含んでもよい。コンピュータシステム200は、ディスクドライブユニット280、スピーカ又はリモートコントロールなどの信号発生デバイス290、及びネットワークインターフェースデバイス240も含むことができる。
【0026】
実施形態において、図2に表されるように、ディスクドライブユニット280は、命令284の1つ以上の組、例えば、ソフトウェアが埋め込まれ得るコンピュータ可読媒体282を含んでよい。命令284の組は、コンピュータ可読媒体282から読み出され得る。更に、命令284は、プロセッサによって実行されるときに、本願で記載される方法及びプロセスの1つ以上を実行するために使用され得る。実施形態において、命令284は、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ220やスタティックメモリ230内に、及び/又はコンピュータシステム200による実行中にはプロセッサ210内にあってよい。
【0027】
代替の実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理アレイ及び他のハードウェア部品などの専用ハードウェア実施が、本願で記載される方法の1つ以上を実装するよう構成され得る。本願で記載される1つ以上の実施形態は、モジュール間で及びそれらを通じて通信され得る関連した制御及びデータ信号により、1つ以上の具体的な相互接続されたハードウェアモジュール又はデバイスを用いて、機能を実装してよい。然るに、本開示は、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェア実施を包含する。本願における何も、有形な非一時的なプロセッサ及び/又はメモリのようなハードウェアによらずにもっぱらソフトウェアにより実装されるか又は実装可能であると解釈されるべきではない。
【0028】
本開示の様々な実施形態に従って、本願で記載される方法は、ソフトウェアプログラムを実行するハードウェアコンピュータシステムを用いて実装されてよい。更に、例となる非限定的な実施形態では、実施は、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、及び並列処理を含むことができる。仮想コンピュータシステム処理は、本願で記載される方法又は機能の1つ以上を実装すると解釈され得、本願で記載されるプロセッサは、仮想処理環境をサポートするために使用されてよい。
【0029】
本開示は、命令284を含むか、あるいは、伝播される信号に応答して命令284を受け取って実行するコンピュータ可読媒体282を考えており、それにより、ネットワーク201へ接続されているデバイスは、ネットワーク201上で音声、映像又はデータを通信することができる。更に、命令284は、ネットワークインターフェースデバイス240を介してネットワーク201上で送信又は受信されてよい。
【0030】
図3は、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための方法を表す。
【0031】
図3中、インターベンションプロシージャがS310から開始する。インターベンションプロシージャは、例えば、予備的な診断又は治療のために、インターベンション医療デバイスが部分的に又は完全に患者の身体内に置かれるプロシージャである。インターベンション医療デバイスは、ワイヤ、インプラント、パッシブ超音波センサを含むセンサ、又は患者の身体内に置かれる他の形態の有形なデバイスであってよく、あるいは、それらを含んでもよい。
【0032】
S320で、モードが決定される。モードは、3つ又は4つの結像面、軸周りの面の回転、どの面がインターベンションデバイスに専用であるか、及びどの面がインターベンションデバイスの対象とされる生体構造に専用であるか、などの1つ以上の選択設定の組から成ってよい。本願で使用される語「専用」は、特定の対象に対する面の割り当てを指し得る。特定の対象は、本開示のために、インターベンションデバイス又はインターベンションデバイスの対象とされる生体構造のどちらか一方である。インターベンションデバイスは、インターベンションデバイスが患者の身体内で動くときに2次元又は3次元でインターベンションデバイスを追跡する専用の面の対象とされてよい。
【0033】
インターベンションデバイスの対象とされる生体構造は、例えば、マウス及びカーソル又はタッチスクリーンを使用することによって、ユーザ命令により指定されてよい。生体構造は、心臓又は肺などの臓器の表面上の特定の位置であってよく、インターベンションデバイスがインターベンションデバイスの対象とされる生体構造に向かって動くという意味で、インターベンションデバイスの対象とされ得る。インターベンションデバイスもユーザによって指定されてよいが、代替的に、例えば、超音波で容易に識別される特定の材料から成るセンサの使用により、自動的に識別及び追跡されてもよい。
【0034】
S330で、超音波プローブは、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の両方を同時に捕捉するために、モードに基づいて、3つ以上の結像面においてイメージング信号を発するよう制御される。既知の超音波では、X平面は、直角をなす2つの面などの、2つの結像面を使用し、インターベンションデバイス又はインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の一方のみを捕捉する。しかし、S330では、3つ以上の結像面が使用され、3つ以上の結像面の間で、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造は両方とも同時に捕捉される。例えば、3つ以上の結像面の夫々は、具体的に、インターベンションデバイス及び/又はインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の一方又は両方と交差してよい。
【0035】
S340で、超音波プローブは、3つ以上の面において発せられたイメージング信号に基づいて、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の両方を捕捉するよう制御される。インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の一方は、3つ以上の結像面のうちの少なくとも2つで捕捉され、同時に、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の他方は、3つ以上の結像面のうちの少なくとも1つで捕捉される。実施形態において、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の両方は、必ずしも同じ2つの結像面でなくても、結像面のうちの2つで同時に捕捉される。他の実施形態では、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の一方又は他方は、結像面のうちの1つだけで捕捉される。
【0036】
S350で、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の位置が、例えば、反射された/送り返されたイメージング信号の捕捉に基づいて、識別される。代替的に、インターベンションデバイスの位置は、パッシブ超音波センサの信号から、又は他の方法及びメカニズムによって、追跡され得る。位置は、所定の座標系で、例えば、幅(X)、高さ(Y)及び深さ(Z)についての次元を有する3次元直交座標系で、識別されてよい。座標系の中心は、患者の身体内又はその周りの空間(ボリューム)における固定点にセットされてよい。
【0037】
実施形態において、複数の異なる医療撮像システムは、視点における共通性を反映するために、互いに位置合わせされてよい。このような位置合わせは、共通の原点及び共通の方向性次元を反映するように異なる医療システムの座標系を設定することを含んでよい。
【0038】
S360で、インターベンションデバイスとインターベンションデバイスの対象とされる生体構造との間の距離が決定され表示される。距離は、幅(X)/高さ(Y)などの2つの次元において決定されてよく、あるいは、幅(X)/高さ(Y)/深さ(Z)などの3つの次元において決定されてもよい。
【0039】
S370で、ディスプレイは、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造をリアルタイムで同時に表示するよう制御される。ディスプレイは、モニタなどの、テレビ受像機上又は電子デバイス上の画面であってよく、あるいは、それを含んでもよい。モニタは、具体的に超音波システムとともに設けられたモニタであってよく、超音波システムによって捕捉されたイメージに加えて、捕捉されたイメージに関する情報などの関連情報を視覚化するのに特に適切な設定を備えてよい。
【0040】
図4Aは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための、プローブとコントローラとの間の関係を表す。図4A中、プローブ402Aはコントローラ400Aから分離している。プローブ402Aは撮像プローブであり、組織(例えば、患者の身体内)と交差する結像面を生成するために、撮像素子をアクティブにしてイメージング信号を発するよう制御される。撮像素子は、撮像アレイに位置するトランスデューサ要素であってよい。プローブ402Aはまた、イメージング信号に対する応答(例えば、患者の身体から)に基づいて結像面においてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を捕捉する。プローブ402A及びコントローラ400Aは、無線により又は有線で通信してよい。コントローラ400Aは、図2に示されるコンピュータシステム200からのプロセッサ210、メインメモリ220、及び他の要素を含んでよい。コントローラ400Aは、本願で図3に示される方法の態様の一部又は全部などの、本願で記載されるソフトウェアベースのプロセスの一部又は全部を実行するように、命令を実行してよい。そのようなコントローラ400Aは、プローブ402Aを制御し、プローブ402Aからイメージングデータを受け取って処理する、専用の超音波システムなどのコンピュータによって実装されてよい。代替的に、コントローラ400Aは、プローブ402Aと、プロセッサ210及びメインメモリ220(又は他のメモリ)を含む別のコンピュータとの両方の分散サブシステムであってもよい。
【0041】
図4Bは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のための、プローブとコントローラとの間の他の関係を表す。図4Bでは、プローブ402Aがコントローラ400Bを含む。すなわち、コントローラ400Bは、プローブ402Aのコンポーネントであり、プロセッサ210及びメインメモリ220などの要素を含んでよい。プローブ402Aはまた、撮像プローブであり、組織(例えば、患者の身体内)と交差する結像面を生成するために、撮像素子をアクティブにしてイメージング信号を発するよう制御される。撮像素子は、撮像アレイに位置するトランスデューサ要素であってよい。プローブ402Aはまた、イメージング信号に対する組織(例えば、患者の身体内)の応答に基づいて結像面においてインターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を捕捉する。図4Bのコントローラ400Bは、本願で記載されるソフトウェアベースのプロセスの一部又は全部を実行するように命令を実行してよい。
【0042】
図5Aは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの断面を表す。図5Aは、1つのX平面がデバイス先端に結びつけられ、1つのX平面が所望の生体構造に結びつけられる“クアッドプレーン”(Quad-plane)実施形態を示す。
【0043】
図5Aは、心臓生体構造が下にあるTEE(又は他の)超音波プローブの断面を示す。アクティブな結像面は点線によって示されている。図5A中、左から3列目及び上から6行目にある点線は、デバイス追跡法から得られるデバイスの位置に関係がある。左から8列目及び上から4行目にある点線は、ユーザによってセットされ得る所望の生体構造に関係がある。然るに、図5Aの実施形態では、2つのアクティブな結像面がインターベンションデバイスの位置に結びつけられ、2つの全く異なるアクティブな結像面が所望の生体構造に結びつけられている。
【0044】
具体的に、図5A中、ワイヤ505は血管の上に重ね合わされ、超音波プローブ断面590から左に出ている。デバイス面#1(垂直)591及びデバイス面#2(水平)592は、インターベンションデバイスの位置に関係があるアクティブな結像面に対応する。生体構造面#1(垂直)596及び生体構造面#2(水平)597は、所望の生体構造に関係があるアクティブな結像面に対応する。
【0045】
図5Bは、図5Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。図5B中、デバイス面#1(垂直)591及び生体構造面#1(垂直)596は、平行な垂直線として示されている。当然、デバイス面#1(垂直)591及び生体構造面#1(垂直)596は、それらの特性が参照の都合上使用されるとして、互いに平行であるか、又は垂直である必要はない。同様に、デバイス面#2(水平)592及び生体構造面#2(水平)597も、平行な線、この場合に水平線として示されている。デバイス面#2(水平)592及び生体構造面#2(水平)597も、それらの特性が単に参照の都合上使用されるとして、互いに平行であるか、又は水平である必要はない。
【0046】
しかし、デバイス面#1(垂直)591及びデバイス面#2(水平)592は、直角をなすよう示されており、この特性は、対象のインターベンションデバイス又はインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を捕捉するためにいかにしてそれらの面が最も良く使用されるかを正確に反映している。同様に、生体構造面#1(垂直)596及び生体構造面#2(水平)597も、直角をなすよう示されており、この特性も、対象のインターベンションデバイス又はインターベンションデバイスの対象とされる生体構造を捕捉するためにいかにしてそれらの面が最も良く使用されるかを正確に反映している。それでもなお、直角をなす面は、完全に直角である必要はなく、それらの意図された様態で依然として働いている間は略直角であってよい。略直角な平面の例は、それらの間の角度がより小さい(67.5度よりも大きい、75度よりも大きい、又は85度よりも大きい)交差面であってよい。
【0047】
図6Aは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。図6Aは、1つのX平面がデバイス及び生体構造に結びつけられ、1つのX平面が生体構造に結びつけられる“アングルドプレーン”(Angled-plane)実施形態を示す。
【0048】
図6Aは、先と同じく、心臓生体構造が下にあるTEE(又は他の)超音波プローブの断面を示す。アクティブな結像面は点線によって示されている。図6A中、左から8列目及び上から4行目にある点線は、図5A及び図5Bの実施形態と同様に、所望の生体構造に関係がある。しかし、インターベンションデバイス位置に関係がある点線は、傾けるよう軸周りに回転されることによって、角度を付けられている。然るに、図6Aの実施形態では、2つのアクティブな結像面が、先と同じく、インターベンションデバイス位置に結びつけられているが、傾けるよう軸周りに回転されており、2つの全く異なるアクティブな結像面が所望の生体構造に結びつけられている。
【0049】
具体的に、図6A中、ワイヤ605は、先と同じく、血管の上に重ね合わされ、超音波プローブ断面690から左に出ている。デバイス面#1(垂直)691及びデバイス面#2(水平)692は、インターベンションデバイスの位置に関係があるアクティブな結像面に対応するが、両方とも、傾けるよう軸周りに回転されている。生体構造面#1(垂直)696及び生体構造面#2(水平)697は、所望の生体構造に関係があるアクティブな結像面に対応する。図6Aの実施形態では、“デバイスX面”は、インターベンションデバイス及び所望の生体構造を含む面を撮像するよう構成される。
【0050】
図6Bは、図6Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。図6B中、デバイス面#1(垂直)691及びデバイス面#2(水平)692は、図5A及び図5Bの実施形態に対して傾けるよう軸周りに回転されている。しかし、デバイス面#1(垂直)691及びデバイス面#2(水平)692は、直角をなすよう示されており、それらが傾けるよう軸周りに回転されている点以外は、図5A及び図5Bの実施形態における同様の面と同じ特性を有し得る。生体構造面#1(垂直)596及び生体構造面#2(水平)597も、直角をなすよう示されており、図5A及び図5Bの実施形態における対応する面と同じ又は類似した特性を有し得る。
【0051】
図7Aは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。図7Aは、1つのX平面がインターベンションデバイス先端に結びつけられ、1つの長軸面が生体構造に結びつけられる“トライプレーン”(Tri-plane)実施形態を示す。
【0052】
図7Aは、先と同じく、心臓生体構造が下にあるTEE(又は他の)超音波プローブの断面を示す。アクティブな結像面は点線によって示されている。図7A中、上から4行目にある単一の点線は、所望の生体構造に関係がある。左から3列目及び上から6行目にある点線は、デバイスの位置に関係があり、上述された図5A及び図5Bの実施形態と同じである。
【0053】
然るに、図7Aの実施形態では、2つのアクティブな結像面が、先と同じく、インターベンションデバイスの位置に結びつけられているが、ただ1つの全く異なるアクティブな結像面しか所望の生体構造に結びつけられていない。図7Aの実施形態では、生体構造結像面は、バイプレーン(bi-plane)と対照的に、単一の面であり、それによって、わずかにより高いフレームレートをもたらす。
【0054】
具体的に、図7A中、ワイヤ705は、先と同じく、血管の上に重ね合わされ、超音波プローブ断面790から左に出ている。デバイス面#1(垂直)791及びデバイス面#2(水平)792は、インターベンションデバイスの位置に関係があるアクティブな結像面に対応する。生体構造面#1(水平)797は、所望の生体構造に関係があるアクティブな結像面に対応する。生体構造面#1(水平)797は、図7Aの実施形態において所望の生体構造に専用の唯一の結像面である。
【0055】
代替の実施形態では、1つの生体構造面#1(水平)797は、長軸結像面ではなく短軸結像面であることができる。図7Aに示される実施形態に対する更なる他の代案では、単一のX面が生体構造に割り当てられてよく、単一の面がデバイスに割り当てられてよい。
【0056】
図7Bは、図7Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。図7Bの実施形態で、デバイス面#1(垂直)791は、デバイス面#2(水平)792と直角又は略直角をなし、生体構造面#1(水平)797は、対応する垂直な生体構造面を有さない。
【0057】
図8Aは、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのプローブの他の断面を表す。
【0058】
図8Aは、インターベンションデバイスが更に押される場合に“来たるべき”生体構造を示すために、インターベンションデバイスX平面の横断面が先端から“x”mm前に位置付けられる“投光器”(Floodlight)/“先読み”(look ahead)実施形態を示す。
【0059】
図8Aは、心臓生体構造が下にあるTEE(又は他の)超音波プローブの断面を示す。アクティブな結像面は点線によって示されている。図8A中、左から4列目及び上から6行目にある点線は、デバイス追跡法から得られるデバイス位置に関係がある。よって、4列目にある結像面は、インターベンションデバイスの動き及びインターベンションデバイスの現在の位置に基づいて調整される。言い換えれば、4列目にある結像面は、インターベンションデバイスが更に前に動かされるときに遭遇することになる生体構造を示すよう前方を見るために、進行中のインターベンションの軌跡に基づいてセットされる。現在の位置は、軌跡がセットされる時点でのインターベンションデバイスの位置を指す。左から8列目及び上から4行目にある点線は、ユーザによってセットされ得る所望の生体構造に関係がある。然るに、図8Aの実施形態では、2つのアクティブな結像面がインターベンションデバイスの位置に結びつけられ、2つの全く異なるアクティブな結像面が所望の生体構造に結びつけられている。
【0060】
具体的に、図8A中、ワイヤ805は、血管の上に重ね合わされ、超音波プローブ断面890から左に出ている。デバイス面#1(垂直)891及びデバイス面#2(水平)892は、インターベンションデバイスの位置に関係があるアクティブな結像面に対応する。生体構造面#1(垂直)896及び生体構造面#2(水平)897は、所望の生体構造に関係があるアクティブな結像面に対応する。
【0061】
ここで、インターベンションデバイス位置に関係があるインターベンションデバイスX面の横断面は、現在のデバイス位置の“直ぐ先”にある組織の領域を撮像するよう調整される。調整された横断面は、それによって、インターベンションデバイスが現在の方向において更に前に押される場合にインターベンションデバイスがどの組織に遭遇することになるかを示す。現在の方向は、デバイス位置の近況から決定される。
【0062】
図8Bは、図8Aの実施形態における結像面の簡略図を表す。図8B中、様々な面は、図5Bの実施形態で示されている面と類似する。デバイス面#1(垂直)891及びデバイス面#2(水平)892は、直角又は略直角をなすよう示されており、生体構造面#1(垂直)896及び生体構造面#2(水平)897も、直角をなすよう示されている。しかし、上述されたように、デバイス面#1(垂直)891は、インターベンションツールの位置及び方向に基づいて投影され得、それにより、デバイス面#1(垂直)891は、インターベンションツールの過去の動き及び位置付けからのフィードバックを用いて自動制御され得る。
【0063】
図8A及び図8Bの実施形態についての投影の例は、特に、最も最近の動きが直線又は直線に近い何かにある場合に、垂直軸、水平軸、及び深さ軸に対する時間にわたる移動の角度を追跡することを含む。この例では、投影はまた、生体構造面#1(垂直)896の対象まで現在位置の前方どれくらいあるかを特定するために、ミリメートル毎秒などの移動速度を考慮に入れることができる。
【0064】
図9は、代表的な実施形態に従って、インターベンション医療デバイスの追跡のためのユーザインターフェース上で提示されるビューを表す。
【0065】
図9中、“対象までの距離”実施形態:インターベンションデバイスX面上での解剖学的対象の結像面までの距離を表示する。
【0066】
プロシージャ中の如何なる時点でも、“対象までの距離”は、現在のデバイスの位置及び所望の解剖学的対象から計算され、リアルタイムでユーザに示される。これは、図9中、サンプルユーザインターフェース999とともに示されている。
【0067】
然るに、インターベンション医療デバイスの追跡は、インターベンションデバイス及びインターベンションデバイスの対象とされる生体構造の両方を同時に捕捉するために、異なる数の結像面の選択的な使用を可能にする。これは、対象とされる生体構造を見失わずに、デバイスの周りの組織の視覚化及び他の定量的なナビゲーションメトリクスを提供する。
【0068】
インターベンション医療デバイスの追跡について、いくつかの例となる実施形態を参照して記載してきたが、使用されている語は、限定の語ではなく、説明及び例示の語であることが理解される。変更は、インターベンション医療デバイスの追跡の適用範囲及び主旨からその態様において外れずに、現在言及されているような及び補正されるような、添付の特許請求の範囲の範囲内で行われてよい。インターベンション医療デバイスの追跡は特定の手段、材料及び実施形態を参照して記載されてきたが、インターベンション医療デバイスの追跡は、開示されている明細に制限されるよう意図されず、むしろ、インターベンション医療デバイスの追跡は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるような全ての機能的に同等の構造、方法、及び使用に及ぶ。
【0069】
例えば、本明細書は、特定の標準及びプロトコルを参照して、特定の実施形態において実装され得るコンポーネント及び機能について記載しているが、開示は、そのような標準及びプロトコルに制限されない。
【0070】
本願で記載される実施形態の説明は、様々な実施形態の構造の一般的な理解をもたらすよう意図される。説明は、本願で記載される開示の要素及び特徴の全部の完全な記載となるよう意図されない。多くの他の実施形態は、本開示をレビューすることで当業者に明らかになる。他の実施形態は、構造的及び論理的な置換及び変更が本開示の範囲から外れずに行われ得るように、本開示から利用及び導出されてよい。その上、説明は、単に表現であって、実寸通りでないことがある。説明内の特定の釣り合いは誇張されることがあり、一方、他の釣り合いは最小限にされる。然るに、本開示及び図は、制限よりむしろ実例と見なされるべきである。
【0071】
本開示の1つ以上の実施形態は、本願の適用範囲を如何なる特定の発明又は発明概念にも自発的に制限する意図なしに、単に便宜上、語「発明」によって個別的に及び/又は集合的に本願で参照されることがある。更に、具体的な実施形態が本願で説明及び記載されてきたが、当然ながら、同じ又は類似した目的を達成するよう設計された如何なるその後の配置も、示されている具体的な実施形態に取って代わってよい。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆるその後の適応又は変形を包含するよう意図される。上記の実施形態、及び本願で具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、本明細書をレビューすることで当業者に明らかになる。
【0072】
本開示の要約は、連邦規則法典第37巻第1.72条第(b)項に従うよう設けられており、特許請求の範囲の適用範囲又は意味を解釈または制限するために使用されないという理解の下で提出される。その上、上記の詳細な説明中、様々な特徴は、本開示を簡素化するために単一の実施形態において記載され又はまとめられることがある。本開示は、請求される実施形態が、各請求項で明示的に挙げられている更なる特徴を必要とする、という意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、続く特許請求の範囲が反映するように、発明対象は、開示されている実施形態のいずれかの特徴の全部に向けられているわけではない。よって、続く特許請求の範囲は、詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、別々に請求される対象を定義するものとして独立している。
【0073】
開示されている実施形態の以上の記載は、当業者が本開示で記載されている概念を実施することを可能にするために与えられている。そのようなものとして、上記の開示されている対象は、制限ではなく実例と見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の主旨及び適用範囲の中にある全てのそのような改良、増進、及び他の実施形態をカバーするよう意図される。よって、法律によって最大限許される範囲で、本開示の適用範囲は、続く特許請求の範囲及びそれらの均等の最も広い許される解釈によって決定されるべきであり、上記の詳細な説明によって制限又は規制されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9