(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】複合材料製タッチインタフェースを有するタッチ検出デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
G06F3/041 460
G06F3/041 495
(21)【出願番号】P 2020565020
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(86)【国際出願番号】 FR2019050262
(87)【国際公開番号】W WO2019155159
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-12-17
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520299382
【氏名又は名称】ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ ウードゥー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル テベナン
(72)【発明者】
【氏名】ティモテ ボワトゥゼ
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504235(JP,A)
【文献】特開平05-138615(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098149(WO,A1)
【文献】特開昭60-242003(JP,A)
【文献】特開2012-093667(JP,A)
【文献】特開2017-207906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ検出デバイスであって、リグノセルロース材料および樹脂を有する複合材料製タッチインタフェース(1)を有し、前記リグノセルロース材料は、前記樹脂によって含浸され、前記樹脂の分率は、前記複合材料の合計質量の30質量%~80質量%である、ことを特徴とするタッチ検出デバイス。
【請求項2】
前記タッチインタフェース(1)は、少なくとも5%の光透過係数を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項3】
前記樹脂は、前記リグノセルロース材料の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項4】
前記樹脂は、1.35~1.70の屈折率を有する、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項5】
前記リグノセルロース材料は、リグニンとセルロースおよびヘミセルロースのネットワークとを有する木材である、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項6】
前記木材は、脱リグニンされ、除去されるリグニンの分率は、前記木材中に存在する前記リグニンの40重量%~90重量%である、ことを特徴とする請求項5に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項7】
前記樹脂は、疎水性である、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項8】
前記タッチインタフェース(1)は、0.4mm~30mmの厚みを有する、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項9】
前記樹脂は、電気伝導性粒子を有する、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス。
【請求項10】
表示デバイス(5)および請求項1ないし9のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス(4)を有し、前記タッチインタフェース(1)は、少なくとも5%に等しい光透過係数を有する、ことを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載のタッチ検出デバイス(4)および/または請求項10に記載のタッチスクリーン(3)を有する、ことを特徴とする自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチインタフェースを含むタッチ検出デバイス、タッチ検出デバイスおよび表示デバイスを含むタッチスクリーン、ならびにタッチ検出デバイスを含む自動車両に関する。
【0002】
概して、本発明は、タッチ検出デバイスの分野に関する。
【0003】
本発明は、例えば、詳細には、ただし非限定的に、贅沢品、電子デバイス(携帯電話、タブレット、ハイファイ、テレビ、ドローン)、時計および腕時計、調度品の分野において、そして、より詳細には、車室内に装備するべく自動車両の分野において、利用される。車室内で、タッチ検出デバイスは、ダッシュボード、車両のドア、ハンドルまたは自動車両の前座席間のセンタコンソールの場所に、制御のための領域を作り出すことを可能にすることができる。これらの制御領域は、「スマートサーフェス」と呼ばれる表面を含む。
【背景技術】
【0004】
公知の解決法は、特に国際公開第2016/138901号に記載の天然木材のタッチインタフェースを有するタッチ検出デバイスである。
【0005】
しかしながら、タッチインタフェースとしての天然木材の使用には、多くの欠点がある。
【0006】
特に、木材は、温度および湿度の変動に対して敏感である。木材の空洞内に存在する空気は、水分を含んだ状態となり木材の電気伝導性を変更する可能性があり、セルロースは、水分を含んだ状態となって木材の寸法特性を変更し得る。したがって、木材は、限られた数の環境内でのみ使用可能である。
【0007】
実際には、木材は、湿った環境内で使用された場合および/または温度の変動が大きい場合に劣化する。木材は、同様に、昆虫による攻撃および菌類の増殖に対しても敏感である。木材の誘電特性も同様に、水分により混乱させられる。したがって、木材のタッチインタフェースは、屋内、または温度および湿度の変動から保護された環境内でのみ使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、屋内および屋外の両方で使用するための、温度および湿度の変動に対して比較的敏感でないタッチインタフェースを有するタッチ検出デバイスを提供することに向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明は、第1の態様によると、樹脂およびリグノセルロース材料を有する複合材料製タッチインタフェースを有し、リグノセルロース材料は、樹脂によって含浸され、樹脂の分率は、複合材料の合計質量の30質量%~80質量%である、タッチ検出デバイスに関する。
【0010】
当該解決法は、多くの利点を有し、特に、リグノセルロース材料内への樹脂の含浸によって、リグノセルロース材料のタッチインタフェースを温度および湿度の変動に対して比較的敏感でないものにすることを可能にする。
【0011】
詳細には、樹脂は、リグノセルロース材料内に存在する空気に少なくとも部分的に置き換わる。換言すると、樹脂は、リグノセルロース材料内に存在する空洞を満たす。これは、リグノセルロース材料の中心への含浸と呼ばれる。樹脂は、タッチインタフェースの誘電特性の安定性を改善することを可能にする。したがって、タッチインタフェースは、屋内と同様に屋外でも使用するのに好適であり得る。
【0012】
有利な一実施形態において、タッチインタフェースは、少なくとも5%の光透過係数を有する。
【0013】
光透過係数は、光を通すことのできる物体を通過する光の量を表す。換言すると、光透過係数は、タッチインタフェースの半透明性さらには透明性を表す。ここで、少なくとも5%の光透過係数とは、タッチインタフェースが少なくとも半透明であることを意味する。したがって、ユーザは、タッチインタフェースを通して見て、タッチ検出デバイスの下に表示されるコマンドとインタラクトすることができる。
【0014】
別の有利な実施形態において、樹脂は、リグノセルロース材料の屈折率に実質的に等しい屈折率を有する。
【0015】
樹脂およびリグノセルロース材料の屈折率が近い場合、すなわち同一または事実上同一である場合、光は、ほとんどまたは全く偏向することなくタッチインタフェースを通過する。換言すると、樹脂およびリグノセルロース材料を有するタッチインタフェースは、屈折率が近いものであればあるほど、より一層半透明であり、さらには透明でさえある。
【0016】
さらに、樹脂およびリグノセルロース材料の屈折率が近い場合、光は、ほとんどまたは全く拡散することなくタッチインタフェースを通過する。
【0017】
「透過ヘイズ(transmission haze)」なる用語で一般に呼称される現象は、削減される。
【0018】
換言すると、樹脂およびリグノセルロース材料を有するタッチインタフェースは、光がこのタッチインタフェースを通過する際の光の強度の減衰を回避することを可能にする。
【0019】
有利には、樹脂の屈折率は、1.35~1.70の範囲内で選択され得る。
【0020】
有利な一実施形態において、リグノセルロース材料は、リグニンとセルロースおよびヘミセルロースのネットワークとを有する木材である。
【0021】
換言すると、リグノセルロース材料は、処理後であってもセルロースとヘミセルロースとのネットワークが保たれ、多少の差こそあれ高いリグニン比率が保たれる木材である。
【0022】
木材は、特有の外観および特定の機械的特性を有する。したがって、タッチインタフェースは、木材の機械的特性ならびにその特有の外観を保つことができる。
【0023】
一例として、タッチインタフェースのリグノセルロース材料は、脱リグニンされた(de'lignifie')木材である。除去されるリグニンの分率は、木材中に存在するリグニンの40重量%~90重量%である。
【0024】
特に除去されるリグニンの分率を変動させることによって、可変的な機械的特性、伝導率特性および半透明性特性を有するタッチインタフェースを得ることができる。選択された利用分野に応じて、タッチインタフェースの可撓性、伝導率および半透明性の特性に優先順位を付与してもよい。
【0025】
実際には、リグノセルロース材料は、丸太からの長手方向切断材または横断方向切断材である。
【0026】
選択された切断材に応じて、タッチインタフェースの伝導率特性および視覚的外観を定義することができる。
【0027】
別の有利な実施形態において、樹脂は、疎水性である。
【0028】
疎水性樹脂は、水とほとんどまたは全く相互作用しない。換言すると、樹脂は水をほとんど吸収しない。したがって、タッチインタフェースを形成する複合材料は、その機械的特性および誘電特性を維持しながら水分に対してさらに安定する。
【0029】
別の有利な実施形態によると、タッチインタフェースは、0.4mm~30mmの厚みを有する。
【0030】
タッチインタフェースの特定の厚みにより、特定の機械的特性を有するタッチインタフェースを提供することが可能になる。したがって、タッチインタフェースは、多少の差こそあれ可撓性を有しかつ/または多少の差こそあれ機械的強度を有することができる。
【0031】
別の有利な実施形態において、樹脂は、電気伝導性粒子を有する。
【0032】
タッチインタフェースの所与の厚みに対して、樹脂に添加された電気伝導性粒子は、タッチインタフェースの伝導率を増大させることを可能にする。したがって、タッチ検出特性を保ちながら、タッチインタフェースの厚みを増大させることが可能である。
【0033】
第2の態様によると、本発明は、タッチスクリーンに関する。タッチスクリーンは、表示デバイスおよびタッチ検出デバイスを有し、タッチインタフェースは、少なくとも5%に等しい光透過係数を有する。
【0034】
第3の態様によると、本発明は、自動車両に関する。自動車両は、本発明に係るタッチ検出デバイスおよび/またはタッチスクリーンを有する。
【0035】
本発明のさらに他の特徴および利点は、以下の説明において明らかになるものである。
【0036】
以下に非限定的な例として添付の図面を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1a】本発明の一実施形態に係るタッチ検出デバイスのタッチインタフェースの概略斜視図である。
【
図1b】切断平面A-Aに沿った、
図1aに表されたタッチインタフェースの概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る一例のタッチスクリーンの構成要素を示す概略分解組立図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る自動車両の車室の一例の概略的表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1aは、タッチ検出デバイスのタッチインタフェースの概略斜視図である。
【0039】
ここで、タッチインタフェース1は、六面体の形状を有する。しかしながら、タッチインタフェースは、底面が三角形、円形、方形または多角形である形状などの、他の特定の形状を有してもてもよい。ここでは、タッチインタフェース1は、典型的には、長さL、幅Iおよび厚みeという3つの寸法を有する。
【0040】
1つの有利な実施形態において、厚みeは、最小寸法である。厚みは、0.4mm~30mmである。
【0041】
厚みeが0.4mm~2mmである場合、タッチインタフェース1は、可撓性であるか、または可撓性を有するようにされ得る。厚みeが2mm~30mmである場合、タッチインタフェース1は、より高い剛性を有する。
【0042】
したがって、特定の厚みeは、タッチインタフェース1に特定の機械的特性を与える。
【0043】
概して、タッチインタフェース1は、複合材料から形成される。複合材料は、樹脂が含浸されたリグノセルロース材料である。
【0044】
複合材料の含浸方法は、当業者にとって公知であり、特に国際公開第2017/098149号中に記載される。この引用文書中に記載される方法は、主として、浸漬と呼ばれる脱リグニンステップと、それに続く充填化合物の充填と呼ばれる含浸ステップと、で構成される。
【0045】
当然のことながら、他の含浸様式を用いて複合材料を形成してもよい。
【0046】
樹脂分率は、複合材料の合計質量との関係において30質量%(最小樹脂分率)~80質量%(最大樹脂分率)である。
【0047】
樹脂分率計算の2つの例を以下に提示する。第1の例は、非脱リグニン木材に関する。第2の例は、完全にまたは部分的に脱リグニンされた木材に関する。数値的応用によりこれらの計算が例示される。
【0048】
第1の実施例によると、非脱リグニン木材について、f(resin)と記される樹脂質量分率は、文字通り以下のように表現される。
【数1】
式中、
m(resin):含浸された樹脂の質量
m(wood+resin):木材および樹脂(複合材料)の質量
【0049】
換言すると、木材中に含浸させられた樹脂の質量と木材および樹脂の質量とを明示的に定義することによって、樹脂質量分率は、文字通り以下の式1のように表現される。
【数2】
式中、
f(resin,vol):木材中の空気の体積分率(または、木材中に天然に存在する空の空間全てを満たす樹脂の体積分率)
V(wood):木材の体積
μ(wood):木材の単位体積質量
μ(resin):樹脂の単位体積質量
【0050】
あるいは、例えば、V(wood)により等式(1)を簡略化することによって、樹脂質量分率は、以下のように表現される。
【数3】
【0051】
非限定的な実施例を用いて、樹脂質量分率を、0.7に等しい密度(30体積%の空気と等価)の非脱リグニン硬木(相対湿度レベル15%)について計算することができる。ここで、硬木には、例えば、1.18g/m3の単位体積質量を有するポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)が含浸される。
【0052】
樹脂質量分率は、以下の通りである。
【数4】
すなわち、
f(hardwood,PMMA)=0.34
【0053】
したがって、木材のリグノセルロース構造内に天然に存在する全ての空間を樹脂に置き換える場合、最大34質量%の樹脂がこの非脱リグニン硬木(相対湿度レベル15%)に含浸し得る。
【0054】
第2の実施例によると、ここで、木材は、完全にまた部分的に脱リグニンされる。
【0055】
この実施例において、木材のリグノセルロース構造内に天然に存在する空の空間および木材の部分的または完全な脱リグニンによって得られる空の空間に、樹脂が充填される。
【0056】
樹脂の質量分率は、このとき以下のように表現される。
【数5】
式中、
f(delignified):脱リグニン度
f(wood lignin):木材中のリグニン体積分率
f(air):木材中の空気体積分率
V(wood):木材の体積
μ(wood):木材の単位体積質量
μ(resin):樹脂の単位体積質量
【0057】
したがって、非限定的な応用として、密度0.5(相対湿度レベル15%)、リグニン体積分率30%、脱リグニン度90%で、1.18g/m3の単位体積質量のPMMAが含浸された軟木について、樹脂質量分率を計算することができる。
【0058】
樹脂質量分率は、以下のように表現される。
【数6】
すなわち、
f(softwood,PMMA)=0.64
【0059】
したがって、この実施例における樹脂の最大質量分率は、64%である。
【0060】
これらの例示的実施形態は、全く限定的ではない。
【0061】
したがって、複合材料中に含浸させられる樹脂の質量分率は、特に、木材の性質(軟木、唐木(exotique)、硬木)、ひいては、木材の密度もしくは単位体積質量、木材の部分的もしくは完全脱リグニン、ならびに木材中に含浸させられる樹脂のタイプによって左右される。
【0062】
樹脂は、典型的には、参照により本明細書に内容が組込まれる国際公開第2017/098149号中に記載の通りの熱硬化性ポリマまたは熱可塑性ポリマである。樹脂は、同様にエラストマであってもよい。
【0063】
有利には、樹脂は、ポリマもしくはコポリマ、または、熱可塑性樹脂の場合にはラジカル重合開始剤と、もしくは熱硬化性樹脂の場合には架橋剤と、会合したモノマである。
【0064】
熱可塑性ポリマまたはコポリマは、フルオロポリマ、ポリスチレン、ポリカーボネートもしくはポリアミドファミリ、または当業者にとって公知の他の任意のファミリ、などのファミリから選択される。
【0065】
熱可塑性モノマは、アゾイソブチロニトリルタイプの開始剤、過酸化物または当業者にとって公知の任意の開始剤と会合した、メタクリレートタイプ(エチル、メチル、ブチル)の石油由来のモノマ、または生物由来のモノマの中から選択され得る。
【0066】
有利には、熱硬化性モノマは、好適な架橋剤と会合した、エポキシもしくはフェノール系石油由来モノマ、または当業者にとって公知の他の任意の樹脂、または生物由来モノマの中から選択されるものとする。
【0067】
樹脂は、温度および湿度条件の如何に関わらず、リグノセルロース材料から形成された複合材料を安定化させるという利点を有する。したがって、タッチインタフェースは、屋内および屋外での使用に等しく好適であり得る。
【0068】
樹脂は、疎水性であってもよい。したがって、複合材料は、環境内の水分と反応することがさらに少ない。
【0069】
したがって、タッチインタフェースは、より安定した誘電特性を有する。
【0070】
有利な実施形態において、上記リグノセルロース材料は、リグニンと、セルロースおよびヘミセルロースで構成されたネットワークと、を含む木材である。
【0071】
したがって、タッチインタフェース1は、天然木材に近い見掛けと、木材により得られるものに少なくとも類似した機械的特性と、を同時に有する。
【0072】
より具体的には、なおも国際公開第2017/098149号を参照すると、当該文書中で言及される複合材料の含浸方法によって処理されたモミ材の試料および天然モミ材の試料の曲げ、軸方向引張りおよび軸方向圧縮の比較用測定が実施されている。
【0073】
曲げの測定は、処理されたモミ木材の試料が天然モミ木材の試料に比べて200%増大した曲げ力およびより段階的な破断を有することを示す。軸方向圧縮の測定は、処理されたモミ木材の試料が、天然モミ木材の試料に比べて170%増大した圧縮力に対応する耐性およびより段階的な破断を有することを示す。軸方向引張り測定は、処理されたモミ木材の試料が、天然モミ木材の試料のものと実質的に同一の値の可塑変形を有することを示す。
【0074】
したがって、有利な一実施形態において、国際公開第2017/098149号中に記載される方法によって得られるリグノセルロース材料は、木材タイプの未処理のリグノセルロース材料のものよりも優れたまたは少なくともそれと等価の機械的特性を得ることを可能にする。
【0075】
さらに、有利な一実施形態において、木材は、特定の樹種から選択される。事実、選択される樹種に応じて、木材は、特定の外観および機械的特性を有する。したがって、タッチインタフェース1も同様に特定の外観および機械的特性を有する。
【0076】
図2を参照すると、丸太2は、異なる平面に沿って切断され得るということを指摘しておくべきである。
【0077】
丸太2が、この丸太2によって形成される方向に対し直交して切断される場合、これは横断方向切断(Transverse Cut;TC)(Coupe Transversale;CT)と呼ばれる。
【0078】
丸太2が、この丸太2によって形成される方向に対して平行な方向で切断される場合、これは長手方向切断と呼ばれる。長手方向切断には、長手方向半径切断(Radial Longitudinal Cut;RLC)(Coupe Longitudinale Radiale;CLR)および長手方向接線切断(Tangential Longitudinal Cut;TLC)(Coupe Longitudinale Tangentielle;CLT)の2つのタイプが存在する。
【0079】
丸太の中央長手方向軸ZZ’を通る長手方向半径切断RLCは、丸太の中央長手方向軸を通らない長手方向接線切断TLCと区別される。
【0080】
有利な一実施形態において、タッチインタフェースの複合材料を生産するために使用されるリグノセルロース材料は、丸太の長手方向切断または横断方向切断に由来する。
【0081】
したがって、リグノセルロース材料は、基本的に均質な機械的特性を有する木材である。
【0082】
有利な実施形態において、リグノセルロース材料の厚みは、欧州の木材業界において標準である、例えば0.6mm、0.9mm、1.2mm、2.5mm、6mm、18mmまたは27mmなどの切断値に対応し得る。
【0083】
タッチインタフェース1は、例えば、標準的な厚みのこのような木材切断から形成される。しかしながら、タッチインタフェースの厚みeは、樹脂での含侵後に(suite a` son impre'gnation par une re'sine)、使用されるリグノセルロース材料の厚みとはわずかに異なるものであり得る。
【0084】
図1bは、光ビームが衝突するタッチインタフェース1の概略図を示す。ここで、タッチインタフェース1は、入射光の少なくとも一定の百分率が通過できるようにするために好適なものとなるように選択される。したがって、光の入射ビーム(Incident Beam;IB)(Faisceau lumineux Incident;FI)がタッチインタフェース1の上面11に接した場合、光ビームは偏向する。屈折光ビーム(Refracted light Beam;RB)(Faisceau lumineux Re'fracte';FR)および吸収光ビーム(Absorbed light Beam;AB)(Faisceau lumineux Absorbe';FA)が形成される。吸収光ビームABがタッチインタフェース1の下面12に到達すると、透過光ビーム(Transmitted light Beam;TB)(Faisceau lumineux Transmis;FT)が形成される。吸収光ビームABは、再び、タッチインタフェース1の下面12上で屈折し得る。
【0085】
光透過係数は、タッチインタフェースを通過する光、すなわち通過光ビームTBの量に対応する。より具体的には、測定は、周囲照明の値と透過光束の値との間での比較によって行なわれる。測定は、ルクス単位で行なわれる。
【0086】
光透過係数が5%~90%である場合、物体は、半透明であるとみなされる。光透過係数が90%超である場合、物体は透明であるとみなされる。これらの値は、平均値であることが指摘される。
【0087】
例えば、脱リグニン木材から得たタッチインタフェース1の場合、光透過係数が全方向において同じでない可能性がある。実際には、タッチインタフェース1の領域に応じて、木材は、より高いまたは低いレベルで脱リグニンされ、光の通過可能レベルは、より高くまたはより低くなる。
【0088】
光透過係数の測定プロトコルについては、例えば国際公開第2017/098149号の参照が指示されるものとする。
【0089】
さらに、なおも国際公開第2017/098149号を参照すると、選択されたリグノセルロース材料に応じて、タッチインタフェース1は、非常に可変的な光学的演出(rendu optique)を有することができる。
【0090】
実際には、リグノセルロース材料が木材である場合、セルロースとヘミセルロースとのネットワークは、各々の樹種に特徴的なものである。したがって、リグノセルロース材料を含むタッチインタフェース1は、程度の差こそあれ半透明であるか、さらには透明であってもよく、木目の幾何形状および色合いは異なってもよい。
【0091】
例えば、なおも木材タイプのリグノセルロース材料の場合、樹種に応じて、夏材および春材のゾーンは、同じ性質を有していない、または差別化されない可能性がある。同じことは、一定の樹種の辺材および心材についてもあてはまる。
【0092】
横断方向切断の場合、こうして、一部の木材、特に年輪(夏材と春材との交番)を有する木材については、一つの部分、多くの場合夏材は、例えば浸漬ステップなどの処理をさほど促進されず、こうして処理の後、程度の差こそあれ半透明または透明のゾーン、さらには不透明でさえあるゾーンを出現させる。
【0093】
充填ステップ中の構造の反応性を実質的に均一にして、材料を均一に半透明または透明にすることも同様に可能である。
【0094】
換言すると、木材タイプのリグノセルロース材料の場合、樹種の選択は、リグノセルロース材料の光学的特性に影響を及ぼす。
【0095】
したがって、樹種および切断を適切に選択することによって、タッチインタフェース1の半透明性または透明性を最適化することが可能である。
【0096】
有利な一実施形態において、樹脂は、少なくとも5%の光透過係数を有するタッチインタフェース1を得るように選択される。
【0097】
少なくとも5%の光透過係数により、ユーザがタッチインタフェース1を通して物を見ることができる。
【0098】
別の有利な実施形態において、樹脂は、含浸すべきリグノセルロース材料のものと実質的に同一の屈折率を有するように選択される。樹脂は、1.35~1.70の屈折率を有するように選択されてもよい。
【0099】
換言すると、樹脂は、セルロースのものと同じ光学密度を有するように選択される。
【0100】
実際には、リグノセルロース材料は、主として、セルロースで構成され、ヘミセルロースは、セルロースのものに近い光学密度を有する。したがって、半透明な、または透明でさえあり得るリグノセルロース材料を得るために、樹脂は、セルロースのものと同じ光学密度を有するように選択される。
【0101】
より具体的には、なおも国際公開第2017/098149号を参照すると、こうして得られるポリマの屈折率は、典型的には1.35~1.70の範囲内にあり、多くの場合、1.47、1.53、1.56または1.59前後が採用され、これらの値の前後のおよそ10%の変動が可能である。
【0102】
異なる一実施形態において、この屈折率は、典型的には1.40~1.60の範囲内、例えば、およそ1.47でもあり得る。
【0103】
したがって、樹脂の適切な選択は、タッチインタフェース1の半透明性または透明性を最適化することを可能にする。
【0104】
さらに、木材の樹種、木材の切断および樹脂の適切な選択により、タッチインタフェース1上に入射する光線の回折および屈折を制限し、こうして透過光信号の輪郭を鮮明にすることができる。
【0105】
これに比べて、未処理の天然木材は、光を拡散させる。より具体的には、木材の厚みの内部を光が通過する際に、光のハローが形成される。したがって、その厚みを通した適正な読取りは困難になる。
【0106】
半透明または透明特性は、彫刻(gravure)を必要とせずにマンマシンインタフェースとしてタッチインタフェース1を使用することを可能にする。したがって、ここで提示されるタッチインタフェース1は、自動車部門におけるコンフォートナイトディスプレイ(「ブラックパネル」として公知)の製造において使用され得る。実際には、タッチインタフェース1は半透明または透明であることから、考えられる異なるコマンドを標示するためにタッチインタフェース1の表面を彫刻する必要がない。
【0107】
コマンドは、例えば、本明細書中の以下で説明する表示デバイス5上に表示される。
【0108】
有利な一実施形態において、タッチインタフェース1は、その下面12により、制御される不透明性を有するフィルタ(図示せず)と接触する。
【0109】
より具体的には、制御される不透明性を有するフィルタは、その不透明性の制御を可能にする給電手段に接続される。
【0110】
制御される不透明性を有するフィルタは、その電源が切られているとき、不透明である。光は、その中を通過できない。制御される不透明性を有するフィルタは、通電されているとき、透明または半透明である。光は、フィルタを通過でき、こうしてタッチインタフェース1を通って透過し得る。
【0111】
別の実施形態において、樹脂は、特にタッチインタフェース1の伝導性を改善する目的で、電気伝導性粒子と混合される。
【0112】
換言すると、同じ厚みに対して、ドープ樹脂を含むタッチインタフェース1は、非ドープ樹脂を含むタッチインタフェース1に比べてかなり低い電気抵抗特性を有する。
【0113】
したがって、ドープ樹脂を含むタッチインタフェース1は、タッチ検出用に構成された伝導率特性を保ちながらより大きい厚みを有することができる。
【0114】
典型的には、電気伝導性粒子は、インジウムスズ酸化物、酸化インジウムまたは黒鉛粒子である。
【0115】
当然のことながら、他の電気伝導性粒子は、樹脂と混合され得る。
【0116】
換言すると、樹脂は、電気伝導性粒子でドープされて、リグノセルロース材料の構造内に含浸させられる。
【0117】
多孔性を有する木材タイプのリグノセルロース材料の場合、ドープ樹脂は、木材の空洞内に挿入される。
【0118】
したがって、タッチインタフェース1は、より優れた電気伝導率性能を有する。
【0119】
別の実施形態において、タッチインタフェース1は、ドープ樹脂を含まないが、その下面12で、圧電または容量特性を有するタッチフィルムと接触する。
【0120】
ユーザは、こうして、タッチインタフェース1の上面11上における木材の感触を保つ。タッチフィルムとタッチインタフェース1との組合せにより、このように構成されたアセンブリのタッチ検出特性が改善される。
【0121】
図3を参照すると、本発明の一実施形態に係るタッチスクリーン3の概略図が示される。
【0122】
描かれるタッチ検出技術は、キャパシタンス技術タイプのものである。しかしながら、他の任意のタッチ検出技術を使用することができる。実際には、タッチインタフェース1と共に、抵抗技術、表面波技術、赤外線技術、または例えば圧電技術を使用することができる。
【0123】
これらの異なるタイプの技術、およびそれらの実装手段は、当業者にとって周知のものであり、ここで詳述する必要はない。
【0124】
タッチスクリーン3は、タッチ検出デバイス4を含み、このタッチ検出デバイス4の下面は、表示デバイス5と接触する。
【0125】
例えば、表示デバイス5は、Foled(「Flexible Oled(フレキシブル有機発光ダイオード)」の略語)である。
【0126】
このタイプの表示デバイス5は、特にタッチインタフェース1が可撓性特性を有する場合、上述のようにタッチインタフェース1と協働するように正しく適応される。
【0127】
表示デバイス5は、概して、可撓性、半剛性または剛性スクリーンであり得る。
【0128】
表示デバイス5は、Oledタイプ、LCDタイプ、OTFTタイプ、OLCDタイプまたはQLEDタイプであり得る。
【0129】
それは、タッチコマンドに従ってオンまたはオフに切替えられ得るOLEDタイプの固定画像表示デバイスであってもよい。
【0130】
この場合、表示デバイス5とタッチインタフェース1との間には、好ましくは、タッチスクリーンの活性ゾーンを境界画定するように切断された電気伝導性透明層、ならびにタッチインタフェース1が表示デバイス5の活性ゾーンの上方に誘電ブリッジを創出するのを回避するためのこの電気伝導性層とタッチインタフェース1との間の絶縁層が挿入される。
【0131】
表示デバイス5は、同様に、携帯電話のディスプレイなどの動画(動画グラフィックスオブジェクト)用のスクリーンであってもよい。
【0132】
別の実施形態において、表示デバイス5は、画像プロジェクタ(図示せず)を含む画像投影システムから形成される。ここで、タッチインタフェース1は、その下面12で、画像プロジェクタをアクティブ化できるようにするタッチフィルムと接触する。画像の投影は、タッチインタフェース1の下面12上で実施される。
【0133】
タッチインタフェース1の下というタッチフィルムの特定的配置により、ユーザによるタッチインタフェース1の直接的感触を維持することが可能になる。換言すると、ユーザの指は、タッチフィルムではなくタッチインタフェース1の木材の木目と接触する。
【0134】
別の有利な実施形態において、表示デバイスは、発光織物、すなわち電子発光構成要素が付加された織物である。この発光織物は、タッチ検出デバイス4に対し固着され得る。
【0135】
特定の一実施形態において、発光織物は、タッチ検出デバイス4の下面全体またはその一部分を覆うことができる。
【0136】
ここでもまた、発光織物の特定的配置により、タッチインタフェース1の木材との直接的接触が可能となる。
【0137】
タッチ検出デバイス4は、上述の通り、タッチインタフェース1を含む。この実施形態におけるタッチインタフェース1は、その下面12で、第1の導電層C1と接触する。第1の導電層C1は、その下面で、接着剤層A1と接触する。接着剤層A1は、その下面で、第2の導電層C2と接触する。第2の導電層C2は、第1の導電層C1と相補的である。
【0138】
4つの層1、C1、A1、C2は、積み重ねられて、表示デバイス5の上に置かれる。
【0139】
一変形実施形態において、追加の接着剤層A2が、タッチインタフェース1の下面12と第1の導電層C1の上面との間に置かれる。追加の接着剤層A2は、タッチインタフェース1をタッチ検出デバイス4の残りの部分に保持することを可能にする。タッチインタフェース1を締結するための他の手段、例えば支持フレームを使用してもよい。
【0140】
表示デバイス5が、タッチスクリーン3上に異なる要素を表示させることができる照明手段を含む、ということが指摘される。
【0141】
したがって、別の有利な実施形態において、タッチインタフェース1が例えば5%~30%の低い光透過係数を有する場合でも、ユーザが、タッチスクリーン3上に表示された要素を見て、これらの要素とインタラクトすることが可能である。
【0142】
有利な一実施形態において、拡散層(図示せず)は、タッチインタフェース1の下面12と接触した状態で配置される。
【0143】
換言すると、拡散層は、タッチインタフェース1の上面11上に配置されない。したがって、ユーザは、拡散層ではなくタッチインタフェース1の木材に触れる。
【0144】
拡散層は、表示デバイス5の照明手段に由来する光を拡散させることができる。
【0145】
一般に、上述したタッチインタフェース1は、当業者にとって周知のあらゆるタッチ検出デバイス4およびタッチスクリーン3において使用可能である。
【0146】
有利な実施形態において、タッチ検出デバイス4は、表示デバイスからの出力として直接発出された光に実質的に近い光をタッチインタフェース1の出力端において得るため、周囲照明光の外乱に応じてかつタッチインタフェース1の色に応じて表示デバイス5により発出される光の色を変調させるように構成された光センサおよびマイクロコントローラのシステム(図示せず)と結び付けられる。
【0147】
例えば、タッチインタフェース1のために利用される木材の樹種が黄色または橙色である場合、光センサおよびマイクロコントローラのシステムは、青色光を発出するように表示デバイス5の照明手段に命令を与え、またその逆も言える。こうして、使用される木の樹種とは無関係に、表示デバイス5の出力端で直接発出される光に近く、ユーザの目に見える光が得られる。
【0148】
例えば、ここでも、周囲照明が弱い場合、光センサおよびマイクロコントローラのシステムは、より強い光を発出するように表示デバイス5の照明手段に対して命令を与える。
【0149】
概して、光センサおよびマイクロコントローラのシステムは、タッチインタフェース1の出力端において、光が表示デバイス5から出力された光と実質的に同一である(強度、比色スペクトルなど)ように、周囲照明光の外乱に応じてかつ木の樹種の色に応じて光の色および強度を変調させることに向けられる。
【0150】
有利な一実施形態において、タッチ検出デバイス4は、振動による触覚フィードバックを可能にする触覚デバイスを含む。
【0151】
換言すると、ユーザがタッチ検出デバイス4に触れたとき、戻り力が提供される。この戻り力は、電気振動エミッタまたは超音波振動エミッタによって生成され得る。
【0152】
図4を参照すると、このようなタッチ検出デバイス4およびタッチスクリーン3の使用例が、自動車両の車室内で表現される。
【0153】
一実施形態において、タッチ検出デバイス4および/またはタッチスクリーン3は、自動車両の前座席の間のセンタコンソール41内に組み込まれる。同様にして、ハンドル42の場所または自動車両のドア43の1つの場所に、タッチ検出デバイス4および/またはタッチスクリーン3が組込まれる。
【0154】
したがって、車両のユーザ、ドライバまたは同乗者は、センタコンソール41内に組込まれたマルチメディアセットを用いて車両のコマンドとインタラクトすることができる。
【0155】
図4に提示された例示的実施形態において、センタコンソール41内に組込まれたマルチメディアセットは、2つのタッチ検出デバイス4および1つのタッチスクリーン3を含む。
【0156】
有利な一実施形態において、マルチメディアセットは、唯一つまたはそれ以上のタッチスクリーン3を含む。マルチメディアセットは、タッチスクリーンの照明手段が動作していない場合、ユーザにとって可視的な区切りの無い均一な面を含む。
【0157】
換言すると、タッチスクリーン3は、照明手段が動作していない場合、ユーザには見えない。
【0158】
なおも、
図4に示される実施形態に関して、各々のタッチ検出デバイス4は、タッチ部分および非タッチ部分を含む。
【0159】
より具体的には、タッチ検出デバイス4に関して、タッチ部分は、タッチ検出技術と接触状態にあるタッチインタフェース1の部分に対応する。これらは、例えばタッチ制御キーである。非タッチ部分は、タッチ検出技術と接触していない下面12を有するタッチインタフェース1の部分である。これらは、例えばタッチ制御キーの間の空間である。
【0160】
当然のことながら、本発明は、上述の例示的実施形態に限定されるものではない。本発明は、贅沢品(例えば腕時計用バンド)、成形(もしくはデザイン)部材または大量消費市場向け電子製品(例えば電話、デジタルタブレット、テレビ)向けの多様な実装のために使用可能である。
【0161】
本発明は、同様に、自動車のインテリア要素(ダッシュボード、ドア要素)などの移動性に関連する要素のため、航海分野(例えばジェットスキー、ボート、ヨットもしくはジェットインテリア要素)において、または航空分野(例えばドローン)においても使用可能である。
【0162】
本発明は、同様に、スポーツ要素(例えばスキー)、大量消費品の要素(例えば眼鏡または電話保護用品)、および建設分野向けの要素のためにも使用可能である。
【0163】
本発明は、同様に、タッチスクリーン付きのデスクテーブルまたはユーザとのインタラクトを可能にするタッチ検出デバイス付きのドアなど、調度品またはオフィスオートメーションの分野においても使用可能である。