(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】推薦方法と装置、コンピューティング装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20230620BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230620BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20230620BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/0601 330
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2021527278
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 CN2019121919
(87)【国際公開番号】W WO2020108605
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】201811445266.1
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲楽▼宇
(72)【発明者】
【氏名】葛 ▲凱▼▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】唐 琳▲瑶▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 雨丹
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ ▲粛▼
(72)【発明者】
【氏名】庄 ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 晶
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-071887(JP,A)
【文献】特開2015-036856(JP,A)
【文献】特開2018-181326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティング装置が実行する推薦方法であって、
ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得するステップと、
前記ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける、それぞれ同じ又は類似する嗜好を有するユーザが属する少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度を、
少なくとも1つのグループの中のグループメンバーのベクトル表現である、グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを入力することで事前にトレーニングされた第1の注意モデルを用いてそれぞれに決定するステップ
であって、前記異なるタイプのソーシャル関係は、グループ関係を含み、前記少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて参加した少なくとも1つのグループを含む、ステップと、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定するステップと、
前記総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定するステップと、を含み、
前記第1の注意モデルには、各ソーシャル関係毎に、該ソーシャル関係中の各ターゲットソーシャルオブジェクトのソーシャル関係での
、各グループ毎にトレーニングされた、該グループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みが事前にトレーニングされており、
前記第1の注意モデルから出力された各ソーシャル関係の前記候補アイテムへの個々の注目度は、前記ターゲットソーシャルオブジェクトの前記ソーシャル関係での重要度の重みと前記ソーシャル関係それぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータとをさらに重み付け処理して得られたものであり、
前記注意パラメータは、グループメンバーそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータである、推薦方法。
【請求項2】
前記異なるタイプのソーシャル関係は、グループ関係を含み、
前記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ソーシャルプラットフォームのユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて参加した少なくとも1つのグループを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定する前記ステップは、具体的には、
前記少なくとも1つのグループの中のグループメンバーのベクトル表現である、グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第1の注意モデルに入力するステップであって、前記第1の注意モデルには、前記ソーシャルプラットフォームの各グループの前記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされている、ステップと、
前記第1の注意モデルから出力された各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度を取得するステップであって、該個々の注目度は、前記第1の注意モデルが各グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各グループそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した前記注意パラメータに基づいて生成し出力した、各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度である、ステップと、を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の注意モデルから出力された各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度は、各グループ中の各グループメンバーの各グループでの重要度の重みと各グループそれぞれの前記候補アイテムへのグループメンバーそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータとをさらに重み付け処理して得られたものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記異なるタイプのソーシャル関係は、友達関係をさらに含み、
前記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ソーシャルプラットフォームのユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて追加した少なくとも1つの友達を含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定する前記ステップは、
前記少なくとも1つの友達のベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第2の注意モデルに入力するステップであって、前記第2の注意モデルには、前記ソーシャルプラットフォームの各友達の前記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされている、ステップと、
前記第2の注意モデルから出力された各友達の前記候補アイテムへの個々の注目度を取得するステップであって、該個々の注目度は、前記第2の注意モデルが各友達のベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各友達の前記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した注意パラメータに基づいて生成した、各友達の前記候補アイテムへの個々の注目度である、ステップと、をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定する前記ステップは、具体的には、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に正規化処理を行うステップと、
正規化処理した、同じタイプのソーシャル関係におけるターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に加算処理を行って、各タイプのソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を取得するステップと、を含み、
前記総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定する前記ステップは、具体的には、
同じタイプのユーザが属するソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度に特徴融合を行って、前記候補アイテムを推薦する推薦指数を取得するステップと、
前記推薦指数に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定するステップと、を含む請求項1~4、6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得する取得モジュールと、
前記ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける、それぞれ同じ又は類似する嗜好を有するユーザが属する少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度を、
少なくとも1つのグループの中のグループメンバーのベクトル表現である、グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを入力することで事前にトレーニングされた第1の注意モデルを用いてそれぞれに決定する第1の決定モジュール
であって、前記異なるタイプのソーシャル関係は、グループ関係を含み、前記少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて参加した少なくとも1つのグループを含む、決定モジュールと、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定する第2の決定モジュールと、
前記総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定する第3の決定モジュールと、を含み、
前記第1の注意モデルには、各ソーシャル関係毎に、該ソーシャル関係中の各ターゲットソーシャルオブジェクトのソーシャル関係での
、各グループ毎にトレーニングされた、該グループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みが事前にトレーニングされており、
前記第1の注意モデルから出力された各ソーシャル関係の前記候補アイテムへの個々の注目度は、前記ターゲットソーシャルオブジェクトの前記ソーシャル関係での重要度の重みと前記ソーシャル関係それぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータとをさらに重み付け処理して得られたものであり、
前記注意パラメータは、グループメンバーそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータである、推薦装置。
【請求項9】
前記異なるタイプのソーシャル関係は、グループ関係を含み、
前記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ソーシャルプラットフォームのユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて参加した少なくとも1つのグループを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の決定モジュールは、さらに、
前記少なくとも1つのグループの中のグループメンバーのベクトル表現である、グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第1の注意モデルに入力し、前記第1の注意モデルには、前記ソーシャルプラットフォームの各グループの前記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされており、
前記第1の決定モジュールは、さらに、
前記第1の注意モデルから出力された各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度を取得し、該個々の注目度は、前記第1の注意モデルが各グループのベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各グループそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した前記注意パラメータに基づいて生成し出力した、各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の注意モデルから出力された各グループの前記候補アイテムへの個々の注目度は、各グループ中の各グループメンバーの各グループでの重要度の重みと各グループそれぞれの前記候補アイテムへのグループメンバーそれぞれの前記候補アイテムへの注意パラメータとを重み付け処理して得られたものである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記異なるタイプのソーシャル関係は、友達関係をさらに含み、
前記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、前記ソーシャルプラットフォームのユーザが前記ソーシャルプラットフォームにおいて追加した少なくとも1つの友達を含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の決定モジュールは、さらに、
前記少なくとも1つの友達のベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第2の注意モデルに入力し、前記第2の注意モデルには、前記ソーシャルプラットフォームの各友達の前記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされており、
前記第1の決定モジュールは、さらに、
前記第2の注意モデルから出力された各友達の前記候補アイテムへの個々の注目度を取得し、該個々の注目度は、前記第2の注意モデルが各友達のベクトル表現と前記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各友達の前記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した前記注意パラメータに基づいて生成した、各友達の前記候補アイテムへの個々の注目度である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の決定モジュールは、さらに、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に正規化処理を行い、
正規化処理した、同じタイプのソーシャル関係におけるターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に加算処理を行って、各タイプのソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を取得する請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第3の決定モジュールは、さらに、
同じタイプのユーザが属するソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度に特徴融合を行って、前記候補アイテムを推薦する推薦指数を取得し、
前記推薦指数に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1~7のいずれか1項に記載の推薦方法のステップを実行させるコンピュータプログラムが記憶されている少なくとも1つのメモリと、を含むコンピューティング装置。
【請求項17】
コンピュータに、請求項1~7のいずれか1項に記載の推薦方法のステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年11月29日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201811445266.1で、発明の名称が「推薦方法、装置及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容が参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
[技術分野]
本願は、インターネットの技術分野に関し、特に推薦方法、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
人工知能(Artificial Intelligence、AI)は、デジタルコンピュータ又はデジタルコンピュータによって制御されている機械を使用して、人間の知能をシミュレーション、発展、拡張し、環境を感知し、知識を獲得すると共に、知識を使用して最適な結果を得る理論、方法、技術及びアプリケーションシステムである。換言すれば、人工知能は、コンピュータ科学の総合的技術であり、知能の実質を理解し、かつ人間知能に類似する方式で反応できる新規な知能機械を生み出すことを目的とする。人工知能は、様々な知能機械の設計原理と実現方法を研究することにより、機械に検知、推論及び決定の機能を有させることである。
【0004】
人工知能技術は、総合学科であり、幅広い分野に係り、ハードウェア上の技術もあれば、ソフトウェア上の技術もある。人工知能の基盤技術は、一般に、センサ、専用の人工知能チップ、クラウドコンピューティング、分散記憶、ビッグデータ処理技術、オペレーティング/インタラクションシステム、メカトロニクスなどの技術を含む。人工知能ソフトウェア技術は、主にコンピュータビジョン技術、音声処理技術、自然言語処理技術及び機械学習/深層学習などを含む。
【0005】
機械学習(Machine Learning、ML)は、多分野の学際的な学科であり、確率論、統計学、近似理論、凸解析、アルゴリズム複雑性理論などの様々な学科に関連する。コンピュータがどのように人間の学習行動をシミュレーションするか又は実現することにより、新たな知識又はスキルを獲得し、既存の知識構造を再構築して自身の性能を継続的に向上させるかを専門に研究するものである。機械学習は、人工知能の中核であり、コンピュータに知能を持たせる根本的な手段であり、その適用は、人工知能の様々な分野に広がっている。機械学習と深層学習は、通常、人工ニューラルネットワーク、信頼ネットワーク、強化学習、転移学習、帰納学習、ティーチングによる学習などの技術を含む。
【0006】
インターネット技術の継続的な発展に伴い、情報化時代の情報に対するユーザのニーズを満たすために、インターネット上の様々なアイテムが迅速に増加し、インターネット上のアイテムとは、インターネット上の、ユーザによる消費、参加及び行動インタラクションに用いられるデータ情報、例えば、商品、文章、広告及び仮想情報などを指すが、ユーザごとにアイテムに対するニーズは異なる。これにより、異なるユーザに異なるアイテムを推薦する必要がある。例えば、一部の推薦方法では、ユーザの友達の情報に基づいてユーザの嗜好を見出すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の実施形態は、ユーザに興味を持つアイテムを推薦する正確度を高め、ユーザに興味を持たないアイテムを複数回推薦することを回避し、リソース使用率を向上させ、さらにユーザ体験を向上させるための推薦方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本願の実施形態に係る推薦方法は、コンピューティング装置が実行する推薦方法であって、
ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得するステップと、
前記ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定するステップと、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定するステップと、
前記総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定するステップと、を含む。
【0009】
別の態様では、本願の実施形態に係る推薦装置は、
ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得する取得モジュールと、
前記ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定する第1の決定モジュールと、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定する第2の決定モジュールと、
前記総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定する第3の決定モジュールと、を含む。
【0010】
別の態様では、本願の実施形態に係るコンピューティング装置は、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、本願の実施形態に係る推薦方法のステップを実行させるコンピュータプログラムが記憶されている少なくとも1つのメモリと、を含む。
【0011】
別の態様では、本願の実施形態に係る記憶媒体には、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに、本願の実施形態に係る推薦方法のステップを実行させるコンピュータ命令が記憶されている。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施形態に係る推薦方法は、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得した場合、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定し、即ち、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける様々なソーシャル関係のソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの注目情報を十分に使用し、そして、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定し、そして、総合的な注目度に基づいて、前記ソーシャルプラットフォームのユーザに前記候補アイテムを推薦するか否かを決定するため、ユーザにアイテムを推薦する正確度を高め、ユーザに興味を持たないアイテムを送信することをできるだけ回避することにより、リソース使用率を向上させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施形態に係る適用シーンの概略図である。
【
図2】本願の実施形態に係る推薦方法のフローチャートである。
【
図3】本願の実施形態に係るアイテム推薦モデルの概略構成図である。
【
図4】本願の実施形態に係るウィーチャットユーザと友達、グループ、推薦待ちの候補アイテムとのインタラクションの概略図である。
【
図5】本願の実施形態に係る第2の注意モデルのアーキテクチャの概略図である。
【
図6】本願の実施形態に係るグループの各グループメンバーの重要度の重み取得の概略図である。
【
図7】本願の実施形態に係る第1の注意モデルのアーキテクチャの概略図である。
【
図8】本願の実施形態に係る推薦されたアイテムへの正確度の評価結果の概略図である。
【
図9】本願の実施形態に係る推薦装置の概略図である。
【
図10】本願の実施形態に係るコンピューティング装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の実施形態又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本願の一部の実施形態に過ぎない。
【0015】
本願の実施形態の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施形態における図面を参照しながら、本願の技術手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施形態は、本願の技術手段の一部の実施形態であり、全ての実施形態ではない。当業者が本願に記載の実施形態を基に、創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施形態は、いずれも本願の技術手段の保護範囲に属する。
【0016】
人工知能技術の研究と進歩に伴い、人工知能技術は、例えば、普通のホームオートメーション、スマートウェアラブルデバイス、バーチャルアシスタント、スマートスピーカー、スマートマーケティング、無人運転、自動運転、無人航空機、ロボット、スマート医療、スマートコール、音声認識などの様々な分野における研究と適用が行われており、技術の発展に伴い、人工知能技術は、より多くの分野に適用され、ますます重要な価値を発揮すると考えられる。
【0017】
一部の推薦手段では、ユーザの友達の情報に基づいてユーザの嗜好を決定できるが、これらの方法では、ユーザの一部の友達の情報のみが考慮に入れられるが、ユーザは必ずしも該一部の友達と同じ又は類似する嗜好を持つとは限らず、友達の角度のみからユーザの嗜好を見出すことは、正確なユーザ嗜好情報を取得できないため、上記推薦方法には、アイテム推薦の正確度が低く、ユーザ体験に影響を与えるという技術的問題がある。
【0018】
ソーシャルネットワークの発展に伴い、一部のソーシャルプラットフォームとアプリケーションプログラムでは、ユーザが興味を持つグループに参加し、グループメンバーと通信することができるようになっている。グループ活動は、ユーザの興味を反映することができ、ユーザの友達情報を補完するものである。
【0019】
本願の実施形態に係るアイテム推薦方法では、友達情報が考慮に入れられることに加えて、ユーザ嗜好との関連性の高いグループ情報がさらに導入されている。本願の一部の実施形態に係るソーシャル注意協調フィルタリング(SACF、Social Attentional Collaborative Filtering)モデルは、ユーザの友達情報とグループ情報とを共に使用し、全てのソーシャル関係がユーザの嗜好の決定に同様に役立つことではないため、該モデルは、ユーザの異なる友達とグループの影響を区別するために、注意機構を導入する。また、グループ情報をよりよく使用するために、本願の実施形態は、注意モデルをさらに提供し、異なるソーシャル関係のソーシャルオブジェクトの推薦待ちのアイテムへの学習効果を向上させる。
【0020】
以下、本願の実施形態に係る一部の概念を説明する。
深層学習は、機械学習研究の新たな分野であり、分析と学習を行う人の脳のニューラルネットワークを構築し、シミュレーションするという動機があり、人の脳の機構をシミュレーションして、例えば画像や、音声、テキストなどのデータを解釈するものである。
【0021】
注意機構、即ち、Attention Mechanismは、深層学習の一分野であり、神経注意機構とも呼ばれてよく、人間の視覚の研究に由来するものである。認知科学では、情報処理のボトルネックのため、人間は、全ての情報の一部に選択的に注目すると共に、他の見える情報を無視し、上記機構は、通常、注意機構と呼ばれる。人間の網膜の異なる部位は、異なる程度の情報処理能力を備え、網膜の中央凹部のみは最も強い鋭敏さを備えている。限られた視覚情報処理リソースを合理的に使用するために、人間は、視覚領域中の特定の部位を選択してその部位に集中して注目する必要があり、例えば、人々が読むときに、通常、読むべき少数の単語が注目され処理される。以上より、注意機構は、主に、入力のどの部分に注目すべきかを決定することと、限られた情報処理リソースを重要な部分に割り当てることとの両方を含む。
注意力とは、一部の情報に注目すると共に別の情報を無視する選択能力を指す。
【0022】
本願の発明者らは、ソーシャルプラットフォームにおける異なるソーシャル関係を持つソーシャルオブジェクトがユーザ行動に異なる影響を与え、例えば、ユーザがバスケットボールシューズを購入する必要があるときに、バスケットボールをする友達の提案に頼る場合があり、旅行に関しては、ユーザが、ソーシャルプラットフォームにおける旅行好きな友達からの提案に頼る場合があるが、ユーザのバスケットボールをする友達又は旅行好きな友達は、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける友達関係を持つ友達である場合があり、ユーザが参加した、グループ関係を持つグループ中のグループメンバーである場合もあることが考えられるため、ユーザにアイテムを推薦するときに、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける異なるソーシャル関係を持つソーシャルオブジェクトのアイテムへの注目情報と組み合わせて、ユーザにアイテムを推薦する正確度を高めることができる。
【0023】
さらに、注意機構が様々な機械学習タスクで示した学習優位を考慮して、ユーザソーシャルプラットフォームにおける様々なソーシャル関係によるアイテム評価の「有用性」を学習するために、注意機構をアイテム推薦の分野に導入することにより、ユーザにアイテムを推薦する正確度をさらに向上させることができる。さらに、本願は、注意機構をアイテム推薦方法に導入する時に、ソーシャルプラットフォームにおける異なるソーシャル関係を持つソーシャルオブジェクトがユーザ行動に与える異なる影響を考慮して、異なるソーシャル関係のソーシャルオブジェクトに対して、注意機構に基づいて、各ソーシャル関係のソーシャルオブジェクトの推薦待ちのアイテムへの注意力の学習に適するモデルを設計して、異なるソーシャル関係のソーシャルオブジェクトの推薦待ちのアイテムへの学習効果を向上させ、例えば、ソーシャル関係がグループ関係である場合、グループ中の異なるグループメンバーのグループでの活発度が異なり、より活発なグループメンバーがグループにより大きな影響を与え、そのグループでの重要度も高くなり、グループ中のこのような重要度がより高いグループメンバーの候補アイテムへの注目情報が、ユーザの候補アイテムへの興味により大きな影響を与えることが考えられるため、導入された注意機構にグループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みを組み合わせて、グループのアイテムへの注目を学習することにより、取得されたグループのアイテムへの注目度を学習する正確度を高め、さらにユーザにアイテムを推薦する正確度を高める。
【0024】
これを基に、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得した場合、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定し、即ち、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける様々なソーシャル関係のソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの注目情報を十分に使用し、そして、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの前記候補アイテムへの総合的な注目度を決定し、ここで、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度は、注意機構の注意モデルを基にトレーニングして得られるものであり、即ち、注意機構の学習優位を十分に利用して、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度を正確に学習し、その後に、総合的な注目度に基づいて上記ソーシャルプラットフォームのユーザに上記候補アイテムを推薦するか否かを決定するため、ユーザにアイテムを推薦する正確度を高め、ユーザに興味を持たないアイテムを推薦することを回避し、リソース使用率を向上させてユーザ体験を向上させることができる。
【0025】
本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、
図1に示す適用シーンに適用することができ、該適用シーンは、ユーザ端末10とアイテム推薦用コンピューティング装置とを含み、
図1に示す実施形態では、アイテム推薦用コンピューティング装置は、アイテム推薦用サーバ装置11であってよく、アイテム推薦用サーバ装置11は、1台のサーバ装置であってもよいし、複数台のサーバ装置からなるサーバ装置クラスタ又はクラウドコンピューティングセンターであってもよい。一実施形態では、
図1中の上記アイテム推薦用サーバ装置11は、
図10に示すコンピューティング装置を含んでよい。
【0026】
ユーザ端末10は、プログラムに従って動作し、大量のデータを自動で、高速に処理できる任意のインテリジェント端末装置であってよく、このような端末装置は、例えば、コンピュータや、ipad、携帯電話などであり、ユーザ装置10には、例えばウィーチャットや、QQなどの、本願の実施形態におけるソーシャルプラットフォームに対応するソーシャルアプリケーション(Application、APP)がインストールされ、ユーザ装置10には、他のタイプのAPPがインストールされてよく、ソーシャルAPPは、その実行をサポートするバックエンドサーバ装置があり、そのバックエンドサーバ装置は、1台のサーバ装置であってもよいし、複数台のサーバ装置からなるサーバ装置クラスタ又はクラウドコンピューティングセンターであってもよく、ソーシャルAPPの実行をサポートするバックエンドサーバ装置とアイテム推薦用サーバ装置11とは、統合された統合サーバ装置クラスタであってもよいし、
図1に示す個別のサーバ装置であってもよく、
図1におけるソーシャルAPPの実行をサポートするバックエンドサーバ装置の符号は12である。
【0027】
ユーザ端末10は、それぞれソーシャルAPPの実行をサポートするバックエンドサーバ装置12、アイテム推薦用サーバ装置11とネットワークを介して接続され、ソーシャルAPPの実行をサポートするバックエンドサーバ装置12は、アイテム推薦用サーバ装置11とネットワークを介して接続されて、ユーザ端末10と、ソーシャルAPPの実行をサポートするバックエンドサーバ装置12と、アイテム推薦用サーバ装置11との間が通信することができる。ここで、ネットワークは、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク又はモバイルインターネットなどの通信ネットワークのうちのいずれか1つであってもよい。
【0028】
本願の実施形態では、アイテム推薦方法は、アイテム推薦用サーバ装置に適用でき、アイテム推薦用サーバ装置は、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得した場合、ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定し、そして、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの総合的な注目度を決定し、総合的な注目度に基づいてソーシャルプラットフォームのユーザに上記候補アイテムを推薦するか否かを決定し、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦すると決定した場合、ソーシャルプラットフォームをサポートするバックエンドサーバ装置とインタラクションして、ユーザ端末におけるソーシャルプラットフォームを介してソーシャルプラットフォームのユーザに、推薦する候補アイテムを提示する。
【0029】
なお、上述した適用シーンは、本願の精神及び原理を容易に理解するために示されるものに過ぎず、本願の実施形態は、これらに限定されない。逆に、本願の実施形態は、任意の適用可能なシーンに適用することができる。
【0030】
以下、
図1に示す適用シーンを参照しながら、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法を説明する。
【0031】
図2に示すように、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、
図1に示すアイテム推薦用サーバ装置によって実行されてもよいし、
図10に示すコンピューティング装置によって実行されてもよく、該アイテム推薦方法は、ステップ201~ステップ209を含む。
ステップ201では、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得する。
【0032】
本願の実施形態では、ステップ201におけるソーシャルプラットフォームとは、インターネット中の社交を行うソフトウェアを指し、このようなソフトウェアは、例えば、ウィーチャット、QQなどであり、候補アイテムとは、インターネット上の、ユーザによる消費、参加又は行動インタラクションに用いられるデータ情報、例えば、商品、文章、広告、仮想情報又は興味のあるポイント(Point of Interest、POIと略称する)を指し、本願の実施形態は、候補アイテムのタイプを具体的に限定せず、実際の状況に応じて決定することができる。
【0033】
本願の実施形態では、ステップ201で取得された、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムの数は、1つであってもよいし、複数であってもよく、取得された、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムの数が複数である場合、複数の候補アイテムのタイプは同じであってもよいし、異なってもよく、ここでは、具体的に限定しない。
【0034】
ステップ202では、ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトを決定する。
【0035】
本願の実施形態では、ソーシャルプラットフォームのユーザ(説明の便宜上、以下、ソーシャルプラットフォームのユーザをユーザと略称する)のソーシャルプラットフォームにおける異なるソーシャル関係のソーシャルオブジェクトがその行動に異なる影響を与えることが考えられるため、ユーザに候補アイテムを推薦する場合、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける様々な異なるソーシャルタイプのソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの注目情報を総合的に使用して、該ユーザに候補アイテムを推薦する正確度を高めることができる。
【0036】
したがって、ステップ202では、まず、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係を決定し、各タイプのソーシャル関係から少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトを決定し、例えば、ソーシャルプラットフォームが具体的にウィーチャットプラットフォームである場合、ターゲットソーシャルオブジェクトは、ユーザが追加した、友達関係を持つウィーチャット友達であってもよいし、ユーザが参加した、グループ関係を持つウィーチャットグループであってもよいし、ユーザが参加した、企業取引関係を持つ企業ウィーチャット連絡先などであってもよい。
【0037】
本願の実施形態では、ソーシャルプラットフォームにおけるグループ活動がますます一般的になり、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加したグループ中のグループメンバーが、通常、ユーザの嗜好との関連性が高く、例えば、ある点で共通のニーズや共同特徴を持っていれば、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つグループの候補アイテムへの注目情報を使用すると、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度をさらに高めることができる。
【0038】
例えば、ユーザが化粧品を購入するときに、ユーザが参加した、化粧品のテーマに関するグループ中のグループメンバーと、どの化粧品がユーザにより適するかなどの化粧品購入の話題を討論し、そして、ユーザは、グループメンバーの提案に従って化粧品を購入し、化粧品に関する候補アイテムについて、ユーザが参加した、化粧品のテーマに関するグループを使用すると、ユーザに化粧品に関する候補アイテムを推薦する正確度をさらに高めることができる。
【0039】
したがって、ステップ202で決定された少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、少なくともユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係(グループソーシャル関係とも呼ばられる)を持つ少なくとも1つのグループを含む。
【0040】
本願の実施形態では、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける友達関係を持つ友達が、ユーザとある点で共通のニーズや共通の特徴を持っていることが考えられるため、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ友達の候補アイテムへの注目情報を使用して、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度をさらに向上させることもできる。したがって、ステップ202で決定された少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、少なくとも、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達をさらに含む。
【0041】
当然のことながら、本願の実施形態では、他のタイプのソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトをさらに含んでもよく、説明の便宜上、以下、具体的には、ステップ202で決定された少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトが、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループと、ソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達とを含むことを例とする。
【0042】
ステップ203では、ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定する。
【0043】
本願の実施形態では、ターゲットソーシャルオブジェクトは、ユーザが参加した、ユーザとグループ関係を持つ少なくとも1つのグループである場合、ステップ203の具体的な実行プロセスは、
まず、少なくとも1つのグループのベクトル表現と候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第1の注意モデルに入力するステップであって、第1の注意モデルには、ソーシャルプラットフォームの各グループの候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされた、ステップと、
次に、第1の注意モデルが入力された各グループのベクトル表現と候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各グループそれぞれの候補アイテムへの注意パラメータを決定すると共に、決定した注意パラメータに基づいて各グループの候補アイテムへの個々の注目度を生成することにより、第1の注意モデルから出力された少なくとも1つのグループ中の各グループの候補アイテムへの個々の注目度を取得する、ステップとを含む。
【0044】
さらに、本願の実施形態では、グループ中の異なるグループメンバーのグループでの活発度が異なり、より活発なグループメンバーがグループにより大きな影響を与え、そのグループでの重要度も高くなり、グループ中のこのような重要度がより高いグループメンバーの候補アイテムへの注目情報が、ユーザの候補アイテムへの興味により大きな影響を与えることが考えられるため、本願の実施形態では、第1の注意モデルには、各グループ毎に、各グループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みが事前にトレーニングされてもよい。
【0045】
それに応じて、第1の注意モデルが入力されたグループ中の各グループメンバーのベクトル表現に基づいて、各グループそれぞれの候補アイテムへの注意パラメータを決定することができ、さらに、各グループ中の各グループメンバーの各グループでの重要度の重みと各グループそれぞれの候補アイテムへの注意パラメータとを重み付け処理した後、該グループの候補アイテムへの個々の注目度を生成し出力することにより、該グループの候補アイテムへの個々の注目度を取得することができ、さらに、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度を高めることができる。
【0046】
本願の実施形態では、ターゲットソーシャルオブジェクトが、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達である場合、ステップ203の具体的な実行プロセスは、
まず、少なくとも1つの友達のベクトル表現と候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第2の注意モデルに入力するステップであって、第2の注意モデルには、ソーシャルプラットフォームの各友達の候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされた、ステップと、
次に、第2の注意モデルが入力された各友達のベクトル表現と候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各友達の候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した注意パラメータに基づいて各友達の候補アイテムへの個々の注目度を生成し出力することにより、第2の注意モデルから出力された少なくとも1つの友達のうちの各友達の候補アイテムへの個々の注目度を取得するステップと、をさらに含む。
【0047】
ステップ204では、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に正規化処理を行う。
ステップ205では、正規化処理した同じタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に加算処理を行って、各タイプのソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
【0048】
本願の実施形態では、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定した後、後続の計算のために、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に正規化処理を行い、その後に、上記少なくとも1つのグループについて、各グループの候補アイテムへの正規化処理された個々の注目度に加算演算を行って、ユーザのソーシャルプラットフォームにおけるグループの候補アイテムへの総合的な注目度を取得し、上記少なくとも1つの友達について、各友達の候補アイテムへの正規化処理された個々の注目度に加算演算を行って、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける友達の候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
【0049】
ステップ206では、各タイプのソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの総合的な注目度に特徴融合を行って、推薦待ちの候補アイテムの推薦指数を取得する。
【0050】
本願の実施形態では、従来の特徴融合技術を採用して、取得された各タイプのターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの総合的な注目度に特徴融合を行ってよく、例えば、付加融合技術を選択する場合、上記取得されたユーザのソーシャルプラットフォームにおける友達の候補アイテムへの総合的な注目度と、ユーザのソーシャルプラットフォームにおけるグループの候補アイテムへの総合的な注目度とを付加融合アルゴリズムの入力パラメータとして、付加融合アルゴリズムによって出力された推薦待ちの候補アイテムの推薦指数を取得する。
ここで、推薦指数を表す方式は、星評価、評価点数などであってもよい。
ステップ207では、推薦指数が閾値より大きいか否かを決定し、そうであれば、ステップ208を実行し、そうでなければ、ステップ209を実行する。
【0051】
本願の実施形態では、推薦待ちの候補アイテムの推薦指数を取得した後、さらに、推薦指数に基づいて、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かを決定してよく、具体的には、取得された推薦待ちの候補アイテムの推薦指数が閾値より大きいか否かを決定し、例えば、評価点数を使用して推薦指数を表す場合、推薦待ちの候補アイテムの評価点数が閾値より大きければ、ユーザに候補アイテムを推薦すると決定するステップ208を実行し、そうでなければ、ユーザに候補アイテムを推薦しないと決定するステップ209を実行する。
【0052】
本願の実施形態では、候補アイテムを複数含まれば、上述した方法で各候補アイテムに対応する推薦指数を取得してから、推薦指数に基づいて、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かを決定し、この場合、直接的に各候補アイテムに対応する推薦指数に基づいて、ユーザに推薦する候補アイテムが、推薦指数が最も高い候補アイテムであると決定してもよいし、推薦指数の高い順に並び替え、ユーザに並び替えた各候補アイテムを推薦してもよい。
【0053】
したがって、上記方法により、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得した場合、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定し、即ち、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける様々なソーシャル関係におけるソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの注目情報を十分に使用し、そして、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの総合的な注目度を決定し、ここで、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度は、注意機構の注意モデルを基にトレーニングして得られるものであり、即ち、注意機構の学習優位を十分に利用して、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度を正確に学習し、その後に、総合的な注目度に基づいて上記ソーシャルプラットフォームのユーザに上記候補アイテムを推薦するか否かを決定するため、ユーザにアイテムを推薦する正確度を高めることにより、ユーザ体験を向上させることができる。
【0054】
一態様として、ステップ202では、実際の応用において、通常、ユーザと頻繁に社交するソーシャルオブジェクトがユーザの行動に与える影響力は、ユーザとたまに社交するオブジェクトがユーザの行動に与える影響力より大きく、ユーザと頻繁に社交するソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの注目情報を使用することによって、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度を高めるだけでなく、データ処理速度を上げることができることが考えられるため、ステップ202で各タイプのソーシャル関係から決定された少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、対応するタイプのソーシャル関係におけるユーザと頻繁に社交するオブジェクトであってよい。
【0055】
本願の実施形態では、ユーザと頻繁に社交するオブジェクトの決定方式は、所定の期間内にユーザと社交する回数に基づいて決定することであってよく、例えば、1週間にユーザと社交する(ソーシャルプラットフォームに基づくメッセージ送受信、共有などのソーシャルイベントを含む)回数が閾値に達するソーシャルオブジェクトであれば、該オブジェクトがユーザと頻繁に社交するオブジェクトであると見なす。
【0056】
さらに、ソーシャルオブジェクトのうちの候補アイテムと関連のあるオブジェクトの候補アイテムへの注目情報の使用は、ソーシャルオブジェクトのうちの候補アイテムと関連のないオブジェクトの候補アイテムへの注目情報の使用に比べて、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度の向上により役立つことが考えられるため、ステップ202で各タイプのソーシャル関係から決定された少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、対応するタイプのソーシャル関係における、候補アイテムと関連のあるオブジェクトであってもよい。関連のあるとは、例えばソーシャルオブジェクトが候補アイテムを使用するか、又は、候補アイテムに注目したなど、候補アイテムとインタラクションしたことがあるということである。
【0057】
一態様として、本願の実施形態では、ステップ202で各タイプのソーシャル関係から決定された少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、ユーザと頻繁に社交すると共に、候補アイテムと関連のあるオブジェクトであってもよい。一態様として、本願の実施形態では、ステップ202で各タイプのソーシャル関係から決定された少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、対応するタイプのソーシャル関係における全てのソーシャルオブジェクト又はランダムに選択された一部のソーシャルオブジェクトであってもよい。
【0058】
さらに、本願の実施形態では、上記アイテム推薦方法は、アイテム推薦モデルを基にして完了することができ、該アイテム推薦モデルは、上述した、事前にトレーニングされた第1の注意モデル及び第2の注意モデルを含み、具体的には、アイテム推薦が必要となるソーシャルプラットフォームのユーザと、ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムとをアイテム推薦モデルに入力し、該アイテム推薦モデルにより上記実施形態に係るアイテム推薦方法が実行された後、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かの結果を出力し、アイテム推薦モデルに入力される候補アイテムが複数ある場合、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かの結果の出力は、推薦指数が最も高い候補アイテムの出力であってもよいし、推薦指数の高い順に並び替え、ユーザに並び替えた各候補アイテムを推薦する出力であってもよく、アイテム推薦モデルに入力される候補アイテムが1つである場合、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かの結果の出力は、ソーシャルプラットフォームのユーザに該候補アイテムを推薦する出力、又はソーシャルプラットフォームのユーザに該候補アイテムを推薦しない出力であってもよい。
【0059】
つまり、本願の実施形態における上記ステップ201~ステップ209、即ち、アイテム推薦方法は、アイテム推薦モデルにより実現されることができ、アイテム推薦モデルは、
図1に示す適用シーンにおけるアイテム推薦用サーバ装置によってサポートされることができ、以下、アイテム推薦モデルのアルゴリズを具体的に説明する。
【0060】
図3に示すように、本願の実施形態に係るアイテム推薦モデルの概略構成図であり、具体的には、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループと、ソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達とを例として説明する。
【0061】
該アイテム推薦モデルは、アイテム推薦用サーバ装置によってサポートされることができ、該アイテム推薦モデルの入力Inputは、アイテム推薦が必要となるソーシャルプラットフォームにおけるユーザと、該ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループと、ソーシャルプラットフォームにおいて追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達とを含む。
【0062】
図4に示すように、実際の応用において、ソーシャルプラットフォームには複数のユーザが含まれ、各ユーザがアイテム推薦が必要となるユーザであってよいため、U={u1,u2,...,un}のような集合を事前に使用してソーシャルプラットフォームにおける複数のアイテム推薦対象のユーザを表してもよく、I={i1,i2,...,im}のような別の集合を使用してm個の推薦待ちのアイテムを表してもよく、G={g1,g2,...,gs}のような別の集合を使用してソーシャルプラットフォームにおけるs個のグループを表してもよく、ここで、各グループには複数のグループメンバーが含まれ、各グループメンバーがソーシャルプラットフォームにおけるユーザとなってよい。このように、各アイテム推薦対象のユーザは、
図4に示すように、ソーシャルプラットフォームにおいて該ユーザが参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループと、該ユーザが追加した、友達関係を持つ少なくとも1つの友達とを含み、即ち、各アイテム推薦対象のユーザは、ソーシャルプラットフォームにおいて該ユーザとアイテム、グループ、友達との間の3種類の観察可能なインタラクションを有する。
【0063】
したがって、X=[xik]n*nのような行列を使用して各アイテム推薦対象のユーザとその友達とのインタラクションを表してもよく、R=[rij]n*mのような行列を使用して各アイテム推薦対象のユーザと推薦待ちのアイテムとのインタラクションを表してもよく、Y=[yil]n*sのような行列を使用して各アイテム推薦対象のユーザとグループとのインタラクションを表してもよく、上記インタラクションは、ソーシャルプラットフォームのバックエンドサーバ装置に記憶されてよく、アイテム推薦サーバは、ソーシャルプラットフォームのバックエンドサーバ装置と通信可能であり、ソーシャルプラットフォームにおけるいずれか1つのアイテム推薦対象のユーザに対して、アイテム推薦サーバは、ソーシャルプラットフォームのバックエンドサーバ装置に記憶された上記インタラクションを呼び出して、アイテム推薦対象のユーザに対応する友達、グループ、アイテムとのインタラクション情報を取得し、そして、取得されたインタラクション情報に基づいて、該ユーザ、該ユーザの友達及び該ユーザのグループをアイテム推薦モデルの入力として、該アイテム推薦モデルのトレーニングにより、該ユーザに推薦する候補アイテムを取得する。
【0064】
具体的には、
図3において、User iは、ソーシャルプラットフォームのユーザiを表し、Friends of User iはソーシャルプラットフォームのユーザiの少なくとも1つの友達を表し、Groups of User iはソーシャルプラットフォームのユーザiの少なくとも1つのグループを表し、Attentional Poolingは注意プーリングを表し、グループの候補アイテムへの総合的な注目度と、友達の候補アイテムへの総合的な注目度とを取得するためのものであり、Feature Fusionは特徴融合を表し、Predictionは出力結果を表す。
【0065】
該アイテム推薦モデルでは、2進法の1と0からなるシーケンスを用いて、アイテム推薦が必要となるソーシャルプラットフォームのユーザuiを表し、該シーケンスには、2進数の1が含まれ、該1は、該ソーシャルプラットフォームのユーザuiのアイテム推薦モデルにおける位置を表し、即ち、該位置でのソーシャルプラットフォームのユーザuiにアイテムを推薦する必要があることを表す。
【0066】
該アイテム推薦モデルでは、2進法の1と0からなるシーケンスを用いて、uiのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも1つの友達f(i,l)を表し、f(i,l)シーケンス中の1は、ユーザuiの友達の所在する位置を表し、即ち、f(i,l)シーケンス中の各1の所在する位置でのユーザはいずれもuiの友達であり、同様に、2進法の1と0からなるシーケンスを用いて、uiのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも1つのグループg(i,s)を表し、g(i,s)シーケンス中の1は、ユーザuiが参加したグループの所在する位置を表し、即ち、g(i,s)シーケンス中の各1の所在する位置でのグループはいずれもユーザuiが参加したグループであり、sと1は、1以上の正の整数である。
【0067】
以下、
図4を参照しながら
図3に示すアイテム推薦モデルの処理ステップを説明する。
ステップ1では、それぞれu
iとf
(i,l)とに対応する2進シーケンスを前処理する。
具体的には、それぞれu
iとf
(i,l)とに対応する2進シーケンスを埋め込み層により処理して、u
iとf
(i,l)とのそれぞれに対応する密ベクトルを取得することを含み、
図4において、f
(i,1)、f
(i,2)、f
(i,3)…はf
(i,l)が各友達に対応する密ベクトルを含むことを表す。
【0068】
ここで、埋め込み層は、演算のために、正の整数(下付き文字)を固定サイズを有する密ベクトルに変換するものである。
【0069】
ステップ2では、各友達に対応する密ベクトルf(i,1)、f(i,2)、f(i,3)…に注意トレーニングを行って、友達の候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
【0070】
ユーザのソーシャルプラットフォームにおける友達関係を持つ友達が、ユーザとある点で共通のニーズ又は共通の特徴を持っていることが考えられるため、アイテム推薦モデルでは、ユーザのソーシャルプラットフォームにおける各友達を使用して注意トレーニングを行って、各友達の候補アイテムへの注目度を学習することにより、友達関係であるソーシャル関係を持つ友達の候補アイテムへの総合的な注目度を取得して、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度を高めることができる。
【0071】
ステップ2で友達の候補アイテムへの総合的な注目度を取得する処理プロセスは、具体的には、以下の(a)~(b)を含む。(a)各友達に対応する密ベクトルf(i,1)、f(i,2)、f(i,3)…を事前にトレーニングされた第2の注意モデルに入力して、第2の注意モデルから出力された各友達の候補アイテムへの個々の注目度を取得する。
【0072】
第2の注意モデルは、アイテム推薦モデルのサブモデルに属し、アイテム推薦モデルの機能モジュールと見なされてよく、第2の注意モデルには、ソーシャルプラットフォームにおけるu
iの各友達の候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされ、
図5に示すように、各友達に対応する密ベクトルを第2の注意モデルに入力した後、第2の注意モデルは、各友達に対応する密ベクトルに基づいて、それぞれ各友達に対応する注意パラメータを決定して、決定された注意パラメータをパラメータとして、以下の式(1)に従って、各友達の候補アイテムへの個々の注目度を取得する。
【0073】
【0074】
ここで、f
(i,l)は、各友達に対応する密ベクトルf
(i,1)、f
(i,2)、f
(i,3)…を表し、v
jは候補アイテムを表し、W
f1∈R
d*k、W
f2∈R
d*k、b
f∈R
k、h
f∈R
kは、友達f
(i,l)に対応する注意パラメータであり、これらの注意パラメータは、いずれも事前にトレーニングされたものであり、kは、注意ネットワークの次元を表し、ReLUは非線形活性化関数を表し、Tは転置を表し、
図5においてf1は式(1)を表す。
【0075】
取得された各友達の候補アイテムへの個々の注目度α*
(i,l)に式(2)に従って正規化処理を行って、正規化された各友達の候補アイテムへの個々の注目度α(i,l)を取得する。
【0076】
【数2】
ここで、jは正規化すべき全ての値を表し、
図5においてf2は式(2)を表す。
【0077】
(b)各友達の候補アイテムへの個々の注目度に加算演算を行って、友達の候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
具体的には、式(2)に従って取得された各友達の候補アイテムへの個々の注目度に式(3)に示す加算演算を行って、各友達の候補アイテムへの総合的な注目度Fiを取得する。
【0078】
【0079】
ここで、α
(i,l)は、正規化された各友達の候補アイテムへの個々の注目度であり、f
(i,l)は各友達のベクトル表現(密ベクトル)であり、
図5においてf3は式(3)を表す。
【0080】
ステップ3では、g(i,s)を事前にトレーニングされた第1の注意モデルに伝達して注意トレーニングを行って、グループの候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
【0081】
ソーシャルプラットフォームにおけるグループ活動がますます一般的になり、ユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加したグループ中のグループメンバーが、通常、ユーザの嗜好との関連性が高いことが考えられるため、アイテム推薦モデルでは、ユーザのソーシャルプラットフォームにおけるグループを使用して注意トレーニングを行って、各グループの候補アイテムへの注目度を学習することにより、グループ関係であるソーシャル関係を持つグループの候補アイテムへの総合的な注目度を取得して、ユーザに候補アイテムを推薦する正確度を高めることができる。
【0082】
ステップ3でグループの候補アイテムへの総合的な注目度を取得する処理プロセスは、具体的には、以下の(a)~(d)を含む。(a)g(i,s)に対応する2進シーケンスを前処理して、各グループのグループ密ベクトルと、各グループ中の各グループメンバーの密ベクトルとを取得する。
【0083】
例えば、
図6に示すように、g
(i,s)に基づいて、各グループに対応する2進シーケンスg
s(
図6におけるGroup s)を取得し、即ち、各グループについて、該グループの所在する位置での1を保留し、g
(i,s)中の他のグループの所在する位置での1をゼロに設定した後、各グループg
sを埋め込み層により処理して、各グループのグループ密ベクトル
【数4】
を取得し、sは、順に1から始まる正の整数であり、その最大値はユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループの総数である。
【0084】
各グループに含まれるグループメンバーを表す対応する2進シーケンスを埋め込み層により処理して、各グループ中の各グループメンバーの密ベクトルf
(s,k)を取得し、ここで、kは、順に1から始まる正の整数であり、その最大値は対応するグループ中のグループメンバーの総数であり、
図6において、Users in Group sは、各グループに含まれるグループメンバーを表す。
【0085】
(b)各グループについて、該グループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度の重みを取得する。
グループ中の異なるグループメンバーのグループでの活発度が異なり、より活発なグループメンバーがグループにより大きな影響を与え、そのグループでの重要度も高く、グループ中のこのような重要度がより高いグループメンバーの候補アイテムへの注目情報が、ユーザの候補アイテムへの興味により大きな影響を与えることが考えられるため、グループを使用して注意トレーニングを行うときに、グループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みと組み合わせて、取得されたグループの候補アイテムへの注目度の正確度を高め、さらにユーザにアイテムを推薦する正確度を高める。
ここで、第1の注意モデルには、各グループ毎に、該グループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度の重みがトレーニングされており、第1の注意モデルは、アイテム推薦モデルのサブモデルに属し、アイテム推薦モデルの機能モジュールと見なされてよい。
【0086】
図7を参照すると、第1の注意モデルは、各グループ中の各グループメンバーの密ベクトルf
(s,k)を、順に以下の式(4)と式(5)に従って該グループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度パラメータγ
(s,k)を生成し出力することができる。
【0087】
【0088】
【0089】
ここで、式(5)は、式(4)の処理結果に正規化を行うものであり、f
(s,k)は、グループ中の各グループメンバーの密ベクトルであり、Tは転置を表し、h
m、W
m、b
mはパラメータであり、これらのパラメータは事前にトレーニングされてよく、
図7においてf4は式(4)を表し、f5は式(5)を表す。
【0090】
その後に、各グループメンバーの該グループでの重要度パラメータを、以下の式(6)に従って該グループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度の重みgsを取得する。
【0091】
【0092】
ここで、kは、順に1から始まる正の整数であり、その最大値は対応するグループ中のグループメンバーの総数であり、f
(s,k)は、グループ中の各グループメンバーのベクトル表現、即ち、グループメンバー密ベクトルであり、γ
(s,k)は、対応するグループメンバーの重みパラメータであり、
【数8】
は、グループのベクトル表現、即ち、グループ密ベクトルであり、
図7において、f6は式(6)を表す。
【0093】
(c)各グループの候補アイテムへの注意パラメータを取得し、各グループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度の重みに基づいて、グループメンバーそれぞれの候補アイテムへの注意パラメータに加重演算を行って、各グループの候補アイテムへの個々の注目度を取得する。
【0094】
第1の注意モデルには、ソーシャルプラットフォームにおける各グループの候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされているため、第1の注意モデルは、まず、各グループの候補アイテムへの注意パラメータを取得し、次に、順に式(7)と式(8)に従って、各グループの候補アイテムへの個々の注目度β(i,s)を生成し出力することができる。
【0095】
【0096】
【0097】
ここで、式(8)は式(7)の計算結果に正規化処理を行うものであり、W
g1∈R
d*k、W
g2∈R
d*k、b
g∈R
k、h
g∈R
kは、グループの候補アイテムへの注意パラメータであり、これらのパラメータは、第1の注意モデルにおいて事前にトレーニングされたものであり、式(7)におけるg
(i,1)、g
(i,2)、g
(i,3)…g
(i,s)は、それぞれ、式(6)により得られたグループ中の各グループメンバーの該グループでの重要度の重みg
sを表し、即ち、g
(i,1)はg1を表し、g
(i,2)はg2を表し、…、これによって類推し、
図7において、f7は式(7)を表し、f8は式(8)を表す。
【0098】
(d)各グループの候補アイテムへの個々の注目度に加算演算を行って、グループの候補アイテムへの総合的な注目度を取得する。
具体的には、式(8)に従って得られた各グループの候補アイテムへの個々の注目度β(i,s)に式(9)に示す加算演算を行って、グループの候補アイテムへの総合的な注目度Giを取得する。
【0099】
【0100】
ここで、β
(i,s)は、各グループの候補アイテムへの個々の注目度を表し、g
(i,s)は、各グループのベクトル表現、即ち、グループ密ベクトルを表し、sは、順に1から始まる正の整数であり、その最大値はユーザがソーシャルプラットフォームにおいて参加した、グループ関係を持つ少なくとも1つのグループの総数であり、
図7において、f9は式(9)を表す。
【0101】
ステップ4では、友達の候補アイテムへの総合的な注目度とグループの候補アイテムへの総合的な注目度とに特徴融合を行なって、推薦候補アイテムの点数を取得する。
【0102】
特徴融合技術は、付加融合技術であってもよいし、他のタイプの融合技術であってもよく、ここで、付加融合技術を例とすると、友達の候補アイテムへの総合的な注目度Fiとグループの候補アイテムへの総合的な注目度Giとに対して、以下の式(10)により、付加特徴融合を行って、ユーザの候補アイテムへの嗜好を表す点数を生成し、該点数は、ソーシャルプラットフォームのユーザuiに候補アイテムを推薦する推薦指数を表す。
【0103】
【0104】
ここで、vjは、候補アイテムのベクトル表現であり、Fiは、友達の候補アイテムへの総合的な注目度を表し、Giは、グループの候補アイテムへの総合的な注目度を表し、Tは転置を表す。
【0105】
ステップ5では、取得された推薦待ちの候補アイテムの点数に基づいて、ソーシャルプラットフォームのユーザに候補アイテムを推薦するか否かを決定する。
具体的には、入力された候補アイテムが1つある場合、上記ステップ1~ステップ4により該候補アイテムを推薦する点数を取得した後、該点数が推薦閾値より大きいか否かを決定し、そうであれば、ソーシャルプラットフォームのユーザuiに候補アイテムvjを推薦する結果を出力し、そうでなければ、ソーシャルプラットフォームのユーザuiに該候補アイテムvjを推薦しない結果を出力することを含む。
【0106】
入力された候補アイテムが複数ある場合、上記ステップ1~ステップ4により各候補アイテムを推薦する点数を取得した後、ソーシャルプラットフォームのユーザuiに点数が最も高い候補アイテムを推薦することを出力してもよいし、点数の高い順に各候補アイテムを並び替え、並び替えた各候補アイテムをユーザに推薦することを出力してもよい。
【0107】
上記実施形態から分かるように、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、アイテム推薦モデルによって実行することができ、アイテム推薦モデルにより、アイテム推薦対象のユーザと各推薦待ちのアイテムとを処理して、推薦対象のユーザに推薦するアイテムを取得し、適用前に、まず、アイテム推薦モデルをトレーニングする必要があり、通常、良いモデルが良いトレーニングサンプルを必要とするため、本願の実施形態では、さらに、生データを処理して、より信頼できるトレーニングサンプルを取得し、かつ異なるトレーニングサンプルに応じて様々なシーンからアイテム推薦モデルをトレーニングし最適化することにより、アイテム推薦モデルの正確度を高めることができ、以下、本願の実施形態に係るアイテム推薦モデルのトレーニングプロセスを具体的に説明する。
【0108】
なお、通常、トレーニングプロセスは、バックエンドサーバ装置によって実行され、モデルの各モジュールのトレーニングが複雑であり、計算量が大きい可能性があるため、バックエンドサーバ装置によりトレーニングプロセスを実現することにより、トレーニング済みのモデルと結果を各インテリジェント端末に適用して、推薦対象のユーザにアイテムを正確に推薦するという目的を達成することができる。
【0109】
なお、異なるトレーニングサンプルに応じて様々なシーンからアイテム推薦モデルをトレーニングし最適化する場合、以下の式(11)に従って、アイテム推薦モデルを最適化することができる。
【0110】
【数13】
ここで、jは、候補アイテム(即ち、前文におけるv
j)を表し、iは、ユーザ(即ち、前文におけるu
i)を表し、kは、ランダムにサンプリングされる負の項を表し、
【数14】
は、推薦候補アイテムの推薦点数を表し、L
BPRは配列損失を表し、
【数15】
は、ユーザiに対する、ランダムにサンプリングされる負の項を表し、
【数16】
は正則化項を表し、過剰適合を防止し、Dはサンプル集合を表す。
【0111】
したがって、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、アイテム推薦モデルによって実行されると、各ターゲットソーシャルオブジェクトの候補アイテムへの個々の注目度を正確に学習し、その後に、総合的な注目度に基づいて推薦対象のユーザにアイテムを正確に推薦するという目的を達成することができるため、ユーザにアイテムを推薦する正確度を高めることにより、ユーザ体験を向上させることができる。
【0112】
以下、従来のアイテム推薦正確度評価方法を採用して、同一の推薦対象のソーシャルプラットフォームのユーザに対して、それぞれ本願の実施形態に係るアイテム推薦方法、従来の複数の推薦方法で取得された、ユーザに推薦するアイテムについて推薦正確度の評価を行い、従来のアイテム推薦正確度評価方法は、Recall評価方法を採用してよく、該評価方法は、式(12)に示すとおりである。
【0113】
【0114】
ここで、kは、各アルゴリズムで取得された、ユーザに推薦するアイテムの総数を表し、reljは、0又は1とし、j番目のアイテムがテストセットのプッシュリストにあるか否かを表し、そうであれば、reljを1とし、そうでなければ、0とし、
【数18】
はテストセット中のユーザuによって評価された候補アイテムの総数を表す。
【0115】
従来のアイテム推薦正確度評価方法は、Normalized Discounted Cumulative Gain評価方法、即ち、NDCG評価方法を採用してもよく、該評価方法は、式(13)と式(14)に示すとおりである。
【0116】
【0117】
【0118】
ここで、kは、各アルゴリズムで取得された、ユーザに推薦するアイテムの総数を表し、reljは、0又は1とし、j番目のアイテムがテストセットのプッシュリストにあるか否かを表し、そうであれば、reljを1とする。
【0119】
図8に示すように、本願の実施形態では、Recall評価方法及びNDCG評価方法の両方を採用して、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法、例えば
図8におけるMP(Most Popular)方法、ItemKNN方法、BPR方法、ニューラル協調フィルタリングNCF(Neural Collaborative Filtering)方法、SBPR方法及びSAMN方法などの従来の推薦方法で取得された、ユーザに推薦するアイテムについて推薦正確度の評価を行なった。
【0120】
図8において、SACF(Social Attentional Collaborative Filtering)で本願の実施形態に係るアイテム推薦方法を表し、
図8に示された各推薦方法の評価結果から分かるように、まず、MP方法の効果が理想的ではなく、これは、ユーザの嗜好をモデリングすることが重要であることを示し、人気のあるアイテムのみをユーザに推薦することではない。次に、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法SACFで取得された、ユーザに推薦するアイテムの正確度は、従来の様々な推薦方法に比べて高く、
図8から分かるように、Recall@10評価方法を採用する場合、本願の実施形態に係るSACF方法は、2つのデータセット(WeChat-10k,WeChat-100k)のパフォーマンスで、SAMN方法に比べてそれぞれ約3.67%と5.01%向上し、NDCG@10評価方法を採用する場合、本願の実施形態に係るSACF方法は、2つのデータセットのパフォーマンスで、SAMN方法に比べてそれぞれ約4.17%と5.49%向上する。したがって、本願の実施形態に係るアイテム推薦方法は、推薦対象のユーザにアイテムを正確に推薦する目的を達成し、推薦対象のユーザに興味を持たないアイテムを推薦することを回避し、リソース使用率及びユーザ体験を向上させる。
【0121】
同じ構想を基に、本願の実施形態に係るアイテム推薦装置は、
図9に示すように、
ソーシャルプラットフォームのユーザに推薦する候補アイテムを取得する取得モジュール90と、
上記ソーシャルプラットフォームのユーザのソーシャルプラットフォームにおける少なくとも2つの異なるタイプのソーシャル関係それぞれにおける少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトについて、ターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの個々の注目度をそれぞれに決定する第1の決定モジュール91と、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの個々の注目度に基づいて、異なるタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの総合的な注目度を決定する第2の決定モジュール92と、
上記総合的な注目度に基づいて上記ソーシャルプラットフォームのユーザに上記候補アイテムを推薦するか否かを決定する第3の決定モジュール93と、を含む。
【0122】
上記異なるタイプのソーシャル関係は、グループ関係を含み、上記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、上記ソーシャルプラットフォームのユーザが上記ソーシャルプラットフォームにおいて参加した少なくとも1つのグループを含む。
【0123】
上記第1の決定モジュールは、上記少なくとも1つのグループのベクトル表現と上記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第1の注意モデルに入力し、上記第1の注意モデルには、上記ソーシャルプラットフォームの各グループの上記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされており、
【0124】
上記第1の決定モジュールは、上記第1の注意モデルから出力された各グループの上記候補アイテムへの個々の注目度を取得し、該個々の注目度は、上記第1の注意モデルが各グループのベクトル表現と上記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各グループそれぞれの上記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した注意パラメータに基づいて生成し出力した、グループの上記候補アイテムへの個々の注目度である。
【0125】
上記第1の注意モデルには、各グループ毎に、該グループ中の各グループメンバーのグループでの重要度の重みが事前にトレーニングされており、
上記第1の注意モデルから出力された各グループの上記候補アイテムへの個々の注目度は、各グループ中の各グループメンバーの各グループでの重要度の重みと各グループそれぞれの上記候補アイテムへの注意パラメータとをさらに重み付け処理して得られたものである。
【0126】
上記異なるタイプのソーシャル関係は、友達関係を含み、上記ソーシャル関係における少なくとも1つのターゲットソーシャルオブジェクトは、上記ソーシャルプラットフォームのユーザが上記ソーシャルプラットフォームにおいて追加した少なくとも1つの友達を含む。
【0127】
上記第1の決定モジュールは、さらに、上記少なくとも1つの友達のベクトル表現と上記候補アイテムのベクトル表現とを、事前にトレーニングされた第2の注意モデルに入力し、上記第2の注意モデルには、上記ソーシャルプラットフォームの各友達の上記候補アイテムへの注意パラメータが事前にトレーニングされており、
上記第1の決定モジュールは、さらに、上記第2の注意モデルから出力された各友達の上記候補アイテムへの個々の注目度を取得し、該個々の注目度は、上記第2の注意モデルが各友達のベクトル表現と上記候補アイテムのベクトル表現とに基づいて、各友達の上記候補アイテムへの注意パラメータを決定し、決定した注意パラメータに基づいて生成した、各友達の上記候補アイテムへの個々の注目度である。
【0128】
上記第2の決定モジュールは、
各ターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの個々の注目度に正規化処理を行い、
正規化処理した同じタイプのターゲットソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの個々の注目度に加算処理を行って、各タイプのソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの総合的な注目度を取得し、
上記第3の決定モジュールは、
各タイプのソーシャルオブジェクトの上記候補アイテムへの総合的な注目度に特徴融合を行って、上記候補アイテムを推薦する推薦指数を取得し、
上記推薦指数に基づいて、上記ソーシャルプラットフォームのユーザに上記候補アイテムを推薦するか否かを決定する。
【0129】
同じ構想を基に、本願の実施形態に係るコンピューティング装置は、
図10に示すように、少なくとも1つのプロセッサ101と、上記プロセッサ101によって実行されると、上記プロセッサ101に上述したアイテム推薦方法のステップを実行させるコンピュータプログラムが記憶されている少なくとも1つのメモリ102と、を含む。
【0130】
同じ構想を基に、本願の実施形態に係る記憶媒体には、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに上述したアイテム推薦方法のステップを実行させるコンピュータ命令が記憶されている。
【0131】
当業者であれば、本願の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供することができることを理解すべきである。したがって、本願は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせる実施形態の形態を採用することができる。また、本願は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む1つ以上コンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリと光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)で実施されたコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0132】
本願は、本願の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及び、フローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現可能であることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供してマシンを構成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロック内で指定される機能を実現する装置を構成することができる。
【0133】
これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置が特定の方式で動作するように指示できるコンピュータ可読メモリに記憶することにより、該コンピュータ可読メモリに記憶されている命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能を実現する命令装置を含む製品を形成することができる。
【0134】
これらのコンピュータプログラム命令をコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置で一連の操作ステップを実行して、コンピュータ実現プロセスを生成することにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置で実行される命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロック内で指定される機能を実現するステップを提供する。
【0135】
明らかに、当業者は、本願の精神及び範囲から逸脱せずに、本願に対して様々な修正及び変形を行うことができる。このように、本願のこれらの修正及び変形が本願の特許請求の範囲及びその同等技術の範囲内に属すれば、本願もこれらの修正及び変形を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0136】
10 ユーザ端末
11 アイテム推薦用サーバ装置
12 バックエンドサーバ装置