IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昆山国顕光電有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-表示パネル 図1
  • 特許-表示パネル 図2
  • 特許-表示パネル 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/131 20230101AFI20230620BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230620BHJP
   H10K 50/81 20230101ALI20230620BHJP
   H10K 50/82 20230101ALI20230620BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20230620BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20230620BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20230620BHJP
【FI】
H10K59/131
G09F9/30 309
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H10K50/81
H10K50/82
H10K50/84
H10K50/844
H10K59/122
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021577663
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 CN2020105243
(87)【国際公開番号】W WO2021103620
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】201911166890.2
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉明星
(72)【発明者】
【氏名】趙晶晶
(72)【発明者】
【氏名】馮士振
(72)【発明者】
【氏名】李文星
(72)【発明者】
【氏名】李偉麗
(72)【発明者】
【氏名】甘帥燕
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-134236(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108649063(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0030088(KR,A)
【文献】特開2005-309400(JP,A)
【文献】特開2005-302707(JP,A)
【文献】特開2019-102337(JP,A)
【文献】特開2012-160388(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03327786(EP,A1)
【文献】特開2015-118796(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107068727(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0080231(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106848103(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00-33/28
H10K 50/00-102:20
G09F 9/00、9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域の周辺にある非表示領域とが画定されている表示パネルであって、
前記表示パネルはカソード重ね接続アセンブリを備え、
前記カソード重ね接続アセンブリは前記表示パネルの前記非表示領域に配置され、前記カソード重ね接続アセンブリは順次積層するように配置される有機平坦化層、シール層、カソード接続線及びカソードリード線を備え、
前記カソードリード線は前記表示領域におけるカソードに接続するように延在し、前記カソード接続線は外部回路信号を受信して前記カソードリード線に伝送するように構成され、前記シール層は前記有機平坦化層にある水と酸素を遮断するように構成され
前記カソード重ね接続アセンブリは、離間して配置される第1の有機位置決め部と第2の有機位置決め部を更に備え、
前記第1の有機位置決め部及び前記第2の有機位置決め部は前記有機平坦化層上に位置し、前記第1の有機位置決め部は前記第2の有機位置決め部よりも前記表示パネルの前記表示領域に近接し、前記シール層及び前記カソード接続線は前記第1の有機位置決め部と前記第2の有機位置決め部との間の離間領域に位置し、
前記シール層は、前記第1の有機位置決め部及び前記第2の有機位置決め部の互いに対面する表面の少なくとも一部を更に被覆する
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記有機平坦化層は前記表示パネルの前記表示領域まで延在し、
前記表示領域は、前記有機平坦化層の一方側に配置される画素限定層を備え、
前記第1の有機位置決め部、前記第2の有機位置決め部及び前記画素限定層は、材質が同じであり、又は、
前記有機平坦化層は前記表示パネルの前記表示領域まで延在し、
前記表示領域は、前記有機平坦化層の一方側に配置される画素限定層と、前記画素限定層の、前記有機平坦化層とは反対の一方側に配置されるスペーサとを備え、
前記第1の有機位置決め部、前記第2の有機位置決め部及び前記スペーサは、材質が同じである
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1の有機位置決め部は、前記カソード接続線から突出する凸部を備え、
前記凸部の側壁と前記カソード接続線が位置する平面との間の挟角は90°以上であり且つ180°より小さい
ことを特徴とする請求項又はに記載の表示パネル。
【請求項4】
前記有機平坦化層から前記カソード接続線への方向において、前記第1の有機位置決め部の断面は等脚台形であ
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記有機平坦化層から前記カソード接続線への方向において、前記第2の有機位置決め部の断面は逆台形である
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1の有機位置決め部と前記第2の有機位置決め部との間における前記有機平坦化層の、前記カソード接続線に面した側の表面は、連続的な凹凸構造となっており、
前記シール層及び前記カソード接続線は前記凹凸構造を被覆し、前記シール層及び前記カソード接続線は連続的な凹凸状である
ことを特徴とする請求項又はに記載の表示パネル。
【請求項7】
前記シール層の少なくとも一部は、前記第1の有機位置決め部と前記カソード接続線との間に位置し、及び/又は、前記シール層の少なくとも一部は、前記第2の有機位置決め部と前記カソード接続線との間に位置する
ことを特徴とする請求項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記シール層は酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、酸化アルミニウム層及びグラフェン層のうちの1層又は複数層の積層により構成される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記表示パネルは、前記表示領域に位置するアノードを更に備え、前記アノードの材質は前記カソード接続線の材質と同じであり、及び/又は、
前記カソードリード線と前記カソードとは材質が同じである
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月25日に中国特許局に出願された、出願番号が「201911166890.2」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容を引用によって本願に組み込む。
【0002】
本願は表示技術分野に関し、具体的には表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
表示パネルにおいては一般に、表示領域と表示領域の周辺にある非表示領域とが画定される。表示パネルのカソードは一般に表示領域から非表示領域まで延びて、非表示領域におけるカソード重ね接続アセンブリに接続する。外部の駆動回路はカソード重ね接続アセンブリを介して電気信号をカソードに送信することができる。
【0004】
しかしながら、カソード重ね接続アセンブリにおける電線は周辺の有機物の内部にある微量の水と酸素により浸食されやすくて、表示品質が影響されてしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が主に解決しようとする技術的課題は、カソード接続線が受ける、有機平坦化層にある水と酸素による浸食を低減できる表示パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術問題を解決するために、本発明に係る1つの技術案においては、表示パネルを提供する。当該表示パネルにおいては、表示領域と、表示領域の周辺にある非表示領域とが画定されており、前記表示パネルは前記表示パネルの前記非表示領域に位置するカソード重ね接続アセンブリを備え、前記カソード重ね接続アセンブリは、順次に積層されて設置される有機平坦化層、シール層、カソード接続線及びカソードリード線を備える。その中、前記カソードリード線は前記表示領域における前記カソードに接続するように延在し、前記カソード接続線は外部回路信号を受信して前記カソードリード線に送信するように構成され、前記シール層は前記有機平坦化層にある水と酸素を遮断するように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の有益な効果は以下の通りである。本発明に係る表示パネルは非表示領域に配置されるカソード重ね接続アセンブリを備え、カソード重ね接続アセンブリは順次に積層されて設置される有機平坦化層、シール層、カソード接続線及びカソードリード線を備え、その中、カソードリード線は表示領域におけるカソードに接続するように延在し、カソード接続線は外部回路信号を受信してカソードリード線に送信するように構成され、シール層は有機平坦化層にある水と酸素を遮断するように構成される。このようにシール層を設置することによって、有機平坦化層にある水と酸素の、カソード接続線に対する浸食を遮断することができるため、カソード接続線を保護し、カソードリード線とカソード接続線とが効果的に重ね接続されるように支え、表示パネルの耐用年数を延ばすことができる。しかも、上述のシール層の設計方式は、プロセスが簡単で実現されやすく、カソードリード線とカソード接続線とが面対面で重ね接続されることができ、カソードリード線とカソード接続線が占める面積を削減し、狭額縁の達成に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の表示パネルの1つの実施形態を示す構造模式図。
図2】本発明の表示パネルの他の実施形態を示す構造模式図。
図3】本発明の表示パネルのもう1つの実施形態を示す構造模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例による図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案に対して明確で完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労働をせずに得られる他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に属するべきである。
【0010】
図1に示すように、図1は本発明の表示パネルの1つの実施形態を示す構造模式図である。該表示パネル10はOLED表示パネル、Micro-LED表示パネルなどであってもよく、その中では表示領域AAと表示領域AAの周辺にある非表示領域CCとが画定される。該表示パネル10は表示パネル10の非表示領域CCに配置されるカソード重ね接続アセンブリ100を備える。カソード重ね接続アセンブリ100は、順次積層されて設置される有機平坦化層1000、シール層1002、カソード接続線1004及びカソードリード線1006を備える。その中で、カソードリード線1006は表示領域AAにおけるカソード102に接続するように延在する。カソード接続線1004は、外部回路信号を受信し、外部回路信号をカソードリード線1006に送信して外部回路信号がカソード102まで伝達されるように構成される。シール層1002は有機平坦化層1000にある水と酸素を遮断するように構成される。
【0011】
本実施例において、シール層1002は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム及びグラフェンのうちの1層又は複数層の積層により形成されることができる。これらの材質からなるシール層1002は取得されやすく且つ水と酸素に対する遮断効果がよい。シール層1002の厚さは0.5μm-3μm(例えば、1μm、2μmなど)であってもよい。該厚さ範囲内の厚さを有するシール層1002は、水と酸素を遮断する効果を果たすとともに、表示パネル10の枠の厚さを拡大しない。シール層1002の材質が酸化アルミニウムを含む場合、酸化アルミニウムの材質の緻密性が高いので、その厚さをより狭い範囲に抑えることができ、例えば0.5μm-1μm(例えば、0.6μm、0.8μmなど)であってもよい。
【0012】
上述のシール層1002の設置方式によると、有機平坦化層1000にある水と酸素のカソード接続線1004に対する浸食を遮断してカソード接続線1004を保護することができ、カソードリード線1006とカソード接続線1004とが効果的に重ね接続されるように支え、表示パネル10の耐用寿命を延ばすことができる。且つ、上述のシール層1002の設計方式は、プロセスが簡単で実現されやすく、カソードリード線1006とカソード接続線1004とが面対面で重ね接続されるようにすることができ、カソードリード線1006とカソード接続線1004が占める面積を削減して、狭額縁の達成に有利である。
【0013】
本実施例において、上述の有機平坦化層1000はさらに、表示パネル10の表示領域AAまで延びることができる。有機平坦化層1000の、カソードリード線1006及びカソード102と反対の一方側には他の構造が更に設けられることができる。有機平坦化層1000は、製作プロセスにより招来される、他の構造表面に凹凸を有する問題を緩和させるか又は最小化することができる。
【0014】
また、上述のカソードリード線1006はカソード102と材質が同じであってもよく、その材質が金属(例えばマグネシウム銀合金など)であってもよい。このような設計方式によって、製造時にはカソードリード線1006とカソード102とが同時に形成される(例えば、蒸着によって同時に形成する)ことができるため、製造工程を簡略化させることができる。また、上述の表示パネル10の表示領域AAはアノード104を更に備える。アノード104はカソード102に対して離間して配置され、且つアノード104はカソード102よりも有機平坦化層1000に近接する。アノード104の材質はカソード接続線1004と材質が同じであってもよく、その材質が酸化インジウムスズなどであってもよい。このような設計方式によって、製造時にはカソード接続線1004とアノード104とが同時に形成されることができるため、製造工程を簡略化させることができる。
【0015】
さらに、上述の表示パネル10の表示領域AAにおけるアノード104とカソード102との間の離間領域には発光層101が更に設けられてもよい。発光層101は赤、緑または青などの光を発光することができ、発光層101の最も外側の境界は表示領域AAと非表示領域CCとの間の境界とみなされてもよい。
【0016】
図1に示すように、上記カソード重ね接続アセンブリ100は、離間して配置される第1の有機位置決め部1008と第2の有機位置決め部1001とを更に備える。第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001は有機平坦化層1000上に設けられ、第1の有機位置決め部1008は第2の有機位置決め部1001よりも表示パネル10の表示領域AAに近接する。シール層1002及びカソード接続線1004は第1の有機位置決め部1008と第2の有機位置決め部1001との間の離間領域にあり、カソードリード線1006は、表示領域AAにおけるカソード102に接続するように、第1の有機位置決め部1008と第2の有機位置決め部1001との間の離間領域、及び、第1の有機位置決め部1008の表面を被覆する。上述の第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001の設置方式によって、シール層1002及びカソード接続線1004の位置を効果よく限定することができ、表示パネル10の枠幅を抑えることに寄与する。また、上述の第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001はいずれも有機平坦化層1000と接触するため、有機平坦化層1000にある水と酸素は第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001を介して伝播されて分散されることができる。また、水蒸気を更に除去するために、第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001の内部には乾燥用顆粒が設けられてもよい。
【0017】
一般的に、表示パネル10は、表示領域AAの有機平坦化層1000上に設けられる画素限定層106を備える。画素限定層106の材質は一般に有機物である。画素限定層106同士の間の開口領域においては、各サブ画素にそれぞれ対応するアノード104、発光層101及びカソード102が設けられる。上述の第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001の材質は画素限定層106の材質と同じであってもよく、それによって、第1の有機位置決め部1008、第2の有機位置決め部1001及び画素限定層106は製造工程中に同時に形成されることができ、製造工程の困難さが下がる。あるいは、表示パネル10は画素限定層106の、有機平坦化層1000とは反対の一方側に設けられるスペーサ(図示せず)を備えてもよい。スペーサの材質は一般的に有機物である。上述の第1の有機位置決め部1008および第2の有機位置決め部1001の材質はスペーサの材質と同じであってもよく、それによって、第1の有機位置決め部1008、第2の有機位置決め部1001及びスペーサは製造工程中に同時に形成されることができ、製造工程の困難さが下がる。あるいは、上述の第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001は上述の画素限定層106及びスペーサからなる積層により構成されてもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0018】
また、本実施例において、図1に示すように、第1の有機位置決め部1008の、第2の有機位置決め部1001とは反対の一方側は、表示領域AAの発光層101に接触する。すなわち、第1の有機位置決め部1008は、シール層1002及びカソード接続線1004を限定するだけではなく、発光層101を限定する役割も果たしている。第1の有機位置決め部1008は表示領域AAと非表示領域CCとの境界線に位置してもよく、それによって表示パネル10の非表示領域CCの幅が小さくなって、狭額縁の達成に有利である。
【0019】
さらに、図1に示すように、第1の有機位置決め部1008は、カソード接続線1004から突出する凸部10080を備え、且つ、凸部10080の側壁(符号なし)とカソード接続線1004が位置する平面との間の挟角αは90°以上であり且つ180°より小さく、例えば、該挟角αは120°、135°、150°などであってもよい。このような挟角の設計方式によって、その後の工程で形成される、第1の有機位置決め部1008を被覆するカソードリード線1006に破断が発生する確率を低下させることができる。
【0020】
1つの実施例において、有機平坦化層1000からカソード接続線1004への方向において、第1の有機位置決め部1008の断面は等脚台形である。このように設計することによって、第1の有機位置決め部1008を被覆するカソードリード線1006が破断する確率を低下させるとともに、第1の有機位置決め部1008を形成する工程を簡単化することができる。さらに、図1に示すように、有機平坦化層1000からカソード接続線1004への方向において、第2の有機位置決め部1001の断面が逆台形である。このように設計することによって、第1の有機位置決め部1008と第2の有機位置決め部1001との間の離間空間を拡大して、カソード接続線1004の被覆面積を拡大して、カソードリード線1006とカソード接続線1004との間の重ね接続面積が大きくなり、重ね接続の電気抵抗を低減して表示パネルの表示品質を高めることができる。
【0021】
もちろん、他の実施例において、有機平坦化層1000からカソード接続線1004への方向において、上述の第1の有機位置決め部1008の断面及び第2の有機位置決め部1001の断面は他の構造であってもよく、例えば、上記第1の有機位置決め部1008の凸部10080の断面が等脚台形であり、凸部10080以下の部分の断面矩形又は他のタイプの台形などであってもよい。また、他の例においては、上述の第1の有機位置決め部1008の断面及び第2の有機位置決め部1001の断面がいずれも矩形などであってもよい。
【0022】
もう1つの実施形態において、図2に示すように、図2は本発明の表示パネルの他の実施形態を示す構造模式図である。第1の有機位置決め部1008aと第2の有機位置決め部1001aとの間に位置する有機平坦化層1000aは、カソード接続線1004aに面した側の表面が、連続的な凹凸構造(符号なし)となる。シール層1002a及びカソード接続線1004aは、該凹凸構造を被覆して、連続的な凹凸状になる。パターニングにより形成される該凹凸構造は、カソードリード線1006aとカソード接続線1004aとの間の重ね接続面積を増加させ、重ね接続の電気抵抗を低減し、表示パネルの表示品質を高めることができる。また、同一条件で、このような設計方式は表示パネル10aの枠幅の削減に有利であり、つまり狭額縁の達成に寄与する。
【0023】
本実施例において、有機平坦化層1000aからカソード接続線1004aへの方向において、図2による有機平坦化層1000aの表面の凹凸構造における突起部の断面は方形、矩形、菱形及び等脚台形などであってもよい。また、該凹凸構造の、有機平坦化層1000aのカソード接続線1004aに面した側の表面での正投影は、メッシュ状又は他の形状であってもよく、該メッシュ状はハニカム状などであってもよく、本発明はこれについて限定しない。
【0024】
また、図2による有機平坦化層1000aの表面の凹凸構造の高さhは、有機平坦化層1000a全体の厚さの20%80%(例えば、30%50%70%など)を占める。該厚さ範囲に属する凹凸構造は、カソードリード線1006aとカソード接続線1004aとの接触面積を拡大するとともに、有機平坦化層1000aの凹凸構造の下にあるパターニングされていない部分がその下の層構造にある凹凸表面(粒子など)を平坦化させることができるように、保証することができる。
【0025】
もう1つの実施形態において、図3に示すように、図3は本発明の表示パネルのもう1つの実施形態を示す構造模式図である。該表示パネル10cと上述の図1による表示パネル10との相違点として、シール層1002cはさらに、第1の有機位置決め部1008c及び第2の有機位置決め部1001cの互いに対面する表面の少なくとも一部を被覆することができ、かつシール層1002cの少なくとも一部が第1の有機位置決め部1008cとカソード接続線1004cとの間に位置し、シール層1002cの少なくとも一部が第2の有機位置決め部1001cとカソード接続線1004cとの間に位置する。このような設計方式によって、第1の有機位置決め部1008c及び第2の有機位置決め部1001cにある水と酸素が外周部からカソード接続線1004cを浸食することを避けて、カソードリード線1006cとカソード接続線1004cとが効果的に重ね接続されるように保障することができ、表示パネル10cの耐用寿命を延ばす。
【0026】
以下、再び図1を参照しながら、本発明に係る表示パネル10について、製造方法の視角から更に説明する。
【0027】
A、基板(図1に示さず)を提供する。該基板はリジット基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。基板においては表示領域AA及び非表示領域CCが画定される。
【0028】
B、基板の一方側において薄膜トランジスタ層を形成する。薄膜トランジスタ層は表示領域AAを被覆する。該薄膜トランジスタ層は表示パネル10中の画素がオン又はオフになるように駆動するように構成される。
【0029】
C、基板の、薄膜トランジスタ層が設けられた一方側において、有機平坦化層1000を形成する。有機平坦化層1000は表示領域AAに位置する薄膜トランジスタ層と、非表示領域CCとを被覆する。
【0030】
D、有機平坦化層1000の、基板とは反対側の表示領域AAにおいて、パターニングされた画素限定層106を形成し、有機平坦化層1000の、基板とは反対側の非表示領域CCにおいて、第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001を形成する。ここで、画素限定層106、第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001の材質が同じである場合、画素限定層106、第1の有機位置決め部1008及び第2の有機位置決め部1001は同時に形成されることができる。
【0031】
E、第1の有機位置決め部1008と第2の有機位置決め部1001との間の離間領域において、化学気相成長法によりシール層1002を形成する。
【0032】
F、シール層1002上にカソード接続線1004を形成し、画素限定層106の開口内にアノード104を形成する。カソード接続線1004及びアノード104の材質が同じである場合、カソード接続線1004はアノード104と同時に形成されることができる。
【0033】
G、アノード104上に発光層101を形成する。
【0034】
H、カソード接続線1004上にカソードリード線1006を形成し、発光層101上にカソード102を形成する。ここで、カソード102とカソードリード線1006とは電気的に接続される。カソードリード線1006及びカソード102の材質が同じである場合、カソードリード線1006とカソード102は同時に形成されることができる。
【0035】
表示パネル10aの構造が図2に示す構造である場合、上述のステップEの前に、本発明に係る製造方法は、有機平坦化層1000aの、第1の有機位置決め部1008aと第2の有機位置決め部1001aとの間に位置し且つ基板とは反対側の表面をパターニングすることによって、有機平坦化層1000aの表面において凹凸構造を形成するステップを更に含む。
【0036】
以上の内容は本発明の実施形態に過ぎず、本発明の特許請求の範囲に対する制限にはならない。本発明の明細書及び図面に基づいて得られた均等な構造又は均等な流れ変更、あるいは他の関連技術分野での直接的又は間接的な適用は、すべて本発明の特許保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3