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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
H01L21/304 648J
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022069152
(22)【出願日】2022-04-20
(65)【公開番号】P2022174724
(43)【公開日】2022-11-24
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0060817
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イ サンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジュジブ
(72)【発明者】
【氏名】イム ウイサン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-120944(JP,A)
【文献】特開2005-277268(JP,A)
【文献】特開2015-185805(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/35648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部室と、
前記上部室に結合されるか前記上部室から離れる下部室と、
前記下部室を上方及び下方に移動させる少なくとも1つの駆動部材とを含んでおり、
前記少なくとも1つの駆動部材は、
前記下部室を支持する支持要素と、
前記下部室及び前記支持要素を前記上方及び下方に移動させる第1の駆動要素と、
前記下部室、前記支持要素、及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるべく、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、
前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する連結要素とを備えており、
前記上部室と前記下部室とが結合されるとき、前記上部室と前記下部室との間に処理空間が設けられることを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、
前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備えており、
前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記連結要素は、
前記第1の本体の底面に水平に連結される第1の部分と、
前記第2の駆動軸の上面に水平に連結される第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分とを垂直に連結する中間部とを備えることを特徴とする、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
更に、前記駆動部材は、前記支持要素の一側に連結されており、
前記基板処理装置は、前記支持要素の他側に連結されるとともに前記支持要素及び前記下部室のバランスを取る補償部材を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記補償部材は、前記支持要素の他側を通過するガイド要素を含んでおり、
前記ガイド要素は、LMガイドを備えることを特徴とする、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記補償部材は、前記支持要素の他側及び前記基板処理装置の内側上部に連結されるバネ要素を備えることを特徴とする、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記補償部材は、前記第1の駆動要素及び前記基板処理装置の底面に連結されるロッド要素を備えており、
前記ロッド要素は、前記支持要素及び前記下部室が上方に移動した後に、前記基板処理装置の前記底面に移動することを特徴とする、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項8】
更に、前記第2の駆動要素の前記第2の本体の側部に連結されるとともに前記連結要素に向けて延在するバランス部材を含んでおり、
前記バランス部材は、前記支持要素及び前記下部室が前記上方及び下方に移動する間に、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とのうちの少なくとも一方の傾きを防止することを特徴とする、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項9】
更に、前記支持要素を通るとともに、前記下部室の底面の中央部に連結される排出部材を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
上部室と、前記上部室に結合されるか前記上部室から離れる下部室とを備える工程室と、
前記下部室を上方及び下方に移動させる第1の駆動部材及び第2の駆動部材とを含んでおり、
前記第1の駆動部材は、
前記下部室を支持する支持要素と、
前記下部室及び前記支持要素の一側に連結される第1の駆動要素と、
前記支持要素及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、
前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する第1の連結要素とを備えており、
前記第2の駆動部材は、
前記支持要素の他側に連結されるとともに、前記下部室及び前記支持要素を前記上方及び下方に移動させる第3の駆動要素と、
前記下部室、前記支持要素、及び前記第3の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第3の駆動要素に隣接して配置される第4の駆動要素と、
前記第3の駆動要素と前記第4の駆動要素とを連結する第2の連結要素とを備えることを特徴とする、
基板処理装置。
【請求項11】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、
前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備えており、
前記第3の駆動要素は、第3の駆動軸と、第3の本体とを備えており、
前記第4の駆動要素は、第4の駆動軸と、第4の本体とを備えることを特徴とする、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1及び第2の駆動部材は、対称に配置されており、
前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置されており、
前記第3及び第4の駆動要素は、平行に配置されることを特徴とする、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
更に、前記第1及び第2の駆動要素に連結されるとともに前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とのうちの少なくとも一方の傾きを防止する第1のバランス部材と、
前記第3及び第4の駆動要素に連結されるとともに前記第3の駆動要素と前記第4の駆動要素とのうちの少なくとも一方の傾きを防止する第2のバランス部材とを含むことを特徴とする、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項14】
更に、前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材とを連結することで、前記支持要素及び前記下部室が撓むことを防止する調整部材を含むことを特徴とする、
請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記調整部材は、中央部の厚さが両側部の厚さよりも小さいプレートの構造を有しており、
前記中央部には、中央部分に排出部材が通過する貫通孔を有することを特徴とする、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
上部室に連結される支持部材上に基板を位置させるステップと、
下部室を支持する支持要素、前記下部室、及び前記支持要素を上方及び下方に移動させる第1の駆動要素と、前記下部室、前記支持要素、及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する連結要素とを備える少なくとも1つの駆動部材を用いて、前記下部室を前記上部室に結合させるステップと、
前記下部室と前記上部室との間に設けられる処理空間内で、前記基板に対して、所定の工程を行うステップとを含むことを特徴とする、
基板処理方法。
【請求項17】
前記駆動部材は前記支持要素の一側に連結されており、
前記支持要素の他側に連結される補償部材によって、前記支持要素及び前記下部室のバランスが維持されることを特徴とする、
請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、
前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備えており、
前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置されることを特徴とする、
請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記支持要素及び前記下部室が前記上方及び下方に移動する間に、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とのうちの少なくとも一方の傾きは、前記第2の駆動要素の前記第2の本体の側部に連結されるとともに前記連結要素に向けて延在するバランス部材によって防止されることを特徴とする、
請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記所定の工程は、超臨界の流体を用いる洗浄工程を含むことを特徴とする、
請求項16に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。より詳しくは、本発明は、結合に際して、基板を対象とする所望する工程が行える処理空間を提供する工程室を含む基板処理装置、及び前記基板処理装置を用いる基板処理方法に関する。本出願は、2021年5月11日に大韓民国特許庁に出願された大韓民国特許出願第10-2021-0060817号を優先権として伴う出願である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を含む集積回路装置、又は平板ディスプレイ装置を含むディスプレイ装置の製造において、相対的に高い高圧を有する密閉した処理空間内で、基板に対して、洗浄工程のような所定の工程が行われる。このような密閉した処理空間は、下部室が上部室に向けて移動することで前記下部室と前記上部室が結合される構成を有する工程室内に提供される。
【0003】
従来の基板処理装置において、前記下部室は、主に、前記下部室の下に直列に配列される2つの駆動部材によって、上方及び下方に移動される。しかし、前記2つの駆動部材が前記下部室の下に直列に配置されるので、前記下部室を前記上方及び下方に移動するために、前記駆動部材の駆動軸が、増加したストローク(stroke)空間を求める。これによって、前記基板処理装置が、相対的に大きいサイズ及び相対的に複雑な構成を求める。また、従来の基板処理装置は、前記下部室の一側の下に前記駆動部材が位置する構造を有するため、前記駆動部材が前記下部室を移動させる間に、前記下部室が傾くことになる。このため、前記下部室が前記上部室と正確に結合されないので、前記下部室の安定性も低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0026091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面は、少なくとも1つの駆動部材を用いて下部室を上方及び下方に移動させる間に、前記下部室の安定性を向上させる基板処理装置を提供する。
本発明の他の側面は、対称的に配置される2つの駆動要素を用いて下部室を上方及び下方に移動させる間に、前記下部室の安定性を向上させる基板処理装置を提供する。
【0006】
本発明の更に他の側面は、少なくとも1つの駆動部材を用いて下部室を上方及び下方に移動させる間に、前記下部室の安定性を向上させる基板処理装置を用いる基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、基板処理装置が提供されており、前記基板処理装置は、上部室と、前記上部室に結合されまたは前記上部室から離れる下部室と、前記下部室を上方及び下方に移動させる少なくとも1つの駆動部材とを含む。前記少なくとも1つの駆動部材は、前記下部室を支持する支持要素と、前記下部室及び前記支持要素を前記上方及び下方に移動させる第1の駆動要素と、前記下部室、前記支持要素、及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する連結要素とを備える。前記上部室と前記下部室が結合されるとき、前記上部室と前記下部室との間に処理空間が設けられることを特徴とする。
【0008】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備える。前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置される。
【0009】
前記連結要素は、前記第1の本体の底面に水平に連結される第1の部分と、前記第2の駆動軸の上面に水平に連結される第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを垂直に連結する中間部とを備える。
【0010】
更に、前記駆動部材は、前記支持要素の一側に連結される。前記基板処理装置は、前記支持要素の他側に連結されるとともに前記支持要素及び前記下部室のバランスを取る補償部材を含む。
【0011】
前記補償部材は、前記支持要素の他側を通過するガイド要素を含む。例えば、前記ガイド要素は、LMガイドを備える。
【0012】
前記補償部材は、前記支持要素の他側及び前記基板処理装置の内側上部に連結されるバネ要素を備える。
【0013】
前記補償部材は、前記第1の駆動要素及び前記基板処理装置の底面に連結されるロッド要素を備える。ここで、前記ロッド要素は、前記支持要素及び前記下部室が上方に移動した後に、前記基板処理装置の前記底面に移動する。
【0014】
前記基板処理装置は、更に、前記第2の駆動要素の前記第2の本体の側部に連結されるとともに前記連結要素に向けて延在するバランス部材を含む。前記バランス部材は、前記支持要素及び前記下部室が前記上方及び下方に移動する間に、前記第1の駆動要素及び/又は前記第2の駆動要素の傾きを防止する。
【0015】
前記基板処理装置は、更に、前記支持要素を通るとともに、前記下部室の底面の中央部に連結される排出部材を含む。
【0016】
本発明の他の側面によると、基板処理装置が提供されており、前記基板処理装置は、上部室と、前記上部室に結合されるとともに前記上部室から離れる下部室とを備える工程室と、前記下部室を上方及び下方に移動させる第1の駆動部材及び第2の駆動部材とを含む。前記第1の駆動部材は、前記下部室を支持する支持要素と、前記下部室及び前記支持要素の一側に連結される第1の駆動要素と、前記支持要素及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する第1の連結要素とを備える。前記第2の駆動部材は、前記支持要素の他側に連結されるとともに前記下部室及び前記支持要素を前記上方及び下方に移動させる第3の駆動要素と、前記下部室、前記支持要素、及び前記第3の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第3の駆動要素に隣接して配置される第4の駆動要素と、前記第3の駆動要素と前記第4の駆動要素とを連結する第2の連結要素とを含むことを特徴とする。
【0017】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備えており、前記第3の駆動要素は、第3の駆動軸と、第3の本体とを備えており、前記第4の駆動要素は、第4の駆動軸と、第4の本体とを備える。
【0018】
前記第1及び第2の駆動部材は、対称に配置される。ここで、前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置されており、前記第3及び第4の駆動要素は、平行に配置される。
【0019】
前記基板処理装置は、更に、前記第1及び第2の駆動要素に連結されるとともに前記第1の駆動要素及び/又は前記第2の駆動要素の傾きを防止する第1のバランス部材と、前記第3及び第4の駆動要素に連結されるとともに前記第3の駆動要素及び/又は前記第4の駆動要素の傾きを防止する第2のバランス部材とを含む。
【0020】
前記基板処理装置は、更に、前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材とを連結することで、前記支持要素及び前記下部室が撓むことを防止する調整部材を含む。
【0021】
前記調整部材は、中央部の厚さが両側部の厚さよりも小さいプレートの構造を有しており、前記中央部は、中央部分に排出部材が通過する貫通孔を有する。
【0022】
本発明の他の側面によると、基板処理方法が提供されており、前記基板処理方法は、上部室に連結される支持部材上に基板を位置させるステップと、下部室を支持する支持要素、前記下部室、及び前記支持要素を上方及び下方に移動させる第1の駆動要素と、前記下部室、前記支持要素、及び前記第1の駆動要素を前記上方及び下方に移動させるとともに、前記第1の駆動要素に隣接して配置される第2の駆動要素と、前記第1の駆動要素と前記第2の駆動要素とを連結する連結要素とを備える少なくとも1つの駆動部材を用いて、前記下部室を前記上部室に結合させるステップと、前記下部室と前記上部室との間に設けられる処理空間内で、前記基板に対して所定の工程を行うステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
前記駆動部材は前記支持要素の一側に連結されており、前記支持要素の他側に連結される補償部材によって、前記支持要素及び前記下部室のバランスが維持される。
【0024】
前記第1の駆動要素は、第1の駆動軸と、第1の本体とを備えており、前記第2の駆動要素は、第2の駆動軸と、第2の本体とを備えており、前記第1及び第2の駆動要素は、平行に配置される。
【0025】
前記支持要素及び前記下部室が前記上方及び下方に移動する間に、前記第1の駆動要素及び/又は前記第2の駆動要素の傾きは、前記第2の駆動要素の前記第2の本体の側部に連結されるとともに前記連結要素に向けて延在するバランス部材によって防止される。
【0026】
前記所定の工程は、超臨界の流体を用いる洗浄工程を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、前記基板処理装置は、平行に配置される前記第1及び第2の駆動要素を有する駆動部材を含んでおり、前記第1及び第2の駆動要素の1つ又は全部が、前記支持要素及び前記下部室を移動させる。これによって、前記第1駆動要素の前記第1の駆動軸、及び/又は前記第2の駆動要素の前記第2の駆動軸のストロークを最小化することができる。その結果、前記基板処理装置が相対的に単純化した構造を有するとともに、減少した全面積を有することができる。また、前記基板処理装置は、前記第1の駆動要素及び/又は前記第2の駆動要素から前記支持要素の一側に加えられる前記支持要素を移動させる力によって前記支持要素及び前記下部室が傾くことがないとともに、前記下部室及び前記支持要素のバランスを取るべく、前記支持要素の他側に連結される前記補償部材を含む。これによって、前記下部室及び前記支持要素が、前記補償部材によって上又は下に傾くことがないとともに、且つ、前記第1の駆動要素及び/又は前記第2の駆動要素によっても安定して前記上方及び下方に移動することができる。
【0028】
しかし、本発明の効果が前記事項に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図2図2は、本発明の一実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図3図3は、本発明の他の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図4図4は、本発明の他の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図5図5は、図4の調整部材を説明するための拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形状を有することができるところ、実施例を本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を、特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解すべきである。各図面を説明することに当たり、同様な図面符号を同様な構成要素に対して使用している。第1、第2などの用語は、様々な構成要素の説明に使用され得るが、前記構成要素が前記用語に限定されてはいけない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。本出願で使用した用語は、単に、特定の実施例を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「なる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在、又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0031】
異なって定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味に一致する意味を有することと解析すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例をより詳細に説明する。図面において、同一の構成要素に対しては、同一の図面符号を付し、同一の構成要素に関する繰返し説明は、省略可能である。
【0033】
図1は、本発明の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。
【0034】
図1に示しているように、本発明による基板処理装置は、半導体素子のような集積回路素子の製造に適用可能である。特に、前記基板処理装置は、相対的に高い内部圧力を有する工程室によって提供される密閉した処理空間17内で、基板(W)に対して、所定の工程を行う。例えば、前記基板処理装置は、超臨界の流体を用いて、前記基板(W)から、有機溶剤及び不純物のような物質を除去する洗浄工程で活用可能である。この場合、前記超臨界の流体は、超臨界の二酸化炭素を含む。
【0035】
一実施例において、前記基板処理装置は工程室11を含んでおり、ここで前記工程室11は、上部室15と、下部室13と、前記上部室15と前記下部室13との間の処理空間17とを備える。前記処理空間17は、前記上部室15と前記下部室13とによって限定されるとともに密閉される。前記所定の工程、例えば、前記洗浄工程が、前記処理空間17内で行われる。また、前記基板処理装置は、前記上部室15に対して、前記下部室13を上方及び下方に移動させる少なくとも1つの駆動部材20を含む。
【0036】
前記少なくとも1つの駆動部材20は、前記上部室15と前記下部室13との間に前記密閉した処理空間17が形成されるように、前記下部室13を、前記上部室15に向けて前記上方に移動させる。また、前記少なくとも1つの駆動部材20は、前記下部室13を、上部室15から離れるように前記下方に移動させる。この場合、前記上部室15、前記下部室13、前記少なくとも1つの駆動部材20などを含む前記基板処理装置に対するメンテナンス工程が行われる。
【0037】
一実施例において、前記基板(W)は、前記処理空間17内で、前記下部室13よりも前記上部室15に近く配置される。言い換えると、前記基板(W)は、前記上部室15に隣接して配置される。例えば、前記基板(W)は、前記上部室15の底から前記下方に延在する支持部材によって支持される。このような支持部材は、前記基板(W)の周辺部を支持する。
【0038】
図1に示しているように、前記少なくとも1つの駆動部材20は、前記下部室13が前記上部室15に結合されるように、前記下部室13を上方に移動させる。また、前記駆動部材20は、前記下部室13が前記上部室15から離れるように、前記下部室13を前記下方に移動させる。一実施例において、前記少なくとも1つの駆動部材20は、支持要素19と、第1の駆動要素21と、第2の駆動要素27と、連結要素33とを含む。
【0039】
前記支持要素19は、前記下部室13を支持する。例えば、前記支持要素19は、前記下部室13が上部に配置される実質的に平坦な形状を有するプレートの構造を含む。また、前記支持要素19は、前記下部室13の底の面積よりも実質的に広い面積を有する。これによって、前記基板処理装置が前記基板(W)に対して前記所定の工程、例えば、前記洗浄工程を行う間に、前記支持要素19が、前記下部室13を安定して支持することができる。
【0040】
前記第1の駆動要素21は、前記下部室13及び前記支持要素19を、前記上方及び下方に移動させる。前記第1の駆動要素21は、前記支持要素19の一側に連結される。一実施例において、前記第1の駆動要素21は、第1の駆動軸23と、第1の本体25とを含む。前記第1の駆動軸23は、前記支持要素19の底の一側に連結されており、前記第1の本体25は、前記第1の駆動軸23に連結される。図示していないが、前記第1の駆動要素21は、前記第1の駆動軸23に第1の駆動力を提供する第1のモータを更に含む。例えば、前記第1のモータは、前記第1の本体25と一体に形成される。前記第1のモータから与えられる前記第1の駆動力によって、前記第1の駆動軸23が前記上方及び下方に沿って移動するとともに、これによって、前記下部室13及び前記支持要素19も、前記上方及び下方に移動する。
【0041】
前記第2の駆動要素27は、前記下部室13、前記支持要素19、及び前記第1の駆動要素21を、前記上方及び下方に移動させる。前記第2の駆動要素27は、前記第1の駆動要素21に隣接して配置される。前記第2の駆動要素27は、第2の駆動軸29と、第2の本体31とを含む。図示していないが、前記第2の駆動要素27は、前記第2の駆動軸29に第2の駆動力を提供する第2のモータを更に含む。例えば、前記第2のモータは、前記第2の本体31と一体に形成される。前記第2のモータは前記第2の駆動力を前記第2の駆動軸29に与え、これによって、前記第2の駆動軸29が、前記上方及び下方に移動する。
【0042】
図1に示しているように、前記第2の駆動要素27は、前記第1の駆動要素21の下に配置される。前記第1の駆動要素21及び前記第2の駆動要素27は、平行に配置される。例えば、前記第2の駆動軸29は、前記第1の駆動軸23よりも下に位置しており、前記第2の本体31は、前記第1の本体25よりも下に位置する。前記第1の駆動要素21は、前記第2の駆動要素27と所定の距離離隔している。この場合、前記連結要素33が、前記第1の駆動要素21を前記第2の駆動要素27に連結する。
【0043】
前述したように、前記第1及び第2の駆動要素21、27が平行に配置されるので、前記第1及び第2の駆動要素21、27はそれぞれ、別の経路に沿って移動可能である。例えば、前記第1の駆動要素21は、前記支持要素19の下に矢印で示した第1の経路に沿って移動可能であり、前記第2の駆動要素27は、前記第1の経路に隣接する他の1つの矢印で示した第2の経路に沿って移動可能である。そこで、前記第1の駆動要素21の移動の第1の経路が、前記第2の駆動要素27の移動の第2の経路と重ならない。
【0044】
前記連結要素33は、前記第1の駆動要素21に連結される第1の部分と、前記第2の駆動要素27に連結される第2の部分と、及び前記第1の部分を前記第2の部分に連結する中央部とを含む。例えば、前記第1の部分は、前記第1の本体25の底面に水平に連結されており、前記第2の部分は、前記第2の駆動軸29の上面に水平に連結される。前記中央部(中間部)は、前記第1の部分を、前記第2の部分と垂直に連結する。言い換えると、前記連結要素33は、前記支持要素19に対して実質的に水平に配置される前記第1及び第2の部分と、前記支持要素19に対して実質的に垂直に配置される中央部とを含む。
【0045】
一実施例において、前記第2の駆動要素27が、前記第1の駆動要素21を前記上方及び下方に沿って移動させると共に、前記第1の駆動要素21が、前記支持要素19を前記上方及び下方に移動させる。この場合、前記連結要素33によって、前記第1及び第2の駆動要素21、27が互いに連結されているので、前記第1及び第2の駆動要素21、27は、共に移動可能である。前記第2の駆動要素27、前記第1の駆動要素21、及び前記支持要素19の移動によって、前記所定の工程が行われる間には、前記下部室13が前記上部室15に結合される一方、前記所定の工程が行われる前及び後には、前記下部室13が前記上部室15から離れることになる。前記下部室13が前記上部室15に結合されるときには、前記上部室15と前記下部室13との間に、前記所定の工程を行うための前記処理空間17が形成される。前記下部室13が前記上部室15から離れるときには、前記所定の工程が行われる前記基板(W)が、前記上部室15に連結される支持部材上にロードされるか、前記支持部材からアンロードされる。また、前記下部室13が前記上部室15から離れるとき、前記上部室15及び/又は前記下部室13に対して、前記メンテナンス工程が行われる。
【0046】
他の一実施例において、前記第1の駆動要素21及び前記第2の駆動要素27のうちのいずれか1つが、前記下部室13を、前記上方及び下方に移動させるように動作する。例えば、前記第2の駆動要素27が、前記第1の駆動要素21及び前記支持要素19を移動させるか、前記第1の駆動要素21が、前記第2の駆動要素27及び前記支持要素19を移動させる。そこで、前記下部室13は、前記第1の駆動要素21及び前記第2の駆動要素27のいずれか1つによって、前記上部室15に結合されるか、前記上部室15から離れる。
【0047】
前述したように、前記基板処理装置は、平行に配置される前記第1及び第2の駆動要素21、27を有する前記駆動部材20を含んでおり、前記第1及び第2の駆動要素21、27の1つ又は全部が、前記支持要素19及び前記下部室13を移動させる。前記下部室13が前記駆動部材20によって前記上方及び下方に移動されるので、前記第1の駆動要素21の前記第1の駆動軸23、及び/又は前記第2の駆動要素27の前記第2の駆動軸29の、ストロークを最小化することができる。これによって、前記基板処理装置が、相対的に単純化した構造を有するとともに、減少した全面積を有することができる。
【0048】
再度、図1を参照すると、前記第1及び第2の駆動要素21、27を含む前記駆動部材20が前記支持要素19の一側に連結されるので、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27によって、前記支持要素19の一側にのみ、前記支持要素19を移動させる力が加えられる。そこで、前記駆動部材20が前記下部室13及び前記支持要素19を移動させる間に、前記駆動部材20が前記下部室13を十分前記上方及び下方に移動できないだけでないとともに、前記支持要素19の一側又は他側が、下に傾くことになる。特に、前記支持要素19が前記下部室13よりも相対的に大きい面積を有するとともに、前記第1及び第2の駆動要素21、27が前記支持要素19の一側に連結されるので、前記第1及び第2の駆動要素21、27から前記支持要素19の一側(すなわち、前記下部室13の一側)にのみ、前記支持要素19及び前記下部室13を移動させる力が加えられる。そこで、前記駆動部材20が前記下部室13を前記下方に移動させるとき、前記下部室13の一側(すなわち、前記支持要素19の一側)が、下に傾くことになる。また、前記駆動部材20が前記下部室13を前記上方に移動させるときには、前記下部室13の他側(すなわち、前記支持要素19の他側)が、下に傾くことになる。
【0049】
前述した問題点に対して、前記基板処理装置は、補償部材36を更に含む。前記補償部材36は、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27から前記支持要素19の一側に与えられる前記支持要素19を移動させる力によって前記支持要素19及び前記下部室13が傾くことを、防止する。言い換えると、前記補償部材36は、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27が前記支持要素19を前記上方及び下方に移動させる間に、前記支持要素19及び前記下部室13が上又は下に傾くことを防止するように、前記支持要素19及び前記下部室13のバランスを取る。図1に示しているように、前記補償部材36は、ガイド要素35と、軸受37とを含む。前記ガイド要素35は、前記支持要素19の他側に連結される。例えば、前記ガイド要素35は、前記支持要素19の他側を貫通するLMガイドを含む。この場合、前記軸受37は、前記支持要素19が適切な自由度を有するように、前記ガイド要素35と前記支持要素19の他側とを連結する。
【0050】
一実施例によると、前記基板処理装置は、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27から前記支持要素19の一側に加えられる前記支持要素19を移動させる力によって前記支持要素19及び前記下部室13が傾くことがないとともに、前記下部室13及び前記支持要素19のバランスを取るために、前記支持要素19の他側に連結される前記補償部材36を含む。これによって、前記下部室13及び前記支持要素19が、前記補償部材36によって上又は下に傾くことがないとともに、且つ、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27によっても安定して前記上方及び下方に移動することができる。
【0051】
一実施例において、前記第1及び第2の駆動要素21、27が前記支持要素19の一側に並列に配置されるので、前記駆動部材20が下部室13を移動させる間に、前記第1の駆動要素21が前記第2の駆動要素27に向けて傾くか、又は、前記第2の駆動要素27が前記第1の駆動要素21に向けて傾くことになる。このような前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27の傾きを防止するため、前記基板処理装置は、前記第1の駆動要素21及び前記第2の駆動要素27の間に配置されるバランス部材39を更に含む。前記バランス部材39は、前記第2の駆動要素27の第2の本体31の側部に連結されるとともに、前記連結要素33に向けて延在する。そこで、前記バランス部材39は、前記支持要素19が前記上方及び下方に移動する間に、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27の傾きを防止するように、前記第2の駆動要素27と共に前記上方及び下方に移動することができる。例えば、バランス部材39は、前記第2の駆動要素27が前記上方に移動するときには、前記第2の駆動軸29の移動の距離だけ前記連結要素33に向けて延在する一方、前記第2の駆動要素27が前記下方に移動するときには、前記第2の駆動軸29の移動の距離だけ収縮するアンテナ構造を有する。
【0052】
一実施例において、前記連結要素33は、貫通孔(図示せず)を含んでおり、前記バランス部材39の一側が、前記連結要素33の貫通孔を通過する。そこで、前記バランス部材39は、前記第2の駆動要素27と共に容易に前記上方及び下方に移動することができる。
【0053】
また、図1に示しているように、前記基板処理装置は、前記超臨界の流体を用いて、前記基板(W)に対して、前記所定の工程、例えば、前記洗浄工程を行った後に、前記工程室11の前記処理空間17から、使用済みの超臨界の流体を排出する排出部材41を更に含む。前記排出部材41は、前記支持要素19を通るとともに、前記下部室13の底の中央部に連結される。例えば、前記排出部材41は、前記超臨界の流れが、前記下部室13及び前記支持要素19の移動に実質的に影響されないように、フレキシブルなチューブ又はベローズチューブを含む。
【0054】
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。図2における基板処理装置は、補償部材を除くと、図1で説明した基板処理装置の構成と同様な構成を有する。
【0055】
図2に示しているように、前記基板処理装置は、前記支持要素19の他側と、前記工程室11上の前記基板処理装置の内側上部との間に配置される補償部材36を含む。この場合、前記補償部材36は、前記支持要素19の他側を、前記工程室11が位置する前記基板処理装置の内側上部に連結するバネ要素43を含む。
【0056】
一実施例において、前記バネ要素43は、前記支持要素19の一側に連結される前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27から、前記支持要素19の一側に加えられる前記支持要素19を移動させる力によって、前記下部室13及び前記支持要素19が上又は下に傾くことを防止する。すなわち、前記バネ要素43は、前記下部室13及び前記支持要素19が前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27によって前記上方及び下方に移動する間に、前記下部室13及び前記支持要素19のバランスを取ることができる。これによって、前記支持要素19及び前記下部室13が、傾くことがないとともに、前記バネ要素43によって前記上方及び下方に安定して移動することができる。
【0057】
図3は、本発明の他の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。図3における基板処理装置は、補償部材を除くと、図1で説明した基板処理装置の構成と同様な構成を有する。
【0058】
図3に示しているように、前記基板処理装置は、前記第1の駆動要素21と、前記基板処理装置の底面との間に配置される補償部材36を含む。ここで、前記補償部材36は、前記基板処理装置の底面から、前記第1の駆動要素21の第1の本体25に連結される連結要素33まで延在するロッド要素45を含む。例えば、前記ロッド要素45は、前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27が前記支持要素19及び前記下部室13を前記上方に移動させた後に、前記基板処理装置の底面に移動する。
【0059】
他の一実施例において、前記ロッド要素45は、前記支持要素19の一側に連結される前記第1の駆動要素21及び/又は前記第2の駆動要素27から、前記支持要素19の一側に加えられる前記支持要素19を移動させる力によって、前記下部室13及び前記支持要素19が上又は下に傾くことを防止する。そこで、前記支持要素19及び前記下部室13が、傾くことがないとともに、前記ロッド要素45によって前記上方及び下方に安定して移動することができる。
【0060】
図4は、本発明の他の実施例による基板処理装置を説明するための概略断面図である。図4における基板処理装置は、複数の駆動部材、複数のバランス部材、及び補償部材を除くと、図1で説明した基板処理装置の構成と同様な構成を有する。
【0061】
図4に示しているように、前記基板処理装置は、第1の駆動部材50と、第2の駆動部材70と、第1のバランス部材65と、第2のバランス部材85とを含む。しかし、前記補償部材は、図4の前記基板処理装置から省略することができる。
【0062】
同様に、前記基板処理装置は、前記上部室15及び前記下部室13を含む前記工程室11を備える。前記下部室13は、前記第1の駆動部材50及び前記第2の駆動部材70によって前記上方及び下方に移動するとともに、これによって、前記下部室13が前記上部室15に結合されたり前記上部室15から離れたりする。前記上部室15が前記下部室13に結合されるとき、前記下部室13と前記上部室15との間には、前記処理空間17が形成される。
【0063】
他の一実施例において、前記第1の駆動部材50は、前記支持要素19の一側に連結されており、前記第2の駆動部材70は、前記支持要素19の他側に連結される。そこで、前記支持要素19及び前記下部室13が、前記補償部材がなくても、前記第1及び第2の駆動部材50、70によってバランスを取ることができる。
【0064】
前記第1の駆動部材50は、前記支持要素19の一側に、前記下方に連結される第1の駆動要素51と、前記第1の駆動要素51に対して前記下方に隣接して配置される第2の駆動要素57と、前記第1の駆動要素51と前記第2の駆動要素57とを連結する第1の連結要素63とを含む。前記第1の駆動要素51は、第1の駆動軸53と、第1の本体55とを含む。前記第2の駆動要素57は、第2の駆動軸59と、第2の本体61とを含む。前記第1の連結要素63は、前記第1の駆動要素51に連結される第1の部分と、前記第2の駆動要素57に連結される第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを連結する中央部とを有する。前記第1のバランス部材65は、前記第1の駆動要素51と前記第2の駆動要素57との間に位置する。
【0065】
前記第2の駆動部材70は、前記支持要素19の他側に、前記下方に連結される第3の駆動要素71と、前記第3の駆動要素71に対して前記下方に隣接して配置される第4の駆動要素77と、前記第3の駆動要素71と前記第4の駆動要素77とを連結させる第2の連結要素83とを含む。前記第3の駆動要素71は、第3の駆動軸73と、第3の本体75とを含んでおり、前記第4の駆動要素77は、第4の駆動軸79と、第4の本体81を含む。前記第2の連結要素83は、前記第3の駆動要素71に連結される第1の部分と、前記第4の駆動要素77に連結される第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分とを連結する中央部とを有する。前記第2のバランス部材85は、前記第3の駆動要素71と前記第4の駆動要素77との間に位置する。
【0066】
他の一実施例によると、前記基板処理装置は、前記支持要素19の一側及び他側にそれぞれ実質的に対称して配置される前記第1の駆動部材50と前記第2の駆動部材70とを備える。そこで、前記支持要素19及び前記下部室13は、前記対称的に配置される第1及び第2の駆動部材50、70によって、何等の相殺部材がなくても、バランスを取ることができる。すなわち、前記支持要素19及び前記下部室13が前記第1及び第2の駆動部材50、70によって前記上方及び下方に移動される間に、前記支持要素19及び前記下部室13は、第1及び第2の駆動部材50、70によって傾かない。
【0067】
他の一実施例において、前記第1及び第2の駆動部材50、70がそれぞれ前記支持要素19の一側及び他側に対称的に連結されるので、前記支持要素19の中央部(すなわち、前記下部室13の中央部)が、前記第1及び第2の駆動部材50、70によって撓む。前記支持要素19の撓みを防止するため、前記基板処理装置は、前記第1の駆動部材50と前記第2の駆動部材70とを連結する調整部材87を更に含む。例えば、前記調整部材87は、前記第1の駆動部材50の第1の連結要素63から、前記第2の駆動部材70の第2の連結要素83まで延在する。前記調整部材87によって、前記第1の駆動部材50と前記第2の駆動部材70とが一定の距離を維持することができるので、前記支持要素19及び前記下部室13が撓まない。例えば、前記調整部材87は、プレートの構造を有する。
【0068】
図5は、図4の調整部材87を説明するための拡大断面図である。
【0069】
図4及び図5に示しているように、前記調整部材87は、中央部の厚さが両側部の厚さよりも小さいプレートの構造を有する。図示していないが、前記調整部材87の中央部(中央部分)には、貫通孔が形成されており、排出部材89が、前記調整部材87の前記貫通孔を通過する。
【0070】
以下、本発明による基板処理装置を用いる基板処理方法について説明する。ここで、前記基板処理方法は、図1で説明した基板処理装置を用いて行うことができる。しかし、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記基板処理方法が、図2乃至図4で説明した基板処理装置のうちの任意の1つを用いて行えることを理解するだろう。
【0071】
図1で説明したように、前記上部室15に連結される前記支持部材の上に、前記基板(W)を位置させる。前記第1及び第2の駆動要素21、27を含む前記駆動部材20を用いて、前記支持要素19及び前記下部室13を前記上方に移動させることで、前記下部室13が前記上部室15に結合される、そこで、前記下部室13と前記上部室15との間に、前記処理空間17が設けられる。
【0072】
前記処理空間17内に位置する前記基板(W)に対して、前記所定の工程、例えば、前記超臨界の流体を用いる洗浄工程が行われる。前記基板(W)に対して前記洗浄工程を行った後に、前記第2の駆動要素27を用いて、前記下部室13及び前記支持要素19を前記下方に移動させる。前記使用済みの超臨界の流体は、前記排出部材41を介して、前記工程室11から排出される。
【0073】
前述したように、前記第1及び第2の駆動要素21、27を含む駆動部材20によって前記支持要素19及び前記下部室13が前記上方及び下方に移動される間に、前記補償部材36によって、前記支持要素19及び前記下部室13が傾くことなく前記支持要素19及び前記下部室13のバランスを取ることができる。
【0074】
以上では、本発明の一実施例を説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
図1
図2
図3
図4
図5