(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することにより、精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法及びそれを用いた精神健康評価装置
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20230620BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20230620BHJP
【FI】
G06N20/00
G16H50/30
(21)【出願番号】P 2022546498
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 KR2021007556
(87)【国際公開番号】W WO2022169037
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0016379
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522302389
【氏名又は名称】マインズエーアイ・カンパニー・リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】507175175
【氏名又は名称】インダストリー-アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ヨンセイ ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ホ・ソク
(72)【発明者】
【氏名】ス・ア・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】テ・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】リュン・スプ・アン
【審査官】武田 広太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181004(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0244127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
G16H 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法において、
(a)複数の学習対象者の学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された学習用予測精神健康データ及びこれに対応するGT(Ground Truth)精神健康データを参照して前記第1予測モデルが学習された状態で、精神健康評価装置が、テスト対象者のテスト対象端末から前記テスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得する段階と、
(b)前記精神健康評価装置が、前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにテスト用予測精神健康データを出力するようにする段階と
、
(c)前記精神健康評価装置が、前記テスト用予測精神健康データを第2予測モデルに入力し、前記第2予測モデルにして薬物治療プロセス及び心理治療プロセスの内、前記テスト対象者に適用する特定の薬物治療プロセスのためのテスト用予測薬物治療データ及び特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データを含む特定の精神健康ソリューションを提供する段階と
を含む方法。
【請求項2】
前記第1予測モデルは、第1_1予測モデル、第1_2予測モデル、及び第1_3予測モデルを含み、
前記(a)段階において、
(i)前記学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報及び第1_1学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された第1_1学習用予測精神健康データ及びこれに対応する第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習対象者の第1_2学習用肯定心理情報及び第1_2学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_2 GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習され、(iii)前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2 GT精神健康データ、前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習された状態で、前記精神健康評価装置が、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から第1_1テスト用心理指標データ、第1_2テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、
前記(b)段階において、
前記精神健康評価装置が、(i)前記第1_1テスト用心理指標データを前記第1_1予測モデルに入力し、前記第1_1予測モデルに第1_1テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(ii)前記第1_1テスト用予測精神健康データ及び前記第1_2テスト用心理指標データを前記第1_2予測モデルに入力し、前記第1_2予測モデルに第1_2テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(iii)前記第1_2テスト用予測精神健康データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1_3予測モデルに入力し、前記第1_3予測モデルにして第1_3テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含み、前記テスト用身体指標データは、 前記テスト対象者のテスト用ホルモン濃度値を含み、
前記(a)段階において、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用ホルモン濃度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して、前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記学習用ホルモン濃度値は、学習用コルチゾール(cortisol)濃度値及び学習用DHEA(Dehydroepiandrosterone)濃度値を含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用コルチゾール濃度値及びテスト用DHEA濃度値を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記学習用ホルモン濃度値は学習用性ホルモン濃度値をさらに含み、前記テスト用ホルモン濃度値はテスト用性ホルモン濃度値をさらに含み、
前記(a)段階において、
前記学習用性ホルモン濃度値が臨界範囲を満たす場合、前記第1_1学習用肯定心理情報及び前記第1_2学習用肯定心理情報に適用される第1重み値が、前記第1_1学習用否定心理情報及び前記第1_2学習用否定心理情報に適用される第2重み値より小さく設定された状態で、前記第1_1予測モデル~前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
(i)前記学習対象者が起床した時点から第1臨界時間範囲内に存在する第1学習用採取時点~第3学習用採取時点及び前記学習対象者が就寝した時点から第2臨界時間範囲内に存在する第4学習用採取時点で採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液及び(ii)前記テスト対象者が起床した時点から前記第1臨界時間範囲内に存在する第1テスト用採取時点~第3テスト用採取時点及び前記テスト対象者が就寝した時点から前記第2臨界時間範囲内に存在する第4テスト用採取時点で採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液のそれぞれが分析され、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値のそれぞれが算出されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
放射性同位元素法を通じて前記第1学習用唾液~前記第4学習用唾液及び前記第1テスト用唾液~前記第4テスト用唾液それぞれを分析することにより、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値それぞれが算出されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用心拍変異度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用心拍変異度値を含み,
前記(a)段階において、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用心拍変異度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用脳映像データ及びテスト用マイクロバイオムデータを含み、
前記(a)段階において、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2 GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用脳映像データ及び前記学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1_1学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用成人愛着類型情報、学習用成長期否定的経験情報及び学習用心を推し量る能力情報を含み、
前記第1_2学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用うつ症状尺度情報及び学習用自殺危険性情報を含み、
前記第1_1テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用成人愛着類型情報、テスト用成長期否定的経験情報及びテスト用心を推し量る能力情報を含み、
前記第1_2テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用うつ症状尺度情報及びテスト用自殺危険性情報を含み、
前記(a)段階において、
(i)前記学習用成人愛着類型情報、前記学習用成長期否定的経験情報及び前記学習用心を推し量る能力情報を含む前記第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された前記第1_1学習用予測精神健康データ及びこれに対応する前記第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習用うつ症状尺度情報、及び前記学習用自殺危険性情報を含む前記第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された前記第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_2 GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1_1学習用心理指標データ及び前記第1_2学習用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含み、
前記第1_1テスト用心理指標データ及び前記第1_2テスト用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記テスト対象者のテスト用回復弾力性情報をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記(a)段階において、
(i)前記学習対象者の前記学習用心理指標データ及び前記学習用身体指標データが前記第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された前記学習用予測精神健康データ及び前記GT精神健康データを参照として、前記第1予測モデルが学習され、(ii)前記学習用予測精神健康データまたは前記GT精神健康データが第2予測モデルに入力された後、前記第2予測モデルから出力される(ii-1)薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が前記学習対象者に適用されることにより精神健康状態が変化した学習対象者に対する学習用治療後予測精神健康データ、(ii-2)前記薬物治療プロセスに対する学習用予測薬物治療データ、(ii-3)前記心理治療プロセスの学習用予測心理治療データ、及びそれぞれに対応する治療後のGT精神健康データ、GT薬物治療データ及びGT心理治療データを参照して前記第2予測モデルが学習された状態において、前記精神健康評価装置が、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から前記テスト対象者の前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、
前記(b)段階において、
前記精神健康評価装置が、前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにして前記テスト用予測精神健康データを出力させるようにすることを特徴とす
る、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記精神健康評価装置が提供する前記テスト用予測精神健康データは、前記テスト対象者から採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液が分析されて算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に関する情報を含み、
前記テスト対象者から採取された前記第1テス用唾液~前記第4テスト用唾液が分析され算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に対応する領域が9番領域である場合、前記テスト対象者のCortisol濃度が正常レベルより低くなっている状態でDHEAが正常範囲であるか、正常範囲より高い状態で現れる場合であるため、前記精神健康評価装置は、身体疾患や人為的に服用した薬物等によってこのような結果が起きたか、または唾液採取が正確に行われていなかったため、これについて総合的な検討が必要である旨の情報と、テスト用予測精神健康データを出力することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置において、
命令を貯蔵する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含むが、
前記プロセッサが、(1)複数の学習対象者に対する学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された学習用予測精神健康データ及びそれに対応するGT精神健康データを参照して前記第1予測モデルが学習された状態で、テスト対象者のテスト対象者端末から前記テスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得するプロセスと、(2)前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにしてテスト用予測精神健康データを出力するようにするプロセス
と、(3)
前記精神健康評価装置が、前記テスト用予測精神健康データを第2予測モデルに入力し、前記第2予測モデルにして薬物治療プロセス及び心理治療プロセスの内、前記テスト対象者に適用する特定の薬物治療プロセスのためのテスト用予測薬物治療データ及び特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データを含む特定の精神健康ソリューションを提供するプロセスと、
を行う精神健康評価装置。
【請求項15】
前記第1予測モデルは、第1_1予測モデル、第1_2予測モデル、及び第1_3予測モデルを含み、
前記プロセッサは、
前記(1)プロセスにおいて、
(i)前記学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報及び第1_1学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された第1_1学習用予測精神健康データ及びこれに対応する第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習対象者の第1_2学習用肯定心理情報及び第1_2学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_2 GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習され、(iii)前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2 GT精神健康データ、前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習された状態において、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から第1_1テスト用心理指標データ、第1_2テスト用心理指標データ、及び前記テスト用身体指標データを獲得し、
前記(2)プロセスにおいて、
(i)前記第1_1テスト用心理指標データを前記第1_1予測モデルに入力し、前記第1_1予測モデルにして第1_1テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(ii)前記第1_1テスト用予測精神健康データ及び前記第1_2テスト用心理指標データを前記第1_2予測モデルに入力し、前記第1_2予測モデルにして第1_2テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(iii)前記第1_2テスト用予測精神健康データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1_3予測モデルに入力し、前記第1_3予測モデルにして第1_3テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とする、請求項14に記載の精神健康評価装置。
【請求項16】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用ホルモン濃度値を含み、
前記(1)プロセスにおいて、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用ホルモン濃度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項15に記載の精神健康評価装置。
【請求項17】
前記学習用ホルモン濃度値は、学習用コルチゾール(cortisol)濃度値及び学習用DHEA(Dehydroepiandrosterone)濃度値を含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用コルチゾール濃度値及びテスト用DHEA濃度値を含むことを特徴とする、請求項16に記載の精神健康評価装置。
【請求項18】
前記学習用ホルモン濃度値は学習用性ホルモン濃度値をさらに含み、前記テスト用ホルモン濃度値はテスト用性ホルモン濃度値をさらに含み、
前記(1)プロセスにおいて、
前記学習用性ホルモン濃度値が臨界範囲を満たす場合、前記第1_1学習用肯定心理情報及び前記第1_2学習用肯定心理情報に適用される第1重み値が、前記第1_1学習用否定心理情報及び前記第1_2学習用否定心理情報に適用される第2重み値より小さく設定された状態で、前記第1_1予測モデル~前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項17に記載の精神健康評価装置。
【請求項19】
(i)前記学習対象者が起床した時点から第1臨界時間範囲内に存在する第1学習用採取時点から第3学習用採取時点及び前記学習対象者が就寝した時点から第2臨界時間範囲内に存在する第4学習用採取時点で採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液及び(ii)前記テスト対象者が起床した時点から前記第1臨界時間範囲内に存在する第1テスト用採取時点~第3テスト用採取時点及び前記テスト対象者が就寝した時点から前記第2臨界時間範囲内に存在する第4テスト用採取時点で採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液のそれぞれが分析され、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値のそれぞれが算出されることを特徴とする、請求項16に記載の精神健康評価装置。
【請求項20】
放射性同位元素法により前記第1学習用唾液~前記第4学習用唾液及び前記第1テスト用唾液~前記第4テスト用唾液それぞれを分析することにより、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値それぞれが算出されることを特徴とする、請求項19に記載の精神健康評価装置。
【請求項21】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用心拍変異度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用心拍変異度値を含み、
前記(1)プロセスにおいて、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用心拍変異度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項15に記載の精神健康評価装置。
【請求項22】
前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用脳映像データ及びテスト用マイクロバイオムデータを含み、
前記(1)プロセスにおいて、
前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2 GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用脳映像データ及び前記学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項15に記載の精神健康評価装置。
【請求項23】
前記第1_1学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用成人愛着類型情報、学習用成長期否定的経験情報及び学習用心を推し量る能力情報を含み、
前記第1_2学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用うつ症状尺度情報及び学習用自殺危険性情報を含み、
前記第1_1テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用成人愛着類型情報、テスト用成長期否定的経験情報及びテスト用心を推し量る能力情報を含み、
前記第1_2テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用うつ症状尺度情報及びテスト用自殺危険性情報を含み、
前記(1)プロセスにおいて、
(i)前記学習用成人愛着類型情報、前記学習用成長期否定的経験情報及び前記学習用心を推し量る能力情報を含む前記第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された前記第1_1学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習用うつ症状尺度情報、及び前記学習用自殺危険性情報を含む前記第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された前記第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_2 GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習されることを特徴とする、請求項15に記載の精神健康評価装置。
【請求項24】
前記第1_1学習用心理指標データ及び前記第1_2学習用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含み、
前記第1_1テスト用心理指標データ及び前記第1_2テスト用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記テスト対象者のテスト用回復弾力性情報をさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載の精神健康評価装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、
前記(1)プロセスにおいて、
(i)前記学習対象者の前記学習用心理指標データ及び前記学習用身体指標データが前記第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された前記学習用予測精神健康データ及び前記GT精神健康データを参照として、前記第1予測モデルが学習され、(ii)前記学習用予測精神健康データまたは前記GT精神健康データが第2予測モデルに入力された後、前記第2予測モデルから出力された(ii-1)薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が前記学習対象者に適用されることにより精神健康状態が変化した学習対象者に対する学習用治療後予測精神健康データ、(ii-2)前記薬物治療プロセスに対する学習用予測薬物治療データ、(ii-3)前記心理治療プロセスのための学習用予測心理治療データ、及びそれぞれに対応する治療後のGT精神健康データ、GT薬物治療データ及びGT心理治療データを参照して前記第2予測モデルが学習された状態において、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から前記テスト対象者の前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、
前記(2)プロセスにおいて、
前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにして前記テスト用予測精神健康データを出力することを特徴とす
る、請求項14に記載の精神健康評価装置。
【請求項26】
前記精神健康評価装置が提供する前記テスト用予測精神健康データは、前記テスト対象者から採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液が分析されて算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に関する情報を含み、
前記テスト対象者から採取された前記第1テス用唾液~前記第4テスト用唾液が分析され算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に対応する領域が9番領域である場合、前記テスト対象者のCortisol濃度が正常レベルより低くなっている状態でDHEAが正常範囲であるか、正常範囲より高い状態で現れる場合であるため、前記精神健康評価装置は、身体疾患や人為的に服用した薬物等によってこのような結果が起きたか、または唾液採取が正確に行われていなかったため、これについて総合的な検討が必要である旨の情報及びテスト用予測精神健康データを出力することを特徴とする、請求項14に記載の精神健康評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法及びそれを用いた精神健康評価装置に関する。さらに詳細には、機械学習(Machine Learning)に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法及びそれを用いた精神健康評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
うつ病などを含む精神疾患はその様相が多様であり、健康人と対照して軽症患者や重症患者の精神健康を判断することが難しい問題点が存在した。
【0003】
また、軽症患者や重症患者のそれぞれに適合した精神健康ソリューションがだかいに異なるため、各々の患者に適合した様々な心理治療プロセス及び様々な薬物治療プロセスを含む特定の精神健康ソリューションを選択して提供することが難しい問題が存在した。
【0004】
例えば、軽症うつ病患者は薬物治療だけで症状の好転が行われるか、心理治療だけで症状の好転が行われ得る一方、重症うつ病患者は薬物治療と心理治療を一緒に適用しなければ症状の好転がなされる差があるが、どの患者にどの程度の薬物治療及び心理治療を提供すべきかを判断することが困難難しい問題点が存在した。
【0005】
したがって、前記問題を解決するための改善案が求められる実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した問題点を全て解決することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、機械学習に基づいて健康な人及び患者の身体指標(Biological)データ及び心理指標データを学習することにより、テスト対象者の精神健康を予測することを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、テスト対象者について予測した精神健康データに基づいてテスト対象者に適合した精神健康ソリューションを提供することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような本発明の目的を達成し、後述する本発明の特徴的な効果を実現するための、本発明の特徴的な構成は以下の通りである。
【0010】
本発明の一態様によれば、機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することにより精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法において、(a)複数の学習対象者に対する学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された学習用予測精神健康データ及びこれに対応されるGT(Ground Truth)精神健康データを参照として、前記第1予測モデルが学習された状態で、精神健康評価装置が、テスト対象者のテスト対象者端末から前記テスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得する段階と、(b)前記精神健康評価装置が、前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにしてテスト用予測精神健康データを出力するようにする段階とを含む方法が開示される。
【0011】
一例として、前記第1予測モデルは、第1_1予測モデル、第1_2予測モデル及び第1_3予測モデルを含み、前記(a)段階で、(i)前記学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報及び第1_1学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された第1_1学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習対象者の第1_2学習用肯定心理情報及び第1_2学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_2GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習され、(iii)前記第1_2学習用予測精神健康データ又は第1_2GT精神健康データ、前記学習用身体指標データが第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習された状態で、前記精神健康評価装置が、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から第1_1テスト用心理指標データ、第1_2テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、前記(b)段階で、前記精神健康評価装置が、(i)前記第1_1テスト用心理指標データを前記第1_1予測モデルに入力し、前記第1_1予測モデルにして第1_1テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(ii)前記第1_1テスト用予測精神健康データ及び前記第1_2テスト用心理指標データを前記第1_2予測モデルに入力し、前記第1_2予測モデルにして第1_2テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(iii)前記第1_2テスト用予測精神健康データ及び、前記テスト用身体指標データを第1_3予測モデルに入力し、前記第1_3予測モデルにして第1_3テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とする方法が開示される。
【0012】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用ホルモン濃度値を含み、前記(a)段階において、前記第1_2学習用予測精神健康データまたは前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用ホルモン濃度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力さた後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする方法が開示される。
【0013】
一例として、前記学習用ホルモン濃度値は、学習用コルチゾール濃度値及び学習用DHEA(Dehydroepiandrosterone)濃度値を含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用コルチゾール濃度値及びテスト用DHEA濃度値を含むことを特徴とする方法が開示される。
【0014】
一例として、前記学習用ホルモン濃度値は、学習用性ホルモン濃度値をさらに含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用性ホルモン濃度値をさらに含み、前記(a)段階において、前記学習用性ホルモン濃度値が臨界範囲を満たす場合、前記第1_1学習用肯定心理情報及び前記第1_2学習用肯定心理情報に適用される第1重みが、前記第1_1学習用否定心理情報及び前記第1_2学習用否定心理情報に適用される第2重みより小さく設定された状態で、前記第1_1予測モデル~第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする方法が開示される。
【0015】
一例として、(i)前記学習対象者が起床した時点から第1臨界時間範囲内に存在する第1学習用採取時点乃至第3学習用採取時点及び前記学習対象者が就寝した時点から第2臨界時間範囲内に存在する第4学習用採取時点で採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液及び(ii)前記テスト対象者が起床した時点から前記第1臨界時間範囲内に存在する第1テスト用採取時点~第3テスト用採取視点及び前記テスト対象者が就寝した時点から前記第2臨界時間範囲内に存在する第4テスト用採取時点で採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液のそれぞれが分析され、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値のそれぞれが算出されることを特徴とする方法が開示される。
【0016】
一例として、放射性同位元素法を介して前記第1学習用唾液~前記第4学習用唾液及び前記第1テスト用唾液~前記第4テスト用唾液のそれぞれを分析することにより、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値それぞれが算出されることを特徴とする方法が開示される。
【0017】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用心拍変異度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用心拍変異度値を含み、前記(a)段階において、前記第1_2学習用予測精神健康データまたは前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用心拍変異度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする方法が開示される。
【0018】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオムデータを含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用脳映像データ及びテスト用マイクロバイオムデータを含み、前記(a)段階において、前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用脳映像データ及び前記学習用マイクロバイオーム(microbiome)データを含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び第1_3GT精神健康データを参照して第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする方法が開示される。
【0019】
一例として、前記第1_1学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用成人愛着類型情報、学習用成長期否定的経験情報及び学習用心を推し量る能力情報を含み、前記第1_2学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用うつ病症状尺度情報及び学習用自殺危険性情報を含み、前記第1_1テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用成人愛着類型情報、テスト用成長期否定的経験情報及びテスト用心を推し量る能力情報を含み、前記第1_2テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用うつ症状尺度情報及びテスト用自殺危険性情報を含み、前記(a)段階において、(i)前記学習用成人愛着類型情報、前記学習用成長期否定的経験情報及び前記学習用心を推し量る能力情報を含む前記第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された前記第1_1学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習用うつ症状尺度情報及び前記学習用自殺危険性性情報を含む前記第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、第1_2予測モデルから出力された前記第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_2GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習されることを特徴とする方法が開示される。
【0020】
一例として、前記第1_1学習用心理指標データ及び前記第1_2学習用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含み、前記第1_1テスト用心理指標データ及び前記第1_2テスト用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記テスト対象者のテスト用回復弾力性情報をさらに含むことを特徴とする方法が開示される。
【0021】
一例として、前記(a)ステップにおいて、(i)前記学習対象者に対する前記学習用心理指標データ及び前記学習用身体指標データが前記第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された前記学習用予測精神健康データ及び前記GT精神健康データを参照して前記第1予測モデルが学習され、(ii)前記学習用予測精神健康データまたは前記GT精神健康データが第2予測モデルに入力された後前記第2予測モデルから出力された(ii-1)薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が前記学習対象者に適用されることにより精神健康状態が変化した学習対象者に対する学習用治療後予測精神健康データ、(ii-2)前記薬物治療プロセスの対する学習用予測薬物治療データ、(ii-3)前記心理治療プロセスの対する学習用予測心理治療データ、及びそれぞれに対応する治療後のGT精神健康データ、GT薬物治療データ及びGT心理治療データを参照として、前記第2予測モデルが学習された状態で、前記精神健康評価装置が、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から前記テスト対象者の前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、前記(b)ステップにおいて、前記精神健康評価装置が前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力して前記第1予測モデルにして前記テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とするが、
(c)前記精神健康評価装置が、前記テスト用予測精神健康データを前記第2予測モデルに入力し、前記第2予測モデルにして前記薬物治療プロセス及び前記心理治療プロセス中に、前記テスト対象者に適用する特定の薬物治療プロセスのテスト用予測薬物治療データと、特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データとを含む特定の精神健康ソリューションを提供するようにするステップをさらに含むことを特徴とする方法が開示される。
【0022】
本発明の他の態様に係れば、機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置において、インストゥラクション(instruction)を貯蔵する少なくとも1つのメモリと、前記インストゥラクションを実行するために構成された少なくとも1つのプロセッサを含むが(1)複数の学習対象者の学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された学習用予測精神健康データ及びそれに対応するGT(Ground Truth)精神健康データを参照して前記第1予測モデルが学習された状態で、テスト対象者のテスト対象者端末から前記テスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得するプロセスと、(2)前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにしてテスト用予測精神健康データを出力するようにするプロセスを行う精神健康評価装置が開示される。
【0023】
一例として、前記第1予測モデルは、第1_1予測モデル、第1_2予測モデル、及び第1_3予測モデルを含み、前記プロセッサは、前記(1)プロセスにおいて、(i)前記学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報及び第1_1学習用不正心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された第1_1学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習対象者の第1_2学習用肯定心理情報及び第1_2学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_2学習用心理指標データが前記第1_2予測モデルに入力された後、前記第1_2予測モデルから出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_2GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習され、(iii)前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後前記第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習された状態で、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から第1_1テスト用心理指標データ、第1_2テスト用心理指標データ、及び前記テスト用身体指標データを獲得し、
前記(2)プロセスにおいて、(i)前記第1_1テスト用心理指標データを前記第1_1予測モデルに入力して、前記第1_1予測モデルにして第1_1テスト用予測精神健康データを出力するようにし、(ii)前記第1_1テスト用予測精神健康データ及び前記第1_2テスト用心理指標データを第1_2予測モデルに入力し、前記第1_2予測モデルにして第1_2テスト用予測精神健康データを出力するようにし(iii)前記第1_2テスト用予測精神健康データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1_3予測モデルに入力し、前記第1_3予測モデルにして第1_3テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0024】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用ホルモン濃度値を含み、前記(1)プロセスにおいて、前記第1_2学習用予測精神健康データまたは第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用ホルモン濃度値を含む前記学習用身体指標データが第1_3予測モデルに入力された後、第1_3予測モデルから出力された第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0025】
一例として、前記学習用ホルモン濃度値は、学習用コルチゾール(cortisol)濃度値及び学習用DHEA(Dehydroepiandrosterone)濃度値を含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用コルチゾール濃度値及びテスト用DHEA濃度値を含むことを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0026】
一例として、前記学習用ホルモン濃度値は、学習用性ホルモン濃度値をさらに含み、前記テスト用ホルモン濃度値は、テスト用性ホルモン濃度値をさらに含み,前記(1)プロセスにおいて、前記学習用性ホルモン濃度値が臨界範囲を満たす場合、前記第1_1学習用肯定心理情報及び第1_2学習用肯定心理情報に適用される第1重みが、前記第1_1学習用否定心理情報及び前記第1_2学習用否定心理情報に適用される第2重みより小さく設定された状態で、前記第1_1予測モデル~前記1_3予測モデルが学習されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0027】
一例として、(i)前記学習対象者が起床した時点から第1臨界時間範囲内に存在する第1学習用採取時点乃至第3学習用採取時点と前記学習対象者が就寝した時点から第2臨界時間範囲内に存在する第4学習用採取時点で採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液及び(ii)前記テスト対象者が起床した時点から前記第1臨界時間範囲内に存在する第1テスト用採取時点~第3テスト用採取視点及び前記テスト対象者が就寝した時点から前記第2臨界時間範囲内に存在する第4テスト用採取時点で採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液のそれぞれが分析され、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値のそれぞれが算出されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0028】
一例として、放射性同位元素法を介して前記第1学習用唾液~前記第4学習用唾液及び前記第1テスト用唾液~前記第4テスト用唾液のそれぞれを分析することにより、前記学習用ホルモン濃度値及び前記テスト用ホルモン濃度値。それぞれが算出されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0029】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用心拍変異度を含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用心拍変異度値を含み、前記(1)プロセスにおいて、前記第1_2学習用予測精神健康データまたは前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用心拍変異度値を含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0030】
一例として、前記学習用身体指標データは、前記学習対象者の学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含み、前記テスト用身体指標データは、前記テスト対象者のテスト用脳映像データ及びテスト用マイクロ。前記バイオムデータを含み、前記(1)プロセスにおいて、前記第1_2学習用予測精神健康データ又は前記第1_2GT精神健康データ、前記学習対象者の前記学習用脳映像データ及び前記学習用マイクロバイオーム(microbiome)データを含む前記学習用身体指標データが前記第1_3予測モデルに入力された後、前記第1_3予測モデルから出力された前記第1_3学習用予測精神健康データ及び前記第1_3GT精神健康データを参照して前記第1_3予測モデルが学習されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0031】
一例として、前記第1_1学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用成人愛着類型情報、学習用成長期否定的経験情報及び学習用心を推し量る能力情報を含み、前記第1_2学習用心理指標データは、前記学習対象者の学習用うつ病症状尺度情報及び学習用自殺危険性情報を含み、前記第1_1テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用成人愛着類型情報、テスト用成長期否定的経験情報及びテスト用心を推し量る能力情報を含み、前記第1_2テスト用心理指標データは、前記テスト対象者のテスト用うつ症状尺度情報及びテスト用自殺危険性性情報を含み、前記(1)プロセスにおいて、(i)前記学習用成人愛着類型情報、前記学習用成長期否定的経験情報及び前記学習用心を推し量る能力情報を含む前記第1_1学習用心理指標データが前記第1_1予測モデルに入力された後、前記第1_1予測モデルから出力された前記第1_1学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_1GT精神健康データを参照して前記第1_1予測モデルが学習され、(ii)前記第1_1学習用予測精神健康データ又は前記第1_1GT精神健康データ、前記学習用うつ症状尺度情報及び前記学習用自殺危険性情報を含む第1_2学習用心理指標データが第1_2予測モデルに入力された後、第1_2予測モデルから出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びそれに対応する前記第1_2GT精神健康データを参照して前記第1_2予測モデルが学習されることを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0032】
一例として、前記第1_1学習用心理指標データ及び前記第1_2学習用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含み、前記第1_1テスト用心理指標データ及び前記第1_2テスト用心理指標データの内、少なくとも一部は、前記テスト対象者のテスト用回復弾力性情報をさらに含むことを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【0033】
一例として、前記プロセッサは、前記(1)プロセスにおいて、(i)前記学習対象者の前記学習用心理指標データ及び前記学習用身体指標データが前記第1予測モデルに入力された後、前記第1予測モデルから出力された前記学習用予測精神健康データ及び前記GT精神健康データを参照して前記第1予測モデルが学習され、(ii)前記学習用予測精神健康データまたは前記GT精神健康データが第2予測モデルに入力された後、前記第2予測モデルから出力される(ii-1)薬物治療プロセスと心理治療プロセス内、の少なくとも一部が前記学習対象者に適用されることにより精神健康状態が変化した学習対象者に対する学習用治療後予測精神健康データ、(ii-2)前記薬物治療プロセスの対する学習用予測薬物治療データ、(ii-3)前記心理治療プロセスに対する学習用予測心理治療データ、及びそれぞれに対応する治療後のGT精神健康データ、GT薬物治療データ及びGT心理治療データを参照として、前記第2予測モデルが学習された状態で、前記テスト対象者の前記テスト対象者端末から前記テスト対象者の前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを獲得し、前記(2)プロセスにおいて、前記テスト用心理指標データ及び前記テスト用身体指標データを前記第1予測モデルに入力し、前記第1予測モデルにして前記テスト用予測精神健康データを出力するようにすることを特徴とするが,(3)前記テスト用予測精神健康データを前記第2予測モデルに入力し、前記第2予測モデルにして前記薬物治療プロセス及び前記心理治療プロセスの内、前記テスト対象者に適用する特定薬物治療プロセスに対するテスト用予測薬物治療データ及び特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データを含む特定の精神健康ソリューションを提供するようにするプロセスをさらに含むことを特徴とする精神健康評価装置が開示される。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、機械学習に基づいて健康な人及び患者の身体指標データ及び心理指標データを学習することにより、テスト対象者の精神健康を予測する効果がある。
【0035】
また、本発明は、テスト対象者について予測した精神健康データに基づいてテスト対象者に適合した精神健康ソリューションを提供する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の実施形態の説明に用いられるために添付された以下の図面は、本発明の実施例の一部に過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者(以下「通常の技術者」)においては、発明的仕事をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置を概略的に示すものであり、
【0038】
図2は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置に含まれる各々の予測モデルを概略的に示したものであり、
【0039】
図3は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するための学習過程を概略的に示すものであり、
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するテスト過程を概略的に示すものであり、
【0041】
図5は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するテスト用予測精神健康データに含まれる一部情報を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
後述する本発明の詳細な説明は、本発明の目的、技術的解決策及び利点を明確にするために本発明が実施することができる特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、通常の技術者が本発明を実施するのに十分であるように詳細に説明される。
【0043】
また、本発明の詳細な説明及び特許請求項にわたって、「含む」という単語及びその変形は、他の技術的特徴、付加物、構成要素またはステップを除外することを意図されたものでない。通常の技術者にとって、本発明の他の目的、利点、及び特徴が一部は本説明書から、そして一部は本発明の実施から明らかになるであろう。以下の例示及び図面は例示として提供されており、本発明を限定することを意図していない。
【0044】
さらに、本発明は、本明細書に示される実施形態のすべての可能な組み合わせを網羅する。本発明の様々な実施形態は互いに異なるが互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載の特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関して本発明の精神及び範囲を逸脱することなきながら他の実施形態で実現することができる。また、各々の開示された実施形態内の個々の構成要素の位置または配置は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなきながら変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味でのものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されると、その請求項が主張するものと等しいすべての範囲に加えて添付の請求項によってのみ限定される。図面において類似の参照符号は、多様の側面にわたって同じまたは類似の機能を指す。
【0045】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0046】
図1は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置1000を概略的に示したものである。
【0047】
図1を参照すると、精神健康評価装置1000は、機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するための命令を貯蔵するメモリ1001と、メモリ1001に貯蔵された命令に対応して機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するプロセッサ1002を含み得る。このとき、精神健康評価装置1000は、PC(Personal Computer)、モバイルコンピュータ、PDA/EDA、携帯電話、スマートフォン、タブレット、IoT機器などを含むことができる。なお、精神健康評価装置1000はこれに限定されず、有無線通信機能を有する携帯用ゲーム機、デジタルカメラ、個人ナビなどの全ての装置を含むことができる。
【0048】
具体的に、精神衛生評価装置1000は、典型的に、コンピューティング装置(例えば、コンピュータプロセッサ、メモリ、ストレージ、入力装置及び出力装置、他の既存のコンピューティング装置の構成要素を含むことができる装置とルータ、スイッチなどのような電子通信装置とネットワーク接続ストレージ(NAS)及びストレージ領域ネットワーク(SAN)のような電子情報ストレージシステム)とコンピュータソフトウェア(すなわち、コンピューティング装置にして特定の方法で機能させるインストゥラクションの組み合わせを利用して所望するシステム性能を達成することであり得る。
【0049】
さらに、コンピューティングデバイスのプロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)またはCPU(Central Processing Unit)、キャッシュメモリ(Cache Memory)、データバス(Data Bus)などのハードウェア構成を含むことができる。さらに、コンピューティングデバイスは、オペレーティングシステム、特定の目的を実行するアプリケーションのソフトウェア構成をさらに含み得る。
【0050】
しかしながら、コンピューティングデバイスが本発明を実施するためのメディア、プロセッサ、及びメモリが統合され形態のintegratedプロセッサを含む場合を排除するものではない。
【0051】
図2は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置1000に含まれた各々の予測モデルを模式的に示したものである。
【0052】
図2を参照すると、精神健康評価装置1000は、第1予測モデル1100及び第2予測モデル1200を含むことができ、第1予測モデル1100は第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、及び第1_3予測モデル1130を含むことができる。
【0053】
参考として、第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130及び第2予測モデル1200は、精神健康評価装置1000に含まれる状態で精神健康評価装置1000の指示を行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0054】
例えば、精神健康評価装置1000と独立した1つの装置(図示せず)が第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130及び第2予測モデル1200を全て含む状態で、精神健康評価装置1000の指示に従い、独立した装置に含まれる第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130及び第2予測モデル1200のそれぞれが動作を実行することができる。
【0055】
あるいは、精神健康評価装置1000と独立した4つの装置(図示せず)が第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130、及び第2予測モデル1200の内、いずれか1つの予測モデルをそれぞれ含む状態で、精神健康評価装置1000の指示に従って独立した装置のそれぞれに含まれた第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130、及び第2予測モデル1200のそれぞれが動作が実行できる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することにより精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法を行う精神健康評価装置1000の構成を説明した。
【0057】
以下においては、このように構成された精神健康評価装置1000による機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することにより、精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する方法について説明する。
【0058】
参考に、以下の説明における混乱を避けるために、「学習用」という文句は学習プロセスに関連する用語に追加され、「テスト用」という文句はテストプロセスに関連する用語について追加される。
【0059】
まず、複数の学習対象者に対する学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが第1予測モデル1100に入力された後、第1予測モデル1100から出力された学習用予測精神健康データ及びこれに対応するGT(Ground Truth)精神健康データを参照して第1予測モデル1100が学習された状態で、精神健康評価装置1000は、テスト対象者のテスト対象者端末からテスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得することができる。
【0060】
そして、精神健康評価装置1000は、テスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを第1予測モデル1100に入力し、第1予測モデル1100にしてテスト用予測精神健康データを出力するようにすることができる。
【0061】
このとき、第1予測モデル1100の学習について概略的に説明すると、学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが獲得され、第1予測モデル1100に入力された後、第1予測モデル1100から出力された学習用予測精神健康データ及びそれに対応するGT精神健康データを参照してロス(loss)を算出することができる。そして、ロスを用いてバックプロパゲーション(backpropagation)を行うことにより、第1予測モデル1100の少なくとも1つのパラメータを学習することができる。
【0062】
参考として、学習用予測精神健康データは、学習対象者の現在の精神健康状態に対する第1予測モデル1100の予測データを表し、GT精神健康データは、学習対象者の現在の精神健康状態に対する正解データを示すことができる。
【0063】
全体的な流れは前記の通りであり、以下では
図3を参照してこれに対しさらに具体的に説明する。
【0064】
図3は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するための学習過程を概略的に示したものである。
【0065】
図3を参照して、機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するための学習過程を説明すると、まず、学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報及び第1_1学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_1学習用心理指標データが第1_1予測モデル1110に入力された後、第1_1予測モデル1110から出力された第1_1学習用予測精神健康データ及びこれに対応する第1_1GT精神健康データを参照して第1_1予測モデル1110を学習することができる。
【0066】
このとき、第1_1学習用心理指標データは、学習対象者の学習用成人愛着類型情報、学習用成長期否定的経験情報、及び学習用心を推し量る能力情報を含むことができる。また、これに加えて、第1_1学習用心理指標データは、学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含むこともできる。
【0067】
第1_1学習用心理指標データに含まれる各々の情報について具体的に説明すると、学習用成人愛着類型情報は、不安点数及び回避点数に対応する2つの軸における点数に応じて安定型、不安型、回避型及び混乱型の4つのタイプの内、いずれか1つに分類された類型情報を表すことができる。
【0068】
例えば、学習対象者の不安点数が高く、回避点数が低い場合、学習用成人愛着類型情報は、不安型に分類された類型情報を示すことができ、学習対象者の不安点数及び回避点数が共に高い場合、学習用成人愛着類型情報は、混乱型に分類された類型情報を表すことができる。
【0069】
また、学習用成長期否定的な経験情報は、情緒虐待、身体虐待、性虐待、放任、家庭暴力への暴露及びいじめの6つの下位要因を含むことができ、それぞれの下位要因によるスコアに基づいて算出された学習対象者のスコアを表すことができる。
【0070】
さらに、学習用心の数の能力情報は、感情の認識の欠如、感情の表現と相互作用の欠如、精神と現実同一時、急な心の数、他人の心の数の欠如の5つの下位要因を含むことができ、それぞれの下位要因によるスコアに基づいて算出された学習対象者のスコアを表すことができる。
【0071】
具体的に、(i)感情に対する認識不足要因は、学習対象者自身の感情を具体的かつ明確に把握することが難しくないか否かを示す下位要因であり、(ii)感情表現及び相互作用不足要因は、学習対象者自身の感情を他人に表現したり、他人と相互作用しようとする態度が不十分であるかどうかを示す下位要因であり、(iii)精神及び現実同一時要因は、学習対象者自身が考えて感じるところが実際の現実と同じであると知覚する硬直性があるか否かを示す下位要因であり、(iv)急なこころを推し量り要因は、他人の思考や感情を直感的かつ急性に判断する傾向性があるかどうかを示す下位要因であり、(v)他の心を推し量り不足要因は、他の心について考えて見ようとする動機が不足しているかどうかを示す下位要因である。
【0072】
また、学習用回復弾力性情報は、自己調節能力、対人関係能力及び肯定性の3つの下位要因を含むことができ、各々の下位要因によるスコアに基づいて算出された学習対象者のスコアを表すことができる。
【0073】
一方、学習対象者の第1_1学習用肯定心理情報には、学習対象者の学習用
こころを推し量り能力情報及び学習用回復弾力性情報が含まれ、第1_1学習用否定心理情報には、学習用成人愛着類型情報及び学習用成長期否定的経験情報が含まれる。
【0074】
理解を容易にするために、第1_1予測モデル1110によって第1_1学習用予測精神健康データが出力されるプロセスについて具体的な例を挙げて説明する。
【0075】
一例として、(i)第1_1学習用心理指標データに含まれる学習対象者の学習用成人愛着類型情報は、2つの軸におけるスコアに基づいて分類された結果である「安定型」の類型情報を示し、(ii)学習用成長期否定的経験情報は、6つの下位要因によるスコアに基づいて算出された結果である「0点」を表し、
(iii)学習対象者の心臓部位能力情報は、5つの下位要因によるスコアに基づいて算出された結果である「高い」を示すことができる。
【0076】
このとき、第1_1GT精神健康データは、「良好」、「普通」及び「注意」の3つの内「良好」を示すデータであり得る。一方、第1_1予測モデル1110は、前記のような第1_1学習用心理指標データに対して「良好」ではなく「普通」を示す第1_1学習用予測精神健康データを出力することができる。
【0077】
そして、「良好」を示す第1_1GT精神健康データ及び「普通」を示す第1_1学習用予測精神健康データが参照されてロスが算出され、ロスをバックプロパゲーションすることにより第1_1予測モデル1110の少なくとも一つのパラメータを学習できる。
【0078】
このような過程が繰り返されることにより、第1_1予測モデル1110が前記のような第1_1学習用心理指標データに対して正解値である「良好」を示す第1_1学習用予測精神健康データを出力できるようになる。
【0079】
一方、前記学習過程の説明は、第1_2予測モデル1120、第1_3予測モデル1130、第2予測モデル1200にも類似に適用されるので、重複する説明は省略する。
【0080】
そして、(i)第1_1学習用予測精神健康データ又は第1_1GT精神健康データ、(ii)学習対象者の第1_2学習用肯定心理情報及び第1_2学習用否定心理情報の内、少なくとも一部を含む第1_2学習用心理指標データが第1_2予測モデル1120に入力された後、第1_2予測モデル1120から出力された第1_2学習用予測精神健康データ及びこれに対応する第1_2GT精神健康データを参照して第1_2予測モデル1120が学習され得る。
【0081】
このとき、第1_2学習用心理指標データは、学習対象者の学習用うつ症状尺度情報及び学習用自殺危険性情報を含むことができる。また、これに加えて、第1_2学習用心理指標データは、学習対象者の学習用回復弾力性情報をさらに含むこともできる。
【0082】
第1_2学習用心理指標データに含まれる各々の情報について具体的に説明すれば、学習用うつ症状尺度情報は、うつ症状なし、軽度、中等度、高度及び最高度の5段階のうつ症状評価結果情報を示すことができる。
【0083】
また、学習用自殺危険性情報は、低、警戒及び高の3段階の自殺危険性評価結果情報を示すことができる。
【0084】
理解を容易にするために、第1_2予測モデル1120によって第1_2学習用予測精神健康データが出力される処理について具体的な例を挙げて説明する。
【0085】
一例として、(i)第1_1学習用予測精神健康データは「良好」を示し、(ii)第1_2学習用心理指標データに含まれる学習対象者の学習用うつ症状尺度情報は「うつ症状なし」段階に対応する。うつ症状評価結果情報を示し、(iii)第1_2学習用心理指標データに含まれた学習対象者の学習用自殺危険性情報は、「低」段階に対応する自殺危険性評価結果情報を示す場合、第1_2予測モデル1120は、「正常」、「関心」、「警戒」、及び「危険」の4つのステップの内、「正常」ステップに対応する第1_2学習用予測精神健康データを出力することができる。
【0086】
別の例として、(i)第1_1GT精神健康データは「普通」を示し、(ii)第1_2学習用心理指標データに含まれた学習対象者の学習用うつ症状尺度情報は、「軽度」段階に対応するうつ症状評価結果情報を示し、(iii)第1_2学習用心理指標データに含まれた学習対象者の学習用自殺危険性情報は「警戒」段階に対応する自殺危険性評価結果情報を示す場合、第1_2予測モデル1120は、‘正常’、‘関心‘、‘警戒’及び'危険'の4つの内、'関心'に対応する第1_2学習用予測精神健康データを出力することができる。
【0087】
そして、(i)第1_2学習用予測精神健康データ又は第1_2GT精神健康データ、(ii)学習用身体指標データが第1_3予測モデル1130に入力された後、第1_3予測モデル1130から出力された第1_3学習用予測精神健康データ及びそれに対応する第1_3GT精神健康データを参照して第1_3予測モデル1130が学習されることができる。
【0088】
一例として、学習用身体指標データは、学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含むことができる。
【0089】
別の例として、学習用身体指標データは、学習対象者の学習用心拍変異度値を含むことができる。
【0090】
さらに別の例として、学習用身体指標データは、学習対象者の学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオム(microbiome)データを含むことができる。
【0091】
以下では、学習用ホルモン濃度値を含む学習用身体指標データを用いて第1_3予測モデル1130を学習する過程について代表的に説明し、前記説明は学習用心拍変異度値、学習用脳映像データ及び学習用マイクロバイオムデータの内、少なくとも一部を含む学習用身体指標データが用いられ、第1_3予測モデル1130が学習される過程にも類似にに適用されるので、重複する説明は省略する。
【0092】
具体的に、(i)第1_2学習用予測精神健康データ又は第1_2GT精神健康データ及び(ii)学習対象者の学習用ホルモン濃度値を含む学習用身体指標データが第1_3予測モデル1130に入力された後第1_3予測モデル1130から出力された第1_3学習用予測精神健康データ及び第1_3GT精神健康データを参照して第1_3予測モデル1130を学習することができる。
【0093】
このとき、(i)学習対象者が起床した時点から第1臨界時間範囲内に存在する第1学習用採取時点乃至第3学習用採取時点、及び(ii)学習対象者が就寝した時点から第2臨界時間範囲内に存在する。第4学習用採取時点で採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液を分析して学習用ホルモン濃度値を算出することができる。
【0094】
例えば、第1臨界時間範囲が90分に設定され、第2臨界時間範囲が60分に設定され、学習対象者が起床する時点は午前7時であり、学習対象者が就寝する時点は午後10時の場合、第1学習用採取時点は起床直後の午前7時、第2学習用採取時点は午前7時30分、第3学習用採取時点は午前8時、第4学習用採取時点は前日夜午後9時で有り得る。
【0095】
そして、前記のように採取された第1学習用唾液~第4学習用唾液を放射性同位元素法(Radioimmunoasay)により分析することにより、学習用ホルモン濃度値を算出することができる。
【0096】
このように、放射性同位元素法を用いる場合、極微量のホルモンも測定できるようになるので、酵素免疫分析法(EIA)に比べて測定敏感度がはるかに高いという利点がある。
【0097】
また、精神健康評価装置1000は、第1学習用採取時点乃至第4学習用採取時点ごとに学習対象者にアラームを提供し、正確な採取時点に学習対象者から学習用唾液を採取することにより、ホルモン分析結果の信頼性を高めることができる。
【0098】
一方、学習用ホルモン濃度値には、学習用コルチゾール(cortisol)濃度値及び学習用DHEA(Dehydroepiandrosterone)濃度値を含めることができる。さらに、学習用ホルモン濃度値には、学習用性ホルモン濃度値をさらに含めることができる。
【0099】
このとき、学習用性ホルモン濃度値が臨界範囲を満たす場合、第1_1学習用肯定心理情報及び第1_2学習用肯定心理情報に適用される第1重みが、第1_1学習用不正心理情報及び第1_2学習用不正心理情報に適用される第2重みより小さく設定された状態で、第1_1予測モデル1110乃至第1_3予測モデル1130を学習することができる。
【0100】
一例として、学習対象者の性別情報(女性)が獲得され、性ホルモンであるプロゲステロンの濃度値が第1臨界範囲を満足する場合、精神健康評価装置1000は、学習用心を推し量る能力情報及び学習用回復弾力性情報に適用される第1重みは1より小さく設定し、学習用成長期否定的経験情報に適用される第2重みは1より大きく設定した状態で、第1_1予測モデル1110~第1_3予測モデル1130が学習できるようにすることができる。
【0101】
他の例として、学習対象者の性別情報(男性)が獲得され、性ホルモンであるテストステロンの濃度値が第2臨界範囲を満たす場合、精神健康評価装置1000は、学習用心を推し量る能力情報及び学習用回復弾力性情報に適用される第1重みは1より小さく設定し、学習用うつ症状尺度情報に適用される第2重みは1より大きく設定した状態で、第1_1予測モデル1110~第1_3予測モデル1130が学習されるようにすることができ、学習対象者が現在思春期に入ったことを示す情報を出力することができる。
【0102】
さらに別の例として、学習対象者の性別情報(男性)が獲得され、性ホルモンであるテストステロンの濃度値が第3臨界範囲を満たす場合、精神健康評価装置1000は、精神健康評価装置1000は、学習用心を推し量る能力情報に適用される第1重みは1より小さく設定し、学習用成長期否定的経験情報及び学習用自殺危険性情報に適用される第2重みは1より大きく設定した状態で、第1_1予測モデル1110~第1_3予測モデル1130を学習させることができ、学習対象者が現在男性更年期に入ったことを示す情報を出力することができる。
【0103】
これまで、第1_1予測モデル1110、第1_2予測モデル1120、及び第1_3予測モデル1130を含んだ第1予測モデル1100の学習過程について説明したが、以下では第2予測モデル1200が学習される過程を説明する。
【0104】
前述したように、学習対象者の学習用心理指標データ及び学習用身体指標データが獲得され、第1予測モデル1100に入力された後、第1予測モデル1100から出力された学習用予測精神健康データ及びGT精神健康データを参照して第1予測モデル1100が学習され、第1予測モデル1100からの学習用予測精神健康データまたはそれに対応するGT精神健康データが第2予測モデル1200に入力され得る。
【0105】
図3を参照すると、(i)第1_3予測モデル1130から出力された第1_3学習用予測精神健康データが学習用予測精神健康データとして第2予測モデル1200に入力される、又は(ii)第1_3GT精神健康データがGT精神健康データとして第2予測モデル1200に入力されたことを確認することができる。
【0106】
そして、(i)第2予測モデル1200から出力された薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が学習対象者に適用されることにより精神健康状態が変化した学習対象者についての学習用治療後予測精神健康データ、(ii)薬物治療プロセスの学習用予測薬物治療データ、(iii)心理治療プロセスのための学習用予測心理治療データ、(iv)治療後のGT精神健康データ、(v)GT薬物治療データ及び(vi)GT心理治療データを参照して第2予測モデル1200を学習することができる。
【0107】
このとき、(i)学習用予測精神健康データは、学習対象者の現在の精神健康状態に対する第1予測モデル1100の予測結果を示すことができ、(ii)GT精神健康データは、学習対象者の現在の精神健康状態を示すことができ、(iii)学習用治療後予測精神健康データは、薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が学習対象者に適用されることによって精神健康状態が変化した学習対象者の治療後精神健康状態に対する第2予測モデル1200の予測結果を示すことができ、(iv)治療後GT精神健康データは、薬物治療プロセスと心理治療プロセスの内、少なくとも一部が学習対象者に適用されることによって、精神健康状態が変化した学習対象者の治療後精神健康状態に関する実際の結果を示すことができ、(v)学習用予測薬物治療データは、学習対象者に適用された薬物治療プロセスに対する第2予測モデル1200の予測結果を示すことができ、(vi)GT薬物治療データは、学習対象者に適用された実際の薬物治療プロセスに関する情報を含むことができ、(vii)学習用予測心理治療データは、学習対象者に適用された心理治療プロセスに関する第2予測モデル1200の予測結果を示すことができ、(viii)GT心理治療データは、学習対象者に適用された実際の心理治療プロセスに関する情報を含み得る。
【0108】
このように、第1_1予測モデル1110~第1_3予測モデル1130及び第2予測モデル1200が学習された状態で、精神健康を予測して精神健康ソリューションを提供するテスト過程の説明は以下の通りである。
【0109】
参考として、学習用データ、学習用情報などの説明は、テスト用データ、テスト用情報などの説明にも類似に適用されるので、説明の便宜上、重複する説明は省略する。
【0110】
まず、精神健康評価装置1000が、テスト対象者のテスト対象者端末から、テスト対象者のテスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを獲得することができる。
【0111】
そして、精神健康評価装置が、テスト用心理指標データ及びテスト用身体指標データを第1予測モデル1100に入力して、第1予測モデル1100にしてテスト用予測精神健康データを出力するようにすることができる。
【0112】
そして、精神健康評価装置が、テスト用予測精神健康データを第2予測モデル1200に入力して、第2予測モデル1200にして薬物治療プロセス及び心理治療プロセス中にテスト対象者に適用する特定薬物治療プロセスのテスト用予測薬物治療データ及び特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データを含む特定の精神健康ソリューションを提供するようにすることができる。
【0113】
概括的な流れは前記通りであり、以下では
図4を参照してさらに具体的に説明する。
【0114】
図4は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供するテストプロセスを概略的に示したものである。
【0115】
まず、精神健康評価装置1000は、テスト対象者のテスト対象者端末から第1_1テスト用心理指標データ、第1_2テスト用心理指標データ、及びテスト用身体指標データを獲得することができる。
【0116】
そして、精神健康評価装置1000は、第1_1テスト用心理指標データを第1_1予測モデル1110に入力して、第1_1予測モデル1110にして第1_1テスト用予測精神健康データを出力するようにすることができる。そして、精神健康評価装置1000は、第1_1テスト用予測精神健康データ及び第1_2テスト用心理指標データを第1_2予測モデル1120に入力して、第1_2予測モデル1120にして第1_2テスト用予測精神健康データを出力するようにすることができる。そして、精神健康評価装置1000は、第1_2テスト用予測精神健康データ及びテスト用身体指標データを第1_3予測モデル1130に入力し、第1_3予測モデル1130にして第1_3テスト用予測精神健康データを出力するようにすることができる。
【0117】
すなわち、精神健康評価装置1000は、第1_1予測モデル1110~第1_3予測モデル1130を含む第1予測モデル1100にしてテスト対象者の現在の精神健康状態を示す予測値である。テスト用の予測精神健康データを出力するようにすることができる。
【0118】
このように出力されたテスト用予測精神健康データを参照して、(i)テスト対象者が現在どの精神疾患を有しているか、(ii)特定の精神疾患を有するテスト対象者の重症度などを把握できるようになる。
【0119】
そして、精神健康評価装置1000は、第1_3テスト用予測精神健康データを第2予測モデル1200に入力し、第2予測モデル1200にして薬物治療プロセス及び心理治療プロセスの内、テスト対象者に適用する特定の薬物治療プロセスのテスト用予測薬物治療データと、特定の心理治療プロセスのテスト用予測心理治療データとを含む特定の精神健康ソリューションを提供するようにすることができる。
【0120】
例えば、特定のテスト用予測精神健康データは、特定のテスト対象が現在重症うつ病に苦しんでいることを示すデータであり得る。このような場合、第2予測モデル1200は、特定のテスト用精神健康データを参照して特定のテスト対象者に特定の薬物治療及び特定の心理治療が必要であるという情報を含む特定の精神健康ソリューションを提供することができる。
【0121】
一方、
図5は、本発明の一実施形態に係る機械学習に基づいて心理指標データ及び身体指標データを学習することによって精神健康を予測し、精神健康ソリューションを提供する精神健康評価装置1000が提供するテスト用予測精神健康データに含まれる一部の情報を概略的に示したものである。
【0122】
一例として、テスト用予測精神健康データには、テスト対象者から採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液が分析されて算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に関する情報を含むことができる。
【0123】
図5を参照して説明すると、(i)1番格子に対応する領域はテスト対象者の副腎機能が正常な状態であることを示し、(ii)2番格子に対応する領域はテスト対象者の副腎機能が正常な状態であることを示すがDHEAが高い数値である状態が持続される場合、医学的点検が必要な状態であることを示し、(iii)3番格子に対応する領域は、急性期ストレスに対してテスト対象者の副腎が反応する状態を示し、(iv)4番格子に対応する領域は、持続する急性期ストレスに対してテスト対象者の副腎が耐えている状態を示し、(v)5番格子に対応する領域は、持続するストレスに対してテスト対象者の副腎が一次的に抵抗する状態を示し、(vi)6番格子に対応する領域は、持続するストレスに対してテスト対象者の副腎が二次的に抵抗する状態を示し、(vii)7番格子に対応する領域は慢性的ストレスによるテスト対象者の副腎機能が消尽された状態を示し、(viii)8番及び9番格子に対応する領域は、テスト対象者の副腎機能が自然でない状態であることを示す。
【0124】
例えば、テスト対象者から採取された第1テスト用唾液~第4テスト用唾液が分析され算出されたCortisol濃度値及びDHEA濃度値に対応する領域が9番領域の場合、テスト対象者のCortisol濃度が正常レベルより低くなっている状態でDHEAが正常範囲であるか、正常範囲より高い状態で現れる場合であるため、精神健康評価装置1000は、身体疾患や人為的に服用した薬物などによってこのような結果が起きたか、または唾液採取が正確に行われていないため、これに対する総合的な検討が必要であるという旨の情報と、
図5に示されたグラフが含まれたテスト用予測精神健康データを出力することができる。
【0125】
さらに、前述した本発明に係る実施形態は、様々なコンピュータ構成要素を介して実行することができるプログラム命令語の形態で実現され、コンピュータ可読の記録媒体に記録することができる。前記コンピュータ可読記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ可読記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計され構成されたものであるか、コンピュータソフトウェアの分野の当業者に公知されて使用可能なもので有り得る。コンピュータ可読記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光学媒体(magneto-optical media)並びにROM、RAM、フラッシュメモリのようなプログラム命令語を貯蔵し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行することができる高級言語コードも含まれる。前記ハードウェア装置は、本発明に係る処理を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成され得、その逆も同様である。
【0126】
以上で本発明は具体的な構成要素等のような特定の事項と限定された実施形態及び図面によって説明されたが、これは本発明のより全体的な理解を助けるために提供されたものであるだけ、本発明が前記実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する。当技術分野で通常的な知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正及び変形を図ることができる。
【0127】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施形態に限定されず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変更されたものはすべて本発明の思想の範囲に属するとする。
【符号の説明】
【0128】
1000 精神健康評価装置
1001 メモリ
1002 プロセッサ
1100 第1予測モデル
1110 第1_1予測モデル
1120 第1_2予測モデル
1130 第1_3予測モデル
1200 第2予測モデル