(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】伝送装置及び伝送方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/516 20130101AFI20230621BHJP
H04L 27/36 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
H04B10/516
H04L27/36
(21)【出願番号】P 2019116404
(22)【出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】菅本 真陸
(72)【発明者】
【氏名】村上 遼
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純一
(72)【発明者】
【氏名】宮麻 健一
(72)【発明者】
【氏名】竹山 智明
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-250291(JP,A)
【文献】特開2017-041671(JP,A)
【文献】特開2016-046589(JP,A)
【文献】特開2015-188172(JP,A)
【文献】特表2014-518601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/516
H04L 27/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット列をそれぞれ含む複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出する検出部と、
前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、
シンボルにマッピングされる複数の前
記ビット列を選択する選択部と
、
多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、該選択された複数の前記ビット列の各々を所定の順序で前記シンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成する生成部と、
前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調する変調部とを有し、
前記選択部は、前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれる
前記ビット列を選択し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれる
前記ビット列を選択することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記選択部は
、複数の
前記ビット列を複数の出力ポートから前記生成部にそれぞれ出力し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記複数の出力ポートのうち、前記入力が検出されているデータ信号に含まれる
前記ビット列を少なくとも2つの出力ポートから出力することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数のデータ信号のうち、前記入力が検出されていないデータ信号の数と、前記入力が検出されているデータ信号の数が複数かつ同数である場合、前記入力が検出されていないデータ信号の各々に代えて、前記入力が検出されているデータ信号に含まれる
前記ビット列を個別に選択することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が前記伝送装置に実装されているか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の伝送装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が運用状態であるか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の伝送装置。
【請求項6】
前
記ビット列の制御に関する制御ビット
を複数の
前記ビット列にそれぞれ付与する付与部を有し、
前記付与部は、前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき
、前記入力が検出されていないデータ信号に代えて選択された他のデータ信号に含まれる
前記ビット列に共通の前記制御ビットを付与することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の伝送装置。
【請求項7】
ビット列をそれぞれ含む複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出し、
前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、
シンボルにマッピングされる複数の前
記ビット列を選択し
、
多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、該選択された複数の前記ビット列の各々を所定の順序で前記シンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成し、
前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調し、
前記ビット列の選択は、
前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれる
前記ビット列を選択し、
前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれる
前記ビット列を選択することを特徴とする伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、伝送装置及び伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばクライアント回線側の複数のインターフェースからデータ信号を受信してQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)などの多値変調により光信号を生成する伝送装置がある(例えば特許文献1参照)。何れかのインターフェースが使用されていない場合、そのインターフェースからデータ信号が入力されないため、ダミーとしてランダム値のデータ信号が生成されて多値変調に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光信号が占める周波数帯域のうち、ランダム値のデータ信号が占める帯域は有効なデータの伝送に寄与しないため、無駄である。これに対し、例えば特許文献1のように、有効なクライアントインターフェース数に基づき伝送レートが設定されれば、ランダム値のデータ信号を用いる必要がないため、無駄な周波数帯域を抑え得る。
【0005】
しかし、この場合、データ信号を読み出すためのクロック信号の周波数が変更されるため、例えば、多値変調を処理するDSP(Digital Signal Processor)が再起動されることにより、通信が長時間中断するおそれがある。
【0006】
そこで本件は、通信を長時間中断することなく、周波数帯域の無駄を抑えることができる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、伝送装置は、ビット列をそれぞれ含む複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出する検出部と、前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、シンボルにマッピングされる複数の前記ビット列を選択する選択部と、多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、該選択された複数の前記ビット列の各々を所定の順序で前記シンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成する生成部と、前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調する変調部とを有し、前記選択部は、前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれる前記ビット列を選択し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれる前記ビット列を選択する。
【0008】
1つの態様では、伝送方法は、ビット列をそれぞれ含む複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出し、前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、シンボルにマッピングされる複数の前記ビット列を選択し、多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、該選択された複数の前記ビット列の各々を所定の順序で前記シンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成し、前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調し、前記ビット列の選択は、前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれる前記ビット列を選択し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれる前記ビット列を選択する方法である。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面として、通信を長時間中断することなく、周波数帯域の無駄を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】値が相違するビット列にシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
【
図4】一方のクライアントインターフェースモジュールが未実装である場合の送信器の動作の一例を示す図である。
【
図5】値が同一であるビット列にシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
【
図6】スイッチ回路の接続状態の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】光信号が占有する周波数帯域の幅の削減の一例を示す図である。
【
図9】値が相違するビット列にシンボルを割り当てる処理の他の例を示す図である。
【
図10】3台のクライアントインターフェースモジュールが未実装である場合の送信器の動作の一例を示す図である。
【
図11】値が同一であるビット列にシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
【
図12】光信号が占有する周波数帯域の幅の削減の他の例を示す図である。
【
図13】2台のクライアントインターフェースモジュールが未実装である場合の送信器の動作の一例を示す図である。
【
図14】値が同一である二組のビット列にシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
【
図16】挿入部を経由する経路を切り替える動作の一例を示す図である。
【
図17】スイッチ回路の接続状態の制御処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、伝送システムの一例を示す構成図である。伝送システムは、波長多重装置91、波長分離装置92、及びネットワーク(NW)監視制御装置93を有する。
【0012】
波長多重装置91及び波長分離装置92は、光ファイバなどの伝送路90を介して互いに接続されている。波長多重装置91は、互いに異なる波長λ1~λn(n:2以上の整数)の光信号を多重して波長多重光信号Smを生成して伝送路90に送信する。波長分離装置92は、伝送路90から入力された波長多重光信号Smを波長λ1~λnごとに分離して受信する。なお、波長多重装置91及び波長分離装置92としては、例えばROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop multiplexer)が挙げられるが、これに限定されない。
【0013】
波長多重装置91は、波長λ1~λnが相違する光信号をそれぞれ送信する複数の送信器1と、各波長λ1~λnの光信号を波長多重する波長多重部2とを有する。波長多重部2としては、例えば光カプラや光フィルタなどが挙げられるが、これに限定されない。波長多重部2は、各波長λ1~λnの光信号が波長多重された波長多重光信号Smを伝送路90に出力する。
【0014】
波長分離装置92は、波長多重光信号Smを波長λ1~λnごとに分離する波長分離部3と、波長λ1~λnの光信号をそれぞれ受信する複数の受信器4とを有する。波長分離部3としては、例えばWDM(Wavelength Divisional Multiplexing)カプラや波長フィルタが挙げられるが、これに限定されない。
【0015】
ネットワーク監視制御装置93は、不図示の監視ネットワークを介して波長多重装置91及び波長分離装置92を監視制御する。ネットワーク監視制御装置93としては、例えばNE-OpS(Network Element Operation System)が挙げられるが、これに限定されない。
【0016】
(第1実施例)
図2は、第1実施例の送信器1を示す構成図である。送信器1は、伝送装置の一例であり、所定の波長λ1~λnの光信号Soを生成して送信する。
【0017】
送信器1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、及びハードウェアインターフェース部(HW-IF)13を有する。CPU10は、互いに信号の入出力ができるように、ROM11、RAM12、及びHW-IF13と、バス20を介して接続されている。
【0018】
ROM11は、CPU10を駆動するプログラムが格納されている。RAM12は、CPU10のワーキングメモリとして機能する。
【0019】
また、送信器1は、インターフェース(IF)回路14、フレーム処理回路15、スイッチ回路(SW)16、DSP(Digital Signal Processor)17、レーザダイオード18、及び光変調器19を有する。インターフェース回路14、フレーム処理回路15、スイッチ回路16、及びDSP17は、HW-IF13を介してバス20と接続されている。
【0020】
HW-IF13は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specified Integrated Circuit)などのハードウェアから構成される回路である。HW-IF13は、CPU10と、インターフェース回路14、フレーム処理回路15、スイッチ回路16、及びDSP17との間の通信を中継する。
【0021】
インターフェース回路14及びフレーム処理回路15は、例えばFPGAやASICなどのハードウェアから構成される回路である。
【0022】
インターフェース回路14には、着脱自在なクライアントインターフェースモジュール(クライアントIFモジュール)14a,14bが接続される。クライアントIFモジュール14aは、クライアント回線L1からクライアント信号Saを受信してフレーム処理回路15に出力し、クライアントIFモジュール14bは、クライアント回線L2からクライアント信号Sbを受信してフレーム処理回路15に出力する。なお、クライアント信号Sa,Sbはデータ信号の一例であり、クライアント信号Sa,Sbとしては、例えばイーサネット(登録商標、以下同様)信号が挙げられるが、これに限定されない。
【0023】
クライアントIFモジュール14a,14bは、装置の一例であり、例えばフォトダイオード、信号処理回路、及び電気コネクタ(不図示)などを備えた回路基板である。クライアントIFモジュール14a,14bは、インターフェース回路14と電気的に接続される。なお、
図2では、クライアントIFモジュール14a,14bの両方がインターフェース回路14に実装されている状態が示されている。
【0024】
インターフェース回路14は、例えば、クライアントIFモジュール14a,14bが実装されているか否かを示す実装信号を、HW-IF13を介してCPU10に出力する。CPU10は、実装信号に基づいて、各クライアントIFモジュール14a,14bが送信器1に実装されているか否かを判定する。
【0025】
また、インターフェース回路14は、各クライアントIFモジュール14a,14bから運用情報を読み出して、HW-IF13を介してCPU10に出力する。CPU10は、運用情報に基づいて、各クライアントIFモジュール14a,14bが運用状態であるか否かを判定する。各クライアントIFモジュール14a,14bは、運用状態である場合、クライアント信号Sa,Sbをそれぞれ送受信するが、非運用状態である場合、クライアント信号Sa,Sbの送受信を停止する。
【0026】
フレーム処理回路15は、クライアント信号Sa,Sbからデータを取り出してビット列Da,Dbとしてスイッチ回路16に出力する。例えばフレーム処理回路15は、クライアント信号Saのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Daに変換し、クライアント信号Sbのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Dbに変換する。
【0027】
また、フレーム処理回路15は、クライアント信号Sa,Sbが入力されていない場合、例えば、ランダム値のビット列Da,Dbをスイッチ回路16に出力する。例えばフレーム処理回路15は、例えばクライアント信号Sa,Sbの入力端子の電圧に応じてビット列Da,Dbをランダム値に切り替える。なお、ビット列Da,Dbは、ランダム値に限定されず、論理値「1」または「0」の固定値であってもよい。
【0028】
スイッチ回路16は、一例として2×2のポート構成を備える電気スイッチである。スイッチ回路16はポートa~dを有する。ポートa,bは、ビット列Da,Dbが入力される入力ポートであり、ポートc,dは、ビット列Da,Dbが出力される出力ポートである。
【0029】
スイッチ回路16は、CPU10の制御に従ってポートa,bとポートc,dの接続状態を切り替える。これにより、スイッチ回路16は、ポートc,dから出力するビット列Da,Dbを選択する。なお、スイッチ回路16は選択部及び選択手段の一例である。
【0030】
図2には、ポートaとポートcが接続され、ポートbとポートdが接続された状態が示されている。以降の説明では、この接続状態を「ストレート」状態と表記する。ビット列DaはポートcからDSP17に出力され、ビット列DbはポートdからDSP17に出力される。
【0031】
DSP17は、ビット列Da,Dbの信号処理を行う回路である。DSP17は、各ビット列Da,DbにQPSKのコンスタレーション内のシンボルを割り当てるマッピング部170を有する。なお、QPSKは多値変調方式の一例である。
【0032】
マッピング部170は、QPSKの多値度(2)に応じたビット数(2ビット)ごとに、各ビット列Da,Dbを所定の順序でシンボルにマッピングし、シンボルに応じたシンボル情報I/Qを生成する。このため、フレーム処理回路15は、2ビット単位でビット列Da,Dbをそれぞれ出力する。なお、マッピング部170は生成部及び生成手段の一例である。
【0033】
例えば、ビット列Daは「10」の値を有し、ビット列Dbは「00」の値を有する。マッピング部170は、ポートcから入力されるビット列Daと、ポートdから入力されるビット列Dbとを2ビット単位で交互にシンボルにマッピングする。
【0034】
マッピング部170は、ビット列Da,Dbの値に応じたシンボル情報I/Qを光変調器19に出力する。また、レーザダイオード18は、波長λ1~λnを中心波長とする光を光変調器19に出力する。
【0035】
光変調器19は、QPSKに基づき、シンボル情報に応じてレーザダイオード18の光を変調する。光変調器19としては、例えばマッハツェンダ変調器が挙げられるが、これに限定されない。光変調器19は、シンボル情報に応じた光の位相及び振幅に応じてレーザダイオード18の光を変調する。これにより、光変調器19は、波長λ1~λnの光信号Soを生成して出力する。なお、光変調器19は変調部の一例である。
【0036】
ビット列Da,Dbは、別々のクライアント信号Sa,Sbからそれぞれ取得されるため、マッピング部170に同期して入力されるビット列Da,Dbの値は相違し得る。
【0037】
図3は、値が相違するビット列Da,Dbにシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
図3には、時間軸において、ビット列Da,Dbに順次にシンボルを割り当ててシンボル情報I/Qを生成する様子が示されている。
【0038】
まず、マッピング部170は、ビット列Daの値「10」に応じてQPSKのシンボル(10)を割り当て(符号G1参照)、割り当てたシンボル(10)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170は、ビット列Dbの値「00」に応じてQPSKのシンボル(00)を割り当て(符号G2参照)、割り当てたシンボル(00)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0039】
このように、マッピング部170は、値が相違するビット列Da,Dbから異なるシンボル情報I/Qを連続して生成する。光変調器19は、シンボル情報I/Qに基づきレーザダイオード18の光の位相及び振幅を制御することにより光変調を行う。このため、光変調器19の変調速度は、2ビットのビット列Da,Dbごとに対し1個のシンボルが生成されるレートと同じである。
【0040】
本例では、クライアントIFモジュール14a,14bの両方が送信器1に実装されている場合を挙げたが、一方のクライアントIFモジュール14bが未実装である場合の動作を以下に述べる。クライアントIFモジュール14bが未実装である場合、フレーム処理回路15は、ダミーデータとしてランダム値のビット列Dbを出力する。仮にマッピング部170がランダム値のビット列Dbにシンボルを割り当てると、光信号Soの周波数帯域のうち、ランダム値のビット列Dbが占める帯域は有効なデータの伝送に寄与しないため、無駄である。
【0041】
このため、スイッチ回路16は、未実装のクライアントIFモジュール14bのクライアント信号Sbに代えて、実装中のクライアントIFモジュール14aのクライアント信号Saのビット列Daがマッピング部170に出力されるようにポートa,bとポートc,dの間の接続を切り替える。
【0042】
図4は、一方のクライアントIFモジュール14bが未実装である場合の送信器1の動作の一例を示す図である。
図4において、
図2と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
インターフェース回路14は、クライアントIFモジュール14aが接続中であり、かつ、クライアントIFモジュール14bが未接続であることを示す接続情報をCPU10に出力する。CPU10は、接続情報に基づき、クライアント信号Saが入力され、クライアント信号Sbが入力されていないことを検出する。なお、CPU10は検出部及び検出手段の一例である。
【0044】
CPU10は、クライアント信号Sa,Sbの入力の検出結果に応じてスイッチ回路16の接続状態を制御する。CPU10は、入力されていないクライアント信号Sbに代えて、入力されているクライアント信号Saのビット列Daが出力されるように、ポートaがポートc及びポートdに接続されるようにスイッチ回路16を制御する。このとき、ポートbは何れのポートa,c,dとも接続されていない。
【0045】
この接続状態を「マルチ」状態と表記する。ビット列Daはポートc及びポートdの両方からDSP17に出力される。また、フレーム処理回路15はランダム値のビット列Dbを出力するが、ビット列Dbはポートdから何れのポートa,c,dにも出力されない。
【0046】
したがって、スイッチ回路16は、別々のポートc,dから同一のビット列Daをマッピング部170に出力する。マッピング部170は、4ビット分(=2ビット×2)のビット列Daをシンボルにマッピングして、シンボルに応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0047】
ポートc,dからマッピング部170に同期して入力される2つのビット列Daは、同一のクライアント信号Saから取得されるため、2つのビット列Daの値は常に同一である。
【0048】
図5は、値が同一であるビット列Daにシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
図5には、時間軸において、2つのビット列Daに順次にシンボルを割り当ててシンボル情報I/Qを生成する様子が示されている。
【0049】
まず、マッピング部170は、ポートcからのビット列Daの値「10」に応じてQPSKのシンボル(10)を割り当て(符号G3参照)、割り当てたシンボル(10)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170は、ポートdからのビット列Daの値「10」に応じてQPSKのシンボル(10)を割り当て(符号G4参照)、割り当てたシンボル(10)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0050】
このように、マッピング部170は、同一の値のビット列Da,Dbから同一のシンボル情報I/Qを連続して生成する。光変調器19は、シンボル情報I/Qに基づきレーザダイオード18の光の位相及び振幅を制御することにより光変調を行う。このため、光変調器19の変調速度は、4ビット分のビット列Daに対して1個のシンボルが生成されるレートと同じである。つまり、変調速度は、
図3に示される場合の半分となる。
【0051】
CPU10は、インターフェース回路14からの実装信号及び運用情報に基づきクライアント信号Sa,Sbの入力を検出する。CPU10は、両方のクライアント信号Sa,Sbが入力されている場合、スイッチ回路16の接続状態をストレート状態に制御し、一方のクライアント信号Sbが入力されていない場合、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する。
【0052】
なお、上記の例では、クライアント信号Sbが入力されていない場合を挙げたが、例えばクライアントIFモジュール14aが未実装または非運用状態であって、クライアント信号Saが入力されない場合も、CPU10は、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する。また、各クライアントIFモジュール14a,14bが未実装または非運用状態であり、両方のクライアント信号Sa,Sbが入力されていない場合、CPU10は、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する。以下にスイッチ回路16の接続状態の制御処理を述べる。
【0053】
図6は、スイッチ回路16の接続状態の制御処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、伝送方法の一例であり、例えば一定の周期で繰り返し実行される。
【0054】
CPU10は、インターフェース回路14から実装信号を受信する(ステップSt1)。次にCPU10は、実装信号に基づいて各クライアントIFモジュール14a,14bが実装されているか否かを判定する(ステップSt2)。
【0055】
CPU10は、少なくとも一方のクライアントIFモジュール14a,14bが未実装である場合(ステップSt2のYes)、クライアント信号Sa,Sbの少なくとも一方が入力されていないと判定し、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する(ステップSt3)。このとき、スイッチ回路16は、ポートc,dから出力するビット列として、2つのビット列Daを選択する。
【0056】
また、CPU10は、全てのクライアントIFモジュール14a,14bが実装されている場合(ステップSt2のNo)、インターフェース回路14から運用情報を取得する(ステップSt4)。次にCPU10は、運用情報に基づいて実装中のクライアントIFモジュール14a,14bが運用状態であるか否かを判定する(ステップSt5)。
【0057】
CPU10は、少なくとも一方のクライアントIFモジュール14a,14bが非運用状態である場合(ステップSt5のYes)、クライアント信号Sa,Sbの少なくとも一方が入力されていないと判定し、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する(ステップSt3)。
【0058】
また、CPU10は、全てのクライアントIFモジュール14a,14bが非運用状態である場合(ステップSt2のNo)、各クライアント信号Sa,Sbが入力されていないと判定し、スイッチ回路16の接続状態をストレート状態に制御する(ステップSt6)。このとき、スイッチ回路16は、ポートc,dから出力するビット列として、ビット列Da,Dbを選択する。
【0059】
このように、スイッチ回路16は、CPU10によるクライアント信号Sa,Sbの入力の検出結果に基づき、ビット列Da,Dbを選択する。スイッチ回路16は、各クライアント信号Sa,Sbの入力が検出されている場合、各クライアント信号Sa,Sbに含まれるビット列Da,Dbを選択する。また、スイッチ回路16は、クライアント信号Sbの入力が検出されていない場合、所定の順序で同一のシンボル情報I/Qが連続して生成されるように、入力が検出されていないクライアント信号Sbに代えて、入力が検出されているクライアント信号Saに含まれるビット列を選択する。
【0060】
このため、光変調器19の変調速度は、上述したように、クライアント信号Sbの入力が検出されていない場合、各クライアント信号Sa,Sbの入力が検出されている場合より低下する。したがって、以下に述べるように、光信号Soが占有する周波数帯域の幅(以下、「占有帯域幅」と表記)が削減される。
【0061】
図7は、占有帯域幅の削減の一例を示す図である。符号G10は、ボーレート(GHz)に対する占有帯域幅(THz)の関係の一例を示す。占有帯域幅は、変調速度であるボーレートに比例する。このため、変調速度が低下すると、占有帯域幅も低下する。
【0062】
符号G11は、波長多重光信号Smのスペクトル波形であって、スイッチ回路16の接続状態がストレート状態である場合の各波長λ1~λ3の光信号Soの周波数帯域SP1~SP3の例を示す。各波長λ1~λ3の光信号Soは、一例として200(GHz)の周波数帯域を占有する。ここで、仮にマッピング部170がランダム値のビット列Dbにシンボルを割り当てたときも、各波長λ1~λ3の光信号Soは200(GHz)の周波数帯域を占有する。
【0063】
符号G12は、波長多重光信号Smのスペクトル波形であって、スイッチ回路16の接続状態がマルチ状態である場合の各波長λ1~λ3の光信号Soの周波数帯域SP1~SP3の例を示す。光変調器19の変調速度は、スイッチ回路16の接続状態がマルチ状態である場合、シンボル2個分の同じシンボル情報I/Qが連続で光変調器19に入力されるため、スイッチ回路16の接続状態がストレート状態である場合の半分となる。
【0064】
このため、各波長λ1~λ3の光信号Soは、一例として100(GHz)(=200÷2)の周波数帯域を占有する。つまり、占有帯域幅が、符号G11に示される場合の半分となる。このため、ランダム値のビット列Dbによる占有帯域幅の無駄が抑えられる。
【0065】
また、各周波数帯域SP1~SP3の間には、100(GHz)の空き帯域SPxが生ずる。したがって、波長多重装置91は、空き帯域SPxに別の送信器1の光信号を割り当てることにより伝送効率を高めることができる。
【0066】
また、本例の送信器1は、スイッチ回路16がマッピング部170に出力するビット列Da,Dbの選択を変更することにより光変調器19の変調速度を低下させ、周波数帯域の無駄を抑える。このため、通信の中断時間は、例えばDSP17を再起動する場合より短縮される。
【0067】
また、スイッチ回路16は、ビット列Da,Dbをポートc,dからマッピング部170にそれぞれ出力する。スイッチ回路16は、1つのクライアント信号Sbの入力が検出されていない場合、入力が検出されているクライアント信号Saに含まれるビット列Daを2つのポートc,dから出力する。
【0068】
このため、スイッチ回路16は、複数のポートc,dからビット列Da,Dbを並列でマッピング部170に出力することができる。したがって、ビット列Da,Dbの伝送時間が短縮される。
【0069】
また、CPU10は、各クライアント信号Sa,Sbの入力元のクライアントIFモジュール14a,14bが送信器1に実装されているか否かを判定することによりクライアント信号Sa,Sbの入力をそれぞれ検出する。このため、CPU10は、クライアントIFモジュール14a,14bの実装状態に応じてクライアント信号Sa,Sbの入力をそれぞれ検出することができる。
【0070】
また、CPU10は、各クライアント信号Sa,Sbの入力元のクライアントIFモジュール14a,14bが運用状態であるか否かを判定することによりクライアント信号Sa,Sbの入力をそれぞれ検出する。このため、CPU10は、クライアントIFモジュール14a,14bの運用状態に応じてクライアント信号Sa,Sbの入力をそれぞれ検出することができる。
【0071】
(第2実施例)
図8は、第2実施例の送信器1を示す構成図である。
図8において、
図2と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。本例の送信器1は、多変調方式として、QPSKに代えて16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を用いる。
【0072】
送信器1は、CPU10a、ROM11、RAM12、及びHW-IF13を有する。CPU10aは、互いに信号の入出力ができるように、ROM11、RAM12、及びHW-IF13と、バス20を介して接続されている。
【0073】
また、送信器1は、インターフェース回路14x、フレーム処理回路15a、スイッチ回路16a、DSP17、レーザダイオード18、及び光変調器19aを有する。インターフェース回路14x、フレーム処理回路15a、スイッチ回路16a、及びDSP17は、HW-IF13を介してバス20と接続されている。インターフェース回路14x及びフレーム処理回路15aは、例えばFPGAやASICなどのハードウェアから構成される回路である。
【0074】
インターフェース回路14xは、第1実施例のインターフェース回路14より多い4つのクライアントIFモジュール14a~14dと接続される。クライアントIFモジュール14a~14dは、クライアント回線L1~L4にそれぞれ接続されている。
【0075】
クライアントIFモジュール14a~14dに機能的な相違はない。クライアントIFモジュール14cは、クライアント回線L3からクライアント信号Scを受信してフレーム処理回路15aに出力し、クライアントIFモジュール14dは、クライアント回線L4からクライアント信号Sdを受信してフレーム処理回路15aに出力する。なお、
図8では、全4枚のクライアントIFモジュール14a~14dがインターフェース回路14に実装されている状態が示されている。
【0076】
インターフェース回路14xは、第1実施例のインターフェース回路14と同様の機能を有する。インターフェース回路14xは、例えば、クライアントIFモジュール14a~14dが実装されているか否かを示す実装信号を、HW-IF13を介してCPU10aに出力する。CPU10aは、実装信号に基づいて、各クライアントIFモジュール14a~14dが送信器1に実装されているか否かを判定する。
【0077】
また、インターフェース回路14xは、各クライアントIFモジュール14a~14dから運用情報を読み出して、HW-IF13を介してCPU10aに出力する。CPU10aは、運用情報に基づいて、各クライアントIFモジュール14a~14dが運用状態であるか否かを判定する。各クライアントIFモジュール14a~14dは、運用状態である場合、クライアント信号Sa~Sdをそれぞれ送受信するが、非運用状態である場合、クライアント信号Sa~Sdの送受信を停止する。
【0078】
フレーム処理回路15aは、クライアント信号Sa~Sdからデータを取り出してビット列Da~Ddとしてスイッチ回路16aに出力する。例えばフレーム処理回路15aは、クライアント信号Saのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Daに変換し、クライアント信号Sbのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Dbに変換する。また、フレーム処理回路15aは、クライアント信号Scのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Dcに変換し、クライアント信号Sdのペイロードに含まれるデータを2進数のビット列Ddに変換する。
【0079】
また、フレーム処理回路15aは、クライアント信号Sa~Sfが入力されていない場合、ランダム値のビット列Da~Ddをスイッチ回路16aに出力する。
【0080】
スイッチ回路16aは、第1実施例のスイッチ回路16より多い4×4のポート構成を備える電気スイッチである。スイッチ回路16aはポートa~hを有する。ポートa,b,e,fは、ビット列Da~Ddが入力される入力ポートであり、ポートc,d,g,hは、ビット列Da~Ddが出力される出力ポートである。なお、スイッチ回路16aは選択部及び選択手段の一例である。
【0081】
図8には、ポートaとポートcが接続され、ポートbとポートdが接続され、ポートeとポートgが接続され、ポートfとポートhが接続された状態が示されている。以降の説明では、この接続状態を「ストレート」状態と表記する。ビット列DaはポートcからDSP17に出力され、ビット列DbはポートdからDSP17に出力される。ビット列DcはポートgからDSP17に出力され、ビット列DdはポートhからDSP17に出力される。
【0082】
DSP17は、各ビット列Da,Dbに16QAMのコンスタレーション内のシンボルを割り当てるマッピング部170aを有する。なお、16QAMは多値変調方式の一例である。
【0083】
マッピング部170aは、16QAMの多値度(4)に応じたビット数(4ビット)ごとに、各ビット列Da~Ddを所定の順序でシンボルにマッピングし、シンボルに応じたシンボル情報I/Qを生成する。このため、フレーム処理回路15aは、4ビット単位でビット列Da~Ddをそれぞれ出力する。なお、マッピング部170aは生成部及び生成手段の一例である。
【0084】
例えば、ビット列Daは「1011」の値を有し、ビット列Dbは「0000」の値を有する。また、ビット列Dcは「1000」の値を有し、ビット列Ddは「0011」の値を有する。マッピング部170aは、ポートcから入力されるビット列Daと、ポートdから入力されるビット列Dbと、ポートgから入力されるビット列Dcと、ポートhから入力されるビット列Ddとを、この順序でシンボルにマッピングする。
【0085】
マッピング部170aは、ビット列Da~Ddの値に応じたシンボル情報I/Qを光変調器19aに出力する。また、レーザダイオード18は、波長λ1~λnを中心波長とする光を光変調器19aに出力する。
【0086】
光変調器19aは、例えばマッハツェンダ変調器であり、QPSKに基づき、シンボル情報に応じてレーザダイオード18の光を変調する。これにより、光変調器19aは、波長λ1~λnの光信号Soを生成して出力する。なお、光変調器19aは変調部の一例である。
【0087】
ビット列Da~Ddは、別々のクライアント信号Sa~Sdからそれぞれ取得されるため、マッピング部170aに同期して入力されるビット列Da~Ddの値は相違し得る。
【0088】
図9は、値が相違するビット列Da~Ddにシンボルを割り当てる処理の他の例を示す図である。
図9には、時間軸において、ビット列Da~Ddに順次にシンボルを割り当ててシンボル情報I/Qを生成する様子が示されている。
【0089】
まず、マッピング部170aは、ビット列Daの値「1001」に応じて16QAMのシンボル(1001)を割り当て(符号G21参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ビット列Dbの値「0000」に応じて16QAMのシンボル(0000)を割り当て(符号G22参照)、割り当てたシンボル(0000)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0090】
次にマッピング部170aは、ビット列Dcの値「1000」に応じて16QAMのシンボル(1000)を割り当て(符号G23参照)、割り当てたシンボル(1000)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ビット列Ddの値「0011」に応じて16QAMのシンボル(0011)を割り当て(符号G24参照)、割り当てたシンボル(0011)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0091】
このように、マッピング部170aは、値が相違するビット列Da~Ddから4個のシンボル分の異なるシンボル情報I/Qを連続して生成する。光変調器19aは、シンボル情報I/Qに基づきレーザダイオード18の光の位相及び振幅を制御することにより光変調を行う。このため、光変調器19aの変調速度は、4ビットのビット列Da,Dbごとに対して1個のシンボルが生成されるレートと同じである。
【0092】
本例では、全てのクライアントIFモジュール14a~14dの両方が送信器1に実装されている場合を挙げたが、3台のクライアントIFモジュール14b~14cが未実装である場合の動作を以下に述べる。クライアントIFモジュール14b~14cが未実装である場合、フレーム処理回路15aは、ダミーデータとしてランダム値のビット列Db~Ddを出力する。仮にマッピング部170aがランダム値のビット列Db~Ddにシンボルを割り当てると、光信号Soの周波数帯域のうち、ランダム値のビット列Db~Ddが占める帯域は有効なデータの伝送に寄与しないため、無駄である。
【0093】
このため、スイッチ回路16aは、未実装のクライアントIFモジュール14b~14dのクライアント信号Sb~Sdに代えて、実装中のクライアントIFモジュール14aのクライアント信号Saのビット列Daがマッピング部170aに出力されるようにポートa,b,e,fとポートc,d,g,hの間の接続を切り替える。
【0094】
図10は、3台のクライアントIFモジュール14b~14dが未実装である場合の送信器1の動作の一例を示す図である。
図10において、
図8と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0095】
インターフェース回路14xは、クライアントIFモジュール14aが接続中であり、かつ、クライアントIFモジュール14b~14dが未接続であることを示す接続情報をCPU10aに出力する。CPU10aは、接続情報に基づき、クライアント信号Saが入力され、クライアント信号Sb~Sdが入力されていないことを検出する。なお、クライアントIFモジュール14b~14dが非運用状態である場合、CPU10aは、運用情報に基づいてクライアント信号Sb~Sdが入力されていないことを検出する。CPU10aは検出部及び検出手段の一例である。
【0096】
CPU10aは、クライアント信号Sa~Sdの入力の検出結果に応じてスイッチ回路16aの接続状態を制御する。CPU10aは、入力されていない各クライアント信号Sb~Sdに代えて、入力されているクライアント信号Saのビット列Daが出力されるように、ポートaがポートc、ポートd、ポートg、及びポートhに接続されるようにスイッチ回路16aを制御する。このとき、ポートb,e,fは何れのポートa,c,d,g,hとも接続されていない。
【0097】
この接続状態を「マルチ」状態と表記する。ビット列Daは4個のポートc、ポートd、ポートg、及びポートhからDSP17にそれぞれ出力される。また、フレーム処理回路15aはランダム値のビット列Db~Ddを出力するが、ビット列Db~Ddはポートb,e,fから何れのポートc,d,g,hにも出力されない。
【0098】
したがって、スイッチ回路16は、別々のポートc,d,g,hから同一のビット列Daをマッピング部170aに出力する。マッピング部170aは、16ビット分(=4ビット×4)のビット列Daをシンボルにマッピングして、シンボルに応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0099】
ポートc,d,g,hからマッピング部170aに同期して入力される4つのビット列Daは、同一のクライアント信号Saから取得されるため、4つのビット列Daの値は常に同一である。
【0100】
図11は、値が同一であるビット列Daにシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
図11には、時間軸において、2つのビット列Daに順次にシンボルを割り当ててシンボル情報I/Qを生成する様子が示されている。
【0101】
まず、マッピング部170aは、ポートcからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G25参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ポートdからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G26参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0102】
次にマッピング部170aは、ポートgからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G27参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ポートhからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G28参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0103】
このように、マッピング部170aは、同一の値のビット列Da~Ddから4個のシンボル分の同一のシンボル情報I/Qを連続して生成する。光変調器19aは、シンボル情報I/Qに基づきレーザダイオード18の光の位相及び振幅を制御することにより光変調を行う。このため、光変調器19aの変調速度は、16ビット分のビット列Daに対して1個のシンボルが生成されるレートと同じである。つまり、変調速度は、
図9に示される場合の4分の1となる。
【0104】
CPU10aは、インターフェース回路14xからの実装信号及び運用情報に基づきクライアント信号Sa~Sdの入力を検出する。CPU10aは、全てのクライアント信号Sa~Sdが入力されている場合、スイッチ回路16aの接続状態をストレート状態に制御し、クライアント信号Sb~Sdが入力されていない場合、スイッチ回路16aの接続状態をマルチ状態に制御する。このスイッチ回路16aの接続状態の制御処理は、
図6を参照して述べた通りである。
【0105】
このように、スイッチ回路16aは、CPU10aによるクライアント信号Sa~Sdの入力の検出結果に基づき、ビット列Da~Ddを選択する。スイッチ回路16aは、各クライアント信号Sa~Sdの入力が検出されている場合、各クライアント信号Sa~Sdに含まれるビット列Da~Ddを選択する。また、スイッチ回路16aは、クライアント信号Sb~Sdの入力が検出されていない場合、所定の順序で同一のシンボル情報I/Qが連続して生成されるように、入力が検出されていないクライアント信号Sb~Sdの各々に代えて、入力が検出されているクライアント信号Saに含まれるビット列を選択する。
【0106】
このため、光変調器19aの変調速度は、上述したように、クライアント信号Sb~Sdの入力が検出されていない場合、各クライアント信号Sa~Sdの入力が検出されている場合より低下する。したがって、以下に述べるように、光信号Sの占有帯域幅が削減される。
【0107】
図12は、占有帯域幅の削減の他の例を示す図である。上述したように、光変調器19aの変調速度は、クライアント信号Sb~Sdの入力が検出されていない場合、クライアント信号Sa~Sdの入力が検出されている場合の4分の1となる。このため、波長λ1~λ3の光信号Soの周波数帯域SP1~SP3の幅も200(GHz)の4分の1の50(GHz)となる。
【0108】
また、各周波数帯域SP1~SP3の間には、150(GHz)の空き帯域SPxが生ずる。したがって、波長多重装置91は、空き帯域SPxに別の送信器1の光信号を割り当てることにより伝送効率を高めることができる。
【0109】
本例では、クライアント信号Sb~Sdの入力が検出されていない場合を挙げたが、これに限定されない。例えばクライアント信号Sa~Scが入力されていない場合、スイッチ回路16aは、入力が検出されたクライアント信号Sdのビット列Ddポートc,d,g,hからそれぞれ出力するマルチ状態となることで同一の値の4つのビット列Ddをマッピング部170aに出力することができる。
【0110】
また、2つのクライアント信号Sb,Sdの入力が検出されていない場合の動作については以下に述べる。ここでは、一例としてクライアントIFモジュール14b,14dが未実装であるためにクライアント信号Sb,Sdが入力されていない場合を挙げるが、クライアントIFモジュール14b,14dが非運用状態である場合も下記と同様のスイッチ回路16aの制御が行われる。
【0111】
図13は、2台のクライアントIFモジュール14b,14dが未実装である場合の送信器1の動作の一例を示す図である。
図13において、
図10と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0112】
インターフェース回路14xは、クライアントIFモジュール14a,14cが接続中であり、かつ、クライアントIFモジュール14b,14dが未接続であることを示す接続情報をCPU10aに出力する。CPU10aは、接続情報に基づき、クライアント信号Sa,Sbが入力され、クライアント信号Sb,Sdが入力されていないことを検出する。なお、クライアントIFモジュール14b,14dが非運用状態である場合、CPU10aは、運用情報に基づいてクライアント信号Sb,Sdが入力されていないことを検出する。
【0113】
CPU10aは、クライアント信号Sa~Sdの入力の検出結果に応じてスイッチ回路16aの接続状態を制御する。CPU10aは、入力されていないクライアント信号Sbに代えて、入力されているクライアント信号Saのビット列Daが出力されるように、ポートaがポートc及びポートdに接続されるようにスイッチ回路16aを制御する。
【0114】
さらに、CPU10aは、入力されていないクライアント信号Sdに代えて、入力されているクライアント信号Scのビット列Dcが出力されるように、ポートeがポートg及びポートhに接続されるようにスイッチ回路16aを制御する。このとき、ポートb,fは何れのポートa,c,d,g,hとも接続されていない。
【0115】
この接続状態を「ダブルマルチ」状態と表記する。ビット列Daは2個のポートc及びポートdからDSP17にそれぞれ出力され、ビット列Dcは2個のポートg及びポートhからDSP17にそれぞれ出力される。また、フレーム処理回路15aはランダム値のビット列Db,Ddを出力するが、ビット列Db,Ddはポートe,fから何れのポートc,d,g,hにも出力されない。
【0116】
したがって、スイッチ回路16aは、別々のポートc,dから同一のビット列Daをマッピング部170aに出力し、別々のポートg,hから同一のビット列Dcをマッピング部170aに出力する。マッピング部170aは、8ビット分(=4ビット×2)のビット列Daと8ビット分(=4ビット×2)のビット列Dbをシンボルにマッピングして、シンボルに応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0117】
ポートc,dからマッピング部170aに同期して入力される2つのビット列Daは、同一のクライアント信号Saから取得されるため、2つのビット列Daの値は常に同一である。また、ポートg,hからマッピング部170aに同期して入力される2つのビット列Dcは、同一のクライアント信号Scから取得されるため、2つのビット列Dcの値は常に同一である。
【0118】
図14は、値が同一である二組のビット列Da,Dcにシンボルを割り当てる処理の一例を示す図である。
図14には、時間軸において、各2つのビット列Da,Dcに順次にシンボルを割り当ててシンボル情報I/Qを生成する様子が示されている。
【0119】
まず、マッピング部170aは、ポートcからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G31参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ポートdからのビット列Daの値「1001」に応じてQPSKのシンボル(1001)を割り当て(符号G32参照)、割り当てたシンボル(1001)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0120】
次にマッピング部170aは、ポートgからのビット列Dcの値「1000」に応じてQPSKのシンボル(1000)を割り当て(符号G33参照)、割り当てたシンボル(1000)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。次にマッピング部170aは、ポートhからのビット列Dcの値「1000」に応じてQPSKのシンボル(1000)を割り当て(符号G34参照)、割り当てたシンボル(1000)に応じたシンボル情報I/Qを生成する。
【0121】
このように、マッピング部170は、同一の値の2組のビット列Da,Dcから各2個のシンボル分の同一のシンボル情報I/Qを連続して生成する。光変調器19aは、シンボル情報I/Qに基づきレーザダイオード18の光の位相及び振幅を制御することにより光変調を行う。このため、光変調器19aの変調速度は、8ビット分のビット列Da,Dcに対して1個のシンボルが生成されるレートと同じである。つまり、変調速度は、
図9に示される場合の半分となる。したがって、光信号Soの周波数帯域SP1~SP3の幅は、
図7の符号G12に示されるように100(GHz)となる。
【0122】
CPU10aは、インターフェース回路14xからの実装信号及び運用情報に基づきクライアント信号Sa~Sdの入力を検出する。CPU10aは、全てのクライアント信号Sa~Sdが入力されている場合、スイッチ回路16aの接続状態をストレート状態に制御し、クライアント信号Sb,Sdが入力されていない場合、スイッチ回路16aの接続状態をダブルマルチ状態に制御する。
【0123】
また、CPU10aは、本例とは異なり、クライアント信号Sa,Scが入力されていない場合も、スイッチ回路16aの接続状態をダブルマルチ状態に制御する。この場合も、マッピング部170aは、同一の値の2組のビット列Db,Ddから各2個のシンボル分の同一のシンボル情報I/Qを連続して生成するため、上記と同様の効果が得られる。
【0124】
また、スイッチ回路16aの接続状態の制御処理は、
図6のステップSt3において、接続状態をマルチ状態に代えてダブルマルチ状態とした内容と同様である。例えばCPU10aは、ステップSt3において、入力が検出されているクライアント信号数と入力が検出されていないクライアント信号数が複数かつ同数である場合、接続状態をダブルマルチ状態とし、それ以外の場合、接続状態をマルチ状態とする。
【0125】
このように、スイッチ回路16aは、クライアント信号Sa~Sdのうち、入力が検出されていないクライアント信号数と、入力が検出されているクライアント信号数が複数かつ同数である場合、入力が検出されていないクライアント信号Sb,Sdの各々に代えて、入力が検出されているクライアント信号Sa,Scに含まれるビット列Da,Dcを個別に選択する。
【0126】
したがって、光変調器19aの変調速度が、
図9に示される場合の半分となり、周波数帯域の無駄が抑えられる。
【0127】
(第3実施例)
第1実施例において、DSP17が、例えば、オーバヘッド(OH:Over Head)やFEC(Forward Error Correction)などのビット列Da,Dbの制御に関する制御ビットをビット列Da,Dbに付与する場合、スイッチ回路16の接続状態がマルチ状態であれば、2つのビット列Daに別々の制御ビットが付与されてしまう。この場合、マッピング部170に同期して入力される2つのビット列Daの各制御ビットが相違するため、光信号Soの周波数帯域SP1~SP3が削減されない。
【0128】
そこで、本例のDSP17は、以下に述べるように、スイッチ回路16の接続状態がマルチ状態である場合、2つのビット列Daに同一の制御ビットを付与する。
【0129】
図15は、第3実施例の送信器1を示す構成図である。
図15において、
図2と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0130】
DSP17は、マッピング部170及びOH/FEC付与部171を有する。OH/FEC付与部171は、マッピング部170の前段に設けられ、ビット列Da,Dbにオーバヘッド及びFECの制御ビットを付与する。なお、OH/FEC付与部171は付与部及び付与手段の一例である。
【0131】
OH/FEC付与部171は、オーバヘッド及びFECの制御ビットをビット列Da,Dbの所定位置に挿入する挿入部171a,171bを有する。OH/FEC付与部171は、ポートc,dからのビット列Da,Dbを、CPU10からの制御に従って経路Ra,Rbに沿って挿入部171a,171bにそれぞれ入力する。
【0132】
挿入部171a,171bは、互いに異なる値の制御ビットを生成する。このため、ビット列Da,Dbには互いに異なる値の制御ビットが付与される。
【0133】
CPU10は、一方のクライアント信号Sbの入力が検出されていない場合、スイッチ回路16をマルチ状態に制御し、ポートdからのビット列Dbの経路Rbを切り替える。
【0134】
図16は、挿入部171bを経由する経路Rbを切り替える動作の一例を示す図である。
図16において、
図15と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0135】
本例では、一方のクライアントIFモジュール14bが未実装である場合を挙げるが、クライアントIFモジュール14bが非運用状態である場合も以下と同様の動作により経路Rbが切り替えられる。CPU10は、接続情報に基づき、クライアント信号Saが入力され、クライアント信号Sbが入力されていないことを検出する。このため、CPU10は、上述したように、スイッチ回路16の接続状態をストレート状態に制御する。
【0136】
また、CPU10は、一方の挿入部171bを経由する経路Rbを、他方の挿入部171aを経由する経路Raに切り替える。このため、ポートdからのビット列Daは、ポートcからのビット列Daと同じ挿入部171aに入力される。したがって、ポートc,dからの各ビット列Daには、共通の制御ビットが付与される。
【0137】
図17は、スイッチ回路16の接続状態の制御処理の他の例を示すフローチャートである。
図17において、
図6と共通する処理には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0138】
CPU10は、未実装及び非運用状態のクライアントIFモジュール14a,14bが存在しない場合(ステップSt2のNo、ステップSt5のNo)、スイッチ回路16の接続状態をストレート状態に制御する(ステップSt6)。次にCPU10は、挿入部171a,171bをそれぞれ通る経路Ra,Rbを設定する(ステップSt8)。
【0139】
また、CPU10は、未実装または非運用状態のクライアントIFモジュール14a,14bが存在する場合(ステップSt2のYes、ステップSt5のYes)、スイッチ回路16の接続状態をマルチ状態に制御する(ステップSt3)。次にCPU10は、共通の挿入部171aを通る2つの経路Ra,Rb’を設定する(ステップSt7)。
【0140】
このようにして、CPU10は、挿入部171a,171bの経路Ra,Rb,Rb’を切り替える。
【0141】
このように、OH/FEC付与部171は、クライアント信号Sa,Sbの入力の検出結果に基づき、入力が検出されていないクライアント信号Sbに代えて選択された他のクライアント信号Saに含まれるビット列Daに共通の制御ビットを付与する。このため、マッピング部170に入力される2つのビット列Daの値を同一とすることができる。したがって、光変調器19aの変調速度が低下して、周波数帯域の無駄が抑えられる。
【0142】
なお、本例では、クライアント信号Sbの入力が検出されていない場合を挙げたが、他のクライアント信号Saの入力が検出されていない場合、CPU10は、上記と同じ手法により、ポートcからのビット列Daが、ポートdからのビット列Daと同じ挿入部171bに入力されるように経路Raを切り替える。
【0143】
また、本例では、第1実施例のDSP17にOH/FEC付与部171を追加した構成を挙げたが、これに限定されない。例えば、第2実施例のDSP17にOH/FEC付与部171を設けた場合でも、上記と同様の手法によりビット列Da~Ddに共通の制御ビットを付与することができる。
【0144】
なお、上記の各例では、スイッチ回路16,16a及びDSP17の制御手段としてCPU10,10aを挙げたが、CPU10,10aに代えて、またはCPU10,10aとともに、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specified Integrated Circuit)などのハードウェアから構成される回路が用いられてもよい。
【0145】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能である。
【0146】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、複数のビット列の各々を所定の順序でシンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成する生成部と、
前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調する変調部と、
複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出する検出部と、
前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、前記複数のビット列を選択する選択部とを有し、
前記選択部は、前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれるビット列を選択し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を選択することを特徴とする伝送装置。
(付記2) 前記選択部は、前記複数のビット列を複数の出力ポートから前記生成部にそれぞれ出力し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記複数の出力ポートのうち、前記入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を少なくとも2つの出力ポートから出力することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3) 前記選択部は、前記複数のデータ信号のうち、前記入力が検出されていないデータ信号の数と、前記入力が検出されているデータ信号の数が複数かつ同数である場合、前記入力が検出されていないデータ信号の各々に代えて、前記入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を個別に選択することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
(付記4) 前記検出部は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が前記伝送装置に実装されているか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載の伝送装置。
(付記5) 前記検出部は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が運用状態であるか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の伝送装置。
(付記6) 前記複数のビット列の制御に関する制御ビットを前記複数のビット列にそれぞれ付与する付与部を有し、
前記付与部は、前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、前記複数のビット列のうち、前記入力が検出されていないデータ信号に代えて選択された他のデータ信号に含まれるビット列に共通の前記制御ビットを付与することを特徴とする付記1乃至5の何れかに記載の伝送装置。
(付記7) 多値変調方式の多値度に応じたビット数ごとに、複数のビット列の各々を所定の順序でシンボルにマッピングし、前記シンボルに応じたシンボル情報を生成し、
前記多値変調方式に基づき、前記シンボル情報に応じて光を変調し、
複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出し、
前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、前記複数のビット列を選択し、
前記複数のビット列の選択手段は、
前記複数のデータ信号の各々の入力が検出されている場合、前記複数のデータ信号の各々に含まれるビット列を選択し、
前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記所定の順序で同一の前記シンボル情報が連続して生成されるように、入力が検出されていないデータ信号に代えて、入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を選択することを特徴とする伝送方法。
(付記8) 前記選択手段は、前記複数のビット列を複数の出力ポートから前記シンボルの生成手段にそれぞれ出力し、前記複数のデータ信号の少なくとも1つの入力が検出されていない場合、前記複数の出力ポートのうち、前記入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を少なくとも2つの出力ポートから出力することを特徴とする付記7に記載の伝送方法。
(付記9) 前記選択手段は、前記複数のデータ信号のうち、前記入力が検出されていないデータ信号の数と、前記入力が検出されているデータ信号の数が複数かつ同数である場合、前記入力が検出されていないデータ信号の各々に代えて、前記入力が検出されているデータ信号に含まれるビット列を個別に選択することを特徴とする付記7または8に記載の伝送方法。
(付記10) 前記複数のデータ信号の検出手段は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が、前記伝送方法を行う伝送装置に実装されているか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする付記7乃至9の何れかに記載の伝送方法。
(付記11) 前記複数のデータ信号の検出手段は、前記複数のデータ信号の各々の入力元の装置が運用状態であるか否かを判定することにより前記複数のデータ信号の入力をそれぞれ検出することを特徴とする付記7乃至10の何れかに記載の伝送方法。
(付記12) 前記複数のビット列の制御に関する制御ビットを前記複数のビット列にそれぞれ付与し、
前記制御ビットの付与手段は、前記複数のデータ信号の入力の検出結果に基づき、前記複数のビット列のうち、前記入力が検出されていないデータ信号に代えて選択された他のデータ信号に含まれるビット列に共通の前記制御ビットを付与することを特徴とする付記7乃至11の何れかに記載の伝送方法。
【符号の説明】
【0147】
1 送信器
10,10a CPU
14,14a インターフェース回路
16,16a スイッチ回路
17 DSP
18 レーザダイオード
19,19a 光変調器
170,170a マッピング部
171 OH/FEC付与部