(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】画像送信プログラム、画像送信方法及び画像送信システム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20230621BHJP
G16H 30/20 20180101ALI20230621BHJP
【FI】
G06T1/00 200B
G16H30/20
(21)【出願番号】P 2019146503
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】朴 美洋
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-194807(JP,A)
【文献】特開2017-058799(JP,A)
【文献】特開2005-243009(JP,A)
【文献】特開2004-221647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G16H 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする、
処理をコンピュータに実行させるための画像送信プログラム。
【請求項2】
前記画像情報記憶部は、前記画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶し、
前記送信可能にする処理では、前記画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部を参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像送信プログラム。
【請求項3】
前記送信可能にする処理において、画像の選択を受け付け、選択された前記画像が送信可能な画像でなければ、エラー情報を出力する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像送信プログラム。
【請求項4】
前記送信可能にする処理において、前記画像格納部に格納されている画像のうち、送信可能でない画像を選択できないようにする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像送信プログラム。
【請求項5】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、
処理をコンピュータに実行させるための画像送信プログラム。
【請求項6】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする画像送信方法。
【請求項7】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする画像送信方法。
【請求項8】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付ける受付部と、
画像を格納する画像格納部と、
前記画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、
患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部と、
前記画像情報記憶部と前記患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする制御部と、
を備える画像送信システム。
【請求項9】
患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付ける受付部と、
画像を格納する画像格納部と、
前記画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、
患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部と、
前記画像情報記憶部と前記スケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする制御部と、
を備える画像送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信プログラム、画像送信方法及び画像送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
訪問看護師やケアマネージャーなどの在宅多職種間で、スマートデバイス(端末)を使った円滑なコミュニケーションを実現するためのシステムが知られている。このシステムでは、在宅現場を訪問する看護師等が、持参した端末上で動作するSNS(Social Networking Service)アプリを用いて、患者の情報を入力したり、患者の画像を撮影したりすることで、他職種との間で患者の情報を共有することができる。
【0003】
なお、デジタルカメラによって撮影した画像を用いた患者管理に関する技術として、例えば特許文献1等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
看護師等は、在宅現場を訪問している間は多忙であるため、在宅現場でSNSアプリを立ち上げて入力や撮影を行い、情報をアップロードして他職種と共有するという作業を行う余裕が無いことが多い。したがって、看護師等からは、在宅現場において患者の様子を端末で撮影しておき、病院等に戻ってからSNSアプリに撮影した画像をアップロードしたいという要望が出てきている。
【0006】
しかしながら、撮影した画像を後からアップロードする場合、撮影から時間が経過しているため、ある患者の画像を誤って別の患者の画像としてアップロードしてしまうおそれがある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、指定された患者の画像として適切な画像を送信することが可能な画像送信プログラム、画像送信方法及び画像送信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、画像送信プログラムは、患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする、処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
指定された患者の画像として適切な画像を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る情報共有システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、
図2(b)は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】利用者端末及びサーバの機能ブロック図である。
【
図4】利用者端末の処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)は、患者検索画面の一例を示す図であり、
図5(b)は、メモ閲覧画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6(a)、
図6(b)は、新規メモ作成画面の遷移を示す図(その1)である。
【
図7】
図4のステップS22の具体的な処理を示すフローチャートである。
【
図8】画像情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、患者情報DBのデータ構造の一例を示す図であり、
図9(b)は、スケジュール情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】メモ閲覧画面に新規メモが表示された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態に係る情報共有システム100について、
図1~
図11に基づいて詳細に説明する。本実施形態の情報共有システム100は、訪問看護師やケアマネージャーなどの在宅多職種間で、端末を用いたコミュニケーションを実現するためのシステムである。訪問看護師やケアマネージャー等は、端末上で動作するSNSアプリにおいて、患者を指定して、新規メモに在宅現場で気づいた患者の情報を入力したり、在宅現場で撮影した画像を貼り付けてアップロードする。これにより、医療現場の多職種間で患者の情報を共有することができる。
【0012】
図1には、一実施形態に係る情報共有システム100の構成が概略的に示されている。
図1に示すように、情報共有システム100は、サーバ10と、複数の利用者端末70と、を備える。サーバ10と利用者端末70は、インターネットなどのネットワーク75に接続されている。
【0013】
サーバ10は、複数の利用者から構成されるコミュニティ(グループ)を管理し、コミュニティに属する利用者が利用者端末70上で作成し、アップロードした(送信した)新規メモをコミュニティ内で共有できるようにする装置である。
【0014】
サーバ10は、
図2(a)に示すようなハードウェア構成を有する。具体的には、サーバ10は、
図2(a)に示すように、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、
図3に示す、新規メモ受付部80、データ管理部82としての機能が実現される。新規メモ受付部80は、各利用者端末70からアップロード(送信)されてくる新規メモを受け付け、データ管理部82に送信する。データ管理部82は、新規メモをコミュニティごとに管理する。具体的には、データ管理部82は、あるコミュニティ内で共有すべき新規メモを受け付けると、当該コミュニティに属する各利用者端末70に対して新規メモを送信する。なお、サーバ10の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0015】
利用者端末70は、各利用者が利用可能なスマートフォンやタブレット型端末などの端末である。本実施形態において、利用者端末70を利用する利用者には、訪問看護師やケアマネージャーなどの自宅で療養する患者のケアを行う人のほか、医師や薬剤師、栄養士等も含まれる。
【0016】
利用者端末70は、
図2(b)に示すようなハードウェア構成を有する。具体的には、利用者端末70は、
図2(b)に示すように、CPU190、ROM192、RAM194、画像格納部としての記憶部(HDD)196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、カメラ189、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、タッチパネルや物理ボタン等を含む。また、HDD196には、カメラ189で撮影された画像が格納される。利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。利用者端末70では、ROM192あるいはHDD196に格納されているプログラム(画像送信プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラム(画像送信プログラムを含む)をCPU190が実行することにより、
図3に示す各部の機能が実現される。なお、
図3の各部の機能は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0017】
図3に示すように、利用者端末70においては、CPU190がプログラムを実行することにより、患者指定受付部20、指定患者用画面表示部21、新規メモ作成要求受付部22、新規メモ作成画面表示部23、入力情報受付部24、画像選択受付部25、位置照合部26、日時照合部27、画像添付部28、エラー出力部29、新規メモアップロード部30、としての機能が実現されている。
【0018】
患者指定受付部20は、利用者からの患者指定を受け付け、指定された患者の情報を指定患者用画面表示部21に通知する。
【0019】
指定患者用画面表示部21は、指定された患者専用の画面(指定された患者の新規メモを閲覧可能なメモ閲覧画面)を表示する。なお、指定患者用画面表示部21は、サーバ10のデータ管理部82から受信したデータを用いて、指定された患者専用のメモ閲覧画面を生成し、表示部193上に表示する。
【0020】
新規メモ作成要求受付部22は、利用者が入力した、新規メモの作成要求を受け付け、新規メモ作成画面表示部23に通知する。
【0021】
新規メモ作成画面表示部23は、新規メモの作成要求があると、新規メモを作成するための画面(新規メモ作成画面)を表示部193上に表示する。
【0022】
入力情報受付部24は、新規メモ作成画面において、利用者が患者の情報(患者の様子など)を文字入力した場合に、入力された情報を受け付け、新規メモ作成画面に表示する。
【0023】
画像選択受付部25は、利用者から新規メモに画像を貼り付ける旨の要求を受け付けると、HDD196に格納されている画像(カメラ189で撮影した画像)の一覧(カメラロール)を表示部193上に表示する。そして、利用者がカメラロール内から画像を選択すると、選択された画像の情報(画像ID)を位置照合部26に通知する。
【0024】
位置照合部26は、画像情報記憶部としての画像情報DB40と、患者情報記憶部としての患者情報DB42を参照して、利用者が選択した画像が、指定された患者の住所から所定範囲内で撮影されたかを照合する。なお、画像情報DB40、患者情報DB42の具体的なデータ構造については、後述する。
【0025】
位置照合部26は、利用者が選択した画像の撮影位置が、指定された患者の住所から所定範囲内に含まれていると判断した場合に、その旨を日時照合部27に送信する。また、位置照合部26は、撮影位置が所定範囲内に含まれていないと判断した場合に、エラー出力部29にその旨を通知する。
【0026】
日時照合部27は、画像情報DB40と、スケジュール記憶部としてのスケジュール情報DB44とを参照して、利用者が選択した画像の撮影日時が、指定された患者を訪問した日時(訪問開始から終了までの時間)から所定時間範囲内に含まれるか否かを判断する。なお、スケジュール情報DB44の具体的なデータ構造については、後述する。
【0027】
日時照合部27は、利用者が選択した画像の撮影日時が、指定された患者の自宅を訪問した日時から所定時間範囲内に含まれると判断した場合に、選択した画像の新規メモへの添付を許可する旨を画像添付部28に通知する。また、日時照合部27は、利用者が選択した画像の撮影日時が、指定した患者を訪問した日時から所定時間範囲内に含まれないと判断した場合に、エラー出力部29にその旨を通知する。
【0028】
画像添付部28は、日時照合部27から通知を受け付けると、利用者が選択した画像を新規メモに添付する。
【0029】
エラー出力部29は、位置照合部26及び日時照合部27から通知を受け付けると、画像を新規メモに添付することができない旨を示すエラー画面(エラーメッセージ)を表示部193上に表示する。
【0030】
新規メモアップロード部30は、入力情報受付部24が利用者からのアップロード要求を受け付けると、患者の情報が入力されたり、患者の自宅で撮影された画像が添付された新規メモを、サーバ30の新規メモ受付部80に送信(アップロード)する。
【0031】
(利用者端末70の処理について)
以下、
図4のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、利用者端末70の処理について詳細に説明する。
図4の処理が開始される前提として、利用者は、利用者端末70においてSNSアプリを立ち上げているものとし、表示部193には、
図5(a)に示すような患者検索画面が表示されているものとする。なお、
図5(a)の患者検索画面は、後述する患者情報DB42から生成される患者のリストを表示する画面である。
【0032】
図4の処理においては、まず、ステップS12において、患者指定受付部20が、患者が指定されるまで待機する。そして、利用者が
図5(a)の患者検索画面において、1人の患者を指定すると、患者指定受付部20は、指定された患者の情報を指定患者用画面表示部21に通知し、ステップS14に移行する。なお、利用者は、特定の患者の情報を閲覧したい場合や、特定の患者の情報を新規メモとして残し、同一コミュニティ(グループ)に属する他の利用者と共有したい場合に、患者を指定する。ここでは、利用者は、患者「富士通太郎」を指定したものとする。
【0033】
ステップS14に移行すると、指定患者用画面表示部21は、指定された患者専用のメモ閲覧画面(
図5(b)参照)を表示する。
図5(b)のメモ閲覧画面においては、介護士や医師、薬剤師、看護師が患者「富士通太郎」に対して残したメモが日付に対応付けて一覧表示されている。メモ閲覧画面において一覧表示されたメモの1つを利用者が選択すると、選択されたメモが拡大表示されるようになっている。なお、
図5(b)のメモ閲覧画面の左下には、「新規メモ作成」ボタンが設けられている。
【0034】
次いで、ステップS16では、新規メモ作成要求受付部22が、利用者によって新規メモ作成ボタンが押されるまで待機する。利用者が新規メモ作成ボタンを押すと、新規メモ作成要求受付部22は、その旨を新規メモ作成画面表示部23に通知する。なお、利用者は、患者を訪問している間は多忙であるため、患者訪問後に病院や事務所などに戻った後で、新規メモを作成するものとする。したがって、新規メモに画像を貼り付けたい場合には、利用者は、患者を訪問している間にカメラ189で撮影した画像(HDD196に格納されている画像)を選択して貼り付けるものとする。
【0035】
新規メモ作成画面表示部23は、新規メモ作成要求受付部22から通知を受け付けると、ステップS18に移行し、新規メモ作成画面(
図6(a)参照)を表示する。
図6(a)の新規メモ作成画面には、メモ欄と、画像貼り付け欄が設けられている。また、新規メモ作成画面には、「カメラロール」ボタンと「アップロード」ボタンが設けられている。ここで、利用者は、メモ欄に患者の情報を文字入力する。この場合、入力情報受付部24は、入力された情報をメモ欄に表示する。また、利用者は、画像貼り付け欄に画像を貼り付けたい場合に、「カメラロール」ボタンを押す。更に、利用者は、作成した新規メモを共有したい場合に、「アップロード」ボタンを押す。
【0036】
次いで、ステップS20では、画像選択受付部25が、利用者によってカメラロールボタンが押されたか否かを判断する。このステップS20の判断が否定された場合には、ステップS24に移行し、入力情報受付部24は、利用者によってアップロードボタンが押されたか否かを判断する。そして、ステップS24の判断が否定された場合には、ステップS20に戻る。なお、ステップS20、S24の判断を繰り返した結果、ステップS20の判断が肯定された場合には、ステップS22に移行する。一方、ステップS24の判断が肯定された場合には、ステップS26に移行する。
【0037】
ステップS20の判断が肯定され、ステップS22に移行すると、画像貼り付け処理のサブルーチンが実行される。このステップS22においては、
図7に示すような処理が実行されることになる。
【0038】
図7の処理においては、まず、ステップS40において、画像選択受付部25が、新規メモ作成画面において、カメラロールを表示する。すなわち、画像選択受付部25は、
図6(b)に示すように、HDD196に格納されている画像から生成されたサムネイル画像の一覧をカメラロールとして表示する。
【0039】
次いで、ステップS42では、画像選択受付部25が、画像が選択されるまで待機する。利用者が、カメラロール上で画像を選択すると、ステップS44に移行し、画像選択受付部25は、選択された画像の情報(ここでは、画像ID)を取得する。そして、画像選択受付部25は、選択された画像の画像IDを位置照合部26に通知する。
【0040】
次いで、ステップS46では、位置照合部26が、選択された画像の撮影位置情報と患者の住所情報とを照合する。この場合、位置照合部26は、画像情報DB40と、患者情報DB42を参照する。画像情報DB40、患者情報DB42は、一例として、
図8、
図9(a)に示すようなデータ構造を有する。
【0041】
画像情報DB40は、
図8に示すように、画像IDに対応付けて、Exif(Exchangeable image file format)情報とGPS(Global Positioning System)情報とを格納する。Exif情報には、撮影条件に関する情報(絞り値や輝度値、色空間情報、露出時間等の情報)や、撮影日時を示す情報(デジタルデータの作成日時、原画像データの作成日時)が含まれる。なお、デジタルデータの作成日時と原画像データの作成日時は、通常同一の日時となるため、これらの日時を撮影日時と呼ぶものとする。また、GPS情報には、主に撮影位置に関する情報が格納される。撮影位置に関する情報には、高度や緯度、経度等が含まれる。
【0042】
また、患者情報DB42は、
図9(a)に示すように、患者IDに対応付けて、介護保険被保険者番号、氏名、郵便番号、住所、電話番号等の個人情報を格納する。本実施形態において、患者情報DB42に登録されている患者は、往診や訪問診療、訪問看護などを受ける在宅患者であるものとする。したがって、患者情報DB42に登録されている「住所」の情報は、患者ごとの訪問先を意味している。
【0043】
位置照合部26は、ステップS44において、画像選択受付部25から通知された画像IDを用いて、画像情報DB40から、利用者が選択した画像の撮影位置(緯度、経度)を抽出する。また、位置照合部26は、患者情報DB42から、指定されている患者の患者IDに対応する住所を抽出し、抽出した住所をジオコーディングにより緯度、経度に変換する。そして、位置照合部26は、患者の住所(緯度、経度)から所定範囲内に撮影位置(緯度、経度)が含まれているかを照合する。なお、所定範囲は、一例として、20m×20mの範囲などを採用することができる。
【0044】
次いで、ステップS48では、位置照合部26が、撮影位置(緯度、経度)が指定されている患者の住所(緯度、経度)から所定範囲内であったか否かを判断する。このステップS48の判断が否定された場合には、ステップS56に移行するが、肯定された場合には、ステップS50に移行する。なお、ステップS50に移行する場合には、位置照合部26は、判断結果を日時照合部27に通知する。一方、ステップS56に移行する場合には、位置照合部26は、判断結果をエラー出力部29に通知する。
【0045】
ステップS48の判断が肯定されてステップS50に移行すると、日時照合部27は、選択された画像の撮影日時と患者宅の訪問日時とを照合する。この場合、日時照合部27は、画像情報DB40と、スケジュール情報DB44を参照する。ここで、スケジュール情報DB44は、一例として、
図9(b)に示すようなデータ構造を有する。具体的には、スケジュール情報DB44は、利用者端末を利用する利用者のスケジュールの情報を格納する。利用者のスケジュールの情報には、訪問日時(年月日と時間)、訪問先などの情報が含まれる。なお、スケジュール情報DB44には、通常、利用者の訪問予定が登録されるが、実際の訪問実績が訪問予定と異なっていた場合には、利用者自身が訪問予定を実績に合わせて修正するものとする。
【0046】
日時照合部27は、画像情報DB40を参照して、利用者が選択した画像の画像IDに対応付けられている撮影日時を取得する。また、日時照合部27は、スケジュール情報DB44から、指定されている患者を訪問した日時(訪問日時)を取得する。そして、日時照合部27は、撮影日時が、訪問日時(訪問開始から終了までの時間)を含む所定時間範囲内に含まれるかを照合する。ここで、所定時間範囲としては、例えば、訪問日時+前後10分などとすることができ、利用者が適宜設定することができるものとする。
【0047】
次いで、ステップS52では、日時照合部27が、撮影日時が、訪問日時を含む所定時間内に含まれるか否かを判断する。このステップS52の判断が否定された場合には、ステップS56に移行するが、肯定された場合には、ステップS54に移行する。なお、ステップS54に移行する場合には、日時照合部27は、判断結果を画像添付部28に通知する。一方、ステップS56に移行する場合には、日時照合部27は、判断結果をエラー出力部29に通知する。
【0048】
ステップS52の判断が肯定されて、ステップS54に移行すると、画像添付部28は、選択された画像を新規メモに添付する。例えば、
図10(a)に示すように、画像添付部28は、新規メモ作成画面の画像貼り付け欄に選択された画像を添付する。その後は、
図4のステップS24に移行する。
【0049】
一方、
図7のステップS56に移行した場合には、エラー出力部29は、表示部193上にエラーメッセージを表示する。例えば、エラー出力部29は、
図10(b)に示すようなエラー画面をポップアップ表示する。その後は、
図4のステップS24に移行する。
【0050】
図4に戻り、ステップS20、S24の判断の繰り返しの結果、ステップS24の判断が肯定された場合、すなわち、利用者が新規メモ作成画面においてアップロードボタンを押した場合には、ステップS26に移行する。
【0051】
ステップS26に移行すると、新規メモアップロード部30は、新規メモのアップロードを実行する。例えば、
図10(a)に示すような新規メモが作成された状態でアップロードボタンが押されると、新規メモアップロード部30は、
図10(a)の画面に入力された情報をサーバ10の新規メモ受付部80に送信する。
【0052】
このようにサーバ10に新規メモがアップロードされると、データ管理部82は、アップロードされた新規メモの情報をコミュニティ(グループ)に属する利用者の利用者端末70に対して送信する。これにより、
図11に示すように、患者「富士通太郎」のメモ閲覧画面には、アップロードされた新規メモが表示されるため、コミュニティに属する利用者間において、新規メモの内容を共有することができる。なお、ステップS26の後は、ステップS16に戻り、患者の指定を変更する要求や、SNSアプリを終了する要求などがあるまで、ステップS16~S26の処理が繰り返し実行される。
【0053】
これまでの説明からわかるように、本実施形態においては、患者指定受付部20と、画像選択受付部25とを含んで、患者の指定と、指定された患者についての画像送信の要求を受け付ける受付部としての機能が実現されている。また、位置照合部26、日時照合部27、画像添付部28、エラー出力部29を含んで、所定条件を満たす画像を送信可能にする制御部としての機能が実現されている。
【0054】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、利用者端末70は、患者指定受付部20が患者の指定を受け付けるとともに、画像選択受付部25が、患者についての画像の選択を受け付ける。そして、位置照合部26は、画像の撮影位置の情報を記憶する画像情報DB40と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報DB42とを参照して、選択された画像の撮影位置が指定された患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれるかを判断する。また、日時照合部27は、画像情報DB40と患者の訪問スケジュールを記憶するスケジュール情報DB44とを参照して、選択された画像の撮影日時が、指定された患者の訪問日時を含む所定時間内かを判断する。そして、画像添付部28は、選択された画像の撮影位置及び撮影日時が適切である場合に、新規メモに選択された画像を添付し、新規メモアップロード部30による画像のアップロードを許容する。これにより、本実施形態では、選択した画像が指定されている患者の訪問先で撮影された画像である可能性が高い場合に、指定されている患者の画像としてサーバ10にアップロードでき、コミュニティ(グループ)内で共有することができるようになる。したがって、カメラロールから過去に撮影した画像を選択して、新規メモに貼り付けるような場合であっても、指定されている患者の画像以外の画像を誤って共有してしまうような事態の発生を防止することができる。ここで、SNSアプリにおいて患者の画像を共有する場合、画像の取り違えを防ぐために、訪問先でSNSアプリを立ち上げ、患者を指定したうえで画像を撮影し、アップロードするという作業を利用者に強いることがある。この場合、利用者は訪問先では多忙であるため、上記作業が手間になる可能性がある。これに対し、本実施形態では、利用者は、訪問先でSNSアプリを立ち上げたりする必要がなく、訪問先から病院や事務所に戻った後に新規メモに適切に画像を貼り付けることができるので、利用者は訪問先での作業に集中することができる。
【0055】
また、本実施形態では、エラー出力部29は、選択された画像が送信可能な画像でなければエラーメッセージを出力する。これにより、利用者は、誤った画像を選択したことを認識することができる。
【0056】
なお、上記実施形態では、利用者が画像を選択し、選択した画像が新規メモに添付してもよい画像か否かを位置照合部26及び日時照合部27が判断する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者が画像を選択する前に、カメラロールに含まれるすべての画像について、新規メモに添付してもよい画像か否かを確認してもよい。この場合、新規メモに添付してもよい画像については、
図12に示すようにカメラロール内において選択可能な状態(実線で示す状態)で表示するとともに、新規メモに添付できない画像については、選択できない状態(破線で示す状態)で表示することができる。このようにすることで、利用者は、カメラロールにおいて新規メモに添付できる画像のみを選択できるようになるため、添付できない画像を選択した結果、エラーメッセージが表示された後に再度画像を選びなおすというような手間が発生するのを防ぐことができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、位置照合部26と日時照合部27により、画像を二段階で照合する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、日時照合部27を省略して、位置照合部26による照合の結果、撮影位置が指定した患者の住所の所定範囲内であった画像をサーバ10に送信するようにしてもよい。また、例えば、位置照合部26を省略して、日時照合部27による照合の結果、撮影日時が指定した患者の訪問日時を含む所定時間内であった画像をサーバ10に送信するようにしてもよい。
【0058】
なお、上記実施形態では、
図4、
図7の処理が、利用者端末70上で実行される場合について説明したが、これに限らず、その少なくとも一部の処理がサーバ10上で実行されてもよい。
【0059】
なお、上記実施形態では、利用者端末70のHDD196等に画像が格納されている場合について説明したが、これに限らず、画像は、サーバ10など利用者端末70外の画像格納部に格納されていてもよい。また、画像は、利用者端末70のカメラ189により撮影されなくてもよく、例えば利用者端末70とは別の装置(デジタルカメラ等)により撮影されてもよい。また、患者情報DB42やスケジュール情報DB44は、利用者端末70外(例えばサーバ10)において管理されてもよい。この場合、スケジュール情報DB44においては、各利用者の利用者IDに紐付けて、各利用者のスケジュールを管理するようにすればよい。
【0060】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0061】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0062】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0063】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0064】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする、
処理をコンピュータに実行させるための画像送信プログラム。
(付記2) 前記画像情報記憶部は、前記画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶し、
前記送信可能にする処理では、前記画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部を参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、ことを特徴とする付記1に記載の画像送信プログラム。
(付記3) 前記送信可能にする処理において、画像の選択を受け付け、選択された前記画像が送信可能な画像でなければ、エラー情報を出力する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の画像送信プログラム。
(付記4) 前記送信可能にする処理において、前記画像格納部に格納されている画像のうち、送信可能でない画像を選択できないようにする、ことを特徴とする付記1又は2に記載の画像送信プログラム。
(付記5) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、
処理をコンピュータに実行させるための画像送信プログラム。
(付記6) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする画像送信方法。
(付記7) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付け、
画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする画像送信方法。
(付記8) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付ける受付部と、
画像を格納する画像格納部と、
前記画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影位置を示す位置情報とを関連づけて記憶する画像情報記憶部と、
患者ごとの訪問先の住所を記憶する患者情報記憶部と、
前記画像情報記憶部と前記患者情報記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問先の住所から所定範囲内に含まれる位置情報が関連付けられている画像を送信可能にする制御部と、
を備える画像送信システム。
(付記9) 患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部を更に備え、
前記画像情報記憶部は、前記画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶し、
前記制御部は、前記画像情報記憶部と前記スケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする、ことを特徴とする付記8に記載の画像送信システム。
(付記10) 前記制御部は、選択された前記画像が送信可能な画像でなければ、エラー情報を出力する、ことを特徴とする付記8又は9に記載の画像送信システム。
(付記11) 前記制御部は、前記画像格納部に格納されている画像のうち、送信可能でない画像を選択できないようにする、ことを特徴とする付記8又は9に記載の画像送信システム。
(付記12) 患者の指定と、指定された前記患者についての画像送信の要求と、を受け付ける受付部と、
画像を格納する画像格納部と、
前記画像格納部に格納されている画像の情報と該画像の撮影日時の情報とを関連付けて記憶する画像情報記憶部と、
患者ごとの訪問日時の情報を記憶するスケジュール記憶部と、
前記画像情報記憶部と前記スケジュール記憶部とを参照して、指定された前記患者の訪問日時を含む所定時間内の撮影日時の情報が関連付けられた画像を送信可能にする制御部と、
を備える画像送信システム。
【符号の説明】
【0065】
20 患者指定受付部(受付部の一部)
25 画像選択受付部(受付部の一部)
26 位置照合部(制御部の一部)
27 日時照合部(制御部の一部)
28 画像添付部(制御部の一部)
29 エラー出力部(制御部の一部)
40 画像情報DB(画像情報記憶部)
42 患者情報DB(患者情報記憶部)
44 スケジュール情報DB(スケジュール記憶部)
70 利用者端末(画像送信システム)
196 HDD(画像格納部)