(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】コアブロック、積層コアおよび回転電機、並びにコアブロックの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 1/18 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
H02K1/18 B
H02K1/18 C
(21)【出願番号】P 2021526973
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2020024389
(87)【国際公開番号】W WO2020262298
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2019118337
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】平山 隆
(72)【発明者】
【氏名】竹田 和年
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-066987(JP,A)
【文献】特開2012-029494(JP,A)
【文献】特開2009-072014(JP,A)
【文献】特開2017-011863(JP,A)
【文献】特開2010-136467(JP,A)
【文献】特開2008-067459(JP,A)
【文献】特開2015-164389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に複数個を連結することで積層コアを構成するコアブロックであって、
互いに積層された複数の電磁鋼板片と、
積層方向に隣り合う前記電磁鋼板片同士の間に設けられ、前記電磁鋼板片同士をそれぞれ接着する接着部と、を備え、
前記電磁鋼板片は、円弧状のコアバック部と、前記コアバック部から前記コアバック部の径方向の一方側に突出するティース部と、を有し、
前記接着部は、
前記ティース部の周方向両側の周縁に沿って延びる一対の第1部分と、
前記第1部分の基端から前記コアバック部の径方向の一方側の周縁に沿ってそれぞれ周方向両側に延びる一対の第3部分と、
前記コアバック部の径方向の他方側の周縁に沿って周方向に延びる第4部分と、を有し、
前記接着部による前記電磁鋼板片の接着面積率が、1%以上、60%以下であり、
前記接着部が設けられた前記電磁鋼板片の接着領域と、前記電磁鋼板片の周縁との間には、前記接着部が設けられていない前記電磁鋼板片の非接着領域が形成されている
コアブロック。
【請求項2】
前記接着面積率は、前記接着面積率と鉄損との関係に基づいて定められる請求項1に記載のコアブロック。
【請求項3】
前記接着面積率が、1%以上、20%以下である請求項1または2に記載のコアブロック。
【請求項4】
前記接着部は、さらに、
前記ティース部の先端の周縁に沿って延び一対の前記第1部分の先端同士を繋ぐ第2部分と、
前記コアバック部の周方向両側の周縁に沿って延びてそれぞれ前記第3部分と前記第4部分とを繋ぐ一対の第5部分と、を有する請求項1~3の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項5】
前記第2部分および前記第5部分の幅が、前記第4部分の幅より狭い請求項4に記載のコアブロック。
【請求項6】
前記接着部は、前記電磁鋼板片の周縁の少なくとも一部に設けられている請求項1~5の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項7】
前記非接着領域の幅は、前記電磁鋼板片の板厚に対して、1倍以上10倍以下である請求項
1~6の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項8】
前記電磁鋼板片において、前記ティース部の先端および前記コアバック部の周方向両端には、前記接着部が設けられていない前記電磁鋼板片の非接着領域が形成されている請求項1~3の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項9】
前記接着部による前記コアバック部の接着面積は、前記接着部による前記ティース部の接着面積以上である請求項1~
8の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項10】
前記接着部の平均厚みが1.0μm~3.0μmである請求項1~
9の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項11】
前記接着部の平均引張弾性率Eが1500MPa~4500MPaである請求項1~
10の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項12】
前記接着部が、エラストマー含有アクリル系接着剤からなるSGAを含む常温接着タイプのアクリル系接着剤である請求項1~
11の何れか一項に記載のコアブロック。
【請求項13】
請求項1~
12の何れか一項に記載のコアブロックを環状に複数個を連結することで構成される、
積層コア。
【請求項14】
請求項
13に記載の積層コアを備える回転電機。
【請求項15】
請求項1から
12の何れか一項に記載のコアブロックの製造方法であって、
前記接着面積率と鉄損との関係に基づいて前記接着面積率を定める第1工程を含むコアブロックの製造方法。
【請求項16】
前記第1工程において前記接着面積率が定められた前記接着部によって、積層方向に隣り合う前記電磁鋼板片を接着させる第2工程を更に含む請求項
15に記載のコアブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアブロック、積層コアおよび回転電機、並びにコアブロックの製造方法に関する。
本願は、2019年6月26日に、日本に出願された特願2019-118337号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に記載されているような積層コアが知られている。この積層コアでは、積層方向に隣り合う電磁鋼板が接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の積層コアには、磁気特性を向上させることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、積層コアの磁気特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1) 本発明の第一の態様は、環状に複数個を連結することで積層コアを構成するコアブロックであって、互いに積層された複数の電磁鋼板片と、積層方向に隣り合う前記電磁鋼板片同士の間に設けられ、前記電磁鋼板片同士をそれぞれ接着する接着部と、を備え、前記電磁鋼板片は、円弧状のコアバック部と、前記コアバック部から前記コアバック部の径方向の一方側に突出するティース部と、を有し、前記接着部は、前記ティース部の周方向両側の周縁に沿って延びる一対の第1部分と、前記第1部分の基端から前記コアバック部の径方向の一方側の周縁に沿ってそれぞれ周方向両側に延びる一対の第3部分と、前記コアバック部の径方向の他方側の周縁に沿って周方向に延びる第4部分と、を有し、前記接着部による前記電磁鋼板片の接着面積率が、1%以上、60%以下であり、前記接着部が設けられた前記電磁鋼板片の接着領域と、前記電磁鋼板片の周縁との間には、前記接着部が設けられていない前記電磁鋼板片の非接着領域が形成されているコアブロックである。
(2) 前記(1)に記載のコアブロックでは、前記接着面積率は、前記接着面積率と鉄損との関係に基づいて定められる構成としてもよい。
【0007】
積層方向に隣り合う電磁鋼板片同士が何らかの手段で固定されていないと、両者が相対的に変位する。一方で、積層方向に隣り合う電磁鋼板片同士が、例えばかしめにより固定される場合には、電磁鋼板片の一部に塑性歪が加わり、コアブロックの磁気特性が劣化する。
上述の構成のコアブロックでは、積層方向に隣り合う電磁鋼板片同士が、接着部によって接着されている。したがって、複数の電磁鋼板片の全体において、積層方向に隣り合う電磁鋼板片同士が相対的に変位するのを抑制することができる。電磁鋼板片に設けられた接着部の接着面積率が1%以上であるため、接着部による電磁鋼板片同士の接着を確実なものとし、巻線時などにおいても、積層方向に隣り合う電磁鋼板片同士の相対的な変位を効果的に規制することができる。しかも、電磁鋼板片同士の固定方法が、上記のようなかしめによる固定ではなく接着による固定なので、電磁鋼板片に生じる歪を抑えることができる。以上から、コアブロックの磁気特性を確保することができる。
ところで、接着部の硬化に伴って電磁鋼板片には、圧縮応力が生じる。そのため、接着部による接着によっても電磁鋼板片に歪が発生するおそれがある。上述の構成のコアブロックでは、接着部による電磁鋼板片の接着面積率が60%以下である。したがって、接着部を起因として電磁鋼板片に生じる歪を低く抑えることができる。よって、コアブロックの磁気特性を一層確保することができる。
【0008】
(3) 前記(1)または前記(2)に記載のコアブロックでは、前記接着面積率が、1%以上、20%以下である構成としてもよい。
この構成によれば、接着部を起因として電磁鋼板片に生じる歪を一層低く抑えることができる。
【0009】
(4) 前記(1)~前記(3)の何れか一項に記載のコアブロックでは、前記接着部は、さらに、前記ティース部の先端の周縁に沿って延び一対の前記第1部分の先端同士を繋ぐ第2部分と、前記コアバック部の周方向両側の周縁に沿って延びてそれぞれ前記第3部分と前記第4部分とを繋ぐ一対の第5部分と、を有する構成としてもよい。
【0010】
(5) 前記(4)に記載のコアブロックでは、前記第2部分および前記第5部分の幅が、前記第4部分の幅より狭い構成としてもよい。
【0011】
(6) 前記(1)~前記(5)の何れか一項に記載のコアブロックでは、前記接着部は、前記電磁鋼板片の周縁の少なくとも一部に設けられている構成としてもよい。
接着部が、電磁鋼板片の周縁に配置されていることで、例えば、電磁鋼板片のめくれを抑制すること等ができる。これにより、巻線工程を容易とし、かつ、積層コアの磁気特性をより一層確保することができる。
【0012】
コアブロックを形成する電磁鋼板片は、母材となる電磁鋼板片を打ち抜き加工することで製造される。打ち抜き加工時には、電磁鋼板片の周縁から、電磁鋼板片の内側に向けて、電磁鋼板片の板厚に相当する大きさの幅に、打ち抜き加工を起因とする歪が付与される。電磁鋼板片の周縁は、上記歪により加工硬化するため、電磁鋼板片の周縁が局所的にめくれるような変形は生じ難い。よって、電磁鋼板片の周縁では接着しなくても、電磁鋼板片の変形は生じ難い。そのため、電磁鋼板片の周縁に、非接着領域を形成しても、電磁鋼板片の変形を抑制することができる。そしてこのように非接着領域を形成することで、電磁鋼板片へ余計な歪が付与されるのを抑えることができる。よって、コアブロックの磁気特性を更に確保することができる。
【0013】
(7) 前記(1)~前記(6)のいずれか一項に記載のコアブロックでは、前記非接着領域の幅は、前記電磁鋼板片の板厚に対して、1倍以上10倍以下である構成としてもよい。
【0014】
(8) 前記(1)~前記(3)の何れか一項に記載のコアブロックでは、前記電磁鋼板片において、前記ティース部の先端および前記コアバック部の周方向両端には、前記接着部が設けられていない前記電磁鋼板片の非接着領域が形成されている構成としてもよい。
コアブロックにおいて磁束は、ティース部の先端から周方向両側に拡散して延びる。このため、ティース部の先端は、磁束が集中しやすい。また、磁束は、コアバック部の周方向両端から隣り合うコアブロックに侵入する。このため、コアバック部の周方向両端には磁束が集中しやすい。磁束が集中した領域に接着領域が設けられると、鉄損の上昇が顕著となりやすい。このため、接着領域がティース部の先端およびコアバック部の周方向両端に設けられると、鉄損が大きくなりやすい。上述の構成によれば、接着部が設けられていない非接着領域がティース部の先端およびコアバック部の周方向両端に位置するため、接着領域を磁束密度の高い領域から離して配置することができ、鉄損の上昇を抑制できる。
【0015】
(9) 前記(1)~前記(8)の何れか一項に記載のコアブロックでは、前記接着部による前記コアバック部の接着面積は、前記接着部による前記ティース部の接着面積以上である構成としてもよい。
ティース部の幅(周方向の大きさ)が、コアバック部の幅(径方向の大きさ)に比較して狭い場合、ティース部には磁束が集中し、ティース部の磁束密度が高くなる傾向がある。そのため、接着部により電磁鋼板へ歪が付与されたとき、同一量の歪であれば、コアバック部の磁気特性よりもティース部の磁気特性に与えられる影響の方が大きい。
接着部によるコアバック部の接着面積は、接着部によるティース部の接着面積以上である。したがって、ティース部における接着部の歪による磁気特性の劣化の影響を抑えつつ、コアバック部において積層コア全体としての接着強度を確保することができる。
【0016】
(10) 前記(1)から前記(9)のいずれか1つに記載の積層コアでは、前記接着部の平均厚みが1.0μm~3.0μmであってもよい。
【0017】
(11) 前記(1)から前記(10)のいずれか1つに記載の積層コアでは、前記接着部の平均引張弾性率Eが1500MPa~4500MPaであってもよい。
【0018】
(12) 前記(1)から前記(11)のいずれか1つに記載の積層コアでは、前記接着部が、エラストマー含有アクリル系接着剤からなるSGAを含む常温接着タイプのアクリル系接着剤であってもよい。
【0019】
(13) 本発明の第二の態様は、前記(1)から前記(12)の何れか一項に記載のコアブロックを環状に複数個を連結することで構成される積層コアである。
【0020】
(14) 本発明の第三の態様は、前記(13)に記載の積層コアを備える回転電機である。
(15) 本発明の第四の態様は、前記(1)から前記(12)の何れか一項に記載のコアブロックの製造方法であって、前記接着面積率と鉄損との関係に基づいて前記接着面積率を定める第1工程を含むコアブロックの製造方法である。
(16) 前記(15)に記載のコアブロックの製造方法では、前記第1工程において前記接着面積率が定められた前記接着部によって、積層方向に隣り合う前記電磁鋼板片を接着させる第2工程を更に含む構成としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、積層コアの磁気特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る回転電機の平面図である。
【
図2】
図1に示す回転電機が備えるコアブロックの側面図である。
【
図3】
図1に示す回転電機が備えるコアブロックの平面図である。
【
図7】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が100%の状態を示す平面図である。
【
図8】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が90%の状態を示す平面図である。
【
図9】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が85%の状態を示す平面図である。
【
図10】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が70%の状態を示す平面図である。
【
図11】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が60%の状態を示す平面図である。
【
図12】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が50%の状態を示す平面図である。
【
図13】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が40%の状態を示す平面図である。
【
図14】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が30%の状態を示す平面図である。
【
図15】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が20%の状態を示す平面図である。
【
図16】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が15%の状態を示す平面図である。
【
図17】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が10%の状態を示す平面図である。
【
図18】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図であって、接着面積率が0%の状態を示す平面図である。
【
図19】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象とした比較用ステータコアの平面図であって、電磁鋼板をかしめ接合した状態を示す平面図である。
【
図21】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図である。
【
図22】検証試験にて鉄損のシミュレーション対象としたステータの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る回転電機を説明する。なお本実施形態では、回転電機として電動機、具体的には交流電動機、より具体的には同期電動機、より一層具体的には永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明する。この種の電動機は、例えば、電気自動車などに好適に採用される。
【0024】
図1に示すように、回転電機10は、ステータ20と、ロータ30と、ケース50と、回転軸60と、を備える。ステータ20およびロータ30は、ケース50に収容される。ステータ20は、ケース50に固定される。
本実施形態では、回転電機10として、ロータ30がステータ20の内側に位置するインナーロータ型を採用している。しかしながら、回転電機10として、ロータ30がステータ20の外側に位置するアウターロータ型を採用してもよい。また本実施形態では、回転電機10が、12極18スロットの三相交流モータである。しかしながら、例えば極数やスロット数、相数などは適宜変更することができる。なおこの回転電機10は、例えば、各相に実効値10A、周波数100Hzの励磁電流を印加することにより、回転数1000rpmで回転することができる。
【0025】
ステータ20は、ステータコア(積層コア)21と、締結リング29と、図示しない巻線と、を備える。以下では、ステータコア21の中心軸線Oに沿う方向を単に軸方向といい、ステータコア21の中心軸線Oを通り中心軸線Oに直交する方向を単に径方向といい、ステータコア21の中心軸線O周りに周回する方向を単に周方向という。また、本明細書において「径方向の内側」を「径方向の一方側」と呼ぶ場合がある。
【0026】
ロータ30は、ステータ20(ステータコア21)に対して径方向の内側に配置されている。ロータ30は、ロータコア31と、複数の永久磁石32と、を備える。
ロータコア31は、ステータ20と同軸に配置される環状(円環状)に形成されている。ロータコア31内には、前記回転軸60が配置されている。回転軸60は、ロータコア31に固定されている。
複数の永久磁石32は、ロータコア31に固定されている。本実施形態では、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成している。複数組の永久磁石32は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。本実施形態では、中心軸線Oを中心として30度おきに12組(全体では24個)の永久磁石32が設けられている。
【0027】
本実施形態では、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータが採用されている。ロータコア31には、ロータコア31を軸方向に貫通する複数の貫通孔33が形成されている。複数の貫通孔33は、複数の永久磁石32に対応して設けられている。各永久磁石32は、対応する貫通孔33内に配置された状態でロータコア31に固定されている。各永久磁石32のロータコア31への固定は、例えば永久磁石32の外面と貫通孔33の内面とを接着剤により接着すること等により、実現することができる。なお、永久磁石界磁型電動機として、埋込磁石型モータに代えて表面磁石型モータを採用してもよい。
【0028】
ロータコア31は、積層コアである。すなわち、ロータコア31は、複数の電磁鋼板が積層されることで形成されている。ロータコア31の積厚は、例えば50.0mmとされる。ロータコア31の外径は、例えば163.0mmとされる。ロータコア31の内径は、例えば30.0mmとされる。
なお本実施形態では、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板は、かしめC(ダボ)によって互いに固定されている。しかしながら、ロータコア31を形成する複数の電磁鋼板は、互いに接着されていてもよい。
【0029】
次に、ステータコア21についてより具体的に説明する。
ステータコア21の積厚は、例えば50.0mmとされる。ステータコア21の外径は、例えば250.0mmとされる。ステータコア21の内径は、例えば165.0mmとされる。ここで、ステータコア21の内径は、ステータコア21におけるティース部23の先端部を基準としている。ステータコア21の内径は、全てのティース部23の先端部に内接する仮想円の直径である。
【0030】
ステータコア21は、分割コアである。したがって、ステータコア21は、複数のコアブロック24を有する。複数のコアブロック24は、環状に複数個を連結することでステータコア21を構成する。複数のコアブロック24の径方向外側には、締結リング29が配置される。複数のコアブロック24は、締結リング29に嵌め込まれることで互いに固定される。
【0031】
次に、コアブロック24について説明する。
コアブロック24は、周方向に沿って延びる円弧状のコアバック部22と、ティース部23と、を有する。
図1には、コアバック部22とティース部23との境界線24BLを図示する。コアブロック24は、外側面のうち径方向内側を向く面と周方向を向く面と間に設けられた一対のコーナ部24cを有する。境界線24BLは、中心軸線Oを中心とし、一対のコーナ部24cを通過する円弧である。
【0032】
コアバック部22は、ステータ20を軸方向から見た平面視において中心軸線Oを中心とする円弧状に形成されている。
ティース部23は、コアバック部22から径方向の内側に向けて(径方向に沿ってコアバック部22の中心軸線Oに向けて)突出する。複数のコアブロック24が周方向に沿って環状に並びステータコア21が構成されることで、複数のティース部23は、周方向に同等の間隔をあけて配置される。本実施形態のステータ20には、中心軸線Oを中心として20度おきに18個のティース部23が設けられている。複数のティース部23は、互いに同等の形状で、かつ同等の大きさに形成されている。
前記巻線は、ティース部23に巻き回されている。前記巻線は、集中巻きされていてもよく、分布巻きされていてもよい。
【0033】
コアブロック24は、電磁鋼板を打ち抜き加工することで形成された複数の電磁鋼板片40を軸方向に積層することで構成される。すなわち、コアブロック24は、互いに積層された複数の電磁鋼板片40を有する。このため、ステータコア21は、積層コアである。それぞれの複数の電磁鋼板片40は、軸方向から見てT字形状である。
【0034】
コアブロック24を形成する各電磁鋼板片40は、例えば、母材となる電磁鋼板を打ち抜き加工すること等により形成される。電磁鋼板片40としては、公知の電磁鋼板を用いることができる。電磁鋼板片40の化学組成は特に限定されない。本実施形態では、電磁鋼板片40として、無方向性電磁鋼板を採用している。無方向性電磁鋼板としては、例えば、JIS C 2552:2014の無方向性電鋼帯を採用することができる。しかしながら、電磁鋼板片40として、無方向性電磁鋼板に代えて方向性電磁鋼板を採用することも可能である。方向性電磁鋼板としては、例えば、JIS C 2553:2012の方向性電鋼帯を採用することができる。
【0035】
電磁鋼板片40の加工性や、コアブロック24の鉄損を改善するため、電磁鋼板片40の両面には、絶縁被膜が設けられている。絶縁被膜を構成する物質としては、例えば、(1)無機化合物、(2)有機樹脂、(3)無機化合物と有機樹脂との混合物、などが適用できる。無機化合物としては、例えば、(1)重クロム酸塩とホウ酸の複合物、(2)リン酸塩とシリカの複合物、などが挙げられる。有機樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
【0036】
互いに積層される電磁鋼板片40間での絶縁性能を確保するために、絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板片40片面あたりの厚さ)は0.1μm以上とすることが好ましい。
一方で絶縁被膜が厚くなるに連れて絶縁効果が飽和する。また、絶縁被膜が厚くなるに連れてコアブロック24における絶縁被膜の占める割合が増加し、コアブロック24の磁気特性が低下し、積層コアとしての性能が低下する。したがって、絶縁被膜は、絶縁性能が確保できる範囲で薄い方がよい。絶縁被膜の厚さ(電磁鋼板片40片面あたりの厚さ)は、好ましくは0.1μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2μm以下である。
【0037】
電磁鋼板片40が薄くなるに連れて次第に鉄損の改善効果が飽和する。また、電磁鋼板片40が薄くなるに連れて電磁鋼板片40の製造コストは増す。そのため、鉄損の改善効果および製造コストを考慮すると電磁鋼板片40の厚さは0.10mm以上とすることが好ましい。
一方で電磁鋼板片40が厚すぎると、電磁鋼板片40のプレス打ち抜き作業が困難になる。そのため、電磁鋼板片40のプレス打ち抜き作業を考慮すると電磁鋼板片40の厚さは0.65mm以下とすることが好ましい。
また、電磁鋼板片40が厚くなると鉄損が増大する。そのため、電磁鋼板片40の鉄損特性を考慮すると、電磁鋼板片40の厚さは0.35mm以下とすることが好ましく、より好ましくは、0.20mmまたは0.25mmである。
上記の点を考慮し、各電磁鋼板片40の厚さは、例えば、0.10mm以上0.65mm以下、好ましくは、0.10mm以上0.35mm以下、より好ましくは0.20mmや0.25mmである。なお電磁鋼板片40の厚さには、絶縁被膜の厚さも含まれる。
【0038】
コアブロック24を形成する複数の電磁鋼板片40は、接着部41によって接着されている。接着部41は、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士の間に設けられ、分断されることなく硬化した接着剤である。接着剤には、例えば重合結合による熱硬化型の接着剤などが用いられる。接着剤の組成物としては、(1)アクリル系樹脂、(2)エポキシ系樹脂、(3)アクリル系樹脂およびエポキシ系樹脂を含んだ組成物などが適用可能である。このような接着剤としては、熱硬化型の接着剤の他、ラジカル重合型の接着剤なども使用可能であり、生産性の観点からは、常温硬化型の接着剤を使用することが望ましい。常温硬化型の接着剤は、20℃~30℃で硬化する。常温硬化型の接着剤としては、アクリル系接着剤が好ましい。代表的なアクリル系接着剤には、SGA(第二世代アクリル系接着剤。Second Generation Acrylic Adhesive)などがある。本発明の効果を損なわない範囲で、嫌気性接着剤、瞬間接着剤、エラストマー含有アクリル系接着剤がいずれも使用可能である。なお、ここで言う接着剤は硬化前の状態を言い、接着剤が硬化した後は接着部41となる。
【0039】
接着部41の常温(20℃~30℃)における平均引張弾性率Eは、1500MPa~4500MPaの範囲内とされる。接着部41の平均引張弾性率Eは、1500MPa未満であると、積層コアの剛性が低下する不具合が生じる。そのため、接着部41の平均引張弾性率Eの下限値は、1500MPa、より好ましくは1800MPaとされる。逆に、接着部41の平均引張弾性率Eが4500MPaを超えると、電磁鋼板片40の表面に形成された絶縁被膜が剥がれる不具合が生じる。そのため、接着部41の平均引張弾性率Eの上限値は、4500MPa、より好ましくは3650MPaとされる。
なお、平均引張弾性率Eは、共振法により測定される。具体的には、JIS R 1602:1995に準拠して引張弾性率を測定する。
より具体的には、まず、測定用のサンプル(不図示)を製作する。このサンプルは、2枚の電磁鋼板片40間を、測定対象の接着剤により接着し、硬化させて接着部41を形成することにより、得られる。この硬化は、接着剤が熱硬化型の場合には、実操業上の加熱加圧条件で加熱加圧することで行う。一方、接着剤が常温硬化型の場合には常温下で加圧することで行う。
そして、このサンプルについての引張弾性率を、共振法で測定する。共振法による引張弾性率の測定方法は、上述した通り、JIS R 1602:1995に準拠して行う。その後、サンプルの引張弾性率(測定値)から、電磁鋼板片40自体の影響分を計算により除くことで、接着部41単体の引張弾性率が求められる。
このようにしてサンプルから求められた引張弾性率は、積層コア全体としての平均値に等しくなるので、この数値をもって平均引張弾性率Eとみなす。平均引張弾性率Eは、その積層方向に沿った積層位置や積層コアの中心軸線回りの周方向位置で殆ど変わらないよう、組成が設定されている。そのため、平均引張弾性率Eは、積層コアの上端位置にある、硬化後の接着部41を測定した数値をもってその値とすることもできる。
【0040】
接着方法としては、例えば、電磁鋼板片40に接着剤を塗布した後、加熱および圧着のいずれかまたは両方により接着する方法が採用できる。なお加熱手段は、例えば高温槽や電気炉内での加熱、または直接通電する方法等、どのような手段でも良い。
【0041】
安定して十分な接着強度を得るために、接着部41の厚さは1μm以上とすることが好ましい。
一方で接着部41の厚さが100μmを超えると接着力が飽和する。また、接着部41が厚くなるに連れてコアブロック24における接着部の占める割合が増加し、コアブロック24の鉄損などの磁気特性が低下する。したがって、接着部41の厚さは1μm以上100μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下とすることが好ましい。
なお、上記において接着部41の厚さは、接着部41の平均厚みを意味する。
【0042】
接着部41の平均厚みは、1.0μm以上3.0μm以下とすることがより好ましい。接着部41の平均厚みが1.0μm未満であると、前述したように十分な接着力を確保できない。そのため、接着部41の平均厚みの下限値は、1.0μm、より好ましくは1.2μmとされる。逆に、接着部41の平均厚みが3.0μmを超えて厚くなると、熱硬化時の収縮による電磁鋼板片40の歪み量が大幅に増えるなどの不具合を生じる。そのため、接着部41の平均厚みの上限値は、3.0μm、より好ましくは2.6μmとされる。
接着部41の平均厚みは、積層コア全体としての平均値である。接着部41の平均厚みはその積層方向に沿った積層位置や積層コアの中心軸線回りの周方向位置で殆ど変わらない。そのため、接着部41の平均厚みは、積層コアの上端位置において、円周方向10箇所以上で測定した数値の平均値をもってその値とすることができる。
【0043】
なお、接着部41の平均厚みは、例えば、接着剤の塗布量を変えて調整することができる。また、接着部41の平均引張弾性率Eは、例えば、熱硬化型の接着剤の場合には、接着時に加える加熱加圧条件及び硬化剤種類の一方もしくは両方を変更すること等により調整することができる。
【0044】
図2に示すように、本実施形態では、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士が、接着部41によって接着されている。図示の例では、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士は、接着のみによって固定されていて、他の手段(例えば、かしめ等)によっては固定されていない。
【0045】
図3において、接着部41をドット模様で強調して示す。
図3に示すように、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士は、互いに全面接着されていない。これらの電磁鋼板片40同士は、互いに局所的に接着されている。
【0046】
本実施形態では、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士は、電磁鋼板片40の周縁に設けられた接着部41によって接着されている。本実施形態によれば、接着部41は、電磁鋼板片40の周縁の全域に設けられる。しかしながら、接着部41は、電磁鋼板片40の周縁の少なくとも一部に設けられていればよい。
【0047】
接着部41は、それぞれ平面視において帯状に形成されている。ここで帯状とは、帯の幅が途中で変化する形状も含む。例えば、丸形状の点が分断されることなく一方向に連続する形状も、一方向に延びる帯状に含まれる。また、電磁鋼板片40の周縁に沿っていることには、周縁に対して完全に平行な場合だけでなく、周縁に対して例えば5度以内の傾斜を有している場合も含まれる。
【0048】
接着部41は、ティース部23に配置されるティース部分44と、コアバック部22に配置されるコアバック部分45と、を有する。接着部41のティース部分44は、一対の第1部分44aと、第2部分44bと、を有する。接着部41のコアバック部分45は、一対の第3部分45aと、第4部分45bと、一対の第5部分45cと、を有する。すなわち、接着部41は、一対の第1部分44aと、第2部分44bと、一対の第3部分45aと、第4部分45bと、一対の第5部分45cと、を有する。
【0049】
一対の第1部分44aは、ティース部23の周方向両側の周縁に沿って延びる。一対の第1部分44aは、周方向に間隔をあけて配置される。第2部分44bは、ティース部23の先端の周縁に沿って延び一対の第1部分44aの先端同士を繋ぐ。一対の第3部分は、第1部分44aの基端からコアバック部22の径方向の内側(径方向の一方側)の周縁に沿ってそれぞれ周方向両側に延びる。第4部分45bは、コアバック部22の径方向の外側(径方向の他方側)の周縁に沿って周方向に延びる。一対の第5部分45cは、コアバック部22の周方向両側の周縁に沿って延びてそれぞれ第3部分45aと第4部分45bとを繋ぐ。
【0050】
本実施形態によれば、接着部41の第1部分44a、第2部分44b、第3部分45a、第4部分45bおよび第5部分45cは、それぞれ電磁鋼板片40の外形を構成する周縁を縁取るように形成される。このため、接着部41の周縁の近傍において積層された電磁鋼板片40同士を強固に保持することができる。結果的に電磁鋼板片40の周縁近傍から発生し易いめくれを効果的に抑制でき、接着面積率を低くしつつ電磁鋼板片40同士の強固な固定を実現できる。
【0051】
なお本実施形態では、電磁鋼板片40の平面視において、接着部41が、電磁鋼板片40の周縁から隙間なく設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば
図4に示す変形例1に係るコアブロック124のように、電磁鋼板片40の平面視において、接着部141が、電磁鋼板片40の周縁に対して隙間をあけて設けられていてもよい。すなわち、接着部141が設けられた電磁鋼板片40の接着領域142と、電磁鋼板片40の周縁と、の間に、接着部141が設けられていない電磁鋼板片40の非接着領域143が形成されていてもよい。なお、接着部141が設けられた電磁鋼板片40の接着領域142とは、電磁鋼板片40において積層方向を向く面(以下、電磁鋼板片40の第1面という)のうち、分断されることなく硬化した接着剤が設けられている領域を意味する。接着部141が設けられていない電磁鋼板片40の非接着領域143とは、電磁鋼板片40の第1面のうち、分断されることなく硬化した接着剤が設けられていない領域を意味する。
【0052】
また、例えば
図5に示す変形例2に係るコアブロック224のように、接着部241が、上述の実施形態の接着部41における第2部分44bおよび第5部分45cに対応する部分を有さない構成であってもよい。すなわち、電磁鋼板片40において、ティース部23の先端およびコアバック部22の周方向両端には、接着部241が設けられていない電磁鋼板片40の非接着領域243が形成されていてもよい。なお、この変形例において、接着部241は、ティース部23において周方向に間隔をあけて配置され径方向に沿って延びる一対の第1部分244aと、コアバック部22の径方向内縁に沿って延びる一対の第3部分245aと、コアバック部22の径方向外縁に沿って延びる第4部分245bと、を有する。
【0053】
さらに、
図6に示す変形例3に係るコアブロック324のように、接着部341の各部の幅寸法を上述の実施形態と異なる構成としてもよい。変形例3の接着部341は、上述の実施形態と同様に、一対の第1部分344aと、第2部分344bと、一対の第3部分345aと、第4部分345bと、一対の第5部分345cと、を有する。この変形例において、第1部分344a、第2部分344b、第3部分345aおよび第5部分345cの幅は、略等しい。一方で、第4部分345bの幅は、接着部341の他の部分(第1部分344a、第2部分344b、第3部分345aおよび第5部分345c)の幅と比較して広い。
【0054】
なお、本明細書において接着部341の各部分の「幅」とは、当該部分が延びる方向に直交する方向の寸法を意味する。例えば、第2部分344b、第3部分345aおよび第4部分345bの幅とは、それぞれの部分の径方向に沿う寸法である。また、第1部分344aおよび第5部分345cの幅とは、それぞれの部分の周方向に沿う寸法である。
本明細書において、接着部41の各部分の幅は、ステータコア21の外径の1.5%以上である。接着部41の各部分の幅がステータコア21の外径の1.5%以上であることで、電磁鋼板片40同士の接着強度を十分に確保することができる。
【0055】
図2に示すように、本実施形態では、電磁鋼板片40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状は同一である。接着部41の平面視形状とは、接着部41が設けられた電磁鋼板片40を積層方向から見た平面視における接着部41の全体形状を意味する。電磁鋼板片40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が同一であることは、電磁鋼板片40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が完全に同一である場合だけを含むものではなく、電磁鋼板片40同士の間に設けられた全ての接着部41の平面視形状が95%以上の部分で共通している実質的に同一の場合を含む。
【0056】
そして本実施形態では、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率は、1%以上、60%以下である。図示の例では、前記接着面積率は、1%以上、20%以下であり、具体的には20%である。なお、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率とは、電磁鋼板片40の前記第1面の面積に対する、第1面のうちの接着部41が設けられた領域(接着領域42)の面積の割合である。接着部41が設けられた領域とは、電磁鋼板片40の第1面のうち、分断されることなく硬化した接着剤が設けられている領域(接着領域42)である。接着部41が設けられた領域の面積は、例えば、剥離後の電磁鋼板片40の第1面を撮影し、その撮影結果を画像解析することによって求められる。
【0057】
本実施形態では、電磁鋼板片40同士の間において、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率が、1%以上、20%以下である。積層方向に隣り合う両電磁鋼板片40において、その接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率は、いずれも1%以上、20%以下となっている。1つの電磁鋼板片40に対して積層方向の両側に接着部41が設けられている場合、その電磁鋼板片40両面における前記接着面積率は、いずれも1%以上、20%以下となっている。
【0058】
さらに本実施形態において、接着部41によるコアバック部22の接着面積(以下、「第1接着面積S1」という。)が、接着部41によるティース部23の接着面積(以下、「第2接着面積S2」という。)以上であることが好ましい。すなわち、S1≧S2であることが好ましい。
ここで第1接着面積S1は、電磁鋼板片40の第1面において接着部41のコアバック部分45が設けられる領域の面積である。同様に、第2接着面積S2は、電磁鋼板片40の第1面において接着部41のティース部分44が設けられる領域の面積である。なお、接着部41が設けられた領域の面積と同様に、第1接着面積S1および、第2接着面積S2は、例えば、剥離後の電磁鋼板片40の第1面を撮影し、その撮影結果を画像解析することによって求められる。
【0059】
コアブロック24では、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士が何らかの手段で固定されていないと、両者が相対的に変位する。一方で、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士が、例えばかしめにより固定される場合には、電磁鋼板片40の一部に塑性歪が加わり、コアブロック24の磁気特性が劣化する。かしめは、電磁鋼板片40の一部を塑性変形させ、積厚方向に食い込ませることで積層された電磁鋼板片40同士の相対的な変位を制限する方法である。電磁鋼板片40は、塑性歪が加わると磁気特性が劣化するために、電磁鋼板片40同士の固定方法としてかしめを用いると、コアブロック24全体の磁気特性も劣化する。
これに対して、本実施形態に係るコアブロック24では、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士が、接着部41によって接着されている。したがって、複数の電磁鋼板片40全体において、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士が相対的に変位するのを抑制することができる。ここで、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率が1%以上である。よって、接着部41による接着を確実なものとし、例えばコアブロック24のティース部23への巻線時などにおいても、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士の相対的な変位を効果的に規制することができる。しかも、電磁鋼板片40の固定方法が、上記のようなかしめによる固定ではなく接着による固定なので、電磁鋼板片40に生じる歪を抑えることができる。以上から、コアブロック24の磁気特性を確保することができる。なお、さらに接着強度を高めて、衝撃が加わった場合であっても電磁鋼板片40同士の分離を抑制したい場合には、接着面積率を10%以上とすることがより好ましい。
【0060】
ところで、電磁鋼板片40に接着剤を塗布すると、接着剤の硬化に伴って電磁鋼板片40に圧縮応力が生じる。そのため、接着剤を電磁鋼板片40に塗布することによって接着部41を形成すると、電磁鋼板片40に歪が発生するおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係るコアブロック24では、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率が60%以下である。したがって、接着剤を起因として電磁鋼板片40に生じる歪を低く抑えることができる。よって、コアブロック24の磁気特性を一層確保することができる。
しかも、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率が20%以下である。したがって、接着剤を起因として電磁鋼板片40に生じる歪を一層低く抑えることができる。
【0061】
接着部41が、電磁鋼板片40の周縁の少なくとも一部に形成された接着領域42上に設けられている。したがって、例えば、積層方向に隣り合う電磁鋼板片40同士のめくれを抑制すること等ができる。これにより、コアブロック24のティース部23への巻線を容易とし、かつ、コアブロック24の磁気特性をより一層確保することができる。よって、コアブロック24の磁気特性をより一層確保することができる。
【0062】
ティース部23の幅W1(周方向の大きさ)は、コアバック部22の幅W2(径方向の大きさ)に比較して狭い場合、ティース部23には磁束が集中し、ティース部23の磁束密度が高くなる傾向がある。そのため、接着剤により鋼板へ歪が付与されたとき、同一量の歪であれば、コアバック部22の磁気特性よりもティース部23の磁気特性に与えられる影響の方が大きい。
本実施形態において、第1接着面積S1が第2接着面積S2以上であることが好ましい。この場合、ティース部23における接着剤の歪による磁気特性の劣化の影響を抑えつつ、コアバック部22においてコアブロック24全体としての接着強度を確保することができる。
【0063】
なお、コアブロック24を形成する電磁鋼板片40は、母材となる電磁鋼板を打ち抜き加工することで製造される。打ち抜き加工時には、電磁鋼板片40の周縁から、電磁鋼板片40の内側に向けて、電磁鋼板片40の板厚に相当する大きさの幅に、打ち抜き加工を起因とする歪が付与される。電磁鋼板片40の周縁は、上記歪により加工硬化するため、電磁鋼板片40の周縁が局所的にめくれるような変形は生じ難い。よって、電磁鋼板片40の周縁では接着しなくても、電磁鋼板片40の変形は生じ難い。そのため
図4に示す変形例1に係るコアブロック124のように、電磁鋼板片40の周縁に非接着領域143を形成しても、電磁鋼板片40の変形を抑制することができる。そしてこのように非接着領域143を形成することで、電磁鋼板片40へ余計な歪が付与されるのを抑えることができる。よって、コアブロック24の磁気特性を更に確保することができる。
【0064】
また、
図4に示すように、電磁鋼板片40の周縁と接着部141との間に非接触領域143が設けられることで、未硬化の接着剤が、電磁鋼板片40の積層時に電磁鋼板片40の周縁からはみ出ることを抑制できる。接着剤がティース部23の先端部からはみ出た状態で硬化すると、回転するロータ30と干渉する虞がある。また、接着剤が、ティース部23の側部からはみ出た状態で硬化すると、ティース部23同士の間のスロットの断面積が圧迫されコイルの占積率が低下する虞がある。
【0065】
非接着領域143の幅は、電磁鋼板片40の板厚に対して、1倍以上10倍以下であることが好ましい。非接着領域143の幅を1倍以上とすることで、接着剤のはみ出しを効果的に抑制できる。また、非接着領域143の幅を10倍以下とすることで、電磁鋼板片40の周縁から加工硬化による電磁鋼板片40のめくれの抑制の効果を得ることが期待できる。
なお、本明細書において、非接着領域143の「幅」とは、非接着領域143の各部が延びる方向に直交する方向の寸法を意味する。非接着領域143の幅は、非接着領域143の全長に亘って、上記の範囲内の寸法であることが好ましい。
【0066】
コアブロック24において磁束は、ティース部23の先端から周方向両側に拡散して延びる。このため、ティース部23の先端は、磁束が集中しやすい。また、磁束は、コアバック部22の周方向両端から隣り合うコアブロック24に侵入する。このため、コアバック部22の周方向両端には磁束が集中しやすい。磁束が集中した領域に接着領域42が設けられると、鉄損の上昇が顕著となりやすい。このため、
図5の変形例2に示すように、ティース部23の先端およびコアバック部22の周方向両端に非接着領域243を設けることで、接着領域242を磁束密度の高い領域から離して配置することができ、鉄損の上昇を抑制できる。
【0067】
磁束Bは、磁気抵抗の低い最短距離を流れる傾向がある。したがって、コアバック部22では、ティース部23に繋がる径方向内側(径方向一方側)からティース部23から離れる径方向外側(径方向他方側)に向かうに従い磁束密度が低くなる。一方で、上述したように、ティース部23の先端およびコアバック部22の周方向両端には磁束が集中しやすい。
図6の変形例3では、ティース部23の先端およびコアバック部22の周方向両端に位置する第2部分344bおよび第5部分345cの幅が、コアバック部22の径方向の外側の周縁に沿って延びる第4部分345bの幅より狭い。すなわち、変形例3によれば、磁束密度が高まりやすい第2部分344bおよび第5部分345cの幅を狭くして、鉄損の上昇を抑制できる。また、変形例3によれば、磁束密度が高まり難い第4部分345bの幅を大きくすることで、電磁鋼板片40同士の接着強度を高めるとともに、接着部341が鉄損に対する影響を小さくすることができる。
【0068】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0069】
コアブロック24の形状は、前記実施形態で示した形態に限定されるものではない。コアブロック24の各部の寸法、電磁鋼板片40の板厚などは所望の回転電機の特性に応じて任意に設計可能である。
【0070】
また、コアブロックにおいて、コアバック部の周方向一方側の端面に凸形状が設けられ、周方向他方側の端面に凹形状が設けられていてもよい。この場合、凸形状を凹形状に挿入することで複数のコアブロックの周方向の連結時の位置ずれを抑制できる。
【0071】
また、コアブロックは、1つのコアバック部に対して2つ以上のティース部を有していてもよい。さらに、コアバック部とティース部それぞれ別体のコアブロックであってもよい。
【0072】
前記実施形態におけるロータでは、2つ1組の永久磁石32が1つの磁極を形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、1つの永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよく、3つ以上の永久磁石32が1つの磁極を形成していてもよい。
【0073】
前記実施形態では、回転電機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、回転電機の構造は、以下に例示するようにこれに限られず、更には以下に例示しない種々の公知の構造も採用可能である。
前記実施形態では、同期電動機として、永久磁石界磁型電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機がリラクタンス型電動機や電磁石界磁型電動機(巻線界磁型電動機)であってもよい。
前記実施形態では、交流電動機として、同期電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が誘導電動機であってもよい。
前記実施形態では、電動機として、交流電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が直流電動機であってもよい。
前記実施形態では、回転電機として、電動機を一例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、回転電機が発電機であってもよい。
【0074】
前記実施形態では、本発明に係る積層コアをステータコアに適用した場合を例示したが、ロータコアに適用することも可能である。また、本発明に係る積層コアを変圧器など、回転電機以外の積層コアに適用してもよい。
【0075】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0076】
例えば、コアブロックは、変形例1の構成と変形例2の構成とを組み合わせたものであってもよい。すなわち、
図4に示す変形例1のように、電磁鋼板片40の周縁と接着部141との間に非接触領域143を設け、さらに、
図5に示す変形例2のようにティース部23の先端およびコアバック部22の周方向両端に非接着領域243を設けてもよい。
【0077】
同様に、コアブロックは、変形例1の構成と変形例3の構成とを組み合わせたものであってもよい。すなわち、
図4に示す変形例1のように、電磁鋼板片40の周縁と接着部141との間に非接触領域143を設けつつ、
図6に示す変形例3のように接着部341の第2部分344bおよび第5部分345cの幅を第4部分345bの幅より狭く構成してもよい。
【実施例】
【0078】
次に、上記した作用効果を検証する検証試験(第1~第3の検証試験)を実施した。なお本検証試験は、ソフトウェアを用いたシミュレーションにより実施した。ソフトウェアとしては、JSOL株式会社製の有限要素法電磁場解析ソフトJMAGを利用した。
【0079】
(第1の検証試験)
図7から
図18に本検証試験でシミュレーションを実施した12種類のステータコア21A~21Lを示す。これらのステータコア21A~21Lでは、いずれも
図3に示す実施形態に係るステータコア21を基本構造としこのステータコア21に対して以下の点を変更した。ステータコア21A~21Lは、それぞれ複数のコアブロック24A~24Lを有する。また、電磁鋼板片40の板厚を0.25mmとした。そして、接着部41による各電磁鋼板片40の接着面積率を、0%~100%で互いに異ならせた。より具体的には、ステータコア21Aの接着面積率は、100%である。ステータコア21Bの接着面積率は、90%である。ステータコア21Cの接着面積率は、85%である。ステータコア21Dの接着面積率は、70%である。ステータコア21Eの接着面積率は、60%である。ステータコア21Fの接着面積率は、50%である。ステータコア21Gの接着面積率は、40%である。ステータコア21Hの接着面積率は、30%である。ステータコア21Iの接着面積率は、20%である。ステータコア21Jの接着面積率は、15%である。ステータコア21Kの接着面積率は、10%である。ステータコア21Lの接着面積率は、0%である。
【0080】
12種類のステータコア21A~21Lの鉄損を、前記シミュレーションにより求めた。また比較対象として、
図19に示すように、複数の電磁鋼板片40が、全層かしめられている比較用ステータコア21Xの鉄損も求めた。比較用ステータコア21Xは、複数のコアブロック24Xを有する。比較用ステータコア21Xも、電磁鋼板片40の板厚は0.25mmである。比較用ステータコア21Xのコアブロックには、コアバック部22に設けられた第1かしめC1と、ティース部23に設けられた2つの第2かしめC2と、がそれぞれ設けられる。第1かしめC1は、コアバック部22の周方向中央に位置する。2つの第2かしめC2は、ティース部23の周方向中央において径方向に沿って並ぶ。電磁鋼板片40の第1面のうち、かしめC1、C2が占有する面積の割合は、3.2%程度である。
【0081】
結果を
図20のグラフに示す。
図20のグラフでは、横軸は、ステータコア21A~21Lの電磁鋼板片40の接着面積率である。また、縦軸は、各ステータコア21A~21Lの鉄損と比較用ステータコア21Xの鉄損との差分を、比較用ステータコア21Xの鉄損で割った値を百分率で表した鉄損抑制率Rtである。すなわち、
図20のグラフの縦軸の鉄損抑制率Rtは、各ステータコア21A~21Lの鉄損をWとし比較用ステータコア21Xの鉄損をWorgとしたとき以下の式(1)で表される。
【0082】
【0083】
各ステータコア21A~21Lにおける電磁鋼板片40の鉄損が、比較用ステータコア21Xにおける鉄損と同等であると、縦軸の値が0%になる。鉄損抑制率が小さいほど鉄損が小さく、ステータコアとしての磁気特性に優れることを示す。
【0084】
図20に示すグラフから、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率を60%以下とすることで、従来技術である比較用ステータコア21Xより鉄損を小さくすることが確認された。また、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率を40%以下とすることで、従来技術である比較用ステータコア21Xより3%以上鉄損を改善できることが確認された。さらに、接着部41による電磁鋼板片40の接着面積率を20%以下とすることで、従来技術である比較用ステータコア21Xより5%以上鉄損を改善できることが確認された。
【0085】
(第2の検証試験)
次に、接着面積率を変えた場合の電磁鋼板片の接着強度について検証を行った。
まず、接着面積率が0%(すなわち、接着無し)の電磁鋼板片を積層したコアブロック、接着面積率が0.5%の電磁鋼板片を積層したコアブロック、接着面積率が1%の電磁鋼板片を積層したコアブロック、接着面積率が10%の電磁鋼板片を積層したコアブロックを用意した。次いで、これらのコアブロックのティース部に巻線を行い、巻線がスムーズに行えるかどうかを確認した。検証結果を表1に示す。
【0086】
【0087】
表1において、「×」は、巻線時にコアブロックに加わる力によってコアブロックが崩れたことを意味する。また、「〇」は、巻線が完了したことを意味する。この検証によって、電磁鋼板片の接着面積率を1%以上とすることで、巻線に必要な接着強度を確保できることが確認された。なお、接着面積率を1%および10%としたサンプルの接着強度を確認したところ、接着面積率を10%としたものの方が、強度が高いことが確認された。落下時の接着部の剥離等を抑制するために十分な接着強度を得るという観点においては、接着面積率を10%以上とすることが好ましい。
【0088】
(第3の検証試験)
本検証試験は、接着部の各部の幅に関する検証試験である。なお、シミュレーションの条件および寸法の条件は、第1の検証試験と同様である。
【0089】
図21および
図22に本検証試験でシミュレーションを実施した2種類のステータコア21M、21Nを示す。これらのステータコア21M、21Nは、
図3に示す実施形態に係るステータコア21を基本構造としている。
【0090】
図21に示すステータコア21Mの接着部41Mは、第2部分44bおよび第5部分45cの幅が、他の部分の幅より広くなっている。一方で、
図22に示すステータコア21Nの接着部41Nは、第4部分45bの幅が、他の部分の幅より広くなっている。また、ステータコア21M、21Nの接着部41Nの面積は、互いに等しい。したがって、ステータコア21M、21Nの接着強度は、互に等しい。
【0091】
シミュレーションによって、ステータコア21M、21Nの鉄損を算出したところ、ステータコア21Mの鉄損に対して、ステータコア21Nの鉄損は、98%であった。すなわち、ステータコア21Nは、ステータコア21Mに対して2%だけ鉄損が改善されていた。これは、ステータコア21Nにおいて、第2部分44bおよび第5部分45cの幅の幅が、第4部分45bの幅より狭くされていることで、ステータコア21N内で磁束が流れやすくなったためと考えられる。
【符号の説明】
【0092】
10…回転電機
21…ステータコア(積層コア)
22…コアバック部
23…ティース部
24,124,224,324…コアブロック
40…電磁鋼板片
41,141,241,341…接着部
42,142,242…接着領域
143,243…非接着領域
44a,244a,344a…第1部分
44b,344b…第2部分
45a,245a,345a…第3部分
45b,245b,345b…第4部分
45c,345c…第5部分