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特許7299543情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/50 20220101AFI20230621BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230621BHJP
   G06V 40/16 20220101ALI20230621BHJP
【FI】
G06V40/50
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022109033
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2017129216の分割
【原出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2022133407
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】深谷 大樹
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-061517(JP,A)
【文献】特開2012-123676(JP,A)
【文献】特開2013-030078(JP,A)
【文献】特開2010-237756(JP,A)
【文献】特開2012-037995(JP,A)
【文献】特開2007-249588(JP,A)
【文献】特開2009-054052(JP,A)
【文献】特開2015-127853(JP,A)
【文献】特開2006-048326(JP,A)
【文献】特開2006-031103(JP,A)
【文献】特開2009-258990(JP,A)
【文献】特開2002-259980(JP,A)
【文献】特表2014-526755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0115877(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 40/16
G06V 40/50
G06F 21/00 -21/57
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された画像に含まれる人物が予め登録された認証用画像に係る人物ではないと判定される場合に、当該撮影された画像を認証用画像として追加登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された認証用画像のうち、予め登録された認証用画像に係る人物であるかの判定に用いる認証用画像を、予め定められた枚数を上限として特定の環境における使用状況に基づき特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記特定の環境における使用状況は、特定の位置における使用状況または特定の時間帯における使用状況のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記使用状況は、前記認証用画像が使用された回数、時期、頻度のいずれかを含むことを特徴とする特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
撮影された画像に含まれる人物が前記認証用画像に係る人物ではないと判定された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示制御された画像について、認証用画像として登録するか選択を受け付ける受付手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、さらに、撮影された画像に含まれる人物が前記認証用画像に係る人物ではないと判定されていた時間帯に撮影された画像を表示するよう制御することを特徴とし、
前記受付手段は、さらに、前記表示制御手段により表示制御された画像のうち、認証用画像として登録する画像の選択を受け付けることを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
情報処理システムの登録手段が、撮影された画像に含まれる人物が予め登録された認証用画像に係る人物ではないと判定される場合に、当該撮影された画像を認証用画像として追加登録する登録工程と、
前記情報処理システムの特定手段が、前記登録工程により登録された認証用画像のうち、予め登録された認証用画像に係る人物であるかの判定に用いる認証用画像を、予め定められた枚数を上限として特定の環境における使用状況に基づき特定する特定工程と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システムの各手段として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、労働者がオフィスに出勤するのではなく、自宅等で業務をするいわゆるテレワークが行われている
テレワークは、オフィスに勤務する場合に比べ、機密情報の漏洩を防止したり、労働者の労働時間を管理することが難しい。そこで、事前に登録した顔画像を利用してPC等に備えられたカメラに映る人物が本人であるか確認し、その結果によって「在席」や「なりすまし」が発生した時間と、その間の証跡としてカメラ画像およびスクリーンショットを記録するシステムが開発されている。
【0003】
このようなシステムにおいては、顔画像を解析し本人であるか他人であるかを正確に判定することが求められるが、登録顔画像の撮影条件に近い環境では誤検出を低く抑えることができものの、撮影条件の異なる環境では本人であるにもかかわらず他人であると判定してしまうことが多くなる。このような誤検出を低減させるためには、勤務場所と同じ環境において撮影された顔画像を用いて、認証を行う必要があるが、ユーザにとって手間となる。
【0004】
特許文献1には、経年変化や認証時の入力情報のばらつきに対して本人の誤排除率を低下させるため、照合時の類似度があらかじめ所定の更新範囲内にあるときに、登録情報(辞書)の更新を行う技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-157602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された技術は、本人として認識されている場合に登録画像をより良いものに更新するものであり、誤認識されてしまう環境や風貌に代わった場合には顔画像の撮影し直しが必要となる。
【0007】
そこで、本発明は、誤検出された画像を本人の顔画像として登録することで、本人拒否率を低減させることを目的とする。
【0008】
また、登録された顔画像のうち本人認証に対する貢献の低い画像については、利用を停止することで、他人許容率の高まりを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、予め登録された認証用画像を用いた認証の結果、なりすましと判定された画像について、認証用画像として登録するかの選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段により、認証用画像として登録する旨の選択を受け付けた場合、当該画像を認証用画像として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誤検出された画像を本人の顔画像として登録することで、本人拒否率を低減させることが可能となる。
【0011】
また、登録された顔画像のうち本人認証に対する貢献の低い画像については、利用を停止することで、他人許容率の高まりを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】テレワーク管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】管理サーバ101、テレワーカ用PC111、管理者用PC121に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】認証用画像の登録処理の一例を示すフローチャートである。
図4】認証用画像の無効化処理の一例を示すフローチャートである。
図5】認証用画像の登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明のテレワーク管理システム(情報処理システム)のシステム構成の一例を示す図である。
【0015】
テレワーク管理システム100は、1または複数の管理サーバ101、1または複数のテレワーカ用PC111、1または複数の管理者用PC121がインターネット130を介して接続される構成となっている。
【0016】
管理サーバ101は、テレワーカの在席・離席状況に関する情報、勤務時間に関する情報等をテレワーク情報として一元管理するサーバであり、サービス環境ネットワーク104上に構築されている。
【0017】
管理サーバ101へは、テレワーカ用PC111と管理者用PC121が、アカウントIDとパスワードを用いた認証処理により接続し、管理サーバ101は、テレワーカ用PC111からテレワーク情報を受信した場合は、管理サーバ101のデータベースに格納する。また、管理者用PC121からテレワーク情報の取得要求があった場合は、管理サーバ101のデータベースから必要なテレワーク情報を取り出す。
【0018】
テレワーカ用PC111は、テレワーカから勤務中か勤務外かの申請(申告)を受け付け、また接続された撮像装置により撮影された映像からテレワーカの在席・離席・なりすまし・覗き込み等の状況を検知する端末である。自宅ネットワーク110上に存在し、勤務中か勤務外かの情報や在席・離席状況等を示す情報は、専用アプリケーションにより作成され、ルータ112、インターネット130、及びルータ103を介して管理サーバ101へ送信される。
【0019】
在席とは、予め登録されたテレワーカ本人の顔画像と、撮影された映像に写る人物の顔とを照合することで、写っている人物がテレワーカ本人であると判定された場合の状態である。
【0020】
離席とは、撮影された映像に人物が写っていない状態である。
【0021】
なりすましとは、予め登録されたテレワーカ本人の顔画像と、撮影された映像に写る人物の顔とを照合した結果、テレワーカ本人以外の第三者が写っていると判定された場合の状態である。
【0022】
覗き込みとは、撮影された映像に、テレワーカ本人と、他の人物とが写っている状態である。
【0023】
なお、予め登録された顔画像は、1枚であっても、複数枚であってもよいが、様々な角度から撮影された画像や、様々な明るさの環境で撮影された画像を登録しておくことで、本人であるのに他人(なりすまし)と判定してしまう誤検出の確率(本人拒否率)を低減させることが可能となる。
【0024】
管理者用PC121は、テレワーク情報を確認するための端末であり、社内ネットワーク120上に存在し、テレワーク情報の確認には、ウェブ管理コンソール(ウェブブラウザ上で動作)を使用し、ルータ122、インターネット130、及びルータ103を介して管理サーバ101に接続する。
【0025】
図2は、本発明の実施形態における管理サーバ101、テレワーカ用PC111、管理者用PC121に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。各装置ともに、同様な構成を備えるため、同一の符号を用いて説明する。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声入力コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0027】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0028】
ROM202あるいは記憶装置204は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0029】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは記憶装置204からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0030】
入力コントローラ205は、入力装置210からの入力を制御する。入力装置210としては、キーボード、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイス等が挙げられる。
【0031】
なお、入力装置210がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0032】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0033】
音声入力コントローラ206は、マイク/スピーカ211がマイク機能として動作する場合、マイク/スピーカ211からの音声入力を制御し、マイク/スピーカ211から入力された音声を認識することが可能となっている。また、音声入力コントローラ206は、マイク/スピーカ211がスピーカ機能として動作する場合、マイク/スピーカ211への音声出力を制御し、マイク/スピーカ211に対し音声を出力することが可能となっている。
【0034】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作を受け付け可能な装置については、入力装置210を提供する。
【0035】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0036】
本発明では、ユーザが情報処理装置を通常使用する場合の表示に用いられる第1のビデオメモリ領域と、所定の画面が表示される場合に、第1のビデオメモリ領域の表示内容に重ねての表示に用いられる第2のビデオメモリ領域を有している。ビデオメモリ領域は2つに限ったものではなく、情報処理装置の資源が許す限り複数有することが可能なものとする。
【0037】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0038】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワーク214を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の3G回線を用いた通信が可能である。
【0039】
なお、記憶装置204は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0040】
また本実施形態における通信端末で行われる各種処理時の一時的なメモリエリアとしても利用可能である。
【0041】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0042】
次に図3図4のフローチャートを用いて、本実施形態におけるテレワーク管理システムが実行する処理について説明する。
【0043】
図3のフローチャートは、管理者用端末121における、なりすましとして判断された画像を本人の画像として登録する処理を示すフローチャートである。
【0044】
ステップS301では、管理者用端末121のCPU201は、なりすましと判定された証跡画像を画面に表示し、その処理方法の入力(選択)を受け付ける。
【0045】
具体的には、図5(A)に示す画面を表示し、正常(本人の画像である旨)または不正(本人以外の第三者の画像である旨)の選択を受け付ける。また、保留(本人であるか第三者であるかの判定を保留する旨)の選択を受け付け可能にしてもよい。
【0046】
ステップS302では、管理者用端末121のCPU201は、ステップS301で入力(選択)された処理方法が正常である、不正であるか、保留であるか、を判断する。
【0047】
不正である旨(本人以外の第三者の画像である旨)の選択を受け付けた場合(ステップS302:不正)は、処理をステップS303に移行する。
【0048】
正常である旨(本人の画像である旨)の選択を受け付けた場合(ステップS302:正常)は、処理をステップS304に移行する。
【0049】
保留である旨(本人であるか第三者であるかの判定を保留する旨)の選択を受け付けた場合(ステップS302:保留)は、本フローチャートの処理を終了する。
【0050】
ステップS303では、管理者用端末121のCPU201は、処理対象の証跡画像を、テレワーカ本人以外の第三者の画像として処理し、本フローチャートの処理を終了する。
【0051】
ステップS304では、管理者用端末121のCPU201は、処理対象の証跡画像を、テレワーカ本人の画像として処理し、当該顔画像の登録の要否(当該顔画像を本人の顔画像として、認証用に登録するか否か)を受け付ける。
【0052】
登録する旨の選択を受け付けた場合(ステップS304:TRUE)は、処理をステップS306に移行する。
【0053】
登録しない旨の選択を受け付けた場合(ステップS304:FALSE)は、本フローチャートの処理を終了する。
【0054】
ステップS305では、管理者用端末121のCPU201は、管理者から顔画像を登録する旨の指示を受け付けたか否かを判定する。
【0055】
登録する旨の指示を受け付けた場合(ステップS305:TRUE)は、処理をステップS306に移行する。
【0056】
登録しない旨の指示を受け付けた場合(ステップS305:FALSE)は、本フローチャートの処理を終了する。
【0057】
ステップS306では、管理者用端末121のCPU201は、なりすましと判定されていた時間帯(なりすましを検出してから、他の状態に変化するまでの間)に撮影された画像を一覧表示し、一覧表示された画像のうち登録する画像の選択を受け付ける。
【0058】
ステップS307では、管理者用端末121のCPU201は、ステップS306で選択を受け付け、登録指示を受け付けた画像を登録する。
【0059】
そして本フローチャートの処理を終了する。
【0060】
次に図5を用いて、図3のフローチャートで示した処理(なりすましとして判断された画像を本人の画像として登録する処理)について説明する。
【0061】
図5(A)で示す画面は、なりすましとして判定された画像を表示する画面の一例である。図5に示す画面、管理者が管理者用端末121を介して管理サーバ101にログインし、監査処理を実行する旨の指示をすることで表示される画面である。
【0062】
図5(A)に示す通り、なりすましとして判定された画像501、テレワーカに関する情報502(アカウント、氏名等)、なりすましが発生していた時間帯503(なりすましを検知してから他の状態に遷移するまでの時間帯)、なりすましが発生していた時間帯に撮影された画像の一覧504、処理内容の入力を受け付けるボタン(正常(顔画像)ボタン505、正常ボタン506、不正ボタン507、キャンセルボタン508)が表示されている。
【0063】
図5(A)に示す画面を介して、管理者用端末121は管理者から、表示された証跡画像に対する処理方法の選択(入力)を受け付ける。
【0064】
具体的には、処理内容の入力を受け付けるボタン(正常(顔画像)ボタン505、正常ボタン506、不正ボタン507、キャンセルボタン508)の押下を受け付けることで、処理内容を受け付ける。
【0065】
なお、図3のフローチャートにおいては、正常である旨が入力されると、顔画像の登録の要否を受け付ける処理としたが、図5(A)の例では、正常(顔画像)ボタン505が押下されると、正常である旨の入力と顔画像の登録が必要である旨の両方の入力がなされることとなる。
【0066】
図5(B)は、図5(A)において正常(顔画像)ボタン505が押下された場合に表示される画面である(図3のフローチャートでは、S306の処理において表示される画面である)。
【0067】
図5(B)に示す通り、なりすましが発生していた時間帯に撮影された顔画像が一覧表示され、登録対象とする顔画像を選択するためのチェックボックス509、チェックボックス509にチェックされた顔画像を登録する指示を受け付ける登録ボタン510、顔画像の登録をキャンセルする指示を受け付けるキャンセルボタン511が表示されている。
【0068】
登録ボタン510の押下を受け付けると、ステップS307の処理において当該選択された顔画像を認証用の画像として登録する。
【0069】
このように、なりすまし発生から他の状態に遷移するまでの時間帯に撮影された顔画像は、状態が遷移していないことから、同一人物の画像であるといえる。そのため、当該時間帯に撮影された顔画像はまとめて登録できるようにする必要性は高く、また、まとめて登録できることで、効率的に顔画像の登録が可能となる。
【0070】
以上の処理により、予め登録された顔画像に加え、なりすましと判定された画像の中から管理者が本人であると判断した画像を、本人認証用の顔画像に加えることが可能となる。そのため、従来は他人と判断されてしまった角度や風貌であっても本人であると判定することが可能となり、本人拒否率を低減させることが可能となる。
【0071】
また、勤務中に撮影された顔画像を登録することが可能であるため、認証用画像を登録するために様々な条件・環境を作り出して撮影するといった手間も解消することができる。
【0072】
次に図4を用いて、登録された顔画像を無効化する処理について説明する。
【0073】
図4の処理は、登録された顔画像について、当該画像の使用状況に応じて、貢献度の低い(認証に使うべきではない)顔画像を特定し、当該顔画像を認証には使わないようにするための処理である。
【0074】
ステップS401では、管理サーバ101のCPU201は、認証用の画像として登録された各画像について、貢献度を収集する。
【0075】
ステップS402では、管理サーバ101のCPU201は、ステップS402で収集した貢献度に対して、様々な要素を考慮した係数をかけ合わせることで、総合的な貢献度を算出する。
【0076】
例えば、当該画像が使われた回数や時期・頻度(直近1か月で使われたのか、1か月以上使われていないのか)等を考慮して、総合的な貢献度を算出する。
【0077】
また、総合的な貢献度の算出にあたり、位置情報(どこで撮影された画像なのか、どこで仕事をしているときの画像なのか)や時間情報(朝の写真なのか、昼間の写真なのか、夜の写真なのか等)を考慮してもよい。これにより、特定の場所や時間帯でよく使われる顔画像を無効化させず有効としておくことが可能となる。
【0078】
また、照明条件、顔の向き、化粧の有無やメガネの着用などの外見を考慮してもよい。このような条件を考慮することで、特定の照明条件でよく使われる画像や、特定の顔の向きの場合によく使われる画像、メガネをかけているときによく使われる画像といった、通常の場合には使われる頻度は低いものの特定の条件下においてはよく使われる画像について、無効化させずに有効としておくことが可能となる。
【0079】
いずれの方法であっても、登録された顔画像について、よく使われるものとあまり使われないものが分類でき、使われない画像を特定できればよい。
【0080】
ステップS403では、管理サーバ101のCPU201は、ステップS402で算出された貢献度に基づき、貢献度の低い画像を、今後の認証で使わないように無効化(または削除)する。
【0081】
無効化する画像の選択方法については、例えば、貢献度の高い順に50枚を有効とし残りを無効化するといった方法でもよい。
【0082】
このように、図3のフローチャートに示す処理により、様々な環境で撮影された画像を認証用画像として登録することができるようになったが、登録される顔画像が増えれば、他人であるのに本人であると判定してしまう確率(他人許容率)が高まってしまう。そこで、図4のフローチャートで示す処理のように、登録された顔画像のうち、条件を満たすものについては、認証には用いないように制御する(無効化する、利用を停止する、画像自体を削除する)ことで、他人許容率の高まりを抑制することが可能となる。
【0083】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0084】
また、本発明におけるプログラムは、図3図4に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図3図4の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図3図4の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0085】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0086】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0087】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0088】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0089】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0090】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0091】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
101 管理サーバ
111 テレワーカ用PC
121 管理者用PC
図1
図2
図3
図4
図5