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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】物品管理システム及び物品管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20230621BHJP
   G06F 21/64 20130101ALI20230621BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230621BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20230621BHJP
   G09C 1/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
G06Q30/018 342
G06F21/64
B65G1/137 A
H04L9/32 200Z
H04L9/32 200B
G09C1/00 640D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019106326
(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公開番号】P2020201589
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】518409896
【氏名又は名称】株式会社シティーデジタル
(73)【特許権者】
【識別番号】300054033
【氏名又は名称】株式会社ハヤト・インフォメーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉野 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 誠一
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173692(JP,A)
【文献】特開2015-162694(JP,A)
【文献】特開2010-081039(JP,A)
【文献】特開2008-065741(JP,A)
【文献】特開2019-029933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 21/64
B65G 1/137
H04L 9/32
G09C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品管理装置と、管理サーバと、端末とを含む物品管理システムであって、
前記物品管理装置が、取引対象の物品を表す情報である物品情報を取得し、
前記物品管理装置が、前記物品に取り付けるタグの識別情報を表すタグIDを取得し、
前記物品管理装置が、前記物品情報と前記タグIDとが対応付けられた情報である管理情報と、管理ユーザの秘密鍵に応じて生成されたデジタル署名とに基づいて、ハッシュ関数を用いて、前記管理情報及び前記デジタル署名に応じたハッシュ値を生成し、
前記物品管理装置が、前記ハッシュ値に基づいて、前記タグに付与するための情報であって、かつ前記管理情報の格納場所を表す情報である登録情報を生成すると共に、前記登録情報と前記管理情報とを対応付けて前記管理サーバへ格納し、
前記物品管理装置が、前記ハッシュ値を、複数の記憶装置によって管理されているブロックチェーンのブロックへ登録し、
前記端末が、前記物品に取り付けられている前記タグに付与された前記登録情報を読み出し、前記登録情報に応じた要求信号を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバが、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報から生成された前記ハッシュ値が前記ブロックチェーンへ登録されていることを表す格納情報、及び前記登録情報に対応する前記管理情報の前記ハッシュ値は、前記管理ユーザの秘密鍵を用いて生成されていることを表す署名情報を、前記端末へ送信し、
前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、
物品管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報を、前記端末へ送信し、
前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記物品情報は、前記物品が写った画像情報、前記物品の形状又は質量を計測した際に得られる計測情報、及び前記物品の取引の際に得られる取引情報の少なくとも1つの情報を含む、
請求項1又は請求項2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記計測情報は、前記物品のミリ単位の寸法又は質量の情報を含む、
請求項3に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記物品情報は、超音波による検査、電磁波による検査、音波による検査、及び通電による検査のうちの少なくとも1つの検査による前記物品の非破壊検査結果に関する情報を含む、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記物品情報は、香気又は臭気を検知する機器を利用した前記物品の香りに関する検査結果に関する情報を含む、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記物品情報は、前記物品の真贋に関する鑑定結果を表す鑑定情報及び前記物品の鑑定を行った鑑定人に関する情報の少なくとも1つの情報を含む、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の物品管理システム。
【請求項8】
物品管理装置と、管理サーバと、端末とを含む物品管理システムが実行する物品管理方法であって、
前記物品管理装置が、取引対象の物品を表す情報である物品情報を取得し、
前記物品管理装置が、前記物品に取り付けるタグの識別情報を表すタグIDを取得し、
前記物品管理装置が、前記物品情報と前記タグIDとが対応付けられた情報である管理情報に基づいて、ハッシュ関数を用いて、前記管理情報に応じたハッシュ値を生成し、
前記物品管理装置が、前記ハッシュ値に基づいて、前記タグに付与するための情報であって、かつ前記管理情報の格納場所を表す情報である登録情報を生成すると共に、前記登録情報と前記管理情報とを対応付けて前記管理サーバへ格納し、
前記物品管理装置が、前記ハッシュ値を、複数の記憶装置によって管理されているブロックチェーンのブロックへ登録し、
前記端末が、前記物品に取り付けられている前記タグに付与された前記登録情報を読み出し、前記登録情報に応じた要求信号を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバが、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報、又は、前記登録情報に対応する前記管理情報から生成された前記ハッシュ値が前記ブロックチェーンに登録されていることを表す情報を、前記端末へ送信し、
前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、
物品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム及び物品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の処理状況に関する情報の改ざんを抑制して厳密なトレーサビリティ管理を行うことが可能な物品処理管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。この物品処理管理システムは、複数の廃棄物のそれぞれに対し、廃棄物処理の処理段階がどの業者により実行されたかを示す追跡情報が割り当てられる。なお、この物品処理管理システムは、ブロックチェーンのような分散型台帳技術を利用したシステムであり、廃棄物とともに流通するマニフェストMから、廃棄物に関する情報(廃棄物情報)を読み取られる。なお、マニフェストMは、廃棄物情報(物品情報)が記録された管理票であり、紙媒体に印刷された紙マニフェストであってもよいし、廃棄物に付されたICタグに記憶される電子マニフェストであってもよい。
【0003】
また、物品自体に情報を付与したり固定することなく、物品および所有者の真偽を判定する物品情報管理装置が知られている(例えば、特許文献2)。この物品情報管理装置は、物品およびその証明書それぞれの認証用画像と、物品の所有者に関する所有者情報とを受信して、物品の認証用画像である物品認証画像と証明書の認証用画像である証明書認証画像とを対応づけて所定の画像データベースに登録する。また、この物品情報管理装置は、2台以上のノードが参加する所定のコンセンサスアルゴリズムに従った処理を経て新たなブロックが追加されるブロックチェーンに、物品認証画像の要約と証明書認証画像の要約と所有者情報とを少なくとも含む取引明細が記録された取引情報ブロックを追加する。
【0004】
また、供給網内の資産の流通過程管理を追跡および記録するシステムが知られている(例えば、特許文献3)。このシステムは、初期生成から最終移転または廃棄までの各移転地点における管理移転に関する否認不可電子記録を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-169764号公報
【文献】特開2018-173692号公報
【文献】特表2018-530806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
物品を取引する際、その物品が真正品であるか否かは重要な情報である。例えば、ブランド品にはそのブランドを表すマーク等が真正品を表す情報として付与されている。しかし、そのマークさえも偽造されてしまう場合がある。
【0007】
このため、取引対象の物品が真正品であるのか否かについて、鑑定人による真贋鑑定が行われる場合がある。この場合、鑑定人による鑑定を経て真正品であるとされた物品には、鑑定書が付与され、その後の取引が行われる。しかし、その鑑定書さえも偽造されてしまう場合がある。
【0008】
このような課題に対し、上記特許文献1~3に記載の技術では、廃棄物の追跡情報、物品及びその証明書それぞれの認証用画像、並びに管理移転に関する情報等がブロックチェーンに格納される。取引対象の物品に関する情報がブロックチェーンに格納されることにより、その情報の改竄が困難となり、取引対象の物品に対する信頼性が保たれる。
【0009】
しかし、上記特許文献1~3に記載の技術では、例えば、ユーザは、どのような管理主体によって物品の取引仲介が行われているのかに関する情報を得ることができない。このため、上記特許文献1~3に記載の技術では、取引対象の物品の鑑定が適切に行われたのかが不明であり、物品の取引を円滑に行うことが出来なくなる、という課題がある。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、物品の取引を適切に行うことができる物品管理システム及び物品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために本発明に係る物品管理システムは、物品管理装置と、管理サーバと、端末とを含む物品管理システムであって、前記物品管理装置が、取引対象の物品を表す情報である物品情報を取得し、前記物品管理装置が、前記物品に取り付けるタグの識別情報を表すタグIDを取得し、前記物品管理装置が、前記物品情報と前記タグIDとが対応付けられた情報である管理情報と、管理ユーザの秘密鍵に応じて生成されたデジタル署名とに基づいて、ハッシュ関数を用いて、前記管理情報及び前記デジタル署名に応じたハッシュ値を生成し、前記物品管理装置が、前記ハッシュ値に基づいて、前記タグに付与するための情報であって、かつ前記管理情報の格納場所を表す情報である登録情報を生成すると共に、前記登録情報と前記管理情報とを対応付けて前記管理サーバへ格納し、前記物品管理装置が、前記ハッシュ値を、複数の記憶装置によって管理されているブロックチェーンのブロックへ登録し、前記端末が、前記物品に取り付けられている前記タグに付与された前記登録情報を読み出し、前記登録情報に応じた要求信号を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバが、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報から生成された前記ハッシュ値が前記ブロックチェーンへ登録されていることを表す格納情報、及び前記登録情報に対応する前記管理情報の前記ハッシュ値は、前記管理ユーザの秘密鍵を用いて生成されていることを表す署名情報を、前記端末へ送信し、前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、物品管理システムである。
【0012】
前記管理サーバは、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報を、前記端末へ送信し、前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、ようにすることができる。
【0013】
前記物品情報は、前記物品が写った画像情報、前記物品の形状又は質量を計測した際に得られる計測情報、及び前記物品の取引の際に得られる取引情報の少なくとも1つの情報を含むようにすることができる。
【0014】
前記計測情報は、前記物品のミリ単位の寸法又は質量の情報を含むようにすることができる。
【0015】
前記物品情報は、超音波による検査、電磁波による検査、音波による検査、及び通電による検査のうちの少なくとも1つの検査による前記物品の非破壊検査結果に関する情報を含むようにすることができる。
【0016】
前記物品情報は、香気又は臭気を検知する機器を利用した前記物品の検査結果に関する情報を含むようにすることができる。
【0017】
前記物品情報は、前記物品の真贋に関する鑑定結果を表す鑑定情報及び前記物品の鑑定を行った鑑定人に関する情報の少なくとも1つの情報を含むようにすることができる。
【0018】
本発明の物品管理方法は、物品管理装置と、管理サーバと、端末とを含む物品管理システムが実行する物品管理方法であって、前記物品管理装置が、取引対象の物品を表す情報である物品情報を取得し、前記物品管理装置が、前記物品に取り付けるタグの識別情報を表すタグIDを取得し、前記物品管理装置が、前記物品情報と前記タグIDとが対応付けられた情報である管理情報に基づいて、ハッシュ関数を用いて、前記管理情報に応じたハッシュ値を生成し、前記物品管理装置が、前記ハッシュ値に基づいて、前記タグに付与するための情報であって、かつ前記管理情報の格納場所を表す情報である登録情報を生成すると共に、前記登録情報と前記管理情報とを対応付けて前記管理サーバへ格納し、前記物品管理装置が、前記ハッシュ値を、複数の記憶装置によって管理されているブロックチェーンのブロックへ登録し、前記端末が、前記物品に取り付けられている前記タグに付与された前記登録情報を読み出し、前記登録情報に応じた要求信号を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバが、前記端末からの前記要求信号を受け付けた場合に、前記登録情報に対応する前記管理情報、又は、前記登録情報に対応する前記管理情報から生成された前記ハッシュ値が前記ブロックチェーンに登録されていることを表す情報を、前記端末へ送信し、前記端末は、前記管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる、物品管理方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、物品の取引を適切に行うことができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の物品管理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態の概要を説明するための説明図である。
図3】本実施形態の物品管理システムの詳細な構成例を示す図である。
図4】物品管理システムの各装置として機能するコンピュータの概略ブロック図である。
図5】本実施形態の物品管理システムによって実行される処理を説明するための説明図である。
図6】本実施形態の物品管理システムの処理の概要を説明するための説明図である。
図7】本実施形態の物品管理システムによって実行される処理を説明するための説明図である。
図8】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
【0022】
<物品管理システムのシステム構成>
【0023】
図1は、本実施形態の物品管理システム10を示すブロック図である。図1に示されるように、本実施形態の物品管理システム10は、物品管理装置12と、管理サーバ14と、ブロックチェーンネットワーク15と、端末16とを備える。物品管理装置12と、管理サーバ14と、ブロックチェーンネットワーク15と、端末16とは、例えばインターネット等のネットワーク17によって接続されている。
【0024】
ブロックチェーンネットワーク15は、複数のブロックチェーン端末15A、15B、15C・・・を備えている。複数のブロックチェーン端末15A、15B、15C・・・の各々は、各種情報が格納されたブロックの系列を表すブロックチェーンを保持している。複数のブロックチェーン端末15A、15B、15Cは、複数の記憶装置の一例である。
【0025】
本実施形態の物品管理システム10においては、物品の一例であるスニーカーの取引に関する管理を行うためのシステムである。
【0026】
図2に、本実施形態の物品管理システム10の概要を説明するための説明図を示す。図2に示されるように、例えば、ユーザU1がスニーカーSを第三者に売りたい場合、スニーカーの売買を管理する管理ユーザKUは、取引対象のスニーカーSを受け取る。管理ユーザKUは、例えば、取引対象のスニーカーSを一旦受け付け、そのスニーカーSの鑑定又は取引の仲介をするような組織体である。
【0027】
管理ユーザKUは、取引対象のスニーカーSを表す情報である物品情報を収集する。具体的には、管理ユーザKUの鑑定人KU1は、取引対象のスニーカーSの鑑定を行い、スニーカーSの真贋に関する鑑定結果を表す鑑定情報を得る。そして、管理ユーザKUの職員KU2は、スニーカーSをカメラによって撮像し、そのスニーカーSの画像情報を収集する。また、職員KU2は、スニーカーSの寸法又は重さを計測し、そのスニーカーSの計測情報を収集する。更に、職員KU2は、スニーカーSの過去の取引の際に得られたレシートの情報を収集する。
【0028】
管理ユーザKUは、上記のようにして得られた各種情報を、スニーカーSの物品情報とする。そして、図2に示されるように、物品管理システム10の物品管理装置12は、スニーカーSの物品情報を受け付ける。また、物品管理装置12は、取引対象のスニーカーSに取り付ける予定のRFID(Radio frequency identifier)タグの識別情報であるタグIDを取得する。
【0029】
次に、物品管理装置12は、スニーカーSの物品情報と、RFIDタグのタグIDと、管理ユーザKUのデジタル署名とに基づいて、ハッシュ値を生成する。そして、物品管理装置12は、当該ハッシュ値をブロックチェーンネットワーク15へ送信する。ブロックチェーンネットワーク15は、物品管理装置12から送信されたハッシュ値をブロックチェーンのブロックへ登録する。これにより、スニーカーSの物品情報と、RFIDタグのタグIDと、管理ユーザKUのデジタル署名とから生成されたハッシュ値がブロックチェーンへ格納され、改竄困難な状態となる。
【0030】
更に、物品管理装置12は、ハッシュ値からURL(Uniform Resource Locator)を生成する。そして、物品管理装置12は、当該URLとスニーカーSの物品情報とを対応付けて、管理サーバ14へ格納する。また、物品管理装置12は、当該URLをRFIDタグTへ書き込む。そして、管理ユーザKUの職員KU2は、取引対象のスニーカーSにRFIDタグTを取り付けて、当該スニーカーSを第三者へ引き渡す。
【0031】
例えば、スニーカーSを購買したユーザU2は、端末16を操作し、スニーカーSに取り付けられているRFIDタグTのタグIDとURLとを読み取る。ユーザU2は、端末16を操作し、読み取ったURLへアクセスする。
【0032】
このとき、管理サーバ14にはスニーカーSの物品情報とURLとが対応付けられて格納されているため、ユーザU2は端末16を介してスニーカーSの物品情報を閲覧することができる。スニーカーSの物品情報には、スニーカーSに関する各種情報(例えば、スニーカーSの鑑定情報、画像、寸法、及びレシート等)が含まれている。このため、ユーザU2は、スニーカーSが、管理ユーザKUによる鑑定を経ていることを確認することができる。
【0033】
更に、スニーカーSの物品情報が表示されるサイトには、ブロックチェーンの各種情報にアクセスするためのリンク情報が付与されている。ユーザU2は、端末16を操作することにより、ブロックチェーンの各種情報にアクセスする。これにより、ユーザU2は、スニーカーSの物品情報と、RFIDタグのタグIDと、管理ユーザKUのデジタル署名とから生成されたハッシュ値がブロックチェーンへ格納されていることを確認することができる。ユーザU2は、スニーカーSの物品情報とRFIDタグのタグIDと管理ユーザKUのデジタル署名とから生成されたハッシュ値は、改竄困難な状態であることを確認することができ、購買したスニーカーSに対する信頼性が高まる。
【0034】
以下、本実施形態について具体的に説明する。図3は、本実施形態の物品管理システム10の詳細な構成例を示す図である。
【0035】
[物品管理装置]
【0036】
図3に示されるように、物品管理装置12は、情報取得部120と、制御部122と、通信部124とを備えている。
【0037】
情報取得部120は、取引対象のスニーカーを表す情報である物品情報を取得する。物品情報は、スニーカーが写った画像情報、スニーカーの形状又は質量を計測した際に得られる計測情報、及びスニーカーの取引の際に得られる取引情報が含まれる。
【0038】
例えば、画像情報として、以下の(1)~(10)の情報を含めても良い。
【0039】
(1)複数視点からのスニーカーの写真
(2)複数視点からのスニーカーの箱の写真
(3)スニーカーの中底又はインソールを取り出して撮った写真
(4)スニーカーの靴紐又はロゴなどの特徴点を拡大した写真
(5)スニーカーの靴底をブラックライトで照らして撮った写真
(6)購入時にスニーカー本体の中に入っている緩衝材として丸められた紙(アンコとも称される。)の写真
(7)購入時に箱の中でスニーカーを包んでいる紙(中紙とも称される。)の写真
(8)スニーカー本体の内タグ又は内面に貼られているモデル名、サイズ、及びバーコード等の写真
(9)スニーカー本体の外タグ又は商品にナイロンで結び付けられている紙の写真
(10)スニーカーの箱に貼られている商品情報シール、モデル名、サイズ、又はバーコード等の写真
【0040】
なお、上記(1)~(10)については、写真ではなくスキャン画像であってもよい。
【0041】
また、例えば、計測情報として、以下の(1)~(5)の情報を含めても良い。
【0042】
(1)スニーカー本体の重さ(例えば、デジタル重量計により0.1g単位で取得された情報)
(2)スニーカーの箱の重さ(例えば、デジタル重量計により0.1g単位で取得された情報)
(3)スニーカー本体の幅又は長さ(例えば、デジタルノギスにより0.1mm単位で取得された情報)
(4)スニーカーの靴紐又はロゴなどの特徴点の長さ(例えば、デジタルノギスにより0.1mm単位で取得された情報)
(5)スニーカーのソール、裏面のクッション部分、アッパー、表面、又は中底の硬さ(例えば、硬度計で計測された情報)
【0043】
なお、上記の計測情報は、物品の詳細な個体に関する情報であり、物品のミリ単位の寸法又は質量の情報が含まれている。
【0044】
また、例えば、取引情報として、スニーカーの発送伝票、レシート、又は納品書等を含めても良い。なお、これらの画像情報、計測情報、及び取引情報は、鑑定の際に得てもよい。
【0045】
また、物品情報には、スニーカーの真贋に関する鑑定結果を表す鑑定情報及びスニーカーの鑑定を行った鑑定人に関する情報が含まれる。
【0046】
また、情報取得部120は、取引対象のスニーカーに取り付けるRFIDタグの識別情報を表すタグIDを取得する。
【0047】
制御部122は、スニーカーの物品情報とタグIDとを対応付けて管理情報とする。スニーカーの管理情報は、スニーカーに取り付けられるRFIDタグのタグIDと、スニーカーの物品情報(例えば、鑑定情報、画像情報、計測情報、及び取引情報)とが対応付けられて、1つの情報として設定されたものである。
【0048】
そして、制御部122は、スニーカーの管理情報と、管理ユーザKUの秘密鍵に応じて生成されたデジタル署名とに基づいて、ハッシュ関数を用いて、スニーカーの管理情報及びデジタル署名に応じたハッシュ値を生成する。このハッシュ値は、後述するブロックチェーンに登録される。
【0049】
通信部124は、制御部122による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。
【0050】
なお、物品管理装置12が実行する詳細な処理については後述する。
【0051】
[管理サーバ]
【0052】
図3に示されるように、管理サーバ14は、サーバ制御部140と、管理情報記憶部142と、サーバ通信部144とを備えている。
【0053】
サーバ制御部140は、管理サーバ14を制御する。また、サーバ通信部144は、サーバ制御部140による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。
【0054】
具体的には、サーバ制御部140は、物品管理装置12から送信された管理情報とURLとを対応付けて、管理情報記憶部142へ格納する。
【0055】
また、サーバ制御部140は、後述する端末16からの要求信号に応じて、管理情報記憶部142に格納された管理情報を端末16へ出力する。端末16と管理サーバ14との間の情報のやりとりについては後述する。
【0056】
[ブロックチェーンネットワーク]
【0057】
図3に示されるように、ブロックチェーンネットワーク15を構成するブロックチェーン端末15Aは、ブロック制御部150と、ブロックチェーン情報記憶部152と、ブロック通信部154と、を備えている。なお、ブロックチェーンネットワーク15を構成する他のブロックチェーン端末15B、15C等も同様の構成である。
【0058】
ブロック制御部150は、ブロックチェーン端末15Aを制御する。ブロック通信部154は、ブロック制御部150による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。
【0059】
ブロックチェーン情報記憶部152には、ブロックチェーン(例えば、参考文献(Satoshi Nakamoto,"Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System")を参照)が格納されている。本実施形態のブロックチェーンの各ブロックには、物品管理装置12によって生成されたハッシュ値が格納される。なお、物品管理システム10を利用する各ユーザは、ブロックチェーンに格納された情報を閲覧することができる。
【0060】
[端末]
【0061】
端末16は、取引対象のスニーカーを購入したユーザによって操作される。図3に示されるように、端末16は、端末操作部160と、端末処理部162と、端末表示部164とを含む。端末処理部162は、端末制御部166と、端末通信部168とを含む。
【0062】
端末操作部160は、ユーザからの操作情報を受け付ける。端末操作部160は、例えば、タッチパネル、マウス、及びキーボード等によって実現される。
【0063】
端末制御部166は、端末16を制御する。例えば、端末制御部166は、端末操作部160により受け付けた操作情報に基づいて、端末16を制御する。
【0064】
端末通信部168は、端末制御部166による制御に応じて、他の装置との通信処理を行う。端末表示部164は、端末制御部166の制御に応じて画面を表示する。
【0065】
物品管理システム10の物品管理装置12、管理サーバ14、ブロックチェーン端末15A,15B,15C、及び端末16は、例えば、図4に示すコンピュータ70で実現することができる。コンピュータ70はCPU71、一時記憶領域としてのメモリ72、及び不揮発性の記憶部73を備える。また、コンピュータ70は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)74、及び記録媒体に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部75を備える。また、コンピュータ70は、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F76を備える。CPU71、メモリ72、記憶部73、入出力I/F74、R/W部75、及びネットワークI/F76は、バス77を介して互いに接続される。
【0066】
記憶部73は、Hard Disk Drive(HDD)、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部73には、コンピュータ70を機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU71は、プログラムを記憶部73から読み出してメモリ72に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0067】
<物品管理システム10の作用>
【0068】
次に、本実施の形態の物品管理システム10の作用について説明する。管理ユーザKUが取引対象のスニーカーSを受け取ると、管理ユーザKUのうちの鑑定人は、スニーカーSの鑑定を行い、スニーカーSの鑑定情報を得る。また、管理ユーザKUの職員は、スニーカーが写った画像情報、スニーカーの形状を計測した際に得られる計測情報、及びスニーカーの取引の際に得られる取引情報を収集する。そして、管理ユーザKUの職員は、スニーカーSの鑑定情報、スニーカーSの画像情報、スニーカーSの計測情報、及びスニーカーSの取引情報を、スニーカーSの物品情報として物品管理装置12へ入力する。スニーカーSの物品情報が物品管理装置12へ入力されると、物品管理装置12、管理サーバ14、及びブロックチェーンネットワーク15は、図5に示す処理に対応する各プログラムを実行する。
【0069】
なお、以降の説明では、物品管理システム10の処理の流れを示した図6を適宜参照する。
【0070】
ステップS100において、物品管理装置12の情報取得部120は、管理ユーザKUから入力された取引対象のスニーカーの物品情報を取得する。
【0071】
ステップS102において、物品管理装置12の情報取得部120は、管理ユーザKUから入力された取引対象のスニーカーに取り付けるRFIDタグのタグIDを取得する。
【0072】
ステップS104において、物品管理装置12の制御部122は、上記ステップS100で取得された物品情報と、上記ステップS102で取得されたタグIDとを対応付けて管理情報として設定する。
【0073】
ステップS106において、物品管理装置12の制御部122は、図6に示されるように、上記ステップS104で設定された管理情報KJから、ハッシュ関数を用いて、ハッシュ値h1を生成する。そして、物品管理装置12の制御部122は、管理情報KJから生成されたハッシュ値h1と管理ユーザKUの秘密鍵K1とに基づいて、デジタル署名を生成する。
【0074】
ステップS108において、物品管理装置12の制御部122は、図6に示されるように、上記ステップS104で設定された管理情報KJと、上記ステップS106で生成されたデジタル署名とに基づいて、ハッシュ関数を用いて、ハッシュ値h2を生成する。
【0075】
ステップS110において、物品管理装置12の制御部122は、上記ステップS108で生成されたハッシュ値h2に基づいて、RFIDタグに書き込むURL「URL:xxxx」を生成する。このURLは、スニーカーに取り付けられるRFIDタグに書き込まれる。なお、URLは、スニーカーの管理情報の格納場所を表す情報である登録情報の一例である。
【0076】
ステップS112において、物品管理装置12の制御部122は、上記ステップS104で設定された管理情報KJと、上記ステップS106で生成されたデジタル署名と、上記ステップS110で生成されたURLとを対応付けて、管理サーバ14へ送信する。
【0077】
ステップS114において、管理サーバ14のサーバ通信部144は、物品管理装置12から送信された、管理情報KJとデジタル署名とURLとを受信する。そして、管理サーバ14のサーバ制御部140は、管理情報KJとデジタル署名とURLとを、管理情報記憶部142へ格納する。後述する端末16がURLにアクセスすると、該当する管理情報KJとデジタル署名とが端末16の端末表示部164に表示される。
【0078】
ステップS116において、物品管理装置12の制御部122は、図6に示されるように、上記ステップS108で生成されたハッシュ値h2を、ブロックチェーンネットワーク15へ出力する。
【0079】
ステップS118において、ブロックチェーンネットワーク15の少なくとも1つのブロックチェーン端末は、図6に示されるように、ブロックチェーンのブロックへハッシュ値h2を登録する。なお、ブロックチェーンへハッシュ値h2が登録される際には、既知である所定の合意形成アルゴリズムによって、ブロックチェーンのブロックへハッシュ値h2が登録される。
【0080】
そして、管理ユーザKUは、URLが書き込まれたRFIDタグTをスニーカーSへ取り付けて、当該スニーカーSを第三者へ引き渡す。
【0081】
次に、スニーカーSを購入したユーザは、自身の端末16を操作して、スニーカーSに取り付けられているRFIDタグTに付与されたURLを読み出す。ユーザの端末16によるURLの読み出しが開始されると、物品管理装置12、管理サーバ14、及びブロックチェーンネットワーク15は、図7に示す処理に対応する各プログラムを実行する。
【0082】
ステップS200において、端末16は、RFIDタグに付与されたURL「URL:xxxx」を読み出す。なお、端末16は、RFIDタグとの間の無線通信によって、RFIDタグに付与されたURLを読み出す。
【0083】
ステップS202において、端末16は、上記ステップS200で読み出されたURLに応じた要求信号を管理サーバ14へ送信する。具体的には、端末16は、URLに対応するサイトへアクセスする。
【0084】
ステップS204において、管理サーバ14は、上記ステップS202で端末16からのアクセスを受け付けた場合に、URLに対応するスニーカーの管理情報KJと付帯情報とを、端末16へ送信する。
【0085】
ステップS206において、端末16の端末制御部166は、管理サーバ14から送信された管理情報KJと付帯情報とを端末表示部164に表示させる。具体的には、ユーザU2が端末16を操作してURLにアクセスすると、図8に示されるようなサイトW1,W2が端末表示部164に表示される。
【0086】
この管理情報KJには、ユーザU2が購入したスニーカーSの画像情報、計測情報、取引情報、及び鑑定情報が含まれている。これにより、ユーザは、購入したスニーカーが、管理ユーザKUによる管理の下で流通したものであることを確認することができる。特に、スニーカーSの鑑定情報が含まれているため、ユーザは、自身が購入したスニーカーSが、管理ユーザKUによる鑑定を経て流通しているスニーカーであることを確認することができる。
【0087】
なお、図8に示されるW2の付帯情報には、ハッシュ値がブロックチェーンに登録されていること及び当該ハッシュ値が管理ユーザKUの秘密鍵によって生成されていることを確認するためのリンクが含まれている。このため、例えば、ユーザが端末16の端末表示部164を操作し、付帯情報に含まれるリンクを押下すると、ステップS208以降の処理が実行される。
【0088】
ステップS208において、端末16の端末制御部166は、ハッシュ値がブロックチェーンに登録されていることを確認するための要求信号を管理サーバ14へ送信する。
【0089】
ステップS210において、管理サーバ14のサーバ制御部140は、上記ステップS208で端末16から送信された要求信号を受信すると、ハッシュ値の取得を要求する制御信号をブロックチェーンネットワーク15へ送信する。
【0090】
ステップS212において、ブロックチェーンネットワーク15のブロックチェーン端末は、上記ステップS210で管理サーバ14から送信された制御信号に対応するブロックチェーンのブロックのハッシュ値を管理サーバ14へ送信する。
【0091】
ステップS214において、管理サーバ14のサーバ制御部140は、図6に示されるように、上記ステップS212でブロックチェーン端末から送信されたハッシュ値h2を取得する。そして、管理サーバ14のサーバ制御部140は、管理情報記憶部142に格納された管理情報KJ及びデジタル署名からハッシュ値h2’を生成する。そして、管理サーバ14のサーバ制御部140は、ブロックチェーンから取得したハッシュ値h2と、管理情報記憶部142に格納された管理情報KJ及びデジタル署名から生成されたハッシュ値h2’とが一致しており、管理情報Kから生成されたハッシュ値h2’がブロックチェーンへ登録されていることを表す格納情報CK1を端末16へ送信する。
【0092】
ステップS216において、端末16の端末制御部166は、管理サーバ14から送信された格納情報CK1を取得し、端末表示部164へ表示させるように制御する。これにより、ユーザは、購入したスニーカーの物品情報から生成されたハッシュ値が、ブロックチェーンに登録されていることを確認することができる。
【0093】
ステップS218において、ユーザが端末16の端末表示部164を操作し、付帯情報に含まれるリンクを押下すると、端末16の端末制御部166は、ハッシュ値が管理ユーザKUの秘密鍵を用いて生成されていることを表す情報を確認するための要求信号を管理サーバ14へ送信する。
【0094】
ステップS220において、管理サーバ14のサーバ制御部140は、上記ステップS218で端末16から送信された要求信号を受信すると、管理ユーザKUの公開鍵を取得する。公開鍵は、例えば、管理ユーザKUのホームページ等に公開されている。
【0095】
ステップS222において、管理サーバ14のサーバ制御部140は、図6に示されるように、管理情報記憶部142に格納されたデジタル署名と、上記ステップS220で取得された管理ユーザKUの公開鍵K2とに基づいて、デジタル署名を復号してハッシュ値h1を生成する。また、管理サーバ14のサーバ制御部140は、管理情報記憶部142に格納された管理情報KJからハッシュ値h1’を生成する。
【0096】
ステップS224において、管理サーバ14のサーバ制御部140は、上記ステップS222で、デジタル署名から復号されたハッシュ値h1と、管理情報KJから生成されたハッシュ値h1’とが一致しており、管理情報KJから生成されたハッシュ値h1’は、管理ユーザKUの秘密鍵K1を用いて生成されていることを表す署名情報CK2を、端末16へ送信する。
【0097】
ステップS226において、端末16の端末制御部166は、管理サーバ14から送信された署名情報CK2を取得し、端末表示部164へ表示させるように制御する。これにより、ユーザU2は、購入したスニーカーSの物品情報から生成されたハッシュ値は、管理ユーザKUの秘密鍵を用いて生成されていることを確認することができる。このため、ユーザU2は、管理ユーザKUによって管理情報KJが生成されていることを確認することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態に係る物品管理システムの物品管理装置が、取引対象のスニーカーを表す情報である物品情報を取得し、スニーカーに取り付けるタグの識別情報を表すタグIDを取得する。そして、物品管理装置が、物品情報とタグIDとが対応付けられた情報である管理情報と、管理ユーザの秘密鍵に応じて生成されたデジタル署名とに基づいて、ハッシュ関数を用いて、管理情報及びデジタル署名に応じたハッシュ値を生成する。そして、物品管理装置が、ハッシュ値に基づいて、タグに付与するための情報であって、かつ管理情報の格納場所を表す情報である登録情報を生成すると共に、登録情報と管理情報とを対応付けて管理サーバへ格納する。そして、物品管理装置が、ハッシュ値を、複数のブロックチェーン端末によって管理されているブロックチェーンのブロックへ登録する。そして、端末が、物品に取り付けられているタグに付与された登録情報の一例であるURLを読み出し、URLに応じた要求信号を管理サーバへ送信する。そして、管理サーバが、端末からの要求信号を受け付けた場合に、URLに対応する管理情報から生成されたハッシュ値がブロックチェーンへ登録されていることを表す格納情報、及びURLに対応する管理情報のハッシュ値は、管理ユーザの秘密鍵を用いて生成されていることを表す署名情報を、端末へ送信する。そして、端末は、管理サーバから送信された情報を端末表示部に表示させる。これにより、物品の取引を適切に行うことができる。
【0099】
また、スニーカーを購入したユーザは、端末を操作することにより、スニーカーのタグに付与されたURLへアクセスし、自身が購入したスニーカーの物品情報を確認することができる。物品情報には、スニーカーの鑑定情報等が含まれているため、ユーザは自身が購入したスニーカーが鑑定を経たものであることを確認することができる。これにより、取引対象のスニーカーに対する信頼性が高まる。
【0100】
また、RFIDタグが持つ固有のタグIDとスニーカーの物品情報を対応付け、ハッシュ値を生成し、そのハッシュ値をブロックチェーンへ登録することで、タグ自体の複製が困難となる。また、鑑定済みのスニーカーのミリ単位の個体情報を物品情報とすることにより、スニーカー自体の複製の難易度が劇的に上がる。これにより、スニーカーとRFIDタグとのセットのスニーカーを保有する限りは、当該スニーカーは真正品であると保証される。このため、スニーカーの個体の真正品保証の信頼性が向上する。
【0101】
また、スニーカーの物品情報とタグIDとを含む管理情報から生成されたハッシュ値がブロックチェーンに登録されていることを確認することができる。また、スニーカーの物品情報は管理ユーザにより生成されたものであることが、デジタル署名から判明する。これにより、ユーザは自身が購入したスニーカーが管理ユーザの管理を経たものであることを確認することができ、取引対象のスニーカーに対する信頼性が高まる。
【0102】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0103】
例えば、本実施形態では、物品の一例としてスニーカーが取引される場合を例に説明したがこれに限定されるものではなく、スニーカーとは異なる他の物品を対象としてもよい。
【0104】
また、物品情報には、他の情報が含まれていてもよい。例えば、出品元の情報(例えば、誰がどこで仕入れたか)又は出品先の情報(例えば、取引の結果誰に売ってどこに届けたか)等を物品情報に含めるようにしてもよい。また、例えば、物品の表面の情報を物品情報に含めるようにしてもよい。この場合、表面の模様及びざらつき等は個体差があるため、それらの情報を物品情報に含めることにより、例えば、真正品認証の際の情報とすることができる。
【0105】
また、例えば、物品情報には、超音波による検査、電磁波による検査、音波による検査、及び通電による検査等の少なくとも1つの検査による物品の非破壊検査結果に関する情報が含まれていても良い。また、物品情報には、香気又は臭気等を検知する機器を利用した物品の香りに関する検査結果に関する情報が含まれていても良い。
【0106】
また、本実施形態では、スニーカーに取り付けるタグとしてRFIDタグを用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の種類のタグを用いてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、管理ユーザ内の鑑定人によって鑑定が実施される場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、外部の鑑定人によって鑑定が行われるようにしてもよい。または、複数の鑑定人によって鑑定が行われ、その鑑定人に関する情報(例えば、氏名及び鑑定の日時等)と鑑定結果とが鑑定情報として用いられても良い。
【0108】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
10 物品管理システム
12 物品管理装置
14 管理サーバ
15 ブロックチェーンネットワーク
15A,15B,15C ブロックチェーン端末
16 端末
17 ネットワーク
70 コンピュータ
73 記憶部
72 メモリ
120 情報取得部
122 制御部
124 通信部
140 サーバ制御部
142 管理情報記憶部
144 サーバ通信部
150 ブロック制御部
152 ブロックチェーン情報記憶部
154 ブロック通信部
160 端末操作部
162 端末処理部
164 端末表示部
166 端末制御部
168 端末通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8