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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20230621BHJP
   A45D 33/20 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
A45D33/00 625A
A45D33/20 Z
A45D33/00 635
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019090585
(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公開番号】P2020185097
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知也
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第10100855(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0036819(KR,A)
【文献】特開2011-212368(JP,A)
【文献】実公平04-020251(JP,Y2)
【文献】米国特許第05025817(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00
A45D 33/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座部及び前記台座部上に重ねられ前記台座部に対して相対回転可能な蓋部を有する相対回転部と、
前記蓋部と前記台座部との間で中心軸線周りに沿って複数が配置され、化粧料を収容した収容部を有する中皿と、
前記蓋部と前記台座部とが前記中心軸線周りに相対回転操作されると、複数の前記中皿を揺動させて前記相対回転部から側方へ同時に出現させ、前記蓋部と前記台座部とが逆方向へ相対回転操作されると、複数の前記中皿を逆方向へ揺動させて前記相対回転部内に同時に没入させるそれぞれの揺動機構と、を備え、
前記揺動機構は、
前記蓋部又は前記台座部の何れか一方の対向面の外側に突設され、前記中皿の揺動支点となる軸部と、
前記台座部又は前記蓋部の他方の対向面の外側に突設されたピンと、
前記中皿に設けられ、前記中皿が前記軸部を支点として揺動するように前記ピンが遊嵌配置される長溝又は長孔と、を備え
前記蓋部は、中央に開口部を有し、前記中皿が没入した状態で、前記中皿の前記収容部及び、前記長溝又は前記長孔より内側部分が、前記開口部を塞ぐことを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
前記台座部及び前記蓋部は、軸線方向視において正方形をなしており、前記中皿が没入した状態で、軸線方向視において重なり一致していることを特徴とする請求項1記載の化粧料容器。
【請求項3】
前記台座部及び前記蓋部は、軸線方向視において円形をなし、重なり一致していることを特徴とする請求項1記載の化粧料容器
【請求項4】
前記台座部において前記開口部に対向する位置には、台座収容部が凹設されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧用収容容器に引き出し部材を設け、当該引き出し部材が出没するものとして以下の特許文献1に記載の化粧用収容容器が知られている。この特許文献1に記載の化粧用収容容器は、容器本体に対してキャップ体を開く方向へ回転操作すると、カム機構を介して、引き出し部材がキャップ体から出現し、キャップ体を逆方向へ回転操作すると、カム機構を介して、引き出し部材がキャップ体に後退するものである。
【0003】
また、以下の特許文献2には、複数の収容皿を多段に重ねて卵状とし、上下に隣接する収容皿の揺動支点の位置を偏った位置とし、収容皿を揺動支点で揺動させて各収容皿を出し入れする小物入れが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4564104号公報
【文献】実公平4-20251
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近においては、化粧料を収容した複数の中皿を化粧料容器で出し入れする要望がある。ここで、特許文献1の構成では、複数の中皿を化粧料容器から出し入れすることはできない。また、特許文献2の構成を採用した場合、中皿を1段ずつ揺動させる必要があり、操作が面倒である。また、中皿が1段ずつずれているため、中皿を出したときの見映えが良くないという問題がある。また、中皿を多段で積み上げることになるため、高さが高く、コンパクト化できないといった問題がある。さらに、中皿を出した状態で中皿同士に重なる部分があるため、収容する化粧料の量が少なくなるといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、見映えが良く、且つ、操作が容易であり、且つ、コンパクト化でき、加えて、化粧料を多く収容できる化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による化粧料容器は、台座部及び台座部上に重ねられ台座部に対して相対回転可能な蓋部を有する相対回転部と、蓋部と台座部との間で中心軸線周りに沿って複数が配置され、化粧料を収容した収容部を有する中皿と、蓋部と台座部とが中心軸線周りに相対回転操作されると、複数の中皿を揺動させて相対回転部から側方へ同時に出現させ、蓋部と台座部とが逆方向へ相対回転操作されると、複数の中皿を逆方向へ揺動させて相対回転部内に同時に没入させるそれぞれの揺動機構と、を備え、揺動機構は、蓋部又は台座部の何れか一方の対向面の外側に突設され、中皿の揺動支点となる軸部と、台座部又は蓋部の他方の対向面の外側に突設されたピンと、中皿に設けられ、中皿が軸部を支点として揺動するようにピンが遊嵌配置される長溝又は長孔と、を備え、蓋部は、中央に開口部を有し、中皿が没入した状態で、中皿の収容部及び、長溝又は長孔より内側部分が、開口部を塞ぐことを特徴としている。
【0008】
このような化粧料容器によれば、複数の中皿が、蓋部と台座部との間で中心軸線周りに沿って配置され、蓋部と台座部との中心軸線周りの相対回転操作によって、複数の中皿がそれぞれの揺動機構により揺動し同時に、蓋部及び台座部よりなる相対回転部から側方へ出現又は相対回転部内に没入するため、見映えが良く、且つ、操作が容易である。また、このように中皿は多段に配置されていないため、高さを低くでき、コンパクト化できる。また、中皿を揺動させる揺動機構は、例えば化粧料容器の中心軸に連結され外側へ延びるアームと中皿とを軸線方向に重ねて連結する構成ではないため、高さをアームの分低くでき、一層コンパクト化できる。また、揺動支点となる軸部が蓋部と台座部との間の外側にあるため、中皿をより大きく外側へ出現させることができ、収容部を大きくでき、化粧料を多く収容できる。また、中皿を出現させた状態で中皿が重ならないため、収容部を大きくでき、化粧料を一層多く収容できる。
【0009】
ここで、上記作用・効果を好適に奏する構成としては、具体的には、蓋部及び台座部は、軸線方向視において正方形をなしており、中皿が没入した状態で、軸線方向視において重なり一致している構成が挙げられる。このような構成によれば、見映えを向上できる。
【0010】
また、蓋部及び台座部は、軸線方向視において円形をなし、重なり一致している構成も挙げられる。このような構成によれば、見映えを向上できる。
【0011】
また、蓋部は、中央に開口部を有し、中皿が没入した状態で、中皿の収容部及び、長溝又は長孔より内側部分が、開口部を塞ぐ構成であると、中皿の収容部及び、長溝又は長孔より内側部分を、蓋として兼用できる。
【0012】
また、台座部において開口部に対向する位置には、台座収容部が凹設されていると、台座収容部に、化粧料塗布具、鏡、金皿等に充填された化粧料を収容でき、使用時に中皿が揺動し出現すると、中皿により塞がれていた開口部が開となり、使用に供することができる。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明によれば、見映えが良く、且つ、操作が容易であり、且つ、コンパクト化を図ることができ、加えて、化粧料の収容量を多くすることができる化粧料容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図である。
図2図1に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図である。
図3図1の状態の台座部及び中皿を示す斜視図であり、一部は台座部及び中皿の分解斜視図である。
図4図2の状態の台座部及び中皿を示す斜視図である。
図5図2の状態の蓋部を点線の中皿と共に下方側から見た斜視図である。
図6】台座部を示す斜視図である。
図7】蓋部を下方側から見た斜視図である。
図8】中皿を示す平面図である。
図9】中皿の裏面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図である。
図11図10に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図である。
図12図10の状態の台座部及び中皿を示す斜視図であり、一部は台座部及び中皿の分解斜視図である。
図13図11の状態の台座部及び中皿を示す斜視図である。
図14図11の状態の蓋部を点線の中皿と共に下方側から見た斜視図である。
図15】台座部を示す斜視図である。
図16】蓋部を下方側から見た斜視図である。
図17】中皿を示す平面図である。
図18】中皿の裏面図である。
図19】本発明の第3実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図である。
図20図19に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図である。
図21図19の状態の台座部及び中皿を示す斜視図であり、一部は台座部及び中皿の分解斜視図である。
図22図20の状態の台座部及び中皿を示す斜視図である。
図23図20の状態の蓋部及び中皿を下方側から見た斜視図である。
図24】台座部を示す斜視図である。
図25】蓋部を下方側から見た斜視図である。
図26】中皿を示す平面図である。
図27】中皿の裏面図である。
図28図21中のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による化粧料容器の好適な実施形態について図1図28を参照しながら説明する。図1図9は、本発明の第1実施形態を、図10図18は、本発明の第2実施形態を、図19図28は、本発明の第3実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
先ず、図1図9に示す第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図、図2は、図1に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図、図3は、図1の状態の台座部及び中皿を示す斜視図、図4は、図2の状態の台座部及び中皿を示す斜視図、図5は、図2の状態の蓋部を点線の中皿と共に下方側から見た斜視図、図6は、台座部を示す斜視図、図7は、蓋部を下方側から見た斜視図、図8及び図9は、中皿を示す各図である。なお、以下の説明において、「上」、「下」、は、図1及び図2に示す化粧料容器を基準とした方向とする。
【0017】
本実施形態の化粧料容器は、中皿に収容された化粧料を被塗布部に塗布する際に用いられるものであり、ここでは、コンパクト容器として用いられている。本実施形態の化粧料容器では、使用者による回転操作により、複数の中皿が化粧料容器の側部から側方へ出現し(図2参照)、逆方向への回転操作により、複数の中皿が化粧料容器内に没入する(図1参照)ものである。以下、具体的に説明する。
【0018】
図1に示すように、化粧料容器100は、台座部1と、台座部1に対向する蓋部2と、台座部1と蓋部2との間に配置された複数の中皿3と、を備えている。
【0019】
台座部1は、図6に示すように、正方形状の底板4の各側面に長方形状の側板5を立設させた有底筒状部6を備えている。底板4の中央には、円筒状を呈し、蓋部2の中心軸12(後述)を受ける中心軸受け7が設けられている。底板4の四隅から側板5に沿って多少反時計回りにずれたそれぞれの位置には、中皿3の長溝20(後述)に進入するピン8が突設されている。
【0020】
図1に示すように、蓋部2は、正方形状の上板9の各側面に長方形状の側板10を立設させた有頂筒状部11を備えている。図7に示すように、有頂筒状部11は、台座部1の有底筒状部6(図6参照)を逆さにした形状を呈している。上板9の中央には、円筒状を呈し、台座部1の中心軸受け7に装着される中心軸12が突設されている。上板9の四隅には、中皿3の揺動支点となる軸部13が突設されている。
【0021】
中皿3は、平板状をなすと共に、図8及び図9に示すように、軸線方向視(上下方向視)において不等辺の四角形状を呈し、ここでは、4個が設けられている(図3参照)。中皿3は、互いに直交する直交面14,15と、長尺な直交面14に鋭角にて繋がる傾斜面16と、短尺な直交面15に鈍角にて繋がると共に傾斜面16に繋がる傾斜面17と、これらの面に連結される上、下面を備えている。
【0022】
図8に示すように、中皿3の上面には、化粧料を収容する収容部18が、側面である直交面14,15、傾斜面16,17に沿って凹設されている。化粧料は、例えば、リップグロス、アイシャドウ、アイカラー、アイブロウ等を始めとした化粧料である。また、化粧料は、例えば、プレスし固形化した粉体化粧料や、充填時には流動性があるが冷えると固化する化粧料等であり、要は、化粧料容器100を傾けても収容部18から流れ出ない化粧料である。なお、図面において化粧料は省略されている。
【0023】
また、中皿3の収容部18と短尺な直交面15との間で、直交面14,15との間の角部には、蓋部2の軸部13が進入する孔19が貫通して設けられている。中皿3の収容部18と直交面15との間の位置に対応する下面には、図9に示すように、孔19から直交面15に沿って傾斜面17に向かって延びる長溝20が、台座部1のピン8を遊嵌配置するものとして凹設されている。長溝20は、ここでは、孔19に連通して設けられているが、連通していなくても良い。
【0024】
そして、図3に示すように、台座部1に全ての中皿3を載置しながら、台座部1のピン8を長溝20に遊嵌配置し(図4も参照)、中皿3の傾斜面16と隣接する中皿3の傾斜面17とを接触させる。この状態で、台座部1の側板5の外周面と中皿3の直交面14,15とは面一となる。この状態で、中皿3の内側の部分同士の間には中心軸12が通る空間が形成されている。また、台座部1のピン8は、ここでは、長溝20内の長手方向の途中に位置している。なお、台座部1のピン8は、長溝20の長手方向の端部(ピン8が当接する後述の回転限の端部とは反対側の端部)に位置していても良い。
【0025】
この状態で、台座部1及び中皿3に、蓋部2を、軸線方向視において台座部1に重なり一致するように被せ、図5を参照して説明すれば、蓋部2の軸部13を中皿3の孔19に挿入すると共に、蓋部2の中心軸12を、図6に示す台座部1の中心軸受け7に圧入し回転可能且つ軸線方向移動不能に装着することにより、図1に示すように、中皿3が台座部1と蓋部2との間に挟み込まれ没入した化粧料容器100が得られる。
【0026】
そして、台座部1に設けられたピン8、蓋部2に設けられ、中皿3の孔19に挿入されて中皿3の揺動支点となる軸部13、及び、中皿3に設けられ、ピン8が遊嵌配置される長溝20により、中皿3を揺動させる揺動機構21が構成されている(図6図7及び図9参照)。また、中心軸12及び中心軸受け7により、台座部1と蓋部2とを相対回転させる回転機構が構成されている。また、台座部1及び台座部1上に重ねられ台座部1に対して相対回転可能な蓋部2により相対回転部93が構成されている(図1参照)。
【0027】
このように構成された化粧料容器100によれば、図1に示す非使用状態から使用に供する場合には、使用者は、蓋部2と台座部1をそれぞれ把持し、蓋部2と台座部1を中心軸線P(台座部1及び蓋部2の中心軸線;図4及び図5参照)周りに相対回転操作する。ここでは、使用者が、蓋部2を反時計回りに回転操作したとして説明する。
【0028】
すると、蓋部2の回転に伴い、図4を参照して説明すれば、全ての中皿3は、孔19に進入している蓋部2の軸部13(図5参照)を揺動支点とし、長溝20内でのピン8の位置が移動しながら、反時計回りに揺動する。これにより、中皿3は、台座部1と蓋部2との間から外部へ出現してくる。
【0029】
そして、台座部1のピン8が、長溝20の長手方向の端部に当接すると蓋部2が回転限となり、図2に示す状態となる(図4及び図5も参照)。この状態では、全ての中皿3の収容部18は、ほぼ全体が、台座部1と蓋部2との間から外部に出現(露出)している。
【0030】
この状態で、使用者は、パフ、チップ、ブラシ等の化粧料塗布具や指に、収容部18内の化粧料を付け、例えば肌等の被塗布部に塗布する。
【0031】
塗布が終了したら、使用者は、蓋部2を逆方向の時計回りに回転操作する。すると、蓋部2の回転に伴い、全ての中皿3は、孔19に進入している蓋部2の軸部13を揺動支点とし、長溝20内でのピン8の位置が移動しながら、時計回りに揺動する。そして、台座部1のピン8が、長溝20の元の位置まで移動すると、中皿3の傾斜面16,17同士が接触し(図3参照)、蓋部2が回転限となる。この状態で、全ての中皿3は、台座部1と蓋部2との間に没入し、図1に示す状態となる。
【0032】
このように、本実施形態によれば、複数の中皿3が、蓋部2と台座部1との間で中心軸線P周りに沿って配置され、蓋部2と台座部1との中心軸線P周りの相対回転操作によって、複数の中皿3がそれぞれの揺動機構21により揺動し同時に、蓋部2及び台座部1よりなる相対回転部93から側方へ出現又は相対回転部93内に没入するため、見映えが良く、且つ、操作が容易である。また、このように中皿3は多段に配置されていないため、高さを低くでき、コンパクト化できる。また、中皿3を揺動させる揺動機構21は、例えば化粧料容器の中心軸に連結され外側へ延びるアームと中皿とを軸線方向に重ねて連結する構成ではないため、高さをアームの分低くでき、一層コンパクト化できる。また、揺動支点となる軸部13が蓋部2と台座部1との間の外側にある(詳しくは、揺動支点となる軸部13の方がピン8より径方向外側に位置している。換言すれば、中心軸線Pと軸部13を結ぶ線分の方が中心軸線Pとピン8を結ぶ線分より長い。;以降の実施形態でも位置、長さ関係は同じ)ため、中皿3をより大きく外側へ出現させることができ、収容部18を大きくでき、化粧料を多く収容できる。また、中皿3を出現させた状態で中皿3が重ならないため、収容部18を大きくでき、化粧料を一層多く収容できる。
【0033】
また、蓋部2及び台座部1は、軸線方向視において正方形をなしており、中皿3が没入した状態で、軸線方向視において重なり一致しているため、見映えが良い。
【0034】
次いで、第2実施形態を説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図、図11は、図10に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図、図12は、図10の状態の台座部及び中皿を示す斜視図であり、一部は台座部及び中皿の分解斜視図、図13は、図11の状態の台座部及び中皿を示す斜視図、図14は、図11の状態の蓋部を点線の中皿と共に下方側から見た斜視図、図15は、台座部を示す斜視図、図16は、蓋部を下方側から見た斜視図、図17及び図18は、中皿を示す各図である。
【0035】
図10に示すように、第2実施形態の化粧料容器200が第1実施形態の化粧料容器100と違う点は、平面視正方形の形状を平面視円形の形状とした点であり、台座部1に代えて台座部31が、蓋部2に代えて蓋部32が、中皿3に代えて中皿33が、それぞれ用いられている。
【0036】
台座部31は、図15に示すように、円形状の底板34の側面に円筒状の側板35を立設させた有底筒状部36を備えている。底板34の中央には、第1実施形態と同様な中心軸受け7が設けられ、底板34の外周側には、側板35に沿って多少内側の位置に、中皿33の長溝50(後述)に進入するピン38が、周方向に等間隔に離間して4個突設されている。
【0037】
図10に示すように、蓋部32は、円形状の上板39の側面に円筒状の側板40を立設させた有頂筒状部41を備えている。図16に示すように、有頂筒状部41は、台座部31の有底筒状部36を逆さにした形状を呈している。上板39の中央には、第1実施形態と同様な中心軸12が突設されている。上板39の外周側には側板40に沿い周方向に等間隔に離間して、中皿33の揺動支点となる軸部43が4個突設されている。軸部43は、軸線方向視において、ピン38より外側に位置している。また、中皿33が蓋部32と台座部31との間に没入した状態(図10参照)で、軸部43は、軸線方向視において、ピン38より時計回りに多少ずれて位置している。
【0038】
中皿33は、平板状をなすと共に、図17及び図18に示すように、軸線方向視(上下方向視)において略扇形を呈し、ここでは、4個が設けられている(図12参照)。中皿33は、外側の円弧面44と、円弧面44の両側と扇形の扇頂部(頂点を含む軸線方向の辺)とをそれぞれ繋ぐ連結面46,47と、これらの面に連結される上、下面を備えている。
【0039】
図17に示すように、中皿33の上面には、化粧料を収容する収容部48が、円弧面44及び連結面46に沿って凹設されると共に、扇頂部から円弧面に44に向かうに従い連結面47から湾曲しながら徐々に離れるように凹設されている。
【0040】
また、中皿33の収容部48と連結面47との間で、円弧面44寄り且つ収容部48寄りの位置には、蓋部32の軸部43が進入する孔49が貫通して設けられている。中皿33の収容部48と連結面47との間の位置に対応する下面には、図18に示すように、孔49から連結面47に向かって斜めに交差するように延びる長溝50が、台座部31のピン38を遊嵌配置するものとして凹設されている。長溝50は、ここでは、孔49に連通して設けられているが、連通していなくても良い。
【0041】
そして、図12に示すように、台座部31に全ての中皿33を載置しながら、台座部31のピン38を長溝50に遊嵌配置し(図13も参照)、中皿33の連結面46と隣接する中皿33の連結面47とを接触させる。この状態で、台座部31の側板35の外周面と中皿33の円弧面44とは面一となる。この状態で、中皿33の内側の部分同士の間には、第1実施形態と同様に、中心軸12が通る空間が形成されている。また、台座部31のピン38は、ここでは、長溝50内の長手方向の途中に位置している。なお、台座部31のピン38は、長溝50の長手方向の端部(ピン38が当接する後述の回転限の端部とは反対側の端部)に位置していても良い。
【0042】
この状態で、第1実施形態と同様に、台座部31及び中皿33に、蓋部32を、軸線方向視において台座部31に重なり一致するように被せ、図14を参照して説明すれば、蓋部32の軸部43を中皿33の孔49に挿入すると共に、蓋部32の中心軸12を、図15に示す台座部31の中心軸受け7に圧入し回転可能且つ軸線方向移動不能に装着することにより、図10に示すように、中皿33が台座部31と蓋部32との間に挟み込まれ没入した化粧料容器200が得られる。
【0043】
そして、台座部31に設けられたピン38、蓋部32に設けられ、中皿33の孔49に挿入されて中皿33の揺動支点となる軸部43、及び、中皿33に設けられ、ピン38が遊嵌配置される長溝50により、中皿33を揺動させる揺動機構51(図15図16及び図18参照)が構成されている。また、台座部31及び蓋部32により相対回転部94が構成されている(図10参照)。
【0044】
このように構成された化粧料容器200によれば、図10に示す非使用状態から使用に供する場合には、使用者は、蓋部32と台座部31をそれぞれ把持し、蓋部32と台座部31を中心軸線P(台座部31及び蓋部32の中心軸線;図13及び図14参照)周りに相対回転操作する。ここでは、使用者が、蓋部32を反時計回りに回転操作したとして説明する。
【0045】
すると、蓋部32の回転に伴い、図13を参照して説明すれば、全ての中皿33は、孔49に進入している蓋部32の軸部43(図14参照)を揺動支点とし、長溝50内でのピン38の位置が移動しながら、反時計回りに揺動する。これにより、中皿33は、台座部31と蓋部32との間から外部へ出現してくる。
【0046】
そして、台座部31のピン38が、長溝50の長手方向の端部に当接すると蓋部32が回転限となり、図11に示す状態となる(図13及び図14も参照)。この状態では、全ての中皿33の収容部48は、ほぼ全体が、台座部31と蓋部32との間から外部に出現(露出)している。
【0047】
この状態で塗布を行い、塗布が終了したら、使用者は、蓋部32を逆方向の時計回りに回転操作する。すると、蓋部32の回転に伴い、全ての中皿33は、孔49に進入している蓋部32の軸部43を揺動支点とし、長溝50内でのピン38の位置が移動しながら、時計回りに揺動する。そして、台座部31のピン38が、長溝50の元の位置まで移動すると、中皿33の連結面46,47同士が接触し(図12参照)、蓋部32が回転限となる。この状態で、全ての中皿33は、台座部31と蓋部32との間に没入し、図10に示す状態となる。
【0048】
このような第2実施形態の化粧料容器200にあっても、第1実施形態と同様な作用・効果を奏する。すなわち、複数の中皿33が、蓋部32と台座部31との間で中心軸線P周りに沿って配置され、蓋部32と台座部31との中心軸線周りの相対回転操作によって、複数の中皿33がそれぞれの揺動機構51により揺動し同時に、蓋部32及び台座部31よりなる相対回転部94から側方へ出現又は相対回転部94内に没入するため、見映えが良く、且つ、操作が容易である。また、このように中皿33は多段に配置されていないため、高さを低くでき、コンパクト化できる。また、中皿33を揺動させる揺動機構51は、例えば化粧料容器の中心軸に連結され外側へ延びるアームと中皿とを軸線方向に重ねて連結する構成ではないため、高さをアームの分低くでき、一層コンパクト化できる。また、揺動支点となる軸部43が蓋部32と台座部31との間の外側にあるため、中皿33をより大きく外側へ出現させることができ、収容部48を大きくでき、化粧料を多く収容できる。また、中皿33を出現させた状態で中皿33が重ならないため、収容部48を大きくでき、化粧料を一層多く収容できる。
【0049】
また、台座部31及び蓋部32は、軸線方向視において円形をなし、重なり一致しているため、見映えが良い。
【0050】
なお、第1実施形態及び第2実施形態においては、中皿3,33を揺動させるアームがないため、中皿3,33を中心軸12近くまで没入できる結果、中皿3,33を大きくできて収容部18,48を大きくでき、化粧料を一層多く収容できる。
【0051】
因みに、第1、第2実施形態においては、中心軸12を蓋部2,32に設け、中心軸受け7を台座部1,31に設けているが、中心軸12を台座部1,31に設け、中心軸受け7を蓋部2,32に設けるようにしても良い。
【0052】
また、第1、第2実施形態においては、台座部1,31が有底筒状部6,36、蓋部2,32が有頂筒状部11、41を備える構成となっているが、台座部1,31、蓋部2,32は所定の厚みを有する平板であっても良い。
【0053】
次いで、第3実施形態を説明する。図19は、本発明の第3実施形態に係る化粧料容器を示す斜視図であり、中皿が没入した状態を示す斜視図、図20は、図19に示す状態から中皿が出現した状態を示す斜視図、図21は、図19の状態の台座部及び中皿を示す斜視図であり、一部は台座部及び中皿の分解斜視図、図22は、図20の状態の台座部及び中皿を示す斜視図、図23は、図20の状態の蓋部及び中皿を下方側から見た斜視図、図24は、台座部を示す斜視図、図25は、蓋部を下方側から見た斜視図、図26及び図27は、中皿を示す各図、図28は、図21中のXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
【0054】
図19に示すように、第3実施形態の化粧料容器300が第2実施形態の化粧料容器200と違う点は、台座部31に代えて台座部61が、蓋部32に代えて蓋部62が、中皿33に代えて中皿63が、それぞれ用いられており、概略、中皿63が蓋の機能を兼ね備える点と、台座部61と蓋部62とを相対回転させる回転機構が、第2実施形態の中心軸線Pの位置から外周側に位置している点が、第2実施形態と異なっている。
【0055】
台座部61は、図24及び図28に示すように、円形状の底板64と、底板64上に同軸に立設され、外径が底板64より小径且つ径方向に幅広で、高さが低い円筒部65と、を備え、底板64及び円筒部65により中央に凹部が形成されている。この凹部は、例えば、パフ、チップ、ブラシ等の化粧料塗布具、鏡、金皿等に充填された化粧料を収容するための台座収容部66とされている。また、円筒部65の外周面及び底板64の上面により、側方及び上方に開放された凹部82が円環状に形成されている。凹部82を形成する円筒部65の外周面には、蓋部62を装着するための凸部90が円環状に設けられている。台座部61の外周側であり円筒部65の内周寄りの上面には、中皿63の長孔80(後述)に進入するピン68が、周方向に等間隔に離間して4個突設されている。
【0056】
図19及び図28に示すように、蓋部62は、中央に上下に貫通する開口部83を有する円形状の上板69の外周側の下面に、径方向に幅狭の円筒状の側板70を立設させた有頂筒状部71を備えている。図25及び図28に示すように、有頂筒状部71の上板69の開口部83は円形状を呈し、その大きさ及び位置は、概ね、台座収容部66の大きさ及び位置に対応している。上板69の外周面と側板70の外周面とは面一となっている。
【0057】
側板70には、側板70を径方向に貫通する開口部84が、周方向に沿って長尺に4個等間隔に開口されている。開口部84は、中皿33を出現又は没入させるための開口である。側板70において周方向の開口部84,84同士の間の内周面には、上板69から側板70の開口部84より下側部分あたりまでを繋ぎ内側に膨出する膨出部85が形成されている。側板70の下側の内周面には、台座部61の凸部90に軸線方向に係合する凹部91が円環状に設けられている。この側板70の凹部91と円筒部65の凸部90により、台座部61と蓋部62とを相対回転させる回転機構が構成されている。
【0058】
上板69の下面の外周側には、周方向に沿って等間隔に離間して、中皿63の揺動支点となる軸部73が4個突設されている。軸部73は、軸線方向視において、ピン68より外側に位置している。また、軸部73は、膨出部85寄りの位置に設けられている。また、中皿63が開口部84に没入した状態(図19参照)で、軸部73は、軸線方向視において、ピン68より時計回りに多少ずれて位置している。
【0059】
中皿63は、平板状をなすと共に、図26及び図27に示すように、軸線方向視(上下方向視)において略扇形を呈し、ここでは、4個が設けられている(図21参照)。中皿63は、外側の円弧面74と、円弧面74の両側と扇形の扇頂部とをそれぞれ繋ぐ連結面76,77と、これらの面に連結される上、下面を備えている。中皿63の連結面77と円弧面74とは、中皿63の出没時の膨出部85との干渉を避けるべく、R面で繋がっている。
【0060】
中皿63は、図19に示すように、開口部84に没入した状態において、蓋の機能を備えるべく、蓋部62の開口部83に対応する位置の外側に、図26に示すように、収容部78を備えている。収容部78は、円弧面74に沿う外側の大径円弧面96と、円弧面74に沿う内側の小径円弧面97と、これらの大径円弧面96と小径円弧面97とを繋ぐ連結面88,89とにより画成される凹部である。
【0061】
また、中皿63の収容部78と連結面77との間で、円弧面74寄り且つ収容部78寄りの位置には、蓋部62の軸部73が進入する孔79が貫通して設けられている。中皿63の収容部78と連結面77との間には、図26及び図27に示すように、孔79から連結面77に向かって斜めに交差するように延びる長孔80が、台座部61のピン68を遊嵌配置するものとして凹設されている。長孔80は、ここでは、孔79に連通して設けられているが、連通していなくても良い。
【0062】
また、中皿63は、図19に示すように、開口部84に没入した状態において、図21に示すように、隣接する中皿63,63同士の間に隙間がないように、全ての連結面76,77同士が接触するようになっている。なお、扇形の扇頂部同士の間には若干の隙間があってもなくても良い。
【0063】
そして、図21に示すように、台座部61に全ての中皿63を載置しながら、台座部61のピン68を長孔80に遊嵌配置し(図22も参照)、中皿63の連結面76と隣接する中皿63の連結面77とを接触させる。この状態で、中皿63の円弧面74は、化粧料容器300の開口部84より内側に位置している(図19及び図28参照)。また、台座部61のピン68は、ここでは、長孔80内の長手方向の途中に位置している。なお、台座部61のピン68は、長孔80の長手方向の端部(ピン68が当接する後述の回転限の端部とは反対側の端部)に位置していても良い。
【0064】
この状態で、台座部61及び中皿63に、蓋部62を、軸線方向視において台座部61に重なり一致するように被せ、図23を参照して説明すれば、蓋部62の軸部73を中皿63の孔79に挿入すると共に、図28に示すように、蓋部62の凹部91を台座部61の凸部90に圧入し回転可能且つ軸線方向移動不能に装着することにより、図19に示すように、中皿63が開口部84に没入した化粧料容器300が得られる。
【0065】
そして、台座部61に設けられたピン68、蓋部62に設けられ、中皿63の孔79に挿入されて中皿63の揺動支点となる軸部73、及び、中皿63に設けられ、ピン68が遊嵌配置される長孔80により、中皿63を揺動させる揺動機構81(図24図25図27参照)が構成されている。また、台座部61及び蓋部62により相対回転部95が構成されている(図19参照)。
【0066】
このように構成された化粧料容器300によれば、図19に示す非使用状態にあっては、図21及び図26に示す中皿63の収容部78及び長孔80より内側部分92が、図19及び図28に示すように、蓋部62の開口部83を台座部61側から塞いだ状態となっている。
【0067】
この状態から使用に供する場合には、使用者は、蓋部62と台座部61をそれぞれ把持し、蓋部62と台座部61を中心軸線P(台座部61及び蓋部62の中心軸線;図21及び図28参照)周りに相対回転操作する。ここでは、使用者が、蓋部62を反時計回りに回転操作したとして説明する。
【0068】
すると、蓋部62の回転に伴い、図22及び図23を参照して説明すれば、全ての中皿63は、孔79に進入している蓋部62の軸部73を揺動支点とし、長孔80内でのピン68の位置が移動しながら、反時計回りに揺動する、これにより、中皿63は、相対回転部95を構成する蓋部62の開口部84から外部へ出現してくる。
【0069】
そして、台座部61のピン68が、長孔80の長手方向の端部に当接すると蓋部62が回転限となり、図20に示す状態となる(図22及び図23も参照)。この状態では、全ての中皿63の収容部78は、ほぼ全体が、開口部84から外部に出現(露出)している。
【0070】
この状態では、中皿63により塞がれていた開口部83が開となり、台座収容部66の化粧料塗布具、鏡、化粧料を使用に供することができる。
【0071】
そして、使用が終了したら、使用者は、蓋部62を逆方向の時計回りに回転操作する。すると、蓋部62の回転に伴い、全ての中皿63は、孔79に進入している蓋部62の軸部73を揺動支点とし、長孔80内でのピン68の位置が移動しながら、時計回りに揺動する。そして、台座部61のピン68が、長孔80の元の位置まで移動すると、中皿63の連結面76,77同士が接触し(図21参照)、蓋部62が回転限となる。この状態で、全ての中皿63は、相対回転部95を構成する蓋部62の開口部84に没入し、図19に示す状態となる。
【0072】
なお、蓋部62の開口部84は、相対回転部95を構成する台座部61に設けることもできる。具体的には、台座部61に上方へ延びる円筒状の側板を設けると共に、回転機構を上部に移設し、台座部61の側板に、中皿63が出没する開口部84を設ければ良い。
【0073】
このような第3実施形態の化粧料容器300にあっても、第2実施形態と同様な作用・効果を奏する。すなわち、複数の中皿63が、蓋部62と台座部61との間で中心軸線P周りに沿って配置され、蓋部62と台座部61との中心軸線P周りの相対回転操作によって、複数の中皿63がそれぞれの揺動機構81により揺動し同時に、蓋部62及び台座部61よりなる相対回転部95から側方へ出現又は相対回転部95内に没入するため、見映えが良く、且つ、操作が容易である。また、このように中皿63は多段に配置されていないため、高さを低くでき、コンパクト化できる。また、中皿63を揺動させる揺動機構81は、例えば化粧料容器の中心軸に連結され外側へ延びるアームと中皿とを軸線方向に重ねて連結する構成ではないため、高さをアームの分低くでき、一層コンパクト化できる。また、揺動支点となる軸部73が蓋部62と台座部61との間の外側にあるため、中皿63をより大きく外側へ出現させることができ、収容部78を大きくでき、化粧料を多く収容できる。また、中皿63を出現させた状態で中皿63が重ならないため、収容部78を大きくでき、化粧料を一層多く収容できる。
【0074】
加えて、蓋部62は、中央に開口部83を有し、中皿63が没入した状態で、中皿63の収容部78及び長孔80より内側部分92が、開口部83を塞ぐ構成のため、中皿63の収容部78及び長孔80より内側部分92を、蓋として兼用できる。
【0075】
また、台座部61において開口部83に対向する位置には、台座収容部66が凹設されているため、台座収容部66に化粧料塗布具、鏡、金皿等に充填された化粧料を収容でき、使用時に中皿63が揺動し出現すると、中皿63により塞がれていた開口部83が開となり、使用に供することができる。
【0076】
なお、第3実施形態の回転機構を、第1、第2実施形態に適用することも可能である。これによれば、第1、第2実施形態の中皿3,33の外形形状を、中皿63と同様に中心軸線Pへ拡大でき、収容部18,48を大きくできることにより、化粧料を一層多く収容できる。
【0077】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、中皿3,33の長溝20,50は、ピン8,38が遊嵌配置されれば、中皿3,33を貫通する長孔であっても良い。また、中皿63の長孔80は、ピン68が遊嵌配置されれば、長溝であっても良い。また、孔19,49,79は貫通していなくても良い。
【0078】
また、ピン8,38,68を台座部1、31,61に設け、揺動支点となる軸部13,43,73を蓋部2,32,62に設けても良い。すなわち、蓋部2,32,62又は台座部1、31,61の何れか一方の対向面にピンを設け、蓋部2,32,62又は台座部1、31,61の他方の対向面に軸部を設けても良い。また、ピン8,38,68の形状は、円柱以外に多角柱であっても良い。
【0079】
また、中皿3,33,63の個数は上記実施形態の個数に限定されるものではなく、複数個であれば良い。
【符号の説明】
【0080】
1,31,61…台座部、2,32,62…蓋部、3,33,63…中皿、8,38,68…ピン、13,43,73…軸部、18,48,78…収容部、20,50…長溝、21,51,81…揺動機構、66…台座収容部、80…長孔、83…開口部、92…内側部分、93,94,95…相対回転部、100,200,300…化粧料容器、P…中心軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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