(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】コンクリート製のブロック製品
(51)【国際特許分類】
E01H 11/00 20060101AFI20230621BHJP
E01C 11/22 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
E01H11/00 A
E01C11/22 B
E01C11/22 A
(21)【出願番号】P 2019112544
(22)【出願日】2019-06-18
【審査請求日】2022-04-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年10月2日にチラシにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000187600
【氏名又は名称】松岡コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】河邊 伸二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】松岡 重吉
(72)【発明者】
【氏名】呉 偉軍
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-118769(JP,A)
【文献】登録実用新案第3182345(JP,U)
【文献】特開2006-052626(JP,A)
【文献】特開2007-291825(JP,A)
【文献】登録実用新案第3168876(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 11/00
E01C 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト舗装材層と接触するコンクリート製のブロック製品であって、
前記アスファルト舗装材層の突き当て面として機能する側面に、前記アスファルト舗装材層の上面若しくは下面と接する段差面が設けられるとともに、
前記段差面には、前記ブロック製品の幅方向外側に位置する第1傾斜面および幅方向内側に位置する第2傾斜面を備えたノッチ溝が形成されており、
前記第1傾斜面の水平面に対する傾斜角度が、前記第2傾斜面の水平面に対する傾斜角度よりも大きい、ブロック製品であって、
前記側面と前記第2傾斜面との間に略水平部分が介在される、ことを特徴とするブロック
製品において、
前記略水平部分には、前記ブロック製品の長手方向に間隔を隔てて、上下方向に突出する堰及び/又は凹部が複数形成されているブロック製品。
【請求項2】
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間に略水平の底面が介在される、請求項1に記載のブロック製品。
【請求項3】
前記第1傾斜面の傾斜角度が70~88°である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブロック製品。
【請求項4】
前記ノッチ溝は、溝深さが10~30mmで且つ開口幅が20mm以上である、ことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のブロック製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防草機能を有するコンクリート製のブロック製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、道路において、車道と歩道の間や車道と中央分離帯の間には、それらの境界を仕切るコンクリート製のブロックが設置されている。そのような道路の施工方法としては、先に設置したブロックの側面に、アスファルトコンクリート等の舗装材を打設し、これを硬化させることにより車道又は歩道を形成する方法が取られる。この場合、アスファルトコンクリートから成るアスファルト舗装材層が経年により膨張、収縮を繰り返し、アスファルト舗装材層とブロックとの間に鉛直方向の隙間が発生することがある。
【0003】
そのような隙間から土、埃、或いは雨水や雑草の種子が入り込み、雑草が繁茂する場合がある。そうした雑草を放置すると、その成長に伴って景観が悪化し、更には、成長した雑草が運転者や歩行者の視界を遮ったり、道路や車道側へはみ出したりすることで、交通の安全性を著しく低下させるという問題を生じ得る。そのため、定期的に雑草を除去する作業が必要となり、作業そのものが危険であるとともに膨大な作業コストが発生する。
このような問題を解決するため、アスファルト舗装材層とブロックとの隙間からの雑草の繁茂を抑制する効果(即ち、防草効果)を狙ったブロックが種々提案されている。例えば、下記特許文献1及び2では、ブロックの側面に、アスファルト舗装材層の下面と接する防草面を設けるとともに、この防草面に斜め上向きの傾斜面を設けたものが開示されている。
また特許文献3及び4に、アスファルトの膨張、収縮を抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許3900500号公報
【文献】実用新案登録第3182345号公報
【文献】特許581444号公報
【文献】特許5285182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1及び2で提案されている防草機能を有するブロックは、主にアスファルト舗装材層とブロックとの隙間に入り込んだ種子における根の伸長を抑制することを目的としており、アスファルト舗装材層とブロックとの隙間の拡大自体を抑制する効果については必ずしも十分でない。
また、特許文献3及び4で提案されているブロックでは、道路改修工事においてアスファルト舗装材を貼り直すべく、旧アスファルトをめくり取るとき、アスファルト舗装材と接する面の凸部が欠けてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、経年によるアスファルト舗装材層とブロック製品との隙間の拡大を抑制し得て、防草機能を高めることが可能なブロック製品を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明に想到した。
この発明の第1の局面は次のように規定される。即ち、
アスファルト舗装材層と接触するコンクリート製のブロック製品であって、
前記アスファルト舗装材層の突き当て面として機能する側面に、前記アスファルト舗装材層の上面若しくは下面と接する段差面が設けられるとともに、
前記段差面には、前記ブロック製品の幅方向外側に位置する第1傾斜面および幅方向内側に位置する第2傾斜面を備えたノッチ溝が形成されており、
前記第1傾斜面の水平面に対する傾斜角度が、前記第2傾斜面の水平面に対する傾斜角度よりも大きい。
この明細書において、ブロック製品の幅方向とはブロック製品の長手方向軸に対して垂直な方向、即ち、アスファルト舗装材層から離れる方向を指す。そして幅方向外側とはアスファルト舗装材層側であり、幅方向内側とはブロック製品の長手方向軸側である。
【0008】
このように規定される第1の局面のブロック製品によれば、道路等の施工時に、アスファルトコンクリートを打設し、平坦に整地される過程で、アスファルトコンクリートの一部がノッチ溝内に充填されるため、ノッチ溝内に充填されたアスファルトコンクリートとノッチ溝の第1傾斜面との係合により、アスファルト舗装材層の移動が規制され、これによりアスファルト舗装材層とブロック製品との隙間の拡大を抑制することができる。
ここで第1の局面のブロック製品では、ノッチ溝における第1傾斜面の水平面に対する傾斜角度を大きく、第2傾斜面の水平面に対する傾斜角度を小さくしているため、ノッチ溝の開口幅を確保しつつ第1傾斜面を鉛直に近い状態で立ち上がらせて、前記隙間の拡大を抑制する効果を高めることができる。
また、道路補修時に旧アスファルト舗装材層を除去するとき、一般的にブロック製品側の縁からめくりあげる。当該めくり作業においてノッチ溝の内側の傾斜面(第2傾斜面))を比較的なだらかに(即ち、水平面に対する傾斜角度を小さく)形成しているので、めくり作業に対する抵抗が小さくなる。これにより、アスファルト舗装材層のめくり時にノッチ溝は損傷をほとんど受けなくなる。
【0009】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面で規定のブロック製品において、前記第1傾斜面の傾斜角度が70~88°である。より好ましい第1傾斜面の傾斜角度は75~88°である。
【0010】
この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、
第1又は第2の局面に規定のブロック製品において、前記ノッチ溝は、溝深さが10~30mmで且つ開口幅が20mm以上である。
アスファルト舗装材層とブロック製品との隙間の拡大を抑制するためには、ノッチ溝の溝深さを10mm以上とすることが有効である。しかしながら溝深さを過度に大きくすればブロック製品の製造性が悪化するため、溝深さは10~30mmの範囲内とすることが望ましい。
一方、舗装材であるアスファルトコンクリート中に含まれる砕石等の骨材は、その多くが大きさ20mm以下であるため、ノッチ溝の開口幅を20mm以上とすることで、骨材がノッチ溝内に嵌り込み易くなり、アスファルト舗装材層の経時的な収縮に対する抵抗力を高めることができる。
【0011】
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、
第1~第3の何れかの局面に規定のブロック製品において、前記段差面には長手方向に間隔を隔てて、上下方向に突出する堰及び/又は凹部が複数形成されている。
このように規定される第4の局面のブロック製品によれば、アスファルト舗装材層とブロック製品との隙間に雑草の種子が入り込んだ場合でも、種子の根が段差面の長手方向に伸長するのを堰及び/又は凹部により良好に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明の第1実施形態に係る側溝用ブロックを表す概略図であり、
図1(A)は平面図、
図1(B)は正面図、
図1(C)は
図1(A)におけるIC-IC矢視線断面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1(A)におけるIIA-IIA矢視線断面図、
図2(B)は
図2(A)のB部を拡大して示した図である。
【
図3】
図3は施工された状態での側溝用ブロックの要部を示した図である。
【
図4】
図4は
図1(A)におけるIV-IV矢視線断面図である。
【
図5】
図5は側溝用ブロックの変形例を示し、
図5(A)は堰を設けた例の斜視図、
図5(B)は凹部を設けた例の斜視図である。
【
図6】
図6は本発明の第2実施形態に係る縁石を表す概略図であり、
図6(A)は断面図、
図6(B)は
図6(A)のB部を拡大して示した図である。
【
図7】
図7は本発明の各実施形態におけるノッチ溝の変形例を示した図である。
【
図8】
図8は本発明の第3実施形態に係る縁石を表す概略図であり、
図8(A)は断面図、
図8(B)は
図8(A)のB部を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1(A)、
図1(B)および
図1(C)は、本発明の第1実施形態に係る側溝用ブロック1の平面図、正面図および長手方向に沿ったIC-IC矢視線断面図を示している。また、
図2(A)は
図1(A)におけるIIA-IIA矢視線断面図、
図2(B)は
図2(A)のB部を拡大して示した図である。
図1(B)、
図1(C)および
図2(A)、
図2(B)における上下方向は、側溝用ブロック1を実際に使用する際の上下方向と略同じである。
【0015】
この側溝用ブロック1は、道路や公園等に施設された路面の側部に埋設され、路面の表面を流れる雨水等を排水するために用いられる。側溝用ブロック1はコンクリート製で、
図2(A)に示すように、上壁2、両側壁3,4および底壁5が一体に形成されており、内部には長手方向に貫通する排水孔6が形成されている。
【0016】
側溝用ブロック1は、長手方向の端部に一対の連結面8,9を有している。これら連結面8,9は、複数の側溝用ブロック1を長手方向に並べて設置する際に向かい合わせとなる面である。
【0017】
側溝用ブロック1の大きさは適宜決定されるものであるが、
図1(B)で示す側溝用ブロック1の長さ寸法Lは2000mm、また高さ寸法Hは460mmを例示することができる。なお、両側壁3,4および底壁5には、鉄筋等の補強部材を埋設することも可能である。
【0018】
図2(A)に示すように、上壁2の表面である天面11には、両縁から中央に向かって雨水が流れるように、ブロック製品の幅方向に若干の傾斜が設けてあり、天面11の中央には長手方向に沿って幅狭の溝12が形成されている。溝12の下方には、溝12と排水孔6とを連通するスリット14が長手方向に延びる形態で形成されている。スリット14は、側溝用ブロック1の一端から他端まで、即ち連結面8から連結面9まで連続して形成される場合の他、
図1(C)に示すように長手方向の一部を閉鎖状態とすることもできる。なお、スリット14は、
図2(A)に示すように、下方に向かって孔径が漸次大きくなるように形成されており、雨水とともにスリット14内に流れ込んだ小石等が孔内で詰まってしまうのを防止している。
【0019】
本例の側溝用ブロック1では、側壁3の表面である側面16(
図2(A)参照)がアスファルト舗装材層に接触する部分とされ、側面16はアスファルト舗装材層との突き当て面として機能する(
図3(A)参照)。一方、側面16とは反対側の側面18の側に構築される構造物は任意であるが、ここでは縁石とする。
【0020】
図2(A)に示すように、側溝用ブロック1では、天面11と側面16が交わる隅角部が長手方向に亘って切り欠かれており、側面16は、設置姿勢において上方に位置する上部側面20および下方に位置する下部側面22、更に上部側面20の下端部と下部側面22の上端部を繋ぐ上向きの段差面24を備えている。この段差面24は、
図1(B)に示すように長手方向の一端側の連結面8から他端側の連結面9に到るまで連続して形成されている。段差面24は、
図3(A)に示すように、アスファルト舗装材層31の下面と接し、アスファルト舗装材層31を支持するとともに、アスファルト舗装材層31と側溝用ブロック1との間の隙間Sに雑草の種子が入り込んだ場合でも、種子の根が下方に向けて伸長するのを阻止する。
【0021】
図2(B)の部分拡大図に示すように、段差面24には、略水平方向に延びる略水平部分25の一部を凹陥させたノッチ溝26が形成されている。このノッチ溝26は、側溝用ブロック1の幅方向外側に位置する第1傾斜面27と側溝用ブロック1の幅方向内側に位置する第2傾斜面28を備え、断面形状が略V字状をなしている。そして、第1傾斜面27の水平面に対する傾斜角度αが、第2傾斜面28の水平面に対する傾斜角度βよりも大きくなるように構成され、傾斜角度αは70~88°の範囲内に設定されている。また、ノッチ溝26の溝深さDは10~30mmの範囲内に設定され、ノッチ溝26の開口幅Wは20mm以上(ここでは22mm)に設定されている。なお、本例では、
図1(A)に示すように、ノッチ溝26が長手方向の一端側の連結面8から他端側の連結面9まで連続して形成されているが、場合によってはノッチ溝26を断続的に形成することも可能である。
【0022】
このように構成された側溝用ブロック1の側面16の側にアスファルトコンクリートから成るアスファルト舗装材層31が施工された場合、
図3(A)に示すように、アスファルト舗装材層31は、下面で段差面24と接するとともに、段差面24に形成されたノッチ溝26と嵌り合う充填部32を形成する。このため側溝用ブロック1によれば、ノッチ溝26の第1傾斜面27とノッチ溝26内の充填部32との係合作用により、アスファルトコンクリートの収縮によるアスファルト舗装材層31の図中右方向の移動が規制され、アスファルト舗装材層31と側溝用ブロック1との隙間Sの拡大が抑制される。
【0023】
ここで側溝用ブロック1では、
図2(B)に示すように、第1傾斜面27の傾斜角度αが第2傾斜面28の角度βよりも大きくなるように構成されているため、ノッチ溝26の開口幅Wを確保しつつ第1傾斜面27を鉛直に近い状態(傾斜角度αが70~88°)で立ち上がらせることができるため、アスファルト舗装材層31に対するアンカー効果がより強く発揮される。よって側溝用ブロック1から離れる方向(図示右方向)へのアスファルト舗装材層31の移動が効果的に規制され、もって、隙間Sの拡大を抑制する効果を高めることができる。
【0024】
ところで、アスファルトコンクリート中に含まれる砕石等の骨材は、その多くが大きさ20mm以下である。このため側溝用ブロック1では、ノッチ溝26の開口幅Wを20mm以上とすることで、
図3(B)に示す骨材33のように、ノッチ溝26内への骨材の嵌り込みが生じ易くなり、アスファルト舗装材層31の収縮に対する抵抗力を高めることができる。
【0025】
また側溝用ブロック1では、ノッチ溝26の溝深さDを10~30mmの範囲内としており、製造工程において型枠から抜き出し易いため製造が比較的容易であり、且つ、設置後は防草効果を好適に発揮することができる。
【0026】
また側溝用ブロック1では、
図4に示すように段差面24から上向きに突出する堰36が形成されている。本例の堰36は、段差面24と上部側面20との交点Mからノッチ溝26の開口縁部に到るまで領域に、10~15mmの高さで形成されている。この堰36は、
図1(A)に示すように、長手方向に25~30cmの間隔で複数設けられている。なお、堰36の大きさは適宜変更可能であり、堰36の幅方向の外側の端部36aはノッチ溝26を越えて下部側面22の近傍にまで延出させることも可能である。
このように長手方向に複数の堰36が形成された側溝用ブロック1では、アスファルト舗装材層31と側溝用ブロック1との間の隙間Sに雑草の種子が入り込んだ場合でも、種子の根が段差面24の長手方向に伸長するのを堰36により良好に阻止することができる。即ち、防草効果を好適に発揮することができる。
堰36の側面は下方へ広がるかたちの傾斜面とすることが好ましい。型抜きを容易にするためである(
図5A参照)。
この堰36を、
図5Bに示す凹部37に代えても、同様の効果が得られる。凹部37の深さは特に限定されないが、ノッチ溝26と同じとすることができる。型抜きの見地から、凹部37の立ち面は傾斜面とすることが好ましい。
堰36と凹部37とを混在させることもできる。
【0027】
(第2実施形態)
図6に本発明の第2実施形態に係る縁石101を示す。
縁石101は、車道と歩道の境界を仕切るコンクリート製の縁石で、
図6(A)に示すように、歩道側の側面16と天面11が交わる隅角部が長手方向に亘って切り欠かれており、側面16に、上記側溝用ブロック1の場合と同様、上部側面20、下部側面22、および上部側面20の下端部と下部側面22の上端部を繋ぐ上向きの段差面24が設けられている。そして段差面24には、略水平方向に延びる略水平部分25の一部を凹陥させたノッチ溝26が形成されている。ノッチ溝26の形状は上記側溝用ブロック1と同じである。このように構成された縁石101によれば、歩道側の側面16での防草機能を高めることができる。
【0028】
(変形例)
図7に、本発明の各実施形態におけるノッチ溝の変形例を示している。本発明の各実施形態では、
図7(A)に示すノッチ溝26Bのように、第1傾斜面27及び第2傾斜面28を湾曲されてノッチ溝を構成することも可能である。この場合、各傾斜面27、28の両端を結ぶ近似線の水平面に対する傾きを、それぞれ傾斜角度α、βとする。
また
図7(B)に示すノッチ溝26Cのように、第1傾斜面27と第2傾斜面28を繋ぐ略水平の底面29を備えた構成を採用することも可能である。
【0029】
(第3実施形態)
図8に本発明の第3実施形態に係る縁石201を示す。
縁石201は、車道側の側面18の側にて防草機能を高めた点が上記縁石101と異なっている。
図8(A)に示すように、本例の縁石201では、車道側の側面18と底面19が交わる隅角部が長手方向に亘って切り欠かれており、側面18は、設置姿勢において上方に位置する上部側面220および下方に位置する下部側面222、更に上部側面220の下端部と下部側面222の上端部を繋ぐ下向きの段差面224を備えている。
【0030】
図8(B)の部分拡大図に示すように、段差面224には、略水平方向に延びる略水平部分225の一部を凹陥させたノッチ溝226が形成されている。このノッチ溝226は、縁石201の幅方向外側に位置する第1傾斜面227と縁石201の幅方向内側に位置する第2傾斜面228を備え、断面形状が略V字状をなしている。そして、第1傾斜面227の水平面に対する傾斜角度αが、第2傾斜面228の水平面に対する傾斜角度βよりも大きくなるように構成され、傾斜角度αは70~88°の範囲内に設定されている。また、ノッチ溝226の溝深さDは10~30mmの範囲内に設定され、ノッチ溝226の開口幅Wは20mm以上に設定されている。
【0031】
このように構成された縁石201の側面18の側にアスファルトコンクリートから成るアスファルト舗装材層40が施工された場合、
図8(A)に示すように、アスファルト舗装材層40は、その上面で段差面224と接し、段差面224に形成されたノッチ溝226と嵌り合う充填部232を形成する。このため縁石201によれば、ノッチ溝226の第1傾斜面227とノッチ溝226内の充填部232との係合作用により、アスファルトコンクリートの収縮によるアスファルト舗装材層40の図中左方向の移動が規制され、アスファルト舗装材層40と縁石201との隙間Sの拡大が抑制される。
【0032】
以上本発明の実施形態について詳述したが、これらの説明に何ら限定されるものではない。例えば本発明のブロック製品としての側溝用ブロックは、上記実施形態の暗渠型に換えて上部を開放したU型とすることも可能である。また上記実施形態では何れか一方の側面に防草構造(段差面及びノッチ溝)を設けているが、両側面にそれぞれ防草構造を設けることも可能である。また本発明のブロック製品は型枠を用いて成形されるため、ブロック製品の各面には脱型を容易にするための抜き勾配を適宜設定することができるなど、特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1 側溝用ブロック
101,201 縁石
16,18 側面
24,224 段差面
26,226 ノッチ溝
27,227 第1傾斜面
28,228 第2傾斜面
31,40 アスファルト舗装材層
36 堰
37 凹部
α,β 傾斜角度