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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】紐
(51)【国際特許分類】
   D06F 53/00 20060101AFI20230621BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20230621BHJP
   A47F 7/19 20060101ALI20230621BHJP
   A47F 7/24 20060101ALI20230621BHJP
   A63B 29/02 20060101ALI20230621BHJP
   B65D 63/10 20060101ALI20230621BHJP
   E06C 1/52 20060101ALI20230621BHJP
   E06C 7/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
D06F53/00 A
A44B99/00 611N
A47F7/19 Z
A47F7/24 Z
A63B29/02 Z
B65D63/10 N
B65D63/10 Z
E06C1/52
E06C7/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019123763
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021007678
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519241392
【氏名又は名称】岸野 信▲英▼
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【弁理士】
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】岸野 信▲英▼
【審査官】鈴木 祐里絵
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0362427(KR,Y1)
【文献】米国特許第05050833(US,A)
【文献】特開2014-132125(JP,A)
【文献】実開昭51-102322(JP,U)
【文献】実開昭51-117726(JP,U)
【文献】特開昭63-214266(JP,A)
【文献】特表2003-522685(JP,A)
【文献】Instagram,2018年06月02日,https://www.instagram.com/p/Bjg4ma5lkFq/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B99/00
A47G25/00-25/92
A63B29/02
B65D63/10-63/16
D04C1/00-7/00
D04G1/00-5/00
D06F53/00-57/12
E06C1/00-1/58
7/00-7/50
G01B3/00-5/30
A47F7/19-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
等間隔で設けられた複数の凸部と、
前記凸部どうしの間に設けられた複数の紐部と、
隣接する2つの前記凸部及び前記複数の紐部に囲まれた環部と、を有する紐であって、
前記凸部は、大きさの異なる第1の凸部と第2の凸部を有し、
前記第2の凸部は、前記第1の凸部よりも大きく、隣接する前記第2の凸部どうしの間に1つ以上の前記第1の凸部が存在し、
前記凸部と前記複数の紐部とが連結して交互に連なっており、
測距手段、部材掛け手段、荷造り用の紐、登山用品及びはしごから選ばれる一つ以上の用途に用いられることを特徴とする紐。
【請求項2】
前記凸部は、球形であることを特徴とする請求項1に記載の紐。
【請求項3】
隣接する前記凸部の間隔は、5cm~100cmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の紐。
【請求項4】
前記凸部の配列方向と直交する方向における前記凸部の長さは、0.1cm~5cmであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紐。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯物を干す動作を楽にするために、種々の製品や技術が提案されている。
特許文献1では、ロープ本体に球状の膨出部を設け、長さ調節可能な洗濯用ロープが開示されている(図8参照)。特許文献1では、ロープ本体61に膨出部62を設け、膨出部62の間にループ63を掛け、ループ63にハンガー42を掛けることが開示されている。
しかし、特許文献1では、ループ63が外れやすく、洗濯物が落ちやすいという問題がある。また、ループ63を別途用意する必要があり、不便であることに加え、ループ63を用いずにハンガー42を掛けると落ちやすいという問題がある。
【0003】
市販品として、ハンガーを掛けるためのスリットが付いた洗濯用ロープが販売されている(例えばオーエ社、図9参照)。スリット72、73の開口の大きさは、ハンガーを通すことはできるが、小さく作られているため、通したハンガーが落ちにくいという利点がある。
しかし、目の不自由な人が使用する場合に、スリットの位置を把握しにくく、どの程度の長さであるかを把握できるような仕組みがあると望ましい。また、洗濯用だけでなく、他の用途にも有効に使える機能があると使用者にとって便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実全昭59-085193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、1つの用途に限られない紐を提供することに加え、目の見えない人や体の不自由な人、高齢者が使用しやすい紐、特に目の見えない人や体の不自由な人、高齢者が使用しやすい測距手段や部材掛け手段として使用できる紐を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の紐は、等間隔で設けられた複数の凸部と、前記凸部どうしの間に設けられた複数の紐部と、隣接する2つの前記凸部及び前記複数の紐部に囲まれた環部と、を有する紐であって、前記凸部は、大きさの異なる第1の凸部と第2の凸部を有し、前記第2の凸部は、前記第1の凸部よりも大きく、隣接する前記第2の凸部どうしの間に1つ以上の前記第1の凸部が存在し、前記凸部と前記複数の紐部とが連結して交互に連なっており、測距手段、部材掛け手段、荷造り用の紐、登山用品及びはしごから選ばれる一つ以上の用途に用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1つの用途に限られない紐を提供することに加え、目の見えない人や体の不自由な人、高齢者が使用しやすい紐、特に目の見えない人や体の不自由な人、高齢者が使用しやすい測距手段や部材掛け手段として使用できる紐を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す模式図である。
図2】一実施形態を示す拡大模式図(A)~(C)である。
図3】引掛け手段の使用例を示す模式図(A)及び(B)である。
図4A】荷造りの使用例を示す模式図である。
図4B】荷造りの使用例を示す模式図である。
図4C】荷造りの使用例を示す模式図である。
図5】はしごの使用例を示す模式図である。
図6】登山用品の使用例を示す模式図である。
図7】扉の固定部材の使用例を示す模式図である。
図8】従来技術の一例を示す模式図である。
図9】従来技術の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る紐について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
本実施形態の紐を図1に示す。
本実施形態の紐1は、等間隔で設けられた複数の凸部2と、凸部2どうしの間に設けられた複数の紐部4と、隣接する2つの凸部2及び複数の紐部4に囲まれた環部6と、を有することを特徴とする。
【0011】
凸部の形状としては、適宜変更することができるが、例えば球形が挙げられる。
球形である場合、目の不自由な人が測距手段(例えばメジャー)として使用したときに、滑らかな手触りとなり、手で触ったときの不快感を減らすことができる。
【0012】
凸部の形状としては、球形以外の形状であってもよい。例えば、紐部を結んだときの結び目を凸部としてもよい。上記の他にも、例えば立方体の形状、直方体の形状などが挙げられる。楕円形のような形状であってもよい。ただし、複数ある凸部のうち、より多くの割合の凸部どうしが同じ形状であることが好ましい。
【0013】
凸部は等間隔で設けられており、等間隔で用いられていることにより、複数の用途で用いることができ、種々の利点が得られる。特に本実施形態の紐をメジャーとして用いたときに、目の不自由な人でも使用できるメジャーとなる。また、紐部に引掛部材を掛けて任意の部材を掛ける部材掛け手段として用いたときに、均等な間隔で部材を掛けることができる。
【0014】
隣接する凸部の間隔は、5cm~100cmであることが好ましい。このような範囲である場合、洗濯物干しとして用いた場合に、洗濯物どうしがある程度の距離を保つことができ、乾きやすくなるとともに、多くの洗濯物を掛けることができる。また、上記範囲であると、目の不自由な人がメジャーとして用いた場合にも、測距しやすいという利点がある。
【0015】
隣接する凸部の間隔を測定する方法としては、例えば、人間が通常の力で紐の両端部を引っ張り、凸部間の紐部の弛みをなくした状態で測定する。
【0016】
凸部の配列方向と直交する方向における凸部の長さは、0.1cm~5cmであることが好ましい。上記範囲である場合、例えば目の不自由な人がメジャーとして用いた場合に、指で認識しやすくなり、測りやすいという利点がある。なお、凸部の配列方向と直交する方向における凸部の長さは、紐の太さよりも大きいことが好ましい。これにより、手で触ったときに凸部を把握しやすくなる。
【0017】
凸部の配列方向と直交する方向における凸部の長さは、凸部どうしで同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なる場合については、例えば大きさの異なる2つの凸部(第1の凸部及び第2の凸部と称する)を設け、第1の凸部を隣接して設けているところに、第1の凸部よりも大きい第2の凸部を所定の間隔で設けるようにしてもよい。例えば、10cm間隔で第1の凸部を設け、1m間隔で第2の凸部を設けるようにしてもよい。この場合、例えばメジャーとして用いる場合に特に有用な効果が得られ、より長さを測定しやすくなる。また、部材掛け手段として用いる場合にも、第1の凸部に隣接する環部と第2の凸部に隣接する環部とで掛ける部材を変更することができ便利である。
【0018】
凸部の材質としては、後述の紐部と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。凸部の材質としては、例えば、綿、麻、プラスチック、樹脂、金属、木材などが挙げられる。
【0019】
凸部の作製方法としては、適宜変更することが可能であり、例えば紐部を結んで作製してもよいし、紐部と別工程で作製してもよいし、溶接して作製してもよいし、紐部を溶融させて作製してもよい。
【0020】
紐部は隣接する凸部どうしの間に設けられている。紐部どうしは、互いに接続していてもよいし、離間していてもよい。また、紐部はねじられて形成されていてもよいし、複数の紐状の部材を束ねて1つの紐部としてもよい。
【0021】
紐部の材質としては、適宜変更することが可能であり、例えば、綿、麻、プラスチック、樹脂、金属などが挙げられる。
【0022】
紐部の強度としては、適宜変更することが可能であり、用途に応じて適宜変更することが可能である。例えば、ある程度の強度を確保しつつ、はさみ等で切断できる程度の強度とすることができる。この場合、荷造り用のロープとして用いたときに、荷物をまとめるための強度を確保しつつ、余分な部分を切断できるため、荷造りを容易に行うことができる。また、洗濯用ロープとして用いた場合に、洗濯物を保持するための強度を確保しつつ、長さ調整のために余分な部分を切断することができる。
【0023】
隣接する凸部どうしの間に設けられた紐部の数としては、適宜変更することが可能であるが、2本又は3本が好ましく、2本であることがより好ましい。2本であると、環部の面積が取りやすく、ハンガーなどの引掛け部材を掛けやすくなる。
【0024】
環部は、隣接する2つの凸部及び複数の紐部に囲まれた領域である。環部として確保される領域の大きさは、特に制限されるものではなく、紐部の材質や強度(硬度)などによって適宜変更される。
【0025】
紐の両端を引っ張れば、環部の面積は小さくなり、紐の両端を緩めれば、環部の面積が大きくなる。これについて図2に模式図を示す。図2(A)は、両端を緩めて環部の面積を大きくした場合の例であり、図2(B)は、両端を引っ張り、環部の面積を小さくした場合の例である。また、図2(C)は隣接する凸部どうしの間に設けられた紐部の数が3本である場合の例である。
【0026】
次に、本実施形態の紐の用途の例について説明する。
用途としては、例えば、凸部により長さを測る測距手段として用いることができる。凸部が設けられていることにより、目が不自由な人、体の不自由な人、高齢者が長さを測るときに特に有用に用いられる。
【0027】
測距手段として用いる場合、長さの測り方としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。目が見える人が測定する場合には、測定したい物や場所に、本実施形態の紐を置き、もしくは固定し、凸部の数を目視すればよい。目の見えない人が測定する場合には、例えば、紐の任意の箇所をテープ等で固定し、もしくは片手で抑え、空いた手で紐を触りながら凸部の数を数えることにより、長さを測ることができる。
【0028】
また、紐部に引掛部材を掛けて任意の部材を掛ける部材掛け手段として用いることができる。掛ける部材としては、特に制限されるものではなく、例えば、ハンガー、インテリア用品、提灯、電飾、食材、器具などが挙げられる。上述のように、凸部が等間隔で設けられているため、部材を引掛けた場合に、部材の間隔を正確に調整することができ、レイアウトしやすいという利点が得られる。
【0029】
引掛ける方法としては、適宜変更することが可能であり、例えば部材に設けられた引掛ける部分を紐部に掛けてもよいし、その他の方法であってもよい。引掛ける部分としては、例えばハンガーのフック等が挙げられる。
【0030】
図3(A)に、本実施形態の紐を洗濯物干しとして使用した場合の例を示す。環部6にハンガー42を引掛け、支持部材41(物干し竿など)に紐1を固定する。本実施形態によれば、紐1の両端を引っ張って支持部材41に固定すると、環部6の面積が小さくなり、ハンガー42が強風でも落ちにくくなる。また、紐1を支持部材41に固定した状態でも、ハンガー42を環部6に掛けることができる。
【0031】
本実施形態によれば、例えば以下のような利点も得られる。紐1を床に置いた状態でハンガー42を環部6に掛けて、その後に支持部材41に固定すればよいため、腕があがりにくい体の不自由な人や高齢者でも、容易に洗濯物を干すことができる。このような利点は、洗濯物干しだけでなく、その他の引掛け部材についても得られる。
【0032】
また、本実施形態の紐を洗濯物干しとして使用した場合には、洗濯物が乾いた後、そのままクローゼットに収納できるという利点がある。図3(B)にその例を示す。図示されるように、クローゼット43にそのまま収納することができるため、洗濯物を取り込む等の作業の手間を省くことができる。また、本実施形態の紐は、一つの環部のみを例えばクローゼット43内のS字フック48等に引掛けて使用することができるため、非常に簡易に収納することができるとともに、縦(鉛直方向)にぶら下げて引掛けることができるため、収納スペースを省くことができるという有用な効果が得られる。
【0033】
また、上記の他にも荷造り用の紐として用いることができる。
荷造り用の紐として用いる場合を説明するための図を図4A図4Cに示す。
図4Aに示されるように、本実施形態の紐の端部8bを、他の端部8aにおける環部6に通す。図中、矢印は紐を通す方向を模式的に示している。図4Bに示されるように、環部に通した後に端部8bを手9で例えば矢印の方向に引っ張ることにより、凸部2どうしが引っ掛かり、荷物の周囲を巡らせた紐が緩むことを防止しやすくなる。このため、例えば体の不自由な人や高齢者であっても荷造りしやすくなる。図4Cは、荷造りが終わった後の模式図である。荷物44としては、特に制限されるものではなく、例えば、雑誌などが挙げられる。
【0034】
凸部が等間隔であり、測距手段としても用いることができるため、荷造り前に荷物の幅や高さを測定することができる。また、荷造りした後においても、凸部の間隔を利用することにより、荷造りされた荷物の幅や高さを測定することができ、郵送する際やごみとして捨てる際にメジャーを用いて測る手間を省くことができる。
【0035】
図5に、はしごとして使用する場合の例を説明するための図を示す。
図5に示されるように、本実施形態のはしごは、平行に並べられた本実施形態の紐1を2つと、一方の紐1aにおける環部6aと、他方の紐1bにおける、一方の紐1aの環部6aと対向する環部6bとを用いて固定された足場10a(足掛部材)と、を備える。
【0036】
足場10aとしては、適宜変更することができ、例えば、棒であってもよいし、ロープなどであってもよい。特に制限されるものではないが、足場10aと足場10bは同じ部材であってもよいし、異なる部材であってもよい。紐1aと紐1bは、互いに接触しないことが好ましく、足場10bは両者の距離を保つために、棒のような、ある程度形状を維持できる部材を用いることが好ましい。
【0037】
足場を設ける間隔は、特に制限されるものではなく、凸部2を2個飛ばし、3個飛ばしなどにしてもよい。はしごとして用いる場合には、例えば凸部2の間隔を20cm~50cmにすることが好ましい。
【0038】
足場10aを環部6aと環部6bとを用いて固定させる方法としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、足場10a、10bとしてロープを用いた場合、紐部4に結び付けて結び目14を形成する。この他にも、足場10aに係止部材を設け、係止部材を紐部4に引掛けるようにしてもよい。
【0039】
本実施形態の紐をはしごとして用いた場合には、持ち運びに便利であることに加え、等間隔で凸部が設けられているため、足場を設けたときに水平方向から傾くことを防止しやすくなる。また、等間隔で凸部が設けられているため、足場を設ける個所を正確に調整しやすくなる。
【0040】
本実施形態の紐は、上記の他にも、例えば登山用品として用いることができる。
登山用品として用いる場合の一例を図6に示す。図6では、環部6の領域を人間46の胴回りよりも少し大きい程度にし、人間46が1人、環部6に入って使用する場合の例である。そして、数人が別の環部6に入って行動することで、互いにはぐれないようにすることができる。このように用いる場合には、凸部2の間隔を例えば30cm~100cmにすることが好ましい。
【0041】
本実施形態の紐は、上記の他にも例えばロッククライミング用品として用いることができる。ロッククライミング用品として用いる場合には、例えば、崖を登るために体を固定する器具を環部に引掛けて使用する。
【0042】
本実施形態の紐は、上記の他にも例えば人命救助用の道具として用いることができる。人命救助用の道具として用いる場合には、例えば、海や川などにおいて、浮き輪につながれたロープの端部を環部に通し、例えば結んで固定して使用する。この場合、複数の人を同時に救助することができる。凸部が等間隔で設けられているため、ロープを設ける間隔を調整しやすい。
【0043】
本実施形態の紐は、上記の他にも例えばクレーンワイヤとして用いることができる。クレーンワイヤとして用いる場合には、例えば、環部の一つをクレーンのフックに引掛けて使用する。この場合、凸部が等間隔で設けられているため、フックを引掛ける個所を正確に調整することができる。
【0044】
本実施形態の紐は、上記の他にも、スポーツをする際に、円を描く手段として用いることができる。例えば、環部の一つに棒を通し、円の中心として地面に固定し、別の環部に棒や足を通して円の中心から離れる方向へ引っ張りながら、かつ、地面に棒や足を押さえながら進むことで円を描くことができる。この場合、凸部が等間隔で設けられているため、所定の半径の円を描くことができ、また円の半径を正確に調整することができる。なお、円を描く際には、棒や足の他にも、ライン引き(ラインカー)を環部に通して使用してもよい。
【0045】
本実施形態の紐は、上記の他にも例えば扉の固定用部材として用いることができる。扉の固定用部材として用いる場合には、例えば、環部の一つをドアノブに引掛け、別の環部をドアストッパーに引掛けて使用する。これにより、扉が開いた状態を保つことができ、等間隔に凸部が配列しているため、扉の開き具合を正確に調整することができる。図7に扉の固定部材として用いる場合の例を示す。本実施形態の紐における環部の一つをドアノブ51に引掛け、別の環部をドアストッパー52に引掛けて使用する。
【0046】
扉の固定用部材としては、上記の他にも適宜変更することが可能である。例えば、フック状のドアストッパーが扉に設けられている場合には、ドアノブではなく、扉に設けられたドアストッパーに環部を引掛けるように使用してもよい。
【0047】
上述のように、本実施形態の紐は、測距手段、部材掛け手段、荷造り用の紐、登山用品及びはしごから選ばれる一つ以上の用途に用いられることができる。なお、クレーンワイヤとして用いる場合は、クレーンのフックに引掛けて使用するため部材掛け手段に含まれるものである。また、円を描く手段として用いる場合は、円の半径を測ることができるため測距手段に含まれる。また、人命救助に用いられる場合にも、浮き輪につながったロープを設けているため、部材掛け手段に含まれる。更に、ドアの固定用部材として用いる場合にも、ドアノブやドアストッパーに引掛けて使用するため、部材掛け手段に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 紐
2 凸部
4 紐部
6 環部
8a、8b 端部
9 手
10a、10b 足場
14 結び目
41 支持部材
42 ハンガー
43 クローゼット
44 荷物
46 人間
48 S字フック
50 扉
51 ドアノブ
52 ドアストッパー
53 出入口
61 ロープ本体
62 膨出部
63 ループ
71a、71b 本体
72、73 スリット
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9