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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】ポンプステーションシステムの運行方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230621BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021527886
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2019119132
(87)【国際公開番号】W WO2020103781
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】201811373988.0
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520388549
【氏名又は名称】揚州大学
【氏名又は名称原語表記】YANGZHOU UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.88,University South Road,Yangzhou,Jiangsu Province 225009,China
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】仇 宝云
(72)【発明者】
【氏名】趙 方玲
(72)【発明者】
【氏名】馮 暁莉
(72)【発明者】
【氏名】魏 強林
(72)【発明者】
【氏名】薛 井俊
(72)【発明者】
【氏名】呂 燕
(72)【発明者】
【氏名】高 興
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-332280(JP,A)
【文献】特開2016-003479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
k個のポンプステーションを備えて構成され、感潮区間に設置されるポンプステーションシステムにおいて、k個のポンプステーションの各々が備えるポンプステーションユニットの稼働台数nとブレードの角度αとを変更して運行可能な、ポンプステーションシステムの運行方法であって、
前記ポンプステーションシステムの運行における前記ポンプステーションシステムを構成する各部の全エネルギー消費量を、予め定められた第1数学モデルに基づいて計算するステップと、
前記ポンプステーションの一定流量と揚程における前記ポンプステーションユニット稼働台数前記ブレードの角度αの運行計画を、前記ステップAで計算した前記全エネルギー消費量、及び、予め定められた第2数学モデルに基づいて決定するステップと、
前記ポンプステーションの感潮側水位に基づいて前記ポンプステーション揚程の1日の変化規則を求めるステップと、
前記ステップCで求めた前記ポンプステーションの揚程の1日の変化規則に基づき、当該1日の24時間を、隣り合う高潮位と低潮位の時点を境界とする範囲毎に分けて、4つの時間帯区分を得るステップと、
前記ポンプステーションユニットのオンオフに伴う部品損失費用を、予め定められた第3数学モデルに基づいて計算するステップ
前記ステップDで得た前記4つの時間帯区分の各々に対応する前記ポンプステーションユニットの稼働台数nと前記ブレードの角度αの組み合わせであって、前記ポンプステーションシステムの運行費用Fが最も節約される組み合わせを、前記ステップEで計算した前記部品損失費用、及び、予め定められた第4数学モデルに基づいて計算し、その結果を区画運行計画として決定するステップを含み、
前記ステップA、前記ステップB、前記ステップC、前記ステップD、前記ステップE及び前記ステップGの各々は、前記ポンプステーションシステムが備えるコンピュータによって実行され、
前記第1数学モデルは、前記全エネルギー消費量を、下記の式(1)で表されるメインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量P pm と、下記の式(2)で表される変圧器のエネルギー消費量ΔP と、下記の式(4)で表される送電線システムのエネルギー消費量ΔP te と、下記の式(5)で表されるステーション用補機システムのエネルギー消費量P zn との総和に基づいて求めるモデルであり、
【数1】
(1)
【数2】
(2)
【数3】
(3)
【数4】
(4)
zn =P zn ′×Q (5)
式中、ρ(単位:kg/m )は、水体密度であり、g(単位:m/s )は、重力加速度であり、Q (単位:m /s)は、ポンプステーション流量であり、H (単位:m)は、ポンプステーション装置揚程であり、η は、ポンプ装置効率であり、η dr は、伝動機構効率であり、η mot は、モータ効率であり、P (単位:kW)は、変圧器の定格無負荷有効損失であり、即ち鉄損であり、kは、無効経済当量であり、電力網における変圧器の位置による値であり、Q (単位:kW)は、変圧器定格励磁電力であり、S(単位:kVA)は、変圧器容量であり、S (単位:kVA)は、変圧器定格容量であり、P (単位:kW)は、変圧器定格負荷有効損失であり、すなわち銅損であり、Q (単位:kW)は、変圧器定格負荷漏洩磁気電力であり、I %(単位:%)は、変圧器無負荷電流であり、U %(単位:%)は、変圧器インピーダンス電圧であり、ΔP te ′(単位:kW)は、単一送電線損失であり、上記の式(3)で表されるI te ′(単位:A)は、単一送電線電流であり、P(単位:kW)は、送電線接続設備の入力電力であり、U (単位:kV)は、当該設備の定格電圧であり、cosφは、力率であり、r (単位:Ω/km)は、送電線の単位長さ抵抗であり、l(単位:km)は、線路長であり、P zn ′(単位:kW/(m /s))は、単位流量あたりのステーション用補機の消費電力であり、
前記ステップBでは、所定の装置揚程H で、ポンプステーション揚水流量が要求揚水流量の0~最大ユニット単機流量q max 増の範囲で各ユニットが運行されている場合の単位流量あたりのシステムエネルギー消費量
【数5】
(kW/(m /s))の最小を目標としてポンプステーションの揚程一定時の前記運行計画を決定し、
前記第2数学モデルは、下記の式(6)であり、
【数6】
(6)
制限条件は、下記の式(7)であり、
【数7】
(7)
式中:ρ(単位:kg/m )は、水体密度であり、g(単位:m/s )は、重力加速度であり、Q (単位:m /s)は、第i基ポンプステーションユニットの単機流量であり、Q i,min 、Q i,max (単位:m /s)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大単機流量であり、α (単位:°)は、第i基ポンプステーションのブレード角度であり、Q (単位:m /s)は、ポンプステーションの必要揚水流量であり、α i,min 、α i,max (単位:゜)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大ブレード角度であり、H zi (単位:m)は、第i座ポンプステーション装置揚程であり、η zi は、第i基ポンプステーション装置効率であり、η dri は、第i基ポンプステーション伝動機構効率であり、η moti は、第i基ポンプステーションモータ効率であり、n は、第i基ポンプステーション稼働台数であり、M i,max は、第i基ポンプステーションの搭載台数であり、その値が正の整数であり、ΔP bi (単位:kW)は、第i基ポンプステーションの変圧器損失であり、ΔP tei (単位:kW)は、第i基ポンプステーションの送電システム損失であり、P zni (単位:kW)は、第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、kは、ポンプステーションの数であり、その値が正の整数であり、
【数8】
は、ポンプステーションの流量であり、
前記ステップEでは、下記の式(8)~(10)で表される前記第3数学モデルに基づいて、前記ポンプステーションユニットのオンオフに伴う部品損失費用を計算し、
1回のオンオフにおける前記ポンプステーションユニットの主要部品としてのモータの運行寿命の減少量は、下記の式(8)で表され、
【数9】
(8)
式中、K は、熱要素の劣化速度を示す劣化係数であり、K は、電気要素の劣化速度を示す劣化係数であり、K は、機械要素の機械化量速度を示す劣化係数であり、t(単位:h)は、ユニットの運行時間であり、Nは、オンオフの回数を示し、1計算周期内に時間tと共に変化し、
下記の式(9)は、絶縁劣化が30%になるとオーバーホールしなければならず、すなわちU %=70%になるとユニットのオーバーホールをしなければならないという条件で予め定められた式であり、
70%=(1-K ・t-K ・t-K ・N(t))×100%
即ち、(K +K )t+K ・N(t)=30% (9)
N回、N+1回のオンオフにおけるモータの絶縁寿命は、それぞれ以下であり、
=(30%-K N)/(K +K
N+1 =(30%-K (N+1))/(K +K
両式の減算によって、1回のオンオフにおけるモータの絶縁寿命の短縮は、
Δt=K /(K +K ) (10)で表され、
前記ステップEでは、式(10)に、モータの絶縁種類に応じて予め定まる各劣化係数を代入して1回のオンオフにおける絶縁寿命の短縮値を算出し、算出した絶縁寿命の短縮値が予め定められた絶縁全寿命に占める割合と、予め定められた絶縁費用とに基づき、オンオフ1回の絶縁損失の費用を算出し、算出した当該費用に基づき前記ポンプステーションユニットのオンオフに伴う部品損失費用を計算し、
前記運行費用Fを表す前記第4数学モデルは、下記の式(11)で表され、
【数10】
(11)
ここで、
【数11】
(12)であり、
制限条件は、下記の式(13)であり、
【数12】
(13)
式中、P pmi,j (単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのメインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量であり、ΔP tei,j (単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの送電システムの損失量であり、ΔP bi,j (単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの変圧器の損失量であり、ΔP zni,j (単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、ΔT (単位:h)は、第j時間帯の時間長であり、F on_offj は、第j時間帯におけるk個のポンプステーションのオンオフ費用の合計であり、n imax は、第i基ポンプステーションのユニット搭載台数であり、α i,min 、α i,max は、第i基ポンプステーションユニットの最小、最大ブレード角度であり、Q i,j (単位:m /s)は、第i基ポンプステーションの第j時間帯の単機運行流量であり、Q imin 、Q imax (単位:m /s)は、それぞれ第i基ポンプステーションユニットの最小、最大単機流量であり、
【数13】
(単位:m )は、l個の時間帯のk個のポンプステーション総揚水量であり、T は、第j時間帯の時間区画点であり、T max(min) 、T min(max) (単位:h)は、それぞれ隣り合う高(低)潮位、低(高)潮位が出現する時間であり、V (単位:m )は、ポンプステーションの1日の必要揚水量である、ことを特徴とする
ンプステーションシステムの運行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプステーションの省エネ技術分野に属し、時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションユニットの台数と可変角度の1日最適化運行方法に関し、具体的には、従来のポンプステーションの運行方式に存在する高消費エネルギー量の問題に対して、1日の総揚水水量の要求を満たしかつポンプステーションが安全に運行することを前提とし、感潮ポンプステーションシステムの運行総費用の最小化を目標とする可変運行状況における時間最適化区画に基づく可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の決定方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
中国では、川や川に繋がる運河沿いに多くの大型ポンプステーションが建設されている。これらのポンプステーションは、灌漑排水や調水で重要な役割を果たしているが、その特徴として、揚程が潮位によって変化し、1日2回の高潮、2回の低潮が出現する。一方、現在のポンプステーションの運行方式は、ユニット運行台数とブレード角度が通常一定に固定されており、エネルギーの浪費が深刻である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、感潮ポンプステーションシステムが単一運行方式で運行されるときのシステム効率の低下によりエネルギーが著しく浪費されるという欠点を克服するために、時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションユニット台数と可変角度の1日最適化運行方法の決定方法を提案し、1日の総揚水量を満たしかつポンプステーションが安全に運行することを前提に、システム総費用が最も節約される際の感潮ポンプステーションの1日内のユニット運行台数とブレード角度の変化回数、時間最適化区画、各時間区画のユニット運行台数とブレード取り付け角度を決定する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術手段は、時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーション可変台数と可変角度の1日最適化運行方法であって、感潮ポンプステーションの水位・揚程の変化規則に基づき、1日を異なる時間帯に分けて時間区画を最適化し、改良粒子群アルゴリズムに基づき、ポンプステーションの運行費用及びオン、オフの費用を考慮し、揚水水量の要求を満たした上で、ポンプステーションシステムの1日の運行費用が最も節約される際に時間帯毎のポンプステーションユニット運行台数とブレード角度の組み合わせを計算して決定することを特徴とする。
【0005】
時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーション可変台数と可変角度の1日最適化運行方法であって、
A:大型ポンプステーションシステムの運行における全エネルギー消費量を計算するステップと、
B:ポンプステーションの一定流量と揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画を決定するステップと、
C:ポンプステーションの感潮側水位とポンプステーション揚程の1日の変化規則を決定するステップと、
D:ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の可変運行状況における時間区画数と限界範囲を決定するステップと、
E:ポンプステーションユニットのオンオフにおける部品損失費用を定量的に計算するステップと、
F:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルを確立するステップと、
G:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の時間最適化区画と区画運行計画を計算して決定するステップとを含む。
【0006】
ステップAに記載の大型ポンプステーションシステムの運行における全エネルギー消費量の計算方法は、以下である。大型ポンプステーションシステムでは、エネルギー伝達の順序に従い、電気エネルギーがポンプステーション外の変電所から専用高圧送電線を経てポンプステーションの主変圧器に入り、さらに給電ケーブルに沿ってウォーターポンプシステム及びステーション用補機(例えば油ガス水システム、汚染防止設備、照明設備、通風設備)などのステーション用電気設備に給電する。従って、ポンプステーションシステムの運行総費用Fを計算する際に、システムの総エネルギー消費量は、メインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量Ppm、変圧器のエネルギー消費量ΔP、送電線システムのエネルギー消費量ΔPte及びステーション用補機システムのエネルギー消費量Pznからなる。ここで、各エネルギー消費量の具体的な計算は、それぞれ以下である。
【数1】
(1)
式中、Ppmは、メインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量であり、ρ(単位:kg/m)は、水体密度であり、g(単位:m/s)は、重力加速度である。Q(単位:m/s)は、ポンプステーション流量であり、H(単位:m)は、ポンプステーション装置揚程であり、ηは、ポンプ装置効率であり、ηdrは、伝動機構効率であり、ηmotは、モータ効率である。
【数2】
(2)
式中、ΔP(単位:kW)は、変圧器の損失であり、P(単位:kW)は、変圧器の定格無負荷有効損失であり、即ち鉄損であり、kは、無効経済当量であり、電力網における変圧器の位置によって値をとり、一般的にはk=0.1kW/kvarを取る。Q(単位:kW)は、変圧器定格励磁電力であり、S(単位:kVA)は、変圧器容量であり、S(単位:kVA)は、変圧器定格容量であり、P(単位:kW)は、変圧器定格負荷有効損失であり、すなわち銅損であり、Q(単位:kW)は、変圧器定格負荷漏洩磁気電力であり、I%(単位:%)は、変圧器無負荷電流であり、U%(単位:%)は、変圧器インピーダンス電圧である。
送電線の電力損失は、送電電流、ケーブルの長さ及びケーブル自身のパラメータに関係する。送電線接続機器の入力電力から送電線電流を求めることができる。即ち、
【数3】
(3)
この電流が線路全体に生じる電力損失は、以下である。
【数4】
(4)
式中、ΔPte′(単位:kW)は、単一送電線損失であり、Ite′(単位:A)は、単一送電線電流であり、P(単位:kW)は、送電線接続設備の入力電力であり、U(単位:kV)は、当該設備の定格電圧であり、cosφは、力率であり、r(単位:Ω/km)は、送電線の単位長さ抵抗であり、l(単位:km)は、線路長である。
ポンプステーションに電力を供給する送電線は、ステーション外の変電所からポンプステーションの主変圧器に電力を供給する送電線、主変圧器からポンプステーションのメインモータ母線及びステーション内の他の電気機械設備に電力を供給する送電線、母線からメインモータへの送電ケーブルの3部分からなるため、送電系統損失ΔPteは、この3部分損失の和となり、計算式が以下である。
【数5】
(5)
ステーション内用の電気設備は、主にメインウォーターポンプユニットの正常な動作を保証するために設置された必要な補機を含み、通常、油ガス水システム、励磁変圧器、汚染防止設備、照明設備及び通風設備などを含む。これらのステーション用電力設備では、設備によっては運行時間の長さが異なる。よって、1周期内のステーション用補機の総エネルギー消費量を計算し、単位流量あたりのステーション用補機の消費電力Pzn′を計算すると、ステーション用補機システムのエネルギー消費量Pznは、以下である。
zn=Pzn′×Q(6)
ここで、Q(単位:m/s)は、ポンプステーション流量であり、Pzn′(単位:kW/(m/s))は、単位流量あたりのステーション用補機の消費電力である。
【0007】
感潮ポンプステーションが潮汐の影響を受ける特殊性を考慮し、ユニット運行台数及びブレード角度を複数回変更する措置を採用してポンプステーションの最適化運行を実現する。従って、ポンプステーションシステムの総費用を計算する際、オンオフ損失費用feon_offは、無視できず、その正確な計算方法について、ステップEのオンオフ損失費用の正確な定量計算を参照する。
【0008】
ステップBで前記ポンプステーションの一定流量と揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画の決定方法は、以下である。一定の揚程Hで、ポンプステーション揚水流量が要求揚水流量の0~最大ユニット単機流量qmax増の範囲でポンプステーションが運行されている場合、単位流量あたりのシステムエネルギー消費量
【数6】
(kW/(m/s))が最小であるオン計画は、最適な運行計画であり、ポンプステーションシステムの単位流量あたりのシステムエネルギー消費量
【数7】
の最小を目標として、以下の最適化数学モデルを確立する。
【数8】
(7)
制限条件は、以下である。
【数9】
(8)
式中:ρ(単位:kg/m)は、水体密度であり、g(単位:m/s)は、重力加速度であり、Q(単位:m/s)は、第i基ポンプステーションユニットの単機流量であり、Qi,min、Qi,max(単位:m/s)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大単機流量であり、α(単位:°)は、第i基ポンプステーションのブレード角度であり、Q(単位:m/s)は、ポンプステーションの必要揚水流量であり、αi,min、αi,max(単位:゜)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大ブレード角度であり、Hzi(単位:m)は、第i座ポンプステーション装置揚程であり、ηziは、第i基ポンプステーション装置効率であり、ηdriは、第i基ポンプステーション伝動機構効率であり、ηmotiは、第i基ポンプステーションモータ効率であり、nは、第i基ポンプステーションユニット稼働台数であり、Mi,maxは、第i基ポンプステーションの搭載台数であり、その値が正の整数であり、ΔPbi(単位:kW)は、第i基ポンプステーションの変圧器損失であり、ΔPtei(単位:kW)は、第i基ポンプステーションの送電システム損失であり、Pzni(単位:kW)は、第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、kは、ポンプステーションの数であり、その値が正の整数であり、
【数10】
は、ポンプステーションの流量である。
【0009】
ポンプステーションシステムの単位流量あたりのエネルギー消費量が最小であることを目標として、式(7)、(8)の最適化モデルをプログラミングして解を求め、ポンプステーションの揚程が一定の時のポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画を決定する。
【0010】
ステップBに記載の最適化運行計画におけるポンプステーションの実際の揚水流量は、必要流量よりやや大きく、その中の1台のユニットの運行時間を減少させることで揚水量と需要量のバランスを達成し、ポンプステーションの揚水流量を厳密に必要流量に等しくすることを保証するためにウォーターポンプユニットの運行状況を調整することにより効率が低下してエネルギーが消費されることを避けることができる。
【0011】
ステップCで前記ポンプステーションの感潮側水位とポンプステーション揚程の1日の変化規則は、以下のように決定される。ポンプステーションの感潮側水位は、河川の潮汐の影響を受けて頻繁に変化する。ポンプステーション上下流水位データを収集してポンプステーション揚程を計算し、揚程変化曲線を作成する。図1に示すように、感潮ポンプステーションの揚程変化は、規則的な変化を呈し、1日に2回の高潮位、2回の低潮位が出現し、かつ高潮と低潮の間で水位と揚程の変化が激しく、水位差の変化が大きい。
【0012】
ステップDで前記ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の可変運行状況における時間区画数と限界範囲は、以下のように決定される。ポンプステーションの感潮側水位の変化は、1日内に規則的に2回の高潮位と2回の低潮位が出現し、かつ水位の変化幅が大きく、水位と揚程の変化によって1日を異なる時間帯に分けてそれぞれ最適化運行計画を決定する。
【0013】
1日をx(x=1,2,3,4・・・)個の時間帯に分け、x種類の区分計画のシステム総費用をそれぞれ計算して比較したところ、時間帯数が4より小さく、1日の水位変動幅が大きい場合には、ユニットの非効率区の運行時間が長く、システム効率が低く、ポンプステーションシステムの運行費用が高い。時間帯数が4より大きい場合、時間帯数が多いほど、ポンプステーションシステムの運行エネルギー消費量が減少するが、エネルギー消費量の減少が多くなく、ユニットのオンオフ損失コストが高いほど、ポンプステーションシステムの運行費用が逆に高くなる。そのため、潮位変化の規則に基づき、1日を4つの時間帯に分けた場合にシステムの運行費用が低く、適している。
【0014】
揚程の1日の変化規則によって1日24時間を隣り合う高潮位と低潮位の時点を境界とし、範囲ごとに1つの時間帯を決定し、1日を4つの時間帯に分ける。図1に示すように、このとき区画が1日2回の高潮、2回の低潮に対応する。揚水体積の要求を満たした場合、ポンプステーションシステムの運行費用Fを最も節約することを目標とし、4つの時間帯区分最適化計画と、各時間帯に対応するユニット運行台数nとブレード角度αの組み合わせを決定する。
【0015】
ステップEで前記ポンプステーションユニットのオンオフにおける部品損失費用は、以下のように定量的に計算される。既存条件下でユニットの実際のオンオフ費用を求解し、すなわちユニットの1回のオンオフにおけるユニットの主要部品の運行寿命の減少量を定量的に計算し、即ちモータ絶縁寿命減少量の計算である。
【0016】
モータの運行時間の増加に伴い、絶縁劣化は、年々深刻化し、絶縁強度もそれに伴い低下する。モータ絶縁の劣化をもたらす要素が多く、モータ絶縁の劣化因子には、熱因子、電気因子、機械因子、環境因子がある。絶縁強度は、下記式で決定される。
【数11】
(9)
式中、Kは、熱要素の劣化速度であり、Kは、電気要素の劣化速度であり、Kは、機械要素の劣化速度であり、t(単位:h)は、ユニットの運行時間であり、Nは、オンオフの回数であり、1計算周期内に時間tと共に変化する。
【表1】
絶縁強度の劣化が30%になるとオーバーホールしなければならず、すなわちU%=70%になるとユニットのオーバーホールをしなければならないと仮定し、
70%=(1-K・t-K・t-K・N(t))×100%
即ち、(K+K)t+K・N(t)=30% (10)
N回、N+1回のオンオフにおけるモータ絶縁寿命は、それぞれ以下であり、
=(30%-KN)/(K+K
N+1=(30%-K(N+1))/(K+K
両式の減算によって、1回のオンオフにおけるモータの絶縁寿命短縮は、式(10)となり、
Δt=K/(K+K)(11)
式(11)で、各劣化係数を最大値、最小値でそれぞれ同時に代入して1回のオンオフにおける絶縁寿命の短縮値を算出し、続いてこの絶縁寿命の短縮値が絶縁全寿命に占める割合及び絶縁費用によって、オンオフ1回の絶縁損失の費用を算出する。
【0017】
ステップFで前記時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルは、以下のように確立される。感潮ポンプステーションにおいてポンプステーションシステムの総費用を計算する場合、ポンプステーションシステムの各時間帯の運行費用だけでなく、各時間帯のオンオフ費用Fon_offも考慮する必要があり、現在の電力価格をfe元/(kW・h)とする。1日の揚水量の要求を満たしかつポンプステーションが安全に運行する前提で、ユニット運行台数+可変角度を考慮して調整し、ポンプステーションシステムの1日の運行費用を最も節約することを目標に最適化運行数学モデルを確立する。
【数12】
(12)
ここで、
【数13】
(13)
最適化モデル制限条件は、以下である。
【数14】
(14)
式中、Ppmi,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのメインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量であり、ΔPtei,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの送電システムの損失量であり、ΔPbi,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの変圧器の損失量であり、ΔPzni,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、ΔT(単位:h)は、第j時間帯の時間長であり、Fon_offjは、第j時間帯のオンオフ費用であり、nimaxは、第i基ポンプステーションのユニット搭載台数であり、αi,min、αi,maxは、第i基ポンプステーションユニットの最小、最大ブレード角度であり、Qi,j(単位:m/s)は、第i基ポンプステーションの第j時間帯の単機運行流量であり、Qimin、Qimax(単位:m/s)は、それぞれ第i基ポンプステーションユニットの最小、最大単機流量であり、
【数15】
(単位:m)は、l個の時間帯のk個のポンプステーション総揚水量であり、Tは、第j時間帯の時間区画点であり、Tmax(min)、Tmin(max)(単位:h)は、それぞれ隣り合う高(低)潮位、低(高)潮位が出現する時間であり、V(単位:m)は、ポンプステーションの1日の必要揚水量である。
【0018】
ステップGで前記時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の時間最適化区画と区画運行計画の計算及び決定は、以下である。ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の最適化区画と区画運行計画の計算及び求解は、複雑な非線形組み合わせ問題を求解することである。本発明は、改良混合粒子群アルゴリズムを用いて最適化計画の計算及び求解を行う。求解過程は、図2に示し、具体的なステップが以下である。
(1)ステップDにより、感潮ポンプステーションの1日2回の高潮、2回の低潮の水位変化規則に基づき、揚程の1日の変化規則により1日24時間を隣り合う高潮位と低潮位の時点を境界とし、範囲ごとに1つの時間帯を決定し、1日を4つの時間帯に分け、ハルトンシーケンスを用いてランダムにm種類の時間区画計画を生成し、時間区画計画ごとの運行計画を最適化し、即ち、ステップAに記載のポンプステーションシステムのエネルギー消費量に基づいて、1日の揚水水量の要求を満たすことを決定した場合、ポンプステーションシステムの運行エネルギー消費量が最も節約されるユニット運行台数とブレード角度の組み合わせを最適な運行計画とする。
(2)各時間区画計画の全時間帯のオンオフ状況を決定し、ステップEにより各時間区画計画のオンオフ総費用を正確に計算し、ステップFで提案した時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルに基づき、時間区画計画ごとに対応するポンプステーションシステムの総運行費用を計算し、ポンプステーションシステムの総運行費用が最も節約される際の計画を、ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行最適計画の初期計画とする。
(3)改良混合粒子群アルゴリズム更新式によりm種類の新しい時間区画計画を更新し、上述のステップによりm種類の新しい時間区画計画のポンプステーションシステムの総運行費用を算出し、m種類の新しい計画におけるポンプステーションシステムの総運行費用の最小値を決定して初期計画費用と比較し、m種類の新しい計画におけるポンプステーションシステムの総運行費用の最小値が初期計画の最小システム運行費用より小さければ、ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適運行最適計画を更新し、逆に、元計画を保留する。
(4)アルゴリズムの規定により時間区画計画を絶えず更新し、ポンプステーションシステムの総運行費用の最小値が安定な値に近づくまでアルゴリズムが収束し、時間区画計画の更新反復を停止し、現在の計画をポンプステーションシステムユニットの可変台数と可変角度の1日最適運行最適計画とし、対応する計画のポンプステーションシステムの総運行費用を決定する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有益な効果は、以下である。感潮ポンプステーションの水位変化規則に基づき、1日を可変運行状況の異なる時間帯に分け、時間区画を最適化し、ポンプステーションの運行費用及びオンオフ費用を考慮し、1日の揚水水量の要求を満たすことを前提に、改良粒子群アルゴリズムに基づいて、ポンプステーションシステムの1日の運行費用が最も節約される時にポンプステーションの可変運行状況における最適な時間区画、時間帯ごとのポンプステーションユニット運行台数とブレード角度の組み合わせを計算して決定し、ポンプステーション最適化運行に理論的なサポートを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の感潮ポンプステーション揚程の1日の変化規則曲線及び時間区画の区分点範囲の模式図である。
図2】本発明のポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の求解過程図である。
図3】本発明の実施例に係る感潮ポンプステーションのある日の揚程変化の曲線図である。
図4】本発明の実施例の計画1~計画3に係る同一揚程で異なる流量におけるポンプステーションのシステム効率の曲線図である。
図5】本発明の実施例に係る時間区画最適化に基づくポンプステーションシステム最適化運行計画と他の運行計画の1日の運行費用の節約率の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の技術手段を採用し、図面及び実施例を参照して本発明を更に説明するが、本実施例は、本発明の制限と理解されてはならない。
【0022】
ある感潮ポンプステーション群のある日の揚程変化曲線を基に最適化運行計画を計算する。このポンプステーション群は、3基のポンプステーションからなり、それぞれステーション1、ステーション2、ステーション3である。これらのポンプステーションの具体的な情報は、表2~表8に示す通りである。ある日のポンプステーションの揚程変化規則曲線は、図3に示すように、ポンプステーション揚水平均流量400m/s、すなわち0時から24時までの揚水体積3.456×10が要求される。
【0023】
表2:ステーション1、2、3のポンプユニット性能パラメータ
【0024】
【表2】
【0025】
表3:ステーション1、2、3の主変圧器パラメータ
【0026】
【表3】
【0027】
表4:ステーション1、2、3の送電線ケーブルパラメータ
【0028】
【表4】
【0029】
表5:ステーション1、2、3の補機パラメータ
【0030】
【表5】
【0031】
なお、ステーション1、3は、2台の通風機が1台のユニットに対応し、ステーション2は、稼働台数が5未満である場合、1台の通風機のみを作動させ、5以上である場合、2台の通風機をすべて作動させる。
【0032】
表6:流量とポンプ装置揚程のフィッティング方程式
【0033】
【表6】
【0034】
表7:ポンプ装置効率と流量のフィッティング方程式
【0035】
【表7】
【0036】
表8:セットモータ効率曲線のフィッティング方程式
【0037】
【表8】
【0038】
ステップA:大型ポンプステーションシステムの運行における全エネルギー消費量の計算
ステップAは、ステップBのために一定のポンプステーション流量、揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画のエネルギー消費量の計算範囲と方法を規定し、ステップCで揚程7.8m、ポンプステーション必要流量400m/sを例とする。ここで、ステーション1とステーション3は、ユニットがすべて稼働し、ステーション2は、2台のユニットが稼働する。式(1)~(6)によってそれぞれポンプステーションシステムの各部分のエネルギー消費量、即ち、メインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量Ppm、変圧器のエネルギー消費量ΔP、送電線システムのエネルギー消費量ΔPte及びステーション用補機システムのエネルギー消費量Pznを計算する。ここで、各エネルギー消費量の具体的な計算は、表9に示される。
【0039】
表9:ステーション1、2、3のポンプステーションシステム各部分のエネルギー消費量
【0040】
【表9】
【0041】
ステップB:ポンプステーションの一定流量と揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画の決定
最適化モデル式(7)、(8)は、単位流量あたりのポンプステーションシステムのエネルギー消費量の計算式であり、ポンプステーションの揚程が7.5m、ポンプステーションの流量が70~500m/sの場合、大型ウォーターポンプの単ポンプ流量が大きいため、特に揚水流量要求に正確に等しくなるためにポンプシステムの運行効率を犠牲にすることができない。要求されたポンプステーションの揚水流量Qに基づき、ポンプステーションの実際の揚水流量をQ~Q+qmaxの範囲内に制御する。式中、qmaxは、最大ユニット単体流量qmaxである。ポンプステーションシステムが最も省エネであることを図り、この感潮ポンプステーション群の最大ユニット単体流量qmax=40m/sである。
【0042】
ポンプステーションの揚程が一定である場合、ポンプステーションの流量が必要流量よりやや大きい場合、運行時間が区分されない場合の3つの計画のシステム効率は、図4に示す通りである。そのうち、計画1について、ウォーターポンプのブレード角度βが設計角度であり、通常0°である場合、ポンプ装置群効率ηが高い方が優先的に運行し、ηの大きさで順次に必要流量を満たすまで電源を入れる。設計角度での運行を維持するため、ポンプユニット単体の揚水流量は、一定であり、かつ実際の操作問題を考慮し、稼働台数は、整数を選び、実際の揚水流量が要求揚水流量よりやや大きい稼働計画は、最適運行計画である。計画2について、各ユニットが所定の装置揚程Hで、ポンプステーションの揚水流量が要求揚水流量と厳密に等しくなるように運行する時には、ポンプステーションシステムの効率ηpsが最も高い、すなわちポンプステーションシステムのエネルギー消費量が最も小さい稼働計画は、最適な運行計画である。計画3は、本発明が提案するポンプステーションの実際の揚水流量をQ~Q+qmax範囲に制御し(流量を増大させる)、ポンプステーションシステムの1日の単位流量あたりのエネルギー消費量を最小にすることを目標とする最適な運行方案である。
【0043】
計画1、計画2で求めたシステムの総エネルギー消費量を揚水流量で割って、単位流量あたりのシステムエネルギー消費量
【数16】
を得る。計画3と比較して、システムのエネルギー消費量とシステムの効率から見て、計画3は、計画2と計画1より優れ、特に流量が小さい場合に顕著である。従って、最終的に計画3を、ポンプステーション揚程7.5m、異なるポンプステーション流量時の可変台数と可変角度の最適化運行計算計画とする。
【0044】
ポンプステーションの資料から、ポンプステーションの運行揚程の変化範囲は、3.5m~8.0mであり、ポンプステーションの揚水流量範囲は、0~500m/sであることがわかる。揚程0.2m間隔、流量50m/s間隔で、それぞれステップAに基づき、計画3により、異なるように決定されたポンプステーション流量、揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画を計算する。
【0045】
ステップC:ポンプステーションの感潮側水位とポンプステーション揚程の1日の変化規則の決定
図3は、感潮ポンプステーション群のある日の揚程変化規則曲線であり、1日内に2回の高潮位と2回の低潮位が出現し、2つの高潮位の揚程は、それぞれ5.84m、5.87mであり、2つの低潮の揚程は、3.57m、3.60mであり、高潮と低潮の間は水位の変動幅が大きい。
【0046】
ステップD:ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の可変運行状況における時間区画数と限界範囲の決定
同ポンプステーションの感潮側水位の変化は、1日に2回の高潮位と2回の低潮位が規則的に出現し、かつ水位の変化幅が大きく、水位の変化に応じて1日を4つの時間帯に分けてそれぞれ最適化運行計画を決定する。ステップCで図3の1日の揚程変化曲線を例にとると、必要なポンプステーション流量が400m/sである場合、同ポンプステーションの1日の最適運行計画を計算する。
【0047】
揚程の1日の変化規則によって24時間をそれぞれ高潮位と低潮位の間に1つの時間境界点を生じさせ、4つの時間区画の最初の境界点を0hとし、他の3つの境界点が位置する範囲は、それぞれ、4.35~7.25h、7.25~16.65h、16.65~19.75hである。
【0048】
ステップE:ポンプステーションユニットのオンオフにおける部品損失費用の定量計算
ポンプステーションのオンオフ費用は、主にモータ絶縁劣化損失を計算する。オンオフ時の絶縁強度は、式(11)で計算できる。ただし、モータ絶縁材料がポリエステル樹脂の場合は、K=0.114×10-6、K=(30~45)×10-6、K=(1.03~2.06)×10-6であり、式(11)を代入して1ユニットの1回のオンオフにおいて絶縁寿命が0.002~0.003年減少することが算出される。モータの絶縁費用が50万元であり、寿命が20年であり、1台のユニットの1回のオンオフかかる費用は、50~75元であり、65元とする。
【0049】
ステップF:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデル
ステップEから、1ユニットの1回のオンオフにかかる費用が50~75元であり、Fon_off=65元を取り、現在の電力価格fe=0.5968元/(kW・h)と仮定する。1日のポンプステーションの揚水量の要求を満たしかつポンプステーションが安全に運行することを前提に、ポンプステーションシステムの1日の運行費用を最も節約されることを目標に、同感潮ポンプステーションの最適化運行数学モデルを確立する。
【数17】
最適化モデル制限条件は、以下である。
【数18】
ここで、Fon_offjは、第jの時間帯のオンオフ費用であり、nmax=16,10,7。αimin、αimaxについて、第i(i=1,2,3)基のポンプステーションユニットの最小、最大ブレード角度であり、それぞれ[-4°,4°]、[-6°,4°]、[-6°,4°]である。Qimin、Qimax(単位:m/s)は、第i基のポンプステーションユニットの最小、最大の単機流量である。
【数19】
(単位:m)は、4つの時間帯の3つのポンプステーションの総揚水量である。Tは、第jの時間帯の時間区画点範囲であり、Tjmax(min)、Tjmin(max)(単位:h)は、それぞれ隣り合う高潮位、低潮位の時点である。V(単位:m)は、必要揚水量である。i=1,2,3。j=1,2,3,4。
【0050】
ステップG:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の時間最適化区画と区画運行計画の計算及び決定
本発明は、改良混合粒子群アルゴリズムを用いて最適化方案の計算及び求解を行い、該アルゴリズムを用いる前に、ポンプステーションの最適化運行求解の特性に対してアルゴリズムの改良調整を行う。実験を経て、個体群数が400であり、反復回数が350回の場合、アルゴリズム収束性の安定性が良い。
【0051】
ステップGと図2のステップに従って、本実施例のポンプステーションシステム最適化運行モデルに対して最適化計算を行い、ポンプステーションシステムが1日平均流量450m/sを満たす可変台数と可変角度の1日最適運行最適化計画及び総運行費用Fが474961元であることを決定し、運行計画を表10に示す。
【0052】
表10:ステーション1、2、3のある日の1日平均流量450m/sを満たす時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの1日最適化運行計画
【0053】
【表10】
【0054】
同時に同ポンプステーション群の同日の必要平均流量450m/sを計算する。計画1によると、ポンプステーションが終日設計角度0°、固定稼働台数で運行する場合、ポンプステーションシステムの1日の最適化運行費用Fは、490147元であり、運行計画は、表11に示す。計画2は、1日の時間を平均して4つの時間帯に分けるポンプステーションの1日の最適化運行計画であって、ポンプステーションシステムユニットの運行組み合わせ+ブレード角度の1日最適化運行総費用Fを487490元と決定し、最適化運行計画を表12に示す。計画3は、時間最適化で4つの時間帯に分け、各時間帯の平均流量が制約要求を満たす最適化運行計画であり、システムの1日の運行費用Fは、486518元であり、最適化運行計画を表13に示す。図5に示すように、本発明が提案する感潮ポンプステーションは、1日の揚水総量に基づく時間区画+ユニット運行組み合わせ+ブレード角度の同時最適化の1日の最適化運行計画の総運行費用Fは、計画1の総運行費用F、計画2の総運行費用F、計画3の総運行費用Fより、それぞれ3.10%、2.57%、2.38%を節約し、最適化されていない運行計画(一般にブレード角度を設計して運行する)より運行費用を5%~10%以上節約する。
【0055】
表11:ステーション1、2、3のブレード設計角度に基づくポンプステーションシステムの1日運行計画
【0056】
【表11】
【0057】
表12:ステーション1、2、3の固定時間区画に基づくポンプステーションシステムの1日最適化運行計画
【0058】
【表12】
【0059】
表13:ステーション1、2、3の最適化時間区画に基づくポンプステーションシステムの1日最適化運行計画
【0060】
【表13】
【0061】
(付記)
(付記1)
時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法であって、
A:大型ポンプステーションシステムの運行における全エネルギー消費量を計算するステップと、
B:ポンプステーションの一定流量と揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画を決定するステップと、
C:ポンプステーションの感潮側水位とポンプステーション揚程の1日の変化規則を決定するステップと、
D:ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の可変運行状況における時間区画数と限界範囲を決定するステップと、
E:ポンプステーションユニットのオンオフにおける部品損失費用を定量的に計算するステップと、
F:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルを確立するステップと、
G:時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の時間最適化区画と区画運行計画を計算して決定するステップとを含むことを特徴とする
時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【0062】
(付記2)
ステップAで前記大型ポンプステーションシステムの運行における全エネルギー消費量の計算は、以下のように解を求め、
大型軸流ポンプステーションを例とすると、システムの総エネルギー消費量は、メインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量Ppm、変圧器のエネルギー消費量ΔP、送電線システムのエネルギー消費量ΔPte及びステーション用補機システムのエネルギー消費量Pznからなり、各部分のエネルギー消費量の求解式は、それぞれ以下の通りであることを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【数20】
(1)
【数21】
(2)
【数22】
(3)
【数23】
(4)
zn=Pzn′×Q (5)
式中、ρ(単位:kg/m)は、水体密度であり、g(単位:m/s)は、重力加速度であり、Q(単位:m/s)は、ポンプステーション流量であり、H(単位:m)は、ポンプステーション装置揚程であり、ηは、ポンプ装置効率であり、ηdrは、伝動機構効率であり、ηmotは、モータ効率であり、P(単位:kW)は、変圧器の定格無負荷有効損失であり、即ち鉄損であり、kは、無効経済当量であり、電力網における変圧器の位置によって値をとり、一般的にはk=0.1kW/kvarを取り、Q(単位:kW)は、変圧器定格励磁電力であり、S(単位:kVA)は、変圧器容量であり、S(単位:kVA)は、変圧器定格容量であり、P(単位:kW)は、変圧器定格負荷有効損失であり、すなわち銅損であり、Q(単位:kW)は、変圧器定格負荷漏洩磁気電力であり、I%(単位:%)は、変圧器無負荷電流であり、U%(単位:%)は、変圧器インピーダンス電圧であり、ΔPte′(単位:kW)は、単一送電線損失であり、Ite′(単位:A)は、単一送電線電流であり、P(単位:kW)は、送電線接続設備の入力電力であり、U(単位:kV)は、当該設備の定格電圧であり、cosφは、力率であり、r(単位:Ω/km)は、送電線の単位長さ抵抗であり、l(単位:km)は、線路長であり、Pzn′(単位:kW/(m/s))は、単位流量あたりのステーション用補機の消費電力である。
【0063】
(付記3)
ステップBで前記ポンプステーションの一定流量と揚程におけるポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画の決定は、過程が以下であり、
所定の装置揚程Hで、ポンプステーション揚水流量が要求揚水流量の0~最大ユニット単機流量qmax増の範囲で各ユニットが運行されている場合、単位流量あたりのシステムエネルギー消費量
【数24】
(kW/(m/s))の最小を目標としてポンプステーションの揚程一定時のポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の最適化運行計画を決定し、数学モデルは、以下であり、
【数25】
(6)
制限条件は、下記式(7)であることを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【数26】
(7)
式中:ρ(単位:kg/m)は、水体密度であり、g(単位:m/s)は、重力加速度であり、Q(単位:m/s)は、第i基ポンプステーションユニットの単機流量であり、Qi,min、Qi,max(単位:m/s)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大単機流量であり、α(単位:°)は、第i基ポンプステーションのブレード角度であり、Q(単位:m/s)は、ポンプステーションの必要揚水流量であり、αi,min、αi,max(単位:゜)は、それぞれ第i基ポンプステーションの最小、最大ブレード角度であり、Hzi(単位:m)は、第i座ポンプステーション装置揚程であり、ηziは、第i基ポンプステーション装置効率であり、ηdriは、第i基ポンプステーション伝動機構効率であり、ηmotiは、第i基ポンプステーションモータ効率であり、nは、第i基ポンプステーション稼働台数であり、Mi,maxは、第i基ポンプステーションの搭載台数であり、その値が正の整数であり、ΔPbi(単位:kW)は、第i基ポンプステーションの変圧器損失であり、ΔPtei(単位:kW)は、第i基ポンプステーションの送電システム損失であり、Pzni(単位:kW)は、第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、kは、ポンプステーションの数であり、その値が正の整数であり、
【数27】
は、ポンプステーションの流量である。
【0064】
(付記4)
ステップDで前記ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行計画の可変運行状況における時間区画数と限界範囲の決定は、方法が以下であり、
揚程の1日の変化規則によって1日24時間を隣り合う高潮位と低潮位の時点を境界とし、範囲ごとに1つの時間帯を決定し、1日を4つの時間帯に分け、このとき区画が1日2回の高潮、2回の低潮に対応し、揚水体積の要求を満たした場合、ポンプステーションシステムの運行費用Fを最も節約することを目標とし、4つの時間帯区分の最適計画と、各時間帯に対応するユニット運行台数nとブレード角度αの組み合わせを決定することを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【0065】
(付記5)
ステップEで前記ポンプステーションユニットのオンオフにおける部品損失費用の定量的計算は、1回のオンオフにおけるユニットの主要部品の運行寿命の減少量を以下の方法で解を求め、
【数28】
(8)
式中、Kは、熱要素の劣化速度であり、Kは、電気要素の劣化速度であり、Kは、機械要素の機械化量速度であり、t(単位:h)は、ユニットの運行時間であり、Nは、オンオフの回数を示し、1計算周期内に時間tと共に変化し、
【表14】
絶縁劣化が30%になるとオーバーホールしなければならず、すなわちU%=70%になるとユニットのオーバーホールをしなければならないと仮定し、
70%=(1-K・t-K・t-K・N(t))×100%
即ち、(K+K)t+K・N(t)=30% (9)
N回、N+1回のオンオフにおけるモータ絶縁寿命は、それぞれ以下であり、
=(30%-KN)/(K+K
N+1=(30%-K(N+1))/(K+K
両式の減算によって、1回のオンオフにおけるモータの絶縁寿命短縮は、式(10)となり、
Δt=K/(K+K) (10)
式(10)で、各劣化係数を最大値、最小値でそれぞれ同時に代入して1回のオンオフにおける絶縁寿命の短縮値を算出し、続いてこの絶縁寿命の短縮値が絶縁全寿命に占める割合及び絶縁費用によって、オンオフ1回の絶縁損失の費用を算出することを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【0066】
(付記6)
ステップFで前記時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルは、以下であり、
【数29】
(11)
ここで、
【数30】
(12)
最適化モデル制限条件は、以下であることを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
【数31】
(13)
式中、Ppmi,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのメインウォーターポンプシステムのエネルギー消費量であり、ΔPtei,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの送電システムの損失量であり、ΔPbi,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションの変圧器の損失量であり、ΔPzni,j(単位:kW)は、第j時間帯の第i基ポンプステーションのステーション用補機システムのエネルギー消費量であり、ΔT(単位:h)は、第j時間帯の時間長であり、Fon_offjは、第j時間帯のオンオフ費用であり、nimaxは、第i基ポンプステーションのユニット搭載台数であり、αi,min、αi,maxは、第i基ポンプステーションユニットの最小、最大ブレード角度であり、Qi,j(単位:m/s)は、第i基ポンプステーションの第j時間帯の単機運行流量であり、Qimin、Qimax(単位:m/s)は、それぞれ第i基ポンプステーションユニットの最小、最大単機流量であり、
【数32】
(単位:m)は、l個の時間帯のk個のポンプステーション総揚水量であり、Tは、第j時間帯の時間区画点であり、Tmax(min)、Tmin(max)(単位:h)は、それぞれ隣り合う高(低)潮位、低(高)潮位が出現する時間であり、V(単位:m)は、ポンプステーションの1日の必要揚水量である。
【0067】
(付記7)
ステップGで時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行の時間最適化区画と区画運行計画の解を求めることは、複雑な非線形組み合わせ問題であり、改良混合粒子群アルゴリズムを用いて計算して解を求め、計算して解を求める過程が以下であることを特徴とする
付記1に記載の時間最適化区画に基づく感潮ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行方法。
(1)ステップDにより、感潮ポンプステーションの1日2回の高潮、2回の低潮の水位変化規則に基づき、揚程の1日の変化規則により1日24時間を隣り合う高潮位と低潮位の時点を境界とし、範囲ごとに1つの時間帯を決定し、1日を4つの時間帯に分け、ハルトンシーケンスを用いてランダムにm種類の時間区画計画を生成し、時間区画計画ごとの運行計画を最適化し、即ち、ステップAで前記ポンプステーションシステムのエネルギー消費量に基づいて、揚水水量の要求を満たすことを決定した場合、ポンプステーションシステムの運行エネルギー消費量が最も節約されるユニット運行台数とブレード角度の組み合わせを最適な運行計画とする。
(2)各時間区画計画の全時間帯のオンオフ状況を決定し、ステップEにより各時間区画計画のオンオフ総費用を正確に計算し、ステップFで提案した時間最適化区画に基づくポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行数学モデルに基づき、時間区画計画ごとに対応するポンプステーションシステムの総運行費用を計算し、ポンプステーションシステムの総運行費用が最も節約される際の計画を、ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適化運行最適計画の初期計画とする。
(3)改良混合粒子群アルゴリズム更新式によりm種類の新しい時間区画計画を更新し、上述のステップによりm種類の新しい時間区画計画のポンプステーションシステムの総運行費用を算出し、m種類の新しい計画におけるポンプステーションシステムの総運行費用の最小値を決定して初期計画費用と比較し、m種類の新しい計画におけるポンプステーションシステムの総運行費用の最小値が初期計画の最小システム運行費用より小さければ、ポンプステーションシステムの可変台数と可変角度の1日最適運行最適計画を更新し、逆に、元計画を保留する。
(4)アルゴリズムの規定により時間区画計画を絶えず更新し、ポンプステーションシステムの総運行費用の最小値が安定な値に近づくまでアルゴリズムが収束し、時間区画計画の更新反復を停止し、現在の計画をポンプステーションシステムユニットの可変台数と可変角度の1日最適運行最適計画とし、対応する計画のポンプステーションシステムの総運行費用を決定する。
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図2
図3
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図5