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特許7299663求人求職支援装置、求人求職支援プログラムおよび求人求職支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】求人求職支援装置、求人求職支援プログラムおよび求人求職支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230621BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023008602
(22)【出願日】2023-01-24
【審査請求日】2023-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522005424
【氏名又は名称】株式会社NGA
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】王 沁
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3236207(JP,U)
【文献】特開2013-186813(JP,A)
【文献】特開2018-169869(JP,A)
【文献】特開2019-106165(JP,A)
【文献】特開2010-231685(JP,A)
【文献】特開2020-004048(JP,A)
【文献】特開2019-101720(JP,A)
【文献】特開2022-015127(JP,A)
【文献】特開2015-164022(JP,A)
【文献】特開2001-297211(JP,A)
【文献】国際公開第2021/245851(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人者と求職者との間のメッセージの送受信において、前記求職者のメッセージに対する前記求人者の返信に関する行動に基づいて、前記求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部と、
求職者と求人者との間のメッセージの送受信において、前記求人者のメッセージに対する前記求職者の返信に関する行動に基づいて、前記求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部と、
前記求職者属性推定部によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、前記求人企業属性推定部によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備えた求人求職支援装置。
【請求項2】
予め設定された求職者の求職条件と予め設定された求人企業の求人条件とに基づいて、前記マッチングの対象となる求職者および求人企業の候補を抽出するマッチング候補抽出部を備え、
前記マッチング候補抽出部で抽出された候補について、前記マッチングを行う請求項1記載の求人求職支援装置。
【請求項3】
求人者と求職者との間のメッセージの送受信において、前記求職者のメッセージに対する前記求人者の返信に関する行動に基づいて、前記求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部と、
前記求職者属性推定部によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備えた求人求職支援装置。
【請求項4】
求職者と求人者との間のメッセージの送受信において、前記求人者のメッセージに対する前記求職者の返信に関する行動に基づいて、前記求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部と、
前記求人企業属性推定部によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備えた求人求職支援装置。
【請求項5】
請求項1記載の求人求職支援装置と、
前記予め記憶された求人企業の属性情報の設定入力を受け付ける第1の端末装置と、
前記予め記憶された求職者の属性情報の設定入力を受け付ける第2の端末装置とを備えた求人求職支援システム。
【請求項6】
求人者と求職者との間のメッセージの送受信において、前記求職者のメッセージに対する前記求人者の返信に関する行動に基づいて、前記求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定するステップと、
求職者と求人者との間のメッセージの送受信において、前記求人者のメッセージに対する前記求職者の返信に関する行動に基づいて、前記求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定するステップと、
前記推定した求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、前記推定した求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うステップとをコンピュータに実行させる求人求職支援プログラム。
【請求項7】
前記求人者の返信に関する行動が、前記求人者の返信率および平均返信時間の少なくとも1つを含む請求項1または3記載の求人求職支援装置。
【請求項8】
前記求職者属性推定部が、前記求人者の求職者の情報の閲覧情報も含めて、前記求職者の属性情報を推定する請求項1または3記載の求人求職支援装置。
【請求項9】
前記求職者の返信に関する行動が、前記求職者の返信率および平均返信時間の少なくとも1つを含む請求項1または4記載の求人求職支援装置。
【請求項10】
前記求人企業属性推定部が、前記求職者の求人企業の情報の閲覧情報も含めて、前記求人企業の属性情報を推定する請求項1または4記載の求人求職支援装置。
【請求項11】
前記求人者の返信に関する行動が、前記求人者の返信率および平均返信時間の少なくとも1つを含み、
前記求職者の返信に関する行動が、前記求職者の返信率および平均返信時間の少なくとも1つを含む請求項6記載の求人求職支援プログラム。
【請求項12】
求人者と求職者との間のメッセージの送受信において、前記求職者のメッセージに対する前記求人者の返信に関する行動に基づいて、前記求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定するステップと、
前記推定した求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合することによってマッチングを行うステップとをコンピュータに実行させる求人求職支援プログラム。
【請求項13】
求職者と求人者との間のメッセージの送受信において、前記求人者のメッセージに対する前記求職者の返信に関する行動に基づいて、前記求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定するステップと、
前記推定した求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うステップとをコンピュータに実行させる求人求職支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人企業と求職者とのマッチングを行う求人求職支援装置、求人求職支援方法、求人求職支援プログラムおよび求人求職支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、求職者が端末装置などを用いて求人サイトにアクセスし、希望する求職条件を端末装置から入力することによって、求人サイトに掲載された求人情報の中から求職条件を満たす求人情報を検索することが行われている。
【0003】
この場合、求職者の求職条件を満たす求人企業を検索することは可能であるが、求人企業側からすると、必ずしも求職者が、求人企業が求める人材ではない可能性がある。したがって、たとえ求職者が検索した求人企業に応募したとしても、採用されなかったり、採用されたとしても、求人企業に合わなかったりして離職する可能性がある。
【0004】
そこで、たとえば特許文献1には、求人企業の求人者の行動特徴を分析し、その行動特徴と類似する行動特徴を有する求職者を抽出することによって、離職率を下げる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-231685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、求人者と似た行動をとる求職者は、求人者が属する求人企業に、求人者と同様に適するであろうという想定に基づく方法であり、そもそもこの想定自体が正しいとは言えず、必ずしも求職者が求人企業が求める人材ではない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、求人企業と求職者とが互いに求める人材または企業とのマッチングを可能とする求人求職支援装置、求人求職支援方法、求人求職支援プログラムおよび求人求職支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の求人求職支援装置は、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部と、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部と、求職者属性推定部によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、求人企業属性推定部によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の求人求職支援装置によれば、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定し、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定し、推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うようにしたので、求人企業と求職者とが互いに求める人材または企業とのマッチングを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の求人求職支援システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
図2図1に示す求人求職支援システムの処理の流れを説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の求人求職支援装置および方法並びにプログラムの一実施形態を用いた求人求職支援システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の求人求職支援システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態の求人求職支援システム1は、求職者と求人企業とのマッチングを行うシステムである。特に、本実施形態の求人求職支援システム1は、求人企業の行動に基づいて、求人企業が求める求職者の属性情報を推定するとともに、求職者の行動に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報を推定し、求人企業が求める求職者の属性情報および求職者が求める求人企業の属性情報に基づいて、求人企業と求職者とのマッチングを行うシステムである。
【0013】
本実施形態の求人求職支援システム1は、図1に示すように、求人者用端末装置10と、求職者用端末装置20と、求人求職支援装置30とを備えている。
【0014】
求人者用端末装置10および求職者用端末装置20は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ、ハードディスクおよび通信I/F(Interface)などを備えている。求人者用端末装置10および求職者用端末装置20は、たとえばタブレット端末またはスマートフォンなどの携帯端末から構成されるが、デスクトップパソコンやノートパソコンから構成するようにしてもよい。
【0015】
求人者用端末装置10および求職者用端末装置20と求人求職支援装置30とは、インターネットやLAN(Local Area Network)などの通信回線を介して接続されており、互いに通信可能に構成されている。なお、図1においては、1台の求人者用端末装置10および求職者用端末装置20しか示していないが、求人求職支援装置30は、多数の求人者用端末装置10および求職者用端末装置20と互いに通信可能に構成されている。
【0016】
求人者用端末装置10は、求人企業の求人者が使用するものである。本実施形態においては、求人者用端末装置10が、本発明の第1の端末装置に相当する。
【0017】
求人者用端末装置10は、制御部11、記憶部12および表示部13を備えている。記憶部12には、求人求職支援アプリケーションがインストールされており、この求人求職支援アプリケーションが制御部11のCPUによって実行されることによって、求人者用端末装置10の機能が実行される。
【0018】
制御部11は、たとえば属性情報設定入力画面、求人条件設定入力画面および求職者表示画面などを表示部13に表示させる。
【0019】
属性情報設定入力画面は、求人企業の属性情報の設定入力を受け付ける画面である。求人企業の属性情報とは、求人企業自身に関連する情報である。求人企業の属性情報としては、たとえば求人企業の業界、求人企業の概要、正社員数、上場情報および設立年数の他に、売り上げ、経常利益、純利益、営業利益、総資産、および前連結会計年度末の資本合計などのファイナンス情報などがある。ただし、求人企業の属性情報は上記の情報に限らず、求人企業に関連する情報であれば、如何なる情報でもよい。
【0020】
求人条件設定入力画面は、求人企業の求人条件の設定入力を受け付ける画面である。求人条件としては、たとえば希望学歴、勤務経験、スキル、資格、言語、職種、業界、勤務地、雇用形態、給与および転居状況などがあるが、これに限らない。また、求人者が求人条件を文章でフリーに入力してもよい。
【0021】
求職者表示画面は、求職者の情報をリスト表示する画面である。リスト表示される求職者の情報については、後で詳述する。
【0022】
求人者用端末装置10の属性情報設定入力画面および求人条件設定入力画面において設定入力された情報は、求人者用端末装置10から求人求職支援装置30に出力される。
【0023】
また、求人者用端末装置10は、メッセージの送受信機能を有し、求人求職支援装置30を介して、求職者用端末装置20とメッセージの送受信が可能である。メッセージの送受信は、チャット形式で行われる。求人者用端末装置10と求職者用端末装置20との間で送受信されたメッセージの履歴は、求人求職支援装置30に記憶される。求人者が送受信したメッセージは求人者の識別情報に紐付けされて記憶される。
【0024】
求職者用端末装置20は、求職者が使用するものである。本実施形態においては、求職者用端末装置20が、本発明の第2の端末装置に相当する。
【0025】
求職者用端末装置20は、制御部21、記憶部22および表示部23を備えている。記憶部22には、求人求職支援アプリケーションがインストールされており、この求人求職支援アプリケーションが制御部21のCPUによって実行されることによって、求職者用端末装置20の機能が実行される。
【0026】
制御部21は、たとえば属性情報設定入力画面、求職条件設定入力画面および求人企業表示画面などを表示部23に表示させる。
【0027】
属性情報設定入力画面は、求職者の属性情報の設定入力を受け付ける画面である。求職者の属性情報とは、求職者自身に関連する情報である。求職者の属性情報としては、たとえば求職者の学歴、勤務経験、スキル、資格、所在地、業界、職種、言語および過去の面接回数などがある。ただし、求職者の属性情報は上記の情報に限らず、求職者自身に関連する情報であれば、如何なる情報でもよい。
【0028】
求職条件設定入力画面は、求職者の求職条件の設定入力を受け付ける画面である。求職条件としては、たとえば希望勤務地、希望業界、希望給与、希望雇用形態および転居可否などがあるが、これに限らない。また、求職者が求職条件を文章でフリーに入力してもよい。
【0029】
求人企業表示画面は、求人企業の情報をリスト表示する画面である。リスト表示される求人企業の情報については、後で詳述する。
【0030】
求職者用端末装置20の属性情報設定入力画面および求職条件設定入力画面において設定入力された情報は、求職者用端末装置20から求人求職支援装置30に出力される。
【0031】
また、求職者用端末装置20は、メッセージの送受信機能を有し、求人求職支援装置30を介して、求人者用端末装置10とメッセージの送受信が可能である。メッセージの送受信は、チャット形式で行われる。求職者用端末装置20と求人者用端末装置10との間で送受信されたメッセージの履歴は、求人求職支援装置30に記憶される。求職者が送受信したメッセージは求職者の識別情報に紐付けされて記憶される。
【0032】
求人求職支援装置30は、上述した求人条件および求職条件に基づいて、求人企業候補リストおよび求職者候補リストを作成するとともに、さらに、求人者のメッセージの履歴および求職者のメッセージの履歴などに基づいて、求人企業リストおよび求職者候補リストの中から、より適した求人企業および求職者のマッチングを行うものである。
【0033】
求人求職支援装置30は、具体的には、求人企業情報取得部31と、求職者情報取得部32と、マッチング候補抽出部33と、メッセージ取得部34と、求職者属性推定部35と、求人企業属性推定部36と、マッチング処理部37とを備えている。
【0034】
求人企業情報取得部31は、求人者用端末装置10において設定入力された求人企業の属性情報および求人条件を取得し、求人企業の識別情報毎に記憶する。
【0035】
求職者情報取得部32は、求職者用端末装置20において設定入力された求職者の属性情報および求職条件を取得し、求職者の識別情報毎に記憶する。
【0036】
マッチング候補抽出部33は、求人企業情報取得部31に記憶された求人企業の属性情報および求人条件と求職者情報取得部32に記憶された求職者の属性情報および求職条件とを照合し、条件が合致する求人企業および求職者を抽出する。この求人企業および求職者の抽出処理については、公知な手法を用いることができるが、たとえば畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて類似度などを算出して抽出処理を行うようにしてもよい。
【0037】
マッチング候補抽出部33によって抽出された求人企業および求職者が、後述するマッチング処理部37におけるマッチングの対象となる求職者および求人企業の候補となる。
【0038】
マッチング候補抽出部33によって抽出された求職者の属性情報および求職条件は、求人者用端末装置10の求職者表示画面にリスト表示され、求人者は、リスト表示された各求職者の属性情報および求職条件を閲覧することができ、求職者とのメッセージの送受信を行うことができる。
【0039】
また、マッチング候補抽出部33によって抽出された求人企業の属性情報および求職条件は、求職者用端末装置20の求人企業表示画面にリスト表示され、求職者は、各求人企業の属性情報および求人条件を閲覧することができ、求人企業の求人者とのメッセージの送受信を行うことができる。
【0040】
メッセージ取得部34は、求人者用端末装置10と求職者用端末装置20との間で送受信されたメッセージを取得し、求人者の識別情報毎および求職者の識別情報毎に記憶する。
【0041】
求職者属性推定部35は、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する。求職者属性推定部35は、たとえば求人者が送信したメッセージに基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する。
【0042】
求職者属性推定部35は、たとえば求人者のメッセージの返信率に基づいて、求人者が求める求職者の属性情報を推定する。具体的には、求人者のメッセージの返信率が高い求職者の属性情報を、求人者が求める求職者の属性情報として推定する。
【0043】
また、求職者属性推定部35は、求人者のメッセージの平均返信時間に基づいて、求人者が求める求職者の属性情報を推定する。具体的には、求人者のメッセージの平均返信時間が長い求職者の属性情報を、求人者が求める求職者の属性情報として推定する。
【0044】
また、求職者属性推定部35は、求人者が送信したメッセージ以外からも求人者が求める求職者の属性を推定することができる。
【0045】
具体的には、求職者属性推定部35は、求人者が、求人者用端末装置10を用いて閲覧した求職者の情報の閲覧率に基づいて、求人者が求める求職者の属性を推定することができる。たとえば閲覧率が高い求職者の属性情報を、求人者が求める求職者の属性情報として推定する。
【0046】
また、求職者属性推定部35は、たとえば求人者が面接を行った求職者の属性情報を求め、面接に進む率が高い求職者の属性情報を求人者が求める求職者の属性情報として推定する。
【0047】
また、求職者属性推定部35は、たとえば求人者が求職者の情報を閲覧した場合におけるその閲覧時間に基づいて、求人企業が求める求職者の属性情報を推定するようにしてもよい。具体的には、閲覧時間が長い求職者の属性情報を、求人企業が求める求職者の属性情報と推定してもよい。
【0048】
また、求職者属性推定部35は、求人者が求職者とチャットした場合におけるそのチャット時間に基づいて、求人企業が求める求職者の属性を推定するようにしてもよい。具体的には、チャット時間が長い求職者の属性情報を、求人企業が求める求職者の属性情報と推定してもよい。
【0049】
また、求職者属性推定部35は、求人企業が求職者と面接した場合におけるその面接時間に基づいて、求人企業が求める求職者の属性を推定するようにしてもよい。具体的には、面接時間が長い求職者の属性情報を、求人企業が求める求職者の属性情報と推定してもよい。なお、面接の情報については、求人者が求人者用端末装置10を用いて求職者毎の面接情報を設定入力し、これを求職者属性推定部35が取得するようにすればよい。
【0050】
また、求職者属性推定部35は、たとえば面接まで進んだ求職者の属性情報に基づいて、求人企業が求める求職者の属性を推定するようにしてもよい。具体的には、面接まで進んだ求職者の属性情報の統計などから、求人企業が求める求職者の属性情報を推定するようにしてもよい。
【0051】
また、求職者属性推定部35は、たとえば求人企業の一つの求人当たりの平均面接人数に基づいて、求人企業が求める求職者の属性を推定するようにしてもよい。具体的には、一つの求人当たりの平均面接人数が多い場合には、その求人企業は、求人意欲が強く、求人企業は、同様に求職意欲が強い求職者を求める。したがって、求職者属性推定部35は、求人企業の一つの求人当たりの平均面接人数が予め設定された閾値以上である場合には、求人企業が求める求職者の属性として、面接回数が予め設定された閾値以上であるという属性情報を推定する。
【0052】
また、求人者のコミュニティ投稿、検索履歴、いいね履歴、コメント履歴に基づいて、求人者が求める求職者の属性情報を推定するようにしてもよい。求人者のコミュニティの情報については、求人者が求人者用端末装置10を用いてアクセスしたSNS(Social Networking Service)などのコミュニティの履歴情報を求職者属性推定部35が取得するようにすればよい。
【0053】
また、求職者属性推定部35が、面接で落とした求職者の属性情報に基づいて、レバース特徴として、求人者が求めていない求職者の属性情報を推定するようにしてもよい。
【0054】
求人企業属性推定部36は、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に求める求人企業の属性情報を推定する。求人企業属性推定部36は、たとえば求人者が送信したメッセージに基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報を推定する。
【0055】
具体的には、求人企業属性推定部36は、求職者のメッセージの返信率に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報を推定する。具体的には、求職者のメッセージの返信率が高い求人企業の属性情報を、求職者が求める求人企業の属性情報として推定する。
【0056】
また、求人企業属性推定部36は、求職者のメッセージの平均返信時間に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報を推定する。具体的には、求職者のメッセージの平均返信時間が長い求人企業の属性情報を、求職者が求める求人企業の属性情報として推定する。
【0057】
また、求人企業属性推定部36は、求職者が送信したメッセージ以外からも求職者が求める求人企業の属性を推定することができる。
【0058】
具体的には、求人企業属性推定部36は、求職者が、求職者用端末装置20を用いて閲覧した求人企業の情報の閲覧率に基づいて、求職者が求める求人企業の属性を推定することができる。たとえば閲覧率が高い求人企業の属性情報を、求職者が求める求人企業の属性情報として推定する。
【0059】
また、求人企業属性推定部36は、たとえば求職者が面接まで進んだ求人企業の属性情報を求め、面接に進む率が高い求人企業の属性情報を、求職者が求める求人企業の属性情報として推定する。なお、面接の情報については、求職者が求職者用端末装置20を用いて求人企業毎の面接情報を設定入力し、これを求人企業属性推定部36が取得するようにすればよい。
【0060】
また、求職者が求人企業と面接した場合におけるその面接の進み具合に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報を推定するようにしてもよい。具体的には、面接が所定のステップ以上進んでいる求人企業の属性情報の統計などから、求職者が求める求人企業の属性情報を推定する。
【0061】
また、求職者のコミュニティでの活躍度、コミュニティ投稿、検索履歴、いいね履歴、コメント履歴に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報するようにしてもよい。求職者のコミュニティの情報については、求職者が求職者用端末装置20を用いてアクセスしたSNS(Social Networking Service)などのコミュニティの履歴情報を求人企業属性推定部36が取得するようにすればよい。
【0062】
上述した属性情報の推定は、公知なデータマイニングの手法を用いて、たとえばニューラルネットワークの機会学習により行うことができる。
【0063】
マッチング処理部37は、求人企業と求職者とのマッチングを行う。具体的には、マッチング処理部37は、マッチング候補抽出部33によって抽出された求人企業の求人条件、求人企業の予め記憶された属性情報および求人企業が求める求職者の推定された属性情報と、マッチング候補抽出部33によって抽出された求職者の求職条件、求職者の予め記憶された属性情報および求職者が求める求人企業の推定された属性情報とを用いてマッチングを行う。特に、本実施形態のマッチング処理部37は、求人企業が求める求職者の推定された属性情報と予め記憶された求職者の属性情報(求職者が設定入力した属性情報)とを照合するとともに、求職者が求める求人企業の推定された属性情報と予め記憶された求人企業の属性情報(求人者が設定入力した求人企業の属性情報)とを照合することによって、求人企業と求職者とのマッチングを行う。
【0064】
マッチング処理部37は、たとえば求人企業に関する予め記憶された属性情報、求人条件および求職者が求める求人企業の推定された属性情報の特徴ベクトルを求めるとともに、求職者に関する予め記憶された属性情報、求職条件および求職者が求める求人企業の推定された属性情報の特徴ベクトルを求め、求人企業に関する特徴ベクトルと求職者に関する特徴ベクトルとの類似度を求め、類似度が高い求人企業と求職者の組み合わせを求めることによってマッチングを行うようにしてもよい。この場合、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの深層学習を用いて類似度の算出などを行うようにしてもよい。なお、マッチングの手法はこれに限らず、その他の公知な手法を用いることができる。
【0065】
マッチング処理部37がマッチングを行う際、上述した求人者が求めていない求職者の推定された属性情報をレバース特徴として用いるようにしてもよい。
【0066】
また、マッチング処理部37においてマッチングした求人企業の行動情報とマッチングした求職者の行動情報に基づいて、それぞれが求める属性情報の推定を継続して行って機械学習し、マッチング処理を行うようにしてもよい。これにより、たとえば求職者と求人企業がマッチングした後、その求職者が、マッチングした求人企業の求人者とのチャットを途中で中断した場合、その求人企業は、求職者が求める求人企業ではないと推定され、その求人企業の属性情報に類似する属性情報を有する求人企業は、マッチング率が下がることになる。
【0067】
マッチング処理部37においてマッチングした求人企業と求職者の情報は、求人企業の情報については、求職者用端末装置20の求人企業表示画面に表示され、求職者の情報については、求人者用端末装置10の求職者表示画面に表示される。
【0068】
求人求職支援装置30は、コンピュータから構成され、CPU、半導体メモリ、ハードディスクおよび通信I/Fなどを備えている。求人求職支援装置30の半導体メモリまたはハードディスクには、本発明の求人求職支援プログラムの一実施形態がインストールされている。求人求職支援装置30が備えるCPUによって上記求人求職支援プログラムが実行されることによって、上記各部の機能が動作する。なお、本実施形態においては、上記各部の機能を、上述したようにソフトウェアによって実現するようにしたが、これに限らず、一部または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0069】
また、本実施形態においては、求人求職支援装置30にインストールされた求人求職支援プログラムと、求人者用端末装置10および求職者用端末装置20にインストールされた求人求職支援アプリケーションとが連携して動作することによって、求人求職支援装置30の各部が動作する。
【0070】
次に、本実施形態の求人求職支援システム1の処理の流れについて、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0071】
まず、求人者用端末装置10において、求人求職支援プログラムが起動され、求人企業の属性情報および求人条件が設定入力されるとともに、求職者用端末装置20において、求人求職支援プログラムが起動され、求職者の属性情報および求人条件が設定入力される(S10)。
【0072】
次に、求人企業の属性情報および求人条件と求職者の属性情報および求人条件は、求人求職支援装置30によって取得され、これらに基づいて、マッチング候補抽出部33において、マッチングの対象となる求職者および求人企業の候補が抽出される(S12)。
【0073】
そして、マッチング候補抽出部33において抽出された求職者および求人企業の候補が、求人者用端末装置10と求職者用端末装置20において、それぞれリスト表示されて、閲覧やメッセージの送受信が可能となる(S14)。
【0074】
そして、求人者と求職者との間で送受信されたメッセージが、求人求職支援装置30によって取得されて記憶される(S16)。
【0075】
続いて、求人求職支援装置30において、求人者の行動に基づいて、求人者が求める求職者の属性情報の推定が行われるとともに、求職者の行動に基づいて、求職者が求める求人企業の属性情報の推定が行われる(S18)。
【0076】
そして、求人求職支援装置30のマッチング処理部37において、マッチング候補抽出部33によって抽出された求人企業と求職者について、上述したマッチングが行われる(S20)。
【0077】
そして、マッチング処理部37においてマッチングした求人企業と求職者の情報が、求人者用端末装置10と求職者用端末装置20にそれぞれ表示される(S22)。
【0078】
上記実施形態の求人求職支援システム1によれば、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定し、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定し、推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うようにしたので、求人企業と求職者とが互いに求める人材または企業とのマッチングを可能とする。
【0079】
また、上記実施形態の求人求職支援システム1においては、求人者が求職者に送信したメッセージに基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定し、求職者が求人者に送信したメッセージに基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定するようにしたので、簡易かつ精度の高い属性情報の推定を行うことができる。
【0080】
また、上記実施形態の求人求職支援システム1においては、予め設定された求職者の求職条件と予め設定された求人企業の求人条件とに基づいて、マッチングの対象となる求職者および求人企業の候補を抽出し、その抽出された候補について、マッチングを行うようにしたので、マッチングの演算処理の負荷を低減することができるとともに、マッチングの精度を向上させることができる。
【0081】
また、上記実施形態の求人求職支援システム1は、求職者属性推定部35および求人企業属性推定部36の両方を備えるものとしたが、これらの一方のみを備えるようにしてもよい。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0083】
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0084】
(付記1)
本発明の求人求職支援装置は、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部と、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部と、求職者属性推定部によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、求人企業属性推定部によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備える。
【0085】
(付記2)
付記1記載の本発明の求人求職支援装置において、求職者属性推定部は、求人者が求職者に送信したメッセージに基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定することができ、求人企業属性推定部は、求職者が求人者に送信したメッセージに基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定することができる。
【0086】
(付記3)
付記1または付記2記載の本発明の求人求職支援装置においては、予め設定された求職者の求職条件と予め設定された求人企業の求人条件とに基づいて、マッチングの対象となる求職者および求人企業の候補を抽出するマッチング候補抽出部を備えることができ、マッチング候補抽出部で抽出された候補について、マッチングを行うことができる。
【0087】
(付記4)
本発明の求人求職支援装置は、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部と、求職者属性推定部によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備える。
【0088】
(付記5)
本発明の求人求職支援装置は、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部と、求人企業属性推定部によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部とを備える。
【0089】
(付記6)
本発明の求人求職支援システムは、本発明の求人求職支援装置と、予め記憶された求人企業の属性情報の設定入力を受け付ける第1の端末装置と、予め記憶された求職者の属性情報の設定入力を受け付ける第2の端末装置とを備える。
【0090】
(付記7)
本発明の求人求職支援方法は、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定し、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定し、推定した求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、推定した求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行う。
【0091】
(付記8)
本発明の求人求職支援プログラムは、求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定するステップと、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定するステップと、推定した求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、推定した求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うステップとをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0092】
1 求人求職支援システム
10 求人者用端末装置
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
20 求職者用端末装置
21 制御部
22 記憶部
23 表示部
30 求人求職支援装置
31 求人企業情報取得部
32 求職者情報取得部
33 マッチング候補抽出部
34 メッセージ取得部
35 求職者属性推定部
36 求人企業属性推定部
37 マッチング処理部
【要約】
【課題】求人企業と求職者とが互いに求める人材または企業とのマッチングを可能とする求人求職支援装置、求人求職支援方法、求人求職支援プログラムおよび求人求職支援システムを提供する。
【解決手段】求人者の行動に基づいて、求人者が求職者に求める求職者の属性情報を推定する求職者属性推定部35と、求職者の行動に基づいて、求職者が求人企業に対して求める求人企業の属性情報を推定する求人企業属性推定部36と、求職者属性推定部35によって推定された求職者の属性情報と、予め記憶された求職者の属性情報とを照合するとともに、求人企業属性推定部36によって推定された求人企業の属性情報と、予め記憶された求人企業の属性情報とを照合することによってマッチングを行うマッチング処理部37とを備える。
【選択図】図1
図1
図2