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特許7299750情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/175 20060101AFI20230621BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20230621BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230621BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20230621BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20230621BHJP
【FI】
G10K11/175
H04R1/10 101A
H04R3/00 310
H04R1/10 102
G09B19/00 H
G06Q50/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019090346
(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公開番号】P2020187203
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ベネッセコーポレーションが平成31年4月1日以降に高等学校等での実証試験及びインターネットで久冨一平と加藤竜己が発明した情報処理装置を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】久冨 一平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 竜己
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/008502(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/122489(WO,A1)
【文献】特開2012-194295(JP,A)
【文献】特開2011-151648(JP,A)
【文献】実開昭59-061689(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/175
H04R 1/10
H04R 3/00
G09B 19/00
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を出力するスピーカが接続された情報処理装置であって、
情報を入力する入力手段と、
テストを実行するテスト実行手段と、
テスト中の特定のタイミングで、前記スピーカにマスキング音を出力させるマスキング指示手段と、
前記スピーカの音量を所定値に固定する音量固定手段であって、前記マスキング音が出力されている間に前記入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する、音量固定手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記マスキング指示手段は、前記テストに含まれるスピーキング問題の準備時間及び解答時間中に、前記スピーカに前記マスキング音を出力させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
スピーキング問題の準備時間又は解答時間であるか否かを示すマスキングフラグを設定するフラグ設定手段をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
音声を出力するスピーカが接続されたコンピュータが、
テストを開始する工程と、
マスキング音の出力を開始する時間であるか否かを判定する工程と、
前記出力を開始する時間である場合に、
前記スピーカの音量を所定値に固定する工程と、
前記スピーカに前記マスキング音を出力させる工程と、
前記マスキング音が出力されている間に当該コンピュータの入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する工程と、
前記マスキング音の出力を停止する時間であるか否かを判定する工程と、
前記出力を停止する時間である場合に、
前記スピーカに前記マスキング音の出力を停止させる工程と、
前記音量を、前記所定値に固定する前の値に戻す工程と、
を含む方法。
【請求項5】
音声を出力するスピーカが接続されたコンピュータを、
情報を入力する入力手段と、
テストを実行するテスト実行手段と、
テスト中の特定のタイミングで、前記スピーカにマスキング音を出力させるマスキング指示手段と、
前記スピーカの音量を所定値に固定する音量固定手段であって、前記マスキング音が出力されている間に前記入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する、音量固定手段と
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、英語等の検定、大学や高等学校など教育機関の入学試験、資格試験といったテストにおいては、テストの主催者又はその代行機関などが指定した会場に受検者が集まり、その場所で受検者が一斉にテストを受ける一斉試験が採用されている。会場には通常、一又は複数の監督者が配置されており、テストの開始及び終了の時間管理、写真との照合による本人確認、テスト中の見回りなど、テストに際して不正が行われることがないように監督を行っている。
【0003】
近年においては、マークシート方式や記述式等の筆記問題に加えて、リスニングやスピーキングのテストが会場で行われることもある。例えば、ETS(Educational Testing Service)が実施するTOEFL(Test Of English as Foreign Language)(登録商標。非特許文献1参照)では、受検者はテスト会場において、情報処理装置の画面に表示された問題やヘッドホンから流れる音声を視聴して、解答となる音声をマイクに向かって発声することにより、スピーキングテストを受ける。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】TOEFL Home、[online]、[令和1年5月13日検索]、インターネット<URL:https://www.ets.org/toefl>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一斉試験でスピーキングテストを行う場合、ある受検者が発した解答の音声が別の受検者に聞こえてしまい、ヒントを与えることになるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、他の受検者の発声を聞いて参考にしてしまうという不正行為を抑制することを可能とした情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る、音声を出力するスピーカが接続された情報処理装置は、情報を入力する入力手段と、テストを実行するテスト実行手段と、テスト中の特定のタイミングで、スピーカにマスキング音を出力させるマスキング指示手段と、スピーカの音量を所定値に固定する音量固定手段であって、マスキング音が出力されている間に入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する、音量固定手段とを備える。
【0008】
この態様によれば、テスト中の特定のタイミングでマスキング音を出力することで、情報処理装置は、他の受検者の発声を聞いて参考にしてしまうという不正行為を抑制することができる。また、音量固定手段によりマスキング音出力時のスピーカの音量は所定値に固定されるので、情報処理装置は、マスキング音による効果を確実に発揮することができる。
【0009】
上記情報処理装置において、マスキング指示手段は、テストに含まれるスピーキング問題の準備時間及び解答時間中に、スピーカにマスキング音を出力させてもよい。この態様によれば、他の受検者の発声を聞いて参考にしてしまうという不正行為が特に起こりやすい時間中に、情報処理装置は、マスキング音による効果を確実に発揮することができる。
【0010】
上記情報処理装置において、スピーキング問題の準備時間又は解答時間であるか否かを示すマスキングフラグを設定するフラグ設定手段をさらに備えてもよい。この態様によれば、マスキング音を出力するタイミングを、マスキングフラグを用いて効率よく管理することができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る方法は、音声を出力するスピーカが接続されたコンピュータが、テストを開始する工程と、マスキング音の出力を開始する時間であるか否かを判定する工程と、出力を開始する時間である場合に、スピーカの音量を所定値に固定する工程と、スピーカにマスキング音を出力させる工程と、マスキング音が出力されている間に当該コンピュータの入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する工程と、マスキング音の出力を停止する時間であるか否かを判定する工程と、出力を停止する時間である場合に、スピーカにマスキング音の出力を停止させる工程と、音量を、所定値に固定する前の値に戻す工程と、を含む。
【0012】
本発明の他の態様に係るプログラムは、音声を出力するスピーカが接続されたコンピュータを、情報を入力する入力手段と、テストを実行するテスト実行手段と、テスト中の特定のタイミングで、スピーカにマスキング音を出力させるマスキング指示手段と、スピーカの音量を所定値に固定する音量固定手段であって、マスキング音が出力されている間に入力手段から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する、音量固定手段として機能させる。
【0013】
本発明の他の態様に係る、ヘッドセットのスピーカ部分に装備されるイヤーマフであって、ヘッドセットは、スピーカから延出するコード上にマイクを有し、イヤーマフは、ヘッドセットをユーザが装着したときに、スピーカと耳との間に位置する緩衝部材と、コードを引っ掛けて、マイクを所定の位置に保持するための保持部とを有する。
【0014】
この態様によれば、マイクをユーザの口元に近い位置に保持することができるので、より大きな声で解答しなければならないという観念をユーザから取り除き、ユーザが大きな声で解答することを抑制することができる。また、マイクはユーザの声を取込み易くなるので、ユーザの声と周囲のサウンドとの区別がしやすくなる。また、緩衝部材を有するイヤーマフを装着することで、他のユーザの声を含む周囲のサウンドをより効果的に遮断することができる。
【0015】
上記イヤーマフにおいて、保持部は、コードを引っ掛けて保持可能なフックであってよい。この態様によれば、シンプルな構造で、マイクをユーザの口元に近い位置に保持することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係るヘッドセットは、上記イヤーマフを装備する。
【0017】
上記ヘッドセットは、上記情報処理装置に接続される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、他の受検者の発声を聞いて参考にしてしまうという不正行為を抑制することを可能とした情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】問題記憶部の一例を示す図である。
図4】スピーキングテストの開始画面の一例を示す図である。
図5】テストにおけるPartAの説明画面の一例を示す図である。
図6】テストにおけるPartA 1問目の初期の問題文画面の一例を示す図である。
図7】テストにおけるPartA 1問目の準備時間の問題文画面の一例を示す図である。
図8】テストにおけるPartA 1問目の解答時間の問題文画面の一例を示す図である。
図9】テストにおけるPartBの説明画面の一例を示す図である。
図10】テストにおけるPartB 1問目の初期の問題文画面の一例を示す図である。
図11】テストにおけるPartB 1問目の準備時間の問題文画面の一例を示す図である。
図12】テストにおけるPartB 1問目の解答時間の問題文画面の一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のマスキング処理の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係る情報処理装置と共に使用するヘッドセットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0021】
<実施形態の概要>
以下、本発明の一実施形態における情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを、図面を用いて説明する。なお、以下に説明するテストとしては、複数の受検者が同じ時刻に同じ拠点で受験するテストを例とし、例えば、スピーキングを含む英語検定試験などを想定する。各受検者は、自身に割り当てられている1台の情報処理装置100を用いてテストを受ける。
【0022】
本実施形態において、情報処理装置100は、好適にはタブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」ともいう。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、情報処理装置100がタブレット端末である実施形態を例にとって説明する。
【0023】
しかしながら、本発明において、情報処理装置100はタブレット端末に限られるものではなく、PC(パーソナルコンピュータ。ノートパソコンを含む。)や、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよい。
【0024】
情報処理装置100には、テストを実行するアプリケーションが予めインストールされている。受検者は、所定の時間になったり、試験官又は先生の合図があったりした後に、テストのアプリケーションを実行することでテストを受けることができる。
【0025】
情報処理装置100は、受検者によりテストの開始が指示されると、テスト問題を表示したり、又は音声で問題を出力したりする。受検者は、テスト問題に対し、情報処理装置100の操作画面を用いて解答を入力したり、情報処理装置100に向かって解答となる音声を発したりする。
【0026】
情報処理装置100は、受検者から入力された解答を解答データとして、記憶部に記憶する。解答は、例えばスピーキング問題に対する音声であり、解答データは、例えば音声データである。また、テスト問題は、複数あってもよい。この場合、テスト問題ごとに音声データが情報処理装置100に記憶(録音)される。
【0027】
テストの実施中、情報処理装置100は、特定のタイミングでマスキング音を出力する。マスキング音とは、外部の音をマスキングする効果のある音であり、マスキング音には、ピンクノイズ、ホワイトノイズ等、任意の音を用いることができる。例えばスピーキング問題の解答時間等、受検者が発声する期間にマスキング音を出力することで、他の受検者の発声を聞き取りにくくすることができる。
【0028】
<情報処理装置100のハードウェア構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示す情報処理装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)102と、メインメモリ104と、BIOS-ROM106と、記憶部108と、通信インタフェース110と、表示部112と、入力部114と、音声インタフェース116と、これらを接続するシステムバス118とを有する。
【0029】
CPU102は、例えば、メインメモリ104上に展開されたアプリケーションプログラム(テストプログラムともいう)を実行し、情報処理装置100に各種の機能を実現させる。言い換えれば、情報処理装置100は、CPU102の制御の下、テストプログラムを実行することによりテストを実現する。BIOS-ROM106は、情報処理装置100のハードウェア管理、制御をするプログラムを記憶する。
【0030】
記憶部108は、プログラムやプログラムの実行中に使用される各種データを格納する。通信インタフェース110は、他の装置との通信を可能にするインタフェースである。
【0031】
表示部112は、例えばディスプレイであり、CPU102の制御の下で処理された各種の画像を表示する。入力部114は、例えばユーザが操作するタッチパネル、電源ボタン、又はホームボタン等であり、操作に応じた情報を入力する。また、入力部114は、情報処理装置100に接続されたキーボードなどの入力デバイスであってもよい。
【0032】
音声インタフェース116は、CPU102の制御の下で処理された各種のサウンドを出力するスピーカ120と、外部から入力された各種のサウンドをCPU102の制御の下でディジタルデータに変換して取り込むマイク122とが接続される。音声インタフェース116は、例えばCPU102からシステムバス118を介して供給されたディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してスピーカ120に供給することができる。また、音声インタフェース116は、マイク122から入力されたアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換して、システムバス118を介してCPU102に供給することができる。
【0033】
なお、スピーカ120及びマイク122は、情報処理装置100に接続された、イヤホンとしてのスピーカ120とマイク122とが一体化されたヘッドセットであってもよい。
【0034】
<情報処理装置100の機能構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示す情報処理装置100は、例えば、テスト実行手段201と、表示手段202と、入力手段203と、音声出力手段204と、音声入力手段205と、記憶手段206と、送受信手段207とを有する。
【0035】
テスト実行手段201は、例えばCPU102やメインメモリ104、テストプログラムTP等により実現される。テスト実行手段201は、CPU102がメインメモリ104にロードされたテストプログラムTPを実行することで、テストに関する各種アプリケーションの機能部として動作する。
【0036】
テスト実行手段201は、まず、表示手段202を用いて受検者に識別情報を入力させる。識別情報には、一実施形態では、受検者を一意に識別する受検番号、氏名、生年月日等が含まれる。次に、テスト実行手段201は、テストを実行し、問題を表示手段202に出力させる。
【0037】
テスト実行手段201は、テストプログラムTPの実行中、特定のタイミングでスピーカ120にマスキング音を出力させる機能を有する。前述したように、マスキング音とは、外部の音をマスキングする効果のある音であり、マスキング音には、ピンクノイズ、ホワイトノイズ等、任意の音を用いることができる。この機能については、後述する。
【0038】
表示手段202は、例えば表示部112及びCPU102等により実現され、テストに関する画面を表示する。例えば、表示手段202は、受検者の識別情報の入力画面や、テスト問題の画面を表示する。
【0039】
入力手段203は、例えば入力部114及びCPU102等により実現され、タッチパネル等に対してなされた操作に応じた情報を入力する。
【0040】
音声出力手段204は、例えば音声インタフェース116及びCPU102等により実現され、テスト問題に関する音声を出力する。
【0041】
音声入力手段205は、例えば音声インタフェース116、マイク122及びCPU102等により実現され、テスト問題に対する解答等の音声を入力する。
【0042】
記憶手段206は、例えばCPU102、メインメモリ104及び記憶部108等により実現される。記憶手段206は、問題記憶部206aと、解答記憶部206bと、識別情報記憶部206cと、テストプログラムTPとを有する。
【0043】
問題記憶部206aには、テスト問題に関する情報が保存されている。一実施形態では、図3に示されるように、問題記憶部206aには、問題ID、問題説明データ、問題用データ、準備時間及び解答時間が対応付けて格納される。問題説明データには、テスト問題の概要を説明する情報が格納される。問題用データには、受検者に対して出力する問題用データが格納される。問題用データには、表示部112に表示する画像データや、スピーカ120に出力する音声データ等を含めることができる。
【0044】
準備時間には、受検者が解答を準備するために設けられた時間が格納される。解答時間には、受検者が解答を入力するために設けられた時間が格納される。
【0045】
解答記憶部206bには、情報処理装置100に入力された解答データが保存される。一実施形態では、解答記憶部206bには、問題ID及び解答データが対応付けて格納される。本実施形態では、解答データには、受検者が入力した音声データが格納される。
【0046】
識別情報記憶部206cには、情報処理装置100に入力された受検者の識別情報が保存される。一実施形態では、識別情報記憶部206cには、受検者を一意に識別する受検番号、氏名、生年月日が格納される。
【0047】
送受信手段207は、例えば通信インタフェース110及びCPU102等により実現され、ネットワークを介して他の装置と通信することで、データの送受信を行う。
【0048】
ここで、テスト実行手段201について、詳細に説明する。テスト実行手段201は、フロー制御手段210と、マスキング指示手段220と、音量固定手段230とを有する。
【0049】
フロー制御手段210は、テストのフローを制御し、フローに応じた画面を表示手段202に表示させる。また、本実施形態では、フロー制御手段210は、スピーキング問題の準備時間の開始時に、記憶手段206のマスキングフラグをONに設定して、スピーキング問題の解答時間の終了時に、マスキングフラグをOFFに設定する。
【0050】
マスキング指示手段220は、特定のタイミングで、スピーカ120にマスキング音を出力させる。例えば、一実施形態では、マスキング指示手段220は、スピーキング問題の準備時間及び解答時間に、スピーカ120にマスキング音を出力させる。本実施形態では、マスキング指示手段220は、記憶手段206のマスキングフラグがONになっている間、スピーカ120にマスキング音を出力させ、マスキングフラグがONからOFFに設定されると、スピーカ120にマスキング音の出力を停止させる。
【0051】
音量固定手段230は、マスキング音が出力されている間、音量を所定の値に固定する。例えば、一実施形態では、音量固定手段230は、記憶手段206のマスキングフラグがONになっている間、音量を所定の値に固定するとともに、音量を調整する入力部114に対する操作に応じた情報が入力されると、当該入力を無効化する。
【0052】
<情報処理装置100の画面例>
次に、本実施形態における情報処理装置100の画面例について説明する。図4は、スピーキングテストの開始画面の一例を示す図である。図4に示す例では、スピーキングテストの概要が表示されており、ここでは、スピーキングテストがPartAからPartDの4つのPartから構成されることが表示されている。例えば、受検者は、受検者の識別情報の入力後に、図4に示すスピーキングテストの開始画面が表示される。
【0053】
図5は、テストにおけるPartAの説明画面の一例を示す図である。図5に示す例では、PartAの概要が表示されており、ここでは、PartAの問題が2問であること、英文を声に出して読む問題であること等が表示されている。例えば、受検者が図4のSTARTボタンを選択することで、図5に示すPartAの説明画面が表示される。
【0054】
図6は、テストにおけるPartA 1問目の初期の問題文画面の一例を示す図である。図6に示す例では、問題文画面は、問題の説明を表示する問題説明領域601と、問題用のデータを表示する問題用領域602とを含む。例えば、図5のPartAの説明画面が所定期間表示された後、図6に示すPartA 1問目の初期の問題文画面が表示される。
【0055】
図7は、テストにおけるPartA 1問目の準備時間の問題文画面の一例を示す図である。図7に示す例では、問題文画面は、問題説明領域601及び問題用領域602に加えて、準備時間を表示する準備時間領域701を含む。図7に示す例では、準備時間領域701には、残りの準備時間に応じてバーの長さが短くなるインジケータが表示される。例えば、図6のPartA 1問目の初期の問題文画面が所定期間表示された後、図7に示すPartA 1問目の準備時間の問題文画面が表示される。
【0056】
図8は、テストにおけるPartA 1問目の解答時間の問題文画面の一例を示す図である。図8に示す例では、問題文画面は、問題説明領域601及び問題用領域602に加えて、解答時間を表示する解答時間領域801を含む。図8に示す例では、解答時間領域801には、残りの解答時間に応じてバーの長さが短くなるインジケータが表示される。例えば、図7のPartA 1問目の初期の問題文画面が準備時間である30秒間表示された後、図8に示すPartA 1問目の解答時間の問題文画面が表示される。
【0057】
なお、本実施形態では、図6の初期の問題文画面が表示されている間、問題説明領域601に表示された問題の説明が、スピーカ120によって音声としても出力される。そして、この問題の音声による説明が終わった後、図7の準備時間の問題文画面が30秒間表示され、さらに、図8の解答時間の問題文画面が表示される。
【0058】
ここで、本実施形態では音声による問題説明がなされ、準備時間は、問題が音声で説明された後、解答を開始するまでの時間としているが、別の実施形態では、音声による問題説明がなされなくてもよい。この場合、準備時間は、問題が画面表示された後、解答を開始するまでの時間となる。すなわち、受検者が解答を準備するために用いるデータが出力された後、解答を開始するまでの時間が、少なくとも準備時間に該当する。
【0059】
図9は、テストにおけるPartBの説明画面の一例を示す図である。図9に示す例では、PartBの概要が表示されており、ここでは、PartBの問題が4問であること、与えられた情報をもとに、質問に対して英語で答える問題であること等が表示されている。例えば、PartA 2問目の解答時間の問題文画面が表示された後、図9に示すPartBの説明画面が表示される。
【0060】
図10は、テストにおけるPartB 1問目の初期の問題文画面の一例を示す図である。図6に示す例と同様、図10に示す例でも、問題文画面は、問題の説明を表示する問題説明領域601と、問題用のデータを表示する問題用領域602とを含む。例えば、図9のPartBの説明画面が所定期間表示された後、図10に示すPartB 1問目の初期の問題文画面が表示される。
【0061】
図11は、テストにおけるPartB 1問目の準備時間の問題文画面の一例を示す図である。図7に示す例と同様、図11に示す例でも、問題文画面は、問題説明領域601及び問題用領域602に加えて、準備時間を表示する準備時間領域701を含む。例えば、図10のPartB 1問目の初期の問題文画面が所定期間表示された後、図11に示すPartB 1問目の準備時間の問題文画面が表示される。
【0062】
図12は、テストにおけるPartB 1問目の解答時間の問題文画面の一例を示す図である。図8に示す例と同様、図12に示す例でも、問題文画面は、問題説明領域601及び問題用領域602に加えて、解答時間を表示する解答時間領域801を含む。例えば、図11のPartB 1問目の初期の問題文画面が準備時間である10秒間表示された後、図12に示すPartB 1問目の解答時間の問題文画面が表示される。
【0063】
<動作>
次に、情報処理装置の動作について説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
情報処理装置100がテストプログラムTPの起動指示を受信すると(S1)、フロー制御手段210は、受検者の識別情報の入力画面を表示手段202に表示させる(S2)。本実施形態では、表示手段202は、受検番号、氏名、生年月日等を含む入力画面を表示したものとする。
【0065】
受検者が識別情報の入力を終えると、テスト実行手段201は、識別情報を記憶手段206に記憶する(S3)。本実施形態では、テスト実行手段201は、受検者Aの識別情報を識別情報記憶部206cに記憶したものとする。
【0066】
フロー制御手段210は、次に、テストの開始画面を表示手段202に表示させる(S4)。本実施形態では、表示手段202は、図4に示すスピーキングテストの開始画面を表示したものとする。
【0067】
受検者によりテストの開始が指示されると(S5)、テスト実行手段201は、テストを実施する(S6)。本実施形態では、フロー制御手段210の指示に応じて、表示手段202が、図5図8に示す画面を順次表示し、受検者から解答が入力されると、テスト実行手段201は、解答データを解答記憶部206bに記憶する。
【0068】
ここで、テストの実施処理について、図14を用いて詳細に説明する。図14は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のマスキング処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理は、1問ごとに行われる処理を表している。
【0069】
フロー制御手段210は、次に出題する問題がスピーキング問題であるか否か判定する(S21)。本実施形態では、問題記憶部206aに基づいて生成された問題文画面が表示される際に、フロー制御手段210は、次に出題する問題がスピーキング問題であるか否か判定する。なお、テストを構成する問題がすべてスピーキング問題である場合には、本ステップを省略してもよい。
【0070】
スピーキング問題ではない場合(S21:No)、フロー制御手段210は処理を終了する。一方、スピーキング問題である場合(S21:Yes)、フロー制御手段210は、S22に進む。ここでは、図6に示すPartA 1問目の初期の問題文画面が表示される際に、フロー制御手段210は、次に出題する問題がスピーキング問題であると判定したものとする。
【0071】
S22において、フロー制御手段210は、準備時間の開始時であるか否かを判定する。準備時間の開始時ではない場合(S22:No)、フロー制御手段210は、S22に戻る。
【0072】
一方、準備時間の開始時である場合(S22:Yes)、フロー制御手段210は、S23に進む。ここでは、図7に示すPartA 1問目の準備時間の問題文画面が表示される際に、フロー制御手段210は、準備時間の開始時であると判定したものとする。S23において、フロー制御手段210は、記憶手段206のマスキングフラグをONに設定する。
【0073】
マスキングフラグがONに設定されると、音量固定手段230は、音量をマスキング音用の所定の値に設定する(S24)。続いて、マスキング指示手段220は、スピーカ120にマスキング音を出力させる(S25)。本実施形態では、スピーカ120は、マスキング音としてホワイトノイズを出力するものとする。
【0074】
その後、入力手段203から音量を調整する操作に応じた情報が入力されると(S26)、音声固定手段230は、当該入力を無効化する(S27)。ここでは、マスキングフラグがONであるときに音量を調整する入力部114に対する操作に応じた情報が入力され、音声固定手段230は、当該入力を無効化したものとする。
【0075】
フロー制御手段210は、解答時間の終了時であるか否かを判定する(S28)。解答時間の終了時ではない場合(S28:No)、フロー制御手段210は、S28に戻る。
【0076】
一方、解答時間の終了時である場合(S28:Yes)、フロー制御手段210は、S29に進む。ここでは、図8に示すPartA 1問目の解答時間の問題文画面の表示が終了する際に、フロー制御手段210は、解答時間の終了時であると判定したものとする。S29において、フロー制御手段210は、記憶手段206のマスキングフラグをOFFに設定する。
【0077】
マスキングフラグがONからOFFに設定されると、マスキング指示手段220は、スピーカ120にマスキング音の出力を停止させる(S30)。続いて、音量固定手段230は、マスキング音用の所定の値を設定する前の値に音量を戻す(S31)。
【0078】
以上、本実施形態によれば、スピーキング問題の準備時間及び解答時間にマスキング音を出力することで、情報処理装置100は、他の受検者の発声を聞いて参考にしてしまうという不正行為を抑制することができる。
【0079】
<追加の実施形態>
前述したように、本発明の情報処理装置100には、スピーカ120及びマイク122が接続される。そして、スピーカ120及びマイク122は、情報処理装置100に接続された、イヤホンとしてのスピーカ120とマイク122とが一体化されたヘッドセットであってもよい。図15の左図には、スピーカ120とマイク122とが一体化されたヘッドセットが示されている。
【0080】
図15の左図に示す従来のヘッドセットを使用した場合、スピーカ120から延出するコード上にあるマイク122と受検者の口元が離れてしまう。このように離れた状態のマイク122を使用した場合、受検者はより大きな声で解答しなければならないと感じるおそれがある。また、マイク122は、受検者の声以外の周囲のサウンドを取り込み易くなってしまうので、受検者の声と周囲のサウンドとの区別がしにくい事態を引き起こしてしまう。
【0081】
そこで、本実施形態では、図15の右図に示されるように、ヘッドセットのスピーカ部分に、フック124を有するイヤーマフ126を装備する。スピーカ120から延出するコードをフック124に引っ掛けることで、マイク122を受検者の口元に近い位置に保持することができる。ヘッドセットのコードを引っ掛ける手段は、図15に示すフック124に限定されることなく、他の任意の形状の手段を用いることができる。
【0082】
以上、本実施形態によれば、フック124を有するイヤーマフ126を情報処理装置100及びヘッドセットと共に用いることで、より大きな声で解答しなければならないという観念を受検者から取り除き、受検者が大きな声で解答することを抑制することができる。また、マイク122は受検者の声を取込み易くなるので、受検者の声と周囲のサウンドとの区別がしやすくなる。また、緩衝部材を有するイヤーマフ126を装着することで、他の受検者の声を含む周囲のサウンドをより効果的に遮断することができる。
【符号の説明】
【0083】
100…情報処理装置、102…CPU、104…メインメモリ、106…BIOS-ROM、108…記憶部、110…通信インタフェース、112…表示部、114…入力部、116…音声インタフェース、118…システムバス、120…スピーカ、122…マイク、124…フック(保持部)、126…イヤーマフ、201…テスト実行手段、202…表示手段、203…入力手段、204…音声出力手段、205…音声入力手段、206…記憶手段、206a…問題記憶部、206b…解答記憶部、206c…識別情報記憶部、210…フロー制御手段(フラグ設定手段)、220…マスキング指示手段、230…音量固定手段、601…問題説明領域、602…問題用領域、701…準備時間領域、801…解答時間領域、TP…テストプログラム
図1
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