(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】燃焼器、及び、燃料電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20230621BHJP
H01M 8/0612 20160101ALI20230621BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20230621BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/0612
H01M8/12 102A
H01M8/12 101
(21)【出願番号】P 2019157602
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】519322392
【氏名又は名称】森村SOFCテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】坪井 文雄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 修平
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0003896(US,A1)
【文献】特開2017-212203(JP,A)
【文献】特開2017-147220(JP,A)
【文献】特開2017-033652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04
H01M 8/0612
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスと酸化剤ガスが供給され、前記酸化剤ガスとともに前記残余燃料ガスを燃焼させるための燃焼器であって、
上方に向かって延び
る側壁を有し、上端の燃料ガス噴出ポートから前記残余燃料ガスを噴出する燃料ガス噴出部を備え
、
前記酸化剤ガスは前記燃料ガス噴出ポート
の下方において噴出され、
前記酸化剤ガスは前記燃料ガス噴出部の
前記側壁に沿うような向きに案内さ
れ、
さらに、内部空間に酸化剤ガスが供給され、供給された前記酸化剤ガスを案内する酸化剤ガス案内部を備え、
前記酸化剤ガス案内部は、前記燃料ガス噴出部を形成する前記側壁に向かって前記酸化剤ガスを案内する、
ことを特徴とする燃焼器。
【請求項2】
前記燃料ガス噴出ポートの開口面積よりも、前記酸化剤ガスが前記内部空間から噴出される酸化剤ガス噴出ポートの開口面積の方が大きい、
請求項
1に記載の燃焼器。
【請求項3】
前記噴出された酸化剤ガスは、前記燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余酸化剤ガスである、
請求項
1又は2に記載の燃焼器。
【請求項4】
前記燃料ガス噴出部に供給される前記残余燃料ガスは、燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスに酸化剤ガスが予混合されていない、
請求項1~
3の何れか1項に記載の燃焼器。
【請求項5】
前記燃料ガス噴出部には、複数の燃料ガス噴出ポートが一列に並ぶように設けられている、
請求項1~
4の何れか1項に記載の燃焼器。
【請求項6】
燃料電池セルと、
前記燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスを酸化剤ガスとともに燃焼させる請求項1~
5の何れか1項に記載の燃焼器と、
前記燃焼器の上方に配置され、前記燃焼器の燃焼熱により、原燃料ガスを改質して前記燃料電池セルに供給する燃料ガスを生成する改質器と、を備える、
燃料電池モジュール。
【請求項7】
さらに、前記燃焼器及び前記改質器が収容されたハウジングを有し、
前記燃料電池セルは前記ハウジングと独立して前記ハウジングの外部に配置されている、
請求項
6に記載の燃料電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器、及び、燃料電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させることにより発電する燃料電池モジュールにおいて、燃料電池セルにおいて発電に使用されなかった残余燃料ガスを燃焼器において燃料させさる構成が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、このような燃料電池モジュールにおける燃焼器の構成として、燃料電池セルで使用されなかった残燃料ガスを先端から噴出する燃料路管と、燃料路管よりも上方において酸素含有ガスを燃料路管の上方に案内する分離壁とを備えた燃焼器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、酸化剤含有ガスを分離壁により急峻な角度で燃焼路管の上方に案内するため、案内される酸素含有ガスの流速が高く、燃焼器における燃焼が不安定になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安定した燃焼が実現できる燃焼器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の燃焼器は、燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスと酸化剤ガスが供給され、酸化剤ガスとともに残余燃料ガスを燃焼させるための燃焼器であって、上方に向かって延び、上端の燃料ガス噴出ポートから残余燃料ガスを噴出する燃料ガス噴出部を備え、酸化剤ガスは燃料ガス噴出ポートと同じ高さ又は下方において噴出され、酸化剤ガスは燃料ガス噴出部の側壁に沿うような向きに案内される、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成の本発明によれば、酸化剤ガスが燃料ガス噴出部の側壁に沿うような向きに案内されるため、酸化剤ガスが燃料ガス噴出部の炎に直接吹き付けられることを抑止でき、安定した燃焼が実現される。
【0009】
本発明において、好ましくは、さらに、内部空間に酸化剤ガスが供給され、供給された酸化剤ガスを案内する酸化剤ガス案内部を備え、酸化剤ガス案内部は、燃料ガス噴出部を形成する側壁に向かって酸化剤ガスを案内する。
【0010】
上記構成の本発明によれば、酸化剤ガス案内部に案内された酸化剤ガスは燃料ガス噴出部に衝突した後、燃料ガス噴出部の側壁に沿うような向きに流れる。これにより、酸化剤ガスを燃料ガス噴出部の側壁に沿うような向きに案内することが可能になる。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、燃料ガス噴出ポートの開口面積よりも、酸化剤ガスが内部空間から噴出される酸化剤ガス噴出ポートの開口面積の方が大きい。
上記構成の本発明によれば、酸化剤ガスが十分に供給されるため、安定した燃焼が実現される。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、噴出された酸化剤ガスは、燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余酸化剤ガスである。
上記構成の本発明によれば、新たに外部から酸化剤ガスを供給するための構成(配管等)を設ける必要がなくなる。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、燃料ガス噴出部に供給される残余燃料ガスは、燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスに酸化剤ガスが予混合されていない。
上記構成の本発明によれば、燃料ガスのが濃度が高い状態で燃料ガス噴出ポートから噴出されるため、より安定した燃焼が実現される。
【0014】
また、本発明において、このましくは、燃料ガス噴出部には、複数の燃料ガス噴出ポートが一列に並ぶように設けられている。
上記構成の本発明によれば、列方向に均一な燃焼を実現することができるとともに、燃焼器で発生した熱をより効率よく、改質器の加熱等に利用することができる。
【0015】
本発明の燃料電池モジュールは、燃料電池セルと、燃料電池セルにおける発電反応に使用されなかった残余燃料ガスを酸化剤ガスとともに燃焼させる上記の燃焼器と、燃焼器の上方に配置され、燃焼器の燃焼熱により、原燃料ガスを改質して燃料電池セルに供給する燃料ガスを生成する改質器と、を備える。
上記構成の本発明によれば、燃焼器における安定した燃焼が実現されるため、改質器において確実に原燃料ガスの改質を行うことができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、さらに、燃焼器及び改質器が収容されたハウジングを有し、燃料電池セルはハウジングと独立してハウジングの外部に配置されている。
上記構成の本発明によれば、燃料電池セルに対する燃焼器による熱影響を低減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、安定した燃焼が実現できる燃焼器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態による燃料電池モジュールの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示す燃料電池モジュールの改質・加熱器の鉛直断面図である。
【
図3】
図1に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による燃料電池モジュールの燃焼器における残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスの流れを示す鉛直断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態による燃料電池モジュールの改質・加熱器の鉛直断面図である。
【
図7】
図6に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示す斜視図である。
【
図8】
図6に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示す分解斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による燃料電池モジュールの燃焼器における残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスの流れを示す鉛直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態による燃料電池モジュールをの図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池モジュールの概略構成を示す図である。なお、
図1において、燃料ガス(原燃料ガス及び残余燃料ガスを含む)の流れを一点鎖線で示し、空気(残余酸化剤ガスを含む)の流れを実線で示し、排気ガスの流れを破線で示す。
図1に示すように、本発明の実施形態による燃料電池モジュール1は、発電反応を行う燃料電池セルスタック2と、この燃料電池セルスタック2に、原燃料ガスを改質した燃料ガス、及び加熱した酸化剤ガスである空気を供給する流体供給装置4と、を有する。流体供給装置4は、蒸発器4a及び改質・加熱器4bから構成されている。
【0020】
蒸発器4aには、水を供給するための水供給用配管20と、原燃料ガスを供給するための原燃料ガス供給配管22と、排気ガスを排出するための排気ガス排出管23が接続されている。また、蒸発器4aには、改質・加熱器4bのハウジング6から蒸発器4aへ排気ガスを供給する排気ガス配管26と、蒸発器4aから改質器10へ混合ガスを供給する混合ガス導管28とが接続されている。
【0021】
蒸発器4aは、排気ガス配管26を通じて供給された排気ガスの熱により、水供給用配管20から供給された水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に、この水蒸気を原燃料ガス供給配管22から供給された原燃料ガスと混合するように構成されている。蒸発器4aにおいて水蒸気と混合された原燃料ガスは、混合ガス導管28を通じて改質器10に供給される。なお、水を加熱した排気ガスは排気ガス排出管23を通じて外部に排出される。
【0022】
改質・加熱器4bはハウジング6を備えており、このハウジング6が燃料電池セルスタック2の上方に鉛直方向に並べて配置されている。これらの燃料電池セルスタック2、及びハウジング6は、断熱材8によって包囲されているとともに、燃料電池セルスタック2とハウジング6との間にも断熱材8が設けられているため、燃料電池セルスタック2は、ハウジング6(流体供給装置4)から熱的に隔離されている。この燃料電池セルスタック2及びハウジング6を包囲している断熱材8は、燃料電池モジュール1の最表面を構成しており、断熱材8の外側を覆う金属製の容器等は設けられていてもよいが、設けられていなくてもよい。また、ハウジング6によって密閉された空間内には、改質器10、燃焼器12が収容されている。
【0023】
ハウジング6は、二重壁構造となっており内壁と外壁の間に空気流路6Aが形成されている。ハウジング6の天面には空気供給パイプ24が接続されており、外部から空気供給パイプ24を通じて酸化剤ガスとしての空気が供給される。空気流路6Aに供給された空気(酸化剤ガス)は、空気流路6Aを流れる間に、燃焼器12の燃焼熱により加熱される。空気流路6A内において加熱された空気は、酸化剤ガス供給通路32を介して燃料電池セルスタック2に供給される。
【0024】
改質・加熱器4bと燃料電池セルスタック2との間には、改質器10から燃料電池セルスタック2の燃料ガスを供給する燃料供給通路30が設けられ、ハウジング6の空気流路6Aから加熱された空気を燃料電池セルスタック2に供給する酸化剤ガス供給通路32が設けられている。また、改質・加熱器4bと燃料電池セルスタック2との間には、燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかったオフガスである残燃料ガスを燃焼器12に供給するための燃料排出通路34と、燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった酸化剤ガスを燃焼器12に供給するための酸化剤ガス排出通路36が接続されている。
【0025】
改質器10には、改質触媒(図示せず)が充填されており、蒸発器4aから混合ガス導管28を通じて水蒸気が混合された原燃料ガスが供給され、燃焼器12の燃焼熱により原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を豊富に含む燃料ガスを生成するように構成されている。改質器10において生成された燃料ガスは燃料電池セルスタック2に送られ、燃料電池セルスタック2において発電に使用される。この燃料ガスは、改質器10と燃料電池セルスタック2の間に延びる燃料供給通路30を介して燃料電池セルスタック2に供給される。ここで、改質器10はハウジング6内に収容され、ハウジング6は断熱材8によって包囲されているので、燃料ガスを供給する燃料供給通路30は、ハウジング6及び断熱材8を貫通して燃料電池セルスタック2へ延びている。
【0026】
燃焼器12は、燃料電池セルスタック2において発電に使用されずに残った残余燃料ガス及び残余空気を燃焼させるように構成されている。燃料電池セルスタック2において発電に使用されずに残った燃料は、燃焼器12と燃料電池セルスタック2の間に延びる燃料排出通路34を介して燃焼器12へ排出される。この燃料排出通路34も、ハウジング6及び断熱材8を貫通して燃料電池セルスタック2から燃焼器12へ延びている。燃焼器12へ排出された残余燃料は、燃焼器12によって燃焼され、燃焼器12の上方に配置された改質器10を加熱する。これにより、改質器10内の改質触媒(図示せず)が水蒸気改質可能な温度に加熱される。
【0027】
一方、発電用の酸化剤ガスである空気も外部から空気供給パイプ24を通じてハウジング6に供給され、空気流路6Aを通る間に燃焼器12の燃焼熱によって加熱され、高温になった状態で燃料電池セルスタック2へ供給される。流体供給装置4において加熱された発電用の空気は、ハウジング6から延びる酸化剤ガス供給通路32を介して燃料電池セルスタック2に供給される。この酸化剤ガス供給通路32も、ハウジング6を包囲する断熱材8を貫通してハウジング6から燃料電池セルスタック2へ延びている。
【0028】
燃料電池セルスタック2は、平板型セルスタックであり、複数の長方形の平板型燃料電池セルを積層して構成されている。燃料電池セルスタック2は、ハウジング6の外部に独立して設けられている。各燃料電池セルは、酸化物イオン導電体で構成された平板状の電解質の両面に、燃料極及び空気極(酸化剤ガス極)の電極を夫々設けることにより構成され、各燃料電池セルの間にはセパレータが配置されている。各燃料電池セルには、燃料供給通路30及び酸化剤ガス供給通路32を通じて燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、燃料電池セルによる発電が行われる。
【0029】
燃料電池セルスタック2に供給され、発電に使用されずに残った残余の燃料ガスは、上述の通り、燃料排出通路34を介して燃焼器12へ排出される。また、燃料電池セルスタック2に供給され、発電に使用されずに残った残余の空気は、酸化剤ガス排出通路36を介して燃焼器12へ排出される。この酸化剤ガス排出通路36も、ハウジング6を包囲する断熱材8を貫通して燃料電池セルスタック2から燃焼器12へ延びている。燃焼器12へ排出された残余空気は、燃焼器12における燃焼に使用される。燃焼により生成された燃焼ガスは、排気ガスとして排気ガス配管26を通じて蒸発器4aに排出される。蒸発器4aに排出された排気ガスは、水を蒸発するのに用いられた後に、排気ガス排出管23から外部に排出される。
【0030】
次に、本実施形態における燃焼器12の構成について説明する。
図2は、
図1に示す燃料電池モジュールの改質・加熱器の鉛直断面図である。また、
図3及び
図4は
図1に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示し、
図3は斜視図、
図4は分解斜視図である。なお、
図2~
図4においてハウジング6の空気流路6A(外壁)は省略しており、また、
図3及び
図4ではハウジングの底部のみを示す。
図2~
図4に示すように、燃焼器12は残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスを噴出するマニホールドからなり、このマニホールドは、ハウジング6の底面6a上に配置された第1の燃焼器形成部材42及び第2の燃焼器形成部材44により構成される。ハウジング6の底面6aには、酸化剤ガス排出通路36が接続される酸化剤ガス開口6Bと、燃料排出通路34が接続される燃料開口6Cとが形成されている。
【0031】
第1の燃焼器形成部材42は、長方形状の平板部42Aと、平板部42Aに下方に向かって立設された管状部42Bとを有する。管状部42Bは平板部42Aの中央に形成された開口に接続されている。なお、第1の燃焼器形成部材42の管状部42Bは、燃料排出通路34の一部を構成する。
【0032】
第2の燃焼器形成部材44は、平坦な矩形の環状の縁部49と、縁部49から上方に向かって突出する酸化剤ガス案内部46と、酸化剤ガス案内部46の幅方向中央に長手方向に延びるように形成された燃料ガス噴出部48と、を有する。
縁部49は平坦であり、外形がハウジング6の底面6aと略等しくなっている。
【0033】
酸化剤ガス案内部46は、縁部の内側において平面視矩形状に上方に向かって立設された側壁部46Aと、側壁部46Aの上方を閉鎖する平板状の平板部46Bとを有する。側壁部46Aと平板部46Bとの角部は湾曲状に面取りされている。また、平板部46Bの幅方向の両側には、それぞれ上方に向かって突出するように酸化剤ガス噴出部47が形成されている。酸化剤ガス噴出部47は、平板部46Bから矩形状に上方に突出する部分である。酸化剤ガス噴出部47は、中央側の燃料ガス噴出部48に対向する部分が開口しており、酸化剤ガス噴出ポート47Aが形成されている。本実施形態では、燃料ガス噴出部48の両側に複数の(5つの)酸化剤ガス噴出部47が長手方向に等間隔で整列するように設けられている。
【0034】
燃料ガス噴出部48は、酸化剤ガス案内部46の平板部46Bから上方に突出する側壁部48Aと、側壁部48Aの上方を閉鎖する天面部48Bとを備える。燃料ガス噴出部48は、ハウジング6の内部空間の長手方向に略全長にわたって延びている。側壁部48Aは、長手方向に延びるような細長形状の環状に形成されている。側壁部48Aは、平板部46Bに対して垂直に立設されている。天面部48Bには、幅方向の中央に一列に並設された円形の開口部が形成されている。各開口部の周縁には円筒状の円筒側壁部48Dが形成されており、この円筒側壁部48Dの上端に燃料ガス噴出ポート48Cが形成されている。燃料ガス噴出ポート48Cは長手方向に等間隔に設けられている。
【0035】
各燃料ガス噴出ポート48Cの周縁には円筒状の円筒側壁部48Dが形成されている。なお、燃料ガス噴出部48の側壁部48Aは、本実施形態では鉛直になっている。
【0036】
第2の燃焼器形成部材44は、縁部49がハウジング6の底面6aに当接するように配置されており、縁部49とハウジング6の底面6aとが溶接接続されている。また、第1の燃焼器形成部材42は、管状部42Bがハウジング6の底面6aの燃料開口6Cを貫通するように配置されている。さらに、第1の燃焼器形成部材42の平板部42Aが、第2の燃焼器形成部材44の平板部46Bの燃料ガス噴出部48の周囲に溶接接続されている。
【0037】
このような構成により、ハウジング6の底面6aと、第2の燃焼器形成部材44の酸化剤ガス案内部46との間には、内部空間として酸化剤ガス供給空間50が形成される。酸化剤ガス供給空間50は、底面6aの酸化剤ガス開口6Bを通じて、酸化剤ガス排出通路36と連通している。また、酸化剤ガス供給空間50は、酸化剤ガス噴出ポート47Aを通じてハウジング6の内部空間と連通している。酸化剤ガス噴出ポート47Aの開口面積(総開口面積)は、燃料ガス噴出ポート48Cの開口面積(総開口面積)よりも大きくなっている。なお、本実施形態では、酸化剤ガス供給空間50には、酸化剤ガス排出通路36を介して燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余酸化剤ガスが供給されるが、これに限らず、外部から直接酸化剤ガスを供給することも可能である。
【0038】
また、第1の燃焼器形成部材42の平板部42Aと、第2の燃焼器形成部材44の燃料ガス噴出部48との間には、燃料ガス供給空間52が形成される。燃料ガス供給空間52は、燃料排出通路34と連通している。また、燃料ガス供給空間52は、燃料ガス噴出ポート48Cを通じてハウジング6の内部空間と連通している。燃料ガス噴出部48は酸化剤ガス案内部46の平板部46Bに対して上方に向かって延びており、上端の燃料ガス噴出ポート48Cは、酸化剤ガス噴出ポート47Aよりも上方に位置している。
【0039】
全体として、第1の燃焼器形成部材42及び第2の燃焼器形成部材44は、幅方向の中心を対称面として面対称な構成となっている。そして、燃料ガス噴出ポート48Cは対称面に沿うように一列に配置されている。なお、本実施形態では、燃料ガス噴出ポート48Cは対称面に沿うように一列に配置されているが、これに限らず、例えば、ジグザグの線上に一列に配置してもよい。要するに本実施形態における一列とは、幅方向の同じ断面内に複数の燃料ガス噴出ポートが位置することがない状態をいう。
【0040】
図5は、本発明の第1実施形態による燃料電池モジュールの燃焼器における残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスの流れを示す鉛直断面図である。燃料ガス供給空間52には、燃料排出通路34を通じて燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余燃料ガスが供給される。
図5に示すように、燃料ガス供給空間52に供給された残余燃料ガスは、燃料ガス噴出部48の上端の燃料ガス噴出ポート48Cから鉛直上方に向かってハウジング6の内部空間に噴出される。
【0041】
これに対して、酸化剤ガス供給空間50には、酸化剤ガス排出通路36を通じて燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガス排出通路36を通じて酸化剤ガス供給空間50に供給された残余酸化剤ガスは、第1の燃焼器形成部材42の平板部42Aに衝突し、水平方向に外方に向かって流れる。そして、酸化剤ガスは、酸化剤ガス案内部46の側壁部46A及び平板部46Bにより酸化剤ガス噴出部47に送られる。そして、酸化剤ガスは、酸化剤ガス噴出部47により案内されて、酸化剤ガス噴出ポート47Aから燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに向かってハウジング6の内部空間に噴出される。酸化剤ガス噴出ポート47Aから燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに向かって噴出された残余酸化剤ガスは側壁部48Aに衝突する。そして、残余酸化剤ガスは、側壁部48Aに沿うように上方に向かって案内される。側壁部48Aに沿って流れる残余酸化剤ガスの流速は、酸化剤ガス噴出ポート47Aの開口面積を変更するなどの方法により調整することができる。
【0042】
このようにして噴出された残余燃料ガスは、着火装置(図示せず)により着火され、残余酸化剤ガスとともに燃焼する。そして、残余燃料ガスが燃焼することにより発生した燃焼熱により、改質器10が加熱され、また、ハウジング6の空気流路6Aを流れる空気が加熱される。
【0043】
以上説明したように、第1実施形態によれば以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、残余酸化剤ガスは燃料ガス噴出ポート48Cの下方において噴出され、噴出された酸化剤ガスが、燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに沿うような向きに案内される。このように酸化剤ガスが燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに沿うような向きに案内されるため、酸化剤ガスが燃料ガス噴出部48の炎に直接吹き付けられることを抑止でき、安定した燃焼が実現される。
【0044】
また、本実施形態によれば、酸化剤ガス案内部46が、燃料ガス噴出部48を形成する側壁部48Aに向かって酸化剤ガスを案内するため、酸化剤ガス案内部46に案内された酸化剤ガスが燃料ガス噴出部48に衝突した後、燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに沿うような向きに流れる。これにより、酸化剤ガスを燃料ガス噴出部48の側壁部48Aに沿うような向きに案内することが可能になる。
【0045】
また、本実施形態によれば、燃料ガス噴出ポート48Cの開口面積よりも、酸化剤ガス噴出ポート47Aの開口面積の方が大きい。これにより、酸化剤ガスが十分に供給されるため、安定した燃焼が実現される。
【0046】
また、本実施形態によれば、酸化剤ガス噴出ポート47Aから噴出された酸化剤ガスが、燃料電池セルスタック2における発電反応に使用されなかった残余酸化剤ガスであるため、新たに外部から酸化剤ガスを供給するための構成(配管等)を設ける必要がなくなる。
【0047】
また、本実施形態では、燃料ガス噴出部48に供給される残余燃料ガスは、燃料電池セルスタック2における発電反応に使用されなかった残余燃料ガスに酸化剤ガスが予混合されていないため、残余燃料ガスの濃度が高い状態で燃料ガス噴出ポート48Cから噴出されるため、より安定した燃焼が実現される。
【0048】
また、本実施形態では、燃料ガス噴出部48には、複数の燃料ガス噴出ポート48Cが一列に並ぶように設けられているため、列方向に均一な燃焼を実現することができるとともに、燃焼器12で発生した熱をより効率よく、改質器10の加熱等に利用することができる。
【0049】
また、本実施形態の燃料電池モジュール1によれば、燃焼器12における安定した燃焼が実現されるため、改質器10において確実に原燃料ガスの改質を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、燃料電池セルスタック2がハウジング6と独立してハウジング6の外部に配置されているため、燃料電池セルスタック2に対する燃焼器12による熱影響を低減できる。
【0051】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態による燃料電池モジュールについて説明する。第2実施形態による燃料電池モジュールの構成は、燃焼器の構成のみが第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
図6は、本発明の第2実施形態による燃料電池モジュールの改質・加熱器の鉛直断面図である。また、
図7及び
図8は
図6に示す燃料電池モジュールの燃焼器を示し、
図7は斜視図、
図8は分解斜視図である。なお、
図6~
図8においてハウジング6の空気流路6A(外壁)は省略しており、また、
図7及び図ではハウジングの底部のみを示す。
【0053】
図6~
図8に示すように、燃焼器112は残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスを噴出するマニホールドからなり、このマニホールドは、ハウジング6の底面6a上に配置された第1の燃焼器形成部材142及び第2の燃焼器形成部材144により構成される。ハウジング6の底面6aには、酸化剤ガス排出通路36が接続される酸化剤ガス開口6Bと、燃料排出通路34が接続される燃料開口6Cとが形成されている。
【0054】
第1の燃焼器形成部材142は、長方形状の平板部142Aと、平板部142Aに下方に向かって立設された管状部142Bと、平板部142Aを覆うように設けられた燃料ガス噴出部148と、平板部142Aの長手方向両端部の下面に設けられた台座部143と、を有する。管状部142Bは平板部142Aの中央に形成された開口に接続されている。なお、第1の燃焼器形成部材142の管状部142Bは、燃料排出通路34を構成する。燃料ガス噴出部148は、平板部142Aの周縁に沿って立設された側壁部148Aと、側壁部148Aの上面を覆うように設けられた天面部148Bと、を備える。側壁部148Aは、平板部142Aに対して垂直に立設されている。幅方向両側の側壁部148Aと天面部148Bの角部は面取りされている。天面部148Bには、幅方向の中央に一列に並設された円形の開口部が形成されている。各開口部の周縁には円筒状の円筒側壁部148Dが形成されており、この円筒状の円筒側壁部148Dの上端に燃料ガス噴出ポート148Cが形成されている。これら燃料ガス噴出ポート148Cは長手方向に等間隔に設けられている。なお、燃料ガス噴出部148の側壁部148A及び円筒側壁部148Dは、本実施形態では鉛直になっている。
【0055】
第2の燃焼器形成部材144は、平坦な環状の縁部149と、縁部149から上方に向かって突出する酸化剤ガス案内部146と、を有する。
縁部149は平坦であり、外形がハウジング6の底面6aと略等しくなっている。
【0056】
酸化剤ガス案内部146は、縁部の内側において平面視矩形状に上方に向かって立設された側壁部146Aと、側壁部146Aの上方を閉鎖する平板状の平板部146Bとを有する。幅方向両側の側壁部146Aと平板部146Bとの角部は面取りされている。また、平板部146Bの幅方向中央には、複数の酸化剤ガス噴出開口147が形成されている。酸化剤ガス噴出開口147は、平板部146Bの幅方向の中央に長手方向に等間隔で一列に整列するように設けられている。各酸化剤ガス噴出開口147は、幅方向に延びる長孔形状となっており、酸化剤ガス噴出開口147の幅及び長さは、燃料ガス噴出ポート148Cの直径よりも大きくなっている。また、酸化剤ガス噴出開口147は、燃料ガス噴出ポート148Cに対応する位置に形成されている。
【0057】
第2の燃焼器形成部材144は、縁部149がハウジング6の底面6aに当接するように配置されており、縁部149とハウジング6の底面6aとが溶接接続されている。第1の燃焼器形成部材142は台座部143がハウジング6の底面6aに接地されている。第1の燃焼器形成部材142は、管状部142Bがハウジング6の底面6aの燃料開口6Cを貫通するように配置されている。このように配置した状態において、各燃料ガス噴出ポート148Cは、対応する酸化剤ガス噴出開口147の中央に位置している。燃料ガス噴出ポート148Cの円筒状の円筒側壁部148Dの上端の高さは、第2の燃焼器形成部材144の平板状の平板部146Bの高さと等しくなっている。酸化剤ガス噴出開口147と、燃料ガス噴出ポート148Cの円筒状の円筒側壁部148Dの間の隙間が、酸化剤ガスが噴出される酸化剤ガス噴出ポート147Aとして機能する。また、燃料ガス噴出部148の天面部148Bと、第2の燃焼器形成部材144の平板状の平板部146Bとの間には隙間が形成されている。
【0058】
このような構成により、ハウジング6の底面6aと、第2の燃焼器形成部材144の酸化剤ガス案内部146との間には、内部空間として酸化剤ガス供給空間150が形成される。酸化剤ガス供給空間150は、底面6aの酸化剤ガス開口6Bを通じて、酸化剤ガス排出通路36と連通している。また、酸化剤ガス供給空間150は、酸化剤ガス噴出ポート147Aを通じてハウジング6の内部空間と連通している。酸化剤ガス噴出ポート147Aの開口面積(総開口面積)は、燃料ガス噴出ポート148Cの開口面積(総開口面積)よりも大きくなっている。なお、本実施形態では、酸化剤ガス供給空間150には、酸化剤ガス排出通路36を介して燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余酸化剤ガスが供給されるが、これに限らず、外部から直接酸化剤ガスを供給することも可能である。
【0059】
また、第1の燃焼器形成部材142の平板部142Aと、燃料ガス噴出部148との間には、燃料ガス供給空間152が形成される。燃料ガス供給空間152は、燃料排出通路34と連通している。また、燃料ガス供給空間152は、燃料ガス噴出ポート148Cを通じてハウジング6の内部空間と連通している。燃料ガス噴出部148の燃料ガス噴出ポート148Cの円筒側壁部148Dは上方に向かって延びており、上端の燃料ガス噴出ポート148Cは、酸化剤ガス噴出ポート147Aと同じ高さに位置している。全体として、第1の燃焼器形成部材142及び第2の燃焼器形成部材144は、幅方向の中心を対称面として面対称な構成となっている。そして、燃料ガス噴出ポート148Cは対称面に沿うように一列に配置されている。
【0060】
図9は、本発明の第2実施形態による燃料電池モジュールの燃焼器における残余燃料ガス及び残余酸化剤ガスの流れを示す鉛直断面図である。燃料ガス供給空間152には、燃料排出通路34を通じて燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余燃料ガスが供給される。
図9に示すように、燃料ガス供給空間152に供給された残余燃料ガスは、燃料ガス噴出部148の上端の燃料ガス噴出ポート148Cから鉛直上方に向かってハウジング6の内部空間に噴出される。
【0061】
これに対して、酸化剤ガス供給空間150には、酸化剤ガス排出通路36を通じて燃料電池セルスタック2において発電に使用されなかった残余酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガス排出通路36を通じて酸化剤ガス供給空間150に供給された残余酸化剤ガスは、第1の燃焼器形成部材142の平板部142Aに衝突し、水平方向に外方に向かって流れる。そして、酸化剤ガスは、酸化剤ガス案内部146の側壁部146A及び平板部146Bにより酸化剤ガス噴出ポート47Aに向かって案内される。酸化剤ガス案内部146により案内された残余酸化剤ガスは、燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに衝突する。そして、残余酸化剤ガスは、燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに沿うように上方に向かって案内され、酸化剤ガス噴出ポート147Aからハウジング6の内部空間に噴射される。燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに沿って流れる残余酸化剤ガスの流速は、酸化剤ガス噴出ポート47Aの開口面積を変更するなどの方法により調整することができる。
【0062】
このようにして噴出された残余燃料ガスは、着火装置(図示せず)により着火され、残余酸化剤ガスとともに燃焼する。そして、残余燃料ガスが燃焼することにより発生した燃焼熱により、改質器10が加熱され、また、ハウジング6の空気流路6Aを流れる空気が加熱される。
【0063】
以上説明したように、第2実施形態によれば以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、残余酸化剤ガスは燃料ガス噴出ポート148Cと同じ高さから噴出され、残余酸化剤ガスは燃料ガス噴出部148の側壁部48Aに沿うような向きに案内される。このように酸化剤ガスが燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに沿うような向きに案内されるため、酸化剤ガスが燃料ガス噴出部148の炎に直接吹き付けられることを抑止でき、安定した燃焼が実現される。
【0064】
また、本実施形態によれば、酸化剤ガス案内部146が、燃料ガス噴出部148の円筒側壁部48Dに向かって酸化剤ガスを案内するため、酸化剤ガス案内部146に案内された酸化剤ガスが燃料ガス噴出部148に衝突した後、燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに沿うような向きに流れる。これにより、酸化剤ガスを燃料ガス噴出部148の円筒側壁部148Dに沿うような向きに案内することが可能になる。
【0065】
また、本実施形態によれば、燃料ガス噴出ポート148Cの開口面積よりも、酸化剤ガス噴出ポート147Aの開口面積の方が大きい。これにより、酸化剤ガスが十分に供給されるため、安定した燃焼が実現される。
【0066】
また、本実施形態によれば、酸化剤ガス噴出ポート147Aから噴出された酸化剤ガスが、燃料電池セルスタック2における発電反応に使用されなかった残余酸化剤ガスであるため、新たに外部から酸化剤ガスを供給するための構成(配管等)を設ける必要がなくなる。
【0067】
また、本実施形態では、燃料ガス噴出部148に供給される残余燃料ガスは、燃料電池セルスタック2における発電反応に使用されなかった残余燃料ガスに酸化剤ガスが予混合されていないため、残余燃料ガスの濃度が高い状態で燃料ガス噴出ポート148Cから噴出されるため、より安定した燃焼が実現される。
【0068】
また、本実施形態では、燃料ガス噴出部148には、複数の燃料ガス噴出ポート148Cが一列に並ぶように設けられているため、列方向に均一な燃焼を実現することができるとともに、燃焼器112で発生した熱をより効率よく、改質器10の加熱等に利用することができる。
【0069】
また、本実施形態の燃料電池モジュール1によれば、燃焼器112における安定した燃焼が実現されるため、改質器10において確実に原燃料ガスの改質を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、燃料電池セルスタック2がハウジング6と独立してハウジング6の外部に配置されているため、燃料電池セルスタック2に対する燃焼器112による熱影響を低減できる。
【符号の説明】
【0071】
1 燃料電池モジュール
2 燃料電池セルスタック
4 流体供給装置
4a 蒸発器
4b 改質・加熱器
6 ハウジング
6A 空気流路
6B 酸化剤ガス開口
6C 燃料開口
6a 底面
8 断熱材
10 改質器
12 燃焼器
20 水供給用配管
22 原燃料ガス供給配管
23 排気ガス排出管
24 空気供給パイプ
26 排気ガス配管
28 混合ガス導管
30 燃料供給通路
32 酸化剤ガス供給通路
34 燃料排出通路
36 酸化剤ガス排出通路
42 第1の燃焼器形成部材
42A 平板部
42B 管状部
44 第2の燃焼器形成部材
46 酸化剤ガス案内部
46A 側壁部
46B 平板部
47 酸化剤ガス噴出部
47A 酸化剤ガス噴出ポート
48 燃料ガス噴出部
48A 側壁部
48B 天面部
48C 燃料ガス噴出ポート
48D 円筒側壁部
49 縁部
50 酸化剤ガス供給空間
52 燃料ガス供給空間
112 燃焼器
142 第1の燃焼器形成部材
142A 平板部
142B 管状部
143 台座部
144 第2の燃焼器形成部材
146 酸化剤ガス案内部
146A 側壁部
146B 平板部
147 酸化剤ガス噴出開口
147A 酸化剤ガス噴出ポート
148 燃料ガス噴出部
148A 側壁部
148B 天面部
148C 燃料ガス噴出ポート
148D 円筒側壁部
149 縁部
150 酸化剤ガス供給空間
152 燃料ガス供給空間