(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】殺生物性製造物又は薬害軽減剤製造物による処理法、デバイス及び対応する処理ユニット
(51)【国際特許分類】
A01M 17/00 20060101AFI20230621BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20230621BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20230621BHJP
A01N 25/18 20060101ALI20230621BHJP
A01N 31/02 20060101ALI20230621BHJP
A01N 35/02 20060101ALI20230621BHJP
A01N 65/22 20090101ALI20230621BHJP
A01N 65/28 20090101ALI20230621BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20230621BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230621BHJP
A23B 7/154 20060101ALI20230621BHJP
A23L 19/12 20160101ALI20230621BHJP
【FI】
A01M17/00 P
A01F25/00 C
A01M17/00 Z
A01N25/02
A01N25/18
A01N31/02
A01N35/02
A01N65/22
A01N65/28
A01P1/00
A01P3/00
A23B7/154
A23L19/12 A
(21)【出願番号】P 2019518151
(86)(22)【出願日】2017-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2017065138
(87)【国際公開番号】W WO2017220612
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-05-20
(32)【優先日】2016-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518450153
【氏名又は名称】セダ インターナショナル ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】アルベールト サルド
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ サルド
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0053772(US,A1)
【文献】米国特許第06375999(US,B1)
【文献】特表2015-527897(JP,A)
【文献】特表2011-503041(JP,A)
【文献】特開平11-332458(JP,A)
【文献】特公昭47-022350(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 25/00 - 25/22
A01M 17/00
A01N 25/00 - 65/48
A01P 1/00 - 23/00
A23B 7/00 - 9/34
A23L 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰温度が60~280℃である少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物による、野菜製品を処理するための方法であって、少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物は、薬害軽減剤製造物の以下のリスト、又は殺生物性製造物の以下のリスト:
-薬害軽減剤製造物:精油;テルペン;飽和又は不飽和C3~C9短鎖アルコール;揮発性合成製造物;
-殺生物性製造物:クローブ油、タイム油、ゲラニオール、エチルアルコール、グルタルアルデヒド
から選ばれ、
ここで、前記方法は、少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体を蒸発させ、蒸発した液体を部屋の内部に注入する注入操作を複数回行う注入段階(PI)と、前記注入操作を行わない停止段階とを
交互に有する処理工程を含み、
ここで、各注入段階の持続期間は3日~15日であり、
各注入段階における複数回の注入操作の間隔は2日以下であり、
前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体が50℃未満の温度で蒸発され、
前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体が、充填塔内の空気流と接触させることによって蒸発される、上記方法。
【請求項2】
前記方法は、前記部屋(2,4)内の少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の、野菜製品への吸収速度を測定する工程と、前記測定された吸収速度に従って、液体蒸発及び蒸発した液体注入条件を選択する工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各注入段階において、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度が50~2000ppmである、各使用のために予め決定された濃度範囲内で、部屋(2,4)の内部雰囲気中の前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を維持するために選ばれた条件下で、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体が蒸発され、蒸発した液体が注入されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物が薬害軽減剤製造物であり、貯蔵期間(DS)の間、野菜製品(6)を前記部屋(4)内に貯蔵する工程を含み、前記貯蔵期間中に前記処理工程が行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記処理工程の期間が、前記貯蔵期間(DS)の50%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
分析器が、部屋(2,4)の内部雰囲気中の少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を測定し、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体の蒸発が、予め決定された濃度内の前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を維持するために、測定された濃度に従って制御される蒸発器(18)によって行われることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
沸騰温度が60~280℃である少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を有する、野菜製品を処理するためのデバイス(17)であって、前記野菜製品を処理するためのデバイス(17)は、
50℃未満の温度で前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体を蒸発させ、前記蒸発した液体を部屋(2,4)に注入するように設計された蒸発器(18)と、
蒸発器(18)が、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体を蒸発させ、蒸発した液体を前記部屋内に注入する注入操作を複数回行う注入段階と、前記注入操作を行わない停止段階とを
交互に有する処理工程を実施するようにプログラムされた、前記蒸発器(18)を制御するための電子デバイス(20)と
を備え、
ここで、少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物は、薬害軽減剤製造物の以下のリスト、又は殺生物性製造物の以下のリスト:
-薬害軽減剤製造物:精油;テルペン;飽和又は不飽和C3~C9短鎖アルコール;揮発性合成製造物;
-殺生物性製造物:クローブ油、タイム油、ゲラニオール、エチルアルコール、グルタルアルデヒド
から選ばれ、
各注入段階の持続期間は3日~15日であり、
各注入段階における複数回の注入操作の間隔は2日未満であり、
前記蒸発器(18)は、パッキング(42)を有する塔(40)と、パッキング(42)の上方に液体を注入するためのデバイス(44)と、パッキング(42)を通る空気の上方への流れを生じさせるように配置されたデバイス(46)とを備える、上記野菜製品を処理するためのデバイス。
【請求項8】
前記電子デバイス(20)が、各注入段階の間に、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を含有する液体が、雰囲気中の少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度が50~2000ppmである、各使用のために予め決定された濃度範囲内で、部屋(2,4)の内部雰囲気中の前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を維持するために選ばれた条件下で蒸発され、蒸発した液体が注入されるようにプログラムされていることを特徴とする、請求項7に記載の野菜製品を処理するためのデバイス。
【請求項9】
野菜製品(6)が、貯蔵期間(DS)の間、前記部屋(4)内に貯蔵され、ここで、前記少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物が薬害軽減剤製造物であり、前記電子デバイス(20)は、処理工程が貯蔵期間(DS)の50%以上であるようにプログラムされていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の野菜製品を処理するためのデバイス。
【請求項10】
部屋(2,4)の内部雰囲気中の少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を連続的に測定する分析器を備え、ここで、前記電子デバイス(20)が、予め決定された範囲内で少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の濃度を維持するために、測定された濃度の関数として蒸発器(18)を制御する、請求項8に記載の野菜製品を処理するためのデバイス。
【請求項11】
前記蒸発器(18)が、前記蒸発した液体を前記部屋(2,4)に注入するように設計され、ここで、前記野菜製品(6)が部屋(4)に貯蔵される、部屋(2,4)及び請求項7~10のいずれか1項に記載の野菜製品を処理するためのデバイス(17)を備えるユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物の蒸発に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、第1の態様によれば、少なくとも1種の殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物による処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然起源の特定の揮発性製造物、例えば、精油は、興味深い殺生物性又は薬害軽減性を有することが知られている。それらは、特に、それらの保存を改善するために植物性製造物を処理するために使用される。
【0004】
これらの製造物を植物に適用するためにこれまで使用されてきた技術は、以下の通りである:
- 製造物を含有する高温又は低温の水性分散液中への植物性製造物の浸漬;
- 殺菌するために、例えば、野菜の貯蔵室などの上記の散布;
- 貯蔵室への植物性製造物の入り口でのマイクロ噴霧。
【0005】
適用される製造物の量は高く、植物性製造物では高濃度になる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
これに関連して、本発明は、この欠点を有さない処理法を提案することを目的とする。
【0007】
この目的のために、本発明は、沸騰温度が60~280℃である少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物による処理方法に関し、ここで、この方法は、3日間以上の持続期間(DT)の処理工程を含み、処理工程は、上記製造物又は各製造物を含有する液体が蒸発され、筺体の内部に注入される間に、3日間以上の持続期間の少なくとも1回の注入段階を含み得て、ここで、筺体は部屋であり、一方、液体は、注入段階の間に2日以下の期間で蒸発及び注入され、液体は50℃未満の温度で蒸発される。
【0008】
したがって、本発明の根底にある考え方は、大量の製造物が非常に短時間に選択的に注入される既知の処理法とは対照的に、長期間にわたる処理法を提供することである。これにより、徐々に製造物を少量で注入することが可能となり、そのため、筐体内の製造物濃度は常に適度なレベルに保持される。
【0009】
さらに、このシステムは、50℃未満の室温で蒸発し、過飽和(これは加熱の場合)の危険性なしに、大気が飽和するまで蒸発する。これは、注入後に液体が再凝結することを防止する。液体の凝結は、貯蔵された食品に戻って、それらに植物毒性を有する液滴の形成をもたらす。逆に、冷たい蒸発は、液滴の形で凝結ないため、筐体内部に貯蔵された植物性製造物の塊への優れた拡散及び優れた浸透を可能にする。これにより、比較的一定であり、中程度である植物性製造物又は筐体の内壁に製造物濃度がもたらされる。
【0010】
さらに、蒸気分子は、特にバルク、又はパレット若しくはビッグバッグなどの大容量容器に貯蔵される植物性製造物において、液滴よりも容易に拡散する。
【0011】
さらに、処理方法は、個々に又は任意の技術的に実現可能な組み合わせで考慮される上記の特徴の1つ以上を有することができる:
- 本方法は、筐体内の上記製造物又は各製造物の除去速度を表す量を測定する工程と、上記液体の蒸発及び注入の条件を代表量の関数として選択する工程とを含み得る; - 上記注入段階又は各注入段階の間に、液体は、各使用のために予め定められた濃度範囲内で、筐体の内部雰囲気で製造物又は各製造物の濃度を維持するために選択された条件下で蒸発及び注入され、ここで、この濃度は50~2000ppmである;
- 製造物の少なくとも1つは、薬害減減剤製造物の以下のリスト又は殺生物性製造物の以下のリストから選択される:
〇薬害軽減剤製造物品:精油;テルペン;飽和又は不飽和C3~C9短鎖アルコール、例えば、イソプロパノール、イソ-オクタノール、2-エチルヘキサノール;揮発性合成製造物、例えば、グルタルアルデヒド、ヘキサナール、ジメチルナフタレン及び3-デセン-2-オン;
〇殺生物性製造物:クローブ油、タイム油、ゲラニオール、エチルアルコール、グルタルアルデヒド;
- 本方法は、少なくとも1つの製造物が薬害軽減剤製造物である、3日以上の貯蔵期間の間、筐体に植物性製造物を貯蔵する工程を含む;
- 処理持続期間は、貯蔵期間の50%以上である;
- 処理工程は、処理工程の持続期間に実質的に等しい持続期間の単一注入段階を含む;
- ジャガイモは筺体内に貯蔵され、ここで、上記液体は、少なくとも50重量%のL-カルボンを含み、ジャガイモ1トンあたり1~10mlの液体が注入段階の間の各々の日に注入される;
- 処理工程は、液体注入がない停止段階によって互いに分離された複数の連続した注入段階を含む;
- 液体は、充填された塔内の空気流と接触させることによって蒸発させる;
- 筺体の内部雰囲気は、製造物で飽和状態に保たれる;
- エバポレーションは、連続的に作動する蒸発器を用いて行われる;
- 分析器は、筐体の内部雰囲気中の製造物濃度を永久的に測定し、エバポレーションは、予め決定された濃度内の製造物濃度を維持するために、測定された濃度の関数として制御される蒸発器によって行われる。
【0012】
あるいは、本方法は、植物性製造物による製造物又は各製造物の吸収速度の代表量を測定する工程と、測定された代表量の関数として液体を注入するための条件を選択する工程とを含むことができる。
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、沸騰温度が60~280℃である少なくとも1つの殺生物性製造物及び/又は薬害軽減剤製造物を有する処理デバイスに関し、該デバイスは、以下を含む:
- 50℃未満の温度で製造物又は各製造物を含有する液体を蒸発させ、蒸発した液体を筐体に注入するように設計された蒸発器;
- 3日間以上に長い持続期間の処理工程を実施するようにプログラムされた、蒸発器を制御するための電子デバイスであって、ここで、処理工程は、蒸発器が液体を蒸発し、2日未満の期間、蒸発した液体を注入する間、3日間以上の期間、少なくとも1回の注入段階を含む電子デバイス。
【0014】
デバイスは、個々に又は任意の技術的に実現可能な組み合わせとして考えられる以下の特徴の1つ以上をさらに表すことができる:
- 電子デバイスは、注入段階又は各注入段階の間に、液体が、雰囲気中の濃度が50~2000ppmである、各使用のために予め決定された濃度範囲内で、筺体の内部雰囲気中の前記製造物又は各製造物の濃度を維持するために選ばれた条件下で蒸発され、注入されるようにプログラムされ得る;
- 植物性製造物は、3日以上の貯蔵期間の間、筺体内に貯蔵され、ここで、製造物の少なくとも1つは薬害軽減剤製造物であり、電子デバイスは、処理期間が貯蔵期間の50%以上であるようにプログラムされる;
- 電子デバイスは、処理工程が、該処理工程の持続期間に実質的に等しい持続期間の単一注入段階を含むようにプログラムされる;
- 電子デバイスは、処理工程が、注入がない停止段階によって互いに分離された複数の連続した注入段階を含むようにプログラムされる;
- 蒸発器は、パッキングを備える塔と、パッキングの上方に液体を注入するためのデバイスと、パッキングを通る空気の上方への流れを生じさせるように配置されたデバイスとを備える;
- 電子制御デバイスは、製造物で飽和された筐体の内部雰囲気を維持するために蒸発器を制御する;
- 電子制御デバイスは蒸発器を永久的に作動する;
- 筐体の内部雰囲気中の製造物蒸気濃度を連続的に測定する分析器を備え、ここで、電子制御デバイスは、予め決定された範囲内で製造物濃度を維持するために、測定された濃度の関数として蒸発器を制御する。
【0015】
第3の態様によれば、本発明は、上記の特徴を有する筐体と処理装置とを備えるユニットに関し、ここで、蒸発器は、筐体内に蒸発した液体を注入するように設計され、植物性製造物は筐体に貯蔵される。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、情報のみのためのものであり、決して限定的ではない以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の様々な実施形態を示すタイミング図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の様々な実施形態を示すタイミング図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の様々な実施形態を示すタイミング図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の様々な実施形態を示すタイミング図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の様々な実施形態を示すタイミング図を示す。
【
図6】
図6は、本発明による浄化されるべき部屋及び処理デバイスを備えるユニットの簡略化された概略図を示す。
【
図7】
図7は、
図6のものと同様の図であって、本発明の処理デバイスが植物性製造物チャンバーに取り付けられている図である。
【
図8】
図8は、本発明によらないユニットの概略図を示し、筐体は、植物性製造物がパッケージされたパッケージである。
【
図9】
図9は、筐体内の製造物の除去率を
測定することを可能にするグラフを示す。
【
図10】
図10は、筐体内の製造物の除去率を
測定することを可能にするグラフを示す。
【
図11】
図11は、本発明の方法を実施するために提供される処理デバイスを表す概略図を示す。
【
図12】
図12は、高い液体流量を蒸発させるように設計された蒸発器を表す概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
したがって、本発明は、少なくとも1つの製造物を使用し、消毒処理又は薬害軽減剤製造物の処理のいずれかである処理方法に関する。
【0019】
すべての場合において、
図1に示すように、この方法は、3日以上、好ましくは5日以上、さらにより好ましくは、又は7日以上である持続期間DTの処理工程を含む。
【0020】
処理段階の持続期間は、処理の種類に依存する。
【0021】
第一の種類の処理:短い持続期間
建物の消毒処理のため、又はサイロの小麦、柑橘類、桃などの果実の薬害軽減剤製造物の処理のために、処置段階の持続期間DTは、典型的には3日~1ヶ月の間である。それは適用事例、排除される汚染の性質及び対象となる残留汚染レベル、適用される殺生物性製造物又は薬害軽減物質製造物の性質、筐体のサイズ、筐体内の温度などに依存する。
【0022】
第二の種類の処理:長いい持続期間
長い持続期間の処理は、典型的には、薬害軽減剤製造物処理である。処理持続期間DTは、筐体内の植物性製造物の保管時間DSの関数である(
図2~
図4)。本発明は、植物性製造物を長時間貯蔵する場合に特に適している。保管持続期間DSは、典型的には、3ヶ月~1年の間である。
【0023】
処理持続期間DTは、典型的には、貯蔵持続期間の50%以上、好ましくは貯蔵持続期間DSの75%超、より好ましくは90%超である。
【0024】
したがって、処理持続期間DTは、典型的には3ヶ月~1年の間である。
【0025】
したがって、貯蔵期間全体にわたって実質的に延長される処理が行われ、植物性製造物の開発の優れた制御が保証される。
【0026】
図1に見られるように、処理工程は、3日以上、好ましくは5日以上、さらにより好ましくは7日以上の持続期間PIを有する少なくとも1つの注入段階を含む。注入段階の間に、製造物又は各生成物を含有する液体を蒸発させ、筐体内に注入する。
【0027】
処理工程は、例えば、
図1~4に示すように、単一の注入段階を含む。あるいは、処理工程は、
図5に示されるように、液体注入を伴わない停止段階によって互いに分離された複数の注入段階を含むことができる。
【0028】
注入段階の持続期間は、少なくとも3日、好ましくは5日間以上、より好ましくは7日以上である。それは、せいぜい処理工程の持続期間DTに等しい。
【0029】
単一の注入段階(
図1~4)の場合、注入段階の持続期間は、処理工程DTの持続期間と実質的に等しい。あるいは、例えば、最後の注入操作が処理工程の終了の少し前に行われたため、注入段階の持続期間は、処理工程の持続期間よりも短くてもよい。
【0030】
処理段階が複数の連続する注入段階(
図5)を含む場合、各注入段階の持続期間は、典型的には3日~15日、好ましくは3日~10日である。
【0031】
各停止段階の持続期間は、通常15日から2ヶ月の間である。例えば、注入段階と次の停止段階の累積持続期間が1ヶ月になるように選択することができる。
【0032】
図1に示すように、注入段階の間に、液体は蒸発され、及び注入され、期間ΔTは2日未満である。これは、蒸発した液体の注入Iが最大2日の期間ΔTだけ隔てられていることを意味する。
【0033】
液体の蒸発及び注入は、例えば、注入段階を通して連続的であってもよく、この場合、期間は0に等しい(
図3)。
【0034】
あるいは、液体の蒸発及び注入を分割してもよく、この場合、注入段階は、期間ΔTだけ互いに離れたいくつかの別々の蒸発した液体注入操作を含む(
図1、2、4、5)。期間ΔTは、2回の蒸発した液体注入操作の開始から開始までの時間である。蒸発と注入は2回の注入操作の間に中断される。これらの注入操作は、
図1、
図2、
図4、
図5においてIで表されている。
【0035】
注入段階中の注入操作Iの数は少なくとも2である。典型的には、1日に2回の注入操作と2日に1回の操作との間にある。例えば、1日に1回の注入操作が行われる。
【0036】
各注入操作の持続期間は少なくとも1時間から最大24時間である。通常は1時間から15時間である。
【0037】
典型的には、注入操作は、時間的に規則的に間隔を置いている。
【0038】
ここで、筐体は、比較的高いレベルの気密性を有する筐体を意味すると理解されるため、筐体の内部雰囲気は、筐体の外部の雰囲気とは連通しないか又はほんのわずかしか連通しない。以下に説明されるように、筐体に注入された製造物(単数又は複数)が外部の雰囲気に逃げることなく、又は液体及び製造物の消費を不利にしないほど十分低い流量で逃げることが重要である。
【0039】
消毒処理(
図6)の場合、筐体は、例えば、病院の一部、学校、工業設備、又は他の任意の種類の施設であり得る。筐体はまた、タンク、貯蔵タンク又は輸送タンク、あるいは消毒される他の任意のタイプの筐体であってもよい。筐体は、野菜製品を収納するためのチャンバーであってもよいが、野菜製品を含んでいなくてもよい。
【0040】
薬害軽減剤製造物処理の場合、筐体は、例えば、チャンバー、サイロ、温室、又は果実若しくは野菜などの野菜製品を貯蔵するための任意の部屋であってよい(
図7)。この処理は、野菜製品が筺体に保管されている間、又は逆に、筺体が空の間に適用することができる。
【0041】
本発明によってカバーされない変形によれば、筐体は、野菜製品がパッケージされたパッケージであり得る(
図8)。
【0042】
液体は、単一の製造物を含んでもよく、又は混合物中にいくつかの製造物を含んでもよい。製造物は、沸点が60~280℃の揮発性製造物であり得る。
【0043】
各製造物は、殺菌用途のための殺生物性製造物、又は野菜製造品の処理のための薬害軽減剤製造物のいずれかである。
【0044】
液体は、殺生物性製造物のみ、又は薬害軽減剤製造物のみを含むことができ、又は1つ以上の薬害軽減剤製造物と混合した1つ以上の殺生物性製造物である。
【0045】
薬害軽減剤製造物の少なくとも1つは、以下のリストから選ばれる:精油、テルペン、飽和又は不飽和C3-C9アルコール、例えばイソプロパノール、イソオクタノール、2-エチルヘキサノール、揮発性合成製造物、例えばグルタルアルデヒド、ヘキサナール、ジメチルナフタレン及び3-デセン-2-オンが挙げられる。
【0046】
精油は、例えば、ハッカ油、クローブ油、バラ油、タイム油、オレガノ油からなる群から選択され得る。あるいは、液体は、L-カルボン、オイゲノール、ゲラニオール、チモール、カルバクロールからなる群から選択される、これらの油の構成成分のうちの1つを含み得る。
【0047】
殺菌用途について、殺生物性製造物は、クローブ油、タイム油、ゲラニオール、エチルアルコール、グルタルアルデヒドのような殺生物性製造物特性を有する天然又は合成の揮発性製造物である。
【0048】
典型的には、液体は、溶媒又はアジュバントを含まない製造物(単数又は複数)のみを含む。あるいは、液体は、水性溶媒又は有機溶媒を含んでもよく、その中に製造物(単数又は複数)及び1つ以上のアジュバントが溶解されている。水性溶媒は、例えば、水であり得る。有機溶媒は、例えば、FR2791919に記載されている種類の溶媒、又はグリコール、ジグリコール及びそれらの関連エステルであり得る。アジュバントは、例えば、活性物質(単数又は複数)を輸送することができるか、又は希釈効果を生み出すことができる物質であり得る。
【0049】
いずれにせよ、液体は、50℃未満、好ましくは20℃未満、特に-2℃~+12℃、具体的には0~10℃の温度で注入段階中に気化される。例えば、液体は、室温で蒸発させることができる。
【0050】
本発明の重要な態様によれば、各注入段階PIの間、液体は蒸発され、所定の濃度範囲内に含まれる、筐体の内部雰囲気内の製造物又は各製造物の濃度を維持するために選択された条件下で注入される。
【0051】
濃度範囲は、意図する用途及び製造物に依存する。それは一般的に、下記のように実験的に決定される。例えば、50~2000ppmの雰囲気中の濃度の全勾配が標的とされる。
【0052】
「蒸発及び注入条件」という用語は、ここでは以下のパラメーターのうちの1つ以上を意味すると理解される:
-処理段階の持続期間;
-注入段階の数;
-各注入段階の持続期間;
-該当する場合、注入を行わない各停止段階の持続期間;
-各注入段階中の注入操作の数;
-2回の注入操作の間の持続期間;
-各注入操作で注入された製造物の量。
【0053】
有利には、蒸発及び液体注入の条件を決定するために、この方法は、筐体内の製造物又は各製造物の排出速度を表す量を決定する工程、及び代表量に従って蒸発及び液体注入条件を選択する工程を含む。
【0054】
実際に、筐体内に注入された製造物は、さまざまな方法で消費される:
-薬害軽減剤製造物処理の場合、一部は植物性製品に吸収される;
-一部は、筐体の内面に堆積する;
-一部は、筐体の外側に向かって排出され、この場合、筐体の内側から筐体の外側に向かって空気が循環する原因となる漏れがある;
-このようなシステムを装備している場合、一部は、筐体の空気処理システムに吸収される。
【0055】
実際、空気処理システムは、内部雰囲気から製造物の一部を捕捉する活性炭フィルターを含み得る。同様に、筐体、特に野菜製品の貯蔵室は、典型的には冷蔵される。筐体の内部雰囲気が冷却されて、熱交換器で結露が発生し、製造物が、凝縮した水分に部分的に溶解される。
【0056】
各製造物が野菜製品に吸収される速度は、筐体内の周囲温度に依存することに留意すべきである。
【0057】
測定工程は、上記のすべてのパラメーターを考慮に入れて、製造物又は各製造物の除去率の代表量を測定することを可能にする。
【0058】
典型的には、この工程は、
図9及び
図10に示される種類の測定を行うことによって実験的に行われる。
【0059】
図9に示す例では、ある量の純粋なアルコールが蒸発され、この場合はデシケーターである筐体内に注入される。デシケーターの容量は9リットルで、温度は7℃に保たれる。注入されたアルコールの量は0.01mlである。曲線1は、デシケーターが1kgの野菜製品を含む最初の試験に対応する。この図では、時間で表した時間は横座標上にあり、ppmで表した気体状アルコールの濃度は縦座標上にある。
【0060】
曲線2は、デシケーターが空であり、いかなる野菜製品も含まない試験に対応する。曲線1に対応する試験と同じ条件下で行われる。
【0061】
曲線1は、蒸発段階の終わりに、気体アルコールの濃度が300ppmよりわずかに高いことを示している。蒸発段階は、約2時間続く。次に、第二段階において、ガス状アルコールの濃度は、8時間後に約100ppmに急速に減少する。第三段階では、気体アルコールの濃度はよりゆっくりと減少する。15時間後、ガス状アルコールの量は50ppm未満である。したがって、第二段階の間、アルコールの除去速度は35ppm/hのオーダーである。
【0062】
曲線2は、蒸発段階の終わりに約400ppmの気体アルコール濃度を示す。次に、ガス状アルコール濃度は、最初の曲線よりも低い勾配で、着実に減少する。その場合の傾きは約12ppm/hである。
【0063】
これら2つの曲線間の差は、特に、野菜製品によって吸収されたアルコールの量を時間の関数として測定することを可能にする。
【0064】
曲線1の第2段階の間、この速度は23ppm/hのオーダーである。
【0065】
図10は、
図9に示すものと同様の試験を示す。唯一の違いは、
図10に示す試験についてのアルコール注入量が、
図9に示す試験についてのアルコール注入量の10倍であることである。
図10の試験について、0.1mlの純粋なアルコールを注入する。
【0066】
図10の曲線は、
図9の曲線と実質的に同じ形状を有する。曲線1において、デシケーターが1kgの野菜製品を含む場合に対応し、第二段階の間に、気体状アルコールの除去速度は、毎時約50ppmである。デシケーターが空の場合に対応して、曲線2の気体状アルコールの除去速度は、約22ppm/hである。したがって、第二段階の間に、野菜製品は約28ppm/hの気体アルコールを吸収する。
【0067】
選択ステップでは、上記の結果を用いて蒸発及び液体注入の条件を選択する。これらの条件は上記のものである。
【0068】
例えば、これらの条件は、筐体の内部雰囲気中のアルコールの濃度を特定の範囲内に維持するように選択され得る。
図9及び
図10に示される例では、範囲は100ppm~1000ppmであり得る。選択された条件は、18時間ごとにデシケーター内に0.1mlのアルコールを注入すること、又は8時間ごとにデシケーター内に0.01mlのアルコールを注入することである。
【0069】
あるいは、蒸発及び注入条件は、野菜製造物、又は各製造物の吸収速度を所定の範囲内に維持するように選択されてもよい。
【0070】
これは、最初に野菜製造物、又は各製造物の吸収速度の代表量を測定し、次いでこのようにして測定された代表量の関数として蒸発及び注入条件を選択することによって行うことができる。
【0071】
図9及び10に示される例では、8時間ごとに0.01mlのアルコールの注入を行うことによって、又は18時間ごとに0.1mlのアルコールの注入によって、野菜製造物の吸収速度を20~30ppm/hに維持することが可能である。
【0072】
処理方法のいくつかの実施形態をここで説明する。
【0073】
一実施形態によれば、処理方法は消毒方法である。製造物は、上記のように選択された殺生物性製造物である。
【0074】
図6に示されるように、この実施形態では、液体は気化され、例えば、学校、病院又は工業ビルに属するチャンバーであり得る筐体2の内部に注入される。筐体2には、例えば、筐体2の内容積の温度を所定の温度範囲内に維持するための暖房/空調システムなどの空気処理システム3が備えられている。
【0075】
この場合、処理工程は、典型的には3日から1ヶ月の間、好ましくは3日から10日の間の持続期間である。
【0076】
例示的な実施形態では、処理期間は1週間であり、1日に1回の蒸発及び注入操作を伴う。注入される1日量は、0.5ml/m3のハッカ油又はクローブ油である。
【0077】
図7に示される第2の実施形態によれば、処理方法は薬害軽減剤製造物処理方法である。この場合、薬害軽減剤製造物である製造物を野菜製造物に付着させることが意図される。
【0078】
薬害軽減剤製造物は、上記のように選択される。
【0079】
筐体は、施設であり、例えば、野菜製造物を貯蔵するためのチャンバー、サイロ又は部屋4である。
【0080】
筐体4は、筐体4の内容積の温度を所定の範囲内に維持することを意図した空気処理システム5を備える。典型的には、この温度は0℃~10℃である。
【0081】
野菜製造物6は、典型的には果実又は野菜である。
【0082】
例えば、野菜製造物は、リンゴ、ナシ、ブドウ、ザクロなどの果実である。
【0083】
別の実施例では、野菜製造物は、例えば、ジャガイモ又はブロッコリーなどの野菜である。
【0084】
野菜製造物6は、筐体4を満たす空気と直接接触している。気化した液体は、筐体4の内部容積に直接注入される。
【0085】
したがって、この方法は、3日~1年の貯蔵期間DSの間に、筐体4内に野菜製造物を貯蔵するステップを含む。加工工程は、
図2~5に示されるように、貯蔵工程と同時に行われる。
【0086】
貯蔵持続期間DS及び処理期間DTは、上述の通りである。
【0087】
第1の変形実施形態によれば、貯蔵持続期間DSは短く、3日~1ヶ月である。本件は、サイロの小麦、柑橘系の果実、桃などの核果の薬害軽減剤製造物処理に該当する。処理ステップの持続期間DTは、典型的には、3日~1ヶ月である。この方法は、典型的には、1日に1回の注入で、3日~1ヶ月続く単回注入段階を含む。
【0088】
第2の変形実施形態によれば、貯蔵持続期間DSは長く、典型的には3ヶ月~1年である。この場合は、例えば、長期保存用のジャガイモの薬害軽減剤製造物に相当する。処理期間DTは、実質的に貯蔵持続期間DSに等しい。
【0089】
第一のアプローチによれば、この方法は、典型的には一日一回の注入で、処理の持続期間に実質的に等しい持続期間PIの単一の注入段階を含む。
【0090】
第2のアプローチによれば、この方法は、(
図5に示されるように)注入なしの停止段階によって分離されたいくつかの注入段階を含む。
【0091】
注入段階と停止段階のそれぞれの持続期間PIとPAは、例えば、次のとおりである:
-1日1回の注入で3日間の注入、その後、注入なしで27日間;
-1日1回の注入で7日間の注入、その後、注入なしで23日間;
-1日1回の注入で10日間の注入、その後、注入なしで20日間。
【0092】
注入日数は、注入される製造物の総量、並びに接触日数及び所望の活性を有するための閾値用量に従って決定される。
【0093】
例えば、6ヶ月間貯蔵されているジャガイモに1リットルの2-エチルヘキサノールを注入する場合、以下が可能である:
-毎日、5.5ml/トンのジャガイモを注入する:
-月に3日で55ml/トンを注入する;
-月7日に24ml/トンを注入する。
【0094】
好ましい溶液は、毎日の低用量に対応する。
【0095】
第1の例示的な実施形態によれば、ジャガイモは、約7℃~9℃の温度で筐体4内に貯蔵される。
【0096】
処理工程では、少なくとも50重量%のL-カルボンを含む液体を蒸発させ、筐体4に注入する。典型的には、この液体はスペアミント油である。この場合、処理持続期間は、貯蔵持続期間と実質的に等しい。処理工程は、処理持続期間と実質的に等しい持続期間の単回の注入段階を含む。注入操作は毎日行われ、ここで、注入される液体の量は、ジャガイモ1トンあたり1~10mlの液体、好ましくはジャガイモ1トンあたり1~5ml、例えばジャガイモ1トンあたり2mlである。
【0097】
第2の例示的な実施形態によれば、ジャガイモは約7℃~9℃の温度で筐体4内に貯蔵される。
【0098】
処理工程では、C3-C9アルコールを含む液体を蒸発させ、筐体4に注入する。典型的には、この液体は2-エチルヘキサノールである。この場合、処理期間は約6ヶ月である。処理工程は、処理持続期間と実質的に等しい持続期間(持続期間)の単回の注入段階を含む。
1回の注入操作は毎日行われ、ここで、6ヶ月間に注入される液体の総量は、ジャガイモ1トンあたり液体100~2000ml、好ましくはジャガイモ1トンあたり600~1200ml、例えば、ジャガイモ1トンあたり1000mlである。
【0099】
第3の例示的な実施形態によれば、ジャガイモは、約7℃~9℃の温度で筐体4内に貯蔵され得る。
【0100】
処理工程では、C3~C9アルコールを含む液体を蒸発させ、筐体4に注入する。典型的には、この液体は2-エチルヘキサノールである。この場合、処理期間は約6ヶ月である。処理工程は、注入なしの停止期によって分離されたいくつかの注入段階を含む。各注入期は3日から2週間、典型的には1週間持続する。各停止段階の持続期間は約3週間である。各注入段階の間、注入操作が毎日行われ、ここで、注入される液体の量は、ジャガイモ1トンあたり5.5~110ml/日ml、好ましくはジャガイモ1トンあたり33~67ml/日、例えば、ジャガイモ1トンあたり55ml/日である。
【0101】
第4の実施形態によれば、柑橘系果実は熟成段階中に保護のためにクローブ油による殺菌処理を受け、その段階中に果実の色の変化が比較的高い温度及び湿度で起こる。この段階は、果実を詰める直前で起こる。処置は、5日間、1日あたり4g/トンの注入段階を含む。貯蔵期間は、3日から1ヶ月と短い。
【0102】
次に、
図8を参照して、本発明の範囲外の第3の実施形態について説明する。
【0103】
この第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点のみを以下に詳述する。2つの実施形態において同一の要素又は同一の機能を提供する要素は、同一の参照符号で示される。
【0104】
この第3の実施形態では、筐体はパッケージ12であり、サイロ又はコールドチャンバではない。このパッケージは、例えば、
図8に示すように、バッグ、箱、又は木箱である。
【0105】
製造物又は各製造物を含む液体14は、1つ以上の製造物に対して透過性である材料の少なくとも1つの壁を備えた密閉容器16に入れられる。容器16はパッケージ12内に配置される。
【0106】
有利には、軽石などの多孔質固体材料17が容器16内に配置され、液体が固体材料を浸す。
【0107】
容器16は、例えば、バッグ又は箱である。
【0108】
この第3の実施形態では、液体は、パッケージ12の内部で連続的に蒸発及び拡散する。注入は透過性材料を通して行われる。液体は、容器内で蒸発し、ここで、蒸発した液体は、透過性材料の壁を通って拡散する。
【0109】
「透過性」とは、本明細書において、壁が、それ又はそれぞれ、典型的には液体蒸気に対して透過性であることを意味する。
【0110】
図8に示される例では、パッケージは野菜製造物6を含んでいる。次に、その製造物は、薬害軽減剤製造物である。
【0111】
あるいは、液体は殺生物性製造物であってもよく、その目的はパッケージの内部を満足のいく衛生状態に維持することである。
【0112】
注入される製造物の量は、液体及び製造物の性質の関数として、密閉容器16の透過壁を構成する材料、その面積、その厚さ、及び容器16内に含まれる液体の体積を適切に選択することによって制御することができる。例えば、透過性壁の材料はポリエチレンであり得て、一方、薬害軽減剤製造物はハッカ油であり、野菜製造物はジャガイモである。
【0113】
20/05/2015に収穫されたニコラス種のジャガイモは、それぞれが15kgのジャガイモを含む200リットルの実験用貯蔵細胞に保存される。
【0114】
疎水性砂に吸収されたハッカ油4gを含むポリエチレン製サッシェを調製する。
【0115】
いくつかの細胞を調製して、この胚芽処理法の有効性を評価する:
1)ジャガイモのみを含有する対照細胞。
2)1つのサッシェを含む細胞。
3)2つのサッシェを含む細胞。
4)4つのサッシェを含む細胞。
5)6つのサッシェを含む細胞。
【0116】
日中30℃、夜間20℃で、室温にて20日間保存後、各細胞のジャガイモを調べる。
20日間の保存後に観察された胚の割合:
1)100%
2)80%
3)3~4%
4)0%
5)0%
【0117】
ここで、処理デバイス17について説明する。このデバイスは、上述した方法の実施のために提供される。
【0118】
逆に、上述の方法は、以下に説明する処理デバイスによって実施されることが意図される。
【0119】
処理デバイス17は、以下を備える:
- 製造物又は各製造物を含む液体を50℃未満の温度で蒸発させ、蒸発した液体を筐体内に注入するように設計された蒸発器18であって、筐体は部屋であり得る蒸発器18;
- 蒸気器を制御するための電子デバイス20。
【0120】
上述したように、消毒用途では、筐体は、例えば、病院、学校、産業施設、又は他の建物に属する部屋である。筐体はまた、タンク、貯蔵用又は輸送用のタンク、又は消毒すべき他のタイプの筐体であってもよい。
【0121】
薬害軽減剤製造物用途では、筐体は、冷蔵室、植物性製造物の貯蔵用サイロ、又は植物性製造物(例えば、果実及び野菜)の貯蔵を目的とした他のタイプの筐体であってもよい。
【0122】
生成物は、処理方法に関して上述したタイプのものである。
【0123】
蒸発器18は、典型的には、国際公開第2014/001201号に記載されているタイプの蒸発器である。この蒸発器は、精油などの比較的重い液体の室温での蒸発に特に適している。
【0124】
蒸発器18は、典型的には、
図11に示すように、以下を備える:
- 液体を収容するリザーバー22;
- 液体を吸収する部材24;
- 気体の流れを生成する部材26、ここで、気体の流れは吸収部材24に向けられる。
【0125】
吸収部材24は、液体を保持するように設計された複数の吸収性ストリップ28を備える。吸収性ストリップは、例えば、垂直に配置されるか、又は液体が重力によってストリップの上端から下端に向かって流れることを可能にする傾斜を有する垂直に対して傾斜している。ストリップは、例えば、V字形に配列され、V字形の先端は上方に向いている。それらは、W又はアコーディオン構成で配置することができる。
【0126】
吸収性ストリップ28は、典型的には、マイクロファイバーで作られている。
【0127】
気体流を生成するための部材26は、例えば、吸収性ストリップ28に向かって空気流を作り出すように配向されたファンである。
【0128】
蒸発した液体が充填された空気流は、筐体の内部雰囲気に開口するダクト29を通って送られる。あるいは、液体吸収部材24及び気体流発生部材26を筐体の内部に直接配置し、ここで、部材26は、筐体(筐体)の内部雰囲気を動かすように設定する(
図6、
図7)。
【0129】
好都合なことに、蒸発器18は、リザーバー22から液体を吸収部材24内に注入するための部材30を備える。この注入部材30は、投薬部材32、例えば投薬ポンプを備える。この投薬部材32は、吸収性ストリップ28内に注入された液体の流れを制御する。液体は、各ストリップの上端で注入され、重力によって各ストリップの下端に流れる。
【0130】
好ましくは、蒸発器18は、蒸発した液体の流れを完全に制御するために、注入された全ての液体が各ストリップ28の下端に到達する前に蒸発するように設計される。この結果は、液体の性質、ストリップの面積、各ストリップに注入された液体の流れ、及び気体流速の関数として適切に選択することによって得られる。
【0131】
そのような蒸発器は、XEDA INTERNATIONALによって、XEDAVAP(登録商標)の名称で販売されている。
【0132】
あるいは、蒸発器は異なっていてもよい。蒸発器は、例えば、液体を収容する容器と、液体の自由表面に向けられたガス流を生成するための部材とを備えていてもよい。
【0133】
あるいは、蒸発器は、液体を収容する容器と、液体を通って気体をバブリングするデバイスとを備えていてもよい。気体は、液体を通過して蒸気で充填された後、別の気体の流れと混合され、気体を筐体の内部に引き寄せる。
【0134】
蒸発器は、蒸発させる液体の関数として、他の任意のタイプのものであってもよい。
【0135】
電子デバイス20は、例えば、コンピュータ又はコンピュータ部品であってもよい。あるいは、電子制御デバイス20は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)の形態で、又は特定用途向け集積回路(ASIC)の形態で実施されてもよい。
【0136】
電子制御デバイス20は、上述した本発明の方法を実施するようにプログラムされている。
【0137】
したがって、それは、3日以上持続する処理工程を実施するようにプログラムされており、ここで、この処理工程は、その期間中の3日以上の持続期間の少なくとも1つの注入段階を含み、蒸発器は、液体を蒸発させ、蒸発した液体を2日以下の時間で注入する。
【0138】
処理工程の持続期間は、好ましくは5日以上、より好ましくは7日以上である。
【0139】
注入段階又は各注入段階の持続期間は、好ましくは5日以上、より好ましくは7日以上である。
【0140】
消毒用途では、処理の持続期間は上記の通りである。
【0141】
薬害軽減剤製造物用途について、処理DTの持続期間は、筐体内部の植物性製造物の貯蔵持続期間DSの関数である。本発明は、植物性製造物が、3日~1年の貯蔵期間の間、貯蔵される場合に特に適している。
【0142】
貯蔵時間に関しては、2つの異なる場合がある。
- 短期貯蔵期間の場合:3日~1カ月。例えば、袋詰される前にサイロに貯蔵されるコムギ、核果(桃、ネクタリン)、パッケージ前に成熟チャンバーに貯蔵されるオレンジ。この場合、処理は少なくとも3日間続く。
- 長期貯蔵期間の場合:3カ月~1年。処理の持続期間はまた3カ月~1年。次に、電子デバイスは、処理の持続期間が、貯蔵持続期間の50%以上、好ましくは貯蔵時間の75%以上、より好ましくは貯蔵時間の90%以上であるようにプログラムされる。
【0143】
したがって、貯蔵期間全体にわたって実質的に延長し、植物性製造物の開発の優れた制御を保証する処理が行われる。
【0144】
全ての場合において、
図1~
図4に対応する第1の実施形態によれば、電子デバイス30は、処理工程が単一の注入段階を含むようにプログラムされてもよい。注入段階の持続期間は、処理工程の持続期間と実質的に等しい。あるいは、例えば、最後の注入操作が処理工程の終了の少し前に行われたため、注入段階の持続期間は、処理工程の持続期間よりも短くてもよい。
【0145】
第2の実施形態によれば、電子デバイスは、処理工程が、注入なしで停止段階によって互いに分離された、複数の連続する注入段階を含むようにプログラムされる(
図5)。
【0146】
各注入段階及び各停止段階の持続期間は、処理方法に関して上述した通りである。
【0147】
さらに、第1の改変実施形態によれば、電子デバイスは、各注入段階の間に、いくつかの蒸発操作及び液体注入操作が、典型的には、通常は間隔で、すなわち注入の間の規則的な期間で、実施され得るようにプログラムされる。これは、
図1、2、4及び5に示される。2回の注入の間の期間は、上記のように、2日未満であり、例えば1日である。換言すれば、例えば、1回の液体注入操作を1日に行うようにしてもよい。
【0148】
別の改変実施形態によれば、電子デバイスは、液体を連続的に蒸発させて注入するように、すなわち、注入段階全体の間にいずれも中断することなく、プログラムすることができる。
【0149】
電子デバイス20は、注入段階の間、又は各注入段階の間に、液体は、筐体の内部雰囲気中の製造物、又は各製造物の濃度を所定の濃度範囲に維持するために選択された条件下で、蒸発され注入され得るようにプログラムされ得る。
【0150】
濃度範囲は、本発明の方法に関して上述したように、
図9及び
図10に示すような曲線を使用して
測定することができる。
【0151】
蒸発及び注入条件は、典型的には、以下のパラメーターの1つ以上を含む:
- 注入段階の数;
- 各注入段階の持続期間;
- 各注入段階における注入動作の回数;
- 2回の注入操作の間の期間;
- 各注入操作で注入される製造物の量;
- おそらく、2つの注入期間の間の停止期間の持続期間など。
【0152】
あるいは、電子デバイス20は、注入段階の間又は各注入段階の間に、液体を蒸発させ、植物性製造物による植物性保護製造物の吸収速度を所定の範囲に維持するために選択された条件下で注入することができるようにプログラムされていてもよい。
【0153】
この範囲は、例えば、上述したように、
図9及び
図10に類似した曲線を使用して決定される。
【0154】
条件は、上記と同じパラメーターを含む。
【0155】
図12に示す代替の実施形態によれば、蒸発器18は、パッキン42を有するタワー40と、パッキン42の上方に液体を注入するためのデバイス44と、パッキン42を通って上昇する空気流を生成するように配置されたデバイス46を備える。
【0156】
塔40は、典型的には、タンク47を含み、パッキン42の下に配置され、液体を含有する。
【0157】
パッキンの上方に液体を注入するためのデバイス44は、典型的には、パッキン42の上方に配置された1つ以上のスプレーバー48と、ポンプなどの液体移送部材50とを含み、タンク47の液体を吸引し、スプレーバー48内にそれを戻し入れる。
【0158】
空気流を生成するためのデバイス46は、パッキング42の下の塔内部に開口する1つ以上の空気入口52と、パッキングの上方に配置された空気循環部材54とを含む。部材54は、例えば、ファン又は送風機である。
【0159】
各入口52は、筐体4の内部雰囲気と流体連通している。
【0160】
塔40は、パッキン42の上方で、上部に配置された、蒸発した液体で満たされた空気用の出口56を有する。出口56は、筐体4の内部雰囲気と流体的に接続されている。部材54は、パッキン42上で蒸発した液体を含んだ空気を吸引し、それを出口56内に又は出口56に向けて放出する。
【0161】
パッキン42は、例えば、ハニカムパッキンである。
【0162】
蒸発器は、スプレーバー48の上方に配置された液滴分離器58をさらに含む。
【0163】
例示的な実施形態では、タワー40は、垂直軸を有し、700×700mmの実質的に一定の水平断面を有する。タンク47は、タワーと同じ水平断面を有し、500~700mmの高さを有する。
【0164】
蒸発器は、例えば、塔の一方の側にそれぞれ配置された4つの入口52を有する。
【0165】
パッキン42は、約1メートルの高さを有する。
【0166】
パッキン42は、例えば、液体入口の700mm下方に配置され、液滴分離器58は、液体入口より300mm上方に配置される。
【0167】
蒸発器18の動作は、次の通りである。
【0168】
蒸発される液体46は、タンク47内に配置される。ポンプ50は、スプレーバー48に液体を送り、液体をパッキング42に向けて噴霧する。空気循環部材54は、上昇する空気流を生成する。空気は、入口52を通って塔40に入り、パッキン42を通って上方に流れる。液体はパッキング42を通って下方に流れ、ここで、液体の一部は、空気流と接触すると蒸発し、蒸気の形態で、空気流によって駆動される。蒸発していない液体の画分は、タンク47に戻ってリサイクルされる。蒸発した液体で充填された空気は、液滴分離器58を通過し、部材54によって出口56に排出される。
【0169】
蒸発器18は、典型的には、筐体4の内部に配置される。入口52を介して内部雰囲気を直接吸引し、出口56を介して蒸気を含む空気を内部雰囲気に直接放出する。
【0170】
このような蒸発器を使用する方法、すなわち、液体を充填塔の空気流と接触させることによって蒸発させる方法は、XEDAVAP(登録商標)タイプの蒸発器で蒸発することができるよりもはるかに高い多量の液体の蒸発を可能にする。
【0171】
例えば、
図11に示す蒸発器では、4m
2の表面積を有する吸収性ストリップを用いて、約1.2リットル/日のハッカ油を蒸発させることが可能である。
図12の充填塔では、1日あたり1.2リットルよりはるかに多い量を、1日あたり最大20リットルで蒸発させることが可能である。
【0172】
この状況器は、非常に単純であり、非常に高い蒸発能力を有し、比較的小規模サイズを有するという利点がある。
【0173】
その高い蒸発能力のため、筐体の内部雰囲気を飽和に近い製造物濃度に維持することが可能である。これにより、製造物はその動作を最も良く行うことができる。
【0174】
あるいは、任意の他のタイプの適切な蒸発器を用いて、飽和に近い製造物濃度で筐体の内部雰囲気を維持することができる。
【0175】
蒸発器は、電子デバイス20によって様々な方法で制御されてもよい。
【0176】
第1の改変によれば、蒸発器は連続的に作動することができる。それは、筐体の内部雰囲気に配置される。蒸気で満たされた空気を吸引して吐き出す。一旦、内部雰囲気が製造物で飽和されると、もはや蒸気濃度を増加させることは不可能であり、蒸発は自然に停止する。
【0177】
あるいは、電子デバイス20は、予め決定されたタイムチャートに従って蒸発器を始動及び停止させるようにプログラムされ得る。
【0178】
さらに別の改変によれば、電子デバイス20は、筐体の内部雰囲気中の製造物蒸気の濃度を連続的に測定する分析器に接続することができる。予め決定された範囲内の濃度を維持するために、蒸発器18の動作を開始、停止又は調整する。
【0179】
さらに別の改変実施形態によれば、加工デバイスは、筐体に格納された植物性製造物を観察するように構成されたカメラを含むことができる。カメラは、筐体からある距離に位置されたある制御ステーションに接続される。この制御ステーションは、オペレーターがカメラによって撮影された画像を見ることを可能にするスクリーンを含むことができ、したがって、貯蔵された植物性製造物の状態を知ることができる。さらに、制御ステーションは、電子制御デバイス20を制御するように設計されていて、オペレーターが蒸発器の制御を適応させ、典型的に単位時間あたりに植物性製造物に適用される製造物の用量を変化させることができる。
【0180】
別の態様によれば、本発明は、筐体2,4及び上記特性を有する処理デバイス17を備えるユニットに関する。この場合、蒸発器18は、液体の蒸気を筐体2,4内に注入するように設計されている。
【0181】
一実施形態によれば、アセンブリーは、筐体4内に貯蔵された植物性製造物を含むことができる。
【0182】
植物性製造物6は、典型的には、
図7に示すように、容器にパッケージされていないという意味で、筐体4の内部雰囲気に曝露される。
【0183】
本発明に包含されないさらに別の態様によれば、ユニットは、以下を備え得る:
- バッグ又は箱などの密閉したパッケージ12;
- パッケージ12に貯蔵された植物性製造物6;
- 少なくとも1つの薬害軽減剤製造物を含有する液体14;
- 液体14が容器16に囲まれている、植物性保護製造物又は各植物性製造物に対して透過性である材料の少なくとも1つの壁が設けられた密閉した容器16。
【0184】
【0185】
容器16は、パッケージ12内に配置される。
【0186】
液体14及び容器16は、50℃未満の温度で、薬害軽減剤製造物又は各薬害軽減剤製造物を含有する液体が蒸発され、6日間を超えて持続する注入段階中にパッケージ12の内部に連続的に注入されるように選ばれる。
【0187】
液体は、容器16内に配置された多孔質固体17を浸漬する。
【0188】
容器16は、処理プロセスに関して上述したタイプのものである。
【0189】
液体14は、上述した液体のうちの1つである。好ましくは、液体は、低温で蒸発しやすい液体、例えばアルコールである。
【0190】
所望の性能を得るために、透過性部材壁の表面、この壁の厚さ、及び部材の性質は、典型的には、液体及び作物保護製造物の性質の関数として選択される。
【0191】
例えば、部材は、ポリエチレンであってもよい。