IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許7299871水中における使用のためのコーティングを含む光導波路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】水中における使用のためのコーティングを含む光導波路
(51)【国際特許分類】
   B08B 17/00 20060101AFI20230621BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20230621BHJP
   B63B 59/04 20060101ALI20230621BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20230621BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20230621BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
B08B17/00
B32B7/023
B63B59/04 D
B32B27/30 D
F21V8/00 355
B32B27/00 101
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020502149
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2018069564
(87)【国際公開番号】W WO2019016291
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】17181832.1
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】デ ワイス ウィレム‐ヤン アレンド
(72)【発明者】
【氏名】フィッセル コルネリス ゲラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ファン リエロップ ミカエル マリア ヨハネス
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124781(JP,A)
【文献】特開2005-066914(JP,A)
【文献】特開平09-100449(JP,A)
【文献】国際公開第2016/001227(WO,A1)
【文献】特開平06-016839(JP,A)
【文献】特表2012-529540(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0310805(US,A1)
【文献】特表2016-525932(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188347(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105209187(CN,A)
【文献】特表2016-530985(JP,A)
【文献】国際公開第2015/000756(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105358488(CN,A)
【文献】JACOB BART,ROOM-TEMPERATURE INTERMEDIATE LAYER BONDING FOR MICROFLUIDIC DEVICES,LAB ON A CHIP,2009年,VOL:9, NR:24,PAGE(S):3481 - 3488,http://dx.doi.org/10.1039/b914270c
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B15/00-17/06
B32B1/00-43/00
B63B1/00-85/00
B63J1/00-99/00
F21S2/00
F21V8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックであって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、
前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1の層要素が、直接的に、又は、前記UV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、前記第1の表面と化学結合により結び付けられ、前記第1の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記第1の層要素が、前記UV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、
前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第2の層要素が、直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第2の表面と化学結合により結び付けられ、前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素と、
のうちの1つ又は複数をさらに備え、
前記第1の層要素が、フッ素化エチレン、フッ素化プロピレン、フッ素化エチレンプロピレン、及びフッ素化プロピレンアセテートのうちの1つ又は複数を含むポリマー層を備え、
前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率をもち、且つ、フッ素重合体を含む、ポリマー層を備える、
層スタック。
【請求項2】
前記第2の層要素を少なくとも備え、前記第2の層要素が、(a)UV放射光に対して反射性であることと、(b)物体に前記層スタックを接着するために接着性であることと、(c)前記層スタックを補強することと、(d)前記第1のシリコーン層に対して保護作用のあることとからなる群から選択された1つ又は複数の機能をもつ、
請求項1に記載の層スタック。
【請求項3】
前記第2の層要素が、(i)アルミニウム層と、(ii)粒子状反射材料を備えるシリコーン層と、(iii)粒子状反射材料を備えるポリマー層とのうちの1つ又は複数をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の層スタック。
【請求項4】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックであって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、
前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1の層要素が、直接的に、又は、前記UV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、前記第1の表面と化学結合により結び付けられ、前記第1の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記第1の層要素が、前記UV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、
前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第2の層要素が、直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第2の表面と化学結合により結び付けられ、前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素と、
のうちの1つ又は複数をさらに備え、
前記第2の層要素が、(a)中に埋設された粒子状反射材料を含むシロキサンと、(b)中に埋設された粒子状反射材料を含むポリマー材料とのうちの1つ又は複数を備える層を備え、前記ポリマー材料が、フッ素重合体を含み、前記粒子状反射材料が、窒化ホウ素を含む、
スタック。
【請求項5】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックであって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、
前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1の層要素が、直接的に、又は、前記UV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、前記第1の表面と化学結合により結び付けられ、前記第1の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記第1の層要素が、前記UV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、
前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第2の層要素が、直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第2の表面と化学結合により結び付けられ、前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素と、
のうちの1つ又は複数をさらに備え、
前記第2の層要素が、少なくとも100nmの範囲から選択された厚さをもつアルミニウム層を備える、
スタック。
【請求項6】
前記層スタックが、前記第1の層要素を少なくとも備え、前記第1の層要素が、(a)UV放射光に対して部分的に反射性であることと、(b)前記層スタックを補強することと、(c)前記第1のシリコーン層に対して保護作用のあることとからなる群から選択された1つ又は複数の機能をもつ、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の層スタック。
【請求項7】
前記第1の層要素が、(i)5~20nmの範囲から選択された厚さをもつアルミニウム層と、(ii)シリコーン層とのうちの1つ又は複数をさらに備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の層スタック。
【請求項8】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックであって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、
前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1の層要素が、直接的に、又は、前記UV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、前記第1の表面と化学結合により結び付けられ、前記第1の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記第1の層要素が、前記UV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、
前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第2の層要素が、直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第2の表面と化学結合により結び付けられ、前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素と、
のうちの1つ又は複数をさらに備え、
前記化学結合が、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、及びSi-O-Al結合のうちの1つ又は複数を含む、
スタック。
【請求項9】
前記第1の中間層と前記第2の中間層とのうちの1つ又は複数が、前記第1のシリコーン層と異なる組成をもつシリコーン層を備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の層スタック。
【請求項10】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックであって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、
前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1の層要素が、直接的に、又は、前記UV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、前記第1の表面と化学結合により結び付けられ、前記第1の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記第1の層要素が、前記UV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、
前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第2の層要素が、直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第2の表面と化学結合により結び付けられ、前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素と、
のうちの1つ又は複数をさらに備え、
前記第1の層要素が、フッ素重合体を含むポリマー層を備え、前記第2の層要素が、アルミニウム層及びポリマー層のうちの1つ又は複数を備える、
スタック。
【請求項11】
前記第2の層要素が、(i)フッ素重合体を含むポリマー層と、(ii)アルミニウム層と、(iii)ポリマー層とのスタックを備える、
請求項10に記載の層スタック。
【請求項12】
UV放射光を提供するための、前記第1のシリコーン層に埋設された1つ又は複数のソリッドステート光源をさらに備える、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の層スタック。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の層スタックと、前記層スタックにUV放射光を提供するためのUV光源とを備える、
生物防汚システム。
【請求項14】
表面を備える物体であって、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の層スタックが、前記表面の少なくとも一部に付着させられた、
物体。
【請求項15】
使用中に水中に少なくとも部分的に沈められる、
請求項14に記載の物体。
【請求項16】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックを提供する方法であって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記UV放射光に対して透過性である第1の層要素と、前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える第2の層要素とを含み、
(a)直接的に、又は第1の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第1の表面と前記第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと、
(b)直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第2の表面と前記第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと
のうちの1つ又は複数により、(i)前記第1のシリコーン層と、(ii)前記第1の層要素及び前記第2の層要素のうちの1つ又は複数とを結合させるステップを有
前記第1の層要素が、フッ素化エチレン、フッ素化プロピレン、フッ素化エチレンプロピレン、及びフッ素化プロピレンアセテートのうちの1つ又は複数を含むポリマー層を備え、
前記第2の層要素が、前記第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率をもち、且つ、フッ素重合体を含む、ポリマー層を備える、
層スタックを提供する方法。
【請求項17】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックを提供する方法であって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記UV放射光に対して透過性である第1の層要素と、前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える第2の層要素とを含み、
(a)直接的に、又は第1の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第1の表面と前記第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと、
(b)直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第2の表面と前記第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと
のうちの1つ又は複数により、(i)前記第1のシリコーン層と、(ii)前記第1の層要素及び前記第2の層要素のうちの1つ又は複数とを結合させるステップと、
少なくとも2つの官能基化された材料間に前記結合を提供するステップと、を有し、
前記少なくとも2つの官能基化された材料のうちの1つ又は複数が、官能基により官能基化された前記第1の表面、及び/又は、官能基により官能基化された前記第2の表面により提供され、前記官能基が、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、及びSi-O-Al結合のうちの1つ又は複数を含む化学結合を形成するための、-OH基、-COOH基、-NH基、及び-Si-H基からなる群から選択された1つ又は複数を含む、
層スタックを提供する方法。
【請求項18】
1つ又は複数のソリッドステート光源が、前記第1のシリコーン層に埋設され、物体の表面の少なくとも一部に前記層スタックを提供するステップをさらに有する、
請求項16又は請求項7に記載の方法。
【請求項19】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックを提供する方法であって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記UV放射光に対して透過性である第1の層要素と、前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える第2の層要素とを含み、
(a)直接的に、又は第1の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第1の表面と前記第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと、
(b)直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第2の表面と前記第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと
のうちの1つ又は複数により、(i)前記第1のシリコーン層と、(ii)前記第1の層要素及び前記第2の層要素のうちの1つ又は複数とを結合させるステップと、
EDC-NHS補助反応を介して前記化学結合を生成するステップと、を有する、
層スタックを提供する方法。
【請求項20】
生物防汚システムにおける使用のための層スタックを提供する方法であって、前記層スタックが第1のシリコーン層を備え、前記第1のシリコーン層が、前記第1のシリコーン層の厚さを規定する第1の表面と第2の表面とを含み、前記第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、前記層スタックが、前記第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、前記UV放射光に対して透過性である第1の層要素と、前記第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、前記第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える第2の層要素とを含み、
(a)直接的に、又は第1の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第1の表面と前記第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと、
(b)直接的に、又は第2の中間層を介して、前記第1のシリコーン層の前記第2の表面と前記第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けるステップと
のうちの1つ又は複数により、(i)前記第1のシリコーン層と、(ii)前記第1の層要素及び前記第2の層要素のうちの1つ又は複数とを結合させるステップと、
官能基化アルミニウムコーティングを備えるポリマー層に、完全には硬化していないシリコーン層を接触させるステップ
ライマーにより補助された反応を介してAl-O-Si化学結合を生成するステップと、を有し、
前記プライマーが、(R1)(R2)(R3)Mからなる群から選択され、R1、R2及びR3の各々が、独立してアルコキシル基であり、Mが、Alを含む、
層スタックを提供する方法。
【請求項21】
前記プライマーが、Al[OCH(CH)C及びAl[OC(CHのうちの1つ又は複数を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
生物防汚システムとしてUV放射光を提供するためのUV光源と組み合わされる請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のスタック層の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン層を備える層スタック、及び、このような層スタックの使用に関する。本発明は、さらに物体の表面にこのような層スタックを含むこのような物体に関する。本発明は、さらに、このような層スタックを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物防汚方法が当技術分野において知られている。米国特許出願公開第2013/0048877号は、例えば、紫外光を生成するように構成された紫外光源と、被保護面の近くに位置する、及び、紫外光を受光するように結合された光学媒体とを備える、被保護面を生物防汚するためのシステムを説明しており、光学媒体が、被保護面に直交した厚さ方向をもち、厚さ方向に直交した光学媒体の直交した2つの方向が、被保護面と平行であり、紫外光が厚さ方向に直交した、直交した2つの方向のうちの少なくとも一方に光学媒体内を伝播するように、及び、光学媒体の表面に沿った点において、紫外光のそれぞれの部分が光学媒体から逃げるように、光学媒体が紫外光の伝播経路を提供するように構成されている。
【0003】
米国特許出願公開第2014/140091号は、導波路を使用した照明システムを説明している。導波路の縁部又は端部から受光された光は、透過及び全反射に応じて伝播させられる。光の伝播経路に沿って分布した光屈折要素が、光線の面外脱出伝播角度を連続的に変化させ、光入力縁部又は端部からの異なる距離における導波路のコアからの、伝播させられる光の部分の脱出をもたらす。光は小さい面外脱出角度において導波路から中間層内に逃げ、システムから外に光抽出機能部によりさらに方向転換させられる。一実施形態において、照明システムは、コリメートされた光を出射するように構成される。一実施形態において、照明システムは、浅い表面逃がし機能部を含む。一実施形態において、光屈折要素は、導波路のボリュームにわたって分布した前方散乱粒子を含む。追加的なコリメート及び非コリメート照明ユニット及び方法がさらに開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生物汚損又は生物的汚損(本明細書において「汚損」又は「生物汚損」としても示される)は、表面における微生物、植物、藻、及び/又は動物の蓄積である。汚損生物間の多様性は非常に多岐にわたり、フジツボ及び海藻の付着をはるかに超えて広がっている。いくつかの推定によると、4000の生物を含む1700を超える種が生物汚損の原因とされる。生物汚損は、生物膜の形成及び細菌付着を含むマイクロ汚損と、より大きい生物の付着であるマクロ汚損とに分けられる。生物が定着することを何が防ぐかを特定する確立した化学及び生物学に基づいて、これらの生物は、硬質汚損タイプ又は軟質汚損タイプとしてさらに分類される。石灰質(硬質)汚損生物として、フジツボ、表面を覆うコケムシ、軟体動物、多毛類の、及び他の棲管虫、及びカワホトトギスガイが挙げられる。非石灰質(軟質)汚損生物の例は、海藻、ヒドロ虫、藻及び生物膜「粘着物」である。これらの生物が一緒に汚損コミュニティを形成する。
【0005】
いくつかの状況において、生物汚損は重大な問題を生み出す。機械が動作を停止し、水口が詰まり、船の船殻がより大きい抗力の影響を受ける。したがって、防汚の話題、すなわち、汚損を除去する、又は汚損が形成されることを防ぐ工程がよく知られている。産業上の工程では、生物汚損を制御するために生物分散剤が使用され得る。あまり管理されていない環境では、殺生物剤を使用したコーティング、熱的処置、又は、エネルギーのパルスを使用して、生物が殺され、又は撃退される。生物が付着することを防ぐ非毒性の機械的技法として、滑りやすい表面をもつ材料又はコーティングを選択すること、又は、支えとなる点がわずかしかないサメ及びイルカの皮膚と同様のナノスケールの表面トポロジーの生成が挙げられる。船の船殻における生物汚損は、抗力の深刻な増加をもたらし、結果として燃料消費の増加をもたらす。最大40%の燃料消費量の増加が生物汚損に起因し得ると推定される。大きいオイルタンカー又はコンテナ輸送船は、1日あたり最大200.000ユーロの燃料を消費し得るので、生物防汚の効果的な方法を使用することにより大幅な節約が可能である。
【0006】
驚くことに、海水又は湖、川、運河などにおける水に接触する表面における生物汚損を大幅に防ぐために、UV放射光が効果的に使用されることが見受けられる。本明細書では特に、紫外光又は放射光(UV)を使用した、光学的方法に基づくアプローチが提示される。十分なUV光を使用することにより、ほとんどの微生物が殺されること、不活性にされること、又は、繁殖不能にされることが見受けられる。この効果は、主にUV光の総光量により支配される。特定の微生物の90%を殺す典型的な光量は、10mW/h/mである。
【0007】
特定の実施形態において、経時的な(UV放射光の)平均光量は、少なくとも10J/mの範囲から選択され、例えば、特に100~3000J/mの範囲から選択される。
【0008】
光出射面の面積に対して、少なくとも約0.5×10-9ワット/mm、例えば少なくとも約10-9ワット/mm、例えば少なくとも約1.5×10-9ワット/mm、例えば10-6ワット/mm以下、例えば0.5×10-7ワット/mm以下、例えば10-7ワット/mm以下の実質的に一定のUV放射光を使用することにより、特に良好な結果が達成される。
【0009】
しかし、UV放射光は、水に関連した(例えば海洋の)物体の防汚以外の用途にも使用され得る。UV放射光は、例えば物体をきれいにするために、又は、細菌から物体をきれいに維持するためにも使用される。
【0010】
「水に関連した」という用語及び同様の用語は、真水における用途及び海水における用途との両方(及び、もちろんさらに汽水における用途)を表す。
【0011】
過去に、防汚光を生成するための少なくとも1つの光源と、光学媒体を通して防汚光の少なくとも一部を配光するための光学媒体とを備え、光学媒体が、ライティングモジュールが被保護面内に、被保護面に、及び/又は被保護面付近に配置されたときに、被保護面から離れる方向に、配光された防汚光を出射するための出射面を備え、出射面が、実質的に平面の表面である、被保護面の防汚のためのライティングモジュールが提案されている。特に、光学媒体は、シリコーン材料、特に、メチルシリコーン、及び/又は、UVグレードシリカ材料からなる群から選択されたシリコーン材料を含む。光導波路に共通した問題は、いくつかの部分において過度に多くの光が逃げ、他の部分において過度に少ない光しか逃げないことであり、このことが、逃がされる光の最適ではない配光をもたらす。例えば、表面における位置に応じて、光が外に出る必要があり、又は、例えばLEDのより近くでは、光導波路として機能する(シリコーン)層内に光が維持される必要がある。後者は、いくつかの手法で行われ得る。例えば、LEDの近くにおける小さい反射体又はレンズを適用することによるコリメーションが使用される。しかし、これは追加的な光学要素を含み、追加的な光学要素はモジュールをより高価にし、製造工程をより複雑にする。さらに、モジュールの寸法も大幅に増加する。本明細書において、「シリコーン」及び「シロキサン」という用語は交換可能に使用される。本例において、「シロキサン」という用語は、特にポリシロキサン、すなわち室温において固体であり、Si-O-Si-基の骨格を含む材料を表す。
【0012】
さらに、光導波路は、化学薬品に接触した場合に劣化し、又は、比較的薄い(がUV透過性の)層として提供された場合、十分な強度をもたないことがある。
【0013】
したがって、好ましくはさらに上記の欠点の1つ又は複数を少なくとも部分的に解消する、代替的な層スタックを提供することが本発明の一態様である。さらに、このような層スタックを提供する方法を提供することが本発明の一態様である。
【0014】
本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服又は改善すること、又は、有用な代替例を提供することを目的とする。
【0015】
本明細書において、追加的な機能を提供する、及び、光学層が薄い、及び/又は、例えば高透過性シリコーンであることを可能にする1つ又は複数の層に、高透過性の光学層、特にシリコーン層が組み合わされるという解決策が提案される。高透過性シリコーンは、例えば、架橋を可能にするシロキサン骨格における低含有量の官能基、架橋を円滑化する低含有量の触媒分子、及び、任意選択的に、触媒を安定化させる、触媒のUV吸収を防ぐ(高含有量の)触媒保護分子により特徴付けられる。特にUV-Cに対する、さらには特に約270nmに対する透過率は、少なくとも約50%/10mm、特に少なくとも約70%/10mm、さらには特に少なくとも約80%/10mmである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、第1の態様において、本発明は、第1の層、特に、UV放射光に対して比較的高い透過率をもつ層、実施形態において、特に第1のシリコーン層を備える層スタックを提供し、(本明細書において、シリコーン層の特定の実施形態を表すことにより、又は、「光導波路」を表すことによってもさらに示される)第1の層が、(第1のシリコーン層の厚さ(d1)を規定する)第1の表面と第2の表面とを含み、第1のシリコーン層が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して特に透過性であり、層スタックが、(i)第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素であって、特定の実施形態において、第1の層要素が、直接的に、又は、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である第1の中間層を介して、第1の表面と化学結合により結び付けられ、第1の層要素が、第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備え、第1の層要素が、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である、第1の層要素と、(ii)第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素であって、特定の実施形態において、第2の層要素が、直接的に、又は、第2の中間層を介して、第2の表面と化学結合により結び付けられ、第2の層要素が、第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える、第2の層要素とのうちの1つ又は複数をさらに備える。
【0017】
さらなる一態様において、本発明は、表面、例えば外面を備える物体をさらに提供し、本明細書において規定される層スタックは、表面の少なくとも一部に付着させられる。
【0018】
さらに異なる別の一態様において、本発明は、例えば特に本明細書において規定される層スタックを提供する方法を提供し、本方法は、(i)直接的に、又は第1の中間層を介して(本明細書においてさらにシリコーン層の特定の実施形態を表すことによっても示される)第1の層の第1の表面と第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けることと、(ii)直接的に、又は第2の中間層を介して、シリコーン層の第2の表面と第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けることとのうちの1つ又は複数により、(i)第1の層、特に、UV放射光及び/又は可視光に対して、特にUV放射光に対して、比較的高い透過率をもつ層、実施形態において特に第1のシリコーン層と、(ii)第1の層要素と第2の層要素とのうちの1つ又は複数とを結合することを有する。
【0019】
このような層スタックを含むことにより、生物防汚システムとしてUV光源と組み合わせて使用され得る層を提供することが可能である。さらに、このような層スタックは、高いUV透過性及び比較的高効率の導出を伴う(本明細書において「光導波路」としても示される)導波路を含む。またさらに、このような層スタックは、UVを吸収し(及び、それにより層スタックの劣化につながり)得る分子又は他の化学種に対して比較的高い強度及び/又は不浸透性をもつ。さらに、このような層スタックは、接着特性をもつ。さらに、層スタック内の2つ以上の層が化学結合しているので、このような層スタックは比較的高い安定性をもつ。したがって、このような層スタックを含むことにより、分子が光導波路に入ることを実質的に阻止することが可能である。このような分子、例えば有機分子は、(経時的に)光導波路のUV透過性の低下につながる。さらに、このような光導波路要素を使用すると、導出側において光の一部が全反射に起因して反射されるので、光導波路にわたってUV放射光を(より良好に)広げることが可能であり、光導波路にわたるUV放射光のさらなる広がりにつながる。さらに、このような層スタックを含むことにより、光導波路の透過性を高めることが可能であり、このことが、実施形態において、機械的により弱いがUV透過性のより高いシリコーンを使用することを示唆する。層要素を含むことにより、機械的強度が結果的に保持され、又は、改善されさえする。さらに光導波路の厚さは薄くされる。さらに、このような層スタックを含むことにより、望ましくない側において逃げるUV放射光(例えば、第2の光導波路面において逃げるUV放射光)が、光導波路内に反射されて戻る。またさらに、このような層スタックを含むことにより、接着層を提供することが可能である。例えば、シリコーン光導波路は物体に接着するときに困難さをもたらす。しかし、光導波路と適切に結合する、及び接着特性をもつ追加層が提供された場合、この問題が解決される。1つ又は複数の層が、1つ又は複数の機能をもつことに留意されたい。例えば、接着層は、光導波路に(全)反射性をさらに提供する。
【0020】
したがって、一態様において本発明は、生物防汚システムを提供する。さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、生物防汚システムとして、UV光源と(機能的に)組み合わされた本明細書において規定されるスタック層の使用方法をさらに提供する。
【0021】
ここまでに示されるように、本発明は、層スタックを提供する。層スタックは、少なくとも2つの層を備える。さらに、特に層スタックの少なくとも2つの層が互いに化学結合している。したがって、層スタックは2つ以上の層の単なる積層体を備えるだけでなく、少なくとも2つの(近接した)層が互いに化学結合した積層体を備える。これは、層スタックの耐用期間中に機械的応力などにさらされる層スタックの安定性を追加する。
【0022】
層スタックは、第1の層を備える。この第1の層は、特に(「光導波路」としても示される)導波路を構成する。第1の層は、UV放射光を導波するために使用されてよい。第1の層は、光学媒体としても示され、特定の実施形態においてシリコーンを含んでよい。光学媒体は、表面に適用するために(シリコーン)ホイルとして提供されてよい。実施形態において、ホイルは2~3ミリメートルから数センチメートル、例えば0.05~5cm、例えば0.1~5cm、例えば0.2~2cm程度の大きさの厚さをもつ。実施形態において、何十又は何百平方メートル程度の大きさの寸法をもつ大幅に大きいホイルを提供するために、ホイルが厚さ方向に直交した任意の方向に実質的に限定されない。ホイルは、防汚タイルを提供するために、ホイルの厚さ方向に直交した、直交する2つの方向に実質的に寸法を限定されてよく、別の実施形態において、ホイルは、防汚ホイルの長尺ストリップを提供するために、ホイルの厚さ方向に直交した1方向のみに実質的に寸法を限定される。したがって、光学媒体は、タイル又はストリップとして提供されてよい。
【0023】
層は特に、UV放射光及び/又は可視光、特にUV放射光に対して比較的高い透過率をもつ。特に、光学層は、UV放射光に対して透過性である。したがって、特に光学層の材料は、UV放射光に対して透過性である。したがって、この材料は、本明細書においてUV放射光透過性光学層材料としても示される。例えば、光学層の層高さにより、光源からのUV放射光の導出(以下も参照されたい)が制御され得る。本明細書、「透過性」は、例えば、(光導波路から逃げる)光源のUV放射光の少なくとも5%、特に少なくとも10%、例えばさらには特に少なくとも20%、例えば少なくとも40%、例えば40~95%の範囲内、又は、さらにはより高い%が、光学層を通して透過させられることを示してよい。したがって、この透過は、例えば入射角に起因して光導波路内に維持されない放射光に適用されることに留意されたい。本例において、透過率の値は、特に、層厚に直交して伝播する放射光を表す。透過率又は光透過性は、材料に対して第1の強度をもつ特定の波長における光を提供することと、材料を通した透過後に測定されたその波長における光の強度を、材料に対してその特定の波長において提供される光の第1の強度に関連付けることとにより決定され得る(E-208 and E-406 of the CRC Handbook of Chemistry and Physics、69th edition、1088-1989をさらに参照されたい)。特定の実施形態において、UVにおける1つ又は複数の波長に対する透過率は、光導波路の長さにわたって少なくとも1%、例えば少なくとも2%、例えば少なくとも5%、例えば少なくとも10%である。
【0024】
特定の実施形態においてUV放射光を使用した垂直照射のもとでの、厚さ1mmの(シリコーン又は水などの)材料の層を通る、特にさらには厚さ5mmの材料の層を通る、UVにおける波長における、特に例えば280nmといった、本明細書において説明される放射源により生成された放射光の波長における、又は放射光の波長範囲におけるUV放射光、又は、UVB及び/又はUVC放射光の透過率が、少なくとも約50%、例えば特に少なくとも約60%、例えばより具体的には少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えばさらには少なくとも約90%である場合、材料がUV透過性とみなされる。したがって、実施形態においてUV放射光、特に280nmに対する透過率は、少なくとも80%/mm、さらには特に少なくとも80%/5mm、例えば少なくとも約50%/10mmである。「透過率」という用語は、特に内部透過率を表す。「内部透過率」という用語は、吸収によるエネルギー損を表すのに対し、「総透過率」又は「透過率」という用語は、吸収、散乱、反射などを考慮した透過率を表す。透過率は比較的大きいものであってよく、さらには、(上述の)UV放射光を使用した垂直照射のもとでの厚さ5mmの材料の層を通る総透過率は、少なくとも約80%、例えば少なくとも約85%、例えば少なくとも約90%であってよい。したがって、「UV-Cに対する、さらには特に約270nmに対する透過率が少なくとも約50%/10mmである」という表現及び同様の表現は、特に、内部透過率を表す。
【0025】
特定の実施形態において、内部透過率は少なくとも65%/cmである。
【0026】
ここまでに示されるように、第1の層は、特に第1のシリコーン層である。第1の層は、第1の表面と第2の表面とを含む。第1の表面及び第2の表面は、第1のシリコーン層の厚さ(d1)を規定し得る。この厚さは、一定であってよく、又は異なってよい。概して、厚さは光導波路にわたって実質的に一定である。特に、厚さは、0.5~50mm、例えば1~50mmの範囲から選択される。特定の実施形態において、厚さは、最大5mmであり、例えば0.5mm~2.5mm、例えば1mm~2mmの範囲内である。
【0027】
ここまでに示されるように、この第1の層、特に第1のシリコーン層は、特に200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である。さらなる実施形態において、第1のシリコーン層は、UV-A、UV-B、及びUV-Cの範囲のうちの1つ又は複数から選択される1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して特に透過性である。
【0028】
紫外線(UV)は、可視スペクトルの短波長側の端及びX線放射線帯域により囲まれた電磁波としての光の一部である。UV光のスペクトル範囲は、定義により約100nmから400nm(1nm=10-9m)の間であり、人の目で視認不能である。CIE分類を使用すると、UVスペクトルは、315nmから400nmまでのUVA(長波長)、280nmから315nmまでのUVB(中波長)、及び、100nmから280nmまでのUVC(短波長)の3つの帯域に再分割される。実際には、多くの光生物学者は、しばしば、320nmを上回る波長及び320nm未満の波長の重み付けされた影響として、UVへの曝露により結果的にもたらされる皮膚への影響を議論しており、したがって、代替的な定義を提案している。「可視の」、「可視光」、又は「可視光の出射」という用語は、約380~780nmの範囲の波長をもつ光を表す。
【0029】
短波長UVC帯域の光により強い殺菌効果が提供される。加えて、紅斑(皮膚の赤色化)及び結膜炎(目の粘膜の炎症)が、さらに、この形態の光によりもたらされ得る。このような理由から、殺菌UV光ランプが使用される場合、UVC漏れを排除することによりこれらの影響を避けるようにシステムを設計することが重要である。浸された光源の場合、水によるUV光の吸収は十分に強いものであるので、UVC漏れが液体表面より上方のヒトに問題がない。したがって、一実施形態において、UV放射光(防汚光)はUVC光を含む。さらに異なる別の実施形態において、UV放射光は、100~300nm、特に200~300nm、例えば230~300nmの波長範囲から選択される放射光を含む。したがって、UV放射光は、特にUVC及び最大約300nmの波長までの他のUV放射光から選択される。100~300nmの範囲内、例えば200~300nmの波長を使用することで良好な結果が得られる。
【0030】
ここまでに示されるように、第1の層自体は、十分に強くないものであり、又は、物体の表面に簡単に付着させられないものであり、又は、望ましくない種の進入を受けやすいものである。したがって、1つ又は複数のさらなる層が、この第1の層と組み合わされてよい。これは、第1の層にさらなる層を提供することを含意するが、代替的に、又は追加的に、これは、別の層に第1の層を提供することをさらに含意する。別段の指示がない限り、両方の実施形態が、本明細書に含まれる(層スタックを提供する方法を説明する場合は、さらに以下も参照されたい)。したがって、層スタックは、第1の層と、さらに、さらなる層とを少なくとも備える。特定の実施形態において、第1の層の片側又は両側に1つ又は複数の層が提供されてよい。
【0031】
したがって、特に、層スタックは、第1の表面の第1の側に構成された第1の層要素と、第2の表面の第2の側に構成された第2の層要素とのうちの1つ又は複数をさらに備える。第1の層要素及び第2の層要素は、したがって、実施形態において独立して選択されてよい。したがって、これらのうちの1つ又は両方が存在してよい。各層要素は、少なくとも1つの層を含む。本明細書において、層という用語は、特に、別段の記載がない限り統合された層を表す。
【0032】
特に、強いスタックを獲得する観点から、2つ以上の層が化学結合する。代替的に、又は追加的に、化学結合した層は、純粋な第1の層、例えばシリコーン層が適用される場合に利用可能でない性質をスタックに提供する(上記の内容も参照されたい)。
【0033】
したがって、特定の実施形態において、第1の層要素は、直接的に、又は、第1の中間層を介して、第1の表面と化学結合により結び付けられる。代替的に、又は追加的に、特定の実施形態において、第2の層要素は、直接的に、又は、第2の中間層を介して、第2の表面と化学結合により結び付けられる。第1の中間層は、第1の層要素の一部とみなされる。同様に、第2の中間層は、第2の層要素の一部とみなされる。
【0034】
直接的な結合は、付着を提供する化学結合を使用して第1の層又は第2の層及び別の層が積層体を形成することを意味する。1つ又は複数の中間層が存在することも可能である。したがって、他の実施形態において、第1の層要素及び/又は第2の層要素の結合は、本明細書においてそれぞれ第1の中間層及び第2の中間層として示される中間層を介する。「第1の層」、「第2の層」、「中間層」といった用語は、各々が別々に複数の(異なる)層を表してもよいことに留意されたい。「層」という用語は、結果的に多層体を形成する実質的に同一の層の多層体を表してもよい。
【0035】
「第1の」及び「第2の」という用語は、実質的に層を区別するために使用されるにすぎない。第1の層要素は、第1の表面に関連する。この第1の層要素は、特に200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して特に透過性である。したがって、第1の中間層が適用される場合、さらにこのような中間層は、特に200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である。実施形態に応じて、さらに第2の中間層が、特に200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性であり、以下も参照されたい。
【0036】
第1の層要素は、第1のシリコーン層と組成において異なる第1の層を少なくとも備える。同様に、第2の層要素は、第1のシリコーン層と組成において異なる第2の層を少なくとも備える。
【0037】
一方の第1の層要素及び/又は第2の層要素の層と、他方の第1の層との間の組成の違いは、例えば、第1の層要素及び/又は第2の層要素のために第1のシリコーン層及び1つ又は複数のフッ素重合体層といった大幅に異なる種類の材料を使用することに基づく。しかし、これは、シリコーンの第1の層と異なる組成物を含む、第1の層要素及び/又は第2の層要素のための1つ又は複数のシリコーン層をさらに使用することにも基づく。この違いは、シロキサン骨格における側基(及び/又は末端基)(例えばメチル、ビニル)、添加物の種類及び濃度、例えば触媒の種類及び濃度、触媒安定化分子、シロキサン鎖の平均長、又は架橋密度などのうちの1つ又は複数にある。第1のシリコーン層は、比較的薄く透過性であるが、比較的弱く、及び/又はUV吸収種の進入を受けやすくもある。第1の層要素と第2の層要素とのうちの1つ又は複数における任意選択的なシリコーン層は、特に、層スタックの性質を改善する機能をもつ。実施形態において、第1の層要素は、(a)UV放射光に対して部分的に反射性であること、(b)層スタックを補強すること、及び(c)第1のシリコーン層に対して保護作用のあることからなる群から選択された1つ又は複数の機能をもつ。このような1つ又は複数の機能は、1つ又は複数の層により提供されてよい。光導波路は比較的薄いものであり、比較的弱いものでもあるので、(第1の光導波路面の側に、及び/又は、第2の光導波路面の側に)補強層を提供することが望ましい場合がある。したがって、実施形態において第1の層要素は、(i)より大きい圧縮強度、(ii)より大きい接線係数(ヤング率)、及び(iii)光導波路より大きい靭性のうちの1つ又は複数をもつ。例えば、これは、少なくとも5%、例えば少なくとも10%、例えば少なくとも20%大きいものであり得る。この手法により、光導波路要素がより高い強度をもつ。
【0038】
特定の実施形態において、第1の層要素は、(i)アルミニウム層、シリコーン層、及びフッ素重合体を含むポリマー層のうちの1つ又は複数を備え、より具体的には、第1の層要素は、(i)アルミニウム層、及びフッ素重合体を含むポリマー層のうちの1つ又は複数を備える。アルミニウム層は、第1の層要素の透過率の観点から比較的薄い。したがって、実施形態において、第1の層要素は、依然としてUV放射光に対して(ある程度)透過性である、5~40nmの範囲から選択された、特に5~20nmの範囲内の厚さをもつアルミニウム層を備える。代替的に、又は追加的に、アルミニウム層は、連続した層ではなく、複数の、任意選択的に規則正しくパターン形成された、アルミニウム島状体である。この手法により、アルミニウム島状体は同じ範囲内の、又は、より大きい厚さをもつので、アルミニウム島状体間においてUV透過が起こる。島状体の配光は、規則的であり、若しくは不規則的であり、又は、それらの組合せ(例えば準規則的)であってよい。アルミニウム島状体が適用されるとき、これらの島状体は、より厚いもの、例えば40~100nm、例えば50~90nmの範囲内である。約100nm未満において、Alは、UV放射光に対して透過性になり始める。例えば、LEDの真上に約50~90nmのAlの島状体を使用することは、依然として防汚効果が得られるレベルに透過率を制限するが、反射光はLEDからさらに伝播し得る。したがって、(水に対する)前層の場合、特にLED位置に並べられた(例えばFEP又は他のフルオロポリマー上の)(部分的に透過性の)Alの島状体が有益である。(例えば例として船舶を向いた)後層において、アルミニウム層は、できる限り反射性であり、したがって、特に少なくとも100nmの厚さであることを必要とする。したがって、島状体が適用される場合、最大透過率又は最大反射率を得るために島状体と光源とが並べられてよい。
【0039】
アルミニウム層が連続した層であろうが島状体の分布を伴う層であろうが、アルミニウム層は、層、特にポリマー層に、例えば(プラズマエンハンスト)化学蒸着又は物理蒸着を介して堆積するようにされる。このような層は、シリコーン層であってよいが、また(有機)ポリマー層であってもよい。特に、ポリマー材料は、フッ素化エチレン、フッ素化プロピレン、フッ素化エチレンプロピレン、及びフッ素化プロピレンアセテートのうちの1つ又は複数を含む。このようなポリマー材料は、比較的強く、安定しており、及びUV放射光透過性である。アルミニウム層の一方側は、第1の(シリコーン層)に向けられる。アルミニウム層の別の側は、別の層、例えばシリコーン層又はポリマー層、特にポリマー層、例えばさらには特にフッ素重合体に接触する。
【0040】
この手法により、実施形態において、第1の層、特にシリコーン層、アルミニウム層、及びさらなる層、特にフッ素重合体を備えるスタックが提供される。第1の層要素は、したがって、実施形態において、アルミニウム層、及びさらなる層、特にフッ素重合体を備える。上述のように、第1の層要素は、UV放射光に対して、例えば200~380nmの波長範囲から選択される1つ又は複数の波長に対して特に透過性である。
【0041】
特に、第1の層は、(したがって、実質的にシリコーン、例えばLumisil L400などからなる)光導波路より大きい機械的強度をもつシリコーン層を(さらに)備えてよい。例えば、光導波路と第1の層との両方がシリコーンを含む。しかし、光導波路のUV透過率がより高いものであるのに対し、シリコーン層のUV透過率は、(光導波路に比べて)より小さいものであってよい。
【0042】
第1の層要素は、UV放射光の少なくとも一部を少なくとも透過する。しかし、第1の層要素は、さらにUV放射光の一部を反射する。特に、これは、光導波路の材料の屈折率より低い(UVにおける)屈折率をもつUV放射光透過層を使用して達成される(さらに以下を参照されたい)。
【0043】
代替的に、又は追加的に、第1の層要素は、光導波路内への分子の侵入を阻止する1つ又は複数の層を備える。光導波路内に外側からの分子の(小さい)拡散が存在するので、これは、概して、このような分子、例えば(UV吸収)有機分子などの分子が、製品の劣化をもたらし、及び/又は、光導波路材料の構造物を弱める理由から、UV透過性の低下をもたらす。したがって、実施形態において、第1の層要素は、光導波路内への有機分子の進入を妨げるように構成される。したがって、第1の層要素は、保護機能をもつ。
【0044】
代替的に、又は追加的に、第1の層要素は、無機分子の進入を妨げるように構成される。またさらに、代替的に、又は追加的に、第1の層要素は、イオンの進入を妨げるように構成される。実施形態において、「イオン」という用語は、帯電した有機分子(例示として帯電した有機分子は、例えば酢酸塩である)又は無機分子(例示として帯電した無機分子はケイ酸塩)を表してもよい。
【0045】
特に、阻止される種はUV-C光を吸収する種、例えばUV光吸収(有機)分子である。特に、阻止される有機分子は典型的には、限定するわけではないが、エステル、カルボニル、ビニル、アルキン、ウレタンなどであるか否かにかかわらず、少なくとも1つの二重結合を含む。これらの分子は、海中の生物により生成され得るものと、外的な影響(油の流出及び他の産業活動)に起因して海中に存在するものとの両方がある。
【0046】
代替的に、又は追加的に、第1の層要素は、例えばゾルゲル光学層が適用される場合、光導波路内への、及び/又は第1の光導波路要素の層内への水の進入を防ぐために適用される(以下も参照されたい)。
【0047】
上述のように、実施形態において、スタックは、第1の層要素若しくは第2の層要素、又は、第1の層要素と第2の層要素との両方を備える。したがって、実施形態において、層スタックは、第2の層要素を少なくとも備える。実施形態において、第2の層要素は、(a)UV放射光に対して反射性であること、(b)物体に層スタックを接着させるための接着性をもつこと、(c)層スタックを補強すること、及び、(d)第1のシリコーン層に対して保護作用のあることからなる群から選択された1つ又は複数の機能をもつ。第1の層要素は、層の(サブ)スタックを備え、及び/又は、第2の層要素は、層の(サブ)スタックを備える。第1の層要素が層のスタックを備える場合、このスタックは層スタックの一部であるので、このスタックはサブスタックとして示され得る。同様に、第2の層要素が層のスタックを備える場合、このスタックは層スタックの一部であるので、このスタックはサブスタックとして示され得る。
【0048】
反射性を獲得するために、異なる機構が選択されてよい。UV放射光に対する反射性は、例えばアルミニウムコーティングに基づく反射層により提供されてよい。他の反射性又は散乱材料が、適用されてもよい。
【0049】
代替的に、又は追加的に、UV放射光に対する反射性は、光導波路に全反射をさせる層により提供される。例えば、光導波路面においてより低い屈折率をもつ層は、光導波路内における全反射に起因して、光導波路内に光の一部を強制的に戻す。したがって、全反射を使用した場合、光導波路面における層の屈折率は、光導波路材料の屈折率より大幅に低い。例えば、第2の層要素に含まれる(光学)層、特に第2の光導波路面と物理的に接触している層の材料の屈折率は、光導波路(材料)の屈折率より少なくとも0.02、例えば少なくとも0.04低い。
【0050】
したがって、実施形態において、第2の層要素は、(i)アルミニウム層、(ii)粒子状反射材料を備えるシリコーン層、及び(iii)粒子状反射材料を備えるポリマー層のうちの1つ又は複数を備える。このようなポリマー又はシリコーン層は、特にさらに実質的に非吸収性であるが、散乱材料、例えば例として、BN、Al、BaSO、MgO、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの粒子を備える。重量平均化された粒子寸法は、例えば5~400nmの範囲内、より具体的には50~200nmの範囲内である。さらに、実施形態において、散乱材料は、0.001~1vol%の範囲内の量、例えば0.001~0.1vol%の範囲内の量で利用可能である。このようなシリコーン層は、概して、第1のシリコーン層以外の別の組成をさらに含む。上述のように、この違いは、側基(例えばメチル)、添加物などのうちの1つ又は複数における違いである。したがって、特定の実施形態において、第2の層要素は、中に埋設された粒子状反射材料を含むシロキサン及びポリマー材料のうちの1つ又は複数を含む層を備える。特に、層は、シロキサン及びフッ素重合体のうちの1つ又は複数を含む。実施形態において、粒子状材料は窒化ホウ素を含む。したがって、特定の実施形態において、第2の層要素における層は、中に粒子状材料、特に窒化ホウ素(BN)を含むシリコーンを含む。粒子状材料は、UV放射光を散乱させるように構成される。シロキサンは、フッ素重合体より簡単に官能基化され、特定の実施形態において、シリコーンが適用される。代替的に、又は追加的に、第2の層要素は、(iv)第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率をもつポリマー層を備える。特に、(第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率をもつ)このようなポリマー層は、(例えば本明細書の別の場所において説明される)フッ素重合体を含む。別の場所でも示されるように、屈折率は、第1のシリコーン層の屈折率より少なくとも0.02、例えば少なくとも0.04低いものである。
【0051】
実施形態において、ポリマー材料は、フッ素化エチレン、フッ素化プロピレン、フッ素化エチレンプロピレン、及びフッ素化プロピレンアセテートのうちの1つ又は複数を含む。このような物質は、実施形態において、屈折率がシリコーンの屈折率より低いものであるので、粒子状材料を含まずに使用される。したがって、フッ素重合体を含む層は、反射層としても使用される(上記の内容も参照されたい)。このような層は、第1のシリコーン層内における内部反射を促進する。
【0052】
上述のように、さらに、アルミニウム層が、反射層として使用されてよい。第2の層要素はその全体にわたって透過性であるとは限らないので、この第2の層要素は物体の表面に付着するために使用されるので、この層は、アルミニウム層が第1の層要素に適用される場合より大幅に厚いものであってよい。したがって、アルミニウム層は、スタックの(さらなる)補強のためにも使用されてよい。実施形態において、第2の層要素は、少なくとも50nm、例えば少なくとも90nm、例えば少なくとも100nm、例えば少なくとも120nm、例えば少なくとも200nmの範囲から選択された厚さをもつアルミニウム層を備える。薄すぎる場合、層が部分的に透過性となり、厚さが≧50nm、例えば≧90nm、さらには特に少なくとも100nmである場合、層は、主に、又は実質的に反射性のみとなる。アルミニウム層の一方側が第1の(シリコーン層)に向けられ、アルミニウム層の別の側が、必ずしも特定のUV透過性又は反射性をもたない別の層、例えばシリコーン層又はポリマー層、特にポリマー層、例えば例としてフッ素重合体に接触してよいが、他のポリマーも使用されてよい。しかし、実施形態においてフッ素重合体が特に有用であり、アルミニウム層がパターン形成される。
【0053】
さらに、第2の層要素は、特に、光導波路要素のための接着性を提供するために使用されてよい。例えばシリコーン光導波路は、船舶の船殻などの物体に簡単に接着しないものであるので、接着層が提供されてよい。したがって、特定の実施形態において第2の層要素は、(a)UV放射光に対して反射性、及び(b)物体に光導波路を接着させるための接着剤からなる群から選択された1つ又は複数の機能をもつ1つ又は複数の第2の層要素の層を備える。実施形態において、第2の層要素は、第2の光導波路面に接触するように構成された第1の反射層、及び第2の層要素の外層として構成された第1の接着層を備える。
【0054】
さらに、1つの層が1つより多い機能を提供してよい。これは、第1の層要素と第2の層要素との両方に対して適用されてよい。
【0055】
例えば、特定の実施形態において、本発明は、接着層、特に、UV放射光に対して原理的に透過性の材料を含むが、光導波路材料より小さい、特に、光導波路(材料)の屈折率より少なくとも0.02、例えば少なくとも0.04低い屈折率をもつ、第2の光導波路面と物理的に接触している層をさらに提供する。
【0056】
したがって、特定の実施形態において、光導波路要素は、第1の層要素と第2の層要素との両方を備え、両方の層要素が光導波路より低い屈折率をもつ層を備える。
【0057】
上述のように、UV放射光などの関心のある放射光に対して特に透過性であるが第1の(シリコーン)層より低い屈折率をもつ層が使用されてよい。このような層は、第1の層要素に使用されてよい。代替的に、又は追加的に、このような層は、第2の層要素に使用されてよい。したがって、以下で、第1の(シリコーン層)及び近接した放射光透過層のこのような組合せに関連したいくつかのさらなる態様が説明される。
【0058】
上述のように、第1の層は、光導波路層又は導波路層又は導波路などとしても示される。光導波路は、特に板様形状を含んでよい。板様形状は、実施形態において、例えばシリコーンを使用した場合に当てはまるように、1方向又は2方向に湾曲したものであってよく、又は、1方向又は2方向に湾曲可能であってよい。特に、光導波路は、長さ又は幅より大幅に小さい、例えば少なくとも5小さい、さらには特に少なくとも10分の1の小ささの高さをもつ。(光導波路の高さを規定する2つの面の)面のうちの少なくとも1つ、又は、(本明細書において「第1の表面」としても示される)このような第1の光導波路面の少なくとも一部が、光導出面として使用されてよい。この面は、本明細書において第1の光導波路面としても示される。UV放射光は、この面から逃げる。ある程度の逃げは放射光の生物防汚機能の観点から望ましいが、過度な放射光が第1の光導波路面の不適切な部分において逃げてよく、又は逃げる。
【0059】
この目的を達成するために、本発明は、実施形態において、第1の光導波路面の少なくとも一部に接触した光学層を提供する。この光学層は、特に、光導波路と組み合わされて使用される光源により使用されるUV放射光に対して水より低い屈折率をもつ(さらに以下を参照されたい)。光学層は、光導波路の少なくとも一部と光学的に、及び/又は物理的に接触する。特に、光学層は第1の光導波路面の少なくとも一部と物理的に接触している。
【0060】
実施形態において、光学層の屈折率は、海水の屈折率より少なくとも2%小さい、例えば少なくとも5%小さい。実施形態において光学層は、280nmにおいて1.36未満の第1の屈折率(n1)をもつ。280nmにおける、海水を含む水の屈折率は1.36以上である。したがって、光学層の屈折率は、例えば少なくとも上述の5%だけ、この値より小さくなければならない。したがって、他の特定の実施形態において、第1の屈折率(n1)は280nmにおいて1.35以下、例えば280nmにおいて1.34以下、例えば280nmにおいて1.30以下、例えば特に280nmにおいて1.25以下、例えば280nmにおいて約1.22以下である。特に、光学層の第1の屈折率は、(280nmにおいて)少なくとも約1、例えば(280nmにおいて)少なくとも約1.10、例えば(280nmにおいて)少なくとも約1.15である。特定の実施形態において、光学層の屈折率は、光学層の屈折率光導波路(材料)の屈折率より少なくとも0.02、例えば少なくとも0.04低い。
【0061】
このような光学層は、フッ素重合体を含み、又は、実質的にフッ素重合体からなる。
【0062】
280nmにおける屈折率の規定に対する選択は、生物防汚光を提供するために使用される光源が、280nmにおける放射光を必ずしも提供することを意味せず、280nmに主波長をもつような放射光を提供することを意味しない。この波長は、規定のために選択されるにすぎない。例えば、200nm又は300nmが使用される場合、光学層のそれらの波長における屈折率は、それぞれ、特に1.39又は1.35未満である。
【0063】
本明細書において使用される屈折率は、特に大気圧及び25℃において測定される。水基準値に対して、それはGeorge M.Haleら、Applied Optics、1973、Vol.12、No.3、555~563頁に記載されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
特に、光学層は、25℃(及び大気圧)における水の屈折率より低い、特に少なくとも2%低い、例えば少なくとも5%低い、例えば25℃(及び大気圧)における水の屈折率の約80~98%の範囲内、例えば約85~95%の範囲内の第1の屈折率(n1)をもつ。本明細書において示される1つ又は複数の水の屈折率は、特に脱塩水に関連する。もちろん、これは本発明が脱塩水において適用されることが決して当てはまらない。光学層の屈折率が脱塩水に関連して規定されるにすぎず、例えば光学層の屈折率は、(25℃における、及び、大気圧における)(脱塩)水の屈折率より少なくとも2%低い。光学層の、及び水の屈折率は(したがって)、特に実質的に同一の条件(例えば25℃及び大気圧)のもとで評価される。水に対して、基準値は、例えばHaleら(上記のものを参照されたい)により規定されているように使用される。
【0065】
光学層の屈折率に対する上述の値は、光学層材料がこのような屈折率をもつことを含意する。しかし、後述のように光学層に孔を導入した場合、光学層材料は、また、(わずかに)高い屈折率をもつ。光学層自体は水より低い屈折率、及び/又は、280nmにおいて1.36より低い屈折率をもつ。
【0066】
UV放射光透過性光学層材料の化学的組成、及び/又は、光学層の形態は、光導波路材料の化学的組成、及び/又は、光導波路の形態と特に異なる。したがって、特に、光導波路と光学層との間に(明確な)界面が存在する。
【0067】
光学層は、特に、光が光導波路内に維持される入射角を広げるために使用されてよい。例えば、光学層を含まずにシリコーンから作られた光導波路は、水中に沈められたときに、(水とシリコーンとの間の屈折率の差は非常に小さいので)大幅に非常に浅い角度においてのみではあるが、ある程度のTIRを示すことに留意されたい。水より低い屈折率をもつシリコーン(又は他の物質)の上の光学層を追加することは、TIRにより実際に反射する「角度範囲」を広げる。したがって、より多くの光が光導波路の内側に留まる。
【0068】
光学層は、第1の光導波路面全体にわたって構成されてよいが、他の実施形態において、第1の光導波路面の一部のみにおいて利用可能であってよい。さらに、光学層は、第1の光導波路面の異なる部分において異なる厚さをもつように提供されてよい。この手法により、層を提供することにより、(より多くの)UV放射光が光導波路内に反射により戻されなければならない位置が確立され得、層を提供しないことにより、(より少ない)UV放射光が光導波路内に反射により戻されなければならない位置が確立され得る。この手法により、またさらには他の手法により、パターン形成された層は、特に、第1の光導波路面から逃げる光源光の一様な配光を促進するために提供される。したがって、実施形態において、光学層は、第1の層厚(h1)をもつ光学層材料を含む1つ又は複数の第1の領域、及び、0≦h2<h1の範囲内の第2の層厚(h2)をもつ光学層材料を含む1つ又は複数の第2の領域を含むようにパターン形成された光学層である。h2=0の場合、光学層が存在しない。第1の層の厚さは、特に少なくとも100nm、さらには特に少なくとも200nm、またさらには特に少なくとも300nm、例えば少なくとも400nm、例えば400nm~20μm、例えば1~15μm、例えば2~10μmの範囲内である。しかし、より厚い層、例えばさらには最大約2mm、例えば最大約1mm(及び、特に少なくとも200nm、例えば少なくとも300nm)も可能である。このような厚さをもつことにより、特に、本明細書において言及されている材料のうちの1つ又は複数が使用される場合、UV放射光が光学層を通して透過させられる。したがって、本明細書において示される透過が確立されるように、光学層が選択される。これは当業者に知られている。
【0069】
上述のように、光学層材料は、特に、低い、例えば水より低い屈折率をもつ。
【0070】
光学層は、孔を含んでよい。「孔」という用語は、「空洞」も表す。このような孔は、ガス、例えば希ガス、CO、又は空気を含有する。このような多孔質構造物により、光学層の屈折率は、比較的低いものであってもよい。
【0071】
特に、孔はガスを囲む孔である。例えば、光学層の製造中にガスが層内に捕捉されることにより、ある種類の多孔質構造をもつ光学層を提供するが、このような孔は、外部からアクセス可能ではないものであってよい。
【0072】
代替的に、又は追加的に、実施形態において、孔は、外部からアクセス可能であるが、このアクセスは、例えば耐水層又は水不浸透層といった層により実質的に阻止されている。
【0073】
代替的に、又は追加的に、孔はガスにより外部からアクセス可能であるが、孔は、任意選択的に、孔内の(又は、多孔質部材の)撥水材料と組み合わされて、水が孔に実質的にアクセスしない寸法をもつ。
【0074】
実施形態において、光学層は、5~70%、例えば10~50%の範囲内の有孔率をもつ多孔質光学層である。有孔率は、例えば、層のボリューム、光学層材料に対して知られたボリュメトリック質量密度、及び、層の重量を使用することにより決定される。占有されたボリュームが、重量に基づいた、及び、無孔性であると仮定した理論的なボリュームより大きいので、それに基づいて有孔率が決定され得る。特定の実施形態において、孔の寸法は、約300nm未満、例えば約200nm未満である。特定の実施形態において、寸法は、光導波路要素と組み合わされて使用される光源の放射光の主波長より小さいものである。
【0075】
実施形態において、光学層材料は、ゾルゲル材料を含む。ゾルゲル層又は多孔質層を作るための方法は、当技術分野において知られており、例えばWO2012/125271、米国特許出願公開第2011/0111203号、米国特許第4,271,210号、Guangming Wuら、Materials Science Engineering B78、135-139において説明されており、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
したがって、実施形態において低屈折率材料は、微小孔材料である。本材料は、実施形態において、例えばMTMS/TEOS(メチルトリメトキシシラン/テトラエトキシシラン)からゾルゲルルートを通して生成され、微孔性は、石鹸(例えばポリエチレンオキシド)を使用することにより達成されてよい。ゾルゲルにおける微孔は、UV光の波長より小さい寸法をもち、散乱に起因した高い損失を防ぐ。低屈折率材料は、薄層として適用され得る。このような低屈折率層は、全反射の角度を広げ、それによりアウトカップリングを減らす。光学層は、実施形態において、アルミン酸塩及びケイ酸塩のうちの1つ又は複数を備える。
【0077】
「光学層」という用語は、スタックとして構成された、及び、(本明細書において「第1の光学層スタック」又は「第1の層スタック」又は「スタック」又は「第1のスタック」としても示される)光学層スタックを提供する複数の(異なる)光学層も表す。このような光学層スタックは、本明細書において単に「光学層」として示される。したがって、実施形態において、第1の層要素は、スタックである1つの層又は複数の層を含んでよい。
【0078】
上述のように、第1の層要素は、第1のシリコーン層との化学結合を含み、及び/又は、第2の層は、第1のシリコーン層との化学結合を含む。
【0079】
特に、化学結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、及び、Si-O-Al結合のうちの1つ又は複数を含む。この目的を達成するために、第1のシリコーン層、ポリマー層、アルミニウム層、又は中間層は、異なる材料が互いに接触させられた場合に材料間に化学結合を提供する官能基を含んでよい。これは、以下でさらに説明される。任意選択的に、例えばポリマー層又はアルミニウム層の間に、中間層が存在する。これは、フッ素重合体であってよいが、特にシリコーンであってよい(上記の内容も参照されたい)。したがって、実施形態において、第1の中間層及び第2の中間層のうちの1つ又は複数が第1のシリコーン層と異なる組成をもつ(第2の)シリコーン層を備える。
【0080】
層スタックの実施形態において、第1の層要素は、フッ素重合体、例えばFEPを含むポリマー層を含み、第2の層要素は、アルミニウム層及びポリマー層のうちの1つ又は複数を備える。実施形態において、第2の層要素は、アルミニウム層又はフッ素重合体層又はポリイミド層を含む。特に、この層は、化学結合により第1のシリコーン層に結び付けられる。
【0081】
したがって、実施形態において、第2の層要素は、アルミニウム層を備える。特に、このような実施形態において、第2の層要素は、ポリマー層、例えばフッ素重合体又はポリイミドをさらに含む。
【0082】
代替的に、実施形態において、第2の層要素は、ポリマー層、例えばフッ素重合体層(のみ)を備える。特に、このような層は、第1のシリコーン層より低い屈折率をもち、水の侵入及び浸透を制限し、任意選択的に接着性である。
【0083】
代替的に、実施形態において、第2の層要素は、ポリイミド層(のみ)を備える。特に、このような層は、第1のシリコーン層より低い屈折率をもち、水の侵入及び浸透を制限し、任意選択的に接着性である。
【0084】
実施形態において、第2の層要素は、アルミニウム層及びポリマー層を備え、アルミニウム層は、ポリマー層より第1のシリコーン層に近くなるように構成されている。特定の実施形態において、アルミニウム層は、第1のシリコーン層に結び付けられる。ポリマー層は、保護フィルムとして使用される。ポリマー層は実施形態において、フッ素重合体、例えばFEP、及びポリイミドのうちの1つ又は複数を含む。
【0085】
実施形態において、第2の層要素は、(i)フッ素重合体を含むポリマー層、(ii)アルミニウム層、及び(iii)ポリマー層(例えばフッ素重合体、例えばFEP、及びポリイミドのうちの1つ又は複数)のスタックを備える。
【0086】
実施形態において、特に第2の層要素のための本明細書において説明されるポリイミドは、ポリ(4,4’-オキシジフェニレン-ピロメリットイミド)を含む。
【0087】
第2の層要素の実施形態において利用可能なアルミニウム層は、パターン形成されてよい。
【0088】
上述の層に加えて、実施形態において、第2の層要素は、防食塗装をさらに含む。層スタック内の層から、この層は、第1のシリコーン層の最も遠くに構成される。
【0089】
使用中における、第1のシリコーン層から最も遠くにある第2の層スタックの層は、物体、例えば船殻、例えば鋼の船殻と物理的に接触する。物体は、防食塗装を含む表面を含む。このような実施形態において、(結果的に防食塗装を備えないものである)第2の層スタックは、防食塗装と物理的に接触する。
【0090】
第1の層要素は、フッ素重合体(のみ)、例えばFEPを含んでよい。
【0091】
第1の層要素は、(i)(TIRを生成するために)第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率をもつこと、(ii)UVCに対して透過性であること、(iii)UVに耐性のあること、(iv)化学成分の侵入を制限すること、(v)シリコーンより強いことの群から選択された1つ又は複数の性質をもつ。
【0092】
第1のシリコーン層は、特に(i)UVCに対して高透過性(バルクにおいて65%~90%/cm)をもち、及び/又は、(ii)UVに耐性がある。「バルクにおける65%/cmのUVC透過率」という表現、及び同様の表現は、特に内部透過率を表す。
【0093】
実施形態において、第1のシリコーン層に直接隣り合った第2の層要素の第1の層は、(i)(TIRを生成するための)第1のシリコーン層の屈折率より低い屈折率、(ii)UVCに対する透過性、及び(iii)UVに対する耐性の群から選択された1つ又は複数の性質をもつ。第2の層要素のこのような第1の層は、フッ素重合体、例えばFEPである。このような第1の層に直接隣り合った(したがって、第2の層要素の第1の層より第1のシリコーン層から遠くに構成された)第2の層要素の第2の層は、(i)化学成分の侵入及び浸透を制限すること、及び(ii)UVC反射率≧50%であることの群から選択された1つ又は複数の性質をもつ。第2の層要素のこのような第2の層は、任意選択的にパターン形成されるアルミニウム層である。このような第2の層に直接隣り合った(したがって、第2の層より第1のシリコーン層から遠くに構成された)第2の層要素の第3の層は、(i)(例えばアルミニウム層を保護するために)水の侵入及び浸透を制限すること、及び(ii)接着剤であることの群から選択された1つ又は複数の性質をもつ。このような第3の層は、フッ素重合体及びポリイミドのうちの1つ又は複数を含む。
【0094】
実施形態において、第1のシリコーン層に直接隣り合った第2の層要素の第1の層は、UVC反射率>50%である。第2の層要素のこのような第1の層は、任意選択的にパターン形成されるアルミニウム層である。このような第1の層に直接隣り合った(したがって、第2の層要素の第1の層より第1のシリコーン層から遠くに構成された)第2の層要素の第2の層は、(i)化学成分の侵入及び浸透を制限すること、及び(ii)接着性であることの群から選択された1つ又は複数の性質をもつ。第2の層要素のこのような第2の層は、フッ素重合体及びポリイミドのうちの1つ又は複数を含む。
【0095】
層スタックは、特に大きい、例えば10より大きい、さらには特に少なくとも100のアスペクト比をもち、すなわち長さ及び/又は幅(特に両方)が厚さの少なくとも10倍の大きさである。
【0096】
層スタックは、特に生物防汚目的に使用されてよい。したがって、特定の実施形態において層スタックは、第1のシリコーン層に埋設された1つ又は複数の、特に複数のソリッドステート光源をさらに備える。
【0097】
上述のように、光導波路は光源と組み合わされて、特に汚損する表面、例えば船殻に生物防汚光を提供するために使用されてよい。さらには特に、以下でさらに詳細に説明されるように、光導波路要素は、船舶などの物体における表皮として使用されてよい。光導波路要素がこのような物体における表皮として使用される場合、船殻などの物体の外面(「汚損面」)が生物汚損を受けるのに対し、汚損面は光導波路要素により提供される(追加的な層を含む)第1の光導波路面に置き換えられる。したがって、物体の少なくとも一部に対して、光導波路要素はその外面になってよい(したがって、汚損を受ける可能性がある)。
【0098】
したがって、さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、本明細書において説明されている光導波路要素、及び光源を備える生物防汚システム(「システム」)をさらに提供し、光源は、光導波路内にUV放射光を提供するように構成され、生物防汚システムは、第1の光導波路面より下流に(及び任意選択的に光学層より下流に)UV放射光の少なくとも一部を提供するように構成される。したがって、UV放射光は、第1の光導波路面の少なくとも一部を通して光導波路からカップルアウトされ、したがって、第1の光導波路面より下流に(及び任意選択的に光学層より下流に)提供される。特に、本発明は、本明細書において説明されている光導波路要素及び光源を備える生物防汚システムを提供し、生物防汚システムは、第1の光導波路面を備える放射光出口窓を備え、光源は光導波路内にUV放射光を提供するように構成され、放射光出口窓は、UV放射光の少なくとも一部を透過するように構成される。放射光出口窓は、したがって、実施形態において、第1の層要素をさらに備える。特定の実施形態において、光源は光出射面を備え、光出射面は光導波路内に構成される。例えば、1つ又は複数のソリッドステート光源は、光導波路に埋設される。実質的に、ソリッドステート光源全体が、光導波路(材料)に埋設されてよい。
【0099】
光源は、特にLEDなどのソリッドステート光源を備える。光導波路と光源との組合せは、本明細書においてUV出射要素としても示される。
【0100】
実施形態において、光源は、光導波路の外部に構成される。このような実施形態において、光源が光導波路の面に光源光を提供するように構成されることにより、光源の光が、(例えば光導波路の縁部面を介して)光導波路内に結合される。光源及び光導波路は、特に放射光的に結合される。「放射光的に結合される」という表現は特に、光源により照射された放射光の少なくとも一部が光導波路により受光される(及び光導波路から少なくとも部分的に逃げる)ように、光源と光導波路とが互いに関連していることを意味する。
【0101】
さらに異なる他の実施形態において、光源は光出射面を備える、光出射面は光導波路内に構成される。例えば、LEDは、シリコーンに埋設される。後者の実施形態の例が、例えば、WO2014/188347において説明されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。もちろん、異なる実施形態が組み合わされてよい。
【0102】
さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、表面、例えば外面を備える物体をさらに提供し、先行する請求項のいずれか一項に記載の層スタックが、表面の少なくとも一部に付着させられる。特に、一態様において、本発明は、使用中に水中に少なくとも部分的に沈められる物体を提供し、物体は本明細書において規定される生物防汚システムを備え、UV出射要素が、(i)物体の表面、例えば外面の一部及び(ii)上記の外面の上記の一部に近接した水のうちの1つ又は複数を照射段階中にUV放射光を使用して照射するように構成される。本明細書に示されるように、物体は、特に船舶及びインフラストラクチャー物体、さらには他の物体からなる群から選択される。「使用中に水中に少なくとも部分的に沈められる」という表現は、真水若しくは海水、又はそれらの混合物(汽水)を表す。したがって、本発明は、特に、水に関連した用途、例えば海洋用途のために使用されてよい。
【0103】
実施形態において、光導波路要素は、第2の光導波路面に接触した第2の層要素を備え、第2の層要素は、(物体の)外面に接触した第1の接着層を備える。
【0104】
本明細書において、「使用中に水中に少なくとも部分的に沈められる物体」という表現は、特に、物体、例えば船舶及び水に関連した用途をもつインフラストラクチャー物体を表す。したがって、使用中に、このような物体、例えば海、湖、運河、川、又は別の水路などにおける船舶は、概して水に接触する。
【0105】
「船舶」という用語は、例として、例えばボート又は船など、例えば帆船、タンカー、巡航船、ヨット、フェリー、潜水艦などを表す。
【0106】
「インフラストラクチャー物体」という用語は、特に概して、実質的に動かないように配置された水に関連した用途、例えばダム、水門、はしけ、石油採掘装置などを表す。「インフラストラクチャー物体」という用語は、(例として例えば発電所まで海水をくみ上げるための)パイプ、及び、(水力発電式)発電所の他の部分、例えば冷却システム、タービンなどをさらに表す。
【0107】
「物体」という用語は、実施形態において、遠洋航海用の支持構造物、又は、海上風力タービン、石油採掘装置、波/潮力エネルギーを抽出するための構造物、浮遊デバイスなどを表す。「外面」という用語は、特に、水と物理的に接触して得る表面を表す。パイプの場合これは、内部パイプ表面及び外部パイプ表面のうちの1つ又は複数に適用されてよい。したがって、「外面」という用語の代わりに「汚損面」という用語が適用されてもよい。さらに、このような実施形態において、「水線」という用語は、例えば充填レベルを表してもよい。
【0108】
特に、物体は、海洋用途、すなわち海又は大洋における、又は、海又は大洋付近における用途のために構成された物体である。このような物体は、それらの使用中、少なくとも一時的に、又は実質的に常に、水に少なくとも部分的に接触する。物体は、使用中に少なくとも部分的に水(線)の下に存在し、又は、例えば潜水艦用途の場合、実質的にその時間のすべてにわたって水(線)の下に存在する。本発明は、例えば、濡れた表面をきれいに維持する海洋防汚のために、沖合での用途のために、海(中)での用途のために、ドリリングプラットフォームのためなどに適用される。
【0109】
水とのこの接触に起因して、上述の欠点を伴って生物汚損が発生する。生物汚損は、このような物体の、例えば外面の表面といった、表面(「表面」)の表面において発生する。保護される物体(の要素)の表面は、鋼を含むが、任意選択的に、例として、例えば木材、ポリエステル、複合体、アルミニウム、ゴム、ハイパロン、PVC、ガラスファイバーなどからなる群から選択された別の材料をさらに含む。したがって、鋼の船殻の代わりに、船殻は、PVCの船殻又はポリエステルの船殻などであってもよい。鋼の代わりに、別の鉄材料、例えば(他の)鉄合金が使用されてもよい。
【0110】
本明細書において、「汚損」又は「生物汚損」又は「生物的汚損」という用語は、交換可能に使用される。上述のように、汚損のいくつかの例が提供される。生物汚損は、水中における、又は、水に近い、及び、一時的に水(又は、別の導電性の水性液体)にさらされる任意の表面に発生する。このような表面において、要素が水中又は水付近に、例えば水線の(真)上にあるときに、(例えば例としてはねる水に起因して、例えば例として船首波に起因して)生物汚損が発生する。熱帯地方を往来するとき、数時間のうちに生物汚損が発生する。穏やかな温度であっても、最初の(段階の)汚損は、最初の(分子)レベルの糖類及び細菌として数時間のうちに発生する。
【0111】
生物防汚システムは、UV出射要素を少なくとも備える。さらに、生物防汚システムは、制御システム(以下も参照されたい)、電気エネルギー源などを備えてよい。
【0112】
「生物防汚システム」という用語は、例えば例として単一の制御システムを介して制御される、任意選択的に機能的に互いに結合された複数のこのようなシステムも表す。さらに、生物防汚システムは、複数のこのようなUV出射要素を備える。本明細書、「UV出射要素」という用語は、(したがって)複数のUV出射要素を表す。例えば、一実施形態において、複数のUV出射要素が、物体、例えば船殻の表面、例えば外面に関係するか、又は、このような表面に含まれる(以下も参照されたい)のに対し、例えば制御システムは物体内のどこか、例えば船舶の制御室又は操舵室内に配置される。
【0113】
汚損が生成される表面又はエリアは、本明細書において汚損面としても示される。表面は、例えば船の船殻及び/又は光学媒体の出射面である(以下も参照されたい)。この目的を達成するために、UV出射要素は、生物汚損の形成を防止するために、及び/又は、生物汚損を除去するために適用されるUV放射光(防汚光)を提供する。このUV放射光(防汚光)は、特に、UV放射光(「UV光」としても示される)を少なくとも含む。したがって、UV出射要素は、特にUV放射光を提供するように構成される。そのために、UV出射要素が光源を備える。「光源」という用語は、複数の光源、例えば2~2000個の、例えば2~200個の(ソリッドステート)光源、例えばLEDにも関係するが、さらに多くの光源が適用されてもよい。したがって、LEDという用語は、複数のLEDを表してもよい。特に、UV出射要素は、複数の光源を備えてよい。したがって、上述のように、UV出射要素は、1つ又は複数の(ソリッドステート)ステート光源を備える。LEDは、(OLED又は)ソリッドステートLED(又は、これらのLEDの組み合わせ)であってよい。特に、光源は、ソリッドステートLEDを備える。したがって、特に、光源は、UVA光とUVC光とのうちの1つ又は複数を提供するように構成されたUV LEDを備える(以下も参照されたい)。UVAが細胞壁に損傷を与えるために使用されるのに対し、UVCがDNAに損傷を与えるために使用される。したがって、光源は特にUV放射光を提供するように構成される。本明細書、「光源」という用語は、特にソリッドステート光源を表す。光源は、ソリッドステートレーザーをさらに含んでよい。「光源」という用語は、(コリメータなどの)レンズ及び反射体の群から選択された1つ又は複数のビーム成形要素を含むソリッドステート光源などの、光学素子を含む光源も表す。
【0114】
LEDなどのソリッドステート光源は、上部出射型発光体又は側部出射型発光体であってよい。
【0115】
特に、1つ又は複数の光源はLEDである。したがって、実施形態において、生物防汚システムは複数の光源を備え、光源はLEDを備える。代替的に、又は追加的に、光源はソリッドステートレーザーを備える。
【0116】
上述のように、UV出射要素は特に、(照射段階中に)UV放射光を使用して、(i)外面の一部、及び(ii)外面の一部に近接した水のうちの1つ又は複数を照射するように構成される。「一部」という用語は、例えば船殻又は水門(扉)などの物体の外面の一部を表す。しかし、「一部」という用語は、船殻又は水門の外面などの外面の実質的に全体を表してもよい。特に、外面は、1つ又は複数の光源のUV光を使用して照射される、又は、1つ又は複数のUV出射要素のUV放射光を使用して照射される複数の部分を含んでよい。各UV出射要素は、1つ又は複数の部分を照射する。さらに、任意選択的に2つ以上のUV出射要素のUV放射光を受光する部分が存在してよい。
【0117】
一実施形態において、UV出射要素は、UV放射光を生成するための二次元光源グリッドを備え、光学媒体は、ライトモジュールの光出射面を出るUV放射光の二次元配光を提供するために、光学媒体にわたって二次元光源グリッドからUV放射光の少なくとも一部を配光するように配置される。二次元光源グリッドは、チキンワイヤ構造、密集構造、行/列構造、又は任意の他の適切な規則的な、又は不規則的な構造として配置される。グリッドにおける近接した光源間の物理的距離は、グリッドにわたって固定され、又は、例えば防汚効果を提供するために必要とされる光出力パワーに応じて、又は、被保護面におけるUV出射要素の位置(例えば船の船殻における位置)に応じて異なる。二次元光源グリッドを提供する利点として、UV放射光照明を使用して保護されるエリアの近くでUV放射光が生成されること、並びに、それが光学媒体又は光導波路における損失を減らすこと、及び、それが配光の均一性を高めることが挙げられる。好ましくは、UV放射光は出射面にわたって概ね均一に配光され、これが、別のやり方であれば汚損が発生する照明不足のエリアを小さくするか、又は防ぎさえし、同時に、防汚に必要な光より多くの光を使用した他のエリアの照明過多によるエネルギーの浪費を減らすか、又は防ぐ。一実施形態において、グリッドは光学媒体に含まれる。さらに異なる別の実施形態において、グリッドは、(シリコーン)ホイルに含まれてよい。
【0118】
さらに、一実施形態において、光学媒体は、被保護面に近接して配置され(任意選択的に付着されられることを有する)、及び、紫外光を受光するように結合され、光学媒体が、被保護面に直交した厚さ方向をもち、厚さ方向に直交した光学媒体の直交した2つの方向が、被保護面と平行であり、紫外光が厚さ方向に直交した、直交した2つの方向のうちの少なくとも一方に光学媒体内を伝播するように、及び、光学媒体の表面に沿った点において、紫外光のそれぞれの部分が光学媒体から逃げるように、紫外光の伝播経路を提供するように光学媒体が構成される。
【0119】
さらなる一態様において、本発明は、使用中に少なくとも一時的に水にさらされる物体の表面(の一部)、例えば外面を(生物)防汚する方法をさらに提供し、本方法は、物体に本明細書において規定される生物防汚システムを提供することと、任意選択的に、(i)フィードバック信号、及び(ii)UV放射光(防汚光)の強度を(定期的に)変えるためのタイマーのうちの1つ又は複数に応じて、(物体の使用中に)UV放射光を生成することと、及び、外面(の一部)に(照射段階中に)UV放射光を提供することとを有する。このようなフィードバック信号は、センサーにより提供される。
【0120】
以下、層スタックを提供する方法がさらに説明される。上述のように、さらなる一態様において本発明は、本明細書において説明されるスタックを提供するために使用される方法をさらに提供する。したがって、一態様において本発明は、本明細書において説明される方法を使用して獲得可能な層スタックをさらに提供する。
【0121】
特に、本発明は、層スタックを提供する方法を提供し、本方法は、(a)直接的に、又は第1の中間層を介してシリコーン層の第1の表面と第1の層要素とを化学結合させることにより結び付けることと、(b)直接的に、又は第2の中間層を介してシリコーン層の第2の表面と第2の層要素とを化学結合させることにより結び付けることとのうちの1つ又は複数により、(i)第1のシリコーン層、及び(ii)第1の層要素と第2の層要素とのうちの1つ又は複数を結合させることを有する。
【0122】
「第1のシリコーン層と層要素とを結合させること」という表現及び同様の表現は、前者が後者に結合されること、又は後者が前者に結合されることを含意する。さらに、このような表現及び同様の表現は、例えばシリコーン層が層スタックに結合されることを含意するが、層が第1の層要素として第1の(シリコーン)層に提供され、次に、スタックを備える層要素を提供するために、このような層に1つ又は複数のさらなる層が提供されることをさらに含意する。
【0123】
化学結合により一方の層を他方に結合するために、一方又は両方の層を官能基化することが必要であり、又は、層のうちの1つを提供するための材料が官能基化される。層、又は層のうちの1つを提供するための材料自体が官能基化されてもよい。例えば、シリコーン接着剤は、完全には反応又は硬化させられず、別の層と化学結合を形成するために使用され得る基を含んでよい。例えば、シリコーンは、さらに反応し、又は官能基化されるビニル基及び/又は水素化物基を含む。
【0124】
特に、本明細書において-OH基、-COOH基、-NH基、及び-Si-H基のうちの1つ又は複数が、中間層の化学結合を生成するために使用される。したがって、このような基が利用可能であり、又は、官能基化することにより生成される。
【0125】
したがって、実施形態において、本方法は、少なくとも2つの官能基化された材料間の結合を提供することを(さらに)有し、少なくとも2つの官能基化された材料のうちの1つ又は複数が、官能基により官能基化された第1の表面、及び/又は、官能基により官能基化された第2の表面により提供され、官能基は、-OH基、-COOH基、-NH基、及び-Si-H基からなる群から選択された1つ又は複数を含む。特に、このような基は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、及びSi-O-Al結合のうちの1つ又は複数を含む化学結合を形成するために使用される。
【0126】
導波路と可能な保護材料との間の化学結合を生成するために識別され得る異なる選択肢が可能である。例えば、実施形態において、完成したシリコーン導波路は、完成した保護材料層に界面化学により結合され得る。他の実施形態において、液体シリコーン(導波路)材料は、界面化学により、完成した保護材料層に結合され得る。さらに異なる他の実施形態において、液体シリコーン(導波路)材料は、界面化学により、完成していない保護材料層に結合される。
【0127】
上述のように、フッ素重合体は、低い屈折率の観点からの光学層としてのアルミニウム層に対する支持体として、又は、散乱材料を使用することによる反射層として望ましい場合がある。しかし、フッ素重合体材料は界面化学により結合するために活性化することが比較的困難である。
【0128】
実施形態において、フッ素基を部分的に除去し、適切な官能基と置換する。実施形態において、例えばFluoroEtch(ナトリウムナフタレニド)溶液を使用することにより、例えばカルボキシル基との酸化置換が可能である。エッチング期間が長いほど、又は、温度が高いほど、UV-C吸収の増加につながるより多くのブラウニングが発生することが観察される。より短いエッチング、又はより低いエッチング温度、又は、エッチングされたシートの事後酸化が、これを防ぐために使用され得る。
【0129】
ポリマー及びシリコーン又は中間層の間の結合を改善するために、カルボニル基が使用され、又は、カルボニル基をより活性な官能基、例えば、より反応性の高いカルボキシル基と置換する。例えば、EDC-NHSの化学的親和性を介して、別の層又は材料のNH基と結合するために使用され得る高い反応性をもつ基が形成され得る。この手法により、比較的加水分解的に安定したアミド結合が生成される。EDCは、(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を示すために使用される。NHSは、N-ヒドロキシスクシンイミドを示すために使用される。結合材のためのEDC-NHSの使用は例えば「Room-temperature intermediate layer bonding for microfluidic devices」、Jacob Bartら、Lab Chip、2009、9、3481~3488において説明されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。したがって、実施形態において本方法は、EDC-NHS補助反応を介して化学結合を生成することをさらに有する。
【0130】
したがって、例えば2つの層間における、又は層と層を形成する材料との間における化学結合に関して、カルボキシル基及び/又はEDC-NHSの使用は、それぞれ、アミン基の使用と組み合わされて適用される。例えば、これは、(例えば特にシリコーンであって、さらにNH基により規則正しく官能基化されておらず、及び、シリコーンに対して分離活性化、例えばプラズマ活性化工程が実行される必要がある、シリコーンといった)他の表面においてNH基との速い反応を可能にするために生成されたカルボン酸の反応性を高めるフッ化炭素ポリマーの活性化工程の組合せを含意する。例えば、シリコーンは、NHプラズマ工程を介して官能基化され得る。Jacob Bartらの上述の論文においても説明されているAPTESの化学的親和性を介して官能基化することも可能である。「APTES」という用語は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを示すために使用される。
【0131】
アルミニウムは、例えばフッ素重合体層において提供され、このような層と比較的良好に結合する。しかし、アルミニウムとシリコーンとの結合のために、いくつかの追加的なステップが行われる必要がある。
【0132】
アルミニウムが(HPO酸又はOプラズマにより)活性化されてヒドロキシル基を形成し得、続いてヒドロキシル基が、加水分解的に安定した結合を形成し得る化学物質と反応させられる必要がある。シランは、非常に安定したAl-O-Si結合を形成することがよく知られている。シランの利点は、シラン自体がNH基、ビニル基、又は加水分解的に安定したC-C結合又はアミン結合を同様に形成し得る事実上任意の他の基により修飾され得ることである。
【0133】
シラン及びビニル基を含むTi錯体の混合物を含む市販のプライマーはシリコーンを使用した接着のために表面を活性化することにおいて非常に効果的であることが示されているが、UV-C吸収は、<1μmの薄層に対して大きく影響する(>30%)。
【0134】
代替的に、又は追加的に、(R1)(R2)(R3)Mプライマーが使用される。このようなプライマーは非常に適切であり、所望の結合を提供するために追加的なシランなしで使用されることが見受けられる。UV透過率の可制御性及び/又は安定性の観点から、これは望ましいものである。このようなプライマーを使用した場合、UV-C吸収は大幅に少ない。
【0135】
したがって、実施形態において本方法は、プライマーにより補助された反応を介してAl-O-Si化学結合を生成することをさらに含み、プライマーは、(R1)(R2)(R3)Mからなる群から選択され、R1、R2及びR3は各々が独立してアルコキシル基であり、MはIII族金属、例えばB、Al、Ga、Inのうちの1つ又は複数を含むが、特に、適切な金属はAlである。Alの使用は反応性の観点から、またさらには、この使用がUV放射光に対して比較的透過性であり、及び/又は、UV放射光を実質的に吸収しない残存プライマー材料をもたらすので望ましいものであるが、このことは、他の適切なプライマーの場合には当てはまらない場合がある。例えば、プライマーは、トリ-sec ブトキシド、トリ-n-ブトキシド、tert-ブトキシド、トリ-n-プロピルオキシド、トリ-イソプロピルオキシドのうちの1つ又は複数を含むが、さらに、例えば異なる側基を含む他のものであってもよい。プライマーがAl[OCH(CH)C及びAl[OC(CHのうちの1つ又は複数を含む方法において、特に良好な結果が得られた。
【0136】
したがって、実施形態において、本発明は、例えば、比較的薄い厚さ、例えば≦20nmをもつAl層を提供することを有する。これは、活性化工程を使用して加水分解的に安定した結合を提供することを依然として可能にする。しかし、これは、層の所望のUV-C透過性をさらに提供する。
【0137】
このような(薄い)Al層は、ポリマー、特にフッ素重合体、例えばさらには特にフッ素化エチレンプロピレン(FEP)層に堆積させられる。反射層として例えばフッ素重合体層の代わりにAl層を使用することは、Al層を官能基化することがフッ素重合体層を官能基化することより簡単であるという利点をもつ。
【0138】
上述のように、統合されたAl層を提供する代わりに、Al島状体がポリマー層に堆積させられてもよい。「Al島状体」という用語は、直接接触していない2つ以上のドメイン、特に複数のドメインを含む任意の不連続なAl層を実質的に表す。Alドメインの(本例において特に等価直径として規定された)寸法は、0.01mmから5mmまで、より具体的には0.1mmから0.5mmまでの範囲であり得、及び、表面積当たりのAlドメインの数は1cm当たり1から10,000の範囲でなければならないのに対し、統合されたスタックのUV透過性を維持するために、コーティングされていない面積に対するアルミニウムドメインの表面積は10%より大きくなってはならない。不規則に形作られた二次元形状の等価直径(又はECD)は、同等な面積の円の直径である。例えば、辺aをもつ正方形の等価直径は、2×a×SQRT(1/π)である。
【0139】
Al層は、(プラズマ支援)化学又は物理蒸着工程中に、ポリマー、特にフルオロポリマー、例えばFEPに熱的に接続される。このようなAl層は、上述のように直接的に、又は、中間層としてシリコーンゲルを介して、シリコーンに結合される。
【0140】
しかしフッ素重合体が第1のシリコーン層に結合するために使用されてもよい。上述のように、カルボン酸基の代わりにFEP層などのフッ素重合体にNH基を固定することが可能である。これらは、例えばシリコーン表面における活性化されたカルボキシル基と反応可能にされる。
【0141】
代替的に、又は追加的に、シリコーン層が第1のシリコーン層に結合するために使用される。このようなシリコーン層、又はフッ素重合体層は、反射材料を含み、上記の内容も参照されたい。上述の材料に代えて、又は加えて、比較的不活性な窒化ホウ素が母材、例えばシリコーン母材に組み込まれ得る。
【0142】
方法に関する上述の情報は、第1の層要素と第2の層要素との両方の層を実質的に表す。さらに、上述のように、実質的に完全に反応したシリコーンが適用される場合、シリコーンを活性化することも必要であってよい。もちろん、液体シリコーンが適用されてもよく、結果として、液体シリコーンの反応基が適用されて(も)よい(上記の内容も参照されたい)。
【0143】
したがって、実施形態において、-OH基、-COOH基、-NH基、及び任意選択的に-Si-H基のうちの1つ又は複数を提供するようにシリコーンを官能基化することが必要である。
【0144】
例えば、実施形態において、側基、例えば特にシリコーン鎖のメチル側基が、例えばUVオゾン、Oプラズマ、及び強酸のうちの1つ又は複数により酸化され得る。この手法により、ヒドロキシル基又はカルボニル基が形成される。上述のように、これらは、例えばエーテル又はエステルを形成するように反応させられ得る。
【0145】
特に、加水分解的に安定したアミン結合に対して、NH側基が生成される。例えば、プラズマ化学を使用して、側鎖が、さらに、アミンを形成するように例えば(活性化された)カルボキシル基と反応し得るNH基により官能基化され得、上述のEDC-NHSの化学的親和性をさらに参照されたい。
【0146】
特定の実施形態において、後側阻止層に対して、アルミニウムが、活性化後にシリコーン材料上に直接的に蒸着させられ得、金属層の不浸透性が、この工程において形成されたAl-O-C結合の加水分解を防ぎ得る。特定の実施形態において、例えばフッ素重合体といった、より長い期間の保護を提供する隣の層への接着性を高めるために、アルミニウムの島状体が堆積させられる。
【0147】
任意選択的に複数のAlドメインの形態をとるAl層を獲得するために、第1の(シリコーン)層において、加水分解的に安定した反応点を提供するために、シリコン側鎖がNHの化学的親和性を使用して官能基化される。アルミニウム、例えば複数のアルミニウム島状体が堆積させられる。このようなアルミニウム層は、より低いコストの濡れ防止層、例えば2K PURポッティング材料が分子接着を使用してシリコーンに「直接的に」結合することを可能にするためにAlの表面活性化と組み合わされて、接着を促進するために、及び、熱膨張係数の差に伴う問題を回避するために使用される。
【0148】
特定の実施形態において、シリコーンと保護材料とが液体形態である場合、シリコーンと保護材料とを共反応させることさえ可能である。フッ化炭素プレポリマーとシリコーンプレポリマーとが液体形態で一緒に結合された場合、フッ化炭素プレポリマーとシリコーンプレポリマーとが、相互接続された分子ネットワークを形成し得る。したがって、フッ化炭素とシリコーンとを空間を設けて離すことが望ましいものであり、これは、デュアルレイヤー射出成形様セットアップにおいて可能であり、又は、さらには、フルオロポリマー及びシリコーンポリマーの異なる表面張力に基づいて可能である。実施形態において、異なる液体を分離するために、表面張力差が使用される。さらに、Pt触媒作用によるビニル重合が適用されてよい。これは、ビニル官能基化性を使用したペルフルオロ化合物の修飾を必要とする。したがって、実施形態において、本方法は、完全には硬化していないシリコーン層を別の層、例えば官能基化アルミニウムコーティングを含むポリマー層(例えばフッ素重合体)、又はポリマー層自体(例えばフッ素重合体)に接触させることをさらに有する。
【0149】
硬化の化学的作用が完全に調整されていない場合、ポリマー鎖間の密接な機械的接続が既に、十分な接着及び化学的保護につながり得る。多NH修飾シリコーン化合物の拡散は出発点となり得、再度形成する酸官能基化ペルフルオロ化合物、及び、これらを保持するアミドのための反応点を提供する。母材内に多NH修飾シリコーン化合物と酸フルオロ化合物との両方を拡散するために、シリコーンにおける利用可能な有孔性が使用されてよい。
【0150】
上述のように、特定の実施形態において、層スタックは、物体、例えば例示として船に提供される。導波路の後側の劣化が前部におけるUV-Cの導出にも影響するので導波路の後側は海水環境又は他の望ましくない条件の影響を受けないものであってよい。したがって、層スタックの物体側は、船などの物体に適切に接着することを必要としてよい。FEP層を含む場合、FEP層は同様に硬質であり、アルミニウムを使用して、プラスチックキャリア、例えば例としてPETに薄いアルミニウム層を使用することが可能である。したがって、実施形態において、本方法は、したがって、物体の表面の少なくとも一部に層スタックを提供することをさらに有する。このようなプラスチックキャリアは、物体の表面に、より簡単に付着させられる。
【0151】
上述のように、第1の(シリコーン)層は、導波路層として使用され、1つ又は複数の、特に複数の光源が(少なくとも部分的に)埋設される。したがって、実施形態において1つ又は複数の、特に複数のソリッドステート光源が第1のシリコーン層に埋設される。このような第1のシリコーン層に層が提供される。
【0152】
さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、物体、例えば使用中に少なくとも一時的に水にさらされる物体に生物防汚システムを提供する方法をさらに提供し、本方法は、物体、例えば船舶に対する生物防汚システムを提供すること、例えば物体に統合すること、及び/又は、表面、例えば外面に付着させることを有する。特に、UV出射要素は、物体の表面、例えば外面の一部、及び、(使用中に)そのような一部に近接した(している)水のうちの1つ又は複数に、UV放射光を提供するように構成されてよい。特に、UV出射要素は外面に付着させられ、又は、外面の(第1の)一部として構成されさえしてよい。
【0153】
本明細書において説明される発明を使用して、表面が、生物汚損が減らされるか、又は防がれるように生物防汚放射光を使用して処置される。したがって、さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、本明細書において規定される物体の外面に結び付けられた光導波路要素の表面における生物汚損を防ぐ及び/又は減らす方法をさらに提供し、本方法は、UV放射光を生成することと、UV放射光の少なくとも一部が表面を介して光導波路要素から逃げるようにしながら、表面にUV放射光を提供することとを有する。さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、物体の表面、例えば外面における生物汚損を防ぐ及び/又は減らす方法を提供し、物体の使用中に外面が少なくとも一時的に水にさらされ、本方法は、(例えば本明細書において説明されている)生物防汚システムによりUV放射光を生成することと、物体の外面及び外面に近接した水にUV放射光を提供することとを有し、生物防汚システムは、本明細書において説明されている光導波路要素を備える。光導波路要素が物体の表面にUV放射光を提供するために使用され得、又は、光導波路要素が物体の表面を提供する。
【0154】
「結び付ける」という用語及び同様の用語は、要素の機能的結合を表す。例えば光導波路要素は、例えば機械的手段、グルー、接着剤などのうちの1つ又は複数を使用して物体にコーティングされてよく、又は、物体に付着させられてよい。光源に関する文脈における「結び付ける」という用語及び同様の用語は、要素が光源放射光の少なくとも一部を受光するように、要素及び光源が関連付けられるという意味で、例えば放射光的な結合も表す。
【0155】
(化学結合に)加えて、又は代えて、熱結合も適用される。熱結合は、表面が蒸気の熱エネルギーにより変形され、蒸気を表面内に侵入させ、このことが、冷却時に蒸気の周囲を収縮させることを含意する。この手法により、例えばAlの「スパイク」が後続のAl蒸気に対する「固定部」としてPET表面に形成される。Alの閉じられた層が形成されるとすぐに、固定がもはや行われなくなる。
【0156】
上述のように、本発明は、光源放射光を生成するように構成された光源を備えるシステムを提供し、光源放射光は、UV放射光を少なくとも含む。UV放射光は、特に生物防汚目的に使用される。システムは、細菌及び/又は他の微生物を無力化するために、又は細菌及び/又は微生物の付着を防ぐために使用され、生物防汚システムは、概して、さらに「システム」及び、特定の実施形態において「抗マイクロ生物的汚損システム」、又は「衛生システム」などとして示される。本明細書において、本システムは、「生物防汚システム」又は「システム」としてさらに示される。
【0157】
特に、システムは、UV出射要素を備える。実施形態において、このようなUV出射要素は、複数の光出射面をもつ光源を備える。実施形態において、このようなUV出射要素は、例えばUV放射光の比較的広いビームを提供するための、例えばアレイ状に構成された複数の光源を備える。例えば、UV出射要素は、グラファイト系基材において成長させられた複数のナノワイヤー又はナノピラミッドであって、ナノワイヤー又はナノピラミッドが、p-n又はp-i-n接合部を含む、複数のナノワイヤー又はナノピラミッドと、グラファイト系基材に電気的に接触した第1の電極と、任意選択的に光反射層の形態をとるナノワイヤー又はナノピラミッドの少なくとも一部の上部に接触した第2の電極とを備え、ナノワイヤー又はナノピラミッドが、例えば例としてWO2017009394Aにおいて説明されている少なくとも1つのIII-V族化合物半導体を含む、発光ダイオードデバイスを備える。このようなUV出射要素は、例えば導波路の表面の少なくとも一部にわたってUV放射光を配光するための導波路をさらに備える。すべての実施形態において、UV出射要素は、動作中にUV放射光を生成するように構成されるが、このUV放射光に付随した他の放射光が本明細書において除外されるわけではない。これらの実施形態のうちのいくつかが後でさらに詳細に説明される。
【0158】
上述のように、システムは、特に導波路を備える。導波路の外部における1つ又は複数の光源、及び/又は、導波路に埋設された1つ又は複数の光源が、導波路に光源放射光を提供する。全反射により、光源放射光の少なくとも一部が導波路にわたって配光され、導波路の放射光出口窓から逃げる。導波路は、シート様光出力デバイスに含まれる。したがって、実施形態においてシステムは、導波路要素配置体を備え、導波路要素配置体は、放射光出口窓を備える導波路要素を備え、導波路要素は、(a)光源放射光を受光するように構成され、及び(b)放射光出口窓を介して導波路要素の外部に光源放射光の一部を(動作モードにおいて)放射するように構成されている。「導波路要素」という用語の代わりにUV出射要素という用語も使用される。特に、導波路要素は、UV放射光をシステムの使用中に提供するように構成される。「導波路要素」という用語は、特に導波路、及び任意選択的に導波路内に埋設された他の要素、例えば光源を表す。
【0159】
特定の実施形態において、光源は、導波路要素内に埋設される。したがって、単一の光出射面をもつ単一光源、複数の光出射面(例えば複数のファイバーのファイバー先端部)をもつ単一光源、又は、複数の光出射面(例えば(LEDダイが光出射面である)複数のLED)を含む複数の光源が、導波路要素内に埋設され、すなわち特に導波路材料、例えば例としてシリコーンに埋設される。したがって、導波路要素は、特に導波路材料を含む。光源は、導波路材料に(少なくとも部分的に)埋設される。光源放射光は、導波路材料を通って伝播し、放射光出口窓を介して導波路材料から逃げる。導波されたUV光の一部は、(例えばシリコーンにより)導波路の内側において散乱され、導波路を去るには十分に急な角度のもとで放射光出口窓に到達する(及び防汚を可能にする)。
【0160】
さらに異なるさらなる一態様において、本発明は、本明細書において規定されているようにシステムに機能的に結合された、又はシステムに含まれるコンピュータにおいて動作したとき、光源を制御するように構成されるコンピュータプログラム製品をさらに提供する。これは、したがって、複数の光源が制御されることも意味してよい。この手法により、光源放射光の空間的配光、例えば光出射面から逃げることが制御される。センサーのセンサー信号、タイマーなどのうちの1つ又は複数に従って制御が行われる。したがって、システムは、生物汚損、温度、例えば特に光出射面といったシステムの一部と、例えば特に光出射面といったシステムに接近した水、ヒト、又は動物との接触などのうちの1つ又は複数を検出するように構成される1つ又は複数のセンサーをさらに備える。
【0161】
「制御」という用語は及び同様の用語は特に少なくとも、挙動を決定すること、又は要素の動作を監督することを表す。したがって、本明細書において「制御」及び同様の用語は、例えば要素に、例えば例として、測定すること、表示すること、作動すること、開くこと、シフトさせること、温度を変化させることなどの挙動を課すこと(挙動を決定すること、又は要素の動作を監督すること)などを表してよい。加えて、「制御」という用語及び同様の用語は、監視することをさらに有してよい。したがって、「制御」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びに、さらには、要素に挙動を課すこと及び要素を監視することを有してよい。要素の制御は、制御システムを使用して行われ得る。したがって、制御システム及び要素は、少なくとも一時的に、又は永久的に、機能的に結合されてよい。要素は、制御システムを備えてよい。実施形態において、制御システム及び要素は、物理的に結合されないものであってよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われ得る。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合された複数の異なる制御システムも表してよく、例えば、そのうちのある制御システムがマスター制御システムであってよく、1つ又は複数の他の制御システムがスレーブ制御システムであってよい。
【0162】
上述のように、生物防汚システムはUV出射要素を備える。「UV出射要素」という用語は、複数のUV出射要素を表してもよい。したがって、システムは、複数のこのような要素を含んでよい。システムは、電気エネルギーの供給源を含んでよいが、システムは、さらに(使用中に)電気エネルギーの供給源と機能的に結合されてよい。実施形態において、各UV出射要素は、エネルギー源に機能的に結合されてよい。これは、UV出射要素の分散型給電を可能にする。エネルギー源は特に光源に給電するために使用される。
【0163】
本明細書、UV出射要素は、「ライティングモジュール」としても示され得る。UV出射要素は、少なくとも部分的に、又は、さらには全体的にUV出射要素内に埋設された1つ又は複数の関連要素を含む(本明細書において「光学媒体」としても示される)プレート様モジュールであってよい。したがって、実施形態において、UV出射要素は、例えばシリコーンなどの光透過性(固体)材料を含む。しかし、UV要素は、1つ又は複数の関連要素を少なくとも部分的に、又は、さらには全体的に囲むハウジングをさらに含んでよい。1つ又は複数の関連要素は少なくとも、光源放射光、特にUV放射光を提供するように構成された光源を備える。UV出射要素は、平らな、又は湾曲した放射光出口窓を含んでよい。「UV出射要素」という用語は、要素が特に要素の使用中にUV放射光を提供するように構成されることを示す。
【0164】
導波路要素は、プレート、任意選択的に湾曲形状として形作られてよい。しかし、導波路要素は、他の形状をもってもよい。これは、例えば用途に依存する。例えば、物体がドアノブ、水道のノブ、トイレのノブ、手すり、キッチンのまな板、又は医療デバイスである場合、導波路要素の形状は、プレートと異なってよく、又はプレートと異なる必要があってよく、及び、1つ又は複数の湾曲した面を含んでよい。
【0165】
導波路要素は平面であってよいので、光軸が導波路要素の長さ軸に対して実質的に平行であるように、光源が構成されてよい。これは、導波路にわたる光源放射光の配光を円滑化する。例えば、光源は、側面発光LEDを含んでよい。特に、導波路要素は、複数の側面発光LEDを含んでよい。
【0166】
UV出射要素は、UV放射光出口窓を備える。UV放射光出口窓は、光源のUV放射光の少なくとも一部を透過するように構成される。UV放射光の少なくとも一部は、放射光出口窓を介してUV出射要素の外部に逃げる。したがって、出口窓は、UV放射光に対して透過性である。概して、窓は可視光に対しても透過性である。上述のように、及び、以下でさらに説明されるように、実施形態において、要素は、放射光透過プレートである。このような例において、窓は、要素の面(又は平面)である。
【0167】
「放射光透過」という用語は、放射光に対する、特にUV放射光に対する、及び、任意選択的にさらに可視放射光に対する透過性を表す。
【0168】
UV放射光出口窓は、上流窓側と下流窓側とを備える。「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(本例において特に光源)からの光の伝播に対するアイテム又は特徴の配置に関連し、光生成手段からの光のビーム内における第1の位置に対して、光生成手段により近い光のビーム内における第2の位置が「上流」であり、光生成手段からより遠い光のビーム内における第3の位置が「下流」である。したがって、上流窓側(「上流側」)は、特に要素の内部に向けられ、光源放射光を直接的に、又は内部反射後に受光してよい。下流窓側(「下流側」)は、特に要素の外部に向けられてよい。この窓側は、システムの使用中に例えば水に(一時的に)接触する。要素の板様の実施形態では、上流窓側及び下流窓側は、(同じ)縁部(又は平面)の両側であってよいことに留意されたい。
【0169】
上述のように、特に物体、又は生物防汚システムは、制御システムをさらに備えてよい。したがって、物体は、このような制御システムを備えてよい。実施形態において、生物防汚システムは制御システムを備えるが、物体の外部にある。したがって、実施形態において生物防汚システムは、任意選択的にUV出射要素により囲まれた制御システムをさらに備えてよい。制御システムが1つより多い要素を備える場合、1つ又は複数の要素が物体に含まれ、及び/又は、1つ又は複数の要素が物体の外部に構成される。
【0170】
一実施形態において、制御システムは、複数の制御システムを備える。例えば、船舶は、マスター制御システムとして制御システムを備え、各生物防汚システムがスレーブ制御システムを備える。任意選択的に、制御システムは、物体の外部に、すなわち物体から離れて構成される。特定の実施形態において、物体から離れたマスター制御システムが、(生物防汚システムなどの)物体に含まれるスレーブ制御システムを制御する。したがって、例えば(マスター)制御システムが、遠く離れたものであり、又は、船舶上になく、陸上、例えば船会社の制御室内にある。このようなマスター制御システムは、生物防汚を制御するように構成される。
【0171】
特に、システムは複数のUV光源を備えてよい。さらには特に、これらは、実質的に規則的なパターンにより配置されてよい。
【0172】
したがって、実施形態において、生物防汚システムは複数の光源を備え、近接した光源は、0.5~200mm、例えば2~100mmの範囲から選択された相互の光源距離(d1)にある。
【0173】
さらに異なるさらなる実施形態において、生物汚損システムは複数のLEDを備え、LEDは、UV放射光を生成するように構成され、LEDは、LEDダイを備え、近接したLEDのLEDダイは、0.5~200mmの範囲から選択された相互の光源距離(d1)にある。
【0174】
既にここまでに示されているように、システムは、複数の光源をさらに備えてよく、各光源は、主に放射光出口窓の一部に向けられる。
【0175】
したがって、特にシステムは、生物防汚システムである。実施形態において、生物防汚システムは、シート様光出力デバイスなどの導波路要素を備え、さらなる特定の実施形態において、光源は導波路要素に埋設される。特に、導波路要素は水密性である。本明細書において、「水密性」という用語は、特定の実施形態において、国際防水等級マークIPx5以上、例えばIPX6、例えば特にIPx7(最大1mの深さへの浸漬)、さらには特に、IPx8(1m以上の深さへの浸漬)を表してよい。xの値は、特に少なくとも4、例えば少なくとも5、例えば6である。
【0176】
上述のように、実施形態において、UV出射要素は、(i)外面の一部、及び(ii)外面の一部に近接した水のうちの1つ又は複数を(照射段階中に)UV放射光を使用して照射するように構成される。「一部」という用語は、例えば船殻又は水門(扉)などの物体の外面の一部を表す。しかし「一部」という用語は、船殻又は水門の外面などの外面の実質的に全体も表してもよい。特に、外面は、1つ又は複数の光源のUV光を使用して照射される、又は1つ又は複数のUV出射要素のUV放射光を使用して照射される複数の部分を含んでよい。各UV出射要素は、1つ又は複数の部分を照射してよい。さらに、任意選択的に2つ以上のUV出射要素のUV放射光を受光する部分が存在してよい。
【0177】
概して、特に水に関連した(例えば海洋の)用途を表す場合、2つの主な実施形態が区別される。実施形態のうちの1つは、少なくとも照射段階中に、光源とUV出射要素との間の海水などの水(又は、水線より上方の場合は空気)とともに、外面の一部がUV放射光を使用して照射されることを有する。このような実施形態において、その部分は特に物体の「元の」外面に含まれる。しかし、さらに異なる別の実施形態において、「元の」外面は、物体(例えば船舶の船殻)の「元の」外面に付着させられたモジュール、特に比較的平らなモジュールを使用して拡張されてよく、これにより、モジュール自体が外面を実際に形成する。例えば、このようなモジュールは船舶の船殻に結び付けられてよく、これによりモジュールが外面(の少なくとも一部)を形成する。両方の実施形態において、UV出射要素が特に放射出口面を備える(さらに以下を参照されたい)。しかし、特にUV出射要素が外面の一部を提供する後述の実施形態では、このような放射光出口窓が、(第1の部分として)その部分を提供してよく(放射光出口窓が実質的に一致してよく、特に同じ表面であってよい)。
【0178】
したがって、一実施形態において、UV出射要素は、外面に付着させられる。さらに異なるさらなる特定の実施形態において、生物防汚システムの放射光出口窓は外面の一部として構成される。したがって、実施形態のうちのいくつかにおいて、物体は船殻を備える船舶を備えてよく、UV出射要素は船殻に装着される。「放射光出口窓」という用語は、複数の放射光出口窓を表してもよい(以下も参照されたい)。
【0179】
両方の概括的な実施形態において、UV出射要素は、外面の一部に近接した水を(照射段階中に)UV放射光を使用して照射するように構成される。モジュール自体が外面を実際に形成する実施形態において、UV出射要素は、モジュール自体が実際に外面の一部であるので外面の一部を、及び、任意選択的にさらに外面の一部に近接した水を、(照射段階中に)UV放射光を使用して照射するように少なくとも構成される。これにより、生物汚損が防止及び/又は低減される。
【0180】
一実施形態において、汚損からきれいに維持される被保護面のうちの大幅な部分、好ましくは被保護面、例えば船の船殻の全体が、殺菌光(「防汚光」)、特にUV光を出射する層によりカバーされる。
【0181】
さらに異なる別の実施形態において、UV放射光(防汚光)は、ファイバーなどの導波路を介して保護される表面に提供される。
【0182】
したがって、一実施形態において、防汚ライティングシステムが光学媒体を備えてよく、光学媒体が汚損面にUV放射光(防汚光)を提供するように構成された導波路、例えば光ファイバーを備える。例えば導波路の表面であって、その表面からUV放射光(防汚光)が逃げる表面は、本明細書において出射面としても示される。概して、導波路のこの部分は、少なくとも一時的に沈められてよい。出射面から逃げるUV放射光(防汚光)に起因して使用中に液体(例えば海水)に少なくとも一時的にさらされる物体の要素が照射されることにより防汚されてよい。しかし、出射面自体も防汚されてよい。この効果は、以下で説明される光学媒体を備えるUV出射要素の実施形態のうちのいくつかにおいて使用される。
【0183】
光学媒体を含む実施形態は、WO2014188347においても説明されている。WO2014188347における実施形態は本明細書において説明される制御ユニット及び/又は水スイッチ及び他の実施形態と組み合わせ可能であるので、WO2014188347における実施形態も本明細書に参照により組み込まれる。
【0184】
上述のように、本発明は、水に関連した(例えば海洋の)用途以外の他の用途のために、例えば(ドア)ノブ、病院のカーテン、又は他の医療及び非医療用途などのためにも適用されてよい。
【0185】
上述のように、UV出射要素は、特にUV放射光出口窓を備えてよい。したがって、特定の実施形態において、UV出射要素はUV放射光出口窓を備え、UV出射要素は、特にUV出射要素のUV放射光出口窓より下流においてUV放射光を提供するように構成される。このようなUV放射光出口窓は光学窓であって、この光学窓を通して放射光がUV出射要素から逃げる光学窓であってよい。代替的に、又は追加的に、UV放射光出口窓は、導波路の表面であってよい。したがって、UV放射光は、UV出射要素において導波路内に結合され、及び導波路の面(の部分)を介して要素から逃げる。ここまでにも説明されるように、実施形態において、放射光出口窓は、任意選択的に物体の外面の一部として構成される。「逃げる」に対する別の用語は、「導出する」であり得る。
【0186】
特に、(ソリッドステート)光源は、少なくとも第1のUV放射光レベルと第2のUV放射光レベルとの間において制御可能であり、第1のUV放射光レベルは第2のUV放射光レベルより大きい(及び、第2のUV放射光レベルは第1の放射光レベルより小さく、又は、さらにはゼロであってよい)。したがって、一実施形態において光源は、(放射段階中に)オフにスイッチングされ得る、及び、オンにスイッチングされ得る。さらに、任意選択的にさらにUV放射光の強度は、段階的な、又は連続的なUV放射光強度制御などの、これらの2つの段階の間において制御されてよい。したがって、光源(したがって、そのUV放射光強度)が特に制御可能である。
【0187】
(水に関連した(例えば海洋の))実施形態において、生物防汚システムは、特に物体の一部に、又はこの一部に近接した水にUV放射光を提供するように構成される。これは、特に照射段階中にUV放射光が適用されることを意味する。したがって、任意選択的に、UV放射光がまったく適用されない期間がさらに存在してよい。(したがって)これは、例えばUV出射要素のうちの1つ又は複数の制御システムスイッチングに起因してよいだけでなく例えば既定の状況、例えば、日中及び夜、又は水温などにも起因してもよい。例えば、一実施形態において、UV放射光はパルス状の手法により適用される。
【0188】
したがって、特定の実施形態又は態様において、生物防汚システムは、汚損面又はそれに近接した水に防汚光(すなわちUV放射光)を提供することにより、使用中に少なくとも一時的に水にさらされる物体の汚損面における生物汚損を防ぐか、又は減らすように構成される。特に、生物防汚システムは、汚損面に光学媒体を介して防汚光を提供するように構成されてよく、UV出射要素は、UV放射光(防汚光)の少なくとも一部を受光するように構成された(ii)光学媒体をさらに備え、光学媒体は、UV放射光(防汚光)の少なくとも一部を提供するように構成された出射面を備える。さらに、特に光学媒体は、導波路と光ファイバーとのうちの1つ又は複数を備え、UV放射光(防汚光)は、特にUVB光とUVC光とのうちの1つ又は複数を含む。これらの導波路及び光学媒体は本明細書においてさらに詳細に説明されない。
【0189】
本発明の実施形態が添付の概略図を参照しながら例示としてのみ以下で説明され、図中、対応する参照符号が対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0190】
図1図1aから図1hは、いくつかの概括的な態様を概略的に示す図である。
図2図2aから図2fは、いくつかの実施形態を概略的に示す図である。
図3図3は、任意選択的に組み合わされて適用されるいくつかの変形例を概略的に示す図である。
図4図4aから図4eは、いくつかの変形例及び態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0191】
図は一定の縮尺とは限らない。
【0192】
図1aは、UV出射要素210を備える生物防汚システム200の一実施形態を概略的に示す。UV出射要素210は、UV放射光出口窓230を備える。UV出射要素210は、UV放射光221(防汚光)を提供するように構成された光源220を少なくとも部分的に囲む。本例において、例示として3つの光源220が描かれている。本例において、UV出射要素210は、UV出射要素210内に埋設された要素を含む導波路又は光導波路として構成される。したがって、光源220は、この概略的に示される実施形態において、導波路に埋設される。UV放射光出口窓230は、光源220のUV放射光221の少なくとも一部を透過するように構成される。UV放射光出口窓230は、本例において光源に向けられた上流窓側231と、下流窓側232とを備える。図1aにおいて、光導波路300又は光学媒体及び第1の層要素30を備える光導波路要素1300が概略的に描かれている。光導波路300は放射光出口窓230を備える第1の光導波路面301を備える。光導波路300は、特に第1の光導波路面301と、第2の光導波路面302により示された第1の光導波路面301の反対側の面を含むプレートである。それらの面間の距離は、参照符号h3により示される光導波路300の厚さ又は高さを規定する(長さ及び幅(図2eも参照されたい)は、高さよりはるかに大きいものである)。第2の面302は、反射層を含む。
【0193】
第1の層要素30は光学層310を備える。光学層310は第1の光導波路面301の少なくとも一部に接触している。光学層は、第1の光導波路面の少なくとも一部と物理的に接触している。特に、光学層310は、280nmにおいて1.36未満の第1の屈折率n1をもつ。さらに、光導波路300はUV放射光透過性光導波路材料305(例えばシリコーン)を備える。光学層310は光学層材料315を含む。この光学層材料315はUV放射光に対して特に透過性であるが、水より低い屈折率をもつ。この手法により、本層は、光導波路要素1300が水環境に適用されたとき、UV放射光からの導出を低減し、第1の光導波路面の他の部分における放射光の導出を増やす。光学層310は、下流窓側232に構成される。本例において、例示として光導波路300は光学構造物7を備える。これらは、光導波路内にあり、又は、光導波路300の面にある。光学構造物7は、UV出射要素210から逃げるUV放射光221の均一な配光を提供するように構成される。本例において、光源220は、光導波路要素1300に含まれるものとして説明されているが、必ずこうなるわけではない(図2cも参照されたい)。
【0194】
光源220と組み合わされた光導波路要素1300は、例えば(被保護)面の防汚のためのライティングモジュールとして使用され得る。(したがって)このようなモジュールは、防汚光を生成するための少なくとも1つの光源、及び、光学媒体を通して防汚光の少なくとも一部を配光するための光学媒体を備え、光学媒体は、ライティングモジュールが被保護面内に、被保護面に、及び/又は被保護面付近に配置されたときに、被保護面から離れる方向に配光された防汚光を出射するための出射面を備える。出射面は、実質的に平面の表面である。出射面は、第1の層要素30を含むUV放射光出口窓230である/第1の層要素30を含む第1の光導波路面301である。
【0195】
図1b~図1dは、使用中に水2中に少なくとも部分的に沈められる物体10の実施形態を概略的に示し、水線13を参照されたい。物体10、例えば船舶又は水門(以下も参照されたい)は、特に、物体10、例えば船殻又は船殻の一部の表面11、例えば外面の一部111へのUV放射光221の適用のためのUV出射要素210を備える生物防汚システム200をさらに備える。本例において、2つの実施形態が示され、生物防汚システム200、又はさらには特にUV出射要素210が外面の一部であることにより、外面の一部を実際に形成し(図1a)、又は、UV出射要素210が外面を照射するように構成され、及び船の船殻などの外面の一部を形成するとは限らない(図1c)。例えば、物体10は、船舶1及びインフラストラクチャー物体15からなる群から選択される(以下も参照されたい)。特に図1bにおける基準400は、実施形態において生物防汚システム200の光源220を制御する制御システムを表す。
【0196】
UV出射要素210は、1つ又は複数の光源220を備え、したがって、特に、(i)外面11の一部111及び(ii)外面11の一部111に近接した水のうちの1つ又は複数を、照射段階中にUV放射光221を使用して照射するように構成される。前者の変形例は、図1cの実施形態に特に適用され、後者の実施形態は、図1b~図1cの両方の実施形態に特に適用される。しかし、UV出射要素210の表面、例えば外面が物体10の外面として構成される場合、もちろん、一部111自体がUV放射光21を使用して照射されることに留意されたい。
【0197】
したがって、UV出射要素210はUV放射光出口窓230を備え、UV出射要素210は、UV出射要素210のUV放射光出口窓230より下流にUV放射光221を提供するように構成される。
【0198】
上述のように、参照符号1により示される「船舶」という用語は、例えば、例えば図1dに概略的に示される、例えばボート又は船(図1dにおける参照符号10a)など、例えば帆船、タンカー、巡航船、ヨット、フェリー、潜水艦(図1dにおける参照符号10d)などを表す。参照符号15により示される「インフラストラクチャー物体」という用語は、特に、概して実質的に動かないように配置された、水に関連した用途、例えばダム/水門(図1dにおける参照符号10e/10f)、はしけ(図1dにおける参照符号10c)、石油採掘装置(図1dにおける参照符号10b)などを表す。
【0199】
図1eは、本例において例示として、統合された制御システム300及び統合されたセンサー310を含む生物防汚システム200の一実施形態をより詳細に概略的に示す。
【0200】
図1fは、(本例において船舶1の船殻21に結び付けられた)例示として複数のUV出射要素210を含む、例えば船舶の壁又はインフラストラクチャー物体の壁といった物体10の表面11、例えば外面を概略的に示す。代替的に、又は追加的に、複数の機能的に結合された、又は独立して機能する生物防汚システム200が適用されてよい。
【0201】
図1fはさらに、生物防汚システム200が(複数の光源を含む)複数のUV出射要素210、複数の放射光出口窓230、及び複数の一部111を備える実施形態を概略的に示し、複数の光源220が、複数の一部111に複数の放射光出口窓23を介してUV放射光221を提供するように構成され、複数の一部111が、物体10の異なる高さに構成され、制御システム300が、入力情報に応じて個々に光源220を制御するように構成される。例えば、一実施形態において、制御システム300は、水に対する外面11の一部111の位置に応じて、個々に光源220を制御するように構成される。
【0202】
図1gは、物体10の実施形態としての船舶1が複数の生物防汚システム200、及び/又は、複数のUV出射要素210を備えるこのような生物防汚システム200のうちの1つ又は複数を備える一実施形態を概略的に示す。例えば水(線)に対する、特定のこのような生物防汚システム200の高さ、及び/又は、UV出射要素210の高さに依存して、それぞれのUV出射要素210は、オンにスイッチングされる。
【0203】
図1hは、光源210、例えばUV LEDがグリッドとして配置された、及び、並列接続の直列接続により接続されたチキンワイヤの実施形態を示す。LEDは、はんだ付け、接着、又は、LEDをチキンワイヤに接続するための任意の他の知られた電気接続技術を通してノードに搭載され得る。1つ又は複数のLEDが各ノードに配置され得る。DC又はAC駆動部が実施され得る。ACが使用される場合、逆平行構成の2個のLEDが使用されてよい。当業者は、各ノードにおいて逆平行構成の1組より多くの2個のLEDの組が使用され得ることを理解する。チキンワイヤグリッドの実際の寸法、及びグリッドにおけるUV LED間の距離は、ハーモニカ構造を伸ばすことにより調節され得る。チキンワイヤグリッドは、光学媒体に埋設される。上述の、特に能動的防止用途が説明され、水との接触、センサーの信号などに依存して生物防汚システム200はオフにスイッチングし、又は、特定のUV出射要素210又は特定の光源220をオフにスイッチングする。しかし、代替的に、又は追加的に、さらに警告信号又はメッセージが人に危険性を警告するために使用される。
【0204】
図2aは、光学層310がパターン形成された光学層310である一実施形態を概略的に示す。1つ又は複数の第1の領域311は、第1の層厚h1をもつ光学層材料315を含む。1つ又は複数の第2の領域312は、0≦h2<h1の範囲内の第2の層厚h2もつ光学層材料315を含む。本例において、h2≠0である。異なる領域が、異なる光学層材料315又は同じ光学層材料を含んでよいことに留意されたい。特に第1の光導波路面全体が光学層310と物理的に接触している場合、光学層310はUV放射光透過性光学層材料315を含む。層の厚さ(h1、又はh1及びh2)は、最も近い光源までの距離に依存し、特に光源により近い場合、h1≠0であり、実施形態において光源から、より遠い場合、h2=0である。光学層を通した(すなわち高さh1(及び/又はh2)を通した)UV放射光の透過は、(すなわち光導波路300内に戻るように向けられていないUV放射光に対して)特に少なくとも10%、例えばさらには特に少なくとも20%、例えば少なくとも40%、例えば40~95%の範囲内、又はさらには、より高いものである。これは特に、第1の光導波路面301に実質的に直交する方向に(光導波路から離れる方向に、したがって、示される層高さh1(又は、存在する場合、h2)をもつ光学層を通って)伝播するUV放射光に適用された。
【0205】
さらに、本例において例示として、第1の領域及び第2の領域が示される。また、2つより多い異なる領域が適用されてよい。
【0206】
図2bは、実施形態の組み合わせを概略的に示す。特に、この図は多孔質光学層310を概略的に示す。光学層は、参照符号313により示される孔又は空洞を含む。これらは、ガス、例えば希ガス又は空気により充填される。さらに、第1の層要素30は、光学層310を備える、及び、光学層310の少なくとも一部に接触した第2の層320をさらに備える層スタック3を備える。実施形態において、第2の層320は、不透水性である。特に第2の層が第1の光導波路面全体を実質的にカバーする場合、第2の層320はUV放射光透過性光学層材料325を含む。上述のように、光学層は、例えば図2bに示されるように、第1の光導波路面全体にわたって構成されてよいが、他の実施形態において、例えば図1aに示される第1の光導波路面の一部のみにおいて利用可能であってもよい。
【0207】
図2cは、光源220が光導波路300の外部(左)に構成された、及び、光導波路300内に少なくとも部分的に構成された変形例を概略的に示す。光源220は光出射面227を備える。後者の変形例では、光出射面227が光導波路300内に構成される。
【0208】
図2dは、一実施形態を概略的に示す。光導波路300がUV放射光透過性液体305aにより充填された閉じた空洞350を備える。光導波路300は、この実施形態において特にシリコーンを含む第1の物質305bを含む。第1の物質305bは、空洞350を規定する。本例において、実際、光学層310は空洞350を規定する。UV放射光透過性液体305aは、例えば脱塩水を含んでよい。このような光導波路要素1300が生物防汚システムにおいて使用される場合、システムは、液体305aを動かす、例えば循環させるためのポンプを含んでよい。このようなポンプは、本明細書において言及されている制御システムにより制御されてよい。
【0209】
図2e及び図2fは、(実際に物体におけるコーティングである)例えばシリコーンプレートといった長尺プレート、又は、導水管様システムを含む光導波路300の2つの変形例を非常に概略的に示す。後者の直径はd2として規定される。直径の寸法は、光導波路300の高さh3に対して本明細書において規定されるものと実質的に同じである。前者の変形例に関連して、光導波路は、長さ又は幅より大幅に小さい高さ、例えば少なくとも5分の1の高さをもってよい。図2eにおいて、プレートの長さは参照符号l1により示され、幅は参照符号w1により示される。特に、w1/h3≧5であり、l1/h3≧5である。上面、本例では第1の光導波路面301(光学層示されていない)は、導出面として使用される。第1の光導波路面301の反対側の面は、参照符号302により示され、本例において底面である。この面は、反射体を含む。縁部303は光導波路300の外部にある光源を想定したとき、光UV放射光を光導波路300内に結合するために使用される。縁部が使用されず、及び/又は光源が光導波路300内に光出射面をもつ実施形態において、縁部303は反射材料を含んでよい。図2fにおける光導波路300の長さは、直径に直交しており、光導波路の延びる軸に沿っている。したがって、光導波路は、実施形態においてファイバーであってよい。
【0210】
図3は、層スタック500の一実施形態を概略的に示す。層スタック500は第1の層、特に第1のシリコーン層510を備える。この第1の層は、第1のシリコーン層510の厚さd1を規定する第1の表面511と第2の表面512とを含む。第1のシリコーン層510は、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である。したがって、この範囲から選択された波長をもつUV放射光が第1の表面511に当たったとき、第1の層510はUV放射光に対して透過性であるので、UV放射光の少なくとも一部、特に大幅な部分が第2の表面512から逃げることにもなる。したがって、この第1の層510は光導波路300としても示される。
【0211】
層スタックは、第1の層要素610及び第2の層要素620のうちの1つ又は複数を備える。本例において、両方の層要素を含む可能な実施形態のうちの1つが示されている。
【0212】
第1の層要素610は、第1の表面511の第1の側に構成される。第1の層要素610は、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である第1の表面511と化学結合(図示されていない)により、直接的に(又は第1の中間層を介して)結び付けられる。第1の層要素610は第1のシリコーン層510と組成において異なる第1の層1210を少なくとも備える。第1の層要素は、複数の層をさらに備え、複数の層のうちの少なくとも1つが第1の層と組成において異なる。概して、第1の層要素のすべての層が第1の層と組成において異なる。
【0213】
本例において、例示として、第1の層要素は、参照符号1211及び1212により示される2つの層を備え、層1211が第1の層510に化学結合され、層1212が層1211に(化学)結合される。第1の層要素610は、200~380nmの範囲から選択された1つ又は複数の波長を含むUV放射光に対して透過性である。層1211は、例えば薄いAl層を備え、層1212は、例えばFEP層を備える。
【0214】
第2の層要素620は、第2の表面512の第2の側に構成される。第2の層要素620は、直接的に(又は第2の中間層を介して)第2の表面512と化学結合(図示されていない)により結び付けられる。第2の層要素620は、第1のシリコーン層510と組成において異なる第2の層1220を少なくとも備える。第2の層要素は、複数の層をさらに備え、複数の層のうちの少なくとも1つが第2の層と組成において異なる。概して、第2の層要素のすべての層が第2の層と組成において異なる。
【0215】
層スタック(500)は第1のシリコーン層510に埋設された1つ又は複数の、特に複数のソリッドステート光源220をさらに備える。エネルギーは、外部電源及び/又は内部電源、例えば電池、太陽電池セルなどのうちの1つ又は複数を介して提供される。これらの電気部品は、明確であることを目的として図示されていない。
【0216】
したがって、図3は、光導波路要素1300及び生物防汚システム200のさらなる実施形態をさらに概略的に示し、独立して使用される、又は組み合わせて適用される複数の変形例が含まれる。
【0217】
例えば、この概略的に示される実施形態において光源220は、少なくとも部分的に、本例では実質的に完全に光導波路300に埋設される。したがって、光源が光出射面227を備え、光出射面227が光導波路300内に構成される。特に、光出射面は、ソリッドステート光源(220)のダイである。
【0218】
さらに、光導波路要素1300は、少なくとも1つの層、本例では例示として2つの層を備える第1のスタック30を備え、第1の層が光学層310であり、第2の層320が、例えば保護層として使用される。光学層310は、第1の光導波路表面301に接触する。参照符号325により示される光学層材料315及び第2の層材料は、UV放射光に対して特に透過性である。
【0219】
代替的に、又は追加的に、第3の層330として示される少なくとも1つの層、本例では例示として1つの層を備える第2のスタック130が利用可能である。層スタック、本例において第3の層130が第2の光導波路表面301に接触する。第3の層は第3の層材料335を備え、第3の層材料335は実施形態において光学層材料315と同一であってよいが、他の実施形態において実質的に反射性であってよく、及び/又は、他の実施形態において接着性であってよい。例えば、第3の層330は、光導波路要素1300を、より正確には物体の表面11に対して光導波路層300を配置するために適用される。
【0220】
光導波路300は第1の光導波路表面301を含む。第1の層要素30が利用可能である場合、光導波路要素1300の外面は、本例では実際に、本明細書において1301と表される外層の表面である。したがって、参照符号1301は、光導波路要素1300の外層を示す。放射光出口窓は、第1の光導波路表面301と外層1301との間における層(スタック)とみなされ得る。
【0221】
したがって、上層又は上ホイルが存在し、及び/又は、底層又は上ホイルが存在する。前者は、より広くには光学層として示され、又は、より広くには層スタックに含まれてよい。後者は、より広くには第3の層として示され、又は、より広くには第2の層スタックに含まれてよい。
【0222】
上ホイル/層は、特に機械的損傷から光キャリアを保護するために適用される。さらに、上ホイル/層は、UVCに対して十分に透過性である。
【0223】
光学層、又は(第1の)層スタックは、光キャリアの透過性を損なう望ましくない分子の化学物質の侵入からの保護を提供する。
【0224】
第2の層は、特に断裂に対する良い耐性をもつ。第2の層は、UVC光が表面に出射される前に、シリコーンを通してUVC光をさらに伝播させるために、シリコーンに比べてより低い屈折率をもつ。これは、シリコーン層が非常に薄い(≦2mm)場合、又は、シリコーンが非常に透光である場合に、より重要になる。この効果は、光キャリアと上ホイルとの間に、実施形態の光学層としてゾルゲル層を追加することによっても実現される(上記の内容も参照されたい)。
【0225】
底ホイルは、特に、光導波路内に向けて表面に戻すように光を反射するように適用されてよい。第3の層は、底側においてそれに他の層を付着させることを可能にする化学界面であってよく、例えばワイヤ及び電子機器を支持するリードフレームである。
【0226】
さらに第3の層は、UVC光が表面に出射される前にシリコーンを通してさらにUVC光を伝播させるために、シリコーンに比べて、より低い屈折率をもってよい。この効果は、光キャリアと第3の層との間に、実施形態の光学層として、ゾルゲル層を追加することによって実現されてもよい(上記の内容も参照されたい)。
【0227】
第2の層のための、又は第3の層のための、又は第2の層と第3の層との両方のための適切な材料は、PET(ポリエチレンテレフタラート)及びFEP(フッ素化エチレンプロピレン)の群から選択される。他の物質も可能である。代替的に、又は追加的に、第2の層のための、又は第3の層のための、又は第2の層と第3の層との両方のための適切な材料は、シリコーン材料から選択される(しかし、光導波路材料がシリコーンをさらに含む実施形態における光導波路材料とは異なる)。第2の層の材料と第3の層の材料とは異なる。
【0228】
図4a~図4eは、いくつかのさらなる態様を概略的に示す。
【0229】
図4aは、第1の層要素610と第2の層要素620との両方を含む一実施形態を概略的に示す。両方の層要素が例示として、それぞれ参照符号1210及び1220により示される1つの層を含む。
【0230】
図4bは、中間層615及び625がそれぞれ適用される一実施形態を概略的に示す。もちろん、これらのうちの1つのみが、第1の層要素610に含まれる第1の中間層615として、又は、第2の層要素に含まれる第2の中間層625として適用されてもよい。このような中間層を提供する例は、(界面における)プライマーの存在下において官能基により活性化された層に液体シリコーンを適用することである。これは、シリコーンと及び官能基を含む層との間の化学結合をもたらす。
【0231】
図4c及び図4dは、例示として、例えば第2の層要素620(図4c)又は第1の層要素(図4d)を一緒に提供する連続した層における不連続なアルミニウム層の両方と化学結合を生成する可能な実施形態のうちのいくつかを概略的に示す。アルミニウム層は、例えば気相を介して堆積させられる。第1の層510は、例えばCOOH基により官能基化され、Al層は、例えばNH基により官能基化される。互いに接触したとき、化学結合した層スタックが提供される。
【0232】
図4eは、層スタック500を提供するための本発明の方法の一実施形態を概略的に示すが、他の実施形態も可能である(上記の内容も参照されたい)。本方法は(a)直接的に、又は第1の中間層615を介して、シリコーン層510の第1の表面511と第1の層要素610とを化学結合させることにより結び付けることと、(b)直接的に、又は第2の中間層625を介して、シリコーン層510の第2の表面512と第2の層要素610とを化学結合させることにより結び付けることとのうちの1つ又は複数により、(i)第1のシリコーン層510と、(ii)第1の層要素610及び第2の層要素620のうちの1つ又は複数とを結合することを有する。本例において、本方法が物体10の表面11の少なくとも一部に層スタック500を提供することをさらに有する一実施形態がさらに示される。
【0233】
まず、実質的に透過性の材料の層が提供され、粒子状材料、例えばBaSO及び/又はBNが散乱を目的として提供される。この層は、例えばFEPである。FEP層は、官能基(図示されていない)により活性化され、(硬化していない)官能基化されたシリコーンが、参照符号1220により示されるさらなる層を提供するために、界面にプライマーを使用して、その上に提供されるが、これは第2の中間層625としても示される。したがって、官能基により活性化されてもよい提供された第2の層要素620及び第1の(シリコーン)層510は、スタック500を提供するために、界面にプライマーを使用して組み合わされる。本例において、第1の(シリコーン)層は光源220を備える。さらに、これは、保護層、例えば薄いAl層又はポリマー層と組み合わされる。この実施形態において第1の層要素610を提供するこの追加的な層は、参照符号1210により示される。
【0234】
特に、Lumisil400光導波路がキシレン環境にさらされて、実験作業が行われた。この実験は、100μmの厚さのプラズマ活性化されたFEPホイルを使用してコーティングされた、コーティングLumisil400を使用して繰り返された。さらに、このスタックは同じ手法によりキシレン環境にさらされた。保護されていないLumisilでは、経時的にUV透過率が下がりながら、キシレンがLumisil内に侵入する様子が見られた。これはUV吸収種の存在を示し、本例では例示としてキシレンが選択された。しかし、保護されたLumisilは、経時的にUV透過率の低下が実質的に見られず、このことはキシレンがFEP層を介してLumisil内に侵入しなかったことを示す。したがって、FEP層は、第1のシリコーン層への有機分子の進入に対する適切な保護体である。
【0235】
層がキシレンにさらされなかったが電気ケーブルに接触したことを除き、実質的に同じ実験が繰り返された。ポリマー遮蔽体が硬化させられた場合であっても、保護されていないLumisilが電気ケーブルから有機分子(例えば可塑剤)を吸着する様子が見られ、保護されたLumisilでは見られなかった。保護されていないLumisilの場合、物理的な接触のみで既に1日当たり数%の透過の低下を引き起こしたことから、効果はいくぶん強い。例えばFEPを使用した保護が、この問題を実質的に解決する。
【0236】
船殻、例えば鋼の船殻におけるスタックのいくつかの実施形態の例及び変形例が次の表に示される。
【0237】
【表1】
【0238】
「複数」という用語は、特に2つ以上を表す。
【0239】
本明細書において、例えば、「実質的にすべての光」又は「実質的に、~からなる」における「実質的に」という用語は、当業者により理解される。「実質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「すべての」などを使用した実施形態をさらに含んでよい。したがって、実施形態において、実質的にという形容詞が除去されてもよい。適用可能な場合、「実質的に」という用語は、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、さらには特に99.5%以上にも関連してよく、100%を含んでよい。「備える(含む、有する、もつ)」という用語は、「備える(含む、有する、もつ)」という用語が「からなる」を意味する実施形態も含む。「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前と後とにおいて言及される事項の1つ又は複数に関連する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という表現及び同様の表現は、項目1及び項目2の1つ又は複数を表してよい。「備える(含む、有する、もつ)」という用語は一実施形態において、「からなる」を表してよく、別の実施形態において、「少なくとも規定の種を含有し、任意選択的に1つ又は複数の他の種を含有すること」をさらに表してよい。
【0240】
さらに、本説明及び特許請求の範囲における第1の、第2の、第3のといった用語は、類似の要素を区別するために使用され、逐次的な、又は経時的な順序を説明するとは限らない。そのように使用される用語が適切な状況において互いに置換可能であること、及び、本明細書において説明される本発明の実施形態が本明細書において説明又は例示される順序と異なる他の順序での動作が可能であることが理解される。
【0241】
本明細書におけるデバイスは、特に動作中について説明される。当業者に明らかなように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されない。
【0242】
上述の実施形態が本発明を限定するのではなく例示すること、及び、当業者が添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計することが可能であることに留意されなければならない。特許請求の範囲において、括弧内に位置するいずれの参照符号も、請求項を限定すると解釈されてはならない。「備える(含む、有する、もつ)」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載された要素及びステップ以外の要素及びステップの存在を否定するわけではない。単数形の表現は、複数のこのような要素の存在を否定するわけではない。本発明は、いくつかの区別される要素を備えるハードウェアにより、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施されてよい。いくつかの手段を列挙したデバイスの請求項において、これらの手段のうちのいくつかが同じ1つのハードウェア物品により具現化されてよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているということが、利点を得るためにこれらの手段の組み合わせが使用不可能なことを示すわけではない。
【0243】
本発明は、本説明において説明される、及び/又は、添付図面に示される特定の特徴の1つ又は複数を備えるデバイスにさらに適用される。本発明は、本説明において説明される、及び/又は、添付図面に示される特定の特徴のうちの1つ又は複数を備える方法又は工程にさらに関連する。
【0244】
この特許において説明される様々な態様は、追加的な利点を提供するために組み合わされ得る。さらに、特徴のうちのいくつかは、1つ又は複数の分割出願のための基礎を形成し得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E