(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】受信機での制御メッセージ受信の改善
(51)【国際特許分類】
H04L 1/22 20060101AFI20230621BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20230621BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20230621BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20230621BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20230621BHJP
【FI】
H04L1/22
H04W72/20
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W72/0457 110
(21)【出願番号】P 2020543584
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2019053737
(87)【国際公開番号】W WO2019158664
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-10-09
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ゲークテペ・バリス
(72)【発明者】
【氏名】フェレンバッハ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ・コーネリアス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シーエル・トーマス
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-212598(JP,A)
【文献】特表2016-540408(JP,A)
【文献】Intel Corporation,Ultra-reliability for NR PDCCH[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1717381,2017年10月03日,[検索日:2018.07.13],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1717381.zip>
【文献】Intel Corporation,Satisfying ultra-reliability targets for NR PDCCH[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1710550,2017年06月17日,[検索日:2018.01.16],Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1710550.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/22
H04W 72/20
H04W 72/0446
H04W 72/0453
H04W 72/0457
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機であって、
前記受信機は、複数の受信機にサービスを提供する無線通信システムの送信機から無線信号を受信するように構成され、前記無線信号は、前記送信機によってサービス提供される前記複数の受信機
の少なくとも1つに対
する1つ以上の制御メッセージおよび前記1つ以上の制御メッセージの少なくとも1つに対する冗長制御メッセージを含むものであって、
前記受信機は、前記無線信号から制御メッセージを検出するように構成され、
前記制御メッセージの検出に応答して、前記受信機で既知の情報に基づいて、前記受信機は、前記情報によって示される前記無線信号の位置から信号を検出するように構成され、
前記受信機は、前記位置から検出された前記信号が前記検出された制御メッセージに対する冗長制御メッセージかどうかに基づいて、前記検出された制御メッセージが前記受信機を対象としているかどうかを決定するように構成され、
前記制御メッセージと前記冗長制御メッセージが前記無線信号の共通制御領域にある場合、前記情報は、前記共通制御領域で前記検出された制御メッセージに対する、または前記共
通制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示し、
前記制御メッセージが前記無線信号の第1の制御領域にあり、前記冗長制御メッセージが前記無線信号の第2の制御領域にある場合、前記情報は、前記第2の制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示す、受信機。
【請求項2】
前記無線信号が、前記送信機と前記受信機との第1のリンクを定義する、第1の無線信号、および前記送信機と前記受信機との第2のリンクを定義する、第2の無線信号を含むものであって、
前記共通制御領域は、前記第1および第2の無線信号の1つの一部であるか、または両方の無線信号の一部であり、
前記第1の制御領域は、前記第1および第2の無線信号の1つの一部であり、前記第2の制御領域は、前記第1および第2の無線信号のもう一方である、請求項1の受信機。
【請求項3】
前記オフセットが、時間および/または周波数および/または空間でのオフセットを定義するか、またはいくつかの制御メッセージ要素でのオフセットを定義し、各制御メッセージが、1つ以上の制御メッセージ要素から形成される、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項4】
前記受信機が前記情報で事前構成されるか、または前記情報が前記制御メッセージで示される、請求項1から3に記載の受信機。
【請求項5】
前記制御メッセージが、前記位置を明示的に示すか、または複数の事前構成された位置のうちの1つへの参照を含む、請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
前記無線信号が、前記制御メッセージの少なくとも1つのさらなる冗長制御メッセージを含み、
前記受信機が、前記無線
信号の少なくとも1つのさらなる位置からさらなる信号を検出し、前記位置から検出された前記信号および/または前記少なくとも1つのさらなる位置から検出された前記さらなる信号に基づいて、前記検出された制御メッセージが前記受信機を対象としていることを決定するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項7】
前記さらなる冗長制御メッセージが、
-増分冗長性を提供するための前記制御メッセージの特定の冗長バージョン、または
-前記制御メッセージのエラー修正コード、または
-前記制御メッセージの複製を含む、請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
前記冗長制御メッセージが、前記制御メッセージの第1の冗長バージョンを含み、それぞれのさらなる冗長制御メッセージは、それぞれのさらなる冗長バージョンを含む、請求項7に記載の受信機。
【請求項9】
前記無線信号の前記制御領域では、前記冗長制御メッセージおよび前記少なくとも1つのさらなる冗長制御メッセージが、前記受信機を対象としている制御メッセージに対してオフセットされ、
くし構造を定義するために時間で、または
nオフセット構造を定義するために周波数で、nは前記無線信号の冗長制御メッセージの数であり、または
ツリー構造を定義するために時間と周波数である、請求項6から8のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項10】
前記ツリー構造の子ノードでの信号の信号品質に基づいて、前記受信機が、
最高の主要性能指標、KPIを持つ前記ツリー
構造の復号化パスをたどるように構成され、それによって、k冗長バージョンのログk復号化試行のみを必要とする、請求項9に記載の受信機。
【請求項11】
前記ツリー構造がバイナリツリー構造であり、前記制御メッセージが、
前記バイナリツリー構造により
周波数領域、
時間領域または
空間領域に配置されるものであって、前記制御メッセージの2つ以上の冗長バージョンがそれぞれの子ノードに格納され、前記オフセットが、対応するルート/父ノードによって示される、請求項9または10に記載の受信機。
【請求項12】
前記無線信号が、ユーザ機器のような送信機から前記受信機へのサイドリンク、SL、通信の一部で、
前記制御メッセージはSCIメッセージを含み、
前記無線信号はサイドリンクフレームを含み、
前記サイドリンクフレームは、少なくとも1つの物理サイドリンク制御チャネル
、前記共通
制御領域、
前記第1の
制御領域または
前記第2の制御領域として
少なくとも1つのPSCCH領域を含み、前記
少なくとも1つのPSCCH領域は、それぞれがSCIメッセージまたは冗長SCIメッセージを搬送する複数のPSCCHを含み、
前記受信機は、前記制御メッセージのCRCと前記受信機のRNTIに基づくブラインド検出を使用して、前記無線信号と前記位置の前記信号から制御メッセージを検出するように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項13】
無線通信システムであって、
請求項1から12のいずれか一項に記載の1つ以上の受信機と、
1つ以上の送信機とを含み、
前記送信機は、無線通信システムの複数の受信機にサービスするように構成され、
前記送信機は、無線信号を提供するように構成され、前記無線信号は、前記送信機によってサービスを提供される前記複数の受信機
の少なくとも1つに対
する1つ以上の制御メッセージおよび前記1つ以上の制御メッセージの少なくとも1つに対する冗長制御メッセージを含む無線通信システム。
【請求項14】
無線通信システムの1つ以上の受信機を操作するための方法であって、
複数の受信機にサービスを提供する前記無線通信システムの送信機から無線信号を受信することで、前記無線信号は、前記送信機によってサービスが提供される前記複数の受信機
の少なくとも1つに対
する1つ以上の制御メッセージおよび前記1つ以上の制御メッセージの少なくとも1つに対する冗長制御メッセージを含むこと、
前記無線信号から制御メッセージを検出すること、
前記制御メッセージの検出に応答し、前記受信機で既知の情報に基づいて、前記情報によって示される前記無線信号の位置から信号を検出すること、
前記位置から検出された前記信号が前記検出された制御メッセージに対する冗長制御メッセージかどうかに基づいて、前記検出された制御メッセージが前記受信機を対象とすることを決定することを含み、
前記制御メッセージと前記冗長制御メッセージが前記無線信号の共通制御領域にある場合、前記情報は、前記共通制御領域で前記検出された制御メッセージに対する、または前記共
通制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示し、
前記制御メッセージが前記無線信号の第1の制御領域にあり、前記冗長制御メッセージが前記無線信号の第2の制御領域にある場合、前記情報は、前記第2の制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示す、方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに請求項14に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信ネットワークまたはシステムの分野に関し、より具体的には、超信頼性の高い通信を提供するシステムに関する。実施形態は、受信機またはユーザ機器、UEが、基地局または別のUEのような送信機から受信した制御メッセージが実際にこの特定のUEを対象とする制御メッセージであるかどうかを評価することを可能にするアプローチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、コアネットワーク102および無線アクセスネットワーク104を含む地上無線ネットワーク100の一例の概略図である。無線アクセスネットワーク104は、複数の基地局gNB
1からgNB
5を含むことができ、各々は、それぞれのセル106
1から106
5によって概略的に表される基地局を囲む特定のエリアにサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供するために提供される。基地局、BSという用語は、5GネットワークではgNB、UMTS/LTE/LTE-A/LTE-A ProではeNB、その他のモバイル通信規格では単にBSを指す。ユーザは、固定デバイスまたはモバイルデバイスであり得、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末またはモバイル端末(MT)と呼ばれ得る。さらに、無線通信システムは、基地局またはユーザ機器に接続するモバイルまたは固定のモノのインターネット(IoT)デバイスによってアクセスされ得る。モバイルデバイスまたはIoTデバイスは、物理デバイス、ロボットまたは車などの地上車両、有人または無人の航空機(UAV)などの航空機、後者はドローンとも呼ばれ、建物、およびそこに埋め込まれた電子機器、ソフトウェア、センサー、アクチュエーターなどのほか、これらのデバイスが既存のネットワークインフラストラクチャ全体でデータを収集および交換できるようにするネットワーク接続性も有するその他のアイテムまたはデバイスも含み得る。
図1は、5つのセルのみの例示的な図を示すが、無線通信システムは、より多くのそのようなセルを含み得る。
図1は、セル106
2にあり、基地局gNB
2によってサービスを提供される、ユーザ機器、UEとも呼ばれる2つのユーザUE
1およびUE
2を示す。別のユーザUE
3は、基地局gNB
4によってサービスを提供されるセル106
4に示されている。矢印108
1、108
2および108
3は、ユーザUE
1、UE
2およびUE
3から基地局gNB
2、gNB
4にデータを送信するため、または基地局gNB
2、gNB
4からユーザUE
1、UE
2、UE
3にデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表す。さらに、
図1は、セル106
4の2つのIoTデバイス110
1および110
2を示しており、これらは固定デバイスまたはモバイルデバイスであり得る。IoTデバイス110
1は、矢印112
1によって概略的に表されるように、基地局gNB
4を介して無線通信システムにアクセスし、データを送受信する。IoTデバイス110
2は、矢印112
2によって概略的に表されるように、ユーザUE
3を介して無線通信システムにアクセスする。それぞれの基地局gNB
1からgNB
5は、例えば、S1インターフェースを介して、それぞれのバックホールリンク114
1から114
5を介して、コアネットワーク102に接続されてもよく、これらは「コア」を指す矢印によって
図1に概略的に表されている。コアネットワーク(CN)102は、1つ以上の外部ネットワークに接続されてもよい。さらに、それぞれの基地局gNB
1からgNB
5のいくつかまたはすべては、例えば、NRのS1またはX2インターフェースまたはXNインターフェースを介し、それぞれのバックホールリンク116
1から116
5を介して互いに接続されてもよく、これらは「gNB」を指す矢印によって
図1に概略的に表されている。
図1に図示する無線ネットワークまたは通信システムは、2つの異なるオーバーレイネットワークを有する異種ネットワーク、基地局gNB
1からgNB
5のような、マクロ基地局を含む各マクロセルを伴うマクロセルのネットワーク、およびフェムトまたはピコ基地局のような、スモールセル基地局(
図1には示されていない)のネットワークによる可能性がある。
【0003】
データ送信には、物理リソースグリッドを使用できる。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号がマッピングされるリソース要素または論理チャネルのセットを含むことができる。例えば、物理チャネルは、ダウンリンクおよびアップリンクペイロードデータとも呼ばれる、ユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンクおよびアップリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH)、例えばマスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)を搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えばダウンリンク制御情報(DCI)を搬送する物理ダウンリンクおよびアップリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH)などを含むことができる。アップリンクの場合、物理チャネルは、UEが同期してMIBおよびSIBを取得すると、ネットワークにアクセスするためにUEによって使用される物理ランダムアクセスチャネル(PRACHまたはRACH)をさらに含むことができる。別の例では、2つのUEが直接モード(D2D)で通信している。LTEネットワークでは、このインターフェースはPC5として定義される。ここで、物理チャネルは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)上で搬送されるサイドリンク制御情報(SCI)、および物理サイドリンクデータチャネル(PSDCH)を介して送信されるユーザデータを含む。
【0004】
物理信号は、基準信号(RS)、同期信号などを含み得る。リソースグリッドは、時間領域で、10ミリ秒のような特定の持続時間を有し、周波数領域で所与の帯域幅を有するフレームまたは無線フレームを含み得る。フレームは、所定の長さのある数のサブフレーム、例えば、1ミリ秒の長さを持つ2つのサブフレームを有することができる。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)の長さに応じて、6または7個のOFDMシンボルの2つのスロットを含み得る。フレームは、例えば、短い送信時間間隔(sTTI)またはほんの数個のOFDMシンボルのみからなるミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、より少ない数のOFDMシンボルで構成することもできる。
【0005】
無線通信システムは、直交周波数分割多重化(OFDM)システム、直交周波数分割多重化接続(OFDMA)システム、または他のいずれかのCPの有無にかかわらずIFFTベースの信号、例えばDFT-s-OFDMのような、周波数分割多重化を使用するいずれかのシングルトーンシステムまたはマルチキャリアシステムであり得る。複数のアクセスのための非直交波形などの他の波形、例えば、フィルターバンクマルチキャリア(FBMC)、汎用周波数分割多重化(GFDM)、またはユニバーサルフィルタードマルチキャリア(UFMC)が使用され得る。無線通信システムは、例えば、LTE-Advanced pro規格または5GまたはNR、New Radio、規格により、動作することができる。
【0006】
図1に示される無線通信ネットワークでは、無線アクセスネットワーク104は、それぞれがマクロ基地局とも呼ばれるプライマリ基地局を含むプライマリセルのネットワークを含む異種ネットワークであり得る。さらに、スモールセル基地局とも呼ばれる複数のセカンダリ基地局が、マクロセルのそれぞれに提供され得る。
【0007】
上記の地上無線ネットワークに加えて、非地上無線通信ネットワークも存在する。
図2は、コアネットワーク152および無線アクセスネットワーク154を含む非地上無線通信ネットワーク150の一例の概略図である。
図1の地上無線ネットワーク以外に、非地上無線ネットワーク150は、衛星のような複数の衛星搭載トランシーバ156、および/または無人航空機システムのような航空機搭載トランシーバ158を含む。それぞれの衛星搭載または航空機搭載のトランシーバ156、158は、上述の衛星または無人航空機システムのような、それぞれの宇宙船または航空機に実装されてもよい。トランシーバ156および158は、地上160またはその上方に提供される、
図2に示されるUEまたはIoTデバイス110のような1人以上のユーザにサービスを提供するために提供される。UEおよびIoTデバイスは、
図1を参照して上述されたようなデバイスであり得る。矢印158
1から158
4は、ユーザUE、110とそれぞれのトランシーバ156、158とでデータを通信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表す。トランシーバ156、158は、矢印162
1、162
2によって概略的に表されるように、コアネットワーク152に接続される。上述の非地上無線通信ネットワークまたはシステムは、例えば、LTE-Advanced Pro規格または5GまたはNR、New Radio、規格により、
図1を参照して上述した地上システムと同様に動作することができる。
【0008】
上述の無線通信ネットワークでは、様々なサービスを実装することができる。いくつかのサービスでは、超信頼性の高い通信、例えば、超信頼性の高い低レイテンシ延通信、URLLC、または信頼性の高い低レイテンシ通信、HRLLCサービスが必要になる場合がある。URLLCは超低レイテンシで高い信頼性を目標としているため、超低レイテンシサービスを実装するシステムは、ほんの数ミリ秒のラウンドトリップタイム、RTT、レイテンシ、例えば1ms RTTをサポートする。このような短いRTTレイテンシに対処するため、既知のアプローチでは、上述の短い送信時間間隔、sTTIを使用する。低減されたRTTはレイテンシの問題に対処するが、UEで受信した制御情報の信頼性に密接に関連する信頼性の問題がまだある。データチャネルを改善することは、例えばコードレートを下げることおよび/または変調と符号化スキームを適応させることにより、単純明快であり得るが、このことは制御チャネルではそれほど単純明快ではない。例えば、物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCHでサポートされる最低のコードレートは、PDCCHの実質的に固定された、柔軟性が低い構造のために制限される可能性がある。制御チャネルでの制御メッセージの受信に関しては、特に超信頼性の高いサービスまたはURLLCサービスの場合、欠落確率と誤検知確率が観察される。欠落確率は、制御チャネルでDCIメッセージなどの制御メッセージを見落とす確率であり、誤検知確率は、UE向けではない制御メッセージを誤って検出または識別する確率であり、例えば、検出された信号がUEのDCIメッセージではなかったにもかかわらず、有効なCRC(以下を参照)を生成するブラインド復号化プロセスの場合に発生する可能性がある。LTEテクノロジー(LTE、LTE-A、LTE-A Pro)の場合、後方互換性の理由により、URLLCサービスをより良くサポートするために異なるチャネル符号化スキームを選択することはできないことに留意されたい。これにより、既存のLTEユーザ端末との互換性が失われる。その上、本発明で提案される技術は、将来の無線規格、例えば、5G NRにも同様に適用可能なので、将来のセルラーテクノロジーの信頼性が強化され得る。
【0009】
無線通信ネットワークでのダウンリンク、DL、無線フレームは、特定のPDCCHが配置され得る場所または位置を定義するPDCCH領域を含む。PDCCH領域は、信号を受信するとUEによって検索される。各PDCCHは、ダウンリンク制御情報、DCIのような、制御メッセージを搬送し、それは、UE固有の無線ネットワーク一時識別子、RNTIによって識別される。RNTIは、例えば、DCIのCRC添付ファイルで符号化される。DCIのCRCは、C-RNTIのような、UE固有のRNTIでスクランブルされる場合がある。
図3は、異なる数の制御チャネル要素、CCEから形成される複数のPDCCHを有するPDCCH領域の一例を概略的に示す。送信されるDCIフォーマットのペイロードサイズとチャネル条件に応じて、基地局は、DCIパケットの送信に使用されるCCEの数を定義する適切な集約レベルを選択できる。NR(5G)では、制御メッセージはPDCCHにあり、1つ以上の制御チャネル要素、制御リソースセット内のCCE、CORESETを含む。
【0010】
図3からわかるように、PDCCH検索スペースは、基地局によってサービスが提供されるすべてのUEによって監視され得る、共通の検索スペース、および少なくとも1つのUEによって監視されるUE固有の検索スペースに分割される。各UEは、このUE専用の1つ以上のDCIパケットを見つけるために、PDCCH領域全体でブラインド復号化を実行する。DCIパケットは、例えば、今度のデータ送信中に使用されるリソースおよび他のパラメータを示す。
【0011】
上述したように、UEは、ブラインド復号化/ブラインド検出アプローチを含むPDCCH領域を検索することによって、その1つ以上のDCIパッケージを取得することができる。
図4は、特定のUEの1つ以上のDCIパッケージをPDCCH領域内で見つけるためのブラインド復号化プロセスを概略的に示す。
図4は、PDCCH検索スペースとも呼ばれる、PDCCH領域200を概略的に示す。5つのDCIパッケージDCI
1からDCI
5がPDCCH検索スペース200に示されており、適切なデコーダを含む特定のUEは、この特定のUEのDCIパケットを見つけるために有効なCRCについてPDCCH検索スペース200を検索する。
図4に図示するように、畳み込みデコーダはDCIパッケージDCI
2から、制御データとスクランブルされたCRCを含むデータを取得する。制御データとスクランブルされたCRCは分離され、スクランブルされたCRCはUE固有のRNTIを使用してデスクランブルされ、結果のCRCは制御データから計算されたCRCと照合され、結果のCRCと計算されたCRCの一致はDCIパッケージDCI
2が実際には制御メッセージを復号化したUEの制御メッセージであることを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述のブラインド復号化アプローチでは、誤った復号化によって一致が見つかり、PDCCH検索スペースにランダムなデータが生じる場合がある、すなわち、特定のUEのDCIメッセージを表さないデータは、有効な制御メッセージとして誤って検出される可能性があり、誤検知DCIとも呼ばれる。このような誤った復号化は、約
の確率で発生する可能性があり、ここで、MはUEによって実行されるブラインド検出の試行回数である。例えば、上述のような無線通信システムでは、そのような誤警報レートの確率は、非常に低く、約
である(例えば、3GPP TDOC R1-1719503:LTE URLLCの信頼性への設計影響を参照)。言い換えると、UEのような、受信機によって無線信号の制御領域から復号された制御メッセージが誤って復号化される可能性、すなわち、実際にはこのUEの制御メッセージではないのは、約
の確率である。基本的に、これは標準または通常の通信サービスの問題ではない。しかしながら、超信頼性の高い通信サービスでは、パケットエラーが10
-5と低い確率が必要になる場合があるため、約
の確率で検出された誤検知DCIは、誤検知DCIに基づき、別のUEの制御メッセージである可能性がある、UEとして問題を引き起こし、UEが、UEへのデータ送信が成功しない可能性があるように、UEのデータが受信されないリソースでデータ送信用に自らを構成する原因になる。これにより、例えば、後続のダウンリンクフレームでUEが正しいまたは真検知DCIを復号して、UEが正しいリソースで基地局からデータを受信するためのパラメータを設定できるようになるまで、追加の遅延が生じる可能性がある。明らかに、このような遅延は従来の通信サービスまたは標準の通信サービスでは問題にならない可能性があるが、超信頼性の高い通信を必要とするサービスでは、このような誤検知制御メッセージの復号化/検出により遅延が増える可能性がある。その上、この誤った処理は処理リソースを必要とするため、UEのバッテリー電力を消耗する。
【0013】
上記のセクションの情報は、本発明の背景の理解を高めるためだけのものであり、したがって、当業者にすでに知られている先行技術を形成しない情報を含む場合があることに留意していただきたい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
説明された先行技術から始めて、本発明の根底にある目的は、無線信号から検出された制御メッセージを受信機の有効な制御メッセージであると確実に決定するための改善されたアプローチを提供することである。
【0015】
この目的は、独立請求項で定義される主題によって達成され、有利なさらなる展開が係属中の請求項で定義されている。
【0016】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】地上無線通信システムの一例の示す概略図である。
【
図2】非地上無線通信ネットワークの一例の概略図である。
【
図3】異なる数の制御チャネル要素、CCEから形成される複数のPDCCHを有するPDCCH領域の一例を概略的に示す図である。
【
図4】特定のUEの1つ以上のDCIパッケージをPDCCH領域内で見つけるためのブラインド復号化プロセスを概略的に示す図である。
【
図5】本発明により動作する複数の送信機と複数のUEとで情報を通信するための無線通信システムの概略図である。
【
図6(a)】2つのPDCCH領域間のマッピング、およびUEがDCIと2つのPDCCH領域からの信号を組み合わせて、UEのDCIが有効かどうかを決定する方法を示す図であり、UEがDCIメッセージを有効なDCIメッセージとして受け入れるシナリオ示す図である
【
図6(b)】2つのPDCCH領域間のマッピング、およびUEがDCIと2つのPDCCH領域からの信号を組み合わせて、UEのDCIが有効かどうかを決定する方法を示す図であり、UEがDCIメッセージを誤検知DCIメッセージとして拒否するシナリオを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態により変更された既知のDCIフォーマット1メッセージに基づくDCIフォーマットメッセージを示す図である。
【
図8】DCIメッセージおよびその複製が同じPDCCH領域内にある一実施形態を示す図である。
【
図9(a)】制御領域に制御メッセージの複数の複製を配置するための実施形態を示す図であり、くし構造を示す図である。
【
図9(b)】制御領域に制御メッセージの複数の複製を配置するための実施形態を示す図であり、nオフセット構造を示す図である。
【
図10(a)】制御領域に制御メッセージの複数の複製を配置するための実施形態を示す、一ツリー構造である。
【
図10(b)】制御領域に制御メッセージの複数の複製を配置するための実施形態を示す、一ツリー構造である。
【
図11】共通の検索スペースでの3つの複製の復号化を示す図である。
【
図12】ユニットまたはモジュール、ならびに本発明のアプローチにより説明される方法のステップが実行され得るコンピュータシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を、同じまたは同様の要素に同じ参照符号が割り当てられている添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0019】
受信機、UEについて、本発明のアプローチにより、復号化UEの誤検知制御メッセージにつながる無線信号の制御領域からデータを誤って検出する問題に対処するために、DCIのような同じ制御メッセージの1つ以上の複製パケットが無線信号に含まれる。各制御メッセージは、例えば、上述のように、UEのC-RNTIによって一意に識別可能な場合がある。UEが制御領域で制御メッセージを検出すると、UEで既知の情報に基づいて、例えば、UEで事前構成されている情報に基づいて、または検出された制御メッセージから導出された情報に基づいて、UEは情報によって示される制御領域の位置から信号を読み取る。この信号に基づいて、UEは検出された制御メッセージを評価し、制御DCIメッセージが有効または無効か、例えば、復号化UEの真検知DCI(有効)または誤検知DCI(無効)メッセージであるかを決定する。例えば、検出されたDCIメッセージおよび信号は、組み合わせまたは相関され得、その結果、組み合わせられたメッセージまたは相関値に基づいて、検出されたDCIメッセージの有効性が評価され得る。
【0020】
上記の要約された本発明のアプローチを実施するために、以下に説明されるような受信機、送信機、無線通信ネットワークおよび方法が提供される。
【0021】
受信機
本発明は、受信機を提供するものであって、
受信機は、複数の受信機にサービスを提供する無線通信システムの送信機から無線信号を受信するように構成され、無線信号は、送信機によってサービス提供される複数の受信機に対して、複数の制御メッセージおよび制御メッセージの少なくとも1つに冗長制御メッセージを含むものであって、
受信機は、無線信号から制御メッセージを検出するように構成され、
受信機は、制御メッセージの検出に応答して、無線信号の別の位置から信号を検出するように構成され、
受信機は、他の位置から検出された信号に基づいて、検出された制御メッセージを受信機の特定の制御メッセージとして決定するように構成される。
【0022】
本発明は、以下を含む方法を提供する、すなわち、
複数の受信機にサービスを提供する無線通信システムの送信機から無線信号を受信することで、無線信号は、送信機によってサービスが提供される複数の受信機に対して、複数の制御メッセージおよび制御メッセージの少なくとも1つに冗長制御メッセージを含むこと、
無線信号から制御メッセージを検出すること、
制御メッセージの検出に応答し、無線信号の別の位置から信号を検出すること、ならびに
他の位置から検出された信号に基づいて、検出された制御メッセージを受信機の特定の制御メッセージとして決定することである。
【0023】
実施形態によれば、検出された制御メッセージを特定の制御メッセージとして決定するために、受信機は、検出された制御メッセージと他の位置から検出された信号とを組み合わせるか相関させるように構成される。
【0024】
実施形態によれば、受信機は、
検出された制御メッセージと他の位置から検出された信号の組み合わせが検出された制御メッセージの信号品質以上の信号品質を有する場合、および/または復号可能なメッセージを得る場合、検出された制御メッセージが特定の制御メッセージであると決定し、ならびに
検出された制御メッセージと他の位置から検出された信号の組み合わせが検出された制御メッセージの信号品質未満の信号品質を有する場合、および/または復号不可能なメッセージを得る場合、例えば、結果のシーケンスが第1のものと一致しない、および/またはCRCチェックに合格しない場合、検出された制御メッセージが特定の制御メッセージではないと決定するように構成される。
【0025】
実施形態によれば、受信機は、
検出された制御メッセージと他の位置から検出された信号との相関により、所定の値以上の値が得られた場合、検出された制御メッセージが特定の制御メッセージであると決定し、および
検出された制御メッセージと他の位置から検出された信号との相関により、所定の値未満の値が得られた場合、検出された制御メッセージが特定の制御メッセージではないと決定するように構成される。
【0026】
実施形態によれば、冗長制御メッセージは、
-増分冗長性を提供するための制御メッセージの特定の冗長バージョン、または
-制御メッセージのエラー修正コード、または
-制御メッセージの複製を含む。
【0027】
実施形態によれば、
制御メッセージと冗長制御メッセージが無線信号の共通制御領域にある場合、他の位置は、共通制御領域で検出された制御メッセージに対する、または共通の制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示し、
制御メッセージが無線信号の第1の制御領域にあり、冗長制御メッセージが無線信号の第2の制御領域にある場合、他の位置は、第2の制御領域の境界に対する時間および/または周波数および/または空間領域のオフセットを示す。
【0028】
実施形態によれば、
無線信号は、送信機と受信機との第1のリンクを定義する、第1の無線信号、および送信機と受信機との第2のリンクを定義する、第2の無線信号を含むものであって、
共通制御領域は、第1および第2の無線信号の1つの一部であるか、または両方の無線信号の一部であり、
第1の制御領域は、第1および第2の無線信号の一部であり、第2の制御領域は、第1および第2の無線信号のもう一方である。
【0029】
実施形態によれば、オフセットは、時間および/または周波数および/またはスペースでのオフセットを定義するか、またはいくつかの制御メッセージ要素でのオフセットを定義し、各制御メッセージは、1つ以上の制御メッセージ要素から形成される、例えば、制御チャネル要素(CCE)または集約レベル(AL)である。
【0030】
実施形態によれば、受信機は他の位置で事前構成されるか、または他の位置は制御メッセージで示される。
【0031】
実施形態によれば、制御メッセージは、他の位置を明示的に示すか、または複数の事前構成された位置のうちの1つへの参照を含む。
【0032】
実施形態によれば、
無線信号は、制御メッセージの少なくとも1つのさらなる冗長制御メッセージを含み、および
受信機は、無線の少なくとも1つのさらなる位置からさらなる信号を検出し、他の位置から検出された信号および/または少なくとも1つのさらなる位置から検出されたさらなる信号に基づいて、検出された制御メッセージを受信機の特定の制御メッセージとして決定するように構成される。
【0033】
実施形態によれば、さらなる冗長制御メッセージは、
-増分冗長性を提供するための制御メッセージの特定の冗長バージョン、または
-制御メッセージのエラー修正コード、または
-制御メッセージの複製を含む。
【0034】
実施形態によれば、冗長制御メッセージは、制御メッセージの第1の冗長バージョンを含むものであって、それぞれのさらなる冗長制御メッセージは、それぞれのさらなる冗長バージョンを含む。
【0035】
実施形態によれば、無線信号の制御領域では、冗長制御メッセージおよび少なくとも1つのさらなる冗長制御メッセージは、特定の制御メッセージに対してオフセットされ、
くし構造を定義するために時間で、または
nオフセット構造を定義するために周波数で、nは無線信号の冗長制御メッセージの数であり、または
ツリー構造を定義するために時間と周波数である。
【0036】
実施形態によれば、ツリー構造の子ノードでの信号の信号品質に基づいて、受信機は、最高の主要性能指標、KPIを持つツリーの復号化パスをたどるように構成され、それによって、k冗長バージョンのログk復号化試行のみを必要とする。KPIは、信号品質および/または他のパラメータに基づいて計算され得る。
【0037】
実施形態によれば、制御メッセージは、バイナリツリー構造により周波数領域、時間領域または空間領域に配置されるものであって、制御メッセージの2つ以上の冗長バージョンがそれぞれの子ノードに格納され、オフセットは、対応するルート/父ノードによって示される。
【0038】
実施形態によれば、受信機は、検出された制御メッセージが特定の制御メッセージであると決定されるまで、または所定の数の検出試行に達するまで、または所定のタイマーが切れた後に無線信号のさらなる位置の1つ以上から1つ以上のさらなる信号を検出するように構成される。
【0039】
実施形態によれば、受信機は、他の位置からの信号、および無線信号の少なくとも1つのさらなる位置からのさらなる信号を順次または並列に検出するように構成される。
【0040】
実施形態によれば、
無線信号は、基地局のような送信機から受信機へのダウンリンク、DL、通信の一部で、
制御メッセージはDCIメッセージを含み、
無線信号はダウンリンクフレームを含み、
ダウンリンクフレームは、少なくとも1つの物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCH、制御領域としての領域を含み、PDCCH領域は、それぞれがDCIメッセージまたは冗長DCIメッセージを搬送する複数のPDCCHを含み、および
受信機は、制御メッセージのCRCと受信機のRNTIに基づくブラインド検出を使用して、無線信号と他の位置の信号から制御メッセージを検出するように構成される。
【0041】
実施形態によれば、
無線信号は、ユーザ機器のような送信機から受信機へのサイドリンク、SL、通信の一部で、
制御メッセージはSCIメッセージを含み、
無線信号はサイドリンクフレームを含み、
ダウンリンクフレームは、少なくとも1つの物理サイドリンク制御チャネル、PSCCH、制御領域としての領域を含み、PSCCH領域は、それぞれがSCIメッセージまたは冗長SCIメッセージを搬送する複数のPSCCHを含み、および
受信機は、制御メッセージのCRCと受信機のRNTIに基づくブラインド検出を使用して、無線信号と他の位置の信号から制御メッセージを検出するように構成される。
【0042】
実施形態によれば、制御メッセージは、PDCCHに配置され、またはPSCCHは、1つ以上の制御チャネル要素、制御リソースセット内のCCE、CORESETを含む。
【0043】
送信機
本発明は送信機を提供するものであって、
送信機は、無線通信システムの複数の受信機にサービスするように構成され、および
送信機は、無線信号を提供するように構成され、無線信号は、送信機によってサービスを提供される複数の受信機に対して、複数の制御メッセージおよび制御メッセージの少なくとも1つに冗長制御メッセージを含む。
【0044】
本発明は、以下を含む方法を提供する、すなわち、
送信機によって無線通信システムの複数の受信機にサービスを提供すること、および
送信機によって、無線信号を送信することで、無線信号は、送信機によってサービスを提供される複数の受信機に対して、複数の制御メッセージおよび制御メッセージのそれぞれに冗長制御メッセージを含む。
【0045】
実施形態によれば、特定の受信機は、無線信号の別の位置からの信号に基づいて、無線信号から検出された制御メッセージを特定の受信機の特定の制御メッセージとして決定する。
【0046】
実施形態によれば、無線信号は、制御メッセージの少なくとも1つのさらなる冗長制御メッセージを含む。
【0047】
無線通信システム
本発明は、以下を含む無線通信システムを提供する、すなわち、
本発明による1つ以上の受信機、および
本発明による1つ以上の送信機である。
【0048】
本発明は、以下を含む方法を提供する、すなわち、
送信機によって無線通信システムの複数の受信機にサービスを提供すること、
送信機によって、無線信号を送信することで、無線信号は、送信機によってサービスが提供される複数の受信機に対して、複数の制御メッセージおよび制御メッセージのそれぞれに冗長制御メッセージを含むこと、
無線信号から制御メッセージを検出すること、
制御メッセージの検出に応答し、無線信号の別の位置から信号を検出すること、ならびに
他の位置から検出された信号に基づいて、検出された制御メッセージを受信機の特定の制御メッセージとして決定することである。
【0049】
実施形態によれば、無線通信システムは、
地上ネットワーク、または
非地上ネットワーク、または
航空機または宇宙船を受信機として使用するネットワークまたはネットワークのセグメント、または
それらの組み合わせを含む。
【0050】
実施形態によれば、
受信機は以下の1つ以上を含む、すなわち、
モバイルまたは固定端末、
IoTデバイス、
地上車両、
航空機、
ドローン、
建物、または
センサーまたはアクチュエーターのような無線通信システムを使用してアイテム/デバイスが通信できるようにするネットワーク接続性が提供されている他のいずれかのアイテムまたはデバイスであり、および
送信機は以下の1つ以上を含む、すなわち、
マクロセル基地局、または
スモールセル基地局、または
衛星またはスペースのような、宇宙船、または
無人航空機システム(UAS)、例えば、テザードUAS、空中UAS(LTA)よりも軽いもの、空中UAS(HTA)よりも重いもの、および高高度UASプラットフォーム(HAP)のような、空中ビークル、または
ネットワーク接続性が提供されたアイテムまたはデバイスが無線通信システムを使用して通信できるようにする任意の送受信ポイント(TRP)である。
【0051】
実施形態によれば、逆高速フーリエ変換、IFFTに基づく信号を使用するものであって、IFFTに基づく信号は、CPを伴うOFDM、CPを伴うDFT-s-OFDM、CPを伴わないIFFTに基づく波形、f-OFDM、FBMC、GFDMまたはUFMCを含む。
【0052】
コンピュータプログラム製品
本発明は、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、コンピュータに本発明による1つ以上の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0053】
本発明の実施形態は、上述のように、基地局のような送信機またはトランシーバ、およびモバイルまたは固定端末またはIoTデバイスのような受信機またはユーザを含む、
図1または
図2に図示された無線通信システムまたはネットワークに実装され得る。
図5は、基地局のような送信機201と、基地局201によってサービスを提供されるUEのような複数の受信機202、202’、202’’とで情報を通信するための無線通信システムの概略である。基地局201およびUE202は、無線リンクのような、無線通信リンクまたはチャネル204を介して通信することができる。基地局201は、1つ以上のアンテナANT
Tまたは複数のアンテナ要素を有するアンテナアレイ、および信号プロセッサ201aを含む。基地局201は、本明細書で説明される本発明の教示により動作することができる。UE202は、1つ以上のアンテナANT
Rまたは複数のアンテナ要素を有するアンテナアレイ、および信号プロセッサ202aを含む。
図5のそれぞれのUE202、202’および202’’は、本明細書で説明される本発明の教示により動作することができる。
【0054】
本発明のアプローチの一態様によれば、受信機202が提供される。受信機202は、例えば、そのアンテナANTRを介して、無線通信システムの送信機201から無線信号204を受信する。送信機201は、複数の受信機202、202’、202’’にサービスを提供する。無線信号204は、送信機201によってサービスを提供される複数の受信機202、202’、202’’に対して、複数の制御メッセージDCI1からDCIn、および制御メッセージDCI1-DCInの少なくとも1つに冗長制御メッセージDCI1’-DCIn’を含む。実施形態によれば、複数のまたはすべての制御メッセージに対して冗長制御メッセージを提供することができる。他の実施形態によれば、無線信号204は、例えば、本発明のアプローチにより動作していないレガシーUEまたは受信機のために、冗長制御メッセージが提供されない1つ以上の制御メッセージを含み得る。受信機202は、例えば、その信号プロセッサ202aを使用して、無線信号204から制御メッセージDCIを検出する。制御メッセージDCIの検出に応答して、受信機202は、無線信号の別の位置から信号を検出する。受信機202は、他の位置から検出された信号に基づいて、検出された制御メッセージDCIを受信機の特定の制御メッセージとして決定する。
【0055】
本発明のアプローチの別の態様によれば、送信機201が提供される。送信機201は、無線通信システムの複数の受信機202、202’、202’’にサービスを提供する。送信機201は、例えば、その信号プロセッサ201aを使用して、送信機201によってサービスを提供される複数の受信機202、202’、202’’に対して複数の制御メッセージDCI1-DCInおよび制御メッセージの少なくとも1つに冗長制御メッセージDCI1’-DCIn’を含む無線信号204を提供する。さらに送信機に関して、実施形態によれば、冗長制御メッセージが、複数またはすべての制御メッセージに対して提供されてもよいことに留意していただきたい。他の実施形態によれば、無線信号204は、例えば、本発明のアプローチにより動作していないレガシーUEまたは受信機のために、冗長制御メッセージが提供されない1つ以上の制御メッセージを含み得る。
【0056】
したがって、本発明のアプローチによれば、次ではDCIまたはDCIメッセージとも呼ばれる、同じ制御メッセージの所定の数の複製されたパケットが、同じUEに対して送信される。元のパケットおよび複製されたパケットは、例えば、時間領域で所定の持続時間を有し、周波数領域で複数の副搬送波にまたがる同じPDCCH領域で送信されてもよい。他の実施形態によれば、パケットおよびその複製バージョンは、異なるPDCCH領域で送信されてもよく、例えば、元のパケットは、周波数領域の第1の数のキャリアにわたる特定の持続時間の第1のPDCCH領域で送信されてもよく、一方、複製されたパケットは、時間領域で同じまたは異なる持続時間を有し、周波数領域でサブキャリアの異なるセットにまたがる第2のPDCCH領域で送信されてもよい。さらに他の実施形態によれば、第2のPDCCH領域は別の空間領域にあってもよく、例えば、第1のPDCCH領域は、基地局のような送信機の1つ以上の第1のアンテナから送信される送信の一部であってもよく、第2のPDCCH領域は、送信機の1つ以上の第2のアンテナから送信される送信の一部であってもよい。第2のPDCCH領域のコードワードは、スペース時間またはスペース周波数ブロックコードなど、任意の空間ダイバーシティ技術を使用して送信することができ、例えば、第1のPDCCH領域で送信された元のコードワードの複素共役または負の複素共役を利用するAlamouti符号化などのスキームを使用する。
【0057】
DCIメッセージの複製パケットは、冗長情報を含むが、元のDCIメッセージまたはDCIパケットよりも小さいかまたは等しいかまたはより大きいパケットサイズを有するパケットを含み得る。実施形態によれば、複製されたパケットは、同一のコンテンツを持ち、同じまたは異なる符号化スキームを使用するパケットの正確なコピーであり得、またはそれは、第1のパケットに関する冗長情報を含む元のパケットと同じまたは異なるサイズのパケットであり得る。例えば、冗長情報を含む場合、冗長制御メッセージは、増分冗長性を提供するために制御メッセージの特定の冗長バージョンを含むことができ、または当初送信された制御メッセージのエラー訂正コードを含むことができる。他の実施形態によれば、上述のように、関連する制御メッセージは、制御メッセージの複製であってもよい。
【0058】
本発明のアプローチは、重複したパッケージを送ることによって、誤検知検出確率を低下させる。例えば、検出されたDCIメッセージと無線信号の既知の位置で検出された信号とを組み合わせることができる。例えば、検出されたDCIメッセージと他の位置からの信号を組み合わせて組み合わせDCIメッセージにするとき、信号が検出されたDCIメッセージに関連するデータを表す場合、組み合わせDCIメッセージの信号品質は、検出されたDCIメッセージの信号品質よりも高くなり、検出されたDCIメッセージは、検出しているUEの真検知または有効なDCIメッセージと見なされる。一方、信号が検出されたDCIメッセージに関連するデータを表していない場合、組み合わせされた信号の信号品質は検出されたDCIメッセージの信号品質よりも低くなり、検出されたDCIメッセージは検出しているUEの誤検知または無効なDCIメッセージと見なされる。信号品質は、トレリスベース(Viterbiなど)または連続キャンセルベースのデコーダ、または信念伝播ベースのデコーダ、例えば、Sum-Product、Min-Sum、およびTurbo-Decoderの収束動作の関連するパス確率によって測定できる。
【0059】
他の実施形態によれば、DCIメッセージと他の位置からの信号を組み合わせDCIメッセージに組み合わせることが、有効なDCIメッセージを示す、復号可能なメッセージをUEで形成するかどうかを判断することができるが、組み合わせDCIメッセージがUEで復号可能でないことはUEの無効なDCIメッセージであることを示す。復号可能でないことは、誤検知DCIのCRCチェックとは対照的に、組み合わせされたメッセージのCRCチェックが無効であることを意味する。
【0060】
さらに他の実施形態によれば、例えば、元のDCIメッセージの複製を使用するとき、検出されたDCIメッセージと他の位置からの信号を組み合わせる代わりに、検出されたDCIメッセージと他の位置からの信号の相関が、実行され得る。例えば、所定のしきい値以上の高い相関値は、DCIメッセージと他の位置からの信号が同じDCIメッセージに関連しているため、DCIメッセージが真検知または有効であると判断されることを示すが、相関値が低い場合、例えば、所定のしきい値を下回っている場合は、DCIメッセージと他の位置からの信号が互いに関連していないため、検出されたDCIメッセージは、復号化UEの誤検知または無効なDCIメッセージであると見なされることを示す。
【0061】
さらなる位置から取得された信号が検出されたDCIメッセージの重複パケットを表すデータを含む場合、UEはDCIパケットまたは送信の両方を組み合わせて、例えば、大きなCRCを使用して新しいDCIフォーマットを導入することなく、例えば、より低いコードレートおよび周波数ダイバーシティを達成することができる。したがって、本発明のアプローチは、重複するパッケージを送信することによって、欠落確率を低くすることもできる。
【0062】
次に、本発明のアプローチの実施形態の上記の要約された機能を、2つのPDCCH領域間のマッピング、およびUEのDCIが有効かどうかを決定するために、UEがDCIとそれぞれの領域からの信号とを組み合わせる方法を示す
図6を参照して、より詳細に説明する。
図6(a)は、UEがDCIメッセージを有効なDCIメッセージとして受け入れるシナリオを示し、
図6(b)は、UEがDCIメッセージをUEのDCIメッセージではない誤検知DCIメッセージとして拒否するシナリオを示す。
図6では、元のDCIメッセージが第1のPDCCH領域200で送信され、複製バージョンが第2のPDCCH領域200’で送信されると想定される。他の実施形態によれば、DCIメッセージおよびその複製は、同じPDCCH領域で送信されてもよい。
図6(a)では、UEは、例えば、
図4を参照して上述した方法でPDCCH領域200のすべてのDCIメッセージのブラインド復号化を実行することによって、第1のPDCCH領域200からDCIメッセージ210を検出する。UEは、第1の領域200からの第1のDCIメッセージ210の検出に応答して、DCIメッセージ210の冗長バージョンまたは複製が位置する第2のPDCCH領域200’の第2の位置または領域212から信号を読み取る。UEは複製バージョンの位置212を知っているが、この部分での復号化は、例えば、チャネル上のノイズまたは干渉の点から見た悪い信号のために失敗する可能性がある。それにもかかわらず、DCIメッセージ210の複製に関連付けられたデータまたは情報を含むかまたは表すいくつかの信号が、位置または領域212から得られる。したがって、第1の領域200から検出されたDCIメッセージ210と第2の制御領域200’の領域212からの信号を組み合わせると、組み合わされたメッセージは、UEで復号可能になるか、または検出されたDCIメッセージ210の信号品質のみと比べると、増大する信号品質を有するようになる。したがって、UEは組み合わせDCIメッセージを、UEの有効なまたは真検知のDCIメッセージとして認識する。当然のことながら、DCIメッセージが検出および復号化できるPDCCH領域200’であり、PDCCH領域200のDCIメッセージではない場合、上述と同じアプローチが適用され、すなわち、領域200’から検出されたDCIメッセージが有効かどうかを引き続き決定できる。
【0063】
図6(a)では、それぞれのPDCCH領域200、200’のDCI210およびエリア212は、それぞれの領域の上部/下部境界からのオフセット位置に示され、UEは、UEにシグナリングされたオフセットのために、それぞれのPDCCH領域からのどのデータが組み合わせDCIメッセージ214に組み合わされるべきかを知っている。
【0064】
図6(b)は、UEが誤検知DCIメッセージを認識するシナリオを示す。UEは、PDDCH領域200から、実際にはUEを対象としていないDCIメッセージ216を誤って検出する。DCIメッセージ216の検出に応答して、UEは、既知のオフセットに基づいて、第2のPDCCH領域200’から領域212から信号を読み取る。検出されたDCIメッセージ216およびエリア212からの信号は、組み合わせDCIメッセージ214に組み合わせされる。しかしながら、UEが無線信号でのその重複DCIメッセージの位置で事前構成されている場合、エリア212での信号は、検出されたDCIメッセージ216とは異なるDCIメッセージに関連する。検出されたDCIメッセージ216に重複が見つかる可能性のある情報が含まれている場合、エリア212からの信号を検出しているUEは、重複したDCIメッセージが異なるUEのRNTIに関連付けられているため、この位置から意味のある情報をまったく検出できない。いずれの場合も、エリア212からの信号は、DCIメッセージ216に関連する情報をまったく提供しないため、DCIメッセージ216と組み合わされると、組み合わされたメッセージの信号品質は、DCIメッセージ216の信号品質よりも低くなるか、または組み合わせされたメッセージは復号できない場合があり、UEはDCIメッセージ216を誤検知DCIメッセージとして認識し、DCIメッセージを拒否する。
【0065】
図6(a)および
図6(b)を参照して説明された実施形態では、複製DCIメッセージは、DCIと組み合わされたとき、組み合わせDCIメッセージが有効であるかどうかに関する判断を可能にするいくつかの冗長情報を含むと想定されている。制御メッセージの複製を使用するとき、他の実施形態によれば、検出されたDCIメッセージ210、216および他の領域212からの信号との相関を行って、組み合わせDCIメッセージの有効性を決定することができる。
【0066】
上述のように、UEは、その複製または冗長DCIメッセージの位置を認識しており、基地局は、例えば、
図6に図示されるような方法でPDCCH領域200、200’の境界を参照してオフセットを構成することができる。UEは、他の送信に対するそのDCIメッセージの複製の送信の位置を認識している場合がる。オフセットのように、複製の位置は、例えば、RRCシグナリングを使用して事前構成することができる。例えば、
図6を参照して説明した実施形態を考慮すると、オフセットの事前構成により、ブラインド検出を使用してDCIメッセージを検出するUEは、冗長制御メッセージを探す位置を認識している。
図6(a)の実施形態では、UEが第1のPDCCH領域200’から有効なDCIメッセージを検出した場合、UEが既知の位置から検索することができる信号は、検出されたDCIメッセージにも関連付けられるのに対して、
図6(b)では、第2のPDCCH領域200’の位置212からの信号は、DCIメッセージ216に関連していない。
【0067】
さらに他の実施形態によれば、オフセットを事前構成するのではなく、DCIメッセージ自体が、オフセットのような位置についての情報を含むことができる。新しいDCIフィールドは、例えば、PDCCH領域の境界からのいくつかのCCEでの複製オフセットを示すDCIメッセージに含まれ得る。オフセットのサイズは、集約レベルと帯域幅によって異なる場合がある。
図7は、一実施形態により変更された既知のDCIフォーマット1メッセージに基づくDCIフォーマットメッセージを示し、第2のエントリまたはフィールドは複製オフセットを示す。他の実施形態によれば、CCEの数またはオフセットの別の指示がシグナリングされてもよく、またはUEで既知の複数の事前構成されたオフセットの1つを指すインデックスのように、特定の事前構成されたオフセットの指示が含まれてもよい。このアプローチは、DCIスケジューリングの柔軟性を高めながら、
図6を参照して前述したのと同じ効果を達成する。
【0068】
図8は、DCIメッセージおよびその複製が、例えば、DCIメッセージ自体に示され得るか、またはUEが事前構成され得る同じオフセットにより、同じPDCCH領域200内にある一実施形態を示す。
【0069】
他の実施形態によれば、本発明は、DCIメッセージの単一の複製パケットのみに限定されるのではなく、DCI冗長性は、n個の複製、n=1、2、3、…Nをシグナリングすることによってさらに強化され得る。可変または固定オフセットを持つ、
図9(a)に示すようにくし構造に、または
図9(b)に示すようにnオフセット構造に配置することができる。くし構造では、DCIの複製は時間または周波数領域のみのオフセットに配置できるが、nオフセット構造では、複製は時間と周波数のオフセットで配置できる。
【0070】
さらに他の実施形態によれば、n個の複製は、
図10(a)および
図10(b)に示されるようなツリー構造により配置されてもよい。制御メッセージは、バイナリツリー構造により、周波数領域、時間領域、または空間領域に配置されるものであって、元の制御メッセージはルートノードに格納され、制御メッセージの複数の冗長バージョンは、それぞれの子ノードに格納される。オフセットは、対応するルート/父ノードによって示されてもよい。ツリー構造の子ノードでの信号の信号品質に基づいて、受信機は、最高の主要性能指標、KPIを持つツリーの復号化パスをたどることができ、それによって、k冗長バージョンのログk復号化/検出のみを必要とするので、DCI内の検索スペースを制限することにより、UEのブラインド検索の速度を向上させる。
【0071】
実施形態によれば、UEは、それぞれのDCIメッセージおよびそれらの複製を順次検出または復号するか、またはUEの復号化能力/容量に応じてx≦n並列復号化プロセスを使用し、それに応じてDCIを組み合わせることによって、誤検知の検出をさらに減らすことさえできる。PDCCH領域内のツリー構造により冗長DCIを配置すると、これによって検索スペース内のDCIの検出速度がO(log n)に低下する場合があり、ここで、nは検索スペースのサイズであり、レイテンシ要件および復号化の成功に依存しており、
図11に概略的に図示されているように、UEはそれに応じて検索スペースを利用し、log nオフセットステップでブラインド検出/復号のみをチェックする場合がある。
【0072】
上述の実施形態によれば、無線信号は、基地局のような送信機から受信機へのダウンリンク、DL、通信の一部である。そのようなシナリオでは、制御メッセージはDCIメッセージであり得、無線信号はダウンリンクフレームを含み、ダウンリンクフレームは少なくとも1つの物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCH、制御領域としての領域、複数のPDCCHを含むPDCCH領域を含み、それぞれがDCIメッセージまたは冗長DCIメッセージを搬送し、受信機は、制御メッセージのCRCと受信機のRNTIに基づくブラインド検出を使用して、無線信号と他の位置の信号から制御メッセージを検出する。
【0073】
しかしながら、本発明のアプローチは、DL通信に限定されない。他の実施形態によれば、無線信号は、V2VまたはV2XまたはD2D通信で発生する可能性があるので、ユーザ機器のような送信機から受信機へのサイドリンク、SL、通信の一部であり得る。そのようなシナリオでは、制御メッセージはSCIメッセージであり得、無線信号はサイドリンクフレームを含み、ダウンリンクフレームは少なくとも1つの物理サイドリンク制御チャネル、PSCCH、制御領域としての領域、複数のPSCCHを含むPSCCH領域を含み、それぞれがSCIメッセージまたは冗長SCIメッセージを搬送し、受信機は、制御メッセージのCRCと受信機のRNTIに基づくブラインド検出を使用して、無線信号と他の位置の信号から制御メッセージを検出するように構成される。
【0074】
実施形態によれば、制御メッセージは、PDCCHまたはPSCCHHに配置され得、1つ以上の制御チャネル要素、制御リソースセット内のCCE、CORESETを含む。
【0075】
説明された概念のいくつかの態様は装置の文脈で説明されたが、これらの態様は対応する方法の説明も表すことは明らかであり、ここで、ブロックまたはデバイスは方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの文脈で説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたはアイテムまたは特徴の説明も表す。
【0076】
本発明の様々な要素および特徴は、アナログおよび/またはデジタル回路を使用するハードウェアで、ソフトウェアで、1つ以上の汎用または専用プロセッサによる命令の実行を通じて、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステムまたは別の処理システムの環境で実装されてもよい。
図12は、コンピュータシステム350の一例を示す。ユニットまたはモジュール、ならびにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つ以上のコンピュータシステム350で実行することができる。コンピュータシステム350は、専用または汎用デジタル信号プロセッサのような1つ以上のプロセッサ352を含む。プロセッサ352は、バスまたはネットワークのような通信インフラストラクチャ354に接続される。コンピュータシステム350は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ356、および例えば、ハードディスクドライブおよび/またはリムーバブルストレージドライブなどの二次メモリ358を含む。二次メモリ358は、コンピュータプログラムまたは他の命令がコンピュータシステム350にロードされることを可能にし得る。コンピュータシステム350は、ソフトウェアおよびデータがコンピュータシステム350と外部デバイスとで転送されることを可能にする通信インターフェース360をさらに含み得る。通信は、電子、電磁気、光、または通信インターフェースによって処理できる他の信号からのものであり得る。通信は、ワイヤーまたはケーブル、光ファイバー、電話回線、携帯電話リンク、RFリンクおよび他の通信チャネル362を使用することができる。
【0077】
「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、リムーバブルストレージユニットまたはハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム350にソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、メインメモリ356および/または二次メモリ358に格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース360を介して受信され得る。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム350が本発明を実装することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ352が、本明細書で説明されている方法のいずれかなどの本発明のプロセスを実装することを可能にする。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム350のコントローラを表すことができる。本開示がソフトウェアを使用して実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、リムーバブルストレージドライブ、通信インターフェース360のようなインターフェースを使用してコンピュータシステム350にロードされてもよい。
【0078】
ハードウェアまたはソフトウェアでの実装は、そこに電子的に読み取り可能な制御信号が格納され、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)デジタルストレージメディア、例えばクラウドストレージ、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリを使用して実行できる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であり得る。
【0079】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書で説明した方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0080】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを持つコンピュータプログラム製品として実装されてもよく、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するように動作する。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに格納されてもよい。
【0081】
他の実施形態は、機械可読キャリアに格納され、本明細書で説明した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、本明細書で説明した方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0082】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書で説明した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含み、それに記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書で説明した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、インターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。さらなる実施形態は、本明細書で説明した方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えば、コンピュータまたはプログラム可能なロジックデバイスを含む。さらなる実施形態は、本明細書で説明した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされているコンピュータを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、プログラム可能なロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書で説明した方法の機能のいくつかまたはすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書で説明した方法の1つを実行するために、マイクロプロセッサと協働し得る。一般に、方法は、好適には、任意のハードウェア装置によって実行される。
【0084】
上述の実施形態は、本発明の原理を単に例示するものである。本明細書で説明した構成および詳細の変更および変形は、当業者には明らかであることを理解していただきたい。したがって、すぐ後の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の説明および説明の目的で提示された特定の詳細によって限定されないことが意図されている。