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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】実験室温度調節装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230621BHJP
   C12M 1/02 20060101ALI20230621BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20230621BHJP
   B01L 7/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
C12M1/00 C
C12M1/02 B
C12M3/00 B
B01L7/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020554835
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2019058985
(87)【国際公開番号】W WO2019197418
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】18166337.8
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501186645
【氏名又は名称】エッペンドルフ・ソシエタス・エウロパエア
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf SE
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ヤン フィッツァー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アーベル
(72)【発明者】
【氏名】ゼレン メンシュ
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ ティマン
【審査官】馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】西独国特許出願公開第02259377(DE,A1)
【文献】特開平05-227942(JP,A)
【文献】特開2012-075373(JP,A)
【文献】特開2006-282332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
C12M 1/02
C12M 3/00
B01L 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室試料を温度調節して保管するための実験室温度調節装置(1)、特に細胞培養のためのインキュベータであって、
少なくとも1つのハウジング壁によって包囲されるハウジング内部空間を備えたハウジング(2)を有し、
実験室試料を収容するための、少なくとも1つのチャンバ壁によって包囲されたチャンバ内部空間を備えた、ハウジング内に配置された温度調節可能なチャンバ(3)を有し、
複数のスペース部材(30;30’;30”;40;40';20;20’)を有し、
前記スペース部材が前記ハウジング(2)及び前記チャンバ(3)に取り付け可能であって、
前記スペース部材が少なくとも1つの第1の結合セクション(31;41;21)を有し、前記第1の結合セクションによって前記スペース部材と前記ハウジングが結合されており、かつ
前記第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクション(32;42;22)を有し、前記第2の結合セクションによって前記スペース部材と前記チャンバが結合されているので、前記チャンバが前記複数のスペース部材によって前記ハウジングに対して離隔して保持され、
前記複数のスペース部材(30;30’;30”;40;40';20;20’)がそれぞれ15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料を使用して形成されており、
前記複数のスペース部材(30;30’;30”;40;40';20;20’)のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの切り欠き及び/又は少なくとも1つの中空室を有しており、及び/又は少なくとも部分的に多孔である、
実験室温度調節装置。
【請求項2】
前記複数のスペース部材のうちの少なくとも1つが、180℃の駆動温度を許容する高性能プラスチックを使用して形成されている、請求項1に記載の実験室温度調節装置。
【請求項3】
前記高性能プラスチックがポリフェニレンスルファイド(PPS)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、請求項2に記載の実験室温度調節装置。
【請求項4】
前記高性能プラスチックが、機械的強化のためにファイバー添加物、特にグラスファイバーを有している、請求項2又は3に記載の実験室温度調節装置。
【請求項5】
前記複数のスペース部材のうちの少なくとも1つが、プレート形状の構成部品である、請求項1から4のいずれか1項に記載の実験室温度調節装置。
【請求項6】
前記第1の結合セクションは、前記ハウジングに滑り移動するように支承され、及び/又は、前記第2の結合セクションは、前記チャンバに滑り移動するように支承されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の実験室温度調節装置。
【請求項7】
前記複数のスペース部材のうちの少なくとも1つが、複数のウェブ形状のセクションを有している、請求項1から6のいずれか1項に記載の実験室温度調節装置。
【請求項8】
少なくとも1つのウェブ形状のセクションが、前記第1の結合セクションと前記第2の結合セクションを結合し、かつ/又は少なくとも1つのウェブ形状のセクションが2つの前記第1の結合セクション又は2つの前記第2の結合セクションを結合する、請求項7に記載の実験室温度調節装置。
【請求項9】
前記ハウジングがハウジングフロント壁(2a)を有し、かつ前記チャンバがチャンバフロント壁(3a)を有しており、ハウジングフロント壁とチャンバフロント壁が第1のシール(12)によって互いに分離されており、前記シールがチャンバ開口部(3z)の回りを一周しており、
前記ハウジングのアウタードアが、第2のシール(14)を備えた内側を有しており、前記第2のシールは、アウタードアが閉鎖された状態において、第1のシールに接触し、かつチャンバ開口部の回りを一周する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の実験室温度調節装置。
【請求項10】
実験室温度調節装置、特に細胞培養用のインキュベータであって、
アウタードアとアウタードアによって閉鎖可能なハウジング開口部とを備えたハウジングを有し、前記ハウジング開口部がハウジングフロント壁内に形成されており、
前記ハウジング内に配置されて、チャンバ内側を包囲する、チャンバ開口部(3z)を備えたチャンバ(3)を有し、前記チャンバ開口部がチャンバフロント壁(3)内に形成されており、
前記ハウジングフロント壁(2a)と前記チャンバフロント壁(3a)が弾性的な第1のシール(12)によって互いに分離されており、前記第1のシールが前記チャンバ開口部(3z)の回りを一周しており、
前記アウタードア(4)が、第2のシール(14)を備えた内側(4)を有し、前記第2のシールが、前記アウタードアの閉鎖された状態において、前記第1のシール(12)に接触し、かつ前記チャンバ開口部(3z)のまわりを一周している、
実験室温度調節装置。
【請求項11】
前記第1のシールが最小の材料厚(d2)を有し、前記材料厚が、前記ハウジングフロント壁に対して垂直に測定して、前記ハウジングフロント壁と前記チャンバフロント壁の間の間隙の間隙幅(d1)よりも小さい、請求項10に記載の実験室温度調節装置。
【請求項12】
前記アウタードアが閉鎖された状態において、前記第2のシールが前記ハウジングフロント壁(2a)にも接触する、請求項10又は11に記載の実験室温度調節装置。
【請求項13】
前記第2のシール(14)が、前記アウタードア(4)の加熱された内側(4a)を前記アウタードアの外側から分離する、請求項10、11又は12に記載の実験室温度調節装置。
【請求項14】
実験室温度調節装置が複数のスペース部材を有し、前記スペース部材が少なくとも1つの第1の結合セクションを有し、前記第1の結合セクションによって前記スペース部材と前記ハウジングが結合されており、かつ前記第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクションを有し、前記第2の結合セクションによって前記スペース部材とチャンバが結合されているので、前記チャンバが前記スペース部材によって前記ハウジングから離隔して保持され、前記スペース部材がそれぞれ、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料を使用して形成されている、請求項10、11、12又は13に記載の実験室温度調節装置。
【請求項15】
実験室温度調節装置がインキュベータ(1)、特に細胞培養のためのCOインキュベータである、請求項1から14のいずれか1項に記載の実験室温度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標温度において実験室試料を保管するための実験室温度調節装置に関する。これは特に、培養細胞を生育させるためのインキュベータに関する。
【背景技術】
【0002】
実験室温度調節装置は、所定の目標温度において遮蔽された環境内で実験室試料を保管するために必要とされる。生物学及び医療用の実験室内で、インキュベータによって細胞培養内の細胞が管理された環境条件の下に保持されて、それによって試験管内で生きている細胞の育成が可能となる。そのために周囲から絶縁されたインキュベータチャンバの内部の雰囲気の温度とガス組成もしくは空気湿度がインキュベータの別体の装置によって所望の値に維持される。真核生物細胞は、CO2インキュベータ内で培養されなければならない。雰囲気は、所定のCO2含有量とO2含有量及び所定の空気湿度を有する空気によって形成され、適切な温度はしばしば37℃であって、その場合にこれらのパラメータは大体において調節可能である。細胞のためにそれぞれ必要とされる周囲条件を確実に保証するために、インキュベータチャンバ内の均質な温度分布もしくは均質な空調と外部の影響に対する外乱不感性が望ましい。
【0003】
この種の実験室温度調節装置は、温度調節すべき実験室試料を収容するためのチャンバを有しており、このチャンバは、通常、ハウジングの内部に配置されており、かつ少なくともセクション的に絶縁材料によってこのハウジングから分離されている。ユーザーが試料をハウジング内に、特にチャンバ内に保管し、かつ再び取り出す場合の、チャンバへのアクセスは、通常、チャンバ開口部もしくはハウジング開口部を介して行われ、その開口部はハウジングドアを用いて閉鎖可能である。従来技術の実験室温度調節装置の問題は、特にチャンバ開口部もしくはハウジング開口部の領域内に位置することがある、ハウジングとチャンバの間の結合箇所に、ヒートブリッジが形成され、それがチャンバ気候の望ましくない乱れをもたらし得ることである。インキュベータにおいては、ヒートブリッジの近傍のチャンバ内壁に凝縮物が形成されることが、観察されている。というのは、これらの箇所において熱が外部へ通じるヒートブリッジを介して局所的に引き出され、それが結合箇所の近傍の内壁の局所的な冷却と凝縮をもたらすからである。凝縮物の形成は、回避することが重要である。というのは、それが内部空間を汚し、かつ病原菌が繁殖の土台として用いられるからである。さらにヒートブリッジは、連続的なエネルギ損失をもたらす。しかし原則的に、実験室温度調節装置のより少ないエネルギ消費が志向される。実験室温度調節装置が冷却器具として形成されている場合も、同様な特性、したがって均質な温度分布、外乱不感性及びより少ないエネルギ消費が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、そのチャンバ内部空間が周囲から効率的に熱分離されている、改良された実験室温度調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこの課題を、それぞれ請求項1に記載の実験室温度調節装置と請求項10に記載の実験室温度調節装置によって解決する。他の技術的解決と好ましい形態が、明細書内で挙げられ、さらに他の好ましい形態が下位請求項の対象である:
特に細胞培養のためのインキュベータである、本発明に係る実験室温度調節装置は、実験室試料を温度調節して保管するために用いられ、かつ、少なくとも1つのハウジング壁によって包囲されるハウジング内部を備えたハウジング、ハウジング内に配置された、少なくとも1つのチャンバ壁によって包囲される、実験室試料を収容するためのチャンバ内部を備えた温度調節可能なチャンバ、複数のスペース部材を有し、その場合にスペース部材が少なくとも1つの第1の結合セクションを有し、その第1の結合セクションによってスペース部材とハウジングが結合されており、かつ、第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクションを有し、その第2の結合セクションによってスペース部材とチャンバが結合されているので、チャンバがスペース部材によってハウジングから離隔して保持され、その場合にスペース部材がそれぞれ、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料を使用して形成されている。
【0006】
スペース部材の熱伝導率が小さいことに基づいて、スペース部材は熱的な絶縁部材として作用する。それによってチャンバとハウジングの間の熱の流れは、チャンバとハウジングが金属の、したがってきわめて導通性の結合手段によって結合されている、従来の解決と比較して、著しく減少される。したがってチャンバとハウジングの間のヒートブリッジの形成は、最小限まで減少される。チャンバはスペース部材を介してハウジングに保持されるので、一方で、チャンバとハウジングの間の他の結合部材又は平面的な結合セクションを省くことができる、それらは望ましくないヒートブリッジを形成するものである。他方で、ハウジング内のチャンバの機械的な位置安定性は、スペース部材によって保証され、そのスペース部材の材料とその形状付与及び数は、この課題のために最適化可能であり、あるいは最適化されている。複数のスペース部材を準備することが、チャンバとハウジングの結合の熱伝導する横断面の削減を可能にし、他方ではチャンバとハウジングの間の機械的負荷を最適に分配する可能性を形成する。さらに、スペース部材をチャンバにかつ/又はハウジングに浮動支承するように整えられた少なくとも1つのスペース部材の選択によって、チャンバとハウジングの間の相対移動を可能にすることができ、それによって熱に基づく機械的応力が阻止される。
【0007】
熱伝導特性のよくないスペース部材を使用することによって、特に、実験室温度調節装置がCO2インキュベータとして形成されている場合に、チャンバ内部でチャンバ壁の、スペース部材によってハウジングと結合され、かつ熱の流出がローカルなヒートシンクとそれに伴ってローカルな凝縮発生地をもたらすことになる箇所における水蒸気の凝縮が阻止される。
【0008】
特に好ましくは、スペース部材は非金属の材料を使用して形成されている。この種の非金属の材料は、金属よりもずっと低い熱伝導率を有している。材料、特に非金属の材料の熱伝導率は、好ましくは10W/(mK)より小さく、好ましくは5W/(mK)より小さく、特に好ましくは2.5W/(mK)よりも小さい。
【0009】
特に好ましくは、スペース部材はプラスチックを有する材料を使用して形成されており、特にプラスチックからなる。プラスチックは、ファイバー又は充填材によって強化することができる。スペース部材は、複合材料からなることができる。プラスチックベースの材料は、金属よりもずっと小さい熱伝導率を有する。材料、特にプラスチックを含む材料の熱伝導率は、好ましくは2W/(mK)よりも小さく、好ましくは1W/(mK)よりも小さく、特に好ましくは0.8W/(mK)よりも小さい。特に好ましくは材料は高性能プラスチックであって、それは特に高温に耐え、かつ特に180℃から200℃の駆動温度を許容する。この種の温度は、インキュベータ内で、チャンバ内部を殺菌するための殺菌サイクルの間使用される。さらに高性能プラスチックは、冷蔵庫又は冷凍庫として形成された実験室温度調節装置内に存在する、きわめて低い温度にも耐える。特に好ましいことが明らかにされている材料は、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)及び充填されたポリブチレンテレフタレート(PBT)である。それらの機械的特性は、特にファイバー添加及び充填材によってさらに改良される。
【0010】
固体の熱伝導率は、原則的に温度に依存するパラメータである。本発明の明細書の枠内で、熱伝導率の記載は、標準的に20℃における測定に関する。熱的に絶縁する材料の熱伝導率は、特に工業規格DIN52612-1を使用して定められる。
【0011】
好ましくはスペース部材は、主として15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料からなる。好ましくはスペース部材は、完全に、あるいは実質的に完全に、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料からなる。
【0012】
好ましくはスペース部材は、少なくとも第1の結合セクションと第2の結合セクションとの間において少なくとも部分的に、特に第3のセクション内で、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料からなる。それによって、スペース部材内の熱の流れが完全に、あるいは実質的に完全に、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有するセクション、特に第3のセクションを介して行われることが、保証されている。
【0013】
第1と第2の結合セクションの間の熱的な分離は、材料特性「熱伝導率」に依存するだけでなく、スペース部材の幾何学的条件にも依存する。熱伝導体が理想的にまっすぐであり、もしくは熱的絶縁体が横断面Aと長さL及び熱伝導率λを有する場合に、熱の時間的変化、したがって温度差ΔTによってもたらされる熱流Q’は、
【数1】
によって与えられる。
【0014】
第1と第2の結合セクションの間の、熱が流れる区間が長くなるほど、それだけ熱流が小さくなり、かつそれだけ熱的な分離が改良され、この区間が短くなるほど、それだけ熱的な分離が悪化する。第1と第2の結合セクションの間の熱流の方向に対して横方向にスペース部材の横断面が小さくなるほど、それだけ熱流が小さくなり、かつそれだけ熱的な分離が改良され、この横断面が大きくなるほど、それだけ熱的な分離が悪化する。しかし、スペース部材の機械的負荷能力に対する要請に基づいて、これは任意に薄くかつ長く形成することはできない。本発明の好ましい形態に基づく解決は、スペース部材が、-与えられた大きさと形状において-少なくとも1つの切り欠き及び/又は少なくとも1つの中空室を有していることにある。この種の中空室もしくはこの種の切り欠きは、一方で第1と第2の結合セクションの間に小さい熱流を発生させ、他方では充分な機械的耐久性を有する、スペース部材を提供することを許す。
【0015】
第1の結合セクションは、スペース部材の、チャンバとハウジングがスペース部材によって結合される結合位置においてハウジングに配置され、かつそれと接触する、領域と見なされる。好ましくは第1の結合セクションはハウジングに支承され、特に滑り移動するように支承されている。第2の結合セクションは、スペース部材の、結合位置においてチャンバに配置され、かつそれと特に接触する、領域と見なされる。好ましくは第2の結合セクションは、チャンバに支承されており、かつ滑り移動するように支承することもできる。
【0016】
好ましくはスペース部材は、少なくとも1つの中空室及び/又は少なくとも1つの切り欠きを有している。好ましくはスペース部材は、第1と第2の結合セクションを結合する少なくとも1つのセクションを有し、それは特に第3のセクションと称される。この少なくとも1つの第3のセクションは、好ましくはウェブ形状であって、それによって熱流が減少され、かつ熱抵抗は大きい。ウェブの長手方向に沿って、このウェブは引っ張りと押しに機械的に良好に耐えることができる。好ましくは、第1と第2の結合セクションの間のウェブ形状のセクションは、特に第1と第2の結合セクションを結ぶ仮想の軸線に沿って、線形に方向づけされている。それによって軸方向における機械的負荷耐性(引っ張り及び/又は押し)は大きい。好ましくは第1と第2の結合セクションを結合する複数の第3のセクションが設けられている。
【0017】
好ましくは、スペース部材の第1及び/又は第2の結合セクションは、少なくとも1つの穴を有しており、その穴を用いてスペース部材はハウジング又はチャンバと結合可能である。特に、長穴として形成された少なくとも1つの穴を設けることができ、その穴は、ハウジング又はチャンバと結合される結合部材をスライド支承するように整えることができる。好ましくは金属ピン、特にボルトが設けられており、それが穴又は長穴を通って延びて、第1もしくは第2の結合セクションをハウジングもしくはチャンバと結合する。
【0018】
好ましくはスペース部材は、1つより多い第1及び/又は第2の結合セクションを有している。それによってチャンバ固定の機械的な力は、さらに効果的に分配することができる。
【0019】
好ましくはスペース部材は、プレート形状のセクションを有し、あるいはプレート形状である。プレート形状のスペース部材は、特にプレートの収容平面に対して平行な方向において、良好に機械的負荷をかけることができ、かつこの種の方向においては横断面が小さいので高められた熱抵抗を有し、それが熱的な分離のために望ましい。さらに、プレート形状の構成部品は平行な面に、特にチャンバ壁又はハウジング壁に、効果的に支承することができ、その場合にそれらの面は、プレート形状の構成部品の空間位置を安定させる。
【0020】
好ましくはスペース部材は、複数の、特に互いに結合されたウェブセクションを有しており、それらは特に少なくとも部分的に、チャンバがスペース部材と結合される結合セクションの方向に、方向づけされている。
【0021】
好ましくはスペース部材は、1つ又は複数の切り欠き、開口部又は中空室を有しており、かつ/又は少なくとも部分的に多孔である。
【0022】
好ましくは実験室温度調節装置は、少なくとも1つのスペース部材を有しており、そのスペース部材がハウジングのフロント壁及びチャンバのフロント壁と結合されている。好ましくは実験室温度調節装置は、複数のスペース部材を有しており、それらはチャンバの下方の領域内で、ハウジングと、特にハウジングのフロント壁と、かつチャンバと、特にチャンバのフロント壁と、結合されている。下方の領域は、特にチャンバの底側のフロント壁であり、それがスペース部材によってハウジングの底側のフロント壁と結合されている。「底側」というのは、「底壁の近傍」を意味し、底壁はチャンバ又はハウジングの下方の外側壁である。
【0023】
好ましくは実験室温度調節装置は、複数のスペース部材を有しており、それらがチャンバの上方の領域内でハウジングと、特にハウジングのフロント壁と、そしてチャンバと、特にチャンバのフロント壁と結合されている。上方の領域は、特にチャンバの天井壁であって、それがスペース部材によってハウジングの天井側のフロント壁と結合される。「天井側」というのは、「天井壁近傍」であって、天井壁はチャンバ又はハウジングの上方の外側壁である。
【0024】
好ましくは少なくとも1つのスペース部材が設けられており、そのスペース部材はスペース部材をチャンバ及び/又はハウジングに浮動支承するように整えられている。浮動支承がチャンバとハウジングの間の相対移動を許し、その相対移動が実験室温度調節装置内の熱による機械的な応力を阻止するために使用可能である。浮動支承は、特にスペース部材のしかるべき第1及び/又は第2の結合セクションのスライド支承を介して行われる。スライド支承は、特にしかるべき結合セクションが長穴を有し、その中でチャンバ又はハウジングのスライド部材が滑り移動し、同時に結合をもたらすことによって、行われる。
【0025】
本発明の第2の特別な視点によれば、実験室温度調節装置は以下のように構成されている:
本発明に係る実験室温度調節装置、特に細胞培養のためのインキュベータは、
アウタードアとアウタードアによって閉鎖可能なハウジング開口部とを備えたハウジングを有し、そのハウジング開口部がハウジングフロント壁に形成されており、
ハウジング内に配置された、チャンバ内部を包囲する、チャンバ開口部を備えたチャンバを有し、そのチャンバ開口部がチャンバフロント壁に形成されており、
その場合にハウジングフロント壁とチャンバフロント壁が第1のシールによって互いに分離されており、その第1のシールがチャンバ開口部の回りを一周しており、
その場合にアウタードアが、第2のシールを備えた内側を有しており、その第2のシールは、アウタードアの閉鎖された状態において、第1のシールに添接し、かつチャンバ開口部の回りを一周している。
【0026】
この種の本発明に係る実験室温度調節装置は、アウタードアが閉鎖された場合にチャンバドアとハウジングドアとの間に形成される間隙がハウジングと接触しない、という利点を有している。その理由は、アウタードアが閉鎖された状態において、第1のシールが隙間なしに接触することによって、第2のシールが間隙の側方を画成することである。したがって間隙内に含まれる、チャンバによって温められた空気混合気がハウジングの温度調節されない外側壁と接触すること、及びそれに伴って間隙とハウジングとの間に対流による熱移送は、不可能である。
【0027】
第1のシールと第2のシールは、好ましくはエラストマー材料から形成されており、それは、特に200℃までの高温に耐える。エラストマー材料は、特にエラストマープラスチック、特にシリコンプラスチック、特にプラスチック泡、好ましくはシリコン泡である。
【0028】
第1のシールは、ハウジングフロント壁とチャンバフロント壁を結合する。第1のシールは、ハウジングフロント壁に対して垂直に測定して、ハウジングフロント壁とチャンバフロント壁の間の最短の結合もしくは間隙幅よりも小さい、最小又は平均的な材料厚を有している。特に第1のシールの最小又は平均的な材料厚d2は、1cm、特に0.8cmより小さく、好ましくは0.2cmと1cmの間である。最短の結合は、特にハウジングフロント壁とチャンバフロント壁との間の間隙幅によって与えられる。間隙幅d1は、好ましくは1.0cmより大きく、かつ好ましくは1.2cmより大きい領域内、好ましくは1.0cmから2.0cmの領域内、好ましくは1.2cmと1.8cmの間の領域内、好ましくは1.2と1.6cmの間の領域内にある。しかし間隙は、もっと幅広であってもよく、したがって第1のシールもより幅広にすることができる。上述した好ましい形態(間隙幅の方向における最大の熱流区間及びこの方向に対して垂直の最小の熱伝導する横断面)によって、第1のシールの熱抵抗が最大となる。
【0029】
第2のシールは、好ましくは、アウタードアの近傍に位置する、一周する第1のシール領域を有しており、その第1のシール領域は、好ましくは第1のシール領域と一体的に結合された第2のシール領域よりも高い弾性係数を有しており、その第2のシール領域は特により柔らかく、かつアウタードアの閉鎖された位置において第1のシールの近傍に位置し、かつそれと接触する。アウタードアとハウジングの間のより柔らかいシール領域によって、アウタードアとチャンバドアの間の間隙がより良好に密閉され、さらにチャンバドアを閉鎖するために必要な力が減少されるので、ユーザーにとって操作がより容易になる。第1のシール領域は、好ましくはエラストマー、特にシリコンを使用して形成されており、第2のシール領域は、好ましくは発泡されたエラストマー、特にシリコン泡によって形成されている。
【0030】
本発明の第3の特別な視点によれば、実験室温度調節装置は以下のように構成されている:
本発明に係る実験室温度調節装置、特に細胞培養のためのインキュベータは、
アウタードアとアウタードアによって閉鎖可能なハウジング開口部とを備えたハウジングを有し、そのハウジング開口部がハウジングフロント壁に形成されており、
ハウジング内に配置されて、チャンバ内部を包囲する、チャンバ開口部を備えたチャンバを有し、そのチャンバ開口部がチャンバフロント壁に配置されており、
その場合にハウジングフロント壁とチャンバフロント壁が間隙によって分離されており、かつ
その場合にハウジングフロント壁の、チャンバ開口部の回りを一種する壁終端セクションがハウジング開口部を形成し、かつその場合にチャンバフロント壁がチャンバ開口部を取り巻くフランジを形成し、そのフランジが、チャンバ開口部の回りを一周する壁終端部分内で終了しており、
その場合にハウジングフロント壁の壁終端セクションとチャンバフロント壁の壁終端セクションが、それぞれ0.5mmと4.0mmの間の、好ましくは0.8mmと3.0mmの間の厚みを有しており、かつ互いに対向し、それによって間隙が形成される。
【0031】
この形態によって、ハウジングフロント壁の壁終端セクションとチャンバフロント壁の壁終端セクションとの間の熱放射による熱伝達が最小に抑えられ、かつチャンバとハウジングの間の熱的分離がさらに改良される。
【0032】
特にハウジングフロント壁の壁終端セクションとチャンバフロント壁の壁終端セクションは、チャンバ開口部の平面に対して垂直の投影方向に関して、重なることなしに配置されており、すなわちこの平面への両壁終端セクションの投影は、互いに交差しない。ハウジングフロント壁の特に平坦な壁終端セクションとチャンバフロント壁の特に平坦な壁終端セクションは、好ましくは同一の平面内に位置する。
【0033】
実験室試料を保管するための実験室温度調節装置は、特に実験室試料を温度調節するための温度調節キャビネットである。この種の機器は、電気的に駆動され、かつ電圧接続端を有している。
【0034】
温度調節キャビネットは、実験室試料の温度を調節し、すなわち温度調節キャビネットはハウジング内部及びそれに伴ってそこに保管する実験室試料を許容誤差の枠内で、温度閉ループ制御によって、特にユーザーによって調節可能な目標温度に維持する。目標温度は、加熱キャビネット又はインキュベータの場合がそうであるように、室温(周囲温度)の上とすることができ、あるいは冷蔵庫又は冷凍庫の場合がそうであるように、室温の下とすることができる。実験室温度調節装置が空調キャビネットとして形成されている場合には、好ましくはハウジングの内部を前もって支配している空調パラメータも許容誤差の枠内で閉ループ制御される。この空調パラメータは、空気湿度及び/又はガス濃度、たとえばCO2、O2及び/又はN2の濃度とすることができる。この種の空調キャビネットは、たとえば生きている培養細胞からなる実験室試料用のインキュベータである。
【0035】
実験室温度調節装置は、好ましくはハウジングを有している。ハウジングは、好ましくは外側のハウジングであって、そのハウジング壁が周囲と接触している。したがってハウジングドアは、外側のハウジングドアとすることができ、それが閉鎖位置において周囲に隣接する。
【0036】
ハウジングドアは、特に継ぎ手装置を有しており、その継ぎ手装置がハウジングドアをハウジングと揺動可能に結合する。この種の揺動ドアは、回転によって閉鎖位置と開放位置の間で移動される。継ぎ手装置は、-実験室キャビネット装置の規定どおりの使用において-特に直方体形状のハウジングの垂直に方向づけされた外側エッジに配置することができ、その外側エッジがハウジング開口部に隣接する。直方体形状のハウジングの底プレートは、実験室キャビネット装置の規定どおりの使用において水平に配置されており、ハウジングの側壁は特に垂直に配置されており、かつハウジングの天井プレートは特に底プレートに対向して水平に配置されている。
【0037】
しかしチャンバドア又はハウジングドアは、スライドドアであってもよく、そのスライドドアは並進運動によって開放された位置と閉鎖された位置の間で移動される。チャンバドア又はハウジングドアの揺動/並進運動の混合も、可能である。
【0038】
データ処理装置は、好ましくは、実験室温度調節装置の機能を制御する電気的な制御装置の構成要素である。制御装置の機能は、特に電子回路によって実装されている。制御装置は、データを処理するための計算ユニット(CPU)及び/又はマイクロプロセッサを有することができ、それがデータ処理装置を含むことができる。制御装置及び/又はデータ処理装置は、好ましくは制御方法を実施するように形成されており、その制御方法は、制御ソフトウェア又は制御プログラムとも称される。インキュベータ及び/又は制御装置の機能は、方法ステップにおいて記述することができる。それらは、制御プログラムの構成要素として、特に制御プログラムのサブプログラムとして、実現することができる。
【0039】
好ましくは、実験室温度調節装置は実験室温度調節キャビネット、特にインキュベータである。インキュベータは、実験室インキュベータであり、したがって種々の生物学的成長及び育成プロセスのための管理された空調条件を形成して、維持することができる、器具である。それは特に、インキュベータチャンバ内の閉ループ制御されるガス及び/又は空気湿度及び/又は温度の条件を有するマイクロ空調を形成して維持するために用いられ、その場合にこの操作は時間依存することができる。実験室インキュベータ、特に実験室インキュベータの操作装置は、特にタイマー、特にタイムスイッチ、加熱装置及び/又は冷却装置として形成された温度調節装置及び好ましくはインキュベータチャンバへ供給される交換ガスを閉ループ制御するための調節装置、インキュベータのインキュベータチャンバ内のガスの組成を調節するため、特にガスのCO2及び/又はO2及び/又はN2の含有量を調節するための調節装置及び/又はインキュベータのインキュベータチャンバ内の空気湿度を調節するための調節装置を有することができる。
【0040】
インキュベータは、特にインキュベータチャンバ(=チャンバ)を有しており、さらに好ましくは少なくとも1つの閉ループ制御回路を有する閉ループ制御装置を有し、その閉ループ制御回路に操作部材として少なくとも1つの温度調節装置が、そして測定部材として少なくとも1つの温度センサが対応づけられている。さらに、それぞれ実施形態に応じて、空気湿度自体は空気湿気センサ(rHセンサ)によって測定されず、かつ空気湿度は制御回路の入力量ではないが、空気湿気も閉ループ制御することができる。蒸発を介して空気湿度を調節するために、インキュベータチャンバ内の水を満たした槽を加熱し、あるいは冷却することができる。CO2インキュベータは、特に動物もしくは人の細胞を培養するために用いられる。インキュベータは、少なくとも1つの細胞培養容器を転向させるための転向装置及び/又は少なくとも1つの細胞培養容器を揺す振り、もしくは運動させるための揺す振り装置を有することができる。
【0041】
制御装置は、インキュベータのプログラムパラメータ又は制御パラメータが自動的に他のデータに従って選択されるように、整えることができる。インキュベータにおいては、制御パラメータによって制御される、少なくとも1つの細胞培養容器内の少なくとも1つの培養細胞の処理は、特に少なくとも1つの培養細胞が受ける空調処理に相当する。可能なパラメータ、特にプログラムパラメータ、特に空調処理の調節のために使用されるユーザーパラメータは、特に、少なくとも1つの試料がその中で培養されるインキュベータ空間の温度、インキュベータ内部空間内のO2及び/又はCO2及び/又はN2の相対ガス濃度、インキュベータ内部空間内の空気湿度及び/又は少なくとも1つのシーケンスパラメータを定め、そのシーケンスパラメータは複数の
ステップからなるインキュベーション処理プログラムのシーケンス、特に順序を調節し、あるいは定める。
【0042】
温度調節装置は、加熱装置/冷却装置の組合せとすることができる。それは、好ましくは単なる加熱装置である。この加熱装置は、特に電気的な抵抗ワイヤを介して熱を発生させることができる。
【0043】
実験室温度調節装置もしくはインキュベータは、正確に1つのチャンバを有することができるが、複数のチャンバを有することもでき、それらの雰囲気(温度、相対ガス濃度、空気湿気)は特に個別に、あるいはまとめて調節可能とすることができる。チャンバの内部の典型的な大きさは、50リットルと400リットルの間にあり、その場合に特別な適用(IVF)のためには、より小さいチャンバ大きさ、特に10から49リットルが可能である。
【0044】
本発明の枠内で挙げられた特徴及び請求項1に記載の本発明に係る実験室温度調節装置の好ましい形態は、第2又は第3の特別な視点に基づく本発明に係る実験室温度調節装置の形態についても、使用することができる。請求項1に記載の実験室温度調節装置も、第2又は第3の特別な視点に基づく本発明に係る実験室温度調節装置の特徴によって形成することができる。本発明に係る実験室温度調節装置の他の好ましい形態が、図に基づく実施例の説明から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1a図1aは、実施例に基づく本発明に係るインキュベータを、ハウジングドアの閉鎖された状態において示す側方-正面の斜視図である。
図1b図1bは、図1aのインキュベータを示す側方-背面の斜視図である。
図1c図1cは、図1aのインキュベータを、ハウジングドアを開放した状態で示す側方-正面の斜視図である。
図2a図2aは、図1aのインキュベータを、ハウジングドアを取り去って、側壁に対して平行かつインキュベータの中央を通って延びる平面に沿った横断面で示す、側方-正面の斜視図である。
図2b図2bは、図2aの詳細として、チャンバとハウジングの間のスペース部材として用いられる、インキュベータのアクセスポートを示している。
図3a図3aは、ハウジングフロント壁とチャンバ、ハウジングフロント壁とチャンバフロントシートとの間に配置されたスペース部材及びチャンバ背壁に配置された、図1aのインキュベータのアクセスポートの背面を示す斜視図である。
図3b図3bは、図3aに示される諸部分の側方-背側を示す斜視図である。
図4a図4aは、図3aに示す諸部分及び取り付け部材を有するハウジング背壁の一部の側方-背側を示す斜視図である。
図4b図4bは、図4aの配置に従って、スペース部材として用いられるアクセスポートを示す横断面図である。
図5a図5aは、図3aのインキュベータの下方の領域内のハウジングフロント壁とチャンバ及びそこでハウジングフロント壁とチャンバフロントシートの間に配置されているスペース部材の背側の一部を示す斜視図である。
図5b図5bは、図5aの一部として、そこの中央に取り付けられているスペース部材を示している。
図5c図5cは、図5bのスペース部材のチャンバ側の第2の結合セクションの横断面を示す斜視図であって、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図5bのラインL2に沿って延びている。
図5d図5dは、図5bのスペース部材のハウジング側の第1の結合セクションの横断面を示す斜視図であって、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図5bのラインL1に沿って延びている。
図5e図5eは、図5aの一部として、そこで図中左に示されるスペース部材を示している。
図5f図5fは、図5eのスペース部材のハウジング側の第1の結合セクションの横断面を示す斜視図であって、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図5eのラインL3に沿って延びている。
図5g図5gは、図5eのスペース部材を示す上面図である。
図5h図5hは、図5eに示すプレート形状のスペース部材の主要側を示す斜視図である。
図5i図5iは、図5hとは逆の、かつそこでは見えない、プレート形状のスペース部材の主要側を示す斜視図であって、その主要側は取り付けられた状態においてインキュベータのフロント側を向く。
図6a図6aは、図3aのインキュベータの上方の領域内のハウジングフロント壁とチャンバ及びそこにおいてハウジングフロント壁とチャンバフロント領域との間に配置されたスペース部材の背面の一部を示す斜視図である。
図6b図6bは、図6aのセクションとして、そこにおいて図の左に見られるスペース部材を示している。
図6c図6cは、図6bのスペース部材のチャンバ側の第2の結合セクションの横断面を示す斜視図であって、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図6bのラインL4に沿って延びている。
図6d図6dは、図6bのスペース部材のハウジング側の第1の結合セクションの横断面を示す斜視図であって、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図6bのラインL5に沿って延びている。
図6e図6eは、図6bのスペース部材を示す上面図である。
図6f図6fは、図6bに示すプレート形状のスペース部材の主要側を示す斜視図である。
図6g図6gは、図6fとは逆の、そこでは見られないプレート形状のスペース部材の主要側を斜めに見て示す斜視図であって、その主要側は取り付けられた状態においてインキュベータのフロント側を向く。
図7図7は、図1aの側方の横断面の一部を示しており、その場合に横断面はインキュベータの側壁に対して平行に延びており、かつインキュベータの上方のフロント領域を示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1aは、培養細胞を育成するための、インキュベータ1として形成された実験室温度調節装置1、ここでは真核生物細胞を育成するための、CO2インキュベータとして形成された実験室温度調節キャビネットを示している。インキュベータ1は、少なくとも1つのハウジング壁2によって包囲されたハウジング内部空間を備えたハウジング2と、少なくとも1つのチャンバ壁によって包囲された、実験室試料を収容するためのチャンバ内部空間を備えた、ハウジング内に配置された温度調節可能なチャンバ3(図2aを参照)とを有している。ハウジングの外側壁は、インキュベータの他のすべての構成部品を支持するように、互いに結合されている。ハウジングは、ベース8上に据えられている。規定どおりの使用において、ハウジングの側壁2cの外側、フロント壁2a、背壁2b及びハウジングドアの外側とその内側4a、並びにチャンバの側壁、チャンバフロント壁3a及びチャンバ背壁3bは、垂直に、したがって重力方向に対して平行に配置されている。したがってハウジングの上方の外側2dと見えない底側及びチャンバの底壁と天井壁は、水平に配置されている。本発明の説明の文脈において、「下方へ向かう」方向は常に重力の方向であって、規定どおりに駆動される実験室温度調節装置がそれを用いて方向づけされており、「上方へ向かう」方向は、逆の方向である。「前方へ向かう」方向は、閉鎖されたハウジングドアの前側に対して水平の方向であり、「後方へ向かう」方向は、インキュベータの後ろ側に対して水平の方向である。チャンバは特殊鋼から形成されており、ハウジングは塗装された金属シートから形成されている。
【0047】
ハウジングドア4は、ユーザーインターフェイス装置5を支持しており、それがここでは接触を感知するディスプレイを有しており、そのディスプレイはユーザーによって情報の読みだしと入力のために使用される。ハウジングドアは、2つの継ぎ手9を有しており、それらがハウジングドアをハウジング2と結合する。上方と下方のハウジング側の保持セクション7a及び上方と下方のハウジングドア側の保持セクション7bを有する磁気的なロック装置7を用いて、ハウジングドアが閉鎖された位置に保持される。ハウジングドアはドアグリップ6を有しており、そのドアグリップは上方と下方のハウジングドア側の保持セクション7bの位置においてハウジングドアと結合されており、かつ垂直に延びている。
【0048】
ハウジングフロント壁2aは、垂直に延びており、かつ同様に垂直に延びるチャンバフロント壁3a、すなわち前方へ向いた面及びここでは後方を向いた面とも整合しており、ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aは実質的に同じ平面内に位置する。図7を参照。
【0049】
図1cに示すように、ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aの間に弾性的なシール12が挿入されており、そのシールはそこで溝によって形状結合で保持され、その溝内へハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aの端縁が嵌入する。図7も参照。
【0050】
図1cにおいて、ハウジングドア4は開放して示されている。チャンバドア10は、継ぎ手15によってチャンバフロント壁3aに固定されており、かつ図示される位置において磁気的なハンドロック13によって閉鎖保持されるので、チャンバ内部空間はアクセスできない。しかし、チャンバドア10は透明なので、この位置においてユーザーは内部を見ることができる。チャンバドアは、チャンバドアの一周する弾性的なシールによってチャンバフロント壁に気密に保持される。ハウジングの内側4aは、一周する弾性的なシール14を有しており、そのシールはハウジングドアが閉鎖された状態においてハウジングフロント壁及びそこに一周するシール12に面一で添接し、かつチャンバドア10とハウジングドア4aの間の領域を気密に遮蔽する。
【0051】
図2aに部分的に見られるように、インキュベータは2つの温度調節装置を有しており、それらがチャンバ内部空間3を温度調節し、すなわちその温度を温度閉ループ制御によって調節する。そのために必要な構成部品18の一部が、ハウジング底壁2eとチャンバ底壁3eの間に配置されている。上方の発熱回路の発熱コイル(図示せず)が、チャンバ天井壁3dの外側及びチャンバ側壁の上方の領域、ここではチャンバの側壁3cの高さに沿った上約2/3と熱的にカップリングされ、かつ結合されている。下方の発熱回路の発熱コイル(図示せず)は、チャンバ底壁3eの外側及びチャンバ側壁の下方の部分、ここではチャンバの側壁3cの高さに沿った下約1/3と熱的にカップリングされ、かつ結合されている。
【0052】
チャンバとハウジングの間に、熱的な絶縁装置19が設けられている。その絶縁装置がチャンバとそれに添接する温度調節装置をハウジングから絶縁し、そのハウジングの外側は直接周囲と接続されている。インキュベータは、通常、18℃と28℃の間の外気温において作動する。温度調節装置もしくは温度閉ループ制御は、この領域内では特に効率的に作動する。絶縁装置は、グラスウールもしくはミネラルウールからなるU字状に屈曲された絶縁部材19bを有しており、その絶縁部材がチャンバ天井プレートと2つのチャンバ側壁3cを包囲する。それが底と背壁へ向かってPIR泡(ポリイソシアヌレート泡)からなる絶縁プレート19cに連通し、かつハウジングとチャンバのフロント側に対して一周するニードルフリース細片19aによって隔離されており、そのニードルフリース細片がハウジングフロント壁2a、チャンバフロント壁3a及びシール12に添接する。外側へ向かうチャンバの熱絶縁は、本発明に係る装置によって最適化される。
【0053】
ハウジング背壁2bに、背側に取り付けられたコンポーネントを覆うために二重のハウジング背壁16が固定されている。この背壁は、グリップ17を用いて取り外すことができる。
【0054】
図2bに詳細に示されるように、インキュベータはその背側に2つのアクセスポート20、20’を有しており、そのアクセスポートによってユーザーは、たとえば内部に配置されている測定器具を駆動するために、チャンバの背壁内の開口部20h、20'hを通してチャンバの内部へケーブルを敷設することができる。ポート20、20’は、ここではスペース部材としても用いられ、そのスペース部材がチャンバ3をハウジング2に対して間隔をおいて保持し、かつチャンバとその取り付け部分及び内容物の重量の一部を支持する。そのためにアクセスポートは円筒形状の構成部品20を有しており、その構成部品は15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料、ここではPPSからなる。これは、第2の結合セクションとして用いられるフランジ22を有しており、そのフランジがチャンバ背壁3bの内側に添接し、かつPPSからなる第1のねじリング20aによってチャンバ背壁3bに対して押圧される。円筒形状の構成部品20の外側を向いた端部21は、第1の結合セクションとして用いられ、それによってスペース部材20がハウジングに固定されている。そのために第3のねじリング20bと第2のねじリング20bが円筒形状の構成部品20上に螺合されるので、ハウジング背壁2bは第2と第3のねじリングの間に固定される。ねじリング20a、20b、20cを固定するために、円筒形状の構成部品20はそれに応じた外ねじを有している。スペース部材20’は、同様に構成されている。アクセスポートが必要とされない場合には、アクセスポートは熱絶縁する材料、たとえばシリコン泡からなる栓25によって塞がれる。
【0055】
本発明によれば、チャンバ3は複数のスペース部材によってハウジングに対して距離をおいて保持され、そのスペース部材は、ファイバー充填材によって強化されたPPSを使用することにより、15W/(mK)より小さい、ここではそれぞれ0.5W/(mK)の熱伝導率を有する。インキュベータは、複数のスペース部材30、30’、30”、40、40’、20、20’を有しており、その場合に1つのスペース部材が、スペース部材とハウジング2を結合する、少なくとも1つの第1の結合セクション31、41、21と、スペース部材とチャンバを結合する、第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクション32、42、22とを有している。
【0056】
図3aは、ハウジングフロント壁2aとチャンバ3、ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aの間に配置されたスペース部材30、30’、30”、40、40’及びチャンバ背壁3bに配置された、スペース部材としても用いられる、図1aのインキュベータのアクセスポート20、20’の背側を斜視図で示している。
【0057】
フロント側に設けられたスペース部材30、30’、30”、40、40’によって、ハウジングフロント壁2aと整合するチャンバフロント壁3aが間隔dに維持され、その間隔は一定で約14mmである。これは、チャンバ開口部を中心に延びる間隙29内にもたらされ、その間隙は熱絶縁するシール12によって満たされる。スペース部材30、30’、30”、40、40’は、本発明によれば、チャンバ及びその取り付け物の重量及びその最大許される充填重量の主要部分をインキュベータの寿命全体にわたって問題なく、かつ確実に支持することができるように、形成されている。フロント側のスペース部材の数は、結合の機械的、化学的及び熱的な負荷耐性に対する、かつ熱絶縁性に対する要請の共通部分から生じる。これらのパラメータは、一方で、適切な材料選択により、他方ではスペース部材の好ましい幾何学的構造によって調節することができる。
【0058】
スペース部材を特に射出成形方法によって一体的に形成する材料として、ここでは高性能プラスチック、特に高性能プラスチックからなるマトリクスを有する複合体、が選択されている。これは、ここではPPS GF40として、したがって40%のグラスファイバー添加物を有するPPSが選択されており、ここではそれはさらに25%のミネラル充填材の添加物を有している。それによって、220℃までの優れた耐熱性がもたらされる。これによって、チャンバを殺菌目的で180℃まで加熱することが、問題なく許され、それが最近のインキュベータに対する標準要請である。20℃において、特に20℃と60℃の間において測定された、上述したPPS材料の熱膨張は、グラスファイバーに対して長手方向に15*10-6-1であり、かつグラスファイバーに対して横方向においては30*10-6-1である。PPS材料の熱伝導率は0.5W/(mK)でしかなく、したがって高い熱抵抗が生じ、チャンバとハウジングの熱分離のために理想的である。ISO527に基づくPPS材料の抗張強度は、約150MPaである。
【0059】
フロント側のスペース部材の幾何学的構造は、収容すべき支持荷重に関して、かつ熱流を減少させるために、最適化されている。そのために特に、熱流を定める横断面がスペース部材30の第1と第2の結合セクションの間に位置する「第3のセクション」によって最小に抑えられ、他方では第3のセクションの最大化によって、熱流によって克服すべき間隔を得るようにされている。そのためにここでは、底側のスペース部材30、30’、30”は、-それぞれ構造的に等しい-複数のウェブ形状のセクション35a、35b、35c、35d、35eを有するように構成されており、それらが第1の結合セクション31を第2の結合セクションと結合する。
【0060】
フロント側のスペース部材30、30’、30”、40、40’は、ここでは実質的にプレート形状の構成部品であり、それが2つの対向する主要側、すなわち図5hもしくは図6fに見られるスペース部材の背側と、図5iもしくは図6gに見られるスペース部材の前側とを有しており、それらはプレート形状の構成部品の主要平面に対して平行に延びている。図5gと図6e内の図は、この主要平面に対して平行である。この主要平面に対して平行の、フロント側のプレート形状のスペース部材の横断面は、底側のスペース部材が等辺三角形に基づく場合に、実質的に三角形状の輪郭に従い、それによって効果的な力分配が生じる。チャンバは、底側のスペース部材30、30’、30”に圧力負荷をかけ、天井側のスペースは引っ張り負荷を受け、ここではチャンバはハウジングフロント壁の上側に懸架されている。
【0061】
底側のスペース部材30の第1の結合セクション31は、ここではビーム形状の領域31であり(図5iを参照)、その領域は取り付けられた状態においてハウジングフロント壁2aに接触し、かつ固定手段51、52、51’、52’によってハウジングフロント壁2aに対して支承されている。第1の結合セクション31は、互いに離隔しかつウェブ形状の結合セクション35fによって結合された、円筒状の孔34aと34bを備えた2つのセクションを有しており、それらの穴の円筒軸がプレート形状のスペース部材30の主要平面に対して垂直に延びている。これらの穴34aと34bは、図5bから5dに示されるように、中央のセクション30を取り付けるために使用される。
【0062】
図5bに示されるように、スペース部材30、30’、30"は、ほぼ等辺三角形の輪郭を有するプレート形状の構成部品によって形成される。外側のウェブ形状のセクション35a、35eは、水平かつ三角形の底に配置されているウェブ形状のセクション35fとそれぞれ鋭角、ここでは約41°の同じ鋭角を形成する。ウェブ形状のセクション35a、35eがウェブ形状のセクション35fと出合う点内に、互いに隣接して並ぶように、穴33a、33bを有するオーバル円筒形状のセクションと、円筒形状の穴34a、34bを有する円筒形状のセクションが配置されている。外側のウェブ形状のセクション35a、35aは、それぞれオーバル円筒形状のセクションから始まって、鈍角を形成しながら等辺三角形の尖端へ連通しており、その場合にそこで尖端は第1の結合セクション31によって示されており、それはそれぞれ円筒形状の穴37a、37bを有する2つの並べて配置された円筒状のセクションから形成される。他の2つのウェブ形状のセクション35b、35dは、ウェブ形状のセクション35fと約57°の角度を形成する。スペース部材内の中央において、ウェブ形状のセクション35cがウェブ形状のセクション35fに対して垂直に垂直上方へ向かって延びており、かつy字状にフォークのように分かれることによって三角形の尖端へ連通し、かつ各部分フォークが尖端の円筒形状のセクションの1つに連通することによって、三角形の尖端に連通している。スペース部材30は、このステイ構造によって、特に上からの圧力負荷に対する、高い機械的安定性、少ない重量及び熱流に対する高い熱抵抗を有し、その熱流は第1の結合セクション31から始まってステイ35a、35b、35c、35d、35eを通って第2の結合セクション32へと生じる。上述したステイは、比較的大きい長さと、熱流に対して横に見て小さい横断面を有し、それが熱流を最小化する。
【0063】
図5iにおいてよくわかるように、スペース部材30はその前側に切り欠き36を有しており、その切り欠きは他の構成部品を収容するように、ここでは間隙29内に配置されるシール12を部分的に収容するように、形成されている。この切り欠きによって、上の段で挙げた横断面がさらに減少され、かつ熱抵抗が増大する。切り欠き36の領域内に延びるウェブ形状のステイ35a、35b、35c、35d、35eは、それぞれスペース部材の、第1と第2の結合セクションを結合する、第3のセクションとも考えられる。
【0064】
図5dは、図5bの中央に配置されたスペース部材のハウジング側の第1の結合セクション31の横断面を斜視図で示しており、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図5bのラインL1に沿って延びている。外ねじを有する2つの金属ピン51が、それぞれスペース部材の穴34a、34b内へ延びるようにして、ハウジングフロント壁2aの背側と溶接されている。第1の結合セクション31をハウジングフロント壁2aに対して押圧し、そのようにして結合を形成するために、ワッシャー51bと金属ピン51a上に螺合可能なナット51がそれぞれの穴34a、34bに使用される。
【0065】
底側のスペース部材30、30’、30”の第2の結合セクション32は、比較的幅狭のビーム形状の領域32によって形成され(図5iを参照)、その領域は取り付けられた状態においてチャンバフロント壁3aに接触し、かつ固定手段53、54によってチャンバフロント壁2aに対して支承されている。第2の結合セクション32は、2つの円筒形状の穴37a、37bを有しており(図5hを参照)、それらの円筒軸はプレート形状のスペース部材30の主要平面に対して垂直に延びる。穴37a、37bfは、図5cに示されるように、スペース部材30、30’、30”をチャンバフロント壁3aに取り付けるために使用される。穴37aと37bの各々の中に、正確な嵌め合いの円筒形状の金属スリーブ53bが支承されており、その長さはこの方向におけるスペース部材の高さに相当する。チャンバフロント壁3aと溶接された、外ねじを有する金属ピン53aが、金属スリーブ内へ張り出す。ナットヘッド53、54がねじ53cによって金属ピン53aと螺合されて、その場合に金属スリーブとスペース部材30に対して押圧され、したがってスペース部材は金属スリーブによって負荷を除去される。
【0066】
図5eは、図5aの一部として、その図の左に示されるスペース部材30’を示している。中央を離れて、すなわち側方に配置された底側のスペース部材30’と30"において、スペース部材30’と30”を水平の滑り移動を許容しながらハウジングフロント壁に固定するために、それぞれ第1の結合セクションに設けられた長穴が使用される。チャンバの上側におけるスペース部材40、40’も、それぞれ長穴によるこの種の滑り移動する固定を有している。長穴を用いた固定によって、チャンバがハウジングに「浮動固定」される。この種の支承によって、ハウジングにおける熱による長さ変化を補償し、もしくは熱による長さ変化によってもたらされる機械的応力を減少させることが、可能になる。ただ底側の中央に配置されたスペース部材30のみは、滑り移動するように固定されず、熱による長さ変化が存在する場合でも、チャンバの位置決めを保証する。
【0067】
図5fは、中央を離れて側方に配置された、図5eのスペース部材30’のハウジング側の第1の結合セクションの横断面を斜視図で示しており、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図5eのラインL3に沿って延びている。2つの金属ピン51’aは、それぞれハウジングフロント壁2aと溶接されており、かつ長穴33a、33bを通って張り出す。円筒形状のスライドスリーブ51’b、52’bが金属ピン51’a、52'bを包囲し、かつディスク形状のスリーブヘッド内で終了しており、そのスリーブヘッドはナット51’、52’によって圧力を供給され、そのナットは金属ピン51’a、52’aのねじ上に螺合されている。
【0068】
図6bは、図6aの一部として、その図の左に見えるスペース部材40を示している。それは、第1の結合セクション41を有し、それは、図6fと6gに見られるように、オーバル円筒形状のセクション41として形成されており、それを通って長穴43aが延びている。このセクション41は、取り付けられた位置においてハウジングフロント壁2aに対して支承される。そのハウジングフロント壁が、この目的のためにそれと溶接された金属ピン55aを有しており(図6dを参照)、その金属ピンをスライドスリーブ55bが包囲しており、そのスライドスリーブが長穴43a内に圧入されており、それによってそこで金属ピン55aを有するハウジングセクションが、チャンバ壁3aと結合されたスペース部材541に対して滑り移動することによって、可能な機械的締めつけが実施される。ナット55は、金属ピン56aと螺合されており、かつ金属スリーブをハウジングフロント壁2aに対して押圧し、それによってスペース部材40がハウジングフロント壁2aと金属スリーブ55bの間で滑り移動することが可能になる。
【0069】
図6cは、図6bのスペース部材40のチャンバ側の第2の結合セクション42、43の横断面を斜視図で示しており、その場合に横断面はプレート形状のスペース部材の主要平面に対して垂直かつ図6bのラインL4に沿って延びている。「第2の結合セクション」と称されるセクション42、43がスペース部材40をチャンバ壁3aと結合する。結合セクション42と43は、図6f、6gに示すように、スペース部材40の円筒状のセクションであって、それを通してそれぞれ円筒状の穴44a、44bが延びている。これらの穴は、スペース部材40をチャンバフロント壁3aに固定するために用いられる。このチャンバフロント壁は、この目的のために、それと溶接された2つの金属ピン56a、57aを有している。これらのピンの各々は、スペース部材40の穴44a、44b内へ延びている。各穴内へ金属スリーブ56b、57bが圧入されており、それらがそれぞれ穴を画成する。それぞれ穴内へ延び、金属スリーブ上に載置され、かつ金属ピン56a、57aの外ねじ56c、57cと結合されているナット56、57によって、結合セクション42、43の各々が金属スリーブ56b、57bとチャンバフロント壁2aとの間に支承され、かつ、押圧力が金属スリーブによって吸収され、かつスペース部材の負荷が除かれるように、固定されている。
【0070】
図6eは、図6bのスペース部材を上面図で示しており、それにおいて結合セクション41、42、43の間のウェブ形状のセクション54a、54b、45c、45dに符号がつけられている。ウェブ45aが結合セクション41を結合セクション43と結合し、ウェブ45bが結合セクション41を結合セクション42と結合し、ウェブ45cが結合セクション42を結合セクション43と結合し、ウェブ45dが結合セクション42をウェブ45aと結合する。このようにして、軽量で、機械的に負荷をかけることのできる構造が形成され、その熱抵抗は、第1と第2の結合セクションの間の熱流方向に対して垂直にウェブ45a、45bの横断面が小さく、かつこれらのウェブの長さが比較的長いことにより、最大となる。図6cにおいてよく認識できるように、ウェブ45cは、-スペース部材30のウェブ35f(図5f)とは異なり、該当するフロント壁シートと接触していない:図6cにおいて、ウェブは間隙によってチャンバフロント壁3aから分離されている。スペース部材のセクション42と43は、それぞれそれ自体チャンバフロント壁に支承され、したがって図5f内のビーム形状の領域31とは異なり、2つの異なる結合セクションと見なされる。
【0071】
チャンバフロント壁3aの他の上方の角部に配置されているスペース部材40’は、スペース部材40と同様に形成されているが、それに対して鏡像状であり、かつ同じやり方でチャンバフロント壁3a及びハウジングフロント壁2aと結合されている。
【0072】
図7は、図1aに示すインキュベータの側方の横断面の一部を示しており、その場合に横断面はインキュベータの側壁に対して平行に延びており、かつインキュベータの上方のフロント領域を示している。そこではハウジングドア4の上方の領域が、アウタードア4の閉鎖された位置において、部分的に示されており、その位置においてアウタードアのこの上方の領域はシールによってハウジングフロント壁2aに添接している。チャンバ3はチャンバドア10を有しており、それもここでは閉鎖されている。ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aは、第1のシール12によって互いに分離されており、そのシールはチャンバ開口部の回りを一周している。第1のシールは、シリコン泡から形成されている。アウタードア4は、第2のシール14を備えた内側4aを有しており、その第2のシールはアウタードアが閉鎖された状態において第1のシール12に添接し、かつチャンバ開口部3zとハウジング開口部2zの回りを一周する。
【0073】
この種の本発明に係る実験室温度調節装置は、アウタードアが閉鎖されている場合に、チャンバドアとハウジングドアの間に形成される間隙60がハウジングと接触しない、という利点を提供する。これは、アウタードアが閉鎖された状態において、第2のシールは、第1のシールが隙間なしに接触することによって、間隙の側方を画成する、という理由に基づく。したがって間隙60内に含まれる、チャンバによって加熱された空気混合気がハウジングの温度調節されない外壁と接触すること、及びそれに伴って間隙60とハウジングとの間で滞留に基づいて熱が移送されることは、不可能である。
【0074】
第1のシールは、ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aの間の間隙29を閉鎖する。間隙幅dは、ここではd1=14mmである。方向d1における第1のシール12の幅は、14mmより少し大きい。というのは、ハウジングフロント壁2aとチャンバフロント壁3aの平面的なシート端部は、それぞれ対向する側から第1のシールの該当する溝内へ嵌入し、それによって第1のシールとハウジングフロント壁2a及びチャンバフロント壁3aとの間に形状による結合が生じるからである。第1のシールの最小の厚みは、ここではd2=3.0mmである。上述した好ましい形態(間隙幅の方向における最大の熱流区間とこの方向に対して垂直の最小の熱伝導する横断面)によって、第1のシール12の熱抵抗は最大になる。
【0075】
第2のシールは、アウタードアの近傍に位置する、一周する第1のシール領域14aを有しており、それは、第1のシール領域と一体的に結合された第2のシール領域14bよりも高い弾性係数を有しており、それは特により柔らかく、かつアウタードアの閉鎖された位置において第1のシールの近傍に位置し、かつそれと接触する。アウタードア4とハウジング2の間のより柔らかいシール領域14bによって、アウタードアとハウジングの間の間隙がより良好に密閉され、さらにチャンバドアを閉鎖するために必要な力が減少されるので、ユーザーにとって操作が容易になる。第1のシール領域はシリコンを使用して形成されており、第2のシール領域14bはシリコン泡を使用して形成されている。
【0076】
アウタードア4とチャンバドア10の間の、比較的冷たいハウジングフロント壁と接触しない、密閉された間隙によって、インキュベータのフロント領域を通る熱流が減少されて、チャンバと外界との間の熱的分離が、さらに改良される。
【0077】
アウタードアは、加熱された内壁4aを有している。この内壁は、アウタードアの外側の壁4bと直接接触することなしに、複数のスペース部材4cによってアウタードアの外側の壁4bに保持される。スペース部材4cは、好ましくは15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料から、特に高性能プラスチック、特にPPSから形成されている。それによって周囲からのチャンバの熱的分離がさらに改良される。
【0078】
ハウジングフロント壁の、チャンバフロント壁2aの回りを一周する壁終端セクション2a’がハウジング開口部2zを形成し、チャンバフロント壁3aがチャンバ開口部3zを一周するフランジを形成し、そのフランジはチャンバ開口部を一周する壁終端部分3a’内で終了している。ハウジングフロント壁の壁終端セクション2a’とチャンバフロント壁の壁終端セクション3a’は、それぞれ約2.0mmの厚みを有しており、かつ互いに対向し、それによって間隙29が形成される。第1のシール12によって、もともとすでに薄い壁終端セクションが互いに結合される。ハウジングフロント壁の壁終端セクション2a’とチャンバフロント壁の壁終端セクション3a’は、ここではさらに同一の平面内に位置する。チャンバフロント壁の壁終端セクション3a’がシール12内へ投入する熱は、壁厚が薄いことによって小さいので、熱伝達がさらに減少される。この形態によって、特にハウジングフロント壁の壁終端セクション2a’とチャンバフロント壁の壁終端セクション3a’の間の熱放射による熱伝達も最小化されて、チャンバとハウジングの間の熱的分離がさらに改良される。
【0079】
ここに記述された、チャンバとハウジングの熱的分離の措置によって、驚くべきことに、本発明に係るインキュベータのエネルギ消費は、現在の世代のインキュベータに比較して約50%低下させることができ、それが上述した措置の効率を明らかにしている。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
実験室試料を温度調節して保管するための実験室温度調節装置(1)、特に細胞培養のためのインキュベータであって、
少なくとも1つのハウジング壁によって包囲されるハウジング内部空間を備えたハウジング(2)を有し、
実験室試料を収容するための、少なくとも1つのチャンバ壁によって包囲されたチャンバ内部空間を備えた、ハウジング内に配置された温度調節可能なチャンバ(3)を有し、
複数のスペース部材(30;30’;30”;40;40';20;20’)を有し、
スペース部材が少なくとも1つの第1の結合セクション(31;41;21)を有し、前記第1の結合セクションによってスペース部材とハウジングが結合されており、かつ
第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクション(32;42;22)を有し、前記第2の結合セクションによってスペース部材とチャンバが結合されているので、チャンバがスペース部材によってハウジングに対して離隔して保持され、
スペース部材(30;30’;30”;40;40';20;20’)がそれぞれ15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料を使用して形成されている、
実験室温度調節装置。
[態様2]
スペース部材の少なくとも1つが、180℃の駆動温度を許容する高性能プラスチックを使用して形成されている、態様1に記載の実験室温度調節装置。
[態様3]
前記高性能プラスチックがポリフェニレンスルファイド(PPS)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、態様2に記載の実験室温度調節装置。
[態様4]
前記高性能プラスチックが、機械的強化のためにファイバー添加物、特にグラスファイバーを有している、態様2又は3に記載の実験室温度調節装置。
[態様5]
少なくとも1つのスペース部材が、プレート形状の構成部品である、態様1から4のいずれかの態様に記載の実験室温度調節装置。
[態様6]
少なくとも1つのスペース部材が、少なくとも1つの切り欠き及び/又は少なくとも1つの中空室を有している、態様1から5のいずれかの態様に記載の実験室温度調節装置。
[態様7]
少なくとも1つのスペース部材が、複数のウェブ形状のセクションを有している、態様1から6のいずれかの態様に記載の実験室温度調節装置。
[態様8]
少なくとも1つのウェブ形状のセクションが、第1の結合セクションと第2の結合セクションを結合し、かつ/又は少なくとも1つのウェブ形状のセクションが2つの第1の結合セクション又は2つの第2の結合セクションを結合する、態様7に記載の実験室温度調節装置。
[態様9]
ハウジングがハウジングフロント壁(2a)を有し、かつチャンバがチャンバフロント壁(3a)を有しており、ハウジングフロント壁とチャンバフロント壁が第1のシール(12)によって互いに分離されており、前記シールがチャンバ開口部(3z)の回りを一周しており、
ハウジングのアウタードアが、第2のシール(14)を備えた内側を有しており、前記第2のシールは、アウタードアが閉鎖された状態において、第1のシールに添接し、かつチャンバ開口部の回りを一周する、
態様1から8のいずれかの態様に記載の実験室温度調節装置。
[態様10]
実験室温度調節装置、特に細胞培養用のインキュベータであって、
アウタードアとアウタードアによって閉鎖可能なハウジング開口部とを備えたハウジングを有し、前記ハウジング開口部がハウジングフロント壁内に形成されており、
ハウジング内に配置されて、チャンバ内側を包囲する、チャンバ開口部(3z)を備えたチャンバ(3)を有し、前記チャンバ開口部がチャンバフロント壁(3)内に形成されており、
ハウジングフロント壁(2a)とチャンバフロント壁(3a)が弾性的な第1のシール(12)によって互いに分離されており、前記第1のシールがチャンバ開口部の回りを一周しており、
アウタードア(4)が、第2のシール(14)を備えた内側(4)を有し、前記第2のシールが、アウタードアの閉鎖された状態において、第1のシール(12)に添接し、かつチャンバ開口部(3z)のまわりを一周している、
実験室温度調節装置。
[態様11]
第1のシールが最小の材料厚(d2)を有し、前記材料厚が、ハウジングフロント壁に対して垂直に測定して、ハウジングフロント壁とチャンバフロント壁の間の間隙の間隙幅(d1)よりも小さい、態様10に記載の実験室温度調節装置。
[態様12]
アウタードアが閉鎖された状態において、第2のシールがハウジングフロント壁(2a)にも添接する、態様10又は11に記載の実験室温度調節装置。
[態様13]
第2のシール(14)が、アウタードア(4)の加熱された内側(4a)をアウタードアの外側から分離する、態様10、11又は12に記載の実験室温度調節装置。
[態様14]
実験室温度調節装置が複数のスペース部材を有し、スペース部材が少なくとも1つの第1の結合セクションを有し、前記第1の結合セクションによってスペース部材とハウジングが結合されており、かつ第1の結合セクションから離隔した少なくとも1つの第2の結合セクションを有し、前記第2の結合セクションによってスペース部材とチャンバが結合されているので、チャンバがスペース部材によってハウジングから離隔して保持され、スペース部材がそれぞれ、15W/(mK)より小さい熱伝導率を有する材料を使用して形成されている、態様10、11、12又は13に記載の実験室温度調節装置。
[態様15]
実験室温度調節装置がインキュベータ(1)、特に細胞培養のためのCO インキュベータである、態様1から14のいずれかの態様に記載の実験室温度調節装置。
【符号の説明】
【0080】
1:実験室温度調節キャビネット
2:ハウジング、ハウジング壁
2a:ハウジングフロント壁
2a’:ハウジングフロント壁の壁終端セクション
2b:ハウジングの背壁
2c:ハウジングの側壁
2d:ハウジングの上方の外側
2e:ハウジング底壁
2z:ハウジング開口部
3:チャンバ/チャンバ内部空間
3a:チャンバフロント壁
3a':チャンバフロント壁の壁終端セクション
3b:チャンバ背壁
3c:チャンバの側壁
3d:チャンバの天井壁
3e:チャンバ底壁
3z:チャンバ開口部
4:ハウジングドア/アウタードアの外側
4a:ハウジングドア/アウタードアの加熱された内側
4b:ハウジングドア/アウタードアの外側の壁
4c:スペース部材
5:ユーザーインターフェイス装置
6:グリップ アウタードア
7:ロック装置
7a;ロック装置のハウジング側の保持セクション
7b:ロック装置のハウジングドア側の保持セクション
8:ベース
9:継ぎ手
10:チャンバドア;透明
11:弾性的なシール
12:弾性的なシール;第1のシール
13:磁気的なハンドロック
14:弾性的なシール;第2のシール
14a:発泡されないシリコンからなる第1のシール
14b:シリコン泡からなるよりソフトなシール領域:第2のシール領域
15:継ぎ手
16:二重の外背壁
17:背壁のグリップ
18:温度閉ループ制御するための構成部品
19;絶縁装置
19a:絶縁装置のニードルフリース細片;一周する チャンバ
19b:グラスウールからなる絶縁装置19のU字状に屈曲された絶縁部材
19c:PIR泡からなる絶縁装置19の絶縁プレート
20:アクセスポート
20’:アクセスポート;スペース部材
20h:チャンバ背壁内のアクセスポートの開口部
20’h:チャンバ背壁内のアクセスポートの開口部
20a:ねじリング
20b:ねじリング
20c:ねじリング
21:アクセスポートの外側の端部;第1の結合セクション
22:アクセスポートのフランジ;第2の結合セクション
25:アクセスポートの栓
29:間隙
30:スペース部材
30':スペース部材
30”:スペース部材
31:第1の結合セクション
32:第2の結合セクション
33a:長穴
33b:長穴
34a:円筒形状の穴
34b:円筒形状の穴
35a:ウェブ形状のセクション
35b:ウェブ形状のセクション
35c:ウェブ形状のセクション
35d:ウェブ形状のセクション
35e:ウェブ形状のセクション
35f:ウェブ形状のセクション
36:切り欠き
37a:円筒形状の穴
37b:円筒形状の穴
40:スペース部材
40’:スペース部材
41:第1の結合セクション
42:第2の結合セクション
43:第3の結合セクション
43a:長穴
44a:円筒形状の穴
44b:円筒形状の穴
45a:ウェブ形状のセクション;ステイ;ウェブ
45b:ウェブ形状のセクション
45c:ウェブ形状のセクション
45d:ウェブ形状のセクション
51:固定手段;ナット
51’:固定手段;ナット
51a:金属ピン
51a':金属ピン
51b:ワッシャー
51'b:円筒状のスライドスリーブ
52:固定手段
52':固定手段;ナット
52’a:金属ピン
52'b:円筒形状のスライドスリーブ
53:固定手段;ナットヘッド
53a:金属ピン
53b:金属スリーブ
53c:ねじ
54:ナットヘッド
55:ナット
55a:金属ピン
55b:スライドスリーブ;金属スリーブ
56:ナット
56a:金属ピン
56b:金属スリーブ
56c:ねじ
57:ナット
57a:金属ピン
57b:金属スリーブ
57c:ねじ
60:チャンバドアとハウジングドアの間の間隙
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図5h
図5i
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図7