(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】半導体ユニットのテスト方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230621BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230621BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
H01L21/66 F
H01L21/66 B
H01L23/12 501P
G01R31/28 K
G01R31/28 U
G01R31/28 Y
(21)【出願番号】P 2021155364
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2022-01-18
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521418942
【氏名又は名称】アッパー エレクトロニクス カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPPER ELEC. CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Sea Meadow house, Blackburne Highway, P.O. Box 116, Road Town, Tortola, British Virgin Islands
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林世宏
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-303163(JP,A)
【文献】特開2003-258047(JP,A)
【文献】特開2000-196021(JP,A)
【文献】特開平11-074167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 23/12
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ユニットのテスト方法であって、
(1)テスト対象のチップ上に
前記チップ上に第1フォトレジスト層を塗布し、
前記第1フォトレジスト層上に第1ビア開口を作製し、
前記チップの表面に金属シード層をめっきし、
前記金属シード層上に第2フォトレジスト層を塗布し、
第1ビアの上方に第2ビア開口を作製し、
露出した前記金属シード層上に銅柱層を電気めっきし、
前記第2フォトレジスト層を除去し、且つ
露出した前記金属シード層を除去することにより
少なくとも1つの回路再配線層を作製し、
(2)前記回路再配線層を利用して、前記チップ上の半導体ユニットアレイをテストし、且つ、
(3)前記チップ上の
前記銅柱層を除去し、
前記金属シード層を除去し、且つ
前記第1フォトレジスト層を除去することにより
前記回路再配線層を除去し、
前記半導体ユニットの長さは2μm~150μmであり、幅は2μm~150μmであることを特徴とするテスト方法。
【請求項2】
前記半導体ユニットは、ミニLED、マイクロLED、ドライバIC又はRFID ICであることを特徴とする請求項1に記載のテスト方法。
【請求項3】
ステップ(2)では、
プローブカードで前記チップ上の半導体ユニットアレイをテストし、前記プローブカード上のテストプローブは、前記半導体ユニットに直接接触することなく、前記回路再配線層に接触してテストを行うことを特徴とする請求項1に記載のテスト方法。
【請求項4】
前記半導体ユニットは複数の金属ボンディングパッドを有しており、且つ、前記プローブカード上のプローブの間隔は前記半導体ユニット上の金属ボンディングパッドの間隔よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のテスト方法。
【請求項5】
前記第1フォトレジスト層の厚みは1μm~30μmの間であり、
前記第1ビアの幅は0.5μm~40μmの間であり、深さは0.5μm~10μmの間であり、
前記金属シード層の厚みは0.02μm~3μmの間であり、
第2ビアの幅は0.5μm~200μmの間であり、深さは0.5μm~30μmの間であり、
前記銅柱層の厚みは0.5μm~25μmの間であることを特徴とする請求項
1に記載のテスト方法。
【請求項6】
前記第1フォトレジスト層の材料は、ポリイミド、ジアゾナフトキノン、ポリオレフィン又は化学増幅フォトレジスト材料であり、且つ、金属シード層の材料は、銅、チタン、金又は銀のうちの1つであることを特徴とする請求項
1に記載のテスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ユニットのテスト方法に関し、特に、回路再配線層を利用して半導体ユニットのテストを完了する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照する。
図1は、従来の半導体ユニットのテスト方法を示す図である。図示するように、複数の半導体ユニット10が基板SUB上に位置している。半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を含む。例えば、半導体ユニット10がダイオードの場合、第1金属ボンディングパッド11及び第2金属ボンディングパッド13はそれぞれアノード及びカソードに接続される。また、プローブカード20が複数のプローブ21を含んでいる。図示するように、プローブ21の間隔は第1金属ボンディングパッド11と第2金属ボンディングパッド13の間隔と等しい。
【0003】
プローブカード20のプローブの間隔が小さいほど製造コストは高騰する。また、精密に製造されたプローブカードの場合には修繕コストも相対的に増加する。例えば、プローブ21は、金属ボンディングパッドと何度か接触するうちに金属又は金属酸化物が容易に付着するため、数回使用したあとは、洗浄するか、製造元に戻して修繕する必要がある。このことから、生産ライン用に複数のプローブカードを購入せねばならず、生産コストが高騰する。
【0004】
特に、LEDのサイズが約100μmのミニLED(mini LED)製品や、LED間隔が更に小さいマイクロLED(micro LED)製品にとっては、検出技術が生産過程における重大なボトルネックとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の1つは、主に、フォトリソグラフィ工程を利用して、テスト対象の半導体ユニット上に回路再配線層を作製し、続いて、テストプローブが、テスト対象の半導体ユニットに直接接触することなく、回路再配線層に接触してテストを行い、最後に、乾式、湿式又は機械研磨工程で当該回路再配線層を除去する、とのステップを含む半導体ユニットのテスト方法を提供することである。
【0006】
本発明の目的の1つは、半導体ユニットを測定する際に、プローブカードのプローブ間隔を半導体ユニットの金属ボンディングパッドの間隔よりも大きくすることで、テスト過程において、精密に製造された高コストのプローブカードを使用することなく、低コストのプローブカードを使用するだけでよい半導体ユニットのテスト方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的の1つは、1組のプローブを使用して複数の半導体ユニットをテスト可能とすることで、半導体ユニットのテスト速度を向上させる半導体ユニットのテスト方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的の1つは、主として、回路再配線層をテスト対象の半導体ユニットに使用することで、テスト完了後にテスト対象の半導体ユニット上にプローブマークが残らない半導体ユニットのテスト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を実現するために、本発明は、以下の技術方案を使用する。
【0010】
半導体ユニットのテスト方法は、(1)テスト対象のチップ上に少なくとも1つの回路再配線層を作製し、(2)前記回路再配線層を利用して、前記チップ上の半導体ユニットアレイをテストし、且つ、(3)前記チップ上の前記回路再配線層を除去する。前記半導体ユニットの長さは2μm~150μmであり、幅は2μm~150μmである。
【0011】
好ましくは、前記半導体ユニットは、ミニLED、マイクロLED、ドライバIC又はRFID ICである。
【0012】
好ましくは、ステップ(2)では、プローブカードで前記チップ上の半導体ユニットアレイをテストする。前記プローブカード上のテストプローブは、前記半導体ユニットに直接接触することなく、前記回路再配線層に接触してテストを行う。
【0013】
好ましくは、前記半導体ユニットは複数の金属ボンディングパッドを有しており、且つ、前記プローブカード上のプローブの間隔は前記半導体ユニット上の金属ボンディングパッドの間隔よりも大きい。
【0014】
好ましくは、ステップ(1)では、前記チップ上に第1フォトレジスト層を塗布し、前記第1フォトレジスト層上に第1ビア開口を作製し、前記チップの表面に金属シード層をめっきし、前記金属シード層上に第2フォトレジスト層を塗布し、前記第1ビアの上方に第2ビア開口を作製し、露出した前記金属シード層上に銅柱層を電気めっきし、前記第2フォトレジスト層を除去し、且つ、露出した前記金属シード層を除去する。
【0015】
好ましくは、前記第1フォトレジスト層の厚みは1μm~30μmの間である。前記第1ビアの幅は0.5μm~40μmの間であり、深さは0.5μm~10μmの間である。前記金属シード層の厚みは0.02μm~3μmの間である。前記第2ビアの幅は0.5μm~200μmの間であり、深さは0.5μm~30μmの間である。前記銅柱層の厚みは0.5μm~25μmの間である。
【0016】
好ましくは、ステップ(3)では、前記銅柱層を除去し、前記金属シード層を除去し、且つ前記第1フォトレジスト層を除去する。
【0017】
好ましくは、前記第1フォトレジスト層の材料は、ポリイミド、ジアゾナフトキノン、ポリオレフィン又は化学増幅フォトレジスト材料である。且つ、金属シード層の材料は、銅、チタン、金又は銀のうちの1つである。
【0018】
上記のテスト方法でテストを完了した半導体ユニットは、前記テストを完了した半導体ユニットにプローブマークが存在しない。
【0019】
上記のテスト方法でテストを完了した半導体ユニットにおいて、前記テストを完了した半導体ユニットの表面は、前記金属シード層に関連する金属反応を測定可能であり、前記テストを完了した半導体ユニットの表面は、前記第1フォトレジスト層に関連する材料反応を測定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、従来の半導体ユニットのテスト方法を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6D】
図6Dは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6E】
図6Eは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6F】
図6Fは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6G】
図6Gは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6H】
図6Hは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6I】
図6Iは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6J】
図6Jは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6K】
図6Kは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図6L】
図6Lは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る1ステップの実施例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る別の実施例の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例のフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例のフローチャートである。
【
図8C】
図8Cは、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例を示す
図2A及び
図2Bを参照する。
図2Aは、テスト対象の半導体ユニットを示す図である。ここでは、6つの半導体ユニット10のアレイを例示して説明する。各半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を有している。半導体ユニット10の長さは2μm~150μmであり、幅は2μm~150μmである。続いて、
図2Bを参照する。フォトリソグラフィ工程を利用して、図中の符号RDL1及びRDL2のような回路再配線層をテスト対象の半導体ユニット上に作製する。回路再配線層RDL1は6つの半導体ユニット10の第1金属ボンディングパッド11を接続し、回路再配線層RDL2は6つの半導体ユニット10の第2金属ボンディングパッド13を接続する。RDL1の幅広の位置P1及びRDL2の幅広の位置P2は、プローブが点接触する位置である。これにより、1組のプローブで6つの半導体ユニット10のテストを完了可能となる。且つ、プローブの間隔を半導体ユニット10の金属ボンディングパッドの間隔の数倍とすることができる。
【0022】
図2Bの実施例は、1組のプローブで1つの半導体ユニットアレイにおける2行又は2列の半導体ユニットのテストを完了可能なことを示している。実際の半導体ユニットアレイ製品では、通常、半導体ユニットアレイの1行又は1列に、数十、数百、数千という複数の半導体ユニットが存在するが、本実施例によれば、非常に効率的に1つのアレイのテストを完了可能である。
【0023】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る別の実施例を示す
図3を参照する。図示するように、チップ1は、基板SUB上に位置する複数の半導体ユニット10を含む。半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を含む。半導体ユニット10をテストするために、フォトリソグラフィ工程を利用して、チップ1上に回路再配線層を作製する。回路再配線層には、RDL1~RDL6及びその他の図示しない回路再配線層が含まれる。図示するように、チップ1の境界と半導体ユニット10との空間は狭くなっている。そのため、本実施例では、チップ1上の最も上の列、最も下の列、最も右の行及び最も左の行の半導体ユニット10についてはテストしない。この場合、一部の半導体ユニット10のテストが不可能となる。しかし、半導体製造工程の特性によれば、半導体ユニット10がマトリックス状に配列されており、N列の半導体ユニット10、M行の半導体ユニット10を有している場合に、(N-2)×(M-2)個の半導体ユニット10がいずれもテストに合格すれば、境界のテストしていない半導体ユニット10の不良率は相当低くなる。これは、確率・統計的な結論であって、品質管理で受け入れ可能なテスト方法である。
【0024】
図3に示すように、回路再配線層RDL1~RDL6は、それぞれ1行のN-2個の半導体ユニット10における第1金属ボンディングパッド11又は第2金属ボンディングパッド13を接続する。例えば、回路再配線層RDL1とN-2個の半導体ユニット10における第1金属ボンディングパッド11は、ビアviaを利用して接続される。ビアviaは、回路再配線層と金属ボンディングパッドを介在する開口であり、回路再配線層と金属ボンディングパッドを接続するために導電金属が充填されている。ビアviaは、回路再配線層と金属ボンディングパッドの間に介在している。説明の便宜上、
図3の回路再配線層上のビアviaが存在する位置は、回路再配線層がビアviaを通じて下層の金属ボンディングパッドに接続されることを意味している。また、それ以外の位置は、回路再配線層と金属ボンディングパッドが絶縁層により絶縁されている。例えば、回路再配線層RDL1のうち、最も上の列に位置する幅広の部位はプローブで点測定すべき箇所である。当該箇所は、下面の第1金属ボンディングパッド11又は第2金属ボンディングパッド13と重なってはいるが、これらの金属層は絶縁層により隔離されている。
【0025】
図3に示すように、回路再配線層RDL1とRDL2、回路再配線層RDL3とRDL4、及び回路再配線層RDL5とRDL6は、2つ1組となってN-2個の半導体ユニット10をそれぞれテストする。プローブが点測定すべき領域には比較的広い面積が必要なため、本実施例において、隣り合う2行の半導体ユニット10のテストプローブによる点測定位置は、最も上の列及び最も下の列にそれぞれ位置している。例えば、回路再配線層RDL1及びRDL2のうち、最も上の列に位置する幅広の位置をプローブで点測定すべき箇所とする。また、回路再配線層RDL3及びRDL4のうち、最も下の列(図示しない)に位置する幅広の位置(図示しない)をプローブで点測定すべき箇所とする。
【0026】
図3に示す実施例では、N×Mの半導体ユニットアレイについて、(N-2)×(M-2)個の半導体ユニット10をテストするため、検出率は(N-2)×(M-2)/(N×M)となる。半導体の製造工程が安定しており、テストデータを追跡したときに歩留まりが安定的に上昇しており、且つ、データ分析により故障モード(Failure Mode)をコントロール可能な場合には、検出率を適切に下げることが可能である。これにより、回路再配線層の作製工程が一段と容易となり、コントロールしやすくなる。
【0027】
本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る別の実施例を示す
図4を参照する。図示するように、チップ1は、基板SUB上に位置する複数の半導体ユニット10を含む。半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を含む。半導体ユニット10をテストするために、フォトリソグラフィ工程を利用して、チップ1上に回路再配線層を作製する。回路再配線層には、RDL1~RDL6及びその他の図示しない回路再配線層が含まれる。チップ1の境界と半導体ユニット10との空間は狭くなっている。そのため、本実施例では、チップ1上の最も上の列、最も下の列、最も右の行及び最も左の行の半導体ユニット10についてはテストしない。本実施例では、ビアviaの数が
図3の実施例の半分であり、検出率も
図3の実施例の約半分である。
図4に示すように、各ビアvia間の配置はやや分散的で幅が広くなっている。よって、製造工程を実現しやすく、製造工程の欠陥(Defect)の影響を受けにくい。同様に、
図4の実施例における回路再配線層RDL1~RDL6同士の最短距離も
図4の実施例より遠くなっている。よって、製造工程を実現しやすく、製造工程の欠陥(Defect)の影響を受けにくい。
【0028】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る別の実施例を示す
図5を参照する。図示するように、チップ1は、基板SUB上に位置する複数の半導体ユニット10を含む。半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を含む。半導体ユニット10をテストするために、フォトリソグラフィ工程を利用して、チップ1上に回路再配線層を作製する。回路再配線層には、RDL1~RDL6及びその他の図示しない回路再配線層が含まれる。
図5に示すように、本実施例の検出率は50%であり、且つ、検出する半導体ユニット10はそれぞれ個別にテストされる。本実施例における回路再配線層のレイアウト(Layout)及びテスト方法は製品の量産初期に適しており、大量の故障モード(Failure Mode)を収集して歩留まり改善の参考とすることができる。
図5に示すように、回路再配線層RDL1とRDL2は最も左上の隅の半導体ユニット10を測定可能であるが、その下方の2列目の半導体ユニット10についてはテストしない。また、回路再配線層RDL3とRDL4は、2行目且つ6列目の半導体ユニット10を測定可能であるが、その上方の5列目の半導体ユニット10についてはテストしない。即ち、本実施例は、既知のチェッカーボード(Checker Board)テストである。本実施例では、回路再配線層が上下縦向きとなっているが、本発明はこれに限らない。半導体ユニット10の長さ及び幅寸法の違いによって、回路再配線層を左右横向きに配置してもよいし、ひいては正方形のレイアウト(Layout)としてもよく、いずれであっても検出率50%のチェッカーボード(Checker Board)テストを実現可能である。ここでは、その他の類似の実施例については詳述しない。
【0029】
上記の内容から明らかなように、半導体製造工程の安定度や成熟度、及び半導体ユニットの歩留まりテストデータに基づいて、ビッグデータを利用した分析を行い、適切な検出率及び適切な回路再配線層のレイアウト(Layout)を選択することで、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現することができる。
【0030】
本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現するプロセスステップの実施例を示す
図6A~
図6Fを参照する。半導体ユニットの実施例の断面図である
図6Aに示すように、チップ1は、基板SUB上に位置する複数の半導体ユニット10を含み、半導体ユニット10は、第1金属ボンディングパッド11、第2金属ボンディングパッド13を含む。第1金属ボンディングパッド11と第2金属ボンディングパッド13は金属層であり、厚みが0.1μm~1μmの間、材質は金等の金属である。半導体ユニット10のサイズW2は2μm~150μmの間、厚みは3μm~20μmの間である。また、材質は、サファイア(Al2O3,Sapphire)、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)又は窒化ガリウム(GaNウェハ)等のエピタキシャル(Epitaxial)基板である。チップ1は、4インチ~8インチサイズの完全なウェハ(Wafer)であってもよいし、切断したダイ(Die)であってもよい。
【0031】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Bを参照する。
図6Bに示すように、テスト対象のチップ1の表面に第1フォトレジスト層40を塗布する。当該第1フォトレジスト層40は、厚みT4が1μm~30μmの間であり、ポジ型フォトレジストとしてもよいし、ネガ型フォトレジストとしてもよい。また、材料は、ポリイミド(Polyimide,PI)、ジアゾナフトキノン(DNQ)、化学増幅(Chemical Amplification,CA)、又はポリオレフィン(Polyolefin)等のフォトレジスト材料とすることができる。
【0032】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Cを参照する。
図6Cに示すように、第1金属ボンディングパッド11及び第2金属ボンディングパッド13の上方の第1フォトレジスト層40を除去して開口させるために、フォトリソグラフィ工程の露光、現像等を利用して第1ビアvia1を作製する。露光光源は、例えばI-line(365nm)のような紫外線とすることができる。また、現像には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、又はシクロペンタノン等の現像液を用い、フォトレジストを除去するウェットプロセスの現像作業を行えばよい。現像は、槽式、1枚回転式又は水平伝送等を含む方式で実施可能である。第1ビアvia1の幅W3は0.5μm~40μmの間であり、深さT5は0.5μm~10μmの間である。
【0033】
図6Cに示す実施例では、1列全体又は1行全体の半導体ユニット10上の第1金属ボンディングパッド11及び第2金属ボンディングパッド13の上面に、いずれも第1ビアvia1が備わっている。一方、その他の実施例では、どの金属ボンディングパッドに第1ビアvia1を配置するかは、検出率の違いに応じてレイアウト(Layout)される。例えば、前記
図3~
図5の実施例に示す通りとするが、ここでは改めて詳述しない。
【0034】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Dを参照する。選択した第1金属ボンディングパッド11又は第2金属ボンディングパッド13が、後にこれらの上に積層される回路再配線層と良好な電気的接続を構築できるよう、蒸着又はスパッタ(Sputter)等の方法で、第1ビアvia1及び残留している第1フォトレジスト層40の表面に金属シード層50をめっきする。金属シード層50の材料は、銅(Cu)、チタン(Ti)、金(Au)又は銀(Ag)とすることができ、厚みを0.02μm~3μmの間とする。金属シード層50の材料を銅(Cu)とする場合には、厚みを0.05μm~3μmの間とする。また、金属シード層50の材料をチタン(Ti)とする場合には、厚みを0.02μm~1μmの間とする。
【0035】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Eを参照する。次に、ウェハの表面に第2フォトレジスト層60を塗布する。当該第2フォトレジスト層60は、厚みT6が1μm~30μmの間であり、ポジ型フォトレジストとしてもよいし、ネガ型フォトレジストとしてもよい。また、材料は、ポリイミド(Polyimide,PI)、ジアゾナフトキノン(DNQ)、化学増幅(Chemical Amplification,CA)、又はポリオレフィン(Polyolefin)等のフォトレジスト材料とすることができる。
【0036】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Fを参照する。
図6Fに示すように、第1ビアvia1上の金属シード層50に金属を充填可能とするためには、元の第1ビアvia1の上方を開口させる必要がある。そこで、フォトリソグラフィ工程の露光、現像等を利用して第2ビアvia2を作製する。露光光源は、例えばI-line(365nm)のような紫外線とすることができる。また、現像には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、モノエタノールアミン(MEA)、又はシクロペンタノン等の現像液を用い、フォトレジストを除去するウェットプロセスの現像作業を行えばよい。現像は、槽式、1枚回転式又は水平伝送等を含む方式で実施可能である。第2ビアvia2の幅W4は0.5μm~200μmの間であり、深さT7は0.5μm~30μmの間である。
【0037】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Gを参照する。
図6Gに示すように、第2ビアvia2上の金属シード層50上に銅柱層70をめっきする。金属電気めっき工程により、銅(Cu)を材料として電気めっきを行うことで、
図6Gに示すように、銅(Cu)が金属シード層50の表面に付着及び堆積して銅柱層70が形成される。銅柱層70の厚みは、0.5μm~25μmの間とする。
【0038】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Hを参照する。第2フォトレジスト層60を除去した断面図である
図6Hに示すように、フォトレジスト除去工程により第2フォトレジスト層60の除去操作を行う。本工程には、湿式化学品による除去、乾式プラズマ衝撃による除去等を含む方式を使用可能である。
【0039】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Iを参照する。第1フォトレジスト層40上の金属シード層50を除去した断面図である
図6Iに示すように、露出した金属シード層50を化学品によるウェットエッチング方式で除去し、回路再配線層を完成させる。
【0040】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Jを参照する。
図6Jに示すように、銅柱層70が形成された回路再配線層を完成させたあと、プローブ21によるテストを行う。回路再配線層のレイアウト(Layout)パターンの違いによって、1回あたりにテストする半導体ユニット10の個数は異なる。そのため、1~100,000個を1回あたりのテスト単位とし、完了するまで順にテストを行えばよい。
【0041】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Kを参照する。
図6Kに示すように、テスト完了後、化学品によるウェットエッチング方式で銅柱層70及び金属シード層50等の金属材料を除去する。
【0042】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法を実現する実施例のプロセスステップの1つを示す
図6Lを参照する。テスト完了後に第1フォトレジスト層40を除去した断面図である
図6Lに示すように、フォトレジスト除去工程により第1フォトレジスト層40の除去操作を行う。本工程には、湿式化学品による除去、乾式プラズマ衝撃による除去等を含む方式を使用可能であり、ウェハ上の基板SUB及び半導体ユニット10上のフォトレジストを除去する。回路再配線層の工程関連物を全て除去したあとは、
図6Aのテスト待機時と類似した状態に戻る。なお、半導体ユニット10の第1金属ボンディングパッド11及び第2金属ボンディングパッド13上に存在していた金属シード層50は除去されるが、依然として金属シード層50に関連する金属反応は測定され得る。同様に、その他の位置の第1フォトレジスト層40についても除去されるが、依然として第1フォトレジスト層40に関連する材料反応は測定され得る。
図6Lでテストを完了したチップ1には、テストプローブによる点測定に伴うプローブマーク(Probe Mark)が見られないか、わずかなプローブマークしか存在しないが、テストデータはすでにテストステーションに収集されている。
【0043】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る実施例を示す
図7を参照する。
図7に示すように、銅柱層70が形成された回路再配線層は、2つの半導体ユニット10にまたがって、一方の半導体ユニット10の第1金属ボンディングパッド11と、他方の半導体ユニット10の第2金属ボンディングパッド13を覆っている。幅広の銅柱層70が形成された回路再配線層を作製する場合には、当然ながら、製造工程で第2ビアvia2の幅を広くする必要があるが、この場合の製造プロセスは
図6A~
図6Iと類似しているため、ここでは改めて詳述しない。
図7は、
図5の半導体ユニットのテスト方法に係る一実施例の断面図とみなすことができる。隣り合う2つの半導体ユニット10は、一方の半導体ユニット10の第1金属ボンディングパッド11と第2金属ボンディングパッド13上にのみビアviaが存在するため、検出率は50%となる。特に、金属ボンディングパッドのサイズが非常に小さい場合には、高価な精密プローブカードを使用してもテストのボトルネックとなる半導体ユニットが存在してしまう。これに対し、
図7の実施例は、効率的な低コストの代替方法である。特に、ウェハの表面に大サイズの金属ボンディングパッドを設置する必要がなく、ウェハごとにいっそう多くの半導体ユニットを作製可能となる。また、検出率100%との要望がある場合には、ビアviaの位置を変えて検出率50%の半導体ユニットテストを2回実行すればよい。このとき、もう一方の検出率50%の実施例については
図7と類似しているため、ここでは改めて詳述しない。
【0044】
図2~
図7は、本発明の異なる実施形態にすぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。本発明は、アレイ形式で配列された半導体ユニットのテストにおいていっそう利点を発揮し得るが、本発明はこの応用に限らない。様々な理由から半導体ユニットの金属ボンディングパッド上で直接的な点測定を行いたくない場合には、本発明を利用して半導体ユニットのテストを完了すればよい。特に、半導体の製造工程技術の小型化が進む中で、直接的な点測定を可能とする金属ボンディングパッドは半導体チップの面積を大きく占有することが多い。これに対し、本発明を利用すれば、チップのサイズを縮小することが可能である。よって、Mini LED、Micro LED、ドライバIC(Driver IC)、無線周波数識別(RFID)IC等の集積回路、完全ウェハ(Wafer)、切断済み又はパッケージされた(Package)チップ等はいずれも本発明を実施可能なターゲットとなる。なお、実施方法は同様のため、ここでは改めて詳述しない。
【0045】
半導体の製造工程では、複数の金属層を用いて導線の接続を完了し、チップサイズを縮小するのが一般的である。本発明の回路再配線層も、複数の回路再配線層構造を用いて半導体ユニットのテストを完了することができる。即ち、異なる回路再配線層を絶縁層で隔離し、下層の回路再配線層がビアを利用して最上層の回路再配線層に接続される。例えば、
図6A~
図6Lと類似する別の実施例では、複数の銅柱層を含み、非ドープケイ酸塩ガラス(Uudoped Silicate Glass)、フッ素化ケイ酸塩ガラス(Fluorinated Silicate Glass)等の金属層間誘電層(IMD)を用いて異なる銅柱層を隔てる。また、上下の層における銅柱層についてはビアを利用して接続する。その他の工程については同様のため、ここでは改めて詳述しない。
【0046】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係るフローチャートである
図8Aを参照する。当該テスト方法は、テスト対象のチップ上に少なくとも1つの回路再配線層を作製するステップS10と、回路再配線層を利用してチップ上の半導体ユニットをテストするステップS20と、チップ上の回路再配線層を除去するステップS30、を含む。一実施例において、半導体ユニットの長さは2μm~150μmであり、幅は2μm~150μmである。一実施例において、テストプローブは、テスト対象の半導体ユニットに直接接触することなく、回路再配線層に接触してテストを行う。
【0047】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る
図8AのステップS10のフローチャートである
図8Bを参照する。ステップS10は、テスト対象のチップに第1フォトレジスト層を塗布するステップS101と、第1フォトレジスト層上に第1ビア開口を作製するステップS102と、ウェハの表面に金属シード層をめっきするステップS103と、金属シード層上に第2フォトレジスト層を塗布するステップS104と、第1ビアの上方に第2ビア開口を作製するステップS105と、露出した金属シード層上に銅柱層を電気めっきするステップS106と、第2フォトレジスト層を除去するステップS107と、露出した金属シード層を除去するステップS108、を含む。一実施例において、第1フォトレジスト層の厚みは1μm~30μmの間である。一実施例において、第1ビアの幅は0.5μm~40μmの間であり、深さは0.5μm~10μmの間である。一実施例において、金属シード層の厚みは0.02μm~3μmの間である。一実施例において、第2ビアの幅は0.5μm~200μmの間であり、深さは0.5μm~30μmの間である。一実施例において、銅柱層の厚みは0.5μm~25μmの間である。
【0048】
続いて、本発明の半導体ユニットのテスト方法に係る
図8AのステップS30のフローチャートである
図8Cを参照する。ステップS30は、銅柱層を除去するステップS301と、金属シード層を除去するステップS302と、第1フォトレジスト層を除去するステップS303、を含む。
【0049】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲に記載される形状、構造、特徴及び精神に基づきなされる均等な変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 チップ
10 半導体ユニット
11 第1金属ボンディングパッド
13 第2金属ボンディングパッド
20 プローブカード
21 プローブ
40 第1フォトレジスト層
50 金属シード層
60 第2フォトレジスト層
70 銅柱層
RDL1、RDL2、RDL3、RDL4、RDL5、RDL6 回路再配線層
SUB 基板
S10、S20、S30、S101、S102、S103、S104、S105、S301、S302、S303 ステップ
via ビア
via1 第1ビア
via2 第2ビア