(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】空調システムの制御方法、空調システムの制御装置、空調システム、電子機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
F24F 11/41 20180101AFI20230621BHJP
F24F 110/40 20180101ALN20230621BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20230621BHJP
【FI】
F24F11/41 130
F24F11/41 240
F24F11/41 114
F24F11/41 210
F24F11/41 220
F24F110:40
F24F140:20
(21)【出願番号】P 2021529334
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2019128713
(87)【国際公開番号】W WO2020135591
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】201910325595.0
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811634416.3
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】杜彦君
(72)【発明者】
【氏名】呉建華
(72)【発明者】
【氏名】李金波
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-281123(JP,A)
【文献】特開平07-012438(JP,A)
【文献】特開平03-129274(JP,A)
【文献】特開2017-040400(JP,A)
【文献】特開平01-169284(JP,A)
【文献】特開2012-207803(JP,A)
【文献】特開昭63-015023(JP,A)
【文献】特開平08-261609(JP,A)
【文献】特開2004-176980(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107192094(CN,A)
【文献】特開2017-083143(JP,A)
【文献】特開2013-053782(JP,A)
【文献】特開昭59-170662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室内送風機、絞り要素、室外熱交換器及び室外送風機を備える空調システムの制御方法であって、
前記空調システムの暖房運転を終了する必要があることを認識したとき、前記暖房運転を終了する前に前記室内送風機を休止させるステップと、
前記暖房運転を終了するステップと、
前記室外熱交換器を除霜する除霜運転を行うステップと、
前記除霜運転を終了するステップと、
前記暖房運転を再開するステップと、
前記室外送風機を再起動するステップと、
前記室内送風機を再起動するステップと、を含み、
前記暖房運転を終了するステップにおいて、
前記室内送風機を休止させた後に、前記室外熱交換器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識しない場合、前記室内送風機を休止させてから第1所定時間後に前記暖房運転を終了し、
前記室内送風機を休止させてから前記第1所定時間内に、前記室外熱交換器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識したとき、即時に前記暖房運転を終了して第3所定時間待機し、
前記除霜運転を行うステップにおいて、前記室内送風機及び前記室外送風機を休止状態に維持し、
前記圧縮機の運転は、前記暖房運転を終了するステップにおいて停止され、前記除霜運転を行うステップにおいて開始され、前記除霜運転を終了ステップにおいて停止され、前記暖房運転を再開するステップにおいて開始され、
前記室外送風機を再起動するステップにおいては、
前記暖房運転を再開するステップにおいて前記圧縮機の運転を開始した後に、前記室外熱交換器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識しなかった場合、前記圧縮機の運転を開始してから第2所定時間後に前記室外送風機を再起動し、
前記暖房運転を再開するステップにおいて前記圧縮機の運転を開始してから前記第2所定時間内に、前記室外熱交換器の出口温度が前記第3所定温度値よりも小さいことを認識した場合、即時に前記室外送風機を再起動する、
ことを特徴とする空調システムの制御方法。
【請求項2】
前記室内送風機を休止させてから前記暖房運転を終了するまでの間、前記圧縮機が第1運転周波数を維持して運転し続け、前記除霜運転中、前記圧縮機が前記第1運転周波数よりも高い第2運転周波数で運転し続けるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調システムの制御方法。
【請求項3】
前記除霜運転を行う前記ステップにおいては、
前記圧縮機の吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識したとき、
前記空調システムが即時に前記除霜運転を開始するように制御する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の空調システムの制御方法。
【請求項4】
前記室内送風機を休止させてから前記暖房運転を終了するまでの間、前記室外送風機が送風量を維持して送風し続け、前記暖房運転を終了したとき、前記室外送風機が休止するように制御する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の空調システムの制御方法。
【請求項5】
前記除霜運転を終了する前記ステップにおいては、
前記室外熱交換器の出口温度が第2所定温度値よりも大きいことを認識したとき、前記空調システムが即時に前記除霜運転を終了するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調システムの制御方法。
【請求項6】
前記暖房運転を再開する前記ステップにおいては、
前記圧縮機の吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識したとき、前記空調システムが前記暖房運転を再開するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調システムの制御方法。
【請求項7】
前記除霜運転を終了するステップにおいては、
前記室内送風機及び前記室外送風機を休止状態に維持する、
ことを特徴とする請求項2又は
6に記載の空調システムの制御方法。
【請求項8】
前記暖房運転を再開するステップにおいて前記圧縮機の運転を開始してから、前記室外送風機を再起動するまでの間、
前記圧縮機が設定された運転周波数で運転するように制御し、
前記室内送風機及び前記室外送風機を休止状態に維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調システムの制御方法。
【請求項9】
前記室内送風機を再起動する前記ステップにおいては、
前記室外送風機を再起動してから第4所定時間後に、前記室内送風機を再起動するように制御する、
ことを特徴とする請求項
8に記載の空調システムの制御方法。
【請求項10】
前記室外送風機を再起動してから前記第4所定時間内に、前記室内熱交換器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいことを認識したとき、前記空調システムが即時に前記室内送風機を再起動するように、制御する、
ことを特徴とする請求項
9に記載の空調システムの制御方法。
【請求項11】
前記室外送風機を再起動してから前記室内送風機を再起動するまでの間、
前記圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、
前記室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ前記室内送風機を休止状態に維持する、
ことを特徴とする請求項
9に記載の空調システムの制御方法。
【請求項12】
前記室内送風機を再起動するステップの後に、
前記室内送風機が第5所定時間だけ運転し、前記第5所定時間後に前記室内送風機が休止するように制御する、
ことを特徴とする請求項
11に記載の空調システムの制御方法。
【請求項13】
前記室内送風機を再起動するステップの後に、
前記室外熱交換器の出口温度が第5所定温度値よりも小さいことを認識したとき、前記空調システムが前記室内送風機の運転を停止し即時に前記室外送風機を休止させるように、制御する、
ことを特徴とする請求項
12に記載の空調システムの制御方法。
【請求項14】
前記室内送風機を再起動してから前記室外送風機を休止させるまでの間、
前記圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、
前記室外送風機が前記第1風量で送風し、かつ前記室内送風機が設定された第2風量で送風するように制御する、
ことを特徴とする請求項
13に記載の空調システムの制御方法。
【請求項15】
圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室内送風機、絞り要素、室外熱交換器及び室外送風機を備える空調システムの制御装置であって、
前記空調システムの暖房運転を終了する必要があることを認識し、前記暖房運転を終了する前に前記室内送風機を休止させ、
前記室内送風機を休止させた後に、前記室外熱交換器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識しない場合、前記室内送風機を休止させてから第1所定時間後に前記暖房運転を終了
し、前記室内送風機を休止させてから前記第1所定時間内に、前記室外熱交換器の出口温度が前記第1所定温度値よりも小さいことを認識した場合、即時に前記暖房運転を終了して第3所定時間待機するように、前記空調システムを制御するための第1制御モジュールと、
前記室外熱交換器を除霜する除霜運転を行うように前記空調システムを制御するための第2制御モジュールと、
前記暖房運転を再開する必要があることを認識し、前記暖房運転を再開するように前記空調システムを制御するための第3制御モジュールと、
前記室外送風機を再起動し、また、前記室内送風機を再起動するように、前記空調システムを制御するための第4制御モジュールと、を含み、
前記第2制御モジュールは、前記暖房運転が終了したとき、前記圧縮機の運転が停止され、前記除霜運転が開始したとき、前記圧縮機の運転が開始され、前記除霜運転中、前記室内送風機及び前記室外送風機を休止状態に維持するように、前記空調システムを制御し、
前記第3制御モジュールは、前記除霜運転が終了したとき、前記圧縮機の運転が停止され、前記暖房運転が再開したとき、前記圧縮機の運転が開始されるように、前記空調システムを制御し、
前記第3制御モジュールの制御によって前記圧縮機の運転が開始された後に、前記第4制御モジュールは前記室外熱交換器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識しなかった場合、前記圧縮機の運転を開始してから第2所定時間後に前記室外送風機を再起動するように、前記空調システムを制御し、
前記第3制御モジュールによって前記圧縮機の運転が開始されてから前記第2所定時間内に、前記第4制御モジュールは前記室外熱交換器の出口温度が前記第3所定温度値よりも小さいことを認識した場合、即時に前記室外送風機を再起動するように、前記空調システムを制御する、
ことを特徴とする空調システムの制御装置。
【請求項16】
圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室内送風機、絞り要素、室外熱交換器、室外送風機及び請求項
15に記載の空調システムの制御装置を含む、
ことを特徴とする空調システム。
【請求項17】
メモリと、
プロセッサと、
メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なプログラムとを含み、
前記プロセッサが前記プログラムを実行するときに、請求項1~
14のいずれか一項に記載の空調システムの制御方法を実現する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに請求項1~
14のいずれか一項に記載の空調システムの制御方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が201910325595.0、出願日が2019年04月22日、及び出願番号が201811634416.3、出願日が2018年12月29日に出願された中国専利出願に基づいて提出され、かつ当該中国専利出願の優先権を主張するものであり、当該中国専利出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、空調システム技術分野に関し、特に、空調システムの制御方法、空調システムの制御装置、空調システム、電子機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、着霜問題は空調システムの冬季の正常な暖房に大きな影響を与え、特に寒冷で湿度が高い地域では、霜の層が厚いと室外機の熱伝達係数が弱まり、空調システムの暖房能力を大幅に低下させるだけでなく、また、運転を継続すると、圧縮機が損傷する可能性がある。
【0004】
現在、よく見られる空調システムの除霜の逆循環除霜は、四方弁の方向切換により一般的な暖房循環の逆循環を実現する。四方弁の方向切換後、室外機は暖房過程の蒸発器から凝縮器に変わり、圧縮機出口の高温高圧冷媒が室外機の霜層を徐々に溶かす。
【0005】
しかし、逆循環除霜の過程では、室内外の送風機は全て休止状態であり、室内側に伝熱はほとんどなく、除霜に用いるエネルギーは圧縮機の消費電力と暖房終了時に室内機の管路に蓄えられた熱に由来し、調節後の圧縮機の出力が低く、流量減少後は過熱度が急に高くなるため、絞り要素に潤滑油が詰まる現象が起こり、絞り要素に異常が生じ、絞り要素の異常詰まりは空調システムの能力低下を招くだけでなく、空調システムの安定性と信頼性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、空調システムの制御方法、空調システムの制御装置、空調システム、電子機器、及び記憶媒体を提供することにより、従来技術における除霜過程と再暖房初期の絞り要素の異常油詰まり問題を解決し、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本願は、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、前記空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように、制御するステップと、前記空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御するステップと、前記空調システムが再暖房する必要があることを認識し、前記空調システムが再暖房するように制御するステップと、前記空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御するステップと、を含む、空調システムの制御方法を提供する。
【0008】
また、本願の上記実施例による空調システムの制御方法は、さらに次のような付加的な技術的特徴を有することができる。
【0009】
本願の一実施例によれば、上記した空調システムの制御方法は、前記室内送風機及び前記室外送風機が前記除霜段階において休止状態にあるように制御するステップと、前記空調システムにおける圧縮機が前記除霜段階において運転周波数を上昇させるように制御するステップと、をさらに含む。
【0010】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが暖房を終了するように制御するステップは、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが即時に暖房を終了して第3所定時間待機するように制御するステップを含む。
【0011】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入るステップは、前記空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識するステップと、前記空調システムが即時に前記除霜段階に入るように制御するステップと、を含む。
【0012】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御するステップの前に、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が暖房終了前の運転周波数を維持して運転し、かつ暖房を終了した後に運転を停止するように制御するステップと、前記室外送風機が暖房終了前の送風量を維持して送風し続け、暖房終了後に前記室外送風機が休止するように制御するステップと、を含む。
【0013】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入るステップの後に、さらに、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第2所定温度値よりも大きいことを認識し、前記空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御するステップを含む。
【0014】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが再暖房する必要があることを認識し、前記空調システムが再暖房するように制御するステップは、前記空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが再暖房するように制御するステップを含む。
【0015】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが再暖房するように制御するステップの前に、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が運転状態から休止状態に入るように制御し、かつ前記室内送風機及び前記室外送風機が休止し続けるように制御するステップを含む。
【0016】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御するステップは、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが前記室外送風機を遅延させることを停止して即時に前記室外送風機を作動させるように、制御するステップを含む。
【0017】
本願の一実施例によれば、即時に前記室外送風機を作動させるステップの前に、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転するように制御するステップと、前記室内送風機及び前記室外送風機が休止し続けるように制御するステップと、を含む。
【0018】
本願の一実施例によれば、室外送風機を作動させるステップの後に、さらに、前記室外送風機が第4所定時間だけ運転し、前記第4所定時間後に前記室内送風機を作動させるように制御するステップを含む。
【0019】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、前記空調システムにおける蒸発器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいことを認識し、前記空調システムが前記室外送風機を遅延させることを停止して即時に前記室内送風機を作動させるように、制御するステップをさらに含む。
【0020】
本願の一実施例によれば、前記室内送風機を作動させるステップの前に、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御するステップと、前記室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ前記室内送風機が休止し続けるように制御するステップと、を含む。
【0021】
本願の一実施例によれば、前記室内送風機を作動させるステップの後に、さらに、前記室内送風機が第5所定時間だけ運転し、前記第5所定時間後に前記室内送風機が休止するように制御するステップを含む。
【0022】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第5所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが前記室内送風機の運転を停止し即時に前記室外送風機を休止させるように、制御するステップをさらに含む。
【0023】
本願の一実施例によれば、前記室外送風機を休止させるステップの前に、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御するステップと、前記室外送風機が前記設定された第1風量で送風するように制御し、かつ前記室内送風機が前記設定された第2風量で送風するように制御するステップと、を含む。
【0024】
上記目的を実現するために、本願は、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、前記空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように、制御するための第1制御モジュールと、前記空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御するための第2制御モジュールと、前記空調システムが再暖房する必要があることを認識し、前記空調システムが再暖房するように制御するための第3制御モジュールと、前記空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御するための第4制御モジュールと、を含む、空調システムの制御装置を提供する。
【0025】
また、本願の上記実施例による空調システムの制御装置は、さらに次のような付加的な技術的特徴を有することができる。
【0026】
本願の一実施例によれば、上記した空調システムの制御装置は、前記室内送風機及び前記室外送風機が前記除霜段階において休止状態にあるように制御するための第5制御モジュールと、前記空調システムにおける圧縮機が前記除霜段階において運転周波数を上昇させるように制御するための第6制御モジュールと、をさらに含む。
【0027】
本願の一実施例によれば、前記第1制御モジュールは、具体的には、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが即時に暖房を終了して第3所定時間待機するように制御するために用いられる。
【0028】
本願の一実施例によれば、前記第2制御モジュールは、前記空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが即時に前記除霜段階に入るように制御するために用いられる。
【0029】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御する前に、前記第2制御モジュールは、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が暖房終了前の運転周波数を維持して運転し、かつ暖房を終了した後に運転を停止するように制御し、前記室外送風機が暖房終了前の送風量を維持して送風し続け、暖房終了後に前記室外送風機が休止するように制御するために用いられる。
【0030】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入った後に、前記第2制御モジュールは、さらに、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第2所定温度値よりも大きいことを認識し、前記空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御するために用いられる。
【0031】
本願の一実施例によれば、前記第3制御モジュールは、具体的には、前記空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが再暖房するように制御するために用いられる。
【0032】
本願の一実施例によれば、前記空調システムが再暖房するように制御する前に、前記第3制御モジュールは、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が運転状態から休止状態に入るように制御し、かつ前記室内送風機及び前記室外送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0033】
本願の一実施例によれば、前記第4制御モジュールは、具体的には、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが前記室外送風機を遅延させることを停止して即時に前記室外送風機を作動させるように、制御するために用いられる。
【0034】
本願の一実施例によれば、即時に前記室外送風機を作動させる前に、前記第4制御モジュールは、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転するように制御し、前記室内送風機及び前記室外送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0035】
本願の一実施例によれば、室外送風機を作動させた後に、前記第4制御モジュールは、さらに、前記室外送風機が第4所定時間だけ運転し、前記第4所定時間後に前記室内送風機を作動させるように制御するために用いられる。
【0036】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御装置は、前記空調システムにおける蒸発器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいことを認識し、前記空調システムが前記室外送風機を遅延させることを停止して即時に前記室内送風機を作動させるように、制御するための第7制御モジュールをさらに含む。
【0037】
本願の一実施例によれば、前記室内送風機を作動させる前に、前記第4制御モジュールは、さらに、前記空調システムにおける圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、前記室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ前記室内送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0038】
本願の一実施例によれば、前記室内送風機を作動させた後に、前記第7制御モジュールは、さらに、前記室内送風機が第5所定時間だけ運転し、前記第5所定時間後に前記室内送風機が休止するように制御するために用いられる。
【0039】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御装置は、前記空調システムにおける凝縮器の出口温度が第5所定温度値よりも小さいことを認識し、前記空調システムが前記室内送風機の運転を停止し、即時に前記室外送風機を休止させるように制御するための第8制御モジュールをさらに含む。
【0040】
本願の一実施例によれば、前記室外送風機を休止させる前に、前記第8制御モジュールは、具体的には、前記空調システムにおける圧縮機が前記設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、前記室外送風機が前記設定された第1風量で送風するように制御し、かつ前記室内送風機が前記設定された第2風量で送風するように制御するために用いられる。
【0041】
上記目的を実現するために、本願は、上記した空調システムの制御装置を含む、空調システムを提供する。
【0042】
上記目的を実現するために、本願は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されプロセッサで実行可能なプログラムとを含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行するときに、上記した空調システムの制御方法を実現する、電子機器を提供する。
【0043】
上記目的を実現するために、本願は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されるときに、上記した空調システムの制御方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0044】
本願の実施例において提供される1つ以上の技術的解決手段は、少なくとも以下の技術的効果又は利点を有する。
【0045】
本願では、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御し、かつ空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御し、かつ空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御し、かつ空調システムが第2所定時間遅延して室外送風機を作動させるように制御することができる。これにより、圧縮機が暖房を終了する前に室内送風機を事前に休止させ、かつ圧縮機が暖房を開始した後に室外送風機の作動を遅延させることにより、除霜過程と再暖房初期の絞り要素の異常油詰まり問題を解決し、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化し、簡単で実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本願の一実施例による空調システムの制御方法のフローチャートである。
【
図2】本願の一実施例による制御過程における圧縮機の運転周波数及び室内外送風機の風量変化の概略図である。
【
図3】本願の一実施例による空調システムの制御装置の概略ブロック図である。
【
図4】本願の一実施例による空調システムの概略ブロック図である。
【
図5】本願の一実施例による電子機器の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本願は、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御し、かつ空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御し、かつ空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御し、かつ空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御することができる。これにより、圧縮機が暖房を終了する前に室内送風機を事前に休止させ、かつ圧縮機が暖房を開始した後に室外送風機の作動を遅延させることにより、除霜が終了した空調システムの低圧領域の温度圧力が低すぎることによる暖房絞り要素の油詰まりの問題を解決し、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化し、簡単で実現しやすい。
【0048】
上記技術的解決手段をよりよく理解するために、本開示の例示的な実施例を、図面を参照して以下により詳細に説明する。本開示の例示的な実施例が図面に示されているが、本開示は、本明細書に記載された実施例によって限定されることなく、様々な形態で実施され得ることを理解されたい。むしろ、これらの実施例は、本開示をより完全に理解し、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にするために提供される。
【0049】
以下、図面を参照して、本願の実施例による空調システム及び空調システムの制御方法、装置について説明する。
【0050】
図1は、本願の実施例による空調システムの制御方法のフローチャートである。
図1に示すように、当該空調システムの制御方法は、以下のステップを含む。
【0051】
S1、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御する。
【0052】
理解できるように、
図2に示すように、空調システム全体の制御過程において、室内送風機の休止から圧縮機の暖房停止段階1と、圧縮機の暖房停止から圧縮機の除霜起動段階2と、圧縮機の除霜起動から圧縮機の除霜停止段階3と、圧縮機の除霜停止から圧縮機の暖房起動段階4と、圧縮機の暖房起動から室外送風機の作動段階5と、室外送風機の作動から室内送風機の作動段階6と、室内送風機の作動から室内送風機の休止段階7といった段階を含むことができる。
【0053】
例えば、第1所定時間は、3minであってもよく、空調システムが暖房を終了する必要があると認識された場合には、空調システムが室内送風機を休止させるように制御でき、かつ3min後に空調システムが暖房を終了するように制御する。なお、第1所定時間は、実際の状況に応じて設定することも可能であり、ここでは特に限定しない。
【0054】
ここで、本願の一実施例によれば、空調システムが暖房を終了するように制御することは、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが即時に暖房を終了して第3所定時間待機するように制御することを含む。
【0055】
理解されるように、本願の実施例は、第1所定時間内に空調システムにおける凝縮器の出口温度に基づいて空調システムが暖房を終了するように制御する必要があるか否かを判断でき、例えば、第1所定時間が3minであり、室内送風機が1min休止するとき、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値tep1よりも小さいとき、ここで、第1所定温度値tep1が-10℃とすることができ、即時に空調システムが暖房を終了するように制御する。ここで、第3所定時間は2minであり、凝縮器の出入口はシステムが冷房循環を行う時の室外熱交換器出口と室内熱交換器入口の位置であり、第1所定温度値tep1の値の範囲は-18~-6℃とすることができる。
【0056】
なお、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値tep1よりも小さいことが3min以内に検出されないとすると、3min後には、空調システムが即時に暖房を終了し、かつ圧縮機の暖房停止から圧縮機の除霜起動段階2に入るように制御する。
【0057】
S2、空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御する。
【0058】
理解されるように、室内送風機の休止から圧縮機の暖房停止段階1の終了後に、圧縮機の暖房停止から圧縮機の除霜起動段階2に入る。即ち空調システムが暖房を終了した後に、除霜段階に入るように制御する。
【0059】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入ることは、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識することと、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御することと、を含む。
【0060】
理解されるように、本願の実施例は、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差に基づいて空調システムが除霜段階に入ったか否かを判断でき、例えば、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいとき、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御する。
【0061】
例えば、所定気圧値はΔpとすることができ、例えばΔpが0.005MPaであり、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が0.005MPaよりも小さいとき、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御する。なお、即時に除霜段階に入るのが理想的な操作であり、実際の制御時には、3sの誤差が許容され、所定気圧値Δpの値の範囲は、0.001~0.05MPaであり、かつ上記例は例示にすぎず、本願を限定するものではない。
【0062】
本願の一実施例によれば、空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御する前に、空調システムにおける圧縮機が暖房終了前の運転周波数を維持して運転し、かつ暖房を終了した後に運転を停止するように制御することと、室外送風機が暖房終了前の送風量を維持して送風し続け、暖房終了後に室外送風機が休止するように制御することと、をさらに含む。
【0063】
理解されるように、
図2に示すように、空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御する前に、即ち室内送風機の休止から圧縮機の暖房停止段階1の時、圧縮機の運転周波数はCとすることができ、室外送風機の送風量はBであり、暖房を終了した後、即ち圧縮機の暖房停止から圧縮機の除霜起動段階2で圧縮機の運転周波数を0に変化するように制御し、即ち運転を停止し、及び室外送風機の送風量を0に制御し、即ち室外送風機が休止する。
【0064】
なお、圧縮機の運転周波数Cは80Hzとすることができ、室外送風機の送風量Bは700m3/hとすることができ、この値は当業者が多数のデータ実験を経て得た最適値、あるいは最適範囲とすることができ、ここでは特に限定しない。
【0065】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入った後、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第2所定温度値よりも大きいことを認識し、空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御することをさらに含む。
【0066】
理解できるように、除霜段階に入った後、本願の実施例は、凝縮器の出口温度に基づいて空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御するか否かを判断することもでき、例えば、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第2予め設定された温度値Tep2よりも大きいとき、ここで、第2所定温度値Tep2が8℃とすることができ、これにより空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御する。
【0067】
なお、凝縮器の出入口はシステムが冷房循環を行う時の室外熱交換器出口と室内熱交換器入口の位置であり、第2所定温度値Tep2の値の範囲は8~14℃とすることができる。
【0068】
S3、空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御する。
【0069】
本願の一実施例によれば、空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御することは、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、空調システムが再暖房するように制御することを含む。
【0070】
理解されるように、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差に基づいて空調システムが再暖房するように制御するか否かを判断でき、例えば空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいとき、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御する。ここで、即時に除霜段階に入るのが理想的な操作であり、実際の制御時には、3sの誤差が許容され、所定気圧値は、当業者が実際の状況に応じて設定することができ、ここでは特に限定しない。
【0071】
例えば、所定気圧値はΔpとすることができ、例えばΔpが0.005MPaであり、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が0.005MPaよりも小さいとき、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御する。なお、所定気圧値Δpの値の範囲は0.001~0.05MPaであり、上記例は例示にすぎず、本願を限定するものではない。
【0072】
本願の一実施例によれば、空調システムが再暖房するように制御する前に、空調システムにおける圧縮機が運転状態から休止状態に入るように制御し、かつ室内送風機及び室外送風機が休止し続けるように制御することをさらに含む。
【0073】
理解されるように、
図2に示すように、空調システムが再暖房するように制御する前に、即ち圧縮機の除霜起動から圧縮機の除霜停止段階3のとき、空調システムにおける圧縮機の運転周波数がDであり、
室内送風機及び室外送風機が休止状態にあり、圧縮機の除霜起動から圧縮機の除霜停止段階3から圧縮機の除霜停止から圧縮機の暖房起動段階4に入ると、空調システムにおける圧縮機の運転周波数をDから0に減少させるように制御でき、即ち圧縮機が休止状態に入るように制御し、かつ
室内送風機及び室外送風機が休止し続けるように制御する。
【0074】
なお、圧縮機の運転周波数Dは90Hzとすることができ、この値は当業者が多数のデータ実験を経て得た最適値、あるいは最適範囲とすることができ、ここでは特に限定しない。
【0075】
S4、空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御する。
【0076】
本願の一実施例によれば、空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御することは、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが室外送風機を遅延させることを停止して即時に室外送風機を作動させるように制御することを含む。
【0077】
理解されるように、第2所定時間内に空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことが検出される場合、即時に室外送風機を作動させ、第2所定時間内に空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことが検出されない場合、第2所定時間に達すると、室外送風機を作動させる。
【0078】
例えば、第2所定時間は3minとすることができ、第3所定温度値は0℃であり、空調システムにおける凝縮器の出口温度が0℃よりも小さいことが3min以内に認識される場合、即時に室外送風機を作動させ、空調システムにおける凝縮器の出口温度が0℃よりも小さいことが3min以内に認識されない場合、3minに達すると、即時に室外送風機を作動させる。
【0079】
なお、凝縮器の出入口はシステムが冷房循環を行う時の室外熱交換器出口と室内熱交換器入口の位置であり、第3所定温度値Tep3の値の範囲は-8~2℃とすることができる。
【0080】
本願の一実施例によれば、即時に室外送風機を作動させる前に、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転するように制御することと、室内送風機及び室外送風機が休止し続けるように制御することと、をさらに含む。
【0081】
理解されるように、設定された運転周波数をCとすると、
図2に示すように、即時に室外送風機を作動させる前に、即ち圧縮機の暖房起動から室外送風機の作動段階5で、当該段階の圧縮機の運転周波数がCであり、
室内送風機及び室外送風機の送風量がいずれも0であり、即ち
室内送風機及び室外送風機が休止し続ける。
【0082】
本願の一実施例によれば、室外送風機を作動させた後、室外送風機が第4所定時間だけ運転し、第4所定時間後に室内送風機を作動させるように制御することをさらに含む。
【0083】
例えば、第4所定時間は5minであり、
図2に示すように、室外送風機の作動から室内送風機の作動段階6で、室外送風機を作動させて5min運転させた後、室内送風機の作動を制御できる。ここで、室外送風機の送風量はBとすることができ、室内送風機の送風量は0からAに変化する。なお、室外送風機の送風量Bは700m
3/hとすることができ、室内送風機の送風量Aは3000m
3/hとすることができ、この値は当業者が多数のデータ実験を経て得た最適値、あるいは最適範囲とすることができ、ここでは特に限定しない。
【0084】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、空調システムにおける蒸発器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいことを認識し、空調システムが室外送風機を遅延させることを停止して即時に室内送風機を作動させるように制御することをさらに含む。
【0085】
理解されるように、本願の実施例は、第4所定時間内に、蒸発器の出口温度に基づいて空調システムが即時に室内送風機を作動させるように制御するか否かを判断することもできる。例えば、第4所定時間内に、空調システムにおける蒸発器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいと、即時に室内送風機を作動させる。
【0086】
例えば、第4所定時間は5minとすることができ、第4所定温度値はTep4とすることができる場合、ここで、第4所定温度値Tep4は28℃とすることができ、5min以内に空調システムにおける蒸発器の出口温度が28℃よりも大きいと、即時に室外送風機を作動させる。
【0087】
なお、蒸発器の出入口はシステムが冷房循環を行う時の室外熱交換器出口と室内熱交換器入口の位置であり、第4所定温度値Tep4の値の範囲は20~30℃とすることができる。
【0088】
本願の一実施例によれば、室内送風機を作動させる前に、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転し続けるように制御することと、室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ室内送風機が休止し続けるように制御することと、をさらに含む。
【0089】
理解されるように、
図2に示すように、室内送風機を作動させる前に、即ち室外送風機の作動から室内送風機の作動段階6で、空調システムにおける圧縮機の設定された運転周波数はCとすることができ、したがって、当該段階で、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数Cで運転し続けるように制御でき、設定された第1風量をBとすると、室内送風機を作動させる前に、室外送風機が第1風量Bで運転するように制御し、かつ室内送風機が休止し続けるように制御することができる。
【0090】
本願の一実施例によれば、室内送風機を作動させた後、室内送風機が第5所定時間だけ運転し、第5所定時間後に室内送風機を休止させるように制御することをさらに含む。
【0091】
例えば、第5所定時間は120minとすることができ、
図2に示すように、室内送風機の作動から室内送風機の休止段階7で、室内送風機を120min運転させた後、室内送風機を休止させることができる。当該段階の室内送風機の送風量はAとすることができ、室内送風機の送風量Aは3000m
3/hとすることができ、この値は当業者が多数のデータ実験を経て得た最適値、あるいは最適範囲とすることができ、ここでは特に限定しない。本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第5所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが室内送風機の運転を停止し即時に室外送風機を休止させるように、制御することをさらに含む。
【0092】
理解されるように、本願の実施例は、第5所定時間内に、空調システムにおける凝縮器の出口温度に基づいて空調システムが第5所定温度値よりも小さいように制御するか否か、空調システムが室内送風機の運転を停止するように制御するか否かを判断することもでき、例えば、第5所定時間内に、空調システムにおける凝縮器の出口温度に基づいて空調システムが第5所定温度値よりも小さいように制御するか否かを判断すると、即時に室外送風機を休止させる。
【0093】
例えば、第5所定時間は120minとすることができ、第5所定温度値はTep5とすることができ、ここで、第5所定温度値Tep5は-15℃であり、120min以内に空調システムにおける凝縮器の出口温度に基づいて空調システムが-15℃よりも小さいように制御すると、即時に室外送風機を休止させ、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【0094】
なお、凝縮器の出入口はシステムが冷房循環を行う時の室外熱交換器出口と室内熱交換器入口の位置であり、第5所定温度値Tep5の値の範囲は-20~-8℃とすることができ、かつtep1+5℃>tep5>tep1+3℃を満たす。
【0095】
本願の一実施例によれば、室外送風機を休止させる前に、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転し続けるように制御することと、室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ室内送風機が設定された第2風量で送風するように制御することと、をさらに含む。
【0096】
具体的には、
図2に示すように、室外送風機を休止させる前に、即ち室内送風機の休止から圧縮機の暖房停止段階1で、空調システムにおける圧縮機の運転周波数はCとすることができ、即ち設定された運転周波数で運転し、かつ室外送風機が設定された第1風量Bで送風するように制御し、かつ室内送風機が設定された第2風量で送風するように制御し、つまり、室内送風機の送風量はAから0に低下する。
【0097】
本願の一実施例によれば、上記した空調システムの制御方法は、室内送風機及び室外送風機が除霜段階において休止状態にあるように制御することと、空調システムにおける圧縮機が除霜段階において運転周波数を上昇させるように制御することと、をさらに含む。
【0098】
理解されるように、圧縮機の暖房停止から圧縮機の除霜起動段階2及び圧縮機の除霜起動から圧縮機の除霜停止段階3で、即ち除霜段階で、本願の実施例は、室内送風機及び室外送風機の送風量がいずれも0であるように制御でき、即ち室内送風機及び室外送風機が休止状態にあり、かつシステムが圧縮機の運転周波数を上昇させるように制御し、これにより除霜段階の効果を効果的に高め、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【0099】
本願の実施例に係る空調システムの制御方法は、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御し、かつ空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御し、かつ空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御し、かつ空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように制御することができる。これにより、圧縮機の暖房停止前に室内送風機を事前に休止させることにより、除霜時間を大幅に短縮し、かつ除霜終了後に圧縮機の温度が低すぎることによる圧縮機内に大量の冷媒が溶け込むことや油池の粘度が低すぎることによる圧縮機の摩耗を防ぐことができ、圧縮機の暖房起動後に室外送風機の作動を遅延させることにより、除霜過程で室外機に残った熱が環境に放散することを避け、除霜過程中の圧縮機の周波数を高めることにより、除霜終了システムの低圧領域の温度圧力が低すぎることによる暖房絞り要素の油詰まり現象を避けることができ、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【0100】
図3は、本願の実施例による空調システムの制御装置の概略ブロック図である。
図3に示すように、当該空調システムの制御装置10は、第1制御モジュール100と、第2制御モジュール200と、第3制御モジュール300と、第4制御モジュール400とを含む。
【0101】
第1制御モジュール100は、空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御するために用いられる。第2制御モジュール200は、空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御するために用いられる。第3制御モジュール300は、空調システムが再暖房する必要があることを認識し、空調システムが再暖房するように制御するために用いられる。第4制御モジュール400は、空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように、制御するために用いられる。
【0102】
本願の一実施例によれば、上記した空調システムの制御装置は、室内送風機及び室外送風機が除霜段階において休止状態にあるように制御するための第5制御モジュールと、空調システムにおける圧縮機が除霜段階において運転周波数を上昇させるように制御するための第6制御モジュールと、をさらに含む。
【0103】
本願の一実施例によれば、第1制御モジュール100は、具体的には、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第1所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが即時に暖房を終了して第3所定時間待機するように制御するために用いられる。
【0104】
本願の一実施例によれば、第2制御モジュール200は、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、空調システムが即時に除霜段階に入るように制御するために用いられる。
【0105】
本願の一実施例によれば、空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御する前に、第2制御モジュールは、さらに、空調システムにおける圧縮機が暖房終了前の運転周波数を維持して運転し、かつ暖房を終了した後に運転を停止するように制御し、室外送風機が暖房終了前の送風量を維持して送風し続け、暖房終了後に室外送風機が休止するように制御するために用いられる。
【0106】
本願の一実施例によれば、除霜段階に入った後、第2制御モジュール200は、さらに、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第2所定温度値よりも大きいことを認識し、空調システムが即時に除霜段階を終了するように制御するために用いられる。
【0107】
本願の一実施例によれば、第3制御モジュール300は、具体的には、空調システムの吸気気圧と排気気圧との間の気圧差が所定気圧値よりも小さいことを認識し、空調システムが再暖房するように制御するために用いられる。
【0108】
本願の一実施例によれば、空調システムが再暖房するように制御する前に、第3制御モジュール300は、さらに、空調システムにおける圧縮機が運転状態から休止状態に入るように制御し、かつ室内送風機及び室外送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0109】
本願の一実施例によれば、第4制御モジュール400は、具体的には、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第3所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが室外送風機を遅延させることを停止して即時に室外送風機を作動させるように制御するために用いられる。
【0110】
本願の一実施例によれば、即時に室外送風機を作動させる前に、第4制御モジュール400は、さらに、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転するように制御し、室内送風機及び室外送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0111】
本願の一実施例によれば、室外送風機を作動させた後、第4制御モジュール400は、さらに、室外送風機が第4所定時間だけ運転し、第4所定時間後に室内送風機を作動させるように制御するために用いられる。
【0112】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、空調システムにおける蒸発器の出口温度が第4所定温度値よりも大きいことを認識し、空調システムが室外送風機を遅延させることを停止して即時に室内送風機を作動させるように制御するための第7制御モジュールをさらに含む。
【0113】
本願の一実施例によれば、室内送風機を作動させる前に、第4制御モジュール400は、さらに、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ室内送風機が休止し続けるように制御するために用いられる。
【0114】
本願の一実施例によれば、室内送風機を作動させた後、第7制御モジュールは、さらに、室内送風機が第5所定時間だけ運転し、第5所定時間後に室内送風機を休止させるように制御するために用いられる。
【0115】
本願の一実施例によれば、上記空調システムの制御方法は、空調システムにおける凝縮器の出口温度が第5所定温度値よりも小さいことを認識し、空調システムが室内送風機の運転を停止し、即時に室外送風機を休止させるように制御するための第8制御モジュールをさらに含む。
【0116】
本願の一実施例によれば、室外送風機を休止させる前に、第8制御モジュールは、具体的には、空調システムにおける圧縮機が設定された運転周波数で運転し続けるように制御し、室外送風機が設定された第1風量で送風するように制御し、かつ室内送風機が設定された第2風量で送風するように制御するために用いられる。
【0117】
本願の実施例に係る空調システムの制御装置は、第1制御モジュールによって空調システムが暖房を終了する必要があることを認識し、空調システムが暖房を終了する第1所定時間前に室内送風機を休止させるように制御し、かつ第2制御モジュールによって空調システムが暖房を終了して除霜段階に入るように制御し、かつ第3制御モジュールによって空調システムが再暖房する必要があることを認識し、かつ第4制御モジュールによって空調システムが再暖房するように制御し、かつ空調システムが第2所定時間だけ遅延させて室外送風機を作動させるように制御することができる。これにより、圧縮機の暖房停止前に室内送風機を事前に休止させることにより、除霜時間を大幅に短縮し、かつ除霜終了後に圧縮機の温度が低すぎることによる圧縮機内に大量の冷媒が溶け込むことや油池の粘度が低すぎることによる圧縮機の摩耗を防ぐことができ、圧縮機の暖房起動後に室外送風機の作動を遅延させることにより、除霜過程で室外機に残った熱が環境に放散することを避け、除霜過程中の圧縮機の周波数を高めることにより、除霜終了システムの低圧領域の温度圧力が低すぎることによる暖房絞り要素の油詰まり現象を避けることができ、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【0118】
図4に示すように、本願の実施例は、上記した空調システムの制御装置10を含む空調システム20を提供する。
【0119】
本願の実施例に係る空調システムは、上記した空調システムの制御装置によって、圧縮機の暖房停止前に室内送風機を事前に休止させることにより、除霜時間を大幅に短縮し、かつ除霜終了後に圧縮機の温度が低すぎることによる圧縮機内に大量の冷媒が溶け込むことや油池の粘度が低すぎることによる圧縮機の摩耗を防ぐことができ、圧縮機の暖房起動後に室外送風機の作動を遅延させることにより、除霜過程で室外機に残った熱が環境に放散することを避け、除霜過程中の圧縮機の周波数を高めることにより、除霜終了システムの低圧領域の温度圧力が低すぎることによる暖房絞り要素の油詰まり現象を避けることができ、空調システムの運転の安定性と信頼性を大幅に強化する。
【0120】
図5に示すように、本願の実施例は、メモリ1100と、プロセッサ1200と、メモリ1200に記憶されプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、プロセッサがプログラムを実行することで、上記した空調システムの制御方法を実現する、電子機器1000をさらに提供する。
【0121】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されるときに、上記した空調システムの制御方法を実現する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0122】
当業者は、本願の実施例が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解するであろう。したがって、本願は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施例の形態を採用することができる。しかも、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用することができる。
【0123】
本願は、本願の実施例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図内の各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図内のフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実装するための装置を作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを生成することができる。
【0124】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置に特定のやり方で機能するように指示することができるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、それにより、当該コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶された命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実装する命令装置を含む製造物品を生成する。
【0125】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で一連の操作ステップを実行してコンピュータによって実現される処理を生成するように、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートの1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて指定された機能を実装するためのステップを提供する。
【0126】
特許請求の範囲において、括弧の間に位置する任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するように構成されるべきではないことに留意されたい。「含む」という単語は、特許請求の範囲に記載されていない部材又はステップの存在を除外しない。部材の前にある「1」又は「1つ」という単語は、そのような部材が複数存在することを除外しない。本願は、いくつかの異なる部材を含むハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施することができる。いくつかの装置を列挙したユニット特許請求の範囲において、これらの装置のいくつかは、同一のハードウェアアイテムによって具体化されてもよい。単語第1、第2、及び第3などの使用は、いかなる順序も示さない。これらの単語は名前として解釈できる。
【0127】
本願の好ましい実施例を説明してきたが、当業者は、基本的な発明概念を理解すると、これらの実施例に追加の変更及び修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例、並びに本願の範囲内に入る全ての変更及び修正を含むものと解釈されることを意図する。
【0128】
当業者であれば、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に様々な修正及び変形を加えることができることは明らかである。したがって、本願のこれらの修正及び変形が本願の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内であるならば、本願もそれらの修正及び変形を包含することを意図する。