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  • 特許-ホットホイルスタンピングプレス機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】ホットホイルスタンピングプレス機
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
B41M5/00 700
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021559295
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2020025142
(87)【国際公開番号】W WO2020200518
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】19020262.2
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ジャンティ デイヴィッド
【審査官】中山 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542866(JP,A)
【文献】特開2004-314175(JP,A)
【文献】特開平08-300604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00
B41F 16/00-19/00
B44B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイル(14)をシートに押し付けるためのプレスシステム(20)と、
前記シートと前記ホイル(14)との間にガス(60)の流れを向かわせるために、前記プレスシステム(20)に対して所定距離をおいて位置決めされているブローユニット(30)と、
前記シートを把持して移送するために、前記ブローユニット(30)と前記プレスシステム(20)との間に配置されるグリッパーバー(32)と、
前記ブローユニット(30)からの前記ガス(60)を前記シートと前記ホイル(14)との間に向かわせるために、前記ブローユニット(30)と前記プレスシステム(20)との間に配置された流れ案内要素(34)と、を備え、
前記流れ案内要素(34)は、薄板である、
ことを特徴とするホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項2】
前記流れ案内要素(34)は、少なくとも部分的に前記ブローユニット(30)と前記プレスシステム(20)との間の領域(62)をカバーする、
請求項1に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項3】
流れ案内要素には、前記シートの幅をカバーする領域に沿っていかなる孔又は開口もなく、前記シートの幅は、シートの移送方向に直交する方向に沿って計測される、
請求項1または2に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項4】
前記グリッパーバー(32)は、本体(38)を有し、前記流れ案内要素(34)は、前記ブローユニット(30)の前記ガス(60)の流れに面する前記本体(38)の表面(58)の延長部である、
請求項1からのいずれか1項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項5】
前記流れ案内要素(34)は、前記グリッパーバー(32)に取り付けられ、少なくとも部分的に前記グリッパーバー(32)と前記プレスシステム(20)との間の前記領域(62)をカバーする、
請求項1からのいずれか1項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項6】
前記流れ案内要素(34)は、凸部(54)又は凹部(56)を有し、これにより前記流れ案内要素(34)は、前記グリッパーバー(32)のぴったり合う凹部(56)又は凸部(54)でもって、前記グリッパーバー(32)に取り付けられる、
請求項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項7】
前記流れ案内要素(34)は少なくとも2つの凸部(54)及び/又は凹部(56)を有し、これにより前記流れ案内要素(34)は、前記グリッパーバー(32)の前記本体(38)のぴったり合う凹部(56)及び/又は凸部(54)でもって、グリッパーバー(32)に取り付けられる、
請求項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項8】
前記グリッパーバー(32)は、前記プレスシステム(20)に面するグリッパーバー(32)の側面から延びる把持アーム(40)を有し、前記流れ案内要素(34)は、前記把持アーム(40)の一部に取り付けられる、
請求項1からのいずれか1項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項9】
前記把持アーム(40)は、枢動軸の周りで互いに対して枢動する上部(44)及び下部(46)を有し、前記流れ案内要素(34)は、前記把持アーム(40)の前記上部(44)又は前記下部(46)に取り付けられる、
請求項に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項10】
前記グリッパーバー(32)は、前記プレスシステム(20)に面する前記グリッパーバー(32)の前記側面から延びる少なくとも2つの把持アーム(40)を有し、前記流れ案内要素(34)は、前記把持アーム(40)の各々の一部に取り付けられる、
請求項8又は9に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【請求項11】
前記流れ案内要素(34)は、前記グリッパーバー(32)の前記把持アーム(40)の各々の間を流れる前記ガスの量を低減する、
請求項10に記載のホットホイルスタンピングプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットホイルスタンピングプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットホイルスタンピングは、高温でパターン及びテキストをホイルからシート上に転写する方法である。シートは、段ボール又は紙とすることができ、ホイルは、金属化プラスチックホイル又は薄い金属ホイルのいずれかである。典型的に、ホイルは、シート表面に押し付けられ、ホイルの一部が付着される場所でシートに転写されるようになっている。
【0003】
ホットホイルスタンピング工程の後で、すなわちホイルがシートに付着した後で、残ったホイルは、シート表面から分離する必要がある。この工程を助けるために、ホイルとシートとの間にガスを向かわせるブロー装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、シートからのホイルの分離工程の効率が改善されたホットホイルスタンピングプレス機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、ホイルをシートに押し付けるためのプレスシステムと;シートとホイルとの間にガスの流れを向かわせるために、プレスシステムに対して所定距離をおいて位置決めされているブローユニットと;シートを把持して移送するために、ブローユニットとプレスシステムとの間に配置されるグリッパーバーと;ブローユニットからのガスをシートとホイルとの間に向かわせるために、ブローユニットとプレスシステムとの間に配置される流れ案内要素と;を備えるホットホイルスタンピングプレス機を提供する。
【0006】
本発明は、シートとホイルとの間の隙間にブローユニットからのガスを向かわせるために、ブローユニットとプレスシステムとの間に流れ案内要素を組み込むという基本概念に基づいている。これにより、ガス損失が低減され、シートからのホイルの分離工程に供給する必要があるガスが少なくなる。さらに、分離工程自体は、より効率的なガス流によって改善され、分離工程の品質向上がもたらされ、ホットホイルスタンピングプレス機からの製品の品質向上につながる。最後に、もたらされる同じガス量を加える場合に分離工程で可能な速度が高くなる。従って、本発明は、より効率的なホットホイルスタンピングプレス機を提供する。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、流れ案内要素は、少なくとも部分的にブローユニットとプレスシステムとの間の領域をカバーする。これにより、ホイルとシートとの間の隙間に到達しないガス量が低減される。
換言すると、ガス流を案内する流れ案内要素によって、ガスが流れる表面が提供される。
【0008】
好都合には、流れ案内要素には、シートの幅をカバーする領域に沿うガス流の効率を損なうであろう何らかの孔又は開口がない。有用には、ガス流は、シートとホイルとの間に案内される。効率は、孔又は開口が流れの無視できない部分を捕捉し、これを他に向かわせる場合に損なわれる。シートの幅は、シートの供給方向Fに直交する方向で計測される。
【0009】
調節が簡単な流れ案内要素を提供するために、流れ案内要素は薄い金属板とすることができる。また、カーボンなどの複合材料から作られた又はプラスチックで作られた板とすることができる。従って、ガス流の方向は、必要に応じて、薄板を曲げることで調節することができる。
【0010】
好都合には、グリッパーバーは、本体を有することができ、流れ案内要素は、ブローユニットのガス流に面する本体の表面の延長部とすることができる。これにより、ホットホイルスタンピングプレス機の既存の構成要素への流れ案内要素の統合が可能になる。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、流れ案内要素は、グリッパーバーに取り付けることができ、さらに少なくとも部分的にグリッパーバーとプレスシステムとの間の領域をカバーすることができる。これにより、流れ案内要素をグリッパーバーに取り付けるコスト効率がもたらされる。
【0012】
頑丈な取り付けを可能にするために、流れ案内要素は、凸部又は凹部を有することができ、これにより流れ案内要素(板)は、グリッパーバーのぴったり合う凹部又は凸部でもって、グリッパーバーに取り付けられる。
【0013】
流れ案内要素は、少なくとも2つの凸部及び/又は凹部を有することができ、これにより流れ案内要素(板)は、グリッパーバーのぴったり合う凹部及び/又は凸部でもって、グリッパーバーの本体に取り付けられる。これにより、シートからのホイルの分離工程を助けないガス量がさらに低減される。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、グリッパーバーは、プレスシステムに面するグリッパーバーの側面から延びる把持アームを有することができ、流れ案内要素は、把持アームの一部に取り付けることができる。これにより、流れ案内要素がシートとホイルとの間の隙間に近接して取り付けられるので、ガスの効率的な案内が可能になる。
【0015】
把持アームは、枢動軸の周りで互いに対して枢動する上部及び下部を有することができ、流れ案内要素は、把持アームの上部又は下部に取り付けられる。これにより、流れ案内要素は、シートからホイルを分離した後にシートを把持するのを妨害しない。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、プレスシステムに面するグリッパーバーの側面から延びる少なくとも2つの把持アームを有することができ、流れ案内要素は、把持アームの各々の一部に取り付けることができる。複数の固定点での流れ案内要素の固定点によって、流れ案内要素の配列の微調節が可能になる。
【0017】
流れ案内要素は、グリッパーバーの各把持アームの間を流れるガスの量を低減することができる。従って、ホイルからシートを分離するために必要なガスがより少なくなり、結果的に、より効率的なホットホイルスタンピングプレス機が提供される。
好ましくは、プレスシステムは、プラテンシステムを備える。
【0018】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明の以下の1つの実施形態の添付図面を用いた説明から理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ブロー装置を備えるホットホイルスタンピングプレス機の概略的な側面図である。
図2図1のホットホイルスタンピングプレス機の裏側の概略的な側面図である。
図3図1及び2のグリッパーバーの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において、ホットホイルスタンピングプレス機10の主要部が示されている。これは、特に紙又は段ボールで構成されるシートが、その上を、供給方向Fに沿って搬送されるプレステーブル11を備えている。
概略的に示すホルダー12は、ホイル14の供給品13を保持するために設けられている。供給品13は、その上にホイル14が巻き付けられたロール又はボビンの形態とすることができる。
【0021】
図1のホットホイルスタンピングプレス機10の実施形態において、供給品13は、この機械の前側に配置される。機械の前側は、機械の設定を調節するために使用される制御要素が配置される側である。
基本的には、供給品13は、ホットホイルスタンピングプレス機10の裏側に配置することもできる。
【0022】
ホイル14は、金属で被覆されたプラスチックの薄いホイル又は薄い金属ホイルである。ホットホイルスタンピングプレス機に関して、ホイルの特定の部分がシートに適用される。
図1から分かるように、第2のホイル16を適用することもできる。
【0023】
ホイル14は、複数のローラー18を備える案内システムを用いてシートの上に案内される。
ホイル14をシート上に押し付けてホイル14の一部をシートに付着させるために、図1に示すように、プレスシステム20は、固定上側ビーム21と、可動下側ビーム23と、プレステーブル11とを備えている。
プレスシステム20はプラテン印刷機を構成する。
【0024】
機械の裏側には、使用済みホイルのための廃棄システム22及び張力システム24が配置される。
ここでは、廃棄システム22は、使用済みホイル上に引っ張り力を作用させるように協働する複数のブラシ28を備える。
一般に、廃棄システム22は真空システムを備えることができる。
【0025】
張力システム24は、張力シャフト25及び加圧ローラー26を有する。張力シャフト25は、一定の速度で回転して使用済みホイル上に張力を発生させる。加圧ローラー26は、張力シャフト25がホイル14上に一定の引っ張り力を与えることができるように、使用済みホイルを張力シャフト25に対して押す。
従って、張力システム24は、プレスシステム20内でホイル14を真っ直ぐな状態にする。
【0026】
加えて、ブローユニット30と、グリッパーバー32と、流れ案内要素34とが、機械の裏側に配置される。これらの構成要素は、ホットホイルスタンピングプレス機10の裏側の側面図である図2に詳細に示されている。
【0027】
ブローユニット30は、ガス流をシートとホイルとの間の隙間に向かわせる複数のノズル36を有する。これは、シートからのホイル14の分離工程を助ける。
グリッパーバー32は、ブローユニット30とプレスシステム20との間に配置される。
図3の斜視図に示すように、グリッパーバーは、本体38と、本体38の側面から延びてプレスシステム20に面する複数の把持アーム40とを有する。
本体38は、グリッパーバー32の支持体を形作り、本体38の各端で移送チェーン42に取り付けられており、移送チェーン42の移動によってグリッパーバー32の移動が可能になる。
【0028】
把持アーム40は、それぞれ上部44と下部46とを有し、上部44と下部46とは、枢動軸48の周りで互いに対して枢動する。
詳細には、上部44と下部46とは、上部44と下部46との間に隙間を形成できるように枢動し、この隙間の中にシートを捕捉することができる。隙間を形成するために、枢動機構50が設けられている。
【0029】
図2において、枢動機構50は、バネ52を備えている。
従って、グリッパーバー32は、プレステーブル11からのシートをつかみ、プレステーブル11からシートを取り除くようになっている。
【0030】
流れ案内要素34は、薄板であり、ブローユニット30とプレスシステム20との間に配置される。
案内要素34には、その幅に沿って流れ案内性能を低下させるサイズの孔がない又は何らかの開口がないことに留意されたい。換言すると、シートの幅に対応する、従って、シホイル14をシート上に押し付けることができる領域の幅に対応する領域に孔又は開口がない。
【0031】
詳細には、流れ案内要素34は、ぴったり合う方法(form fitting manner)でグリッパーバー32に取り付けられる。このために、流れ案内要素34は、本体38の凹部56の中に嵌合される凸部54を有する。
図2及び図3に示すように、流れ案内要素34は、グリッパーバー32に取り付けられ、ブローユニット30からのガス60の流れに面fする本体38の上面58の延長部であるように各把持アーム40の下部46に取り付けられる。
【0032】
流れ案内要素34は、大きな矢印で示されるブローユニット30からシートとホイル14との間に吹き込まれたガス60を案内するように構成される。これにより、流れ案内要素34は、シートからのホイル14の分離工程を助ける。
詳細には、流れ案内要素34は、ブローユニット30とプレスシステム20との間の領域62を部分的にカバーすることで、ホイル14とシートとの間の隙間に衝突しないガス60の量を低減する。
【0033】
具体的には、流れ案内要素34は、グリッパーバー32とプレスシステム20との間の領域62、並びに各把持アーム40(図3)の間の領域をカバーする。従って、流れ案内要素34は、各把持アーム40の間を流れ、ホイル14とシートとの間の隙間に衝突しないガス60を低減する。
ガス60は空気とすることができる。
【0034】
図1から図3に示す実施形態において、グリッパーバー32は複数の把持アーム40を有する。しかしながら、原則として、グリッパーバー32が1つの把持アーム40だけを有することが考えられる。
さらに、凹部56及び凸部54の配置は、入れ替えることができ、凹部56を流れ案内要素34に設け、凸部54をグリッパーバー32に設けることができる。
原則として、流れ案内要素34は、1つの凹部56及び1つの凸部54だけでグリッパーバー32に取り付けることができる。
図1
図2
図3