(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】棚シャトル車および棚システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2021564109
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(86)【国際出願番号】 CN2020083689
(87)【国際公開番号】W WO2020220949
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】201910361595.6
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,フェングァン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,グオク
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ミンフ
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-203703(JP,A)
【文献】特表2016-529181(JP,A)
【文献】特開平11-079321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129702(US,A1)
【文献】特開昭63-242809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133,1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚シャトル車であって、車体、保管/取り出し装置および昇降装置を含み、
前記車体内には、前記保管/取り出し装置を収容するための収容室が形成され、前記保管/取り出し装置は、固定部および荷物を保管/取り出しするための移動部を含み、前記移動部は、前記固定部
の少なくとも一部の構造に対して伸縮移動可能であり、前記昇降装置は、前記固定部と前記車体との間に接続されており、前記昇降装置は、前記固定部を垂直方向に移動させるように
駆動することにより、前記保管/取り出し装置を
前記収容室から離させるか前記収容室
に収縮させることに用いられ
、
前記棚シャトル車は、さらに、第2の走行装置と伸縮装置とを含み、前記第2の走行装置は前記伸縮装置により前記車体に接続され、前記伸縮装置は、前記第2の走行装置が前記車体に対して垂直方向に移動させるように駆動することにより、前記第2の走行装置をレールと接触または分離させることに用いられ、前記第2の走行装置は、前記車体を縦方向に移動させるように駆動することに用いられる、ことを特徴とする棚シャトル車。
【請求項2】
前記昇降装置は、昇降駆動器および接続部材を含み、前記昇降駆動器は前記車体に接続され、前記接続部材の第1の端部は前記昇降駆動器の出力端に接続され、前記接続部材の第2の端部は前記固定部に接続され、前記昇降駆動器は、前記接続部材を移動させるように
駆動して、前記第1の端部と前記第2の端部との間の垂直距離を変更することに用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の棚シャトル車。
【請求項3】
前記昇降装置は、さらに、前記車体に回転可能に接続された伝動レバーを含み、前記接続部材は、前記伝動レバーに巻き付けられた複数のフレキシブル昇降ベルトを含み、前記フレキシブル昇降ベルトの一端は前記伝動レバーに固定され、前記フレキシブル昇降ベルトの他端は前記固定部に固定して接続され、
前記昇降駆動器の出力端は、前記伝動レバーに接続され、前記伝動レバーを回転させるように
駆動することにより、前記フレキシブル昇降ベルトの他端と前記伝動レバーとの距離を変化させる、ことを特徴とする請求項2に記載の棚シャトル車。
【請求項4】
前記車体には、予め設定されたルールに従って並べる複数のローラが設けられており、各前記フレキシブル昇降ベルトの他端は、1つの前記ローラを巻き付けた後、前記固定部に固定接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の棚シャトル車。
【請求項5】
前記フレキシブル昇降ベルトは、前記ローラと前記固定部との間の部分が垂直方向に延びている、ことを特徴とする請求項4に記載の棚シャトル車。
【請求項6】
前記フレキシブル昇降ベルトの数は4であり、前記伝動レバーの両端にはそれぞれ2つの前記フレキシブル昇降ベルトが接続されており、前記固定部の断面形状は四辺形であり、4つの前記フレキシブル昇降ベルトは前記固定部の周囲に均等に固定されている、ことを特徴とする請求項4または5に記載の棚シャトル車。
【請求項7】
前記棚シャトル車は、前記車体に接続され、前記車体を横方向に移動させるように
駆動するための第1の走行装置を含む、ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の棚シャトル車。
【請求項8】
前記第1の走行装置は、第1の駆動アセンブリおよび前記車体
の両側に矩形で配置された複数の第1の走行輪を含み、各前記第1の走行輪の輪軸は縦方向に延び、
前記第1の駆動アセンブリは、前記車体に接続された第1の駆動器と、前記縦方向に延びる第1の回転軸とを含み、前記第1の回転軸の両端にはそれぞれ2つの前記第1の走行輪が固定されており、前記第1の回転軸は前記車体に回転可能に接続され、前記第1の駆動器の出力端は、前記第1の回転軸に接続され、前記第1の回転軸の回転を駆動するようにする、ことを特徴とする請求項7に記載の棚シャトル車。
【請求項9】
前記伸縮装置は、伸縮駆動器と、前記垂直方向に沿って前記車体にスライド可能に設けられた2つの伸縮板と、前記車体に回動可能に接続された接続レバーと、を含み、2つの前記伸縮板は、前記車体の横方向の両側にそれぞれ設けられ、
前記接続レバーの両端にはそれぞれ偏心輪が固定されており、各前記伸縮板には前記偏心輪と嵌め合うための長円孔が設けられており、
前記伸縮駆動器は、前記接続レバーに接続され、前記接続レバーの回転を駆動するようにし、
前記第2の走行装置は、前記伸縮板に接続される、ことを特徴とする請求項
1~請求項8のいずれか1項に記載の棚シャトル車。
【請求項10】
前記伸縮板は、2つの伸縮アームを含み、2つの前記伸縮アームの頂端が接続され、2つの前記伸縮アームの底端が斜め下に伸出して、2つの前記伸縮アームの間に予め設定された角度を有するようにし、当該伸縮アームの頂端には、前記長円孔を設けることができ、前記第2の走行装置は、前記伸縮アームの底端に設けられる、ことを特徴とする請求項
9に記載の棚シャトル車。
【請求項11】
前記第2の走行装置は、第2の駆動アセンブリおよび2つの前記伸縮板に対称に分布する複数の第2の走行輪を含み、各前記第2の走行輪の輪軸が前記横方向に延び、
前記第2の駆動アセンブリは、前記伸縮板に設けられた第2の駆動器と、前記横方向に延びる第2の回転軸と、前記第2の回転軸の両端にそれぞれ設けられた2つの伝動アセンブリとを含み、前記第2の回転軸の両端は2つの前記伸縮板に回転可能に接続され、各前記伝動アセンブリは前記第2の回転軸から離れる一端が1つの前記第2の走行輪に接続され、
前記第2の駆動器の出力端は、前記第2の回転軸に接続され、前記第2の回転軸の回転を駆動するようにする、ことを特徴とする請求項
9または請求項
10に記載の棚シャトル車。
【請求項12】
前記固定部は、底板および前記底板にそれぞれ設けられた2つの側板を含み、前記側板は、前記昇降装置に接続され、
各前記側板には、前記側板に縦方向に沿ってスライド可能に設けられた第1の伸縮板が接続されており、前記第1の伸縮板には、さらに、前記第1の伸縮板に前記縦方向に沿ってスライド可能に設けられた第2の伸縮板が設けられ、前記第2の伸縮板の両端には、それぞれ前記移動部が設けられ、前記移動部は、前記固定部に対して前記第1の伸縮板と前記第2の伸縮板とに追従して縦方向に移動することができ、また、前記移動部は、さらに、前記第2の伸縮板に対して回転することができ、これにより前記第2の伸縮板よりも内側に突出している、ことを特徴とする請求項1~請求項
11のいずれか1項に記載の棚シャトル車。
【請求項13】
前記固定部には、さらに、保管/取り出し駆動アセンブリが設けられ、前記保管/取り出し駆動アセンブリは、前記第1の伸縮板が前記側板に対してスライドするように駆動し、前記第2の伸縮板が前記第1の伸縮板に対してスライドするように駆動することに用いられる、ことを特徴とする請求項
12に記載の棚シャトル車。
【請求項14】
前記保管/取り出し駆動アセンブリは、保管/取り出し駆動器と、前記保管/取り出し駆動器と前記第1の伸縮板との間に接続された第1の保管/取り出し伝動アセンブリと、を含み、
前記第1の保管/取り出し伝動アセンブリは、複数のプーリーと、前記複数のプーリー外に囲まれる歯付きベルトと、を含み、前記歯付きベルトは、前記縦方向に延びる第1のセグメントを含み、且つ前記第1のセグメントには、前記縦方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の第1の歯が形成され、前記第1の伸縮板の底面には、前記縦方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の第2の歯が形成され、前記第1の歯と前記第2の歯とが嵌め合い、
前記保管/取り出し駆動器の出力端は、1つの前記プーリーに接続されることにより、前記プーリーを回転させるように
駆動し、前記第1の伸縮板は前記側板に対してスライドする、ことを特徴とする請求項
13に記載の棚シャトル車。
【請求項15】
前記保管/取り出し駆動アセンブリは、さらに、前記第1の伸縮板と前記第2の伸縮板とを接続する第2の保管/取り出し伝動アセンブリを含み、
前記第2の保管/取り出し伝動アセンブリは、前記第1の伸縮板の両端に設けられる2つの滑車と、2つの前記滑車をそれぞれ巻き付ける2つのベルトとを含み、前記滑車の軸線は前記垂直方向に延びており、前記ベルトの一端は前記側板に固定され、前記ベルトの他端は前記滑車を巻き付けた後前記第2の伸縮板に固定されており、前記2つのベルトの対応する滑車への巻き付け方向は逆である、ことを特徴とする請求項
14に記載の棚シャトル車。
【請求項16】
前記固定部には、さらに、支持装置が設けられており、
前記支持装置は、支持駆動アセンブリと、前記支持駆動アセンブリに接続された複数の係合部と、を含み、前記支持駆動アセンブリは、前記係合部が前記移動部の伸縮方向に平行であるように前記固定部に対して移動するように駆動し、前記係合部を棚にある係止溝と係合させることに用いられる、ことを特徴とする請求項1~請求項
15のいずれか1項に記載の棚シャトル車。
【請求項17】
前記支持駆動アセンブリは、支持駆動器および支持伝動アセンブリを含み、
前記支持伝動アセンブリは、前記支持駆動器の出力端に固定して接続されたギアと、前記ギアと嵌め合うセクターギアと、第1のリンクと、前記第1のリンクの両端にそれぞれヒンジで接続された2つの第2のリンクとを含み、前記セクターギアは、前記第1のリンクの中央部に固定され、各前記第2のリンクは、前記第1のリンクから離れる一端が前記係合部にヒンジで接続され、前記固定部にはスライドレールが設けられ、前記係合部は前記スライドレールにスライド可能に設けられる、ことを特徴とする請求項
16に記載の棚シャトル車。
【請求項18】
棚システムであって、アレイ状に
配置された複数の棚と、前記棚の頂部に設置されたレールと、請求項1~請求項
17のいずれか1項に記載の棚シャトル車とを含み、前記棚シャトル車の車体は前記レール上を走行することができる、ことを特徴とする棚システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年04月30日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910361595.6で、出願名が「棚シャトル車及び棚システム」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は引用によって本願に組み合わせられる。
本願は倉庫設備技術分野に関連し、特に、棚シャトル車及び棚システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流産業の急速な発展に伴い、荷物などの物品の輸送と選別は物流産業の重要な過程である。荷物輸送の正確性と迅速性を高めるには、通常、荷物倉庫内にシャトル車を設置することによって荷物を保管/取り出しする。
【0003】
従来の技術では、荷物倉内には複数の棚が設置されており、各棚には垂直方向に間隔を置いて設置された複数の仕切り板が設置されており、各仕切り板は水平方向に延びており、隣接する2つの仕切り板の間に荷物を置くための収納スペースを形成することができる。各仕切り板の片側にシャトル車が設置されており、シャトル車は水平方向に移動して、その収納スペース内の荷物を取り出すことができ、つまり、1つのシャトル車は1層の荷物を取り出すことができる。
【0004】
しかし、棚の各層にシャトル車を設置する必要があるため、必要なシャトル車の数が多く、生産コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の目的は、従来技術の荷物倉で複数台のシャトル車を使用するコストが高いという問題を克服するために、棚シャトル車及び棚システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、車体、保管/取り出し装置および昇降装置を含む棚シャトル車を提供し、車体内には、保管/取り出し装置を収容するための収容室が形成され、保管/取り出し装置は、固定部および荷物を保管/取り出しするための移動部を含み、移動部は、固定部に対して伸縮移動可能であり、昇降装置は、固定部と車体との間に接続されており、固定部を垂直方向に移動させるように連動することにより、保管/取り出し装置を収容室に伸出または収縮させることに用いられる。
【0007】
一可能な実施形態では、昇降装置は、昇降駆動器および接続部材を含み、昇降駆動器は車体に接続され、接続部材の第1の端部は昇降駆動器の出力端に接続され、接続部材の第2の端部は固定部に接続され、昇降駆動器は、接続部材を移動させるように連動して、第1の端部と第2の端部との間の垂直距離を変更することに用いられる。
【0008】
一可能な実施形態では、昇降装置は、さらに、車体に回転可能に接続された伝動レバーを含み、接続部材は、伝動レバーに巻き付けられた複数のフレキシブル昇降ベルトを含み、フレキシブル昇降ベルトの一端は伝動レバーに固定され、フレキシブル昇降ベルトの他端は固定部に固定接続され、昇降駆動器の出力端は、伝動レバーに接続され、伝動レバーを回転させるように連動することにより、フレキシブル昇降ベルトの他端と伝動レバーとの距離を変化させる。
【0009】
一可能な実施形態では、車体には、さらに、予め設定されたルールに従って並べる複数のローラが設けられており、各フレキシブル昇降ベルトの他端は、1つのローラを巻き付けた後、固定部に固定して接続される。
【0010】
一可能な実施形態では、フレキシブル昇降ベルトは、ローラと固定部との間の部分が垂直方向に延びている。
【0011】
一可能な実施形態では、棚シャトル車は、車体に接続され、車体を横方向に移動させるように連動するための第1の走行装置を含む。
【0012】
一可能な実施形態では、第1の走行装置は、第1の駆動アセンブリおよび車体にアレイ状に配布する複数の第1の走行輪を含み、各第1の走行輪の輪軸は縦方向に延び、第1の駆動アセンブリは、車体に接続された第1の駆動器と、縦方向に延びる第1の回転軸とを含み、第1の回転軸の両端にはそれぞれ2つの第1の走行輪が固定されており、第1の回転軸は車体に回転可能に接続され、第1の駆動器の出力端は、第1の回転軸に接続され、第1の回転軸の回転を駆動する。一可能な実施形態では、棚シャトル車は、さらに、第2の走行装置と伸縮装置を含み、第2の走行装置は伸縮装置により車体に接続され、伸縮装置は、第2の走行装置を車体に対して垂直方向に移動させるように連動することにより、第2の走行装置をレールと接触または分離させることに用いられ、第2の走行装置は、車体を縦方向に移動させるように連動することに用いられる。
【0013】
一可能な実施形態では、伸縮装置は、伸縮駆動器と、垂直方向に沿って車体にスライド可能に設けられた2つの伸縮板と、車体に回動可能に接続された接続レバーと、を含み、2つの伸縮板は、車体の横方向の両側にそれぞれ設けられ、接続レバーの両端にはそれぞれ偏心輪が固定されており、各伸縮板には偏心輪と嵌め合うための長円孔が設けられており、伸縮駆動器は、接続レバーに接続され、接続レバーの回転を駆動し、第2の走行装置は、伸縮板に接続される。
【0014】
一可能な実施形態では、第2の走行装置は、第2の駆動アセンブリおよび2つの伸縮板に対称に分布する複数の第2の走行輪を含み、各第2の走行輪の輪軸が横方向に延び、第2の駆動アセンブリは、伸縮板に設けられた第2の駆動器と、横方向に延びる第2の回転軸と、第2の回転軸の両端にそれぞれ設けられた2つの伝動アセンブリとを含み、第2の回転軸の両端は2つの伸縮板に回転可能に接続され、各伝動アセンブリは第2の回転軸から離れる一端が1つの第2の走行輪に接続され、第2の駆動器の出力端は、第2の回転軸に接続され、第2の回転軸の回転を駆動する。
【0015】
一可能な実施形態では、固定部は、底板および底板にそれぞれ設けられた2つの側板を含み、側板は、昇降装置に接続される。各側板には、側板に縦方向にスライド可能に設けられた第1の伸縮板が接続されており、第1の伸縮板には、さらに、第1の伸縮板に縦方向にスライド可能に設けられた第2の伸縮板が設けられ、第2の伸縮板の両端には、それぞれ移動部が設けられ、移動部は、固定部に対して第1の伸縮板と第2の伸縮板に追従して縦方向に移動することができ、また、移動部は、第2の伸縮板に対して回転することができ、第2の伸縮板よりも内側に突出し、固定部には、さらに、保管/取り出し駆動アセンブリが設けられ、保管/取り出し駆動アセンブリは、第1の伸縮板が側板に対してスライドするように駆動し、第2の伸縮板が第1の伸縮板に対してスライドするように駆動することに用いられる。
【0016】
一可能な実施形態では、保管/取り出し駆動アセンブリは、保管/取り出し駆動器と、保管/取り出し駆動器と第1の伸縮板との間に接続された第1の保管/取り出し伝動アセンブリと、を含み、第1の保管/取り出し伝動アセンブリは、複数のプーリーと、複数のプーリー外に囲まれる歯付きベルトと、を含み、歯付きベルトは、縦方向に延びる第1のセグメントを含み、第1のセグメントには、縦方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の第1の歯が形成され、第1の伸縮板の底面には、縦方向に沿って間隔をおいて設けられた複数の第2の歯が形成され、第1の歯と第2の歯とが嵌め合い、保管/取り出し駆動器の出力端は、1つのプーリーに接続され、プーリーを回転させるように連動し、第1の伸縮板は側板に対してスライドする。
【0017】
一可能な実施形態では、保管/取り出し駆動アセンブリは、さらに、第1の伸縮板と第2の伸縮板とを接続する第2の保管/取り出し伝動アセンブリを含み、第2の保管/取り出し伝動アセンブリは、第1の伸縮板の両端に設けられる2つの滑車と、2つの滑車をそれぞれ巻き付ける2つのベルトとを含み、滑車の軸線は垂直方向に延びており、ベルトの一端は側板に固定され、ベルトの他端は滑車を巻き付けて第2の伸縮板に固定されており、対応する滑車での2つのベルトの巻き付け方向は逆である。
【0018】
一可能な実施形態では、固定部には、さらに、支持装置が設けられており、支持装置は、支持駆動アセンブリと、支持駆動アセンブリに接続された複数の係合部と、を含み、支持駆動アセンブリは、係合部が移動部の伸縮方向に平行であるように固定部に対して移動させるように駆動し、係合部を棚にある係止溝と係合させることに用いられる。
【0019】
一可能な実施形態では、支持駆動アセンブリは、支持駆動器および支持伝動アセンブリを含み、支持伝動アセンブリは、支持駆動器の出力端に固定して接続されたギアと、ギアと嵌め合うセクターギアと、第1のリンクと、第1のリンクの両端にそれぞれヒンジで接続された2つの第2のリンクと、を含み、セクターギアは、第1のリンクの中央部に固定され、各第2のリンクは、第1のリンクから離れる一端が係合部にヒンジで接続され、固定部にはスライドレールが設けられ、係合部はスライドレールにスライド可能に設けられる。
【0020】
本願はさらに、アレイ状に配布する複数の棚と、棚の頂部に設置されたレールと、棚シャトル車と、を含み、棚シャトル車の車体はレール上を走行することができる棚システムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本願で提供される棚シャトル車及び棚システムは、車体、保管/取り出し装置および昇降装置を設置することにより、車体内には、保管/取り出し装置を収容するための収容室が形成され、保管/取り出し装置は、固定部および荷物を保管/取り出しするための移動部を含み、移動部は、固定部に対して伸縮移動可能であり、昇降装置は、固定部と車体との間に接続されており、昇降装置は、固定部を垂直方向に移動させるように連動することにより、保管/取り出し装置を収容室に伸出または収縮させることに用いられる。棚シャトル車の保管/取り出し装置は昇降装置の駆動によって垂直方向に移動できるため、棚の各層の荷物を保管/取り出しすることができ、これにより棚シャトル車の数を減らし、生産コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願の実施例における棚システムの全体構造模式図である。
【
図3】本願の実施例における棚シャトル車の模式
図1である。
【
図4】本願の実施例における棚シャトル車の模式
図2である。
【
図5】
図4の保管/取り出し装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本願の実施例における棚システムの全体構造模式図である。
図2は、
図1の正面図である。
図3は、本願の実施例における棚シャトル車の模式
図1である。
図4は本願の実施例における棚シャトル車の模式
図2である。図中のXは横方向、Yは縦方向を表す。垂直方向は縦方向と横方向の両方に垂直な方向である。
【0024】
図1から
図4を参照して、本実施例は、車体100と、保管/取り出し装置500と、昇降装置600と、を含み、車体100内には、保管/取り出し装置500を収容するための収容室が形成され、保管/取り出し装置500は、固定部510と、荷物900を保管/取り出しするための移動部520とを含み、移動部520は、固定部510に対して伸縮移動可能であり、昇降装置600は、固定部510と車体100との間に接続されており、固定部510を垂直方向に移動させるように連動することにより、保管/取り出し装置500を収容室に伸出または収縮するために用いられる。
【0025】
ここで、棚シャトル車は倉庫物流システムに応用できる。倉庫物流システムは一般的に荷物倉を含み、荷物倉内には、横方向および縦方向に沿ってアレイ状で配布する複数の棚700が設置され、棚700の間に通路が形成されている。棚700ごとに多層の収納スペースが形成されており、各収納スペース内には水平方向に間隔をおいて複数の荷物900を設置することができる。棚シャトル車は通路を移動して荷物900を保管/取り出しすることができる。
【0026】
棚シャトル車には車体100が含まれ、車体100の構造には様々な種類があるが、例えば、車体100が箱型構造であってもよく、あるいは車体100が複数のビームからなるフレーム型構造であってもよい。車体100内に収容室を形成することができ、収容室の大きさを荷物900のサイズより大きくすることができ、それにより、荷物900を収容室に収容することができる。
【0027】
保管/取り出し装置500は昇降装置600を介して車体100内に接続されていてもよく、保管/取り出し装置500は昇降装置600によって車体100に対して垂直方向に移動することができ、それにより、保管/取り出し装置500は収容室内に位置したり、収容室外に伸び出したりすることができる。保管/取り出し装置500は、箱状構造や網状構造などの固定部510と、移動部520とを含んでもよく、固定部510は昇降装置600に接続可能であるため、昇降装置600の作用によって垂直方向に移動する。移動部520は、固定部510に対して水平方向に移動して、棚700の荷物900を固定部510内に運んだり、固定部510の荷物900を棚700に押し込んだりすることができる。移動部520の構造は様々であってもよく、例えば、移動部520は荷物900を挟持できる挟持アームであってもよく、挟持アームは固定部510に対して横方向または縦方向に伸縮して荷物900を運ぶことができる。
【0028】
昇降装置600の構造も様々であってもよく、例えば、昇降装置600は電動機と電動機の回転軸に巻きつけられたワイヤロープを含んでもよく、ワイヤロープの末端にフック状の構造が接続されていてもよく、固定部510がフック状の構造体に掛けられることができ、電動機がワイヤロープを垂直方向に移動させることで、保管/取り出し装置500が垂直方向に移動するように連動する。
【0029】
棚シャトル車は、命令を受信して棚700のある層の荷物900を取り出すと、昇降装置600によって保管/取り出し装置500を荷物900のある層に降ろし、そして移動部520によって荷物900を固定部510に運び、そして昇降装置600によって保管/取り出し装置500及び荷物900を収容室内に移動させ、その後、棚シャトル車を指定された荷物放置場所に移動させて荷降ろしを行うことができる。
【0030】
荷物900を保管する過程は上記の過程と逆であることが理解できるので、ここでは説明しない。
図1中の棚シャトル車は棚700の頂部に設置され、保管/取り出し装置500は下方に移動して収容室から伸出することができるが、他の実施例では棚シャトル車は床面に設置されることができ、この場合、保管/取り出し装置500は上方に移動して収容室から伸出することができるが、ここでは特に限定しない。
【0031】
本実施例で提供される棚シャトル車は、車体、保管/取り出し装置および昇降装置を設置することにより、車体内には、保管/取り出し装置を収容するための収容室が形成され、保管/取り出し装置は、固定部および荷物を保管/取り出しするための移動部を含み、移動部は、固定部に対して伸縮移動可能であり、昇降装置は、固定部と車体との間に接続されており、昇降装置は、固定部を垂直方向に移動させるように連動することにより、保管/取り出し装置を収容室に伸出または収縮させることに用いられる。棚シャトル車の保管/取り出し装置は昇降装置によって垂直方向に移動できるため、棚の各層の荷物を保管/取り出しすることができ、棚シャトル車の数を減らし、生産コストが削減される。
【0032】
昇降装置600の一可能な実施例として、昇降装置600は、昇降駆動器610および接続部材を含み、昇降駆動器610は車体100に接続され、接続部材の第1の端部は昇降駆動器610の出力端に接続され、接続部材の第2の端部は固定部510に接続され、昇降駆動器610は接続部材の動きを駆動して、第1の端部と第2の端部との間の垂直距離を変更することに用いられる。
【0033】
ここで、昇降駆動器610は電動機またはモータであってもよく、接続部材は伸縮可能な接続レバーであり、接続レバーは垂直方向に延びることができ、昇降駆動器610の出力端は接続レバーに接続可能であるため、接続レバーの垂直方向の長さを変えることができ、接続レバーの末端は固定部510に接続可能であり、保管/取り出し装置510を垂直方向に移動させるように連動することができる。
【0034】
選択可能に、昇降装置600は、さらに、車体100に回転可能に接続された伝動レバー620を含み、接続部材は、伝動レバー620に巻き付けられた複数のフレキシブル昇降ベルト630を含み、フレキシブル昇降ベルト630の一端は伝動レバー620に固定され、フレキシブル昇降ベルトの他端は固定部510に固定して接続され、昇降駆動器610の出力端は、伝動レバー620に接続され、伝動レバー620を回転させるように連動することにより、フレキシブル昇降ベルト630の他端と伝動レバー620との距離を変化させる。
【0035】
昇降駆動器610は、モータ及びモータに接続された減速機を含んでもよく、減速機は伝動レバー620に接続され、保管/取り出し装置500は、フレキシブル昇降ベルト630によって上下移動を実現することができる。伝動レバー620は、昇降駆動器610の駆動によって車体100に対して回転することができ、伝動レバー620は、縦方向に延びることができ、伝動レバー620には、複数のフレキシブル昇降ベルト630が巻き付けられており、フレキシブル昇降ベルト630は、伝動レバー620の回転によってその底端と伝動レバー620との距離の長さを変化させることができ、フレキシブル昇降ベルト630は、固定部510にその底端を固定することによって、固定部510の昇降を実現することができる。
【0036】
選択可能に、車体100には、予め設定されたルールに従って並べる複数のローラ640が設けられており、各フレキシブル昇降ベルト630の他端は、1つのローラ640を巻き付けた後、固定部510に固定される。
【0037】
ここで、ローラ640はいずれもガイドの役割を果たすことができ、複数のローラ640は予め設定されたルールに従って並べることができ、例えば、円周方向に間隔をおいて設置されていてもよく、あるいはマトリックス方向に並べていてもよく、具体的には固定部510の大きさと形状に応じて設定することができる。各フレキシブル昇降ベルト630は、1つのローラ640を巻き付けた後固定部510に接続され、ローラ640によってフレキシブル昇降ベルト630の伸出端の位置を変えることができ、これにより、フレキシブル昇降ベルト630の伸出端が固定部510の周囲に均一に固定され、その結果、固定部510の昇降がスムーズになる。
図4の実施例では、フレキシブル昇降ベルト630の数は4であり、伝動レバー620の両端にはそれぞれ2つのフレキシブル昇降ベルト630が接続されており、固定部の断面形状は四辺形であってもよく、4つのフレキシブル昇降ベルト630はいずれも固定部の周囲に均等に固定されている。
【0038】
さらに、ローラ640と固定部510との間に位置するフレキシブル昇降ベルト630の部分が垂直方向に延びているため、固定部510は上下に移動する時に垂直方向の引っ張り力のみを受け、水平方向の分力はなく、保管/取り出し装置500の揺れは回避される。
【0039】
上記実施例に基づいて、棚シャトル車は、車体100に接続され、車体100を横方向に移動させるように連動するための第1の走行装置200を含む。
【0040】
ここで、車体100が通路を走行しやすいように、車体100には第1の走行装置200が設置されている。隣接する2つの棚700の間に横方向レールを設けることができる。第1の走行装置200は、車体100を横方向レールに沿って走行させることができる。第1の走行装置200の構造は様々であってもよいが、例えば、電動機とトラックホイールを含み、電動機がトラックホイールを回転させるように連動することで車体100を横方向レールに沿って走行させることができる。
【0041】
選択可能に、第1の走行装置200は、第1の駆動アセンブリ210および車体100にアレイ状に配布する複数の第1の走行輪220を含み、各第1の走行輪220の輪軸は縦方向に延び、第1の駆動アセンブリ210は、車体100に接続された第1の駆動器211と、縦方向に延びる第1の回転軸とを含み、第1の回転軸の両端にはそれぞれ2つの第1の走行輪220が固定されており、第1の回転軸は車体100に回転可能に接続され、第1の駆動器211の出力端は、第1の回転軸に接続され、第1の回転軸の回転を駆動するようにする。
【0042】
ここで、
図4を参照すると、4つの第1の走行輪220が示されており、4つの第1の走行輪220は矩形で分布し、すなわち縦方向の間隔に2つの第1の走行輪220が設けられ、横方向の間隔に2つの第1の走行輪220が設けられている。各第1の走行輪220は車体100に回転可能に接続されており、各第1の走行輪220の輪軸は縦方向に延び、それにより、車体100を横方向に移動させることができる。ここで、縦方向に間隔をおいて設定された2つの第1の走行輪220の中間には1つの第1の回転軸(図示せず)が設けられていてもよく、第1の駆動器211はモータとモータに接続された減速機を含んでいてもよく、減速機の出力端は第1の回転軸に接続可能であるため、第1の回転軸を回転させ、第1の走行輪220を転がらせ、その結果、棚シャトル車は2つの横方向レールを使用して移動することができ、よりスムーズに稼働させる。
【0043】
本実施例では、第1の駆動器211は第1の回転軸の両端の2つの第1の走行輪220のみを駆動し、残りの2つの第1の走行輪220は受動的に転がすことができ、コストを低減できることが理解できる。他の実施例では、各2つの第1の走行輪220の間に1つの第1の回転軸が設けられ、複数の第1の回転軸が同時に第1の駆動器211によって駆動されてもよい。また、第1の走行輪220の数は、6個、8個などでもよいが、ここでは限定しない。
【0044】
上記実施例に基づいて、棚シャトル車は、さらに、第2の走行装置300と伸縮装置400を含み、第2の走行装置300は伸縮装置400により車体100に接続され、伸縮装置400は、第2の走行装置300を車体100に対して垂直方向に移動させるように連動することにより、第2の走行装置300をレール800と接触または分離させることに用いられ、第2の走行装置300は、車体100を縦方向に移動させるように連動することに用いられる。
【0045】
ここで、荷物倉には、各棚700をシャトルするためのレール800が設置されていてもよく、レール800には、横方向と縦方向に交差する複数の横方向レールと縦方向レールが含まれてもよい。第2の走行装置300は、車体100を縦方向に移動させるように連動することができ、第2の走行装置300の構造も様々であるが、例えば、電動機およびトラックホイールを設けてもよく、電動機がトラックホイールを回転させるように連動することで車体100を縦方向のレールに沿って走行させるように連動することができる。
【0046】
第1の走行装置200と第2の走行装置300とが同時にレール800に接触することで車体100の走行に影響を及ぼすことを防止するために、第2の走行装置300と車体100とは伸縮装置400によって接続されることができることが理解できる。伸縮装置400は、第2の走行装置300を車体100に対して垂直方向に移動させるように連動することにより、縦方向レールに接触または分離させることができ、第2の走行装置300がレール800に接触すると、第1の走行装置200がレール800から離れ、車体100を縦方向に移動させるように連動することができ、第2の走行装置300がレール800から離れると、第1の走行装置200がレール800に接触し、車体100を横方向に移動させるように連動することができる。
【0047】
車体100の走行が第1の走行装置200から第2の走行装置300に切り替わるとき、伸縮装置400は第2の走行装置300を下へ移動させるように連動し、第2の走行装置300がレール800に接触した後、伸縮装置400は動作を続けることができ、このとき車体100は上へ移動して、それにより、第1の走行装置200をレール800から離させるように連動することにより、横方向と縦方向の切り替えを実現する。
【0048】
伸縮装置400の構造は様々であってもよいが、例えば、伸縮装置400は、リニア電動機と、車体100に設けられたスライドウェイとを含み、スライドウェイは垂直方向に延び可能であり、第2の走行装置300にはスライダが設けられてもよく、リニア電動機は、車体100に位置してもよく、その出力端がスライダに接続され、スライダを垂直方向にスライドウェイにスライド可能に設けらせることができる。
【0049】
棚シャトル車は、ある荷物900を取り出すという命令を受けると、第1の走行装置200によって横方向に移動し、第2の走行装置300によって縦方向に移動して、それにより、荷物900が位置する棚700の通路に停車し、そして、昇降装置600によって保管/取り出し装置500を荷物900が位置する層に降ろし、そして、移動部520によって荷物900を固定部510内に運搬することができ、昇降装置600によって保管/取り出し装置500及び荷物900を収容室内に移動し、続いて棚シャトル車をレール上で指定された荷物放置場所に移動させ、荷降ろしを行うことができる。
【0050】
本実施例で提供される棚シャトル車は、荷物倉の複数の棚間をシャトルして、棚の各層の荷物を取り出すことができ、また、1つの荷物倉に1台の棚シャトル車を設置するだけですべての荷物の保管/取り出しが可能であり、コストが低い。
【0051】
伸縮装置400の一可能な実施例として、伸縮装置400は、伸縮駆動器410と、車体100に垂直方向にスライド可能に設けられた2つの伸縮板420と、車体100に回動可能に接続された接続レバー430と、を含んでもよく、2つの伸縮板420は、車体100の横方向に沿う両側にそれぞれ設けられている。接続レバー430の両端にはそれぞれ偏心輪431が固定されており、各伸縮板420には偏心輪431と嵌め合うための長円孔が設けられている。伸縮駆動器410は、接続レバー430に接続され、接続レバー430の回転を駆動し、第2の走行装置300は伸縮板420に接続される。
【0052】
ここで、伸縮装置400は、車体100に回動可能に接続された、横方向に延びる接続レバー430を含んでもよく、接続レバー430の両端には伸縮板420が接続されていてもよく、伸縮板420は2つの伸縮アームを含んでもよく、2つの伸縮アームの頂端は接続され、2つの伸縮アームの底端は斜め下に伸出してもよく、その結果、2つの伸縮アームの間には予め設定された角度がある。該伸縮アームの頂端には長円孔が設けられてもよく、接続レバー430の端部には偏心輪431が設けられてもよく、偏心輪431の輪面が長円孔の内面に接触してもよく、伸縮駆動器410はモータまたは電動機であってもよく、接続レバー430を回転させるように連動し、さらに偏心輪431の回転を駆動し、偏心輪431と長円孔との嵌め合いにより伸縮板420を車体100に対して垂直方向にスライドさせる。選択可能に、車体にスライド溝を設けることができ、各伸縮アームの底部の車体100に向かっている内面には、スライド溝にスライド可能に設けられるスライダが設けられてもよく、それにより、2つの伸縮板420の垂直方向の移動を実現し、構造が簡単で、実現が容易である。第2の走行装置300は伸縮アームの底端に設置されることができ、それにより、レール800に接触しやすくなり、伸縮板420の移動距離を減らすことができる。
【0053】
第2の走行装置300の一好ましい実施形態として、第2の走行装置300は、第2の駆動アセンブリ310と、2つの伸縮板420に対称に分布し、それぞれの輪軸が横方向に延びる複数の第2の走行輪320と、を含み、第2の駆動アセンブリ310は、伸縮板420に設けられた第2の駆動器311と、横方向に延びる第2の回転軸312と、第2の回転軸312の両端にそれぞれ設けられた2つの伝動アセンブリ313とを含み、第2の回転軸312の両端は2つの伸縮板420に回転可能に接続されており、各伝動アセンブリ313の第2の回転軸312から離れる一端は1つの第2の走行輪320に接続され、第2の駆動器311の出力端は第2の回転軸312に接続され、第2の回転軸312の回転を駆動するようにする。
【0054】
ここで、
図4を参照して、図には4つの第2の走行輪320が示されており、4つの第2の走行輪320は矩形に分布し、つまり、縦方向に間隔をおいて2つの第2の走行輪320が設けられ、横方向に間隔をおいて2つの第2の走行輪320が設けられている。4つの第2の走行輪320は伸縮アームの下端に分布することができる。各第2の走行輪320は車体100に回転可能に接続されており、各第2の走行輪320の輪軸は横方向に延びており、それにより、車体100を縦方向に移動させるように連動することができる。ここで、横方向に間隔をおいて設置された2つの第2の走行輪320は、第2の回転軸312と2つの伝動アセンブリ313を介して接続されることができ、第2の回転軸312の両端が2つの伸縮板420に回転可能に接続され、伝動アセンブリ313は、第2の回転軸312の一端に接続された第1のプーリーと、第2の走行輪320の輪軸に接続された第2のプーリーと、第1のプーリーと第2のプーリーの外側に套設された同期ベルトとを含み、 伝動アセンブリ313は、第2の回転軸312と第2の走行輪320の輪軸が垂直な間隔を持たせるようにすることができ、第2の回転軸312が伸縮板420に追従して垂直方向に移動する間に第1の回転軸と干渉しないようにすることができる。もちろん、伝動アセンブリ313は、さらに、ギア伝動アセンブリであってもよく、ここでは制限しない。
【0055】
第2の駆動器311は伸縮板420に接続されたモータとモータに接続された減速機を含むことができ、減速機の出力端が第2の回転軸312に接続可能であるため、第2の回転軸312を回転させるように連動し、さらに伝動アセンブリ313を作動させて、第2の走行輪320を転がらせるように連動することで、棚シャトル車が2つの縦方向レールで移動可能であり、よりスムーズに作動するようにすることができる。
【0056】
本実施例では、第2の駆動器311は第2の回転軸の両端にある2つの第2の走行輪320のみを駆動する。残りの2つの第2の走行輪320は受動的に転がすことができるため、コストを低減できることが理解できる。他の実施例では、2つの第2の走行輪320の間に1つの第2の回転軸312と伝動アセンブリ313を設けることができ、複数の第2の回転軸312を同時に第2の駆動器311によって駆動することができる。また、第2の走行輪320の数は、6個、8個などでもよいが、ここでは制限しない。
【0057】
図5は、
図4の保管/取り出し装置の構造模式図である。
図6は、
図5の背面図である。
図5と
図6を合わせて、保管/取り出し装置500の一可能な実施形態として、固定部510は、底板511および底板511にそれぞれ設けられた2つの側板512を含み、側板512は、昇降装置600に接続され、各側板512には、側板512に縦方向に沿ってスライド可能に設けられた第1の伸縮板530が接続されており、第1の伸縮板530には、さらに、第1の伸縮板530に縦方向に沿ってスライド可能に設けられた第2の伸縮板540が設けられ、第2の伸縮板540の両端には、それぞれ移動部520が設けられ、移動部520は、固定部510に対して第1の伸縮板530と第2の伸縮板540とに追従して縦方向に移動することができ、また、移動部520は、さらに第2の伸縮板540に対して回転することができ、これにより第2の伸縮板540よりも内側に突出しており、固定部510には、さらに、保管/取り出し駆動アセンブリ513が設けられ、保管/取り出し駆動アセンブリ513は、第1の伸縮板530が側板512に対してスライドするように駆動し、第2の伸縮板540が第1の伸縮板530に対してスライドするように駆動することに用いられる。
【0058】
ここで、保管/取り出し装置500の移動部520は、縦方向の両端に沿って固定部510に伸出することができ、それにより、縦方向に隣接する2つの棚700の中の荷物900を取り出す。移動部520の伸縮は、スライドレールやスライド溝などの機構を介して側板512に対してスライド可能な第1の伸縮板530と、スライドレールやスライド溝などの機構を介して第1の伸縮板530に対して伸出可能な第2の伸縮板540とによって行うことができ、移動部520の伸出距離を高めることができる。
【0059】
移動部520の数は4であってもよく、4つの移動部520は、2つの第2の伸縮板540の縦方向に沿った両端にそれぞれ設けられていてもよい。移動部520は、一端が第2の伸縮板540に回動可能に接続された棒状構造であってもよく、移動部520の回動軸は移動部520の伸縮方向、すなわち縦方向と平行であってもよく、移動部520が回転した後、他端が内側へ第2の伸縮板540の内面から伸出していてもよい。
【0060】
荷物900を固定部510に運ぶ必要がある場合には、第1の伸縮板530と第2の伸縮板540は、第2の伸縮板540の伸縮方向の前端の移動部520が荷物900の後方に位置するように伸出することができ、2つの移動部520を第2の伸縮板540から突出するように前端にある2つの移動部520を回転させ、そして、第1の伸縮板530と第2の伸縮板540を収縮させ、このとき、移動部520は、荷物900の後方から固定部510に荷物900を引くことができ、その過程で後方に位置する2つの移動部520は動作せず、固定部510の荷物900を棚700に押し込む必要がある場合には、これら2つの移動部520が動作し、荷物900の保管/取り出しが可能になる。
【0061】
保管/取り出し駆動アセンブリ513は、第1の伸縮板530と第2の伸縮板540とをそれぞれ駆動する2つの駆動部を含んでもよく、選択可能に、保管/取り出し駆動アセンブリ513は、保管/取り出し駆動器514と、保管/取り出し駆動器514と第1の伸縮板530との間に接続された第1の保管/取り出し伝動アセンブリとを含み、第1の保管/取り出し伝動アセンブリは、複数のプーリー515と、複数のプーリー515の外に囲まれた歯付きベルト516とを含み、歯付きベルト516は、縦方向に延びる第1のセグメントを含み、且つ第1のセグメンドには、縦方向に間隔をおいて設けられた複数の第1の歯が形成されており、第1の伸縮板530の底面には、縦方向に間隔をおいて設けられた複数の第2の歯が形成されており、第1の歯と第2の歯が嵌め合い、保管/取り出し駆動器514の出力端は1つのプーリー515に接続されるため、プーリー515を回転させるように連動し、第1の伸縮板530は側板512に対してスライドする。
【0062】
ここで、各側板512には、いずれも第1の保管/取り出し伝動アセンブリが設けられていてもよく、
図6を参照して、複数のプーリー515と複数のプーリー515の外側に套設された歯付きベルト516とを含んでもよく、複数のプーリー515は、同期ベルトを介して保管/取り出し駆動器514に接続された駆動輪560と、駆動輪560の両側に設けられたテンション輪570と、駆動輪560の上方に位置する2つのガイド輪580とを含んでもよい。2つのガイド輪580は同じ水平面に位置しており、それにより、両者の間に位置する第1のセグメントは縦方向に延びる。
【0063】
第1の伸縮板530の底面及び第1のセグメントの頂面にギア噛合機構を形成することができ、第1の伸縮板530の伸縮が可能になり、伝動の信頼性が向上する。
【0064】
さらに、保管/取り出し駆動アセンブリは、さらに、第1の伸縮板530と第2の伸縮板540とを接続する第2の保管/取り出し伝動アセンブリを含み、第2の保管/取り出し伝動アセンブリは、第1の伸縮板530の両端に設けられる2つの滑車517と、2つの滑車517をそれぞれ巻き付ける2つのベルト518と、を含み、滑車517の軸線は垂直方向に延びており、ベルト518の一端は側板512に固定され、ベルト518の他端は滑車517を巻き付けた後第2の伸縮板540に固定されており、2つのベルト518の対応する滑車517への巻き付け方向は逆である。
【0065】
ここで、第1の伸縮板530の両端にはそれぞれ1つの滑車517が設けられてもよく、滑車517の軸線は垂直方向に延び、ベルト518の一端は第1の伸縮板530の外側の側板512に固定され、固定端を形成する。ベルト518の他端は滑車517を巻き付けて第1の伸縮板530の内側の第2の伸縮板540に固定することができる。2つの滑車517におけるベルトの巻き付け方向は逆であり、
図6を参照すると、第1の伸縮板530の左端の滑車517にはベルト518が巻き付けられており、このベルト518の固定端は側板512に固定され、その他端は滑車517に右から左に近づき、滑車を巻き付けた後に左から右に延びて第2の伸縮板540に固定されている。第1の伸縮板530の右側の滑車517(図示せず)についても、ベルト518が巻き付けられており、このベルト518の固定端は側板512に固定され、その他端は左から右に滑車517に近づき、滑車517を巻き付けた後、右から左に延びて第2の伸縮板540に固定されている。滑車517が第1の伸縮板530と一緒に移動すると、各滑車517と対応するベルト518は一組の可動滑車構造を形成することができ、第2の伸縮板540を第1の伸縮板530の2倍の速度で移動させることができ、保管/取り出し効率が向上する。
【0066】
2組の可動滑車構造は、移動部520の
図6の左右両方向への移動にそれぞれ用いることができ、これにより移動部520の両側への伸縮効率を高めることができる。
【0067】
上記実施例に基づいて、
図7は
図5の支持装置の構造模式図であり、
図8は、
図2中のA位置の部分拡大図である。
図7と
図8を合わせて、選択可能に、固定部510には、さらに、支持装置550が設けられており、支持装置550は、支持駆動アセンブリと、支持駆動アセンブリに接続された複数の係合部551と、を含み、支持駆動アセンブリは、係合部551が移動部520の伸縮方向に平行であるように固定部510に対して移動するように駆動し、係合部551を棚700にある係止溝と係合させることに用いられる。
【0068】
ここで、各荷物900の両側の棚700には係止溝を設けることができ、隣接する2つの棚700に設けられた係止溝が通路の中心線に対して対称であり、固定部510が荷物900が位置する位置まで降下するときに、係合部551を固定部510の周囲の係止溝に係合させることができ、それにより、保管/取り出し装置500を支持し、荷物900や移動部520が伸出する過程で固定部510が揺れることを防止し、作動がスムーズになる。本実施例では、各係合部551はいずれも1つのリニア電動機で駆動されることができる。
【0069】
図7を参照すると、別の実施例では、支持駆動アセンブリは、支持駆動器557および支持伝動アセンブリを含んてもよく、支持伝動アセンブリは、支持駆動器557の出力端に固定して接続されたギア552と、ギア552と嵌め合うセクターギア553と、第1のリンク554と、第1のリンク554の両端にそれぞれヒンジで接続された2つの第2のリンク555とを含み、セクターギア553は、第1のリンク554の中央部に固定され、各第2のリンク555は、第1のリンク554から離れる一端が係合部551にヒンジで接続され、固定部510にはスライドレール556が設けられ、係合部551はスライドレール556にスライド可能に設けられる。
【0070】
ここで、各側板512には、支持伝動アセンブリが形成されており、セクターギア553は、第1のリンク554の縦方向の中間位置に固定されていてもよい。支持駆動器557が回動すると、セクターギア553を回動させるように連動し、ひいては第2のリンク555を回動させるように連動し、スライドレール556によって係合部551を縦方向に移動させ、係合を実現することができる。同時に、本実施例では、4つの係合部551を接続することによって、固定効果が高く、作動がスムーズになる。
【0071】
図1と
図2を参照して、本実施例は、アレイ状に配布する複数の棚700と、棚700の頂部に設置されたレール800と、棚シャトル車とを含み、棚シャトル車の車体100はレール800上を走行することができる、棚システムを提供する。
【0072】
ここで、棚システムは荷物倉に適用できる。荷物倉には、横方向および縦方向のアレイ状で配布する複数の棚700が設置され、棚700の間に通路が形成され、各棚700に多層の収納スペースが形成されており、収納スペースごとに複数の荷物900を設置することができる。棚700の頂部にはレール800を設置することができ、棚シャトル車の車体100はレール800を走行することができ、それにより、荷物倉では移動して荷物900を保管/取り出しすることができる。
【0073】
選択可能に、レール800は横方向レールと縦方向レールを含むことができ、レールを棚700の頂部に設置することで、棚700の頂部スペースを合理的に利用し、そのスペース利用率を向上させることができる。棚シャトル車は、第1の走行装置200によって横方向に移動し、第2の走行装置300によって縦方向に移動可能であることにより、荷物900が位置する棚700の通路に停車する。
【0074】
棚シャトル車は、棚700のある層の荷物900を取り出すという命令を受けると、昇降装置600によって保管/取り出し装置500を荷物900が位置する層に降ろし、移動部520によって荷物900を固定部510に運び、そして昇降装置600によって保管/取り出し装置500及び荷物900を収容室内に移動させ、続いて、棚シャトル車を指定された荷物放置場所に移動させて荷降ろしを行うことができる。
【0075】
本実施例で提供される棚システムは、車体、保管/取り出し装置および昇降装置を設置することにより、車体内には、保管/取り出し装置を収容するための収容室が形成され、保管/取り出し装置は、固定部および荷物を保管/取り出しするための移動部を含み、移動部は、固定部に対して伸縮移動可能であり、昇降装置は、固定部と車体との間に接続されており、昇降装置は、固定部を垂直方向に移動させるように連動することにより、保管/取り出し装置を収容室に伸出または収縮させることに用いられる。棚シャトル車の保管/取り出し装置は昇降装置の連動で垂直方向に移動できるため、棚の各層の荷物を保管/取り出しすることができ、これにより棚シャトル車の数を減らし、生産コストが削減される。
【0076】
本願において、「取付」、「繋がる」、「接続」、「固定」等の用語は、特に明確な規定や限定がない限り、広義の意味として理解されるべきであり、例えば、特に明確な限定がない限り、固定的に接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、一体化されていてもよく、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。当業者であれば、上記の用語の本願における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0077】
以上の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、「いくつかの例」などという参照用語の説明は、この実施例または例を組み合わせて説明する具体的な特徴または特点が、本願の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要はない。また、記載した具体的な特徴または特点は、いずれか1つまたは複数の実施例または例において適切な方法で組み合わせてもよい。なお、当業者は、本明細書に記載の異なる実施例または例と、異なる実施例または例の特徴とを、互いに矛盾しない限り、結合及び組み合わせることができる。
【0078】
最後に、以上の各実施例は、本願の技術的手段を説明するためのものであり、それを制限ものではない。上記の各実施の形態を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記の各実施例に記載された技術的手段を修正したり、その技術的特徴の一部または全部を同等置き換えたりすることが可能であることを理解すべきであり、これらの修正または置換は、対応する技術的手段の本質を本願の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0079】
100 車体
200 第1の走行装置
210 第1の駆動アセンブリ
211 第1の駆動器
220 第1の走行輪
300 第2の走行装置
310 第2の駆動アセンブリ
311 第2の駆動器
312 第2の回転軸
313 伝動アセンブリ
320 第2の走行輪
400 伸縮装置
410 伸縮駆動器
420 伸縮板
430 接続レバー
431 偏心輪
500 保管/取り出し装置
510 固定部
511 底板
512 側板
513 保管/取り出し駆動アセンブリ
514 保管/取り出し駆動器
515 プーリー
516 歯付きベルト
517 滑車
518 ベルト
520 移動部
530 第1の伸縮板
540 第2の伸縮板
550 支持装置
551 係合部
552 ギア
553 セクターギア
554 第1のリンク
555 第2のリンク
556 スライドレール
557 支持駆動器
560 駆動輪
570 テンション輪
580 ガイド輪
600 昇降装置
610 昇降駆動器
620 伝動レバー
630 フレキシブル昇降ベルト
640 ローラ
700 棚
800 レール
900 荷物