(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】エアコン及びその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/63 20180101AFI20230621BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20230621BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20230621BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20230621BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F11/79
F24F11/74
F24F11/86
(21)【出願番号】P 2021573583
(86)(22)【出願日】2019-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2019109154
(87)【国際公開番号】W WO2020258573
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201910573242.2
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁文潮
(72)【発明者】
【氏名】鄭偉鋭
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-251559(JP,A)
【文献】実開平01-116348(JP,U)
【文献】特開2012-057816(JP,A)
【文献】特開2014-130001(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037545(WO,A1)
【文献】特開2015-017728(JP,A)
【文献】特開2004-078297(JP,A)
【文献】特開平06-265193(JP,A)
【文献】特開平08-128708(JP,A)
【文献】特開2016-205633(JP,A)
【文献】特開2012-189302(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116178(US,A1)
【文献】特開2015-031419(JP,A)
【文献】特開平05-164394(JP,A)
【文献】特開平09-113002(JP,A)
【文献】特開2016-090115(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208398(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/63
F24F 11/79
F24F 11/74
F24F 11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップと、
前記輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定するステップと、
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの実行へ戻るステップと、
を含む、エアコンの制御方法。
【請求項2】
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る前記ステップは、
前記輻射温度変化量が属する区
間に応じて第1パラメータ調整値を決定するステップと、
前記第1パラメータ調整値に基づいて前記エアコンの現在の運転パラメータを調整して、目標運転パラメータを得るステップと、
を含む、請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項3】
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る前記ステップは、
前記輻射温度変化量と前記目標間隔時間に基づいて輻射温度変化率を決定するステップと、
前記輻射温度変化率に応じて第2パラメータ調整値を決定するステップと、
前記第2パラメータ調整値に基づいて前記エアコンの現在の運転パラメータを調整して目標運転パラメータを得るステップと、
を含む、請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項4】
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る前記ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードを特定するステップであって、前記モードは暖房モードと冷房モードとを含むステップと、
前記モード及び前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
を含む、請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項5】
前記現在の運転パラメータは、エアコンの冷房あるいは暖房に対応する設定温度、コンプレッサの運転周波数と室内ファンの回転速度の少なくとも一つを含み、前記モード及び前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正する前記ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、
を含む、請求項4に記載のエアコンの制御方法。
【請求項6】
前記エアコンの現在の運転パラメータは、前記エアコンが位置する空間の使用者の寒暖感値によって特定される、
請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項7】
前記エアコンの位置する空間の使用者が複数の場合、既定グループの使用者の寒暖感値に基づいて前記エアコンの現在の運転パラメータを特定する、
請求項6に記載のエアコンの制御方法。
【請求項8】
優先度が最も高い既定グループの使用者に対応する寒暖感値に応じて、前記エアコンの現在の運転パラメータを特定する、
請求項7に記載のエアコンの制御方法。
【請求項9】
前記輻射温度変化量が属する区間が大きいほど、前記目標間隔時間が小さい、
請求項
1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項10】
目標間隔時間における前記エアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップは、
前記目標間隔時間おきに、前記エアコンの位置する空間の環境背景温度画像を取得するステップと、
今回取得された環境背景温度画像及び前回取得された環境背景温度画像に基づいて、前記エアコンが位置する空間の輻射温度変化量を算出するステップと、
を含む、請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項11】
今回取得された環境背景温度画像及び前回取得された環境背景温度画像に基づいて、前記エアコンが位置する空間の輻射温度変化量を算出する前記ステップは、
環境背景画像内の熱源温度を取り除いて、今回取得された環境背景温度画像に対応する現在の平均温度と、前回取得された環境背景温度画像に対応する前回の平均温度とを特定するステップと、
現在の平均温度と前回の平均温度とに基づいて、前記エアコンが位置する空間の輻射温度変化量を算出するステップと、
を含む、請求項
10に記載のエアコンの制御方法。
【請求項12】
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの後に、さらに、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さい場合、
使用者を避けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量以上であり、かつ、前記第1既定変化量より大きい第2既定変化量よりも大きい場合、前記使用者に向けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、
を含む、請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項13】
前記エアコンの位置する空間の壁上の温度センサから送信された温度を受信して、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する、
請求項1に記載のエアコンの制御方法。
【請求項14】
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する
部品と、
前記輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定する部品と、
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る
部品と、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御する
部品と、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得する部品と、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達したか否かを判断する部品と、
を
備え、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記部品は前記目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する、
エアコン。
【請求項15】
コンピュータ
が実行可能な
プログラムであって、
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップと、
前記輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定するステップと、
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの実行へ戻るステップと、
を
実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年06月27日に提出された、出願番号が201910573242.2で、発明名称が「エアコン及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全文を参考としてここに援用する。
【0002】
本願は空調技術分野に関し、特にエアコン及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活の改善に伴い、エアコンは既に家庭にとって必要不可欠な家庭用電器となっている。
【0004】
使用者に暖房または冷房のニーズがある場合には、通常、使用者によってエアコンの設定温度を設定することによって、エアコンに設定温度に従って暖房または冷房を行わせる。しかし、設定温度は通常使用者の感覚に基づいて設定されているため、エアコンが寒すぎるか又は暑すぎる室内環境を作って、使用者に快適な環境を正確に作り出すことができないことになる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の主な目的は、エアコンによって使用者に快適な環境を正確に作り出せない問題を解決するための、エアコン及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本願はエアコンの制御方法を提供し、前記エアコンの制御方法は、
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップと、
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、を含む。
【0007】
一実施例において、前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る前記ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードを特定するステップであって、前記モードは暖房モード及び冷房モードを含むステップと、
前記モード及び前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
を含む。
【0008】
一実施例において、前記現在の運転パラメータは、エアコンの冷房あるいは暖房に対応する設定温度、コンプレッサの運転周波数と室内ファンの回転速度の少なくとも一つを含み、前記モード及び前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正する前記ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、
を含む。
【0009】
一実施例において、前記エアコンの現在の運転パラメータは、前記エアコンが位置する空間の使用者の寒暖感値によって特定される。
【0010】
一実施例において、前記エアコンの位置する空間の使用者が複数の場合は、既定グループの使用者の寒暖感値に基づいて前記エアコンの現在の運転パラメータを特定する。
【0011】
一実施例において、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの後に、さらに、
前記輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定するステップを含む。
【0012】
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御する前記ステップの後に、さらに、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの実行へ戻るステップと、
を含む。
【0013】
一実施例において、目標間隔時間における前記エアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップは、
前記目標間隔時間おきに、前記エアコンの位置する空間の環境背景温度画像を取得するステップと、
今回取得された環境背景温度画像及び前回取得された環境背景温度画像に基づいて、前記エアコンが位置する空間の輻射温度変化量を算出するステップと、
を含む。
【0014】
一実施例において、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する前記ステップの後に、さらに、前記輻射温度変化量が第1既定変化量より大きいか否かを判断するステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さいか否かを判断するステップであって、ただし、前記エアコンは冷房モードにあるステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さい場合、前記使用者を避けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量以上であり、かつ、前記第1既定変化量より大きい第2既定変化量よりも大きい場合、前記使用者に向けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、
を含む。
【0015】
上記目的を実現するために、本願はさらにエアコンを提案する。前記エアコンは、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサにおいて実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサによって実行された時、上記に記載のエアコンの制御方法の各ステップを実現する。
【0016】
上記目的を実現するために、本願はさらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはエアコンの制御プログラムが記憶されており、前記エアコンの制御プログラムがプロセッサにより実行された時は上記のエアコンの制御方法の各ステップが実現される。
【0017】
本願が提供するエアコン及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によれば、間隔時間内におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得することによって、輻射温度変化量に応じて運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得て、目標運転パラメータで運転するようにエアコンを制御する。輻射温度変化量の大きさは、室内が寒すぎる又は暑すぎる状態にあるか否かを反映でき、輻射温度変化量が大きいのであれば、エアコンが出力する冷熱又は温熱の量が多いため輻射温度変化量が大きいことを示す。このため、エアコンに、輻射温度変化量に応じてエアコンが出力する冷熱又は温熱の量を合理的に調節させ、使用者が暑すぎる又は寒すぎる環境にいるのを避け、さらには使用者に快適な環境を正確に作り出す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係るエアコンのハードウェアアーキテクチャの模式図である。
【
図2】本願のエアコンの制御方法の第一実施例の流れ模式図である。
【
図3】本願のエアコンの制御方法の第二実施例の流れ模式図である。
【
図4】本願のエアコンの制御方法の第三実施例の流れ模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能的特徴及び長所をさらに説明する。
ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために構成されていないことは、理解しておくべきである。
【0020】
本発明の実施例の主な解決案は、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得することと、前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得ることと、前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御することである。
【0021】
輻射温度変化量の大きさは、室内が寒すぎる又は暑すぎる状態にあるか否かを反映でき、輻射温度変化量が大きいのはエアコンが出力する冷熱又は温熱の量が多いため輻射温度変化量が大きいことを示すので、エアコンに、輻射温度変化量に応じてエアコンが出力する冷熱又は温熱の量を合理的に調節させ、使用者が暑すぎる又は寒すぎる環境にいるのを避け、さらには使用者に快適な環境を正確に作り出す。
【0022】
一つの実現案として、
図1に示すようにエアコンを構成することができる。
【0023】
本発明の実施例の案は、CPUなどのプロセッサ101と、メモリ102と、通信バス103とを含むエアコンに関する。通信バス103はこれらの部品間の接続及び通信を実現するように構成されている。
【0024】
メモリ102としては高速RAMメモリであってもよく、安定したメモリ(non-volatile memory)、例えば磁気ディスクメモリでもよい。
図1に示すように、一種類のコンピュータ記憶媒体としてのメモリ103には、エアコンの制御プログラムを含んでもよく、一方、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップと、
前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップと、
前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップと、を含む。
【0025】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードを特定し、前記モードは暖房モード及び冷房モードを含む、ステップと、
前記モード及び前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得るステップ、を含む。
【0026】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が正値である場合、前記設定温度を下げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げるステップと、
前記エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ前記輻射温度変化量が負値である場合、前記設定温度を上げ、且つ/又は前記コンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げるステップと、を含む。
【0027】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記エアコンの現在の運転パラメータは、前記エアコンが位置する空間の使用者の寒暖感値によって特定されるステップを含む。
【0028】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記エアコンの位置する空間の使用者が複数の場合は、既定グループの使用者の寒暖感値に基づいて前記エアコンの現在の運転パラメータを特定するステップを含む。
【0029】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定するステップを含む。
【0030】
前記の前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップの後に、さらに、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得するステップと、
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、前記の目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップの実行へ戻るステップと、を含む。
【0031】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記目標間隔時間おきに、前記エアコンの位置する空間の環境背景温度画像を取得するステップと、
今回取得された環境背景温度画像及び前回取得された環境背景温度画像に基づいて、前記エアコンが位置する空間の輻射温度変化量を算出するステップと、を含む。
【0032】
一実施例において、プロセッサ101はメモリ102に記憶されているエアコンの制御プログラムを呼び出して、且つ以下のステップの操作を実行するように構成されてもよい。
当該ステップは、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さいか否かを判断し、ただし、前記エアコンは冷房モードにある、ステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さい場合、前記使用者を避けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量以上であり、かつ、前記第1既定変化量より大きい第2既定変化量よりも大きい場合、前記使用者に向けて送風するように前記エアコンを制御するステップと、を含む。
【0033】
本実施例において、上記の案に基づいて、間隔時間内におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得することによって、輻射温度変化量に応じて運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得て、目標運転パラメータで運転するようにエアコンを制御する。輻射温度変化量の大きさは、室内が寒すぎる又は暑すぎる状態にあるか否かを反映でき、輻射温度変化量が大きいのであれば、エアコンが出力する冷熱又は温熱の量が多いため輻射温度変化量が大きいことを示す。このため、エアコンに、輻射温度変化量に応じてエアコンが出力する冷熱又は温熱の量を合理的に調節させ、使用者が暑すぎる又は寒すぎる環境にいるのを避け、さらには使用者に快適な環境を正確に作り出す。
【0034】
上記エアコンのハードウェアアーキテクチャに基づいて、本願のエアコンの制御方法の実施例を提案する。
【0035】
図2を参照し、
図2は本願のエアコンの制御方法の第一実施例であり、前記エアコンの制御方法は以下のステップを含む。
ステップS10において、目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得する。
【0036】
本願では、実行の主体はエアコンである。エアコンにはアレイ型赤外熱電対センサが設置されており、エアコンはアレイ型赤外熱電対センサによって環境背景温度画像を取得し、エアコンは既定時間おきに環境背景温度画像を1回取得することができ、間隔時間を目標間隔時間とすることができる。エアコンは、環境背景画像を取得した後、環境背景画像内の熱源を取り除いてから、環境の平均温度を算出し、この平均温度が即ち輻射温度である。このため、エアコンは今回取得された環境背景温度画像及び前回取得された環境背景温度画像によって、室内の壁、地面などの温度変化量を特徴付ける輻射温度変化量を算出できる。また、壁に温度センサを設置してもよく、この温度センサは壁の温度を検出し、且つ壁の温度をエアコンに送信し、エアコンによる輻射温度変化量の計算に供する。
【0037】
ステップS20において、前記輻射温度変化量に応じて前記エアコンの現在の運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得る。
【0038】
輻射温度変化量は、現在の環境が寒すぎる又は暑すぎる状態にあるか否かを表象することができる。具体的には、エアコンの冷房を例として、エアコンの冷房時、冷熱が先に空気と接触してから、室内の他の物と接触し、つまり、エアコンは優先的に空気と熱交換を行う。輻射温度変化量が大きい場合、エアコンが出力する冷熱の量が多く、空気と熱交換すると同時に、壁等の他の物品と大量の熱交換を行っていることを示すので、この場合、室内環境が寒すぎる状態にあると判定することができる。輻射温度変化量が小さい場合、エアコンが出力する冷熱の量が少なく、殆どの冷熱は空気と熱交換を行っていることを示すので、この場合、室内環境が暑すぎる状態にあると判定することができる。
【0039】
これに対し、エアコンは、輻射温度変化量に応じて、エアコンの現在の運転パラメータを調節することができる。現在の運転パラメータは、設定温度と設定風速の少なくとも一つであってもよい。現在の運転パラメータは、使用者に対応する快適温度と快適風速であってもよい。
【0040】
具体的には、エアコンは、冷房型エアコン、暖房型エアコン、及び冷暖房兼用型エアコンに分けられ、エアコンが冷房型エアコン又は暖房型エアコンである場合、エアコンは輻射温度変化量に応じてエアコンの運転パラメータを調整することができる。エアコンが冷暖房兼用型エアコンである場合、エアコンは現在運転しているモードを特定し、そしてモード、輻射温度変化量及び既定のマッピングテーブルに基づいてエアコンの運転パラメータを調整する必要がある。具体的には、
エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ輻射温度変化量が正値である場合、設定温度を下げ、且つ/又はコンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は室内ファンの回転速度を上げ、
エアコンの現在運転しているモードが冷房モードであり、且つ輻射温度変化量が負値である場合、設定温度を上げ、且つ/又はコンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を下げ、
エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ輻射温度変化量が正値である場合、設定温度を下げ、且つ/又はコンプレッサの運転周波数を下げ、且つ/又は室内ファンの回転速度を下げ、
エアコンの現在運転しているモードが暖房モードであり、且つ輻射温度変化量が負値である場合、設定温度を上げ、且つ/又はコンプレッサの運転周波数を上げ、且つ/又は前記室内ファンの回転速度を上げる。
【0041】
さらに、エアコンは、輻射温度変化量が属する区間に応じてパラメータ調整値を決定して、それからパラメータ調整値に基づいて現在の運転パラメータを調整してもよい。例えば、現在の運転パラメータが設定温度である場合、エアコンは表-1に基づいて設定温度を調整する。ただし、TSetは設定温度で、Rは輻射温度変化量であり、目標間隔時間は10minである。
【表1】
【0042】
エアコンは輻射温度変化率に応じてパラメータ調整値を決定してもよい。例えば、現在の運転パラメータが設定温度である場合、エアコンは表-2に基づいて設定温度を調整する。ただし、TSetは設定温度で、Raは輻射温度変化率で、Ra=R/T、Rは輻射温度変化量で、Tは目標間隔時間で、目標間隔時間は10minである。
【表2】
【0043】
現在の運転パラメータが室内ファンの回転速度である場合、エアコンは、表-3におけるRに基づいて室内ファンの回転速度を調整する。ただし、Vは室内ファンの回転速度で、Rは輻射温度変化量で、目標間隔時間は10minである。
【表3】
【0044】
現在の運転パラメータが室内ファンの回転速度である場合、エアコンは、表-4におけるRaに基づいて室内ファンの回転速度を調整する。ただし、Vは室内ファンの回転速度で、Raは輻射温度変化率で、Ra=R/T、Rは輻射温度変化量で、目標間隔時間は10minである。
【表4】
【0045】
現在の運転パラメータが室内ファンの回転速度及び設定温度である場合、エアコンは、表-5におけるRに基づいて室内ファンの回転速度及び設定温度を調整し、目標運転パラメータを得る。ただし、TSetは設定温度で、Vは室内ファンの回転速度で、Rは輻射温度変化量で、目標間隔時間は10minである。
【表5】
【0046】
現在の運転パラメータが室内ファンの回転速度及び設定温度である場合、エアコンは、表-6におけるRaに基づいて室内ファンの回転速度及び設定温度を調整し、目標運転パラメータを得る。ただし、TSetは設定温度で、Vは室内ファンの回転速度で、Raは輻射温度変化率で、Ra=R/T、Rは輻射温度変化量で、目標間隔時間は10minである。
【表6】
【0047】
なお、表-1から表-6における数値は、単に輻射温度変化量によるエアコンの現在の運転パラメータの調整の記述を容易にするためのものであり、本願は上記の数値を柔軟に設定できることは、説明しておく必要がある。
【0048】
ステップS30において、前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御する。
【0049】
エアコンが目標運転パラメータを決定した後、目標運転パラメータで運転することで、エアコンが出力する冷熱または温熱を調節できるようになる。
【0050】
本実施例が提供する技術案において、エアコンが間隔時間内におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得することによって、輻射温度変化量に応じて運転パラメータを修正して目標運転パラメータを得て、目標運転パラメータで運転するようにエアコンを制御する。輻射温度変化量の大きさは、室内が寒すぎる又は暑すぎる状態にあるか否かを反映でき、輻射温度変化量が大きいのであれば、エアコンが出力する冷熱又は温熱の量が多いため輻射温度変化量が大きいことを示す。このため、エアコンに、輻射温度変化量に応じてエアコンが出力する冷熱又は温熱の量を合理的に調節させ、使用者が暑すぎる又は寒すぎる環境にいるのを避け、さらには使用者に快適な環境を正確に作り出す。
【0051】
一実施例において、エアコンの現在の運転パラメータは、エアコンが位置する空間の使用者の寒暖感値によって特定される。エアコンは、アレイ型赤外熱電対センサがフィードバックした環境背景温度画像に基づいて使用者の寒暖感値を算出することができる。
【0052】
具体的には、熱力学の第一法則によれば、人体が放出する放熱量は人体が消費する熱量とほぼ等しいため、人体が消費する熱を測定することで、人体の放熱量を求めることができる。人体が消費する熱量は、H=Φ(Tcl-Ra)によって算出できる。ただし、Hは人体の放熱量で、Tclは人体表面の温度値(人体表面の温度値は環境背景温度画像から特定できる)で、Taは輻射温度値で、Φは付加計算係数である。これらの計算係数は人体の熱的快適性研究分野でのいくつかの一般的な計算係数である。周囲環境の有効輻射面積係数f_eff、服装の人体面積係数f_clを考慮すると、Φ=f_eff*f_clとなり、このとき、H=f_eff*f_cl*(Tcl-Ta)となる。人体表面の温度値Tclと輻射温度Taとの差値を計算してさらに計算係数Φをかけて、人体の放熱量Hを求める。
もちろん、人体表面の温度値Tcl、輻射温度値Taと人体の放熱量とのマッピング関係に基づいて、予め温度値Tclと温度値Taとの値をとり、温度値Tclと温度値Taとに対応する人体の放熱量を設定することによって、マッピングテーブルを作成してもよい。人体表面の温度値Tcl、放射温度値Taを取得すれば、テーブルを調べて対応する人体放熱量を得ることができる。
【0053】
人体の寒暖感値は人体が消費する熱量と相関しており、人体が消費する熱量は人間の放熱量と等しいため、人体の放熱量は人の寒暖感状態を反映する。初期段階のエアコンの研究開発過程で、異なる使用者の寒暖感に対し体験テストを行い、その時算出された異なる寒暖感での放熱量の値に基づいて、両者間の関係式をフィッティング式によって求めることができる。例えば、寒暖感状態値Mと放熱量Hの関係式は以下のように表すことができる。
M=a0+a1H+a2H2+a3H3+…..+anHn
【0054】
ここで、a0、a1、a2、a3、anは実験によって得られた異なる計算係数値であり、nは正値であり、その値の大きさは具体的なHとMとのデータ群の間の形成されたフィッティング式によって決定され、例えば、Nは4を値に取ることができる。以上の式における人体の寒暖感値Mと放熱量Hとの間の関係式により、人体の放熱量値Hを算出してから、上記式に代入すると、人体の寒暖感値Mが得られる。
【0055】
寒暖感値は人体の寒暖度を反映しており、Mの値が大きいほど暑いことを示し、Mの値が小さいほど寒いことを示す。エアコンの冷房モードにおいて、M値が大きいほど、エアコンの設定温度が低く、風速が高く、逆に、Mの値が小さいほど、エアコンの設定温度が高く、風速が低い。エアコンの暖房モードにおいて、M値が大きいほど、エアコンの設定温度が低く、風速が低く、逆に、Mの値が小さいほど、エアコンの設定温度が高く、風速が高い。
【0056】
本実施例が提供する技術案において、エアコンは、使用者の寒暖感値から現在の運転パラメータを特定し、さらに輻射温度変化量に応じて現在の運転パラメータを修正することで、エアコンに、使用者の寒暖度と周囲環境の温度変化に合わせて、それの温熱または冷熱の出力を正確に調節させる。
【0057】
一実施例では、エアコンには、画像収集モジュールを含み、画像収集モジュールはカメラとしてもよい。エアコンは、画像収集モジュールによってエアコンが位置する空間の使用者を特定し、使用者の数が1人のみの場合、その使用者の寒暖感値を持ってエアコンの現在の運転パラメータを特定し、使用者数が複数の場合、エアコンは各使用者の情報を特定し、使用者情報内の年齢と性別などの情報に基づいて、使用者が属するグループを特定する必要がある。グループは、高齢者、子供、女性、男性、青年、壮年に分けられ、エアコンは、高齢者、子供、女性を、冷暖房への受容力が他のグループよりも弱い既定グループとして設定する。このため、エアコンは、既定グループの使用者の寒暖感値を用いてエアコンの現在の運転パラメータを特定する。
【0058】
さらに、上記既定グループは1つ又は複数としてもよく、複数の場合には、各既定グループに対応する優先度を設定することができる。エアコンは、優先度が最も高い既定グループの使用者の寒暖感値を用いてエアコンの現在の運転パラメータを特定してもよい。既定グループの優先度は、使用者が自分の家庭の実情に応じて設定することができ、使用者が設定していない場合には、既定グループの優先度は、エアコンに予め設定された優先度になる。
【0059】
本実施例が提供する技術案において、室内の使用者が複数の場合、既定グループの利用者の寒暖感値に基づいてエアコンの現在の運転パラメータを特定するので、エアコンに高齢者、子供などの特殊なグループの実情を配慮して自身の運転パラメータを設定させることができ、エアコンの知能化度が高い。
【0060】
図3を参照し、
図3は本願のエアコンの制御方法の第二実施例であり、第一実施例に基づいて、前記ステップS10の後に、さらに、
前記放射温度変化量が属する区間に基づいて目標間隔時間を決定するステップS40を含む。
【0061】
前記の前記目標運転パラメータで運転するように前記エアコンを制御するステップの後に、即ちステップS30の後に、さらに、
前記エアコンが前記目標運転パラメータで運転している継続運転時間を取得するステップS50と、
前記継続運転時間が目標間隔時間に達したか否かを判断するステップS60と、を含む。
【0062】
前記継続運転時間が前記目標間隔時間に達した時、前記の目標間隔時間におけるエアコンの位置する空間の輻射温度変化量を取得するステップの実行へ戻る。
【0063】
本実施冷において、エアコンは輻射温度変化量に応じて目標間隔時間を決定してもよい。具体的には、輻射温度変化量が大きい場合は、エアコンの出力する冷熱または温熱が多すぎることを示すので、この場合、エアコンは冷熱及び温熱の出力を減少させ、輻射温度変化量が大きいほど、冷熱または温熱の減少量が大きくなり、すなわち、室内温度は次の時間帯で大きく変化する。これに対して、エアコンは、輻射温度変化量が大きい場合には、エアコンの冷房時に室内環境が寒すぎるから暑すぎるに変わるのを回避し、あるいはエアコンの暖房時に室内環境が暑すぎるから寒すぎるに変わるのを回避するように、目標間隔時間を小さく設定する必要がある。このように、エアコンは複数の区間を設定し、各区間は一つの目標間隔時間に対応し、区間が大きいほど、目標間隔時間長が小さく設定されている。
【0064】
エアコンは、現在の輻射温度変化量を特定してから、輻射温度変化量が属する区間に基づいて目標間隔時間を設定することができる。これによって、エアコンが目標運転パラメータで運転するときに、計時を開始して、エアコンの目標運転パラメータで運転している継続時間を得て、継続時間が目標間隔時間に達したときに、再び室内環境の調整、すなわちエアコンによる循環調整を行うことにより、使用者が安定した快適な環境にいることができるようにする。
【0065】
本実施例が提供する技術案において、エアコンは、現在の輻射温度変化量を特定してから、輻射温度変化量が属する区間に応じて目標間隔時間を決定し、エアコンが目標運転パラメータで運転している継続時間が目標間隔時間に達したときに、エアコンの運転パラメータを再調整することにより、エアコンに一定時間おきに室内の環境を調整させ、さらには使用者が安定した快適な環境にいるようにする。
【0066】
図4を参照し、
図4は本願のエアコンの制御方法の第三実施例であり、第一又は第二実施例に基づいて、前記ステップS10の後に、さらに、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さいか否かを判断するステップであって、前記エアコンは冷房モードにあるステップS70と、
前記輻射温度変化量が第1既定変化量より小さい場合、前記使用者を避けて送風するように前記エアコンを制御するステップS80と、
前記輻射温度変化量が前記第1既定変化量より大きい第2既定変化量よりも大きい場合、前記使用者に向けて送風するように前記エアコンを制御するステップS90と、
を含む。
【0067】
本実施形態では、エアコンは、輻射温度変化量に応じてエアコンの送風方向を調整してもよい。具体的には、エアコンが冷房モードにある時、輻射温度変化量が負値であり、かつ輻射温度変化量が小さい場合、室内が寒すぎる状態であり、この時、エアコンの導風部の角度を調整して送風方向を調整することにより、エアコンが使用者を避けて送風するのを実現し、寒すぎる環境が使用者に与える不快感をできるだけ低減させる。輻射温度が正値であり、かつ輻射温度変化量が大きい場合、室内が暑すぎる状態であり、この時、エアコンの導風部の角度を調整して使用者に向けて送風するようにエアコンを制御することにより、使用者がより涼しく感じるようにして、使用者がエアコンの冷房効果が悪いと感じるのを避ける。
【0068】
エアコンは、第1既定変化量と、第1既定変化量よりも大きい第2既定変化量とを設定する。輻射温度変化量が第1既定変化量より小さい場合、エアコンの出力する冷熱が多いことを示すので、使用者を避けて送風するようにエアコンを制御し、輻射温度変化量が第1既定変化量よりも大きく、かつ輻射温度変化量が第2既定変化量よりも大きい場合、エアコンの冷熱が少ないことを示すので、このとき、使用者に向けて送風するようにエアコンを制御する。同様に、エアコンが暖房モードにある場合、エアコンは輻射温度変化量の大きさに基づいて使用者が暑すぎる又は寒すぎる状態にあるか否かを判断し、使用者が暑すぎる状態にあれば、使用者を避けて送風し、使用者が寒すぎる状態にあれば、使用者に向けて送風するようにしてもよい。
【0069】
本実施例が提供する技術案において、エアコンは輻射温度変化量の大きさに応じてエアコンの送風方向を制御するので、使用者が暑すぎるや寒すぎると感じるのを避けて、エアコンの知能化度が高い。
【0070】
本願はさらにエアコンを提案する。前記エアコンは、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサにおいて実行できるエアコンの制御プログラムを含み、前記エアコンの制御プログラムが前記プロセッサによって実行された時、上記のような実施例に記載のエアコンの制御方法の各ステップを実現する。
【0071】
本願はさらにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはエアコンの制御プログラムが記憶されており、前記エアコンの制御プログラムがプロセッサにより実行された時は上記のような実施例に記載のエアコンの制御方法の各ステップを実現する。
【0072】
上記本願の実施例の番号は説明のためのものだけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0073】
本文において、「含む」、「含める」といった術語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いは装置がそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いは装置に固有の要素を含むようにする。それ以上の制限がない状況で、「一つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いは装置の中に他の同じ要素がさらに存在することを除外しない。
【0074】
以上の実施態様の説明を通して、当業者は、上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアによることも可能であるが、多くの場合では前者がより良い実施方法)で実現できることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本願の技術案は、本質としては、或いは例示的技術に対し貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該コンピュータソフトウェア製品は上記のような記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶でき、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、或いはネットワーク機器等でもよい)に本願の各実施例で説明する方法を実行させる幾つかの命令を含む。
【0075】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の保護範囲を制限するわけではない。本願の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価な構造或いは等価な流れ変換、或いは直接または間接的な他の関連する技術分野への応用は、同じ理由で本願の特許の保護範囲に含まれる。