IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウシオ電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-蓄電システム 図1
  • 特許-蓄電システム 図2
  • 特許-蓄電システム 図3
  • 特許-蓄電システム 図4
  • 特許-蓄電システム 図5
  • 特許-蓄電システム 図6
  • 特許-蓄電システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】蓄電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20230622BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230622BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230622BHJP
【FI】
H01M10/44 P
H02J7/00 302C
H02J7/00 303C
H02J7/02 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019169280
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021048028
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100152294
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 雅宜
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅規
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-067131(JP,A)
【文献】特開2003-259565(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057211(WO,A1)
【文献】特開2014-117000(JP,A)
【文献】特開2011-193598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42 -10/48
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機構からの供給電力を蓄電する主蓄電池を含む主蓄電機構と、
前記主蓄電機構からの供給電力を再蓄電する、前記主蓄電池よりも蓄電能力の小さい副蓄電池を有する副蓄電機構とからなり、
前記副蓄電機構は、複数の前記副蓄電池から構成されるとともに、前記主蓄電機構からの供給対象となる前記副蓄電池を選択するための切替手段を有し、
前記主蓄電機構から前記副蓄電機構への電力供給は、コントローラにより、略同一量を継続的かつ安定的に行い、
前記主蓄電機構から直接負荷には電力を供給せずに、前記副蓄電機構から前記負荷に電力を供給することを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記主蓄電池は化学反応を利用した電池であることを特徴とする請求項1の蓄電システム。
【請求項3】
前記副蓄電池はインタレーション型の電池であることを特徴とする請求項1及び/又は請求項2の蓄電システム。
【請求項4】
前記主蓄電池は鉛蓄電池であることを特徴とする請求項2の蓄電システム。
【請求項5】
前記副蓄電池はリチウムイオン電池であることを特徴とする請求項3の蓄電システム。
【請求項6】
前記主蓄電機構から前記副蓄電機構への再蓄電は、前記主蓄電池から連続的な放電により行われることを特徴とする請求項1の蓄電システム。
【請求項7】
前記主蓄電機構から前記副蓄電機構への再蓄電は、前記主蓄電池から休止期間を介在させながらの連続的な放電により行われることを特徴とする請求項1の蓄電システム。
【請求項8】
前記副蓄電機構は2つの前記副蓄電池を有し、
一方の前記副蓄電池が放電状態の時間帯において、他方の前記副蓄電池が充電状態にあることを特徴とする請求項1の蓄電システム。
【請求項9】
前記発電機構は再生エネルギーであることを特徴とする請求項1の蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓄電システムに関する。特に、鉛蓄電池に代表される化学反応型蓄電池とリチウムイオン蓄電池に代表されるインタレーション型蓄電池を使った蓄電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光や風力に代表される再生エネルギーは温室効果ガスを排出しないという点で有望とされているが、出力が常に変動するという欠点があり、突発的な負荷変動に迅速に追従できないという問題を有している。このことは工場の稼働、夜間の照明利用、空調システムなど不規則な利用に対して再生エネルギーは向いていないことを意味する。このため、再生エネルギーのより広く活用させるためには、安定的に電力を供給できる蓄電池の利用が不可欠といえる。
また、再生エネルギーに限らなくても、工場の稼働と休止においては電力需要の変化が大きいので発電システムからの直接の供給ではなく、夜間に電力を充電するような蓄電システムは有用である。
また、近年は、電力調整市場としてデマンドレスポンス(DR)が注目されているが、この観点からも蓄電システムに対する期待は大きい。
【0003】
ここで、蓄電池としては、リチウムイオン電池が代表的には存在するが、高価格であることと、過充電や過放電の耐性が低いため発熱の問題を有している。また、価格という点では、鉛蓄電池も有用ではあるが、SOC(充電率)が100%にできないこと、DOD(放電深度)が浅いこと、さらに、硫酸鉛(PbSO4)が結晶化して電気の流れが阻害される現象、いわゆる「サルフェーション」が発生するなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-59512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、再生エネルギーの活用をより進展させるために、従来の蓄電池の問題を解消させた新たな蓄電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明に係る蓄電システムは、発電機構からの供給電力を蓄電する主蓄電池を含む主蓄電機構と、主蓄電池からの供給電力を再蓄電する、主蓄電池よりも蓄電能力の小さい副蓄電池を有する副蓄電機構とからなる。
そして、副蓄電機構は、複数の副蓄電池からなるとともに、主蓄電機構からの供給対象となる副蓄電池を選択するための切替手段を有し、主蓄電機構から副蓄電機構への電流供給は、一定の電流量を安定的に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る蓄電システムによれば、発電機構から供給される電力を、まずは主蓄電機構に蓄積させて、その後、主蓄電機構から蓄電能力の小さい副蓄電機構に略安定的に電力供給することができるので、主蓄電機構は安定的な放電を行うことでサルフレーション除去を良好に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の蓄電システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本発明の主蓄電機構と副蓄電機構をより具体的に表した構造図である。
図3】本発明を説明するための便宜的な図面を示す。
図4】本発明の主蓄電機構の放電を示す。
図5】本発明の蓄電システムのタイムシーケンスを示す。
図6】本発明の蓄電システムの他の実施形態を示す。
図7図6に示す実施形態のタイムシーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の蓄電システムの全体構成を示すブロック図である。
発電機構1からの電力はまず主蓄電機構2に充電される。主蓄電機構2に充電された電力は次に副蓄電機構3に再充電される。さらに、副蓄電機構3に充電された電力は負荷4に対して供給される。これらの充放電は、コントローラ5により各機構が制御される。負荷4は、本発明の蓄電システムにより電力供給される機器や装置であって、例えば、照明機器、モータ、コンプレッサなどが適用される。
【0010】
発電機構1は、主電源と、この主電源からの電力を定電流制御、定電圧制御あるいはその複合制御により主蓄電機構2に対して充電するための充電器を有している。主電源は電力供給源であればよく、商用電源でよいが、太陽電池、燃料電池、風力発電などの直流電源であってもかまわない。
【0011】
図2は主蓄電機構2と副蓄電機構3をより具体的に表した構造図である。
主蓄電機構2は、複数の主蓄電池2a(2a1、2a2・・・2aN)と、各々に対するスイッチ2s(2s1、2s2・・・2sN)が直列に接続されている。スイッチ2sは、コントローラにより、対応する主蓄電池2aに対する充放電を制御するものであり、特定の主蓄電池に対して負荷が集中しないように制御される。主蓄電機構2の入力端子2Tには発電機構の出力が接続される。
【0012】
主蓄電池2aは化学反応を利用した二次電池が適用され、例えば、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・水素電池、リチウムイオン電池が存在するが、なかでも鉛蓄電池は古くから広く使われている電池でもあり、コスト、耐熱性、信頼性と、リサイクルの観点からももっとも代表的なものといえる。
【0013】
図2において、副蓄電機構3は、切替スイッチ31と、複数の直列回路320、330から構成される。直列回路320と直列回路330は並列接続されており、直列回路320はスイッチ32sと複数の副蓄電池32(321,322,323)が直列接続され、直列回路330はスイッチ33sと複数の副蓄電池33(331,332,333)が直列接続されている。副蓄電池機構3の出力端子3Tには負荷が接続されるが、AC仕様の場合はDC/AC変換機を介在して負荷が接続される。
【0014】
副蓄電機構3は、切替スイッチ31がON状態において、主蓄電機構2から供給される電力が再蓄電される。後述するが、主蓄電池の放電(副蓄電池への電力供給)を一定のタイミングで安定的に行わせるためである。これにより、主蓄電池の早期劣化を防止できる。
【0015】
主蓄電機構2からの供給電力は、直列回路320または直列回路330のいずれかに選択的に充電される。直列回路320について言えば、スイッチ32sが図示のように副蓄電池32側に接続されている場合は、主蓄電池2aからの供給電力は直列回路320の副蓄電池32に充電されることになる。その一方で、直列回路330について、スイッチ33sが図示のように副蓄電池33側に接続されていない場合は、直列回路330の副蓄電池33から負荷に対して放電が行われる。
【0016】
副蓄電池32,33は、インタレーション型の二次電池が適用され、例えば、イオン電池が存在するが、なかでもリチウムイオン電池は高速充電が可能であること、いわゆるメモリ効果がないので長寿命であることからもっとも代表的といえる。副蓄電池32、33は過充電・過放電により熱や発火という問題が起こりえるため、本発明では複数の副蓄電池を並列に接続して、いずれかの電池が負荷に対して良好に対応できるように工夫している。なお、スイッチ32s、33sはコントローラ5による信号に基づいている。なお、本発明においては、主蓄電池の容量が副蓄電池の容量よりも大きい関係になっている。また、主蓄電池、副蓄電池ともにリチウムイオン電池を使うこともできるが、同一のものではなく、主蓄電池のほうが副蓄電池よりも容量の大きいリチウムイオン電池を使うことになる。なお、副蓄電池は2つに限るものではなく、それ以上の数を配置させてもよい。
【0017】
本発明に係る蓄電システムによれば、発電機構から供給される電力を、まずは主蓄電機構に蓄積させて、その後、主蓄電機構から蓄電能力の小さい副蓄電機構に、供給量をほぼ一定とした安定的な電流供給を行う。これにより、主蓄電機構においてはサルフレーションの問題を良好に解決できるとともに、放電深度やサイクル回数を増加できる。さらに、副蓄電機構においても安定的に充電されるため、過電流や過放電という耐性に悪影響を及ぼす使用を避けることができるという利点を有する。
さらに、本発明は、コントローラにより、主蓄電機構および副蓄電機構を一体的に制御することを特徴としており、仮に、複数の蓄電池を段階的に接続するような先行例が存在したとしても、それらとは技術的意義が異なる。
【0018】
図3は本発明の蓄電システムを説明するための便宜的な模式図であり、負荷の電力変動に対する鉛蓄電池からの出力(放電電流)を示す。図において、0-1時間は8Aの電力を要求するので蓄電池からも同様の放電が行われる。同様に、1-2時間は2A、2-3時間は3A、3-5時間は1A、5-6時間は6A、6-7時間は2A、7-8時間は放電はなし、8-9時間は4A、9-10時間は3Aの放電が行われる。
【0019】
すなわち、従来技術の蓄電池の場合、例えば、工場の稼働、夜間の照明利用、空調システムなど不規則な負荷変動に対して、時間的にも放電電流量的にも不規則に対応しなければならず、負荷が休止している時間(図3の場合、7-8時間)のみ急速に充電をしなければならなかった。この場合、鉛電池はSOC(充電率)、DOD(放電深度)、「サルフェーション」の問題も生じていた。
【0020】
図4は、図3に対応させて本発明の蓄電システムにおける、主蓄電池から副蓄電池への出力(放電電流)パターンを示すものであり、(a)は休止期間を介在させながらの略連続的な放電パターンを示し、(b)は連続的な放電パターンを示す。すなわち、本発明は、主蓄電池から直接負荷に出力するのではなく、副蓄電池に再充電させるよう出力している。
【0021】
具体的に説明すると、(a)に示すパターンでは、0―0.75時間に5Aを主蓄電池から副蓄電池に供給し、同様に、1-1.75時間、2-2.75時間、3-3.75時間、4―4.75時間・・・というように、常に、45分の供給と15分の停止を規則的に繰り返す。また、(b)に示すパターンでは、0-4時間に4Aを主蓄電池から副蓄電池に供給して、その後、1時間停止するとともに、5時間後から再び4Aの放電を開始している。このように、主蓄電池から副蓄電池に対する電力供給は、負荷に直接対応するのではなく、略同一量を継続的かつ安定的に行うことを特徴としている。なお、略安定的な放電パターンは(a)や(b)に限定されるものではなく、適宜の停止期間を介在させて、ほぼ同一量の電力供給さえできれば、これらに制限されるものではない。
【0022】
ここで、本発明に係る蓄電システムをわかりやすく説明するならば、プールとバケツに例えることができる。プールが主蓄電機構に相当して、バケツが副蓄電機構に相当する。また、プールに対する給水バルブは太陽電池や風力発電、あるいは商用電源などの発電機構に相当し、さらに、火災が負荷に相当する。給水バルブからの給水は不規則であっても容量の大きいプールに蓄水できるように、例えば、風力発電が不規則であって主蓄電機構(主蓄電池)に蓄電することが可能である。一方で、火災に対してはプールの水ではなく、蓄水量の小さいバケツを利用して消火することが望ましいように、負荷の要求に対しては副蓄電機構(副蓄電池)の電力を活用する。そして、プールからバケツへの給水は、規則的かつ安定的に行うことで、急な火災に対しても良好に消化活動ができるように、主蓄電機構から副蓄電機構に対しても、規則的かつ安定的に再蓄電を行うことができる。これにより主蓄電機構(主蓄電池)の寿命を効果的に伸ばすことができる。
【0023】
図5は本発明の蓄電システムのタイムシーケンスを示す。(a)は発電機構、(b)は主蓄電池、(c)は切替スイッチ(図2における切替スイッチ31)、(d)は副蓄電池a、(e)は副蓄電池bのオンオフ状態をそれぞれ示す。
【0024】
図5において、発電機構がオンのときに主蓄電池の充電が行われ、発電機構がオフのときは主蓄電池から放電が行われる。切替スイッチがオンの状態において副蓄電池aに対する充電が行われて、切替スイッチがオフの状態において副蓄電池bに対する充電が行われる。副蓄電池a,bの放電は負荷に対応するので不規則になっている。
【0025】
図6は本発明に係る蓄電システムの他の実施形態を示し、図7はそのタイムチャートを示す。
図6において、全体としては、充電器61、主蓄電機構62、副蓄電機構63より構成される。商用交流電源(AC100V)に接続される充電器61は交流を直流に変換する回路ブロックである。スイッチング素子U1を含むチョッパー回路によって主蓄電池への充電を行う。図7において、T1は初期充電開始状態、すなわち、主蓄電池S62も副蓄電池F63(F63a、F63b)も充電されていない状態(SOC=0)を示す。この状態では、主蓄電池621および副蓄電池F63(F63a、F63b)の両方に対して充電が同時に行われる。ただし、副蓄電池は主蓄電池から電力供給されるので、期間T1-T2においては、まずは主蓄電池が充電され、期間T2-T3において、副蓄電池の充電も同時に行われている。なお、上記は初期状態(主蓄電池も副蓄電池も充電されていない状態)であって使用初期の場合だけであるが、通常は、充電器61は主蓄電池S62に対してのみ充電を行う。ただし、緊急時は該当する蓄電池への充電を優先的に行うことも可能である。
【0026】
主蓄電池S62や副蓄電池F63(F63a、F63b)への充電は、スイッチング素子U1のオンオフ制御により行われるが、スイッチングのデューティ比や繰り返し周波数は、検出電圧値V1,V11,V12,V2,V3や検出電流値A1,A2,A3,A4と、コントローラ5(図1に示す)により計算された各蓄電池の充電量(SOC:State Of Charge)に基づき行われる。また、充電においては、電池安全性の観点から各蓄電池の限界値がコントローラに入力されており、当該限界値の範囲内で制御が行われる。
【0027】
図7において、時間T2では、副蓄電池F63(F63a、F63b)の両方に対して充電が開始する。副蓄電池F63aはスイッチング素子U2がオンオフ動作を開始することで充電が始まり、電圧V2が上昇するとともに、電流A2も断続的に流れ始める。一方、副蓄電池F63bはスイッチング素子U3がオンオフ動作を開始することで充電が始まり、電圧V3が上昇するとともに、電流A3も断続的に流れ始める。
【0028】
時間T3は、主蓄電池S62、副蓄電池F63(F63a、F63b)が充電完了した状態を示す。この状態は全ての蓄電池が充電完了(SOC=100)になっている。時間T3からは、主蓄電池S62の自放電に対応して定電流制御から定電圧制御に切り替え、スイッチング素子U1のデューティ比も変えて動作させている。
【0029】
時間T4は副蓄電池F63aが放電動作を開始する状態を示す。副蓄電池F63aの放電時はスイッチング素子U2のオンオフ動作は停止しているとともに、電圧V2も下がり始める。
時間T5は副蓄電池F63bが放電動作を開始する状態を示す。副蓄電池F63bの放電時はスイッチング素子U3のオンオフ動作は停止しているとともに、電圧V3も下がり始める。
【0030】
このように、2つの副蓄電池は、いずれかの副蓄電池が放電のときは、もう一方の副蓄電池は充電状態となる。図に照らすならば、T5とT7は副蓄電池F63aが充電状態であるのに対して副蓄電池F63bは放電状態にあり、T6は逆に副蓄電池F63bが充電状態であるのに対して副蓄電池F63aは放電状態となる。
スイッチング素子U2とU3の動作は、主蓄電池S62の充電量(SOC)と各副蓄電池F63の充電量(SOC)に基づいて周波数やデューティが変化して副蓄電池に対する充電が行われる。スイッチKもコントローラに基づき放電すべき副蓄電池に対応して接続が選択される。電流A5は負荷変動を示す。
【0031】
以上、本発明に係る蓄電システムによれば、発電機構から供給される電力を、まずは主蓄電機構に蓄積させて、その後、主蓄電機構から蓄電能力の小さい副蓄電機構に略安定的に電力供給することができるので、主蓄電機構は安定的な放電を行うことでサルフレーション除去を良好に解決できる。
【符号の説明】
【0032】
1 : 発電機構
2 : 主蓄電機構
2a :主蓄電池
2s :スイッチ
3 :副蓄電機構
31 :切替スイッチ
32 :副蓄電池
320 :直列回路
32s :スイッチ
33 :副蓄電池
330 :直列回路
33s :スイッチ
4 :負荷
5 :コントローラ
61 :充電器
62 :主蓄電機構
S62 :主蓄電池
63 :副蓄電機構
F63 :副蓄電池
F63a :副蓄電池
F63b :副蓄電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7