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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】穀物処理施設
(51)【国際特許分類】
   B02B 1/02 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
B02B1/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020014197
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120150
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】原本 晃郎
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-267528(JP,A)
【文献】特開2004-154775(JP,A)
【文献】特開2001-128540(JP,A)
【文献】特開平02-304329(JP,A)
【文献】特開2018-179436(JP,A)
【文献】特開2002-213876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 - 7/02
F26B 1/00 - 25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各生産者からの穀物を荷受する荷受計量機と、該荷受計量機で荷受した自主検定用のサンプル穀物を乾燥する乾燥室を多数有するテスト乾燥機と、前記荷受計量機と前記テスト乾燥機との間に、前記サンプル穀物を前記テスト乾燥機の所定の乾燥室に順次搬入するサンプル搬送手段と、備えた穀物処理施設において、
前記荷受計量機を複数台設置して複数の乾燥ラインに形成するとともに、前記複数の乾燥ラインの一つの乾燥ラインに対して前記テスト乾燥機を3台以上設置する一方、
前記サンプル搬送手段は、少なくとも前記乾燥ラインの系列を切り換える乾燥ライン切換手段と、該乾燥ライン切換手段により指定された前記乾燥ラインの系列上の特定のテスト乾燥機のうち、空きのある乾燥室の番地を特定してサンプル穀物を搬入するテスト乾燥機分配手段と、を含むことを特徴とする穀物処理施設。
【請求項2】
前記複数のテスト乾燥機のうち、空きのある乾燥室の番地を特定し、前記乾燥ライン切換手段及び前記テスト乾燥機分配手段の搬送方向を切り換えて当該乾燥室への搬送ルートを確保したうえで搬送を開始する制御手段を接続してなる請求項1記載の穀物処理施設
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスト乾燥機のサンプル搬入装置を備えた穀物処理施設に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥調製貯蔵施設などの穀物処理施設では、搬入された穀物の一部がサンプル穀物として抽出され、自主検定装置に供給される。自主検定装置では、穀物の計量、脱ぷ、選別などが行われ、整粒および屑粒の計量データから歩留まりが計算される。サンプル穀物は、このような自主検定装置に供給される前に、テスト乾燥機において乾燥される。
【0003】
このようなテスト乾燥機の付帯設備として、人手によらず自動でサンプル穀物をテスト乾燥機に搬入する装置が特許文献1に開示されている。特許文献1によれば、サンプル搬入手段をテスト乾燥機の台数に対応して複数個設けるとともに、サンプル穀物を各サンプル搬入手段に向けて搬送する搬送手段を設け、サンプル搬送手段の途中には、サンプル穀物の搬送方向を切り換える搬送方向切換手段を設ける、という技術的手段を講じている。そして、テスト乾燥機に備えた乾燥室が満杯になるたびに、搬送方向切換手段について搬送方向の切換動作を行い、テスト乾燥機の乾燥室には空きが生じないように満杯状態で乾燥を開始する、というものである。
【0004】
つまり、第1のテスト乾燥機の各乾燥室にサンプル穀物を収容するためにベルトコンベア(又は切換弁)を正方向に回転させ(又は切換弁を一方向へ切り換えて)、次いで、第1のテスト乾燥機の各乾燥室が満杯になると、ベルトコンベア(又は切換弁)を逆方向に回転させて(又は切換弁を他方向へ切り換えて)第2のテスト乾燥機の各乾燥室にサンプル穀物を収容し、第1,第2の複数のテスト乾燥機を設置した場合であっても搬入の自動化が達成でき、作業者の負担が解消される。
【0005】
しかし、上記従来の搬入装置では、2方向への切換のみであるから、第1,第2,第3といった3台以上の複数のテスト乾燥機を設置して大量処理する場合には的確な対応ができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平1-293141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題点にかんがみ、第1,第2,第3といった3台以上の多数のテスト乾燥機を設置して大量処理する場合でも的確に対応することができるテスト乾燥機のサンプル搬入装置を備えた穀物処理施設を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、各生産者からの穀物を荷受する荷受計量機と、該荷受計量機で荷受した自主検定用のサンプル穀物を乾燥する乾燥室を多数有するテスト乾燥機と、前記荷受計量機と前記テスト乾燥機との間に、前記サンプル穀物を前記テスト乾燥機の所定の乾燥室に順次搬入するサンプル搬送手段と、備えた穀物処理施設において、
前記荷受計量機を複数台設置して複数の乾燥ラインに形成するとともに、前記複数の乾燥ラインの一つの乾燥ラインに対して前記テスト乾燥機を3台以上設置する一方、
前記サンプル搬送手段は、少なくとも前記乾燥ラインの系列を切り換える乾燥ライン切換手段と、該乾燥ライン切換手段により指定された前記乾燥ラインの系列上の特定のテスト乾燥機のうち、空きのある乾燥室の番地を特定してサンプル穀物を搬入するテスト乾燥機分配手段と、を含むことを特徴とする穀物処理施設とした。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記複数のテスト乾燥機のうち、空きのある乾燥室の番地を特定し、前記乾燥ライン切換手段及び前記テスト乾燥機分配手段の搬送方向を切り換えて当該乾燥室への搬送ルートを確保したうえで搬送を開始する制御手段を接続する、という技術的手段を講じた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷受計量機を複数台設置して複数の乾燥ラインに形成するとともに、前記複数の乾燥ラインの一つの乾燥ラインに対して前記テスト乾燥機を3台以上設置する一方、前記サンプル搬送手段は、前記乾燥ラインの方向を切り換える乾燥ライン切換手段と、該乾燥ライン切換手段により指定された前記乾燥ライン上の特定のテスト乾燥機のうち、空きのある乾燥室の番地を特定してサンプル穀物を搬入するテスト乾燥機分配手段とを備えたので、第1,第2,第3といった3台以上の多数のテスト乾燥機を設置して大量処理する場合でも的確に対応することができる。例えば、荷受工程を荷受ピークや利用者の利便性を考慮して複数系列、複数ホッパに形成する一方、特定の単一のテスト乾燥機のみが設置されている場合でも、サンプルをテスト乾燥機へ的確に搬入することが可能である。また、荷受工程を一系列、単一ホッパに形成し、第1,第2,第3といった複数のテスト乾燥機が設置されている場合でも、サンプルをテスト乾燥機へ的確に搬入することが可能となる。さらに、荷受工程を複数系列、複数ホッパに形成し、テスト乾燥機も荷受工程の系列に合わせて複数系列、複数台設置されている場合は、どのテスト乾燥機に搬入するかの判断を制御装置が的確に指示してくれるため、サンプルのテスト乾燥機への搬入がスムーズに行われ、したがって、サンプル搬入のための待機時間も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るサンプル搬入装置を備えた穀物処理施設の全体を示す工程説明図である。
図2】乾燥ライン切換手段およびテスト乾燥機分配手段の斜視図である。
図3】乾燥ライン切換手段の構造を示す図である。
図4】テスト乾燥機分配手段の構造を示す図である。
図5】流路集約手段の構造を示す図である。
図6】本発明の制御手段の画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るサンプル搬入装置を備えた穀物処理施設の全体を示す工程図である。テスト乾燥機10及び自主検定装置11は、穀物乾燥調製施設(カントリーエレベータやライスセンタ)などの穀物処理施設に設置される。
穀物処理施設には、生籾などの穀物を投入する荷受ホッパ12と、該荷受ホッパ12に投入された穀物を個人別・荷口別に重量を計る荷受計量機13とが備えられる。荷受ホッパ12及び荷受計量機13は、施設の処理能力によって荷受の系列数や荷受ホッパ12の数が設計されるが、荷受ピークや利用者の利便性を考慮して複数系列、複数ホッパに形成するのがよい。本実施形態では荷受ホッパ12及び荷受計量機12をA系列およびB系列の2系列に形成してある。また、これに対応するように、前記テスト乾燥機10及び自主検定装置11についても複数系列に設けられている(一群の乾燥ラインとしてA系列とB系列の2系列を設ける)。前記乾燥ラインの一つの系列には、前記テスト乾燥機10が3台以上設置される(符号10a-1~10a-3、符号10b-1~10b-3)。
【0013】
荷受計量機13に搬入された穀物は、そのうちの一部がサンプル穀物(以下、単にサンプルと呼ぶ)として抽出される。符号14はサンプル抽出機であり、サンプルは、サンプル搬入装置15によってテスト乾燥機10に搬入される。そして、テスト乾燥機10により乾燥された後に、自主検定装置11に供給される。
【0014】
図1に示すように、前記荷受計量機と前記テスト乾燥機との間にはサンプル搬入装置15が設けられる。このサンプル搬入装置15は、ホッパ及びベンチュリ管からなる空気輸送用エジェクタ16と、輸送されたサンプルを受けるレシーバタンク17と、前記空気輸送用エジェクタ16とレシーバタンク17との間を連絡する輸送配管18と、前記レシーバタンク17内に圧送風又は吸引風を送給するファン19と、乾燥ライン切換手段20と、テスト乾燥機分配手段21と、を備えて主要部が構成される。
【0015】
前記空気輸送用エジェクタ16、レシーバタンク17、輸送配管18及びファン19は周知の空気輸送装置であって、市販されているものを流用することができる。一方、乾燥ライン切換手段20とテスト乾燥機分配手段21が新規に設けられる。この乾燥ライン切換手段20及びテスト乾燥機分配手段21が本発明の要部となるので、これを図面に基づき説明する。
【0016】
乾燥ライン切換手段20は、レシーバタンク17で受けたサンプルをA系列のテスト乾燥機群に搬送するかB系列のテスト乾燥機群に搬送するかを切り換えることができるものである。図1を参照すれば、レシーバタンク17aで受けたサンプルは、流路22aを介して乾燥ライン切換手段20aに搬送される。該乾燥ライン切換手段20aはその下端の直(ストレート)流路23a又は交差(クロス)流路24aを選択できる構成になっている。直流路23aを選択した場合、B系列のテスト乾燥機群に搬送されることとなり、交差流路24aを選択した場合、A系列のテスト乾燥機群に搬送されることとなる。一方、レシーバタンク17bで受けたサンプルは、流路22bを介して乾燥ライン切換手段20bに搬送される。該乾燥ライン切換手段20bはその下端の直(ストレート)流路23b又は交差(クロス)流路24bを選択できる構成になっている。直流路23bを選択した場合、A系列のテスト乾燥機群に搬送されることとなり、交差流路24bを選択した場合、B系列のテスト乾燥機群に搬送されることとなる。
【0017】
符号25a,25bは流路集約手段である。流路集約手段25aは前記直流路23aと前記交差流路24bとを集約し、B系列のテスト乾燥機群に搬送する流路26aにサンプルを供給する。また、流路集約手段25bは前記直流路23bと前記交差流路24aとを集約し、A系列のテスト乾燥機群に搬送する流路26bにサンプルを供給する。
【0018】
符号21a,21bはテスト乾燥機分配手段である。テスト乾燥機分配手段21aは流路26aで集約されたサンプルを、B系列に設置された複数のテスト乾燥機群10b-1~10b-3のうちのいずれかに分配する。テスト乾燥機分配手段21bは流路26bで集約されたサンプルを、A系列に設置された複数のテスト乾燥機群10a-1~10a-3のうちのいずれかに分配する。
【0019】
符号27は前記テスト乾燥機分配手段21と前記テスト乾燥機10との間に配置され、サンプルをテスト乾燥機10に搬送するための流路である。各テスト乾燥機10には前記流路27内に圧送風又は吸引風を送給するファン28が設けられる。符号29は前記テスト乾燥機10と自主検定装置11との間に配置され、乾燥後のサンプルを自主検定装置11に搬送するための流路である。
【0020】
次に、図2及び図3を参照し、前記乾燥ライン切換手段20及びテスト乾燥機分配手段21の詳細構造について説明する。図2は乾燥ライン切換手段およびテスト乾燥機分配手段の斜視図であり、図3は乾燥ライン切換手段の構造を示す図である。
【0021】
図2に示すように乾燥ライン切換手段20、流路集約手段25及びテスト乾燥機分配手段21は略直方体形状の架台30内に設けられる。乾燥ライン切換手段20は架台30の上方側の天板31上に設けられ、流路集約手段25は架台30の中間位置の天板32上に設けられ、テスト乾燥機分配手段21は架台30の下方側の天板33上に設けられる。乾燥ライン切換手段20及びテスト乾燥機分配手段21は、底面に分配用の複数の筒部34・・・を備えるとともに、半円状に形成した固定板35と、該固定板35上に立設した縦軸36と、該縦軸36を中心に回動可能となし、かつ、上面に供給側の筒部37を備えた扇状の回動板38と、該回動板38を縦軸36中心に回動させるアクチュエータ39とから主要部が構成される。そして、前記筒部34・・・、筒部37には、蛇腹管等により形成した流路が接続される。
【0022】
図3を参照して乾燥ライン切換手段20の作用を説明する。図3(a)は乾燥ライン切換手段20の概略縦断面図であり、図3(b)は同上の斜視図である。図3(a)、図3(b)に示すように、回動板38には供給側の筒部37及び該筒部37に接続した単一の流路22aが備えられている。固定板35の底面には排出側の筒部34a,34bが複数備えられている。そして、回転モータなどのアクチュエータ39を作動させると、転動輪39aが前記回動板38の周縁に当接しているために、回動板38は縦軸36を中心に回動されることになる。いま、図3(b)のように、アクチュエータ39の回転軸を矢視R方向に回転させると、転動輪39aも矢視R方向に回転し、回動板38は縦軸36を中心に矢視A方向に回動する。これにより、筒部34aと連通状態となっていた筒部37が、矢視A方向に移動される。したがって、筒部34aとの連通状態が解消され、新たに筒部34bと連通状態となる。これにより、流路が切り換わることとなる。
【0023】
次に、図4を参照してテスト乾燥機分配手段21の作用を説明する。図4(a)はテスト乾燥機分配手段21の概略縦断面図であり、図4(b)は同上の斜視図である。図3との相違点は、図3が固定板35の底面に筒部34a,34bを2個備えたのに対し、図4では固定板35の底面に筒部34a,34b,34cを3個備えた点にある。
そして、回転モータなどのアクチュエータ39を作動させると、転動輪39aが前記回動板38の周縁に当接しているために、回動板38は縦軸36を中心に回動されることになる。いま、図4(b)のように、アクチュエータ39の回転軸を矢視R方向に回転させると、転動輪39aも矢視R方向に回転し、回動板38は縦軸36を中心に矢視A方向に回動する。これにより、筒部34aと連通状態となっていた筒部37が、矢視A方向に移動される。したがって、筒部34aとの連通状態が解消され、新たに筒部34bや筒部34cと連通状態となる。これにより、流路が切り換わることとなる。
【0024】
さらに、図5を参照して流路集約手段25の作用を説明する。図5(a)は流路集約手段25の概略縦断面図であり、図5(b)は同上の斜視図である。図5(a)、図5(b)に示すように、図3との相違点は、図3が回動板38には供給側に単一の筒部37を備えたのに対し、図5では供給側に複数の筒部37a,37bを備えた点と、固定板35の底面に複数の筒部34a,34bを備えたのに対し、図5では固定板35の底面に単一の筒部34を備えた点にある。
そして、回転モータなどのアクチュエータ39を作動させると、転動輪39aが前記回動板38の周縁に当接しているために、回動板38は縦軸36を中心に回動されることになる。いま、図5(b)のように、アクチュエータ39の回転軸を矢視R方向に回転させると、転動輪39aも矢視R方向に回転し、回動板38は縦軸36を中心に矢視A方向に回動する。これにより、筒部37aが矢視A方向に移動され、筒部34と連通状態となる。一方、アクチュエータ39の回転軸を矢視L方向に回転させると、転動輪39aも矢視L方向に回転し、回動板38は縦軸36を中心に矢視B方向に回動する。これにより、筒部37bが矢視B方向に移動され、筒部34と連通状態となる。すなわち、2本の流路が1本の流路に集約化されることになるのである。
【0025】
前記テスト乾燥機10、自主検定装置11及びサンプル搬入装置15の動作全般は、制御装置130によって制御される。制御装置130は、本実施例では、所定のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータである。制御装置130は、インストールされたプログラムを実行することによって、監視部131および管理部132としても機能する。監視部131は、テスト乾燥機10内の複数のサンプル箱の各々について、当該サンプル箱に収容されたサンプルの乾燥が完了したか否かを監視する。管理部132は、監視部131による監視状況に基づいてサンプル搬入手段15を制御することによって、新たなサンプルがテスト乾燥機10に搬入可能か否かを管理する。
【0026】
図6は、監視部131による監視状況を例示する図である。本実施形態では、監視部131は、複数のテスト乾燥機10・・・の各々が「乾燥中」、「排出待ち」および「排出中」に区分して監視する。「乾燥中」とは、サンプルの乾燥を実施中であることを示している。「排出待ち」とは、サンプルの乾燥が完了しているが、当該サンプルが未だテスト乾燥機に格納されたままである状態を示している。「排出中」とは、テスト乾燥機10からサンプルを取り出して、当該サンプルを自主検定装置11に移送動作を行っている最中であることを示している。
【0027】
上述したテスト乾燥機10、自主検定装置11、サンプル搬入装置15及び制御装置130の基本動作について説明する。
【0028】
荷受計量機13(図1参照)によってサンプルの計量が完了したことを表す信号を制御装置130が受けとると、制御装置130は監視部131及び管理部132から、複数台設置されているテスト乾燥機10のうち、どのテスト乾燥機10の、どこの乾燥室の空きが有るかを番地まで特定して検索がかけられる。
【0029】
次に、制御装置130は、上述の検索によって抽出されたテスト乾燥機10にサンプルを搬入するよう、サンプル搬入装置15に指令を発行する。すなわち、サンプル搬入装置15となる乾燥ライン切換手段20、流路集約手段25及びテスト乾燥機分配手段21に設置したアクチュエータ39に信号を送り、流路の切り換えを実施する。
【0030】
例えば、A系列の荷受計量機13aで荷受したサンプルを、A系列のテスト乾燥機10a-2に搬入する場合を想定する。サンプルは荷受計量機13aからサンプル抽出機14a、空気輸送用エジェクタ16a、輸送配管18を介してレシーバタンク17aに搬送されることになる。
そこで、乾燥ライン切換手段20a、流路集約手段25b及びテスト乾燥機分配手段21bの切り換えが行われることとなる。乾燥ライン切換手段20aは交差流路24aを選択し、流路集約手段25bは流路26bを選択し、テスト乾燥機分配手段21bは流路27a-2を選択することとなる。
【0031】
そして、サンプル搬入装置15から流路の切り換えが完了した信号を制御装置130が受けとると、制御装置は、テスト乾燥機10a-2に設置したファンに駆動信号を出力する。これにより、レシーバタンク17aに貯留されたサンプルは、特定のテスト乾燥機10a-2に空気輸送されることになる。
【0032】
上述したテスト乾燥機のサンプル搬入装置によれば、施設の処理能力によって荷受の系列数や荷受ホッパの数を複数に設計した場合であっても、的確な対応が可能となる。例えば、荷受工程を荷受ピークや利用者の利便性を考慮して複数系列、複数ホッパに形成した場合、特定の単一のテスト乾燥機への搬入が可能となる。また、荷受工程を一系列、単一ホッパに形成した場合、複数のテスト乾燥機への搬入が可能となる。さらに、荷受工程を複数系列、複数ホッパに形成し、テスト乾燥機も荷受工程の系列に合わせて複数系列、複数台設置した場合、どのテスト乾燥機に搬入するかの判断を制御装置が指定してくれるため、サンプルのテスト乾燥機への搬入がスムーズに行われ、したがって、サンプル搬入のための待機時間も低減することができる。
【0033】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 テスト乾燥機
11 自主検定装置
12 荷受ホッパ
13 荷受計量機
14 サンプル抽出機
15 サンプル搬入装置
16 空気輸送用エジェクタ
17 レシーバタンク
18 輸送配管
19 ファン
20 乾燥ライン切換手段
21 テスト乾燥機分配手段
22 流路
23 流路
24 流路
25 流路集約手段
26 流路
27 流路
28 ファン
29 流路
30 架台
31 天板
32 天板
33 天板
34 筒部
35 固定板
36 縦軸
37 筒部
38 回動板
39 アクチュエータ
130 制御装置
131 監視部
132 管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6