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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】封緘機
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/02 20060101AFI20230622BHJP
   B43M 5/04 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B65B51/02 A
B43M5/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019234879
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102471
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】小栗 和仁
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-012066(JP,A)
【文献】特開平09-052294(JP,A)
【文献】特開2014-019487(JP,A)
【文献】特開2012-012135(JP,A)
【文献】特開平09-058619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/02
B43M 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封入物含有封筒を自動で封緘する封緘機において、
複数の前記封筒をフラップが搬送方向に沿った状態で積層できる載置台を有し、前記載置台上の積層された前記封筒の束から1つずつ前記封筒を搬送方向に送り出す、給送部と、
送り出された前記封筒を前記搬送方向に搬送する、搬送部と、
搬送されて来た前記封筒の前記フラップに、糊を塗布する、糊塗布部と、
糊が塗布されて搬送されて来た前記フラップを、折り返して、前記封筒の本体に接合する、接合部と、
前記給送部、前記搬送部、前記糊塗布部、及び前記接合部作動を制御する、制御部と、
を備えており、
前記給送部と前記糊塗布部との間の、前記糊塗布部側に封筒検知用第1センサーを有し且つ前記給送部側に封筒検知用第2センサーを有しており、
前記制御部は、
前記フラップの略全長に渡る第1塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布する標準塗布モードと、前記第1塗布面積より小さい第2塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布するエコノミー塗布モードと、を任意に選択する、第1モード選択部と、
前記標準塗布モードが選択された場合に、前記第1センサーによる検知のみに基づいて、前記標準塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第1標準塗布制御部と、
前記エコノミー塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記エコノミー塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第1エコノミー塗布制御部と、
を有しており、
前記第1標準塗布制御部は、前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第1所定量だけ搬送した後に、前記糊塗布部の作動を開始し、前記第1センサーが前記封筒の後端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第2所定量だけ搬送した後に、前記糊塗布部の作動を終了するようになっており、
前記第1エコノミー塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第3所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を前記第3所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させるようになっており、
前記第1サイズは前記第2サイズより大きく、
前記第2塗布態様は、糊の塗布面積が前記第1塗布態様よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする封緘機。
【請求項2】
前記第1エコノミー塗布制御部が判断した前記第1サイズ及び前記第2サイズというサイズ情報を記憶する第1サイズ記憶部を、備えており、
前記制御部は、前記エコノミー塗布モードが選択された場合において、前記給送部から1つ目の前記封筒を送り出した後に2つ目以降の前記封筒を送り出すか否かを判断して、前記糊塗布部の誤作動を回避する、第1誤作動回避部を、有しており、
前記第1誤作動回避部は、前記給送部が2つ目以降の前記封筒を送り出す前に、(a)前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記給送部による前記封筒の送り出しを停止し、(b)前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記給送部による前記封筒の送り出しを続行させるとともに前記第1サイズ記憶部の前記サイズ情報に基づいて前記糊塗布部を作動させるようになっている、
請求項1記載の封緘機。
【請求項3】
封入物含有封筒を自動で封緘する封緘機において、
複数の前記封筒をフラップが搬送方向に沿った状態で積層できる載置台を有し、前記載置台上の積層された前記封筒の束から1つずつ前記封筒を搬送方向に送り出す、給送部と、
送り出された前記封筒を前記搬送方向に搬送する、搬送部と、
搬送されて来た前記封筒の前記フラップに、糊を塗布する、糊塗布部と、
糊が塗布されて搬送されて来た前記フラップを、折り返して、前記封筒の本体に接合する、接合部と、
前記給送部、前記搬送部、前記糊塗布部、及び前記接合部作動を制御する、制御部と、
を備えており、
前記給送部と前記糊塗布部との間の、前記糊塗布部側に封筒検知用第1センサーを有し且つ前記給送部側に封筒検知用第2センサーを有しており、
前記制御部は、
前記フラップの略全長に渡る第1塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布する標準塗布モードと、前記第1塗布面積より小さい第2塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布するエコノミー塗布モードと、を任意に選択する、第2モード選択部と、
前記標準塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記標準塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第2標準塗布制御部と、
前記エコノミー塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記エコノミー塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第2エコノミー塗布制御部と、
を有しており、
前記第2標準塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第4所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記標準塗布モードを実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第4所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記標準塗布モードを実行するように作動させるようになっており、
前記第2エコノミー塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第5所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第5所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させるようになっており、
前記第1サイズは前記第2サイズより大きく、
前記第2塗布態様は、糊の塗布面積が前記第1塗布態様よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする封緘機。
【請求項4】
前記第2標準塗布制御部及び前記第2エコノミー塗布制御部が判断した前記第1サイズ及び前記第2サイズというサイズ情報を記憶する第2サイズ記憶部を、備えており、
前記制御部は、前記給送部から1つ目の前記封筒を送り出した後に2つ目以降の前記封筒を送り出すか否かを判断して、前記糊塗布部の誤作動を回避する、第2誤作動回避部を、有しており、
前記第2誤作動回避部は、前記給送部が2つ目以降の前記封筒を送り出す前に、(a)前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記給送部による前記封筒の送り出しを停止し、(b)前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記給送部による前記封筒の送り出しを続行させるとともに前記第2サイズ記憶部の前記サイズ情報に基づいて前記糊塗布部を作動させるようになっている、
請求項3記載の封緘機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒を自動で封緘する封緘機に関する。
【背景技術】
【0002】
封筒を自動で封緘する封緘機としては、例えば特許文献1に開示された封緘機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5703461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、封緘機においては、作業効率を向上させることに加え、糊の無駄遣いや作動の不具合の発生を防止することも、要望されている。
【0005】
本発明は、上記の要望を満たすことのできる封緘機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様は、封入物含有封筒を自動で封緘する封緘機において、
複数の前記封筒をフラップが搬送方向に沿った状態で積層できる載置台を有し、前記載置台上の積層された前記封筒の束から1つずつ前記封筒を搬送方向に送り出す、給送部と、
送り出された前記封筒を前記搬送方向に搬送する、搬送部と、
搬送されて来た前記封筒の前記フラップに、糊を塗布する、糊塗布部と、
糊が塗布されて搬送されて来た前記フラップを、折り返して、前記封筒の本体に接合する、接合部と、
前記給送部、前記搬送部、前記糊塗布部、及び前記接合部作動を制御する、制御部と、
を備えており、
前記給送部と前記糊塗布部との間の、前記糊塗布部側に封筒検知用第1センサーを有し且つ前記給送部側に封筒検知用第2センサーを有しており、
前記制御部は、
前記フラップの略全長に渡る第1塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布する標準塗布モードと、前記第1塗布面積より小さい第2塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布するエコノミー塗布モードと、を任意に選択する、第1モード選択部と、
前記標準塗布モードが選択された場合に、前記第1センサーによる検知のみに基づいて、前記標準塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第1標準塗布制御部と、
前記エコノミー塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記エコノミー塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第1エコノミー塗布制御部と、
を有しており、
前記第1標準塗布制御部は、前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第1所定量だけ搬送した後に、前記糊塗布部の作動を開始し、前記第1センサーが前記封筒の後端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第2所定量だけ搬送した後に、前記糊塗布部の作動を終了するようになっており、
前記第1エコノミー塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第3所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を前記第3所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させるようになっており、
前記第1サイズは前記第2サイズより大きく、
前記第2塗布態様は、糊の塗布面積が前記第1塗布態様よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする封緘機。
【0007】
本願の第2態様は、封入物含有封筒を自動で封緘する封緘機において、
複数の前記封筒をフラップが搬送方向に沿った状態で積層できる載置台を有し、前記載置台上の積層された前記封筒の束から1つずつ前記封筒を搬送方向に送り出す、給送部と、
送り出された前記封筒を前記搬送方向に搬送する、搬送部と、
搬送されて来た前記封筒の前記フラップに、糊を塗布する、糊塗布部と、
糊が塗布されて搬送されて来た前記フラップを、折り返して、前記封筒の本体に接合する、接合部と、
前記給送部、前記搬送部、前記糊塗布部、及び前記接合部作動を制御する、制御部と、
を備えており、
前記給送部と前記糊塗布部との間の、前記糊塗布部側に封筒検知用第1センサーを有し且つ前記給送部側に封筒検知用第2センサーを有しており、
前記制御部は、
前記フラップの略全長に渡る第1塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布する標準塗布モードと、前記第1塗布面積より小さい第2塗布面積だけ前記フラップに糊を塗布するエコノミー塗布モードと、を任意に選択する、第2モード選択部と、
前記標準塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記標準塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第2標準塗布制御部と、
前記エコノミー塗布モードが選択された場合に、前記第1センサー及び前記第2センサーによる検知に基づいて、前記エコノミー塗布モードを実行するように前記糊塗布部を制御する、第2エコノミー塗布制御部と、
を有しており、
前記第2標準塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第4所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記標準塗布モードを実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第4所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記標準塗布モードを実行するように作動させるようになっており、
前記第2エコノミー塗布制御部は、
(a)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第5所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知している場合には、前記封筒が第1サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第1サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させ、
(b)前記第1センサーが前記封筒の先端を検知した後に前記搬送部が前記封筒を第5所定量だけ搬送した際に、前記第2センサーが前記封筒を検知していない場合には、前記封筒が第2サイズを有していると判断して、前記糊塗布部を、前記第2サイズに適合した前記エコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させるようになっており、
前記第1サイズは前記第2サイズより大きく、
前記第2塗布態様は、糊の塗布面積が前記第1塗布態様よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする封緘機。


【発明の効果】
【0008】
本願の第1態様及び第2態様の封緘機によれば、標準塗布モードを選択した場合でもエコノミー塗布モードを選択した場合でも、次のような効果を発揮できる。
【0009】
(1)大サイズの封筒を小サイズの封筒であると誤判断してフラップに糊を塗布するのを防止できる。したがって、大サイズの封筒が糊不足によって封緘不良になるのを、防止できる。
【0010】
(2)小サイズの封筒を大サイズの封筒であると誤判断してフラップに糊を塗布するのを防止できる。ちなみに、小サイズの封筒を大サイズの封筒であると誤判断してフラップに糊を塗布すると、糊の塗布面積が無駄に大きくなるので、糊の無駄遣いが生じたり、また、フラップからはみ出して塗布された糊が糊塗布部の他の部材に付着するので、封緘機の作動に不具合が生じたりする恐れがあるが、本態様の封緘機によれば、そのような無駄遣いや不具合が生じるのを防止できる。更に、フラップからはみ出して塗布された糊によって先の封筒と次の封筒とが接着されてしまうのを、防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態の封緘機を示す平面図である。
図2図1のII-II断面略図である。
図3】封筒が載置された図1の封緘機を示す平面図である。
図4図1の糊塗布部のIV矢視図であり、非塗布時の状態を示している。
図5図1の糊塗布部のIV矢視図であり、塗布時の状態を示している。
図6図1のVI-VI断面図であり、折り返し機構の作動を示している。
図7図1のVI-VI断面図であり、圧接機構の作動を示している。
図8】封緘機のブロック図である。
図9】大サイズの封筒のフラップとその標準塗布モードにおける塗布領域とを示している。
図10】小サイズの封筒のフラップとその標準塗布モードにおける塗布領域とを示している。
図11】大サイズの封筒のフラップとそのエコノミー塗布モードにおける塗布領域(第1塗布態様)とを示している。
図12】小サイズの封筒のフラップとそのエコノミー塗布モードにおける塗布領域(第2塗布態様)とを示している。
図13】第1実施形態の封緘機の作動を示すフローチャートである。
図14】作動の一つのステップを示す断面略図であり、図2に相当する図である。
図15図14に続くステップを示す断面略図である。
図16図15に続くステップを示す断面略図である。
図17】接合部の作動を示しており、図6に相当する図である。
図18】接合部の作動を示しており、図7に相当する図である。
図19】大サイズの封筒の場合の、図15に相当する図である。
図20】大サイズの封筒の場合の、図16に相当する図である。
図21】第2実施形態の封緘機のブロック図である。
図22】小サイズの封筒が連送された場合を示しており、図15に相当する図である。
図23】第2実施形態の封緘機の作動を示すフローチャートである。
図24】第3実施形態の封緘機のブロック図である。
図25】第3実施形態の封緘機の作動を示すフローチャートである。
図26】第4実施形態の封緘機のブロック図である。
図27】第4実施形態の封緘機の作動を示すフローチャートである。
図28】大サイズの封筒のフラップとそのエコノミー塗布モードにおける塗布領域(第1塗布態様)の別の例とを示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の封緘機を示す平面図である。図2は、図1のII-II断面略図である。本実施形態の封緘機10は、封入物含有封筒を自動で封緘するように構成されており、給送部1と、搬送部2と、糊塗布部3と、接合部4と、制御部(図示せず)と、を備えている。
【0013】
給送部1は、載置台11を有している。載置台11は、図3に示されるように、複数の封入物含有封筒100を、フラップ101が搬送方向Xに沿った状態で、積層できるようになっている。そして、給送部1は、給紙ローラ12、13及び裁き部材14を有しており、これによって、載置台11上の積層された封筒100の束から1つずつ封筒100を搬送方向Xに送り出すようになっている。
【0014】
搬送部2は、搬送ローラ21、一対の搬送ローラ22、23、搬送ローラ24、及び搬送ベルト25を有している。搬送部2は、給送部1から送り出された封筒100を、糊塗布部3、更には、接合部4を経て、排出部(図示せず)へ搬送するようになっている。
【0015】
糊塗布部3は、搬送されて来た封筒100のフラップ101に糊を塗布するように構成されている。糊塗布部3は、搬送されて来た封筒100のフラップ101に対して、カートリッジ31の糊転写部311が接離するように、カートリッジ31を上下動させるようになっている。図4及び図5は、図1の糊塗布部3のIV矢視図である。図4は非塗布時の状態を示しており、図5は塗布時の状態を示している。糊塗布部3は、カートリッジ31と、ホルダー32と、カム33と、塗布ローラ34と、を有している。ホルダー32は、糊転写部311を下方に向けて露出させた状態で、カートリッジ31を着脱自在に保持するようになっている。カム33は、ホルダー32の従節321の先端の接触子322に当接している。ホルダー32は、カム33より上方において横軸323によって回動可能に支持されている。よって、糊塗布部3は、カム33が回転すると、それに従動して、ホルダー32が横軸323を中心にR方向に回動するようになっており、これによって、糊転写部311が上下動するようになっている。塗布ローラ34は、カートリッジ31が下降した際の糊転写部311との間でフラップ101を挟持できるように、糊転写部311に対向して配置されている。
【0016】
図6及び図7は、図1のVI-VI断面図であり、接合部4を示している。接合部4は、糊が塗布されたフラップ101を、折り返して、封筒100の本体102に接合するように、構成されている。接合部4は、封筒100を下方から支持する支持面41と、フラップ101を折り返す折り返し機構42と、折り返したフラップ101を本体102に接合させる圧接機構43と、を有している。図6は、折り返し機構42の作動を示しており、図7は、圧接機構43の作動を示している。
【0017】
折り返し機構42は、固定ローラ431の頂部に形成されている溝421と、回動押部422と、を有している。回動押部422は、押片4221と、押片4221を保持する保持部4222と、を有している。保持部4222は、押片4221を溝421に対して出し入れするように、支持軸4223回りに回動するようになっている。
【0018】
圧接機構43は、固定ローラ431と、固定ローラ431に当接した状態で固定ローラ431の回りを回動する回動ローラ432と、回動ローラ432を回動させる回動機構433と、を有している。回動機構433は、モータ4331の駆動を、ベルト4332、回動軸4333、ベルト4334、及び回動軸4335、4336を介して、回動ローラ432に伝達し、それによって、回動ローラ432を固定ローラ431回りに回動させるようになっている。
【0019】
支持面41は、フラップ101と本体102との境界を構成する折り目103が溝421の真上に来るように、封筒100を支持するようになっている。
【0020】
給送部1と糊塗布部3との間には、図2に示されるように、封筒100を検知する、反射型の、第1センサー51及び第2センサー52が、設けられている。第1センサー51は、糊塗布部3側に位置しており、第2センサー52は、給送部1側に位置している。
【0021】
そして、図8のブロック図に示されるように、制御部6は、上述した各部を制御するようになっている。制御部6は、特に、第1モード選択部61と、第1標準塗布制御部62と、第1エコノミー塗布制御部63と、を有している。制御部6は、CPU、ROM、RAM等により、実現されている。
【0022】
ところで、本実施形態の封緘機10は、サイズの異なる2種類の封筒、すなわち、第1サイズを有する封筒100Aと第2サイズを有する封筒100Bとを対象としている。第1サイズは第2サイズより大きい。すなわち、封筒100Aは、封筒100Bより大きいサイズを有している。図9は、封筒100Aのフラップ101を示しており、図10は、封筒100Bのフラップ101を示している。例えば、封筒100Aは長形3号であり、封筒100Bは長形4号である。
【0023】
更に、本実施形態の封緘機10は、2種類の封筒100A、100Bの各々に対して、2種類のモードで塗布できるようになっている。2種類のモードは、標準塗布モードとエコノミー塗布モードである。標準塗布モードは、フラップ101の略全長に渡る第1塗布面積だけフラップ101に糊を塗布するモードである。エコノミー塗布モードは、第1塗布面積より小さい第2塗布面積だけフラップ101に糊を塗布するモードである。
【0024】
そして、標準塗布モードでは、例えば、長形3号である封筒100Aのフラップ101に対して、図9に示される領域E1に、糊を塗布し、長形4号である封筒100Bのフラップ101に対して、図10に示される領域E2に、糊を塗布するようになっている。図9においては、L11=95mm、L12=12.5mm、L13=10mmであり、図10においては、L21=65mm、L22=12.5mm、L23=10mmである。
【0025】
また、エコノミー塗布モードでは、例えば、長形3号である封筒100Aのフラップ101に対して、図11に示される3個の領域E11~E13に、糊を塗布し、長形4号である封筒100Bのフラップ101に対して、図12に示される2個の領域E21、E22に、糊を塗布するようになっている。図11は、第1サイズを有する封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである「第1塗布態様」を示しており、図12は、第2サイズを有する封筒100Bに適合したエコノミー塗布モードである「第2塗布態様」を示している。図11においては、L13=10mm、L14=20mm、L15=10mmであり、図12においては、L23=10mm、L24=20mm、L25=10mmである。3個の領域E11~E13は、同じ面積を有している。また、2個の領域E21、E22は、同じ面積を有している。
【0026】
なお、領域E1の面積Z1及び領域E2の面積Z2は、それぞれ、第1塗布面積を示しており、第1塗布態様(図11)である領域E11~E13の合計面積Z3及び第2塗布態様(図12)である領域E21、E22の合計面積Z4は、それぞれ、第2塗布面積を示している。そして、第2塗布態様である塗布面積Z4は、第1塗布態様である塗布面積Z3より小さい。
【0027】
第1モード選択部61は、標準塗布モードとエコノミー塗布モードとを任意に選択できるようになっている。
【0028】
第1標準塗布制御部62は、標準塗布モードが選択された場合に、第1センサー51による検知のみに基づいて、標準塗布モードを実行するように糊塗布部3を制御するようになっている。具体的には、第1標準塗布制御部62は、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第1所定量X1だけ搬送した際に、糊塗布部3の作動を開始し、第1センサー51が封筒100の後端105を検知した後に搬送部2が封筒100を第2所定量X2だけ搬送した際に、糊塗布部3の作動を終了するようになっている。
【0029】
第1エコノミー塗布制御部63は、エコノミー塗布モードが選択された場合に、第1センサー51及び第2センサー52による検知に基づいて、エコノミー塗布モードを実行するように糊塗布部3を制御するようになっている。具体的には、第1エコノミー塗布制御部63は、次のように作動する。
【0030】
(a)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第3所定量X3だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させる。
【0031】
(b)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第3所定量X3だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合したエコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させるようになっている。
【0032】
なお、所定量X1、X2、X3は、任意に設定でき、全て同じでもよく、又は、相互に異なってもよい。また、「所定量」は、搬送距離であるが、それは、搬送部2を駆動するステッピングモータ(図示せず)のパルス数に基づいて求めてもよく、又は、搬送部2の駆動モータ(図示せず)の速度と搬送時間とから求めてもよい。
【0033】
本実施形態の封緘機10は、次のように作動する。図13は、その作動を示すフローチャートである。なお、「S」はステップの略表記である。
【0034】
(1)まず、図3及び図14に示されるように、給送部1の載置台11上に、封入物含有封筒100を揃えて積層する(S1)。積層する封筒100は、封筒100A及び封筒100Bのいずれか一方である。本実施形態の封緘機10によれば、封筒100を、フラップ101が搬送方向Xに沿った状態で、積層できるので、給送部1の搬送方向の長さを短縮でき、その結果、全体のコンパクト化を実現できる。
【0035】
(2)次に、例えばタッチパネル等の入力部(図示せず)を介して、第1モード選択部61を作動させ、標準塗布モード又はエコノミー塗布モードを選択する(S2)。なお、ここでは、標準塗布モードを選択した。
【0036】
(3)次に、スタートボタン(図示せず)を押して封緘機10の作動を開始させると、まず、給送部1が作動して、載置台11上の封筒100の束の内の最下層の封筒100が搬送方向Xへ送り出される。
【0037】
(4)送り出された封筒100は、搬送ローラ21によって搬送方向Xへ搬送され、第2センサー52を通過し、更に搬送ローラ22、23によって搬送方向Xへ搬送され、第1センサー51を通過して、糊塗布部3へ至る(S3)。
【0038】
(5)このとき、第1標準塗布制御部62が次のように作動する。
【0039】
(5-1)まず、図15に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第1所定量X1だけ搬送した際に(S4)、糊塗布部3の作動を開始する(S5)。これにより、糊塗布部3のカートリッジ31の糊転写部311が封筒100のフラップ101に接触し、糊の塗布が開始する。糊の塗布は、搬送部2によって封筒100を搬送しながら、行われる。
【0040】
(5-2)次に、図16に示されるように、第1センサー51が封筒100の後端105を検知した後に搬送部2が封筒100を第2所定量X2だけ搬送した際に(S6)、糊塗布部3の作動を終了する(S7)。これにより、糊塗布部3のカートリッジ31の糊転写部311が封筒100のフラップ101から離れ、糊の塗布が終了する。
【0041】
(6)糊の塗布が終了した封筒100は、搬送部2によって接合部4へ搬送され、支持面41上に載せられる(S8)。このとき、封筒100の折り目103は、固定ローラ431の溝421の真上に、位置している。そして、接合部4が作動する。
【0042】
(6-1)まず、図17に示されるように、折り返し機構42が作動して、押片4221が溝421に挿し込まれる。このとき、押片4221は、封筒100の折り目103を溝421内に押し込んでいく(S9)。これにより、フラップ101が、水平状態から略垂直状態まで、折り返される。
【0043】
(6-2)次に、図18に示されるように、押片4221が溝421から出されると、圧接機構43が作動する。すなわち、回動機構433が作動して、回動ローラ432が、固定ローラ431回りに回動しながら、固定ローラ431との間にフラップ101を挟んでいく。回動ローラ432は、溝421を超えた位置まで回動し、フラップ101を支持面41に対して押圧する(S10)。これによって、糊が塗布されたフラップ101は、本体102に接合される。
【0044】
そして、フラップ101が本体102に接合された封筒100は、搬送部2によって、排出部へ排出される。これにより、封筒100に対する封緘作業が終了する(S11)。
【0045】
なお、標準塗布モードを選択した場合の上述の作動は、図14図16に示されるように、封筒100Bを対象としているが、封筒100Aを対象とした場合でも、図19及び図20に示されるように、同じである。すなわち、図19に示されるように、第1センサー51が封筒100Aの先端104を検知した後に搬送部2が封筒100Aを第1所定量X1だけ搬送した際に(S4)、糊塗布部3の作動を開始する(S5)。そして、図20に示されるように、第1センサー51が封筒100Aの後端105を検知した後に搬送部2が封筒100Aを第2所定量X2だけ搬送した際に(S6)、糊塗布部3の作動を終了する(S7)。したがって、上記(5-2)において糊の塗布が終了すると、封筒100Aの場合は図9の領域E1に糊が塗布されており、封筒100Bの場合は図10の領域E2に糊が塗布されている。
【0046】
一方、上記(2)においてエコノミー塗布モードが選択された場合には、S4~S7までの上記(5)の作動が次のようになる。
【0047】
(5)このとき、第1エコノミー塗布制御部63が次のように作動する。
【0048】
(5-1)図19に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第3所定量X3だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には(S12)、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである第1塗布態様(図11)を実行するように、作動させる(S13)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を3回上下動させて、図11に示されるように、封筒100Aのフラップ101の領域E11、E12、E13に糊を塗布する。
【0049】
(5-2)図15に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第3所定量X3だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には(S12)、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合したエコノミー塗布モードである第2塗布態様(図12)を実行するように、作動させる(S14)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を2回上下動させて、図12に示されるように、封筒100Bのフラップ101の領域E21、E22に糊を塗布する。
【0050】
なお、本実施形態においては、図11及び図12に示されるように、封筒100Aの先端104に対する1つ目の領域E11の位置(すなわち20~40mm)と封筒100Bの先端104に対する1つ目の領域E21の位置(すなわち20~40mm)とが同じであるので、第3所定量X3は、先端104から領域E11の終端までの距離(又は、先端104から領域E21の終端までの距離)すなわち40mmに、設定されている。このように、第3所定量X3を長く設定すれば、第2センサー52を第1センサー51に近付けて配置できるので、封緘機10の搬送方向長さを短くでき、よって、封緘機10のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
以上のように、本実施形態の封緘機10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0052】
(i)標準塗布モードを選択した場合には、第1標準塗布制御部62の作動によって、封筒100Aに対しても封筒100Bに対しても、各々のフラップ101の略全長に渡る第1塗布面積だけフラップ101に糊を塗布することができる。すなわち、封筒100Aに対しては領域E1に糊を塗布でき、封筒100Bに対しては領域E2に糊を塗布できる。
【0053】
(ii)エコノミー塗布モードを選択した場合には、第1エコノミー塗布制御部63の作動によって、封筒100Aに対しては図11に示される第1塗布態様を実行でき、封筒100Bに対しては図12に示される第2塗布態様を実行できる。すなわち、封筒100Aに対しては領域E11~E13に糊を塗布でき、封筒100Bに対しては領域E21、E22に糊を塗布できる。
【0054】
(iii)よって、標準塗布モードを選択した場合でもエコノミー塗布モードを選択した場合でも、次のような効果を発揮できる。
(iiia)封筒100Aを封筒100Bであると誤判断してフラップ101に糊を塗布するのを防止できる。したがって、封筒100Aが糊不足によって封緘不良になるのを、防止できる。
(iiib)封筒100Bを封筒100Aであると誤判断してフラップ101に糊を塗布するのを防止できる。ちなみに、封筒100Bを封筒100Aであると誤判断してフラップ101に糊を塗布すると、糊の塗布面積が無駄に大きくなるので、糊の無駄遣いが生じたり、また、フラップ101からはみ出して塗布された糊が糊塗布部3の他の部材に付着するので、封緘機10の作動に不具合が生じたりする恐れがあるが、本実施形態の封緘機10によれば、そのような無駄遣いや不具合が生じるのを防止できる。
【0055】
[第2実施形態]
図21に示されるように、本実施形態の封緘機10は、第1実施形態の封緘機10に対して、次の点のみが異なっている。
(a)第1エコノミー塗布制御部63が判断した第1サイズ及び第2サイズというサイズ情報を記憶する第1サイズ記憶部71を、備えている。
(b)制御部6が、更に、第1誤作動回避部64を有している。
【0056】
第1誤作動回避部64は、エコノミー塗布モードが選択された場合において、給送部1から1つ目の封筒100を送り出した後に2つ目以降の封筒100を送り出すか否かを判断して、糊塗布部3の誤作動を回避するようになっている。具体的には、第1誤作動回避部64は、次のように作動する。
(b-1)給送部1が2つ目以降の封筒100を送り出す前に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には、給送部1による封筒100の送り出しを停止する。
(b-2)給送部1が2つ目以降の封筒100を送り出す前に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には、給送部1による封筒100の送り出しを続行させるとともに第1サイズ記憶部71のサイズ情報に基づいて糊塗布部3を作動させる。
【0057】
ところで、給送部1は、糊塗布部3の作動が終了した時に、次の封筒100を送り出すようになっている。しかしながら、給送部1の裁き不良等によって、封筒100が続けて送り出される場合、すなわち、連送される場合がある。図22は、第2サイズである封筒100Bが連送された状態を示している。そして、第1エコノミー塗布制御部63は、図22に示される状態において、次のように作動する。すなわち、第1センサー51が封筒100Bの先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第3所定量X3だけ搬送した際に、第2センサー52が次の封筒100Bを検知しているので、先の封筒100Bが第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100Bを封筒100Aであると誤判断して、糊塗布部3を、封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである第1塗布態様(図11)を実行するように、作動させる。したがって、糊塗布部3が誤作動する。その結果、上述したような無駄遣いや不具合が生じる。
【0058】
しかしながら、本実施形態の封緘機10は、次のように作動する。図23は、その作動を示すフローチャートである。
(1)先の封筒100に対する一連の封緘処理が終了すると、第1誤作動回避部64が作動する。
(2)第1誤作動回避部64が作動すると、まず、第2センサー52が封筒100を検知しているか否かが判断される(S21)。そして、
(3-1)検知している場合には、給送部1による2つ目以降の封筒100の送り出しを停止する(S22)。
(3-2)検知していない場合には、給送部1による封筒100の送り出しを続行させるとともに第1サイズ記憶部71のサイズ情報に基づいて2つ目以降の封筒100に対して糊塗布部3を作動させる(S23)。なお、第1誤作動回避部64が作動して、2つ目以降の封筒100の送り出しが続行された場合は、連送又は重送が発生したとしても、封緘処理を続行可能であるならば、給送部1を停止させない。
【0059】
したがって、本実施形態の封緘機10によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)第1誤作動回避部64が上記(3-1)のように作動するので、図22の連送の場合に、給送部1の作動を停止できる。よって、封筒100Bの連送に起因した上述の無駄遣いや不具合が生じるのを、防止できる。
【0060】
(2)第1誤作動回避部64が上記(3-2)のように作動するので、連送していない場合には、第1サイズ記憶部71のサイズ情報に基づいて、すなわち、正しいサイズ情報に基づいて、給送部1を連続して作動させることができる。よって、作業効率の向上を図ることができる。
【0061】
なお、第1誤作動回避部64は、「連送」の場合に限らず、「重送」の場合も、同様に作動する。
【0062】
[第3実施形態]
図24に示されるように、本実施形態の封緘機10は、第1実施形態の封緘機10に対して、制御部のみが異なっている。本実施形態の封緘機10の制御部6Aは、第2モード選択部61Aと、第2標準塗布制御部62Aと、第2エコノミー塗布制御部63Aと、を有している。
【0063】
第2モード選択部61Aは、第1モード選択部61と同じであり、標準塗布モードとエコノミー塗布モードとを任意に選択できるようになっている。
【0064】
第2標準塗布制御部62Aは、標準塗布モードが選択された場合に、第1センサー51及び第2センサー52による検知に基づいて、標準塗布モードを実行するように糊塗布部3を制御するようになっている。具体的には、第2標準塗布制御部62Aは、次のように作動する。
【0065】
(a)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第4所定量X4だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合した標準塗布モードを実行するように、作動させる。
【0066】
(b)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第4所定量X4だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合した標準塗布モードを実行するように作動させる。
【0067】
第2エコノミー塗布制御部63Aは、エコノミー塗布モードが選択された場合に、第1センサー51及び第2センサー52による検知に基づいて、エコノミー塗布モードを実行するように糊塗布部3を制御するようになっている。具体的には、第2エコノミー塗布制御部63Aは、次のように作動する。
【0068】
(a)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第5所定量X5だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである第1塗布態様を実行するように、作動させる。
【0069】
(b)第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第5所定量X5だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100が封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合したエコノミー塗布モードである第2塗布態様を実行するように、作動させる。
【0070】
なお、所定量X4、X5は、任意に設定でき、同じでもよく、又は、異なってもよい。また、「所定量」は、搬送距離であるが、それは、搬送部2を駆動するステッピングモータ(図示せず)のパルス数に基づいて求めてもよく、又は、搬送部2の駆動モータ(図示せず)の速度と搬送時間とから求めてもよい。
【0071】
本実施形態の封緘機10は、次のように作動する。図25は、その作動を示すフローチャートである。
【0072】
(1)まず、図3及び図14に示されるように、給送部1の載置台11上に、封入物含有封筒100を積層する(S31)。積層する封筒100は、封筒100A及び封筒100Bのいずれか一方である。
【0073】
(2)次に、例えばタッチパネル等の入力部(図示せず)を介して、第2モード選択部61Aを作動させ、標準塗布モード又はエコノミー塗布モードを選択する(S32)。ここでは、標準塗布モードを選択した。
【0074】
(3)次に、スタートボタン(図示せず)を押して封緘機10の作動を開始させると、まず、給送部1が作動して、載置台11上の封筒100の束の内の最下層の封筒100が搬送方向Xへ送り出される。
【0075】
(4)送り出された封筒100は、搬送ローラ21によって搬送方向Xへ搬送され、第2センサー52を通過し、更に搬送ローラ22、23によって搬送方向Xへ搬送され、第1センサー51を通過して、糊塗布部3へ至る(S33)。
【0076】
(5)このとき、第2標準塗布制御部62Aが次のように作動する。
【0077】
(5-1) 図19に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第4所定量X4だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には(S34)、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合した標準塗布モードを実行するように、作動させる(S35)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を1回上下動させて、封筒100Aのフラップ101の領域E1に糊を塗布する。
【0078】
(5-2) 図15に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第4所定量X4だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には(S34)、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合した標準塗布モードを実行するように、作動させる(S36)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を1回上下動させて、封筒100Bのフラップ101の領域E2に糊を塗布する。
(6)糊の塗布が終了した封筒100は、搬送部2によって接合部4へ搬送される(S39)。そして、接合部4が作動する(S38、S39)。接合部4の作動は、第1実施形態と同じである。
【0079】
そして、フラップ101が本体102に接合された封筒100は、搬送部2によって、排出部へ排出される。これにより、封筒100に対する封緘作業が終了する(S40)。
【0080】
上述したように、標準塗布モードを選択した場合には、封筒100Aに対して封筒100Aに適合した標準塗布モードを実行でき、封筒100Bに対して封筒100Bに適合した標準塗布モードを実行できる。
【0081】
一方、上記(2)においてエコノミー塗布モードが選択された場合には、S34~S36までの上記(5)の作動が次のようになる。
【0082】
(5)このとき、第2エコノミー塗布制御部63Aが次のように作動する。
【0083】
(5-1)図19に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第5所定量X5だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には(S41)、封筒100が第1サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Aであると判断して、糊塗布部3を、第1サイズすなわち封筒100Aに適合したエコノミー塗布モードである第1塗布態様(図11)を実行するように、作動させる(S42)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を3回上下動させて、図11に示されるように、封筒100Aのフラップ101の領域E11、E12、E13に糊を塗布する。
【0084】
(5-2)図15に示されるように、第1センサー51が封筒100の先端104を検知した後に搬送部2が封筒100を第5所定量X5だけ搬送した際に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には(S41)、封筒100が第2サイズを有していると判断して、すなわち、封筒100を封筒100Bであると判断して、糊塗布部3を、第2サイズすなわち封筒100Bに適合したエコノミー塗布モードである第2塗布態様(図12)を実行するように、作動させる(S43)。具体的には、糊塗布部3は、カートリッジ31を2回上下動させて、図12に示されるように、封筒100Bのフラップ101の領域E21、E22に糊を塗布する。
【0085】
なお、本実施形態においては、図11及び図12に示されるように、封筒100Aの先端104に対する1つ目の領域E11の位置(すなわち20~40mm)と封筒100Bの先端104に対する1つ目の領域E21の位置(すなわち20~40mm)とが同じであるので、第5所定量X5は、先端104から領域E11の終端までの距離(又は、先端104から領域E21の終端までの距離)すなわち40mmに、設定されている。このように、第5所定量X5を長く設定すれば、第2センサー52を第1センサー51に近付けて配置できるので、封緘機10の搬送方向長さを短くでき、よって、封緘機10のコンパクト化を図ることができる。
【0086】
以上のように、本実施形態の封緘機10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0087】
(i)標準塗布モードを選択した場合には、第2標準塗布制御部62Aの作動によって、封筒100Aに対しても封筒100Bに対しても、各々のフラップ101の略全長に渡る第1塗布面積だけフラップ101に糊を塗布することができる。すなわち、封筒100Aに対しては領域E1に糊を塗布でき、封筒100Bに対しては領域E2に糊を塗布できる。
【0088】
(ii)エコノミー塗布モードを選択した場合には、第2エコノミー塗布制御部63Aの作動によって、封筒100Aに対しては図11に示される第1塗布態様を実行でき、封筒100Bに対しては図12に示される第2塗布態様を実行できる。すなわち、封筒100Aに対しては領域E11~E13に糊を塗布でき、封筒100Bに対しては領域E21、E22に糊を塗布できる。
【0089】
(iii)よって、標準塗布モードを選択した場合でもエコノミー塗布モードを選択した場合でも、次のような効果を発揮できる。
(iiia)封筒100Aを封筒100Bであると誤判断してフラップ101に糊を塗布するのを防止できる。したがって、封筒100Aが糊不足によって封緘不良になるのを、防止できる。
(iiib)封筒100Bを封筒100Aであると誤判断してフラップ101に糊を塗布するのを防止できる。ちなみに、封筒100Bを封筒100Aであると誤判断してフラップ101に糊を塗布すると、糊の塗布面積が無駄に大きくなるので、糊の無駄遣いが生じたり、また、フラップ101からはみ出して塗布された糊が糊塗布部3の他の部材に付着するので、封緘機10の作動に不具合が生じたりする恐れがあるが、本実施形態の封緘機10によれば、そのような無駄遣いや不具合が生じるのを防止できる。
【0090】
[第4実施形態]
図26に示されるように、本実施形態の封緘機10は、第3実施形態の封緘機10に対して、次の点のみが異なっている。
(a)第2標準塗布制御部62A及び第2エコノミー塗布制御部63Aが判断した第1サイズ及び第2サイズというサイズ情報を記憶する第2サイズ記憶部71Aを、備えている。
(b)制御部6Aが、更に、第2誤作動回避部64Aを有している。
【0091】
第2誤作動回避部64Aは、標準塗布モード及びエコノミー塗布モードのいずれが選択された場合においても、給送部1から1つ目の封筒100を送り出した後に2つ目以降の封筒100を送り出すか否かを判断して、糊塗布部3の誤作動を回避するようになっている。具体的には、第2誤作動回避部64Aは、次のように作動する。
(b-1)給送部1が2つ目以降の封筒100を送り出す前に、第2センサー52が封筒100を検知している場合には、給送部1による封筒100の送り出しを停止する。
(b-2)給送部1が2つ目以降の封筒100を送り出す前に、第2センサー52が封筒100を検知していない場合には、給送部1による封筒100の送り出しを続行させるとともに第2サイズ記憶部71Aのサイズ情報に基づいて糊塗布部3を作動させる。
【0092】
本実施形態の封緘機10は、次のように作動する。図27は、その作動を示すフローチャートである。
(1)先の封筒100に対する一連の封緘処理が終了すると、第2誤作動回避部64Aが作動する。
(2)第2誤作動回避部64Aが作動すると、まず、第2センサー52が封筒100を検知しているか否かが判断される(S51)。そして、
(3-1)検知している場合には、給送部1による2つ目以降の封筒100の送り出しを停止する(S52)。
(3-2)検知していない場合には、給送部1による2つ目以降の封筒100の送り出しを続行させるとともに第2サイズ記憶部71Aのサイズ情報に基づいて糊塗布部3を作動させる(S53)。なお、第2誤作動回避部64Aが作動して、2つ目以降の封筒100の送り出しが続行された場合は、連送又は重送が発生したとしても、封緘処理を続行可能であるならば、給送部1を停止させない。
【0093】
したがって、本実施形態の封緘機10によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)第2実施形態の場合と同様に、第2誤作動回避部64Aが上記(3-1)のように作動するので、図22の連送の場合に、給送部1の作動を停止できる。よって、封筒100Bの連送に起因した上述の無駄遣いや不具合が生じるのを、防止できる。
【0094】
(2)第2時実施形態の場合と同様に、第2誤作動回避部64Aが上記(3-2)のように作動するので、連送していない場合には、第2サイズ記憶部71Aのサイズ情報に基づいて、すなわち、正しいサイズ情報に基づいて、給送部1を連続して作動させることができる。よって、作業効率の向上を図ることができる。
【0095】
なお、第2誤作動回避部64Aは、「連送」の場合に限らず、「重送」の場合も、同様に作動する。
【0096】
[別の実施形態]
(1)本発明の封緘機10が対象とする封筒は、サイズの異なる2種類の封筒であればよく、長形3号及び長形4号に限らない。
【0097】
(2)給送部1と糊塗布部3との間の給送部1側に、第2センサー52に加えて、第3センサー等の1個以上の封筒検知用センサーを更に配置してもよい。この場合、本発明の封緘機10によれば、例えば第3センサーを配置した場合にはサイズの異なる3種類の封筒に対応でき、更に第4センサーを配置した場合にはサイズの異なる4種類の封筒に対応できる。
【0098】
(3)エコノミー塗布モードでは、例えば、長形3号である封筒100Aのフラップ101に対して、図28に示される2個の領域E14、E15に、糊を塗布してもよい。図28においては、L13=10mm、L14=20mm、L15=10mm、L16=50mmである。この場合、糊塗布部3のカートリッジ31は、2回上下動するが、2回目の下降状態を1回目よりも長く維持する。
【0099】
(4)第1センサー51及び第2センサー52としては、透過型センサーを使用してもよい。
【0100】
(5)第1実施形態では、図11及び図12に示されるように、大サイズの封筒100Aのフラップ101の塗布領域が3個であり、小サイズの封筒100Bのフラップ101の塗布領域が2個であり、封筒100Aの先端104に対する1つ目の領域E11の位置と、封筒100Bの先端104に対する1つ目の領域E21の位置とが、同じであるので、第3所定量X3を、先端104から領域E11の終端までの距離(又は、先端104から領域E21の終端までの距離)に、設定している。しかるに、例えば、大サイズの封筒100Aのフラップ101の塗布領域が5個であり、小サイズの封筒100Bのフラップ101の塗布領域が4個であり、封筒100Aの先端104に対する1つ目~3つ目の各領域の位置と、封筒100Bの先端104に対する1つ目~3つ目の各領域の位置とが、同じである場合には、第3所定量X3を、先端104から3つ目の領域の終端までの距離に、設定してもよい。更には、封筒100A、100Bにおける塗布領域の数が更に増えた場合でも、第3所定量X3を、同様に設定できる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の封緘機は、糊の無駄遣いや作動の不具合の発生を防止できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0102】
1 給送部
11 載置台
10 封緘機
100 封入物含有封筒
101 フラップ
102 本体
103 折り目
104 先端
105 後端
2 搬送部
3 糊塗布部
4 接合部
51 第1センサー
52 第2センサー
6、6A 制御部
61 第1モード選択部
61A 第2モード選択部
62 第1標準塗布制御部
62A 第2標準塗布制御部
63 第1エコノミー塗布制御部
63A 第2エコノミー塗布制御部
64 第1誤作動回避部
64A 第2誤作動回避部
71 第1サイズ記憶部
71A 第2サイズ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図18
図19
図20
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図22
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図28