(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230622BHJP
【FI】
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2022185019
(22)【出願日】2022-11-18
【審査請求日】2022-11-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516192925
【氏名又は名称】Tangerine株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】成田 雅弘
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-113133(JP,A)
【文献】国際公開第2021/079718(WO,A1)
【文献】特開2018-206226(JP,A)
【文献】特許第7129743(JP,B1)
【文献】特開2019-106083(JP,A)
【文献】特開2020-030782(JP,A)
【文献】特開2014-017811(JP,A)
【文献】特開2017-219879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗を識別する店舗識別情報を前記店舗内に送信する送信装置と、
前記店舗内で顧客が所持し、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報を受信する顧客端末と、
前記顧客端末にネットワークを介して接続された管理サーバと、
を備え、
前記顧客端末は、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて前記管理サーバに送信する識別情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御するアプリケーション提供手段を備
え、
さらに、
前記送信装置は、前記店舗の店員を識別する店員識別情報を前記店舗内に送信するよう構成され、
前記顧客端末は、前記店舗内で前記店員識別情報を受信するよう構成されており、
前記第二アプリケーションは、商品情報の入力を受け付け、前記顧客端末が受信した前記店員識別情報と前記商品情報とを関連付けて前記管理サーバに送信する機能を有し、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記顧客端末から前記店舗識別情報を受信している間のみ、前記顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記第二アプリケーションは、当該第二アプリケーション上で実行された処理内容を表す処理情報を前記管理サーバに送信する機能を有し、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記処理情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項
1に記載の情報処理システムであって、
前記第二アプリケーションは、前記店員識別情報と前記商品情報とを関連付けて表示する機能を有する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、予め前記顧客識別情報に関連付けられて記憶されている情報を、当該顧客識別情報に対応する前記顧客が所持する前記顧客端末にて実行されている前記第二アプリケーションにて表示出力するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、予め前記顧客識別情報に関連付けられて記憶されている情報として、当該顧客識別情報に対応する前記顧客による前記店舗に対する利用状況を表す利用情報を、前記第二アプリケーションにて表示出力するよう制御する、
情報処理システム。
【請求項7】
送信装置が、店舗を識別する店舗識別情報
及び前記店舗の店員を識別する店員識別情報を前記店舗内に送信し、
前記店舗内で顧客が所持する顧客端末が、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報
及び前記店員識別情報を受信し、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて、ネットワークを介して接続された管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御
し、
さらに、
前記第二アプリケーションが、商品情報の入力を受け付け、前記顧客端末が受信した前記店員識別情報と前記商品情報とを関連付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理方法。
【請求項8】
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得する取得手段と、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する提供手段と、
を備
え、
前記第二アプリケーションは、商品情報の入力を受け付け、前記店舗内に送信され前記顧客端末が受信した前記店舗の店員を識別する店員識別情報を、前記商品情報と関連付けて、前記第二アプリケーションを送信した情報処理装置に送信する機能を有しており、
前記提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御
し、
前記第二アプリケーションは、商品情報の入力を受け付け、前記店舗内に送信され前記顧客端末が受信した前記店舗の店員を識別する店員識別情報を、前記商品情報と関連付けて、前記第二アプリケーションを送信した情報処理装置に送信する機能を有しており、
さらに、前記情報処理装置が、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理方法。
【請求項10】
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
処理をコンピュータに実行させる
と共に、
前記第二アプリケーションは、商品情報の入力を受け付け、前記店舗内に送信され前記顧客端末が受信した前記店舗の店員を識別する店員識別情報を、前記商品情報と関連付けて、前記第二アプリケーションを送信した情報処理装置に送信する機能を有しており、
さらに、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店などの店舗において、ビーコンと呼ばれる無線通信端末と、顧客が所持する携帯型端末と、サーバと、を用いて、店舗に来店した顧客に、かかる店舗の情報を提供するサービスが行われている。例えば、特許文献1では、店舗に設置したビーコンから店舗識別情報を含むビーコン情報を送信し、顧客の携帯型端末がビーコン情報を受信してサーバに通知することで、サーバは、かかる顧客の携帯型端末に対して店舗の情報を送信している。これにより、顧客は、来店した店舗内において、かかる店舗の情報を携帯型端末にて受信して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、店舗側は、来店した顧客の携帯型端末に対して情報を送信するだけである。つまり、店舗側は、顧客の携帯型端末に表示可能な情報を提供するだけであり、情報表示以外のサービスを提供することができない。このため、店舗による来店した顧客に対するさらなるサービスの向上を図ることができない、という問題が生じる。
【0005】
このため、本開示の目的は、上述した課題である、店舗に来店した顧客に対するさらなるサービスの向上を図ることができる情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態である情報処理システムは、
店舗を識別する店舗識別情報を前記店舗内に送信する送信装置と、
前記店舗内で顧客が所持し、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報を受信する顧客端末と、
前記顧客端末にネットワークを介して接続された管理サーバと、
を備え、
前記顧客端末は、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて前記管理サーバに送信する識別情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御するアプリケーション提供手段を備えた、
という構成をとる。
【0007】
また、本開示の一形態である情報処理方法は、
送信装置が、店舗を識別する店舗識別情報を前記店舗内に送信し、
前記店舗内で顧客が所持する顧客端末が、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報を受信し、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて、ネットワークを介して接続された管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の一形態である情報処理装置は、
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得する取得手段と、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する提供手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の一形態である情報処理方法は、
情報処理装置が、
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の一形態であるプログラムは、
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
処理をコンピュータに実行させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、以上のように構成されることにより、店舗に来店した顧客に対するさらなるサービスの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態1における情報処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に開示した各装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に開示した顧客端末で実行されるアプリケーションの様子を示す図である。
【
図4】
図1に開示した顧客端末で実行されるアプリケーションの様子を示す図である。
【
図5】
図1に開示した情報処理システムの動作の概略を示す図である。
【
図6】
図1に開示した情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図7】
図1に開示した情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本開示の第1の実施形態を、
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1乃至
図4は、情報処理システムの構成を説明するための図であり、
図5乃至
図7は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。
【0014】
[構成]
本実施形態における情報処理システムは、店舗T側が、店舗Tに訪れた顧客Uに対して、顧客Uが所持する顧客端末10にて実行されるアプリケーションを提供するためのものである。但し、情報処理システムは、店舗で利用されることに限定されず、店舗以外の所定の領域で利用されてもよく、かかる領域を訪れた人物に対してアプリケーションを提供するために利用されてもよい。
【0015】
図1に示すように、情報処理システムは、店舗Tに来店する顧客Uが所持する顧客端末10と、店舗Tの店員Pが所持する店員端末20と、ネットワークNに接続された管理サーバ30及びデータベースサーバ40と、を備えて構成されている。
【0016】
なお、本実施形態では、店舗Tは実店舗であり、衣服、バッグ、雑貨、アクセサリーなどの商品を販売する店舗であることとする。但し、店舗Tは、いかなる商品を販売する店舗であってもよく、また、サービスを提供する店舗であってもよい。また、店舗Tは、1店舗であることに限定されず、複数店舗がグループを構成していてもよく、ネットワーク上にウェブサイトを開設していて、かかるウェブサイトにて商品を販売していてもよい。以下、各構成について説明する。
【0017】
顧客端末10は、演算装置、記憶装置、送受信装置等を備えた一般的な情報処理装置にて構成される。特に、本実施形態では、顧客端末10は、顧客Uが所持するスマートフォンなどの携帯型情報処理端末である。ここで、顧客Uは、店舗Tに対して事前に顧客登録を行っていることとする。このため、顧客Uには、顧客Uを識別する顧客ID(顧客識別情報)が付与されており、かかる顧客IDを含む顧客情報がデータベースサーバ40の顧客データベース41に登録されていることとする。
【0018】
顧客情報は、顧客Uの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報や、顧客Uの性別、年齢、嗜好などの属性情報などを含む。さらに、顧客情報は、店舗Tに対する顧客Uの利用状況を表す利用情報を含む。利用情報は、例えば、顧客Uが店舗Tの実店舗やウェブサイトで購入した商品の情報、実店舗やウェブサイトで閲覧した商品の情報である。具体的に、商品の情報は、例えば、商品を購入した実店舗の店舗端末から顧客Uの顧客IDに関連付けられて登録されたり、後述するように実店舗で顧客Uが顧客端末10を用いて商品のバーコードを読み込むことで顧客IDに関連付けられて登録される。また、商品の情報は、顧客Uが顧客IDを利用してログインしたウェブサイトで商品を購入したり閲覧することで、顧客IDに関連付けられて登録される。但し、上述した利用情報を含む顧客情報は、いかなる方法で顧客データベース41に登録されてもよい。
【0019】
そして、顧客端末10には、店舗Tに対応しており、当該店舗Tが提供する店舗アプリケーション11(第一アプリケーション)が組み込まれている。店舗アプリケーション11(以下、店舗アプリ11と称する)は、演算装置がプログラムを実行することで顧客端末10に組み込まれ、顧客端末10にて実行される。店舗アプリ11は、顧客端末10上で実行されることで、例えば、店舗の場所や営業時間の情報、店舗が扱う商品の情報、店員の情報、など店舗に関する情報を提供したり、商品のオンライン販売を行う機能を提供する。
【0020】
また、店舗アプリ11は、店舗T内で発信されているビーコン情報を、送受信装置を介して受信する機能を有する。ビーコン情報は、例えば、後述するように、店員端末20といった送信装置からBluetooth(登録商標)といった近距離無線通信にて一定の時間間隔で発信されている情報であり、店舗Tを識別する店舗ID(店舗識別情報)を含んでいる。なお、ビーコン情報は、店員Pを識別する店員ID(店員識別情報)を含んでいてもよく、この場合、店員IDが、当該店員IDにて識別される店員Pが所属する店舗Tを識別する店舗IDとして機能してもよい。本実施形態では、後述するように、ビーコン情報に店員IDが含まれている場合を例示し、かかる店員IDが店舗IDとしても機能していることとする。
【0021】
そして、店舗アプリ11は、ビーコン情報を受信すると、ビーコン情報に含まれる店員ID(店舗ID)と、顧客端末10内の記憶部に記憶されている顧客IDと、を関連付けて、ビーコンログとしてネットワークNを介して管理サーバ30に送信する機能を有する。なお、顧客IDは、例えば、顧客端末10に組み込まれたアプリケーションに顧客Uがログイン処理する際に顧客端末10内に記憶されるなど、何らかの方法により顧客端末10に記憶されていることとする。
【0022】
なお、上述した店舗アプリ11によるビーコン情報を受信してビーコンログを管理サーバ30に送信する処理は、必ずしも店舗アプリ11で実行されることに限定されない。例えば、上述したビーコン情報を受信してビーコンログを管理サーバ30に送信する機能は、顧客端末10に組み込まれたオペレーティングシステムや他のアプリケーションが装備していてもよい。
【0023】
また、店舗アプリ11は、実行されている店舗アプリ11上で、さらに店舗Tに対応して当該店舗にて提供されるインストアアプリケーション12(第二アプリケーション)を実行するよう構成されている。インストアアプリケーション12(以下、インストアアプリ12と称する)は、後述するようにネットワークNを介して管理サーバ30にて提供され、その実行状況も管理サーバ30にて制御される。例えば、インストアアプリ12は、顧客端末10が店舗T内に位置している場合のみ、つまり、顧客端末10が店舗T内でビーコン情報を受信して、ビーコンログを管理サーバ30に送信している間のみ、管理サーバ30から提供されて顧客端末10で実行されている店舗アプリ11上で実行されるよう制御される。
【0024】
このように、インストアアプリ12は、店舗アプリ11上で実行されるアプリケーションであり、管理サーバ30から提供され、その実行が制御されるため、管理サーバ30にて予め提供されるSDK(Software Development Kit)などの予め用意されたプログラムを利用することで、容易に開発が可能である。
【0025】
ここで、インストアアプリ12の機能について、
図3乃至
図4を参照して説明する。上述したように、インストアアプリ12は、顧客Uが店舗T内に位置している場合にのみ実行されるため、顧客Uにとって店舗T内で利用することで利点のある機能を提供している。そして、インストアアプリ12は、インストアアプリ12上で実行された処理内容を表す処理情報を、顧客端末10に記憶されている顧客IDと共に管理サーバ30に送信する機能を有する。これにより、店舗T内での顧客Uによるインストアアプリ12の操作に伴う処理情報が、管理サーバ30に送信されて、顧客データベース41などに記憶されることとなる。
【0026】
一例として、インストアアプリ12は、まず顧客端末10上で実行可能になると、
図3の符号3Aに示すように、顧客端末10上で実行されている店舗アプリ11の画面に、インストアアプリ12の実行開始を指示するスタートボタン12aを表示する。かかるスタートボタン12aが選択されることで、店舗アプリ11上でインストアアプリ12が備える種々の機能が実行される。例えば、
図3の符号3Bは、インストアアプリ12によるデジタルスタンプ機能を示している。デジタルスタンプ機能は、顧客Uが店舗Tに来店したときのみスタンプを取得できる機能であり、表示されたスタンプを顧客Uが選択することで、スタンプ取得処理の情報が管理サーバ30に送信され、顧客Uにスタンプが付与されることとなる。また、
図3の符号3Bは、インストアアプリ12の通知情報表示機能を示している。通知情報表示機能は、顧客Uが店舗Tに来店したときのみ通知され提供される情報を表示する機能であり、表示された通知、例えば、割引通知やポイント付与通知を顧客Uが選択することで、割引適用処理やポイント取得処理の情報が管理サーバ30に送信され、顧客に割引が適用されたり、ポイントが付与されることとなる。なお、通知情報表示機能では、管理サーバ30から顧客Uの顧客IDに関連付けられたあらゆる通知情報を顧客端末10に表示させることができるため、例えば、過去に通知した情報も表示することができる。
【0027】
また、
図4の符号4Aは、インストアアプリ12の商品情報登録機能を示している。商品情報登録機能は、店舗Tにおいて顧客Uによる商品情報の入力を受け付け、かかる商品情報を表示すると共に、管理サーバ30に送信して登録する機能である。例えば、商品情報登録機能は、符号4Aの上段に示すように、顧客端末10のカメラを起動し、店舗T内の商品に添付されているバーコードを撮影して読み取り、かかるバーコードから商品識別情報や商品情報にアクセスするためのアドレス情報といった商品情報を取得し、かかる商品情報を管理サーバ30に送信する。これにより、店舗Tにて顧客Uが閲覧した商品の情報が、顧客IDに関連付けられて管理サーバ30により記憶されることとなる。なお、インストアアプリ12の商品情報登録機能は、上述したようにビーコン情報として受信した店舗IDを商品情報に関連付けて、管理サーバ30に送信してもよい。これにより、後述するように、顧客Uが顧客端末10にて店舗Tにおいてビーコン情報を受信した後には、受信したビーコン情報に含まれる店員IDに対応する店員Pから接客を受けることとなり、顧客Uが接客を受けた店員Pの店員IDが、顧客ID及び商品情報に関連付けられて記憶される。なお、バーコードから商品識別情報やアドレス情報を取得した場合は、かかる商品識別情報やアドレス情報に基づいてネットワーク上のウェブサーバから商品の写真や素材、サイズなどを紹介する商品情報を取得することができ、かかる商品情報を符号4Aの下段に示すように、インストアアプリ12の表示画面上に表示することができる。
【0028】
また、
図4の符号4Bは、インストアアプリ12の商品情報閲覧機能を示している。商品情報閲覧機能は、顧客Uが店舗T内において、顧客U自身がこれまでに登録した商品情報を管理サーバ30に要求し、かかる商品情報を管理サーバ30から取得して表示する機能である。このとき、商品情報は、顧客IDに関連付けられて顧客データベース41に登録されており、例えば、顧客Uが店舗Tの実店舗やウェブサイトで閲覧した商品、実店舗やウェブサイトでお気に入り登録をした商品の情報である。また、
図4の符号4Cも、インストアアプリ12の商品情報閲覧機能を示している。符号4Cの例では、上述したインストアアプリ12による商品情報登録機能にて登録した商品を表示している。このとき、登録した商品の情報だけでなく、関連付けて登録された店員IDに対応する店員Pの情報も表示される。
【0029】
店員端末20は、店舗Tの店員Pが所持する携帯型の送信装置であり、Bluetooth(登録商標)といった近距離無線通信にて一定の時間間隔で、店員IDを含むビーコン情報を送信する。ここで、店員Pは、店舗Tに所属し、店舗T内で顧客Uに対して接客業務を行う者であり、店員Pを識別する店員ID(店員識別情報)が付与されている。また、店員IDを含む店員情報が管理サーバ30の店舗情報記憶部33や他の情報処理装置の記憶部に記憶されており、後述するように、管理サーバ30から顧客端末10に送信される。なお、店員情報は、例えば、店員IDに関連付けられて、店員Pの氏名、顔写真、所属店舗名、などの情報を含む。なお、ビーコン情報に含まれる店員IDは、上述したように店舗Tを識別する店舗IDとしても機能している。また、ビーコン情報を送信する送信装置は、店員Pが所持することに限定されず、店舗Tに設置されてもよい。
【0030】
また、店員端末20は、演算装置、記憶装置、送受信装置等を備えた一般的な情報処理装置で構成されてもよい。特に、店員端末20は、店員Pが所持するスマートフォンなどの携帯型情報処理端末で構成されてもよい。この場合、店員端末20には、店舗Tが提供する店員用アプリケーションが組み込まれ、かかる店員用アプリケーションは、ビーコン送信部と利用情報処理部とを構築することとなる。そして、ビーコン送信部は、上述したように、店員IDを含むビーコン情報を店舗T内に送信する。また、利用情報処理部は、後述するように、管理サーバ30から送信された顧客情報を送受信装置を介して取得し、表示画面に表示する機能を有する。例えば、店員端末20が店員用アプリケーションに店員IDを用いてログインすることで、かかる店員IDに対応する店員端末20に対して管理サーバ30から送信された顧客情報を表示画面に表示することができる。ここで、顧客情報とは、ビーコン情報を受信した顧客端末10を所持する顧客Uの情報であり、かかる顧客Uによる店舗Tに対する利用状況を表す利用情報を含む。例えば、顧客情報は、上述した顧客データベース41に登録されている情報であり、一例として、顧客Uの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先を含む個人情報、顧客Uの性別、年齢、嗜好などの属性情報、利用情報として、顧客Uが店舗Tの実店舗やウェブサイトで購入した商品の情報、実店舗やウェブサイトで閲覧した商品の情報を含む。
【0031】
管理サーバ30は、演算装置、記憶装置、送受信装置等を備えた1台又は複数台の一般的な情報処理装置にて構成される。管理サーバ30は、ネットワークNを介して顧客端末10、データベースサーバ40に接続されている。なお、店員端末20が携帯型情報処理端末などの情報処理装置で形成されている場合には、管理サーバ30は店員端末20にもネットワークNを介して接続されている。
【0032】
そして、管理サーバ30は、
図2に示すように、取得部31、提供部32、を備える。取得部31、提供部32の各機能は、演算装置が記憶装置に格納された各機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現することができる。また、管理サーバ30は、店舗情報記憶部33を備える。店舗情報記憶部33は、記憶装置により構成される。さらに、管理サーバ30は、顧客データベース41を備えたデータベースサーバ40に接続されている。以下、各構成について詳述する。
【0033】
取得部31は、上述したように、店舗Tにてビーコン情報を取得した顧客端末10から送信された、ビーコン情報に含まれる店員IDと、顧客端末10を所持する顧客Uの顧客IDと、が関連付けられたビーコンログを、送受信装置を介して取得する。取得部31は、受信したビーコンログを、店舗情報記憶部33や顧客データベース41に記憶しておく。
【0034】
提供部32(アプリケーション提供手段)は、上述したように顧客端末10から店員IDと顧客IDとが関連付けられたビーコンログを受信した際に、ビーコンログに含まれる店員IDにて特定される店舗Tに対応するインストアアプリ12を、顧客端末10に送信する。なお、上述したように店員IDは、店舗IDとしても機能しており、受信した店員IDにて識別される店員Pが所属する店舗Tを特定することができる。そして、店舗Tに対応するインストアアプリ12は、店舗情報記憶部33に記憶されている。
【0035】
提供部32は、インストアアプリ12を顧客端末10に提供する際に、当該インストアアプリ12が顧客端末10上で実行されている店舗アプリ11上で実行されるよう制御する。特に、提供部32は、取得部31にて受信されるビーコンログを一定の時間間隔など所定のタイミングで監視し、顧客端末10から店舗Tに対応する店舗IDを特定できる店員IDが受信されている間のみ、顧客端末10にインストアアプリ12を送信して実行されるよう制御する。これにより、顧客端末10では、顧客Uが店舗Tに来店している間のみ、店舗アプリ11上でインストアアプリ12が実行される。
【0036】
そして、提供部32は、顧客端末10から、インストアアプリ12で実行された処理内容を表す処理情報を取得し、かかる処理情報を、顧客端末10の顧客Uを識別する顧客IDと関連付けて顧客データベース41に記憶する。例えば、提供部32は、上述した
図3の符号3B,3Cに示すように、顧客端末10のインストアアプリ12にてデジタルスタンプ機能や通知情報表示機能が実行されている場合には、かかるインストアアプリ12に対して顧客Uによって入力されたスタンプ取得処理や割引適用処理、ポイント取得処理といった処理情報を取得し、顧客IDに対して、スタンプ付与、割引適用、ポイント付与、などの情報を関連付けて、顧客データベース41に記憶する。また、上述した
図4の符号4Aに示すように、顧客端末10のインストアアプリ12にて商品情報登録機能が実行されている場合には、かかるインストアアプリ12に対して顧客Uによって入力された商品情報を取得し、かかる商品情報を顧客IDに関連付けて、顧客データベース41に記憶する。このとき、顧客端末10のインストアアプリ12から、商品情報と共に、顧客端末10がビーコン情報として取得した店員IDを取得した場合には、店員IDも顧客ID及び商品情報に関連付けて顧客データベース41に記憶する。なお、インストアアプリ12の商品情報登録機能では、符号4Aの上段に示すように、顧客端末10のカメラにて店舗T内の商品に添付されているバーコードが読み取られることで、商品情報が入力され、かかる商品情報が管理サーバ30に送信されることとなる。このとき、インストアアプリ12の商品情報登録機能は、入力されたバーコード内の識別情報などから対応する商品情報を取得して、かかる商品情報を、符号4Aの下段に示すようにインストアアプリ12の表示画面上に表示する。但し、インストアアプリ12の商品情報登録機能は、いかなる方法で顧客Uから商品情報の入力を受けてもよい。例えば、入力された商品コードや商品名を商品情報として受け付けたり、商品自体を撮影した画像を商品情報として受け付けてもよい。
【0037】
また、提供部32は、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12の商品情報閲覧機能にて、顧客Uについて登録されている情報、例えば、顧客データベース41内で顧客IDに関連付けられている情報を表示出力する。このとき、顧客データベース41には、例えば、顧客Uが店舗Tの実店舗やウェブサイトで購入した商品の情報、実店舗やウェブサイトで閲覧した商品の情報が記憶されている。このため、提供部32は、顧客データベース41内の顧客IDに関連付けられている商品の情報を読み出して、かかる商品情報を、
図4の符号4Bに示すように、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12にて表示するよう制御する。また、顧客データベース41には、上述したようにインストアアプリ12の商品情報提供機能にて店舗Tにて入力した商品情報が登録されているため、提供部32は、かかる商品情報をインストアアプリ12にて表示してもよい。このとき、提供部32は、登録されている商品情報に店員IDが関連付けられている場合には、かかる店員IDにて特定される店員Pの情報、例えば、店員Pの氏名、所属店舗名、顔写真などの店員情報を、商品情報と共にインストアアプリ12にて表示してもよい。なお、店員情報は、例えば、管理サーバ30の店舗情報記憶部33に記憶されていることとする。
【0038】
また、提供部32は、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12にて、上述した店員情報のみを表示してもよい。例えば、提供部32は、上述したように顧客端末10から店員IDと顧客IDとが関連付けられたビーコンログを受信した際に、ビーコンログに含まれる店員IDに対応する店員Pの店員情報を、管理サーバ30等の記憶装置から取得する。そして、提供部32は、取得した店員情報を、ビーコンログに含まれる顧客IDに対応する顧客Uが所持する顧客端末10に対して送受信装置を介して送信し、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12上に店員情報を表示する。
【0039】
なお、提供部32は、上述した顧客データベース41に記憶されている情報を、上述した顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12を介さずに、顧客Uが操作する情報処理装置に対して送信する機能も有する。例えば、顧客Uが自宅などで情報処理装置にて顧客IDを利用して管理サーバ30にアクセスすることで、管理サーバ30は、顧客IDに関連付けられた商品情報や店員情報を顧客Uの情報処理装置に送信する。これにより、顧客Uは、自宅など店舗外においても、店舗Tで登録した商品情報や店員情報を種々の情報処理装置で閲覧することができる。
【0040】
さらに、提供部32は、店員端末20が情報処理装置で構成されている場合には、上述したように顧客端末10から店員IDと顧客IDとが関連付けられたビーコンログを受信した際に、ビーコンログに含まれる顧客IDに対応する顧客Uの情報を、当該顧客IDに関連付けられてビーコンログに含まれる店員IDに対応する店員Pが所持する店員端末20に送信する機能を有する。具体的に、提供部32は、データベースサーバ40の顧客データベース41から、ビーコンログに含まれる顧客IDに関連付けられた、顧客Uの氏名などの個人情報や属性情報、利用回数や利用金額などの利用状況情報、閲覧したりお気に入り登録した商品や購入した商品の画像などの利用情報、さらには、上述したインストアアプリ12にて登録した商品情報、などの顧客情報を取得し、かかる顧客情報を、ビーコンログに含まれる店員IDの店員Pが所持している店員端末20に送信する。これにより、店員Pは、店舗Tに来店した顧客Uに関する情報を閲覧して接客することができる。
【0041】
[動作]
次に、上述した情報処理システムの動作を説明する。
図5の情報の流れを示す図と、
図6乃至
図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0042】
はじめに、データベースサーバ40の顧客データベース41には、店舗Tに来店する顧客Uの顧客情報が登録されている。顧客情報は、顧客IDに関連付けて、顧客Uの氏名などの個人情報、性別・年齢・嗜好などの属性情報、店舗Tに対する顧客Uの利用状況を表す利用情報、を含む。利用情報は、例えば、顧客Uが店舗Tの実店舗やウェブサイトで購入した商品の情報、実店舗やウェブサイトで閲覧した商品の情報である。
【0043】
また、管理サーバ30には、店舗Tで接客を行う店員Pの店員情報が登録されている。店員情報は、店員IDに関連付けて、店員Pの氏名、顔写真、所属店舗名、などの情報を含む。
【0044】
上述した状況において、まず、店舗T内では、店員Pの店員端末20から、店員Pの店員IDを含むビーコン情報が送信されている。なお、店員IDは、かかる店員IDにて識別される店員Pの店舗Tを特定する店舗IDとしても機能している。但し、ビーコン情報には、店舗IDと店員IDとがそれぞれ別々の情報として含まれていてもよい。
【0045】
そして、店舗Tに対して顧客Uが来店する際に、顧客Uは、所持している顧客端末10を操作して店舗アプリ11を起動する。すると、顧客端末10は、店舗アプリ11にて、店舗T内に送信されているビーコン情報を受信する(
図5の矢印Y1、
図6のステップS1,S2)。顧客端末10は、ビーコン情報を受信すると、ビーコン情報に含まれる店員IDと、顧客端末10内の記憶部に記憶されている顧客IDと、を関連付けて、ビーコンログとしてネットワークNを介して管理サーバ30に送信する(
図5の矢印Y2、
図6のステップS3)。
【0046】
管理サーバ30は、顧客端末10から送信された店員ID及び顧客IDからなるビーコンログを受信して、記憶装置に記憶する。そして、管理サーバ30は、ビーコンログに含まれる店員IDに対応する店舗IDにて特定される店舗Tにて提供されるインストアアプリ12を、ビーコンログに含まれる顧客IDにて特定される顧客Uの顧客端末10に送信する(
図5の矢印Y3、
図6のステップS4)。このとき、インストアアプリ12は、対応する店舗Tの店舗アプリ11上で実行可能なものであるため、管理サーバ30は、顧客端末10にて店舗アプリ11上でインストアアプリ12が実行されるよう制御する。なお、管理サーバ30は、顧客端末10から店舗Tに対応する店舗IDを特定できる店員IDが受信されている間のみ、顧客端末10にインストアアプリ12を送信する。つまり、顧客Uが店舗Tに来店している間のみ、顧客端末10では店舗アプリ11上でインストアアプリ12が実行されることとなる。
【0047】
続いて、顧客Uは、店舗T内において、顧客端末10の店舗アプリ11上で実行されているインストアアプリ12にて提供される機能を利用する。例えば、上述した
図3の符号3B,3Cに示すようなインストアアプリ12によるスタンプ取得処理や割引適用処理が実行された場合には、かかる処理情報が顧客端末10から管理サーバ30に通知され、管理サーバ30はスタンプ付与や割引適用の情報を顧客IDに関連付けて記録する。また、例えば、上述した
図4の符号4Aに示すようなインストアアプリ12による商品情報登録機能が実行された場合には、顧客Uによって入力された商品情報が顧客端末10から管理サーバ30に送信される(
図5の矢印Y3、
図6のステップS5,S6)。そして、管理サーバ30は、インストアアプリ12を介して顧客端末10から取得した商品情報を、顧客IDに関連付けて顧客データベース41に記憶する(
図5の矢印Y4、
図6のステップS7)。このとき、顧客端末10のインストアアプリ12から、商品情報と共に店員IDを取得した場合には、店員IDも顧客ID及び商品情報に関連付けて顧客データベース41に記憶する。
【0048】
また、顧客Uは、顧客端末10の店舗アプリ11上で実行されているインストアアプリ12にて、自身について登録されている情報(顧客情報)の閲覧を要求する(
図5の矢印Y3、
図7のステップS11)。すると、管理サーバ30は、顧客データベース41内の顧客IDに関連付けられている商品の情報を読み出して(
図5の矢印Y4、
図7のステップS12)、かかる商品情報を、
図4の符号4Bに示すように、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12にて表示するよう制御する(
図5の矢印Y3、
図7のステップS13)。これにより、顧客Uは、店舗Tに来店した際に、以前にオンラインで閲覧した商品や、店舗Tで既に登録した商品を顧客端末10にて閲覧することができる(
図7のステップS14)。このとき、管理サーバ30は、顧客IDに店員IDが関連付けられている場合には、かかる店員IDにて特定される店員の情報も、商品情報と共にインストアアプリ12にて表示してもよく、店員情報のみをインストアアプリ12に表示してもよい。
【0049】
また、上述した管理サーバ30から顧客端末10への顧客情報の提供は、顧客端末10上で実行されているインストアアプリ12を介さずに、顧客Uが操作する情報処理装置に対して行われてもよい。例えば、顧客Uが自宅などで情報処理装置にて顧客IDを利用して管理サーバ30にアクセスすることで、管理サーバ30は、顧客IDに関連付けられた商品情報や店員情報を、顧客Uの情報処理装置に送信してもよい。
【0050】
また、管理サーバ30は、店員端末20が情報処理装置で構成されている場合には、以下のように動作してもよい。具体的に、上述したように店舗Tに顧客Uが来店して、顧客端末10から管理サーバ30が店員IDと顧客IDとが関連付けられたビーコンログを受信した際に(
図6のS1,S2,S3)、店舗サーバ30は、ビーコンログに含まれる顧客IDに対応する顧客Uの情報を、データベースサーバ40の顧客データベース41から取得する(
図7のステップS21)。そして、管理サーバ30は、顧客データベース41から取得した顧客情報、例えば、顧客Uの氏名などの個人情報や属性情報、利用回数や利用金額などの利用状況情報、閲覧したりお気に入り登録した商品や購入した商品の画像などの利用情報、さらには、上述したインストアアプリ12にて登録した商品情報を、ビーコンログに含まれる店員IDの店員Pが所持している店員端末20に送信する(
図7のステップS22)。これにより、店員Pは、店舗Tに来店した顧客Uに関する情報を店員端末20にて表示し、かかる情報を閲覧して接客することができる(
図7のステップS23)。
【0051】
以上のように、本開示では、店舗Tに来店した顧客Uの顧客端末10に対して、予め実行されている店舗アプリ11上で実行可能なインストアアプリ12を提供しており、店舗T内で利用される機能を提供している。このため、顧客Uの来店を促すと共に、顧客Uに対する店舗におけるサービスの向上を図ることができる。また、インストアアプリ12は、管理サーバ30から提供され、店舗アプリ11上で実行されるよう構成されるため、開発も容易であり、店舗T側にとって導入が容易となる。
【0052】
以上、上記実施形態等を参照して本開示を説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、上述した管理サーバ30が備える機能のうちの少なくとも一以上の機能は、ネットワーク上のいかなる場所に設置され接続された情報処理装置で実行されてもよく、つまり、いわゆるクラウドコンピューティングで実行されてもよい。
【0053】
なお、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0054】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本開示における情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラムの構成の概略を説明する。但し、本開示は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
店舗を識別する店舗識別情報を前記店舗内に送信する送信装置と、
前記店舗内で顧客が所持し、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報を受信する顧客端末と、
前記顧客端末にネットワークを介して接続された管理サーバと、
を備え、
前記顧客端末は、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて前記管理サーバに送信する識別情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御するアプリケーション提供手段を備えた、
情報処理システム。
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記顧客端末から前記店舗識別情報を受信している間のみ、前記顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
情報処理システム。
(付記3)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記第二アプリケーションは、当該第二アプリケーション上で実行された処理内容を表す処理情報を前記管理サーバに送信する機能を有し、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記処理情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理システム。
(付記4)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記第二アプリケーションは、商品情報の入力を受け付けて、当該商品情報を前記管理サーバに送信する機能を有し、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理システム。
(付記5)
付記4に記載の情報処理システムであって、
前記送信装置は、前記店舗の店員を識別する店員識別情報を前記店舗内に送信するよう構成され、
前記顧客端末は、前記店舗内で前記店員識別情報を受信するよう構成されており、
前記第二アプリケーションは、受信した前記店員識別情報と前記商品情報とを関連付けて前記管理サーバに送信する機能を有し、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、前記第二アプリケーションから送信された前記店員識別情報及び前記商品情報を、当該第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理システム。
(付記6)
付記5に記載の情報処理システムであって、
前記第二アプリケーションは、前記店員識別情報と前記商品情報とを関連付けて表示する機能を有する、
情報処理システム。
(付記7)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、予め前記顧客識別情報に関連付けられて記憶されている情報を、当該顧客識別情報に対応する前記顧客が所持する前記顧客端末にて実行されている前記第二アプリケーションにて表示出力するよう制御する、
情報処理システム。
(付記8)
付記7に記載の情報処理システムであって、
前記管理サーバの前記アプリケーション提供手段は、予め前記顧客識別情報に関連付けられて記憶されている情報として、当該顧客識別情報に対応する前記顧客による前記店舗に対する利用状況を表す利用情報を、前記第二アプリケーションにて表示出力するよう制御する、
情報処理システム。
(付記9)
送信装置が、店舗を識別する店舗識別情報を前記店舗内に送信し、
前記店舗内で顧客が所持する顧客端末が、前記店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に、前記店舗内で前記店舗識別情報を受信し、受信した前記店舗識別情報と、前記顧客を識別する顧客識別情報と、を関連付けて、ネットワークを介して接続された管理サーバに送信し、
前記管理サーバが、前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する前記第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
情報処理方法。
(付記10)
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得する取得手段と、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する提供手段と、
を備えた情報処理装置。
(付記11)
付記10に記載の情報処理装置であって、
前記顧客端末にて実行された前記第二アプリケーション上における処理内容を表す処理情報を取得し、当該処理情報を前記第二アプリケーションが実行されている前記顧客端末を所持する前記顧客に対応する前記顧客識別情報に関連付けて記憶する、
情報処理装置。
(付記12)
情報処理装置が、
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
情報処理方法。
(付記13)
店舗内に送信された当該店舗を識別する店舗識別情報を当該店舗内で受信した顧客が所持する顧客端末から、前記店舗識別情報と前記顧客を識別する顧客識別情報とが関連付けられた情報を取得し、
前記顧客端末から送信された前記店舗識別情報にて識別される前記店舗に対応する第一アプリケーション上で実行可能な第二アプリケーションを、当該店舗識別情報に関連付けられて送信された前記顧客識別情報にて識別される前記顧客の前記顧客端末に送信し、当該顧客端末にて実行されている前記第一アプリケーション上で前記第二アプリケーションが実行されるよう制御する、
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0055】
10 顧客端末
11 店舗アプリ
12 インストアアプリ
20 店員端末
30 管理サーバ
31 取得部
32 提供部
33 店舗情報記憶部
40 データベースサーバ
41 顧客データベース
U 顧客
P 店員
T 店舗
N ネットワーク
【要約】
【課題】店舗に来店した顧客に対するさらなるサービスの向上を図ること
【解決手段】本開示の情報処理システムは、店舗識別情報を店舗T内に送信する送信装置20と、店舗内で顧客Uが所持し店舗に対応する第一アプリケーションを実行すると共に店舗内で店舗識別情報を受信する顧客端末10と、管理サーバ30と、を備え、顧客端末10は、受信した店舗識別情報と顧客Uを識別する顧客識別情報とを関連付けて管理サーバ30に送信し、管理サーバ30は、顧客端末10から送信された店舗識別情報にて識別される店舗Tに対応する第二アプリケーションを、店舗識別情報に関連付けられて送信された顧客識別情報にて識別される顧客の顧客端末10に送信し、顧客端末10にて実行されている第一アプリケーション上で第二アプリケーションが実行されるよう制御する。
【選択図】
図1