(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】太陽電池、太陽電池モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20230622BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20230622BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2018076548
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2017-0075019
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522401774
【氏名又は名称】シャンラオ ジンコ ソーラー テクノロジー デベロップメント シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェウォン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジンスン キム
(72)【発明者】
【氏名】フィルウォン ユン
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0048066(US,A1)
【文献】国際公開第2014/069118(WO,A1)
【文献】特表2015-532535(JP,A)
【文献】特開2014-057031(JP,A)
【文献】特開2011-049525(JP,A)
【文献】国際公開第2014/148392(WO,A1)
【文献】特開平03-019326(JP,A)
【文献】特開2014-232775(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02219226(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0163888(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0077343(US,A1)
【文献】特開2010-239167(JP,A)
【文献】特開2015-198142(JP,A)
【文献】特開2011-086671(JP,A)
【文献】国際公開第2015/152020(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/100084(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0083709(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/0224
H01L 31/04-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
第1方向の短辺と、前記第1方向と交差する第2方向の第1長辺と、を備える半導体基板と;
前記半導体基板の少なくとも一面に配置された複数の電極と;
前記第2方向に、前記複数の電極の中から2つの隣接する電極の一部のみを接続するブッシングと;を備えてなり、
前記複数の電極は、前記第2方向に互いに離れて配置され、かつ、前記第1方向に延長され、
前記複数の電極のそれぞれは、第1長辺に隣接して配置された接合部と、前記接合部から前記第1方向に延長されたフィンガー部と、を含
み、
前記ブッシングは、前記第1長辺に向かい合う第2長辺の近くに配置され、
前記接合部は、前記第2長辺より前記第1長辺の近くに配置され、
前記第2方向で隣接する接合部間の第1距離は、前記第2方向で隣接するフィンガー部間の第2距離より小さ
く、
前記接合部および前記フィンガー部を含む前記複数の電極のそれぞれは、前記第1方向に徐々に線幅が減少する針状である、太陽電池。
【請求項2】
前記接合部は、前記半導体基板の前記第1長辺に近い各電極の一方の端に位置する、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記複数の電極により形成された面積は、前記半導体基板の少なくとも一面の全体面積に対して5%以下である、請求項1又は2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記複数の電極は、前記第1方向に、200μm~300μmの距離で前記第1長辺から離れて配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記複数の電極の数は80~120個であり、
前記複数の電極は、前記第2方向に、1mm~2mmの距離で互いに離れて配置される、請求項1~4の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2方向において、前記複数の電極における2つの隣接する電極間の距離は前記第1方向に沿って減少し、
前記2つの隣接する電極における隣接する接合部は、前記第2方向において、前記2つの隣接する電極間の距離が最小になる位置に配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記接合部は、アスペクト比(第2方向の長さ/第1方向の長さ)が1/26~3/10である、
請求項1~6の何れか一項に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記接合部は、前記半導体基板の一部が露出されるオープンパターンを更に備える、
請求項7に記載の太陽電池。
【請求項9】
太陽電池モジュールであって、
複数の太陽電池を備えてなり、
前記複数の太陽電池のそれぞれは、
第1方向の短辺と;
前記第1方向と交差する第2方向の第1長辺と;
各太陽電池の第1面に位置した第1電極と;
各太陽電池の第2面に位置した第2電極と;
前記第1長辺に配置され、及び、前記第1長辺に沿って隣接する太陽電池と部分的に重畳する重畳領域と;を備えてなり、
前記複数の太陽電池は、第1太陽電池と、前記第1太陽電池と隣接する第2太陽電池と、を備え、
前記太陽電池モジュールは、導電性接着剤を更に備え、
前記導電性接着剤は、前記重畳領域で、前記第1太陽電池の前記第2電極に、前記第2太陽電池の前記第1電極を電気的に接続し、
前記第1電極は、複数の電極を備え、
前記複数の電極は、前記第2方向に互いに離れて配置され、
前記複数の電極のそれぞれは、前記重畳領域に配置された接合部と、前記接合部から前記第1方向に延長されたフィンガー部と、を含
み、
前記第2方向に、前記複数の電極の中から2つの隣接する電極の一部のみを接続するブッシング、を備え、
前記ブッシングは、前記第1長辺に向かい合う第2長辺の近くに配置され、
前記接合部は、前記第2長辺より前記第1長辺の近くに配置され、
前記第2方向で隣接する接合部間の第1距離は、前記第2方向で隣接するフィンガー部間の第2距離より小さ
く、
前記接合部および前記フィンガー部を含む前記複数の電極のそれぞれは、前記第1方向に徐々に線幅が減少する針状である、太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記第2太陽電池に位置した前記第1電極の前記複数の電極の各々の前記接合部は、前記第1太陽電池により視覚的に見えないように隠されたものである、
請求項9に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記太陽電池モジュールは、第1太陽電池及び第2太陽電池を備え、
各太陽電池は、第1方向の短辺と、前記第1方向と交差する第2方向の長辺と、を備え、
前記第2太陽電池に導電性接着剤を付与する段階と;
前記第2太陽電池は、複数の電極を備え、
前記導電性接着剤が付与された重畳領域で、前記第2太陽電池の上に前記第1太陽電池を配置する段階と;及び
前記導電性接着剤を硬化させ、前記第2太陽電池に前記第1太陽電池を電気的に接続する段階と;を含んでなり、
前記複数の電極のそれぞれは、第1長辺に隣接して配置された接合部と、前記接合部から前記第1方向に延長されたフィンガー部と、を含
み、
前記接合部は、前記第2太陽電池が重ねられた前記第1太陽電池に基づいて前記重畳領域に配置され、
前記導電性接着剤は、前記重畳領域における前記接合部を、前記第2方向に、前記接合部から離れて配置された隣接する電極に接続し、
前記第2方向に、前記複数の電極の中から2つの隣接する電極の一部のみを接続するブッシング、を備え、
前記ブッシングは、前記第1長辺に向かい合う第2長辺の近くに配置され、
前記接合部は、前記第2長辺より前記第1長辺の近くに配置され、
前記第2方向で隣接する接合部間の第1距離は、前記第2方向で隣接するフィンガー部間の第2距離より小さ
く、
前記接合部および前記フィンガー部を含む前記複数の電極のそれぞれは、前記第1方向に徐々に線幅が減少する針状である、太陽電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を容易にモジュール化し、コストを削減することができるよう電極の形状を改善した太陽電池、太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
〔関連出願〕
本願は、韓国特許出願第10-2017-0075019に基づくパリ条約の優先権に基づく出願である。当該韓国特許出願の出願当初の明細書、図面等に開示された事項は、本願発明の内容を成すものであり、かつ、これらの事項は、本明細書による開示内容として包含するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な太陽電池は、p型とn型のように、互いに異なる導電型(conductive type)によってp-n接合を形成する半導体部、そして互いに異なる導電型の半導体部にそれぞれ接続された電極を備えて作られる。このような構成の太陽電池は、複数枚を接続させて作った太陽電池モジュールを用いて発電して電力を得る。
【0003】
太陽電池の発電効率を良くするための一つの方法として規格化された太陽電池、例えばウェハから作られた太陽電池1つを複数に分割してカットセルを作り、このカットセルを一部重ね電気的に接続させたスーパーセルが提案された。
【0004】
このように、カットセルで太陽電池モジュールを構成する理由は、出力損失を減らすことができるからである。出力損失は、太陽電池で電流の二乗に抵抗を乗じた値を有するが、太陽電池の電流の中には太陽電池の面積自体によって発生される電流があり、太陽電池の面積が大きくなると、その電流も大きくなり、太陽電池の面積が小さくなると、その電流も小さくなる。したがって、太陽電池の面積が減少するほど、出力損失が減ることになる。
【0005】
複数のカットセルは、一部が重畳領域で重なって配列し、これを導電性接着剤で接合させて直列接続されたモジュールを構成することになる。
【0006】
このため、一般的にカットセルの前面と背面にそれぞれ配置されたフィンガー電極を接続しているバスバーまたは電極とは別に形成されたパッドが重畳領域に配置され、隣接した二つのカットセルのバスバーまたはパッドが導電性接着剤またははんだなどを介して接続される。
【0007】
ところで、このような従来の方法は、バスバーまたはパッドを電極とは別に形成しなければならないので、製造時間とコストを上昇させる問題がある。
【0008】
また、このような従来の方法は、カットセルを互に接続するとき、パッドまたはバスバーを一致させなければならないアライン工程を必ず必要とするので、これもまた製造時間とコストを上昇させる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような技術的背景から創案されたもので、本発明の目的は、太陽電池を容易し、簡単にモジュール化して、また製造コストを削減することにある。
【0010】
本発明は、他にも様々な技術的課題を解決することを目的とするが、ここで記載されていない課題は、本発明を説明しながら一緒に説明になるか、そうではないと当業者であれば、本発明の説明を介して容易に予測することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の態様は以下の通りである。
〔1〕 太陽電池であって、
第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する半導体基板と、
前記半導体基板のいずれか一面に形成され、前記第2方向で隣接したものと物理的に離れて配置された複数の電極とを備えてなり、
前記複数の電極は、前記第2方向で隣接した複数の電極を物理的又は電気的に接続する導電性物質を備えた接合部を備えてなる、太陽電池。
〔2〕 前記接合部は、前記長辺に近い前記複数の電極の一方の端に位置する、〔1〕に記載の太陽電池。
〔3〕 前記複数の電極が形成された面積は、前記半導体基板の一面全体の面積に対して5%以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の太陽電池。
〔4〕 前記複数の電極は、前記第1方向に前記長辺から200(μm)~300(μm)だけ離れて配置されたものである、〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の太陽電池。
〔5〕 前記複数の電極の数は80~120個であり、
前記第2方向で前記複数の電極間の距離はそれぞれ1~2(mm)である、〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の太陽電池。
〔6〕 前記第2方向で隣接した前記複数の電極間の距離は一定である、〔5〕に記載の太陽電池。
〔7〕 前記複数の電極内において、前記第2方向で隣接した2つの電極間の距離が徐々に減少してなるものであり、
前記第2方向で隣接した2つの電極の接合部は、前記第2方向で隣接した接合部との間の距離が最小になるように配置されたものである、〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の太陽電池。
〔8〕 前記複数の電極の内、前記第2方向で隣接した2つの電極を物理的に接続するブッシング(bussing)部をさらに備えてなり、
前記ブッシング部は、前記接合部から遠い他の長辺に近く位置する、〔5〕に記載の太陽電池。
〔9〕 前記接合部は、アスペクト比(第2方向の長さ/第1方向の長さ)が1/26~3/10である、〔1〕~〔8〕の何れか一項に記載の太陽電池。
〔10〕 前記複数の電極は、前記接合部で第1方向に延長形成されてなり、
前記第2方向から接合部の線幅より小さい線幅を有するフィンガー部をさらに備えてなり、
前記接合部は、前記半導体基板を部分的に露出するオープンパターンをさらに備えてなる、〔9〕に記載の太陽電池。
〔11〕 前記複数の電極は、前記接合部の単位面積が、前記接合部を除外した部分の単位面積より大きいものである、〔1〕~〔10〕の何れか一項に記載の太陽電池。
〔12〕 太陽電池モジュールであって、
第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する半導体基板と、
前記半導体基板の第1面に配置された第1電極と、
前記半導体基板の第2面に配置された第2電極と、
前記長辺に沿って隣接した太陽電池と部分的に重畳し、前記長辺に配置された重畳領域を含む複数の太陽電池とを備えてなり、
前記複数の太陽電池において、隣接した第1太陽電池の第2面に位置した第2電極と第2太陽電池の第1面に位置した第1電極とは、前記重畳領域に付与された導電性接着剤によって電気的及び/又は物理的に直接接続されてなり、
前記第1電極は、前記第2方向に隣接したものと物理的に離れて並行するように配置され、及び/又は、前記重畳領域に配置される接合部を備えてなり、
前記導電性接着剤は、前記第2方向で前記第1電極との間を電気的に接続するように構築された、太陽電池モジュール。
〔13〕 前記第1電極は、前記接合部の単位面積が、前記接合部を除外した部分の単位面積より大きいものである、〔12〕に記載の太陽電池モジュール。
〔14〕 前記第2太陽電池に形成された前記第1電極の接合部は、前記第1太陽電池により視覚的に見えないように隠されたものである、〔12〕又は〔13〕に記載の太陽電池モジュール。
〔15〕 太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記太陽電池モジュールは、第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する第1太陽電池及び第2太陽電池を備えてなるものであり、
接合部が一端に形成され、第2方向で並行するように配置された複数の電極を有する前記第2太陽電池に導電性接着剤を付与する段階と、
前記導電性接着剤が付与された重畳領域で、前記第2太陽電池と重ねられるよう前記第1太陽電池を位置させる段階と、及び
前記導電性接着剤を硬化させて前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池を物理的及び/又は電気的に接続させる段階と、を含んでなり、
前記接合部は、前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池が重ねられた、重畳領域に配置されてなり、
前記導電性接着剤は、前記重畳領域で、前記第2方向に離れて配置された前記複数の電極が隣接した電極の接合部に接続されるように構築されてなる、太陽電池モジュールの製造方法。
本発明の実施の形態においては、第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する半導体基板と、前記半導体基板のいずれか一つの面に形成され、前記第2方向で隣接したものと物理的に離れて配置された複数の電極を含み、前記複数の電極は、、前記第2方向で隣接した複数の電極を物理的、電気的に接続する導電性物質が提供された接合部を含む太陽電池を開示する。
【0012】
前記接合部は、前記長辺に近い前記複数の電極の一方の端の位置することができる。
【0013】
前記複数の電極が形成された面積は、前記半導体基板の一面全体の面積の内、5%以下の面積だけを占めるように形成することができる。
【0014】
前記複数の電極は、前記第1方向に前記長辺からそれぞれ200(μm)~300(μm)だけ離れて配置されることができる。
【0015】
前記複数の電極の数は、80~120個であり、前記第2方向で前記複数の電極間の距離は、それぞれ1~2(mm)で有り得る。そして、前記第2方向で隣接した前記複数の電極間の距離は一定で有り得る。
【0016】
前記複数の電極の内、前記第2方向で隣接した2つの電極間の距離は徐々に減り、前記第2方向で隣接した2つの電極の接合部は、前記第2方向で隣接した接合部との間の距離が最小となるように配置されることができる。
【0017】
前記複数の電極の最大線幅は、最小線幅比3~5倍で有り得る。
【0018】
前記複数の電極は、それぞれ第1方向に線幅が徐々に減少する針状を有することができる。
【0019】
前記複数の電極の内、前記第2方向で隣接した2つの電極を物理的に接続するブッシング部をさらに含み、前記ブッシング部は、前記接合部から遠い他の長辺に近くに位置することができる。
【0020】
前記接合部は、アスペクト比(縦横比:第2方向の長さ/第1方向の長さ)が1/26~3/10で有り得る。
【0021】
前記複数の電極は、前記接合部で第1方向に延長形成され、前記第2方向において、前記接合部の線幅より小さい線幅を有するフィンガー部をさらに含むことができる。
【0022】
前記接合部は、前記半導体基板を部分的に露出するオープンパターンをさらに含むことができる。
【0023】
前記複数の電極は、前記接合部の単位面積が、前記接合部を除外した部分の単位面積より大きいことがある。
【0024】
本発明の他の実施の形態においては、第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する半導体基板と、前記半導体基板の第1面に配置された第1電極、前記半導体基板の第2面に配置された第2電極、前記長辺に沿って隣接した太陽電池と部分的に重畳し、前記長辺に配置された重畳領域を含む複数の太陽電池を含み、前記複数の太陽電池の内、隣接した第1太陽電池の第2面に位置した第2電極と第2太陽電池の第1面に位置した第1電極は、前記重畳領域に提供された導電性接着剤によって電気的、物理的に直接接続され、前記第1電極は、前記第2方向に隣接したものと物理的に離れて並行するように配置され、また、前記の重畳領域に配置される接合部を有し、前記導電性接着剤は、前記第2方向で前記第1電極間を電気的に接続するように提供された太陽電池モジュールを開示する。
【0025】
前記導電性接着剤は、前記重畳領域全体に提供することができる。
【0026】
前記第1電極は、前記接合部の単位面積が、前記接合部を除外した部分の単位面積より大きく形成されることができる。前記第2太陽電池に形成された前記第1電極の接合部は、前記第1太陽電池により視覚的に見えないように遮られる。
【0027】
本発明の他の実施の形態においては、第1方向の短辺と前記第1方向と交差する第2方向の長辺を有する第1及び第2太陽電池が含まれた太陽電池モジュールの製造方法に関するものであり、接合部が一端に形成され、第2方向で並行するように配置された複数の電極を有する第2太陽電池に導電性接着剤を提供するステップと、前記導電性接着剤が提供された重畳領域で、前記第2太陽電池と重ねられるよう第1太陽電池を位置させるステップと、前記導電性接着剤を硬化させて前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池を物理的、電気的に接続させるステップを含み、前記接合部は、前記第1太陽電池と、前記第2太陽電池が重ねられた重畳領域に配置され、前記導電性接着剤は、前記重畳領域で、前記第2方向に離れて配置された前記複数の電極が隣接した電極の接合部に接続されるように提供された太陽電池モジュールの製造方法を開示する。
【0028】
前記導電性接着剤は、前記重畳領域全体に提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施の形態に係ると、太陽電池の一部を重ねてモジュール化されるとき、導電性接着剤を用いて太陽電池の一面に形成された物理的に離れて配置された電極を互いに電気的に接続させる一方、隣接する二つの太陽電池を機械的に接合させることで製造コストと時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】カットセルで作られた太陽電池モジュールの概略的な平面形状を示す図である。
【
図2】
図1のA-A’線に沿った断面の形状を示す図である。
【
図3】母セルからカットセルが作られる過程を簡単に説明する模式図である。
【
図4】母セルからカットセルが作られる過程を簡単に説明する模式図である。
【
図5】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図6】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図7】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図8】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図9】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図10】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図11】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図12】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図13】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図14】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図15】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図16】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図17】様々な形状の電極を有する太陽電池を示す図である。
【
図18】本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するフローチャートである。
【
図19】針状電極を作成するときに使用されるマスクパターンを例示する図である。
【
図20】S11とS13ステップを模式的に説明する図である。
【
図21】
図20のB-B’線に沿った断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下においては、添付した図面を参考にして、本発明の実施の形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0032】
しかし、本発明は、複数の異なる形態で実現されることがあり、ここで説明する実施の形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は簡単にしたり、省略することができる。また、図面で図示している様々な実施の形態は、例示的に提示されたものであり、説明の便宜のために、実際の縮尺に合わせて図示されないことがあり、形状や構造もまた単純化して示すことがある。
【0033】
図1は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールの概略的な平面形状であり、
図2は、
図1のA-A’線に沿った断面の形状を示す。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施の形態において、複数の太陽電池は、隣接したものと、一部オーバーラップするように位置し、重なった重畳領域100に提供された導電性接着剤(図示せず)によって電気的、機械的に接続及び、接合されてストリング(String:ST)を形成する。
【0035】
好ましい一形態において、太陽電池10は、前面に位置し,一方向(図のx軸方向)を向くように配列された複数の電極13を含みから構成されることができる。一例で、前面に形成された複数の電極13は、第2方向(図のy軸方向)で隣接したものと離れるように配列されており、第1方向(図のx軸方向)には、隣接した他の太陽電池の電極と同じ線上に位置するように配列されることができる。これにより、複数の太陽電池が重畳領域100で重ねて配列されると、電極13が第1方向(図のx軸方向)で1つの電極で形成されたもののように見られデザインを良くすることができる。
【0036】
重畳領域100に提供された導電性接着剤によって隣接している第1及び第2太陽電池(10a、10b)は、電気的、機械的に接続及び接合されるだけでなく、太陽電池上に配置された電極13が電気的に接続される。ここで、導電性接着剤は、有機/高分子マトリクスと金属フィラーとして造成され、金属フィラーは、電気的特性を提供し、高分子マトリクスは、物理的、機械的特性を提供するように構成されたことを通称する意味で使用される。
【0037】
第1太陽電池10aの一部は、重畳領域100から第2太陽電池10bの前面上に配置されて、重畳領域100から第1太陽電池10aの背面の一部と第2太陽電池10bの前面の一部が重なって位置する。これにより、第1太陽電池10aの背面に配置された電極と、第2太陽電池10bの前面に配置された電極は、重畳領域100から向き合うことになり、重畳領域100に提供された導電性接着剤によって電気的に接続することができる。これにより、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bは、電気的に直列接続され、また、重畳領域100に導電性接着剤によって機械的にも接合されることができる。
【0038】
好ましくは、導電性接着剤の接着力を考慮する時、重畳領域100の幅(図のx軸方向に)は、太陽電池10の幅(図のx軸方向に)に比べ1/20~1/15の大きさを有することができる。重畳領域の幅が1/20より小さいと、重畳領域が小さすぎて十分な機械的接合強度を得るのが難しく、1/15より大きくなると、重畳領域が大きくなりすぎて、太陽電池の発電効率が期待より落ちる問題がある。このような点を考慮して、本発明の一例において、重畳領域の幅は、1~2.5(mm)になることができる。
【0039】
ストリング(ST)は、
図2に示すように、前面透明基板10と背面シート40との間に配置された状態でラミネーション加工されてモジュールで構成されることができる。
【0040】
一例として、ストリング(ST)は、前面透明基板30と背面シート40との間に配置され、ポリマーシート(例えば、EVA)のように透明な充填材20がストリング(ST)の前面と背面に配置された状態において、熱と圧力が同時に加わるラミネーション工程によって一体化されてカプセル化されることができる。
【0041】
ここで、前面透明基板10は、透過率が高く、破損防止機能に優れた強化ガラスなどで形成することができる。
【0042】
背面シート40は、ストリング(ST)の背面からの湿気が浸透することを防止して太陽電池を外部環境から保護することができる。このような背面シート40は、水分と酸素の浸透を防止する層、化学的腐食を防止する層のような多層構造を有することができる。
【0043】
このような背面シート40は、FP(fluoropolymer)、PE(polyeaster)のような絶縁物質からなる薄いシートで行われるが、他の絶縁物質からなる絶縁シートで有り得る。
【0044】
好ましい一形態において、ラミネート工程は、前面透明基板30とストリング(ST)の間及びストリング(ST)と背面シート40との間にシート形状を有する充填材20が配置された状態で行われることができる。
【0045】
ここで、充填材20の材質は、湿気の浸透による腐食を防止し、ストリング(ST)を衝撃から保護し、そのために衝撃を吸収することができるエチレンビニルアセテート(EVA、ethylene vinyl acetate)のような物質で形成されることができる。
【0046】
前述した太陽電池モジュールを構成する太陽電池は、カットセルで実現することができる。このカットセル10は、
図3及び
図4に例示するところのように、ウェハから作られた規格化された太陽電池(以下、母セル)1、1つを複数に分割して作成することがあるが図では、1つの母セルが6つに分かれて6つのカットセル10が作られたものと例示する。
【0047】
母セル1は、太陽電池を分割しやすいように分割された複数の電極13を含めて構成されることができる。示されたところによると、電極13は、スクライビングライン(SL)に沿って容易に取り外しができるようにスクライビングライン(SL)に基づいて複数個で分けられている。示されたところによると、母セル1は、6つのカットセル10に分けられるので、電極16もまた、その長さ方向で6つに分かれている。
【0048】
また、その長さ方向(図のx軸方向)で電極13は、同じ線上に位置することが望ましい。これによると、母セル1を複数のカットセル10に分割した場合でも、各カットセル10ごとに配置された電極は、すべて同じ形状及び同じ位置に配置されることができて、以後、カットセル10を互いに重ね配列する際の電極の位置を容易に合わせることができる。
【0049】
一方、母セル1に配置される電極は、示されたところのように、その長さ方向にのみ長く形成されている。電極がこのように単純な形状を有するため、電極を形成する製造プロセスを簡純化して製造コストを削減することができる。また、母セル1を複数のカットセル10に分割した後に、これを重ね配列した場合にも、各カットセルに配置された電極の位置を、その長さ方向で同じライン上に位置するように配置するのが容易である。
【0050】
また、デザイン面において、母セル10の電極配置の形状が、カットセルで製作されたモジュールの電極配置の形状と実質的に同じであるため、カットセルで製作されたモジュールと母セルの間のデザインの違いを減らすことができある利点がある。
【0051】
好ましくは、母セル1は、3つ乃至12個に分割されることが望ましい。もし母セル1が3つ未満に分割される場合には、効果的に出力の損失を低減することが難しく、12個より大きくなると母セル1を分割する過程で発生するセルのダメージにより、逆に出力が減少することがある。
【0052】
カットセルは、このように母セル1を分割して作るので、母セル1と異なって、短辺と長辺を有する長方形の形状を有し、アスペクト比(短辺の長さ/長辺の長さ)は、分割する数によって決定されるが、好ましくは1/3~1/12である。アスペクト比がこのような範囲の値を有するとき、カットセルをモジュール化する際、重畳領域が十分に確保されて要求される十分な機械的結合強度を得ることができた。
【0053】
母セル1は、電気発電に必要な構成であるp-n接合をなす半導体基板、背面電界部、パッシベーション膜、電荷を収集する電極などをすべて含めて、すでに構成されたもので、図においては、説明の便宜のために省略した。この母セル1は、特別な制限なしに、さまざまな種類の太陽電池、例えば、異種接合太陽電池、両面受光型太陽電池、背面接触型太陽電池のように、現在までに開発された様々な種類の太陽電池がすべて使用されることができる。母セル1は、スクライビングライン(SL)に沿ってレーザーを照射して分割されることがある。
【0054】
レーザー(LA)は、母セル1の内、光を受ける受光面の反対面に照射されることが望ましい。レーザーを母セル1に照射する場合、レーザーによって、太陽電池の表面が溶融された冷やしながら分割溝を形成する。さて、この時、レーザーの高い熱により分割溝形成の周りが一緒に熱エネルギーを受けることになり、この過程で安定化された結合を成していたシリコン(Si)の間の結合が壊れながら、再結合サイト(recombination site)が増えることになるので、レーザーが太陽電池に照射されるとき、母セル1の受光面よりは反対面に照射されることが望ましい。
【0055】
また、レーザー(LA)は、好ましくp-n接合をなす領域を脱し照射されることが望ましい。周知のように、太陽電池1は、半導体基板とエミッタとの間のp-n接合によって電気を生産する。ところで、エミッタが形成された領域にレーザーが照射されると、レーザーによってp-n接合領域が破壊されるので、太陽電池の発電効率が低下することしかない。
【0056】
一例として、エミッタが太陽電池1の前面に形成され、これに合わせて電極が太陽電池の前面と背面に分けて形成された一般的な構造の太陽電池において、レーザーは、エミッタが形成されない太陽電池の背面に照射することができる。
【0057】
そして、エミッタと背面電界部(BSF)のすべてが半導体基板の背面に形成された背面接触型太陽電池において、レーザーは、受光面の反対面である背面に照射されるが、エミッタが形成された領域を脱しよう照射されることができる。
【0058】
このように、レーザーは、キャリアが生成されるp-n接合を外れた位置に照射して、太陽電池の発電効率が減少することを防止する。
【0059】
スクライビングライン(SL)に沿ってレーザーが照射されることによって、母セル1の内、レーザー(LA)が照射された面1aには、分割溝(SH)がスクライビングライン(SL)に沿って作られる。ここで、スクライビングライン(SL)は、母セル1を分割するために、レーザーが太陽電池に照射される方向をしらせる仮想の線である。レーザーは、望ましい形でレーザーによる損傷(damage)を減らすために、パルス型レーザーが使用されることができる。パルス型レーザーは、パルスに同期化してレーザーが照射されるので、レーザーが母セル1をスキャンする間に連続的に照射されず、断続的に照射されるため、レーザーが連続的に照射される線形レーザーより太陽電池に加わる熱損傷を減らすことができる。また、好ましくレーザー(LA)は、それぞれのスクライビングライン(SL)に沿って、1回照射されて、分割溝(SH)を形成することよりは、数回で、分けて照射されることが好ましく、照射回数は、レーザーの強さ、分割溝(SH)の深さ(D1)などを考慮して調節することができる。これによれば、レーザーの強さを低減させレーザーを照射することができ、スクライビング過程で太陽電池に加わる損傷を効果的に削減することができる。
【0060】
分割溝(SH)の深さ(D1)は、望ましい形として母セル1の厚さ(T1)に比べ50%~70%であることが望ましい。分割溝(SH)が形成された後で、母セル1は、物理的な力を受け、複数のカットセル10に分けられる。さて、分割溝(SH)の深さ(D1)が50%より小さい場合、分割溝(SH)に沿って母セル10が分けられず、クラックのような欠陥が母セル1に発生することができる。そして、分割溝(SH)の深さ(D1)が70%以上になると、母セル1に伝達される熱的ストレスが高まり、カットセル10の効率を落とすことができる。
【0061】
以下、添付した図面を参照して、実施の形態に基づいて、様々な形状の電極を有する太陽電池に対して詳細に説明する。
【0062】
図5は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池の平面形状を示す。好ましい一形態において、太陽電池10は、p-n接合を形成する半導体基板と、半導体基板の第1面と第2面にそれぞれ形成される第1電極と第2電極を含みから構成されることができる。ここで、一例として、第1面は、光が受光される面として、第1電極が位置し、背面は前面の反対面として第2電極が位置することができる。
【0063】
一方、以下の実施の形態においては、第1電極と第2電極の内、第1電極を例に挙げて、様々な実施の形態を説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、第1電極または第2電極の内、いずれか、または全てが、以下で説明される第1電極と同じ形状を有することができる。
【0064】
半導体基板11は、第1方向(図のx軸方向)の短辺(11a)と第2方向(図のy軸方向)の長辺11bを有することができる。好ましい一形態において、半導体基板11の縦横比は、3/1~1/12で有り得る。
【0065】
第1電極13は、半導体基板11の前面に位置し、第2方向で隣接したものと物理的に離れてストライプ配列を有するように形成することができる。この第1電極13は、前面に入射される光を最大限に遮断しないように、半導体基板11の前面面積の内、5%以下の面積だけを占めるように形成されることが望ましい。第1電極13が形成された面積が5%以上になると、第1電極13のために、光の受光面積が減り、所望する出力が出ないだけでなく、製造コストが上昇して価格競争力が低下することがある。
【0066】
さらに好ましくは、第1電極13が形成される面積は、半導体基板11の前面面積対比3%以下である。
【0067】
実施の形態においては、第1電極13は、従来とは異なるようにバス電極がない構造を有するように形成される。当業界では、第1または第2電極は、電荷を収集する複数のフィンガー電極とこのフィンガー電極を互に接続し、太陽電池の間を接続するリボンに接続されるバス電極を含みから構成されるのが一般的であった。さて、バス電極は、リボンと接続しなければならないので、フィンガー電極より大きな線幅を有するように形成され、結果的に製造原価を上昇させ、また受光面積を減らす要因として作用した。
【0068】
本発明の実施の形態においては、このような点を考慮し、前面に配置される第1電極13は、バス電極が形成されない代わりに、第1電極13の一部として構成される接合部13aを有するように構成される。
【0069】
接合部13aは、太陽電池10が長辺11bが隣接したものと重なってストリングされる時、電気的、機械的接続のための導電性接着物質が提供され、第2方向で隣接している第1電極13との間を電気的に接続できるようにする。
【0070】
好ましい一形態において、接合部13aは、第1電極13の一部として形成され、第1電極13ごとにそれぞれ個別に形成することができる。
図5の実施の形態においては接合部13aは、長辺11bに隣接している第1電極13の端部(13a1)を含む、一部領域が接合部13aで構成されことができる。また、接合部13aの単位面積は、この接合部13aを除外した第1電極13の単位面積より大きく形成されることが望ましい。ここで、単位面積は定まれたの面積で電極が形成された面積を意味し、一例として1(mm2)あたりの電極が形成された面積を意味することができる。
【0071】
図5において、接合部13aを含む第1電極13は、第1方向に線幅が徐々に減少する先端がとがった針状を有するように形成されることができる。第1電極13の端部(13a1)の一部として行われた接合部13aは、他の所よりも単位面積が相対的に大きく、それに応じて接合部を中心に太陽電池が重なり位置すると、重なった二太陽電池の電極が十分な面積を有して接合されることができる。したがって、従来のようにパッドやバス電極を利用しなくても重なった2太陽電池の電極を互いに接合させることができる。
【0072】
この実施の形態において、第1電極13は、線幅が徐々に減少する針状を有するために、第1電極13が形成される面積を半導体基板の前面、すなわち受光面対比5%以下に構成することができる。
【0073】
好適な一形態、一例として、産業現場で使用するM4サイズ(161.7(mm)×161.7(mm))の母セルを6分割する場合に、第1電極13の数は、80個以上であり120個より小さく形成されることが好ましく、この時、第1電極13間の間隔(またはピッチ)(D2)は、約1(mm)~2.0(mm)であることが望ましい。第1電極13との間の間隔が1(mm)より小さいと、電極間の間隔があまりにも稠密して影の効果により、発電効率が低下し、また、製造コストが上昇して価格競争力が低下することができる。そして、第1電極13間の間隔が2.0(mm)より大きくなると、電極間の間隔が広すぎて、光によって生成された電荷を収集するのが難しい。また、第1電極13の端部(13a1)は、長辺11bから200(μm)~300(μm)だけ離れて配置されることが望ましい。前述したように、母セルを分割して形成される太陽電池は、レーザースクライビング工程を通じて母セルが複数のカットセルに分割される。このとき、レーザーの解像度と作業マージンを考慮して、第1電極13は、長辺11bから200(μm)~300(μm)だけ離れて形成されることが望ましい。
【0074】
好適な形態において、第1電極13の端部(13a1)、すなわち、最大線幅が120(μm)~200(μm)であることが望ましい。前述したように端部(13a1)は、接合部13aをなしているので、最小限の接合面積を確保するためには、端部(13a1)が120(μm)以上でなければならず、2000(μm)より大きくなると、第1電極13の形成される面積が過度に大きくて製造コストが大きくなる問題がある。
【0075】
また、第1電極13の最小線幅は、40(μm)であることが望ましい。もし第1電極13の最小線幅が40(μm)より小さくなると、電極を印刷し、焼成する過程で、その先端が巻き込ま上がるカール(curl)現象が発生することができる。
【0076】
このような点を考慮する時、第1電極13の最大線幅は、前記第1電極の最小線幅対比3~5倍になるように形成されることが望ましい。
【0077】
一方、このように、第1電極13が針状を有するように形成されると、第2方向(図のy軸方向)で、第1電極13間が徐々に広がるようになる。これに、この部分で生産された電荷が、正常的に、第1電極(13a1)に収集されるのが難しいことがある。このような点を考慮し、
図6に例示するところのように、第1電極13間を接続するバーシン部15をさらに含みから構成することもできる。このバーシン部15は、左側長辺11bよりこの左側長辺11bと向き合う右側長辺11b’に近くなるように配置することができる。
【0078】
好ましい一形態において、バーシン部15の線幅は、製造工程と製造コスト、そして第1電極13が前面に形成される面積などを考慮して50(μm)内外の線幅を有することが望ましい。
【0079】
また、バーシン部15は、第1電極13と比較して、第1電極の平均線幅よりは小さく形成することができる、バーシン部15の線幅が第1電極の平均線幅より大きければ、第1電極13が5%以下の面積を有するように形成することが難いである。ここで、平均線幅は、第1電極の最大線幅と最小線幅の平均値を意味する。
【0080】
図6に例示したところによると、バーシン部15は、第1電極13の延長方向(図のx軸方向)と交差する方向(図のy軸方向)から右長辺(11b‘)と並行するように延長形成され、複数の第1電極13全体に接続されている。
【0081】
一方、
図6の実施の形態においては、複数の第1電極13全体がバーシン部15によって接続されるものとして説明したが、必ずしもこのように形成される必要はない。製造コストと受光面積を考慮して、バーシン部15は、
図7に例示したところのような部分的に形成されることも可能である。
図7に示されたところに係れば、バーシン部15は、第2方向(図のy軸方向)で隣接している2つの第1電極13だけを接続するように配置されるが、受光面積と製造コストなどの相関関係を考慮してバーシン部15が形成されることができる。
【0082】
以下、
図8を参照する。この実施の形態において、第1電極13は、第2方向(図のy軸方向)から物理的に離れてストライプ配列を有するように形成することができる。
【0083】
また、第1電極13のそれぞれは、長辺11bに隣接した接合部13aとの接合部13aから第1方向(図のx軸方向)に延長されたフィンガー部13bを含みから構成されることができる。
【0084】
接合部13aは、長方形の形状を有することができ、横(図のx軸方向)は、0.5(mm)~1.3mm、縦(図のy軸方向)は、50(μm)~150(μm)の内、フィンガー部13bより大きな値を有するように形成することができる。そこで、接合部13aは、アスペクト比(縦/横)が1/26~3/10であることがある。接合部13aの縦横比1/26より小さいと、接合部13aが、あまりにも薄くなって、第1及び第2太陽電池が接続されるとき、十分な接合面積を確保するのが難しく、接合部13aの縦横比が3/10より大きいと、接合部13aが不必要に厚くなって製造コストだけ高めるだけである。
【0085】
接合部13aが、このように縦よりは、横に長い形状を有する理由は、第1及び第2太陽電池が重なって配列される時、第1太陽電池の第1電極が第2太陽電池の第2電極に効果的に接触できるようにするためである。
【0086】
好適な形態において、第1太陽電池と第2太陽電池は、約1.5mm内外程度接合されることが望ましい。このとき、第2太陽電池の背面に形成された第2電極は、第1電極と同じ形状を有することができるが、接合部13aが長さ方向に長い形状を有しており、第1電極と第2電極が重なったときに、その長さ方向(図のx軸方向)で、十分な接触面積を有することができ、これにより、第1電極と第2電極が接続されるとき接合部分でラインの抵抗を効果的に減らすことができる。このように形成される接合部13aは、導電性接着剤が提供される面積を育てる一方、第1電極13が一例としてスクリーン印刷法により形成されるときペーストを焼成する過程で熱が容易に排出されるようにするオープンパターン131をさらに含みから構成されることができる。
【0087】
このオープンパターン131は、また、接合部13aの表面積を広げて隣接した二つの太陽電池をストリングするとき、導電性接着剤の塗布面積を育て接合部13aに導電性接着剤が十分に塗布されるようにし、また、粘性を有する導電性接着剤が流れて広がるのを防止することができるようにする。
【0088】
一例において、このオープンパターン131は、接合部13aの一部が除去されたオープンスペースで形成されることができる。
【0089】
このようなオープンパターン131は、特別な制限なしに、さまざまな形状を有するように形成されることができるが、その様々な実施の形態を
図9~
図14で例示している。
【0090】
まず、
図9を参照すると、オープンパターン131は、接合部13aの内部に位置して約方形の形状を有するように形成されることができる。これにより、接合部13aは、全体的に「ロ」字形状を有する。
【0091】
これと比較して、
図10で例示するオープンパターン131は、区画された少なくとも2以上のスペースを有するように構成されるという点で、
図9に示したオープンパターン131と違いがある。
【0092】
オープンパターン131が、このように形成されると、導電性接着剤を塗布する過程でオープンパターン131に導電性接着剤を閉じ込めることができ、第1太陽電池と第2太陽電池を接合する際に、さらに大きな接合力を得ることができる。
【0093】
図11及び
図12を参照すると、この実施の形態のオープンパターン131は、前の実施の形態のオープンパターンとは異なるようにオープンされた空間に形成されるという点で差がある。
図11に示されたところのように、この実施の形態のオープンパターン131は、馬の蹄形状を有するように形成することができる。
【0094】
図11で例示するオープンパターン131は、左がオープンされた形状を有し、
図12で例示するオープンパターン131は、右がオープンされた形状を有することに違いがある。
【0095】
これによると、接合部13aに提供された導電性接着剤を硬化させる過程では、熱とガスが発生することがあるが、この硬化過程で発生するガスや熱を容易に排出することができる。
【0096】
図13及び
図14を参照すると、この実施の形態のオープンパターン131は、上下には、開いているが、左/右は閉じた形状を有するように形成することができる。このような形状のオープンパターン131を有するように接合部13aは、第1方向(図のx軸方向)で離間して対向する形状を有するように形成することができる。
【0097】
このようなオープンパターン131によると、導電性接着剤をオープン領域に塗布するのが容易である長所がある。一実施の形態においては、導電性接着剤は、第2方向(図のy軸方向)に長く形成されることがあるが、接合部13aに形成されたオープンパターン131が上下には、開いている反面、左/右は閉じている。したがって、接合部13aに供給された導電性接着剤は、接合部13aとオープンパターン131のガイドを受け、第2方向に長く、導電性接着剤が塗布されることができる。
【0098】
一方、前述したオープンパターンの実施の形態においては、オープンパターン131が四角状の接合部13aに形成されることを例示するが、本発明がこれに限定されるものではなく、前述した実施の形態と、以下で説明される実施の形態の電極全体にも同様に形成されることができる。
【0099】
図15は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池の平面形状を示す。
【0100】
図15を参照すると、この実施の形態において、第1電極13のそれぞれは、長辺11bに隣接した接合部13aと接合部13aから第1方向(図のx軸方向)に延長されたフィンガー部13bを含みから構成されることができる。
【0101】
ここで、フィンガー部13bは、ジグザグ形状(または波模様)を有することができる。このようにフィンガー部13bがジグザグ形状を有するように形成されると、半導体基板11の縦横比が1/3~1/12になるように形成されて短辺が短く形成された太陽電池で、短辺の長さ方向に形成されたフィンガー部13bの長さを直線である場合より長く形成することができる。
【0102】
図16は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池の平面形状を示す。
【0103】
図16を参照すると、この実施の形態において、第1電極13は、第2方向で隣接したものと並行するように配列される。これにより、第2方向で第1電極13間の距離は一定で有り得る。
【0104】
この実施の形態において、第1電極間の距離は1~2(mm)であり、第1電極13の数は、80~120個で有り得、線幅は50~120(μm)で有り得る。線幅が、50(μm)より小さくなると、電極の線幅があまりにも薄く電荷を収集するのが難しく、線幅が120(μm)より大きくなると影の効果(shadow effect)により、受光面積が減少することがある。
【0105】
接合部13aは、第1電極13の一部として構成がされ、好ましく第1電極13の端部(13a1)を含む、一部領域が接合部13aで構成されことができる。好ましくは、接合部13aは、長辺11bに隣接して位置する。
【0106】
一方、前述したように隣接した二つの太陽電池をストリングするとき長辺11bに沿って導電性接着剤が塗布されて、第2方向で物理的に離れている第1電極13間を電気的、物理的に接続させることになる。
【0107】
したがって、接合部13aが第1電極13の一部として構成されて線幅が薄い場合でも、導電性接着剤によって隣接した第1電極13間が物理的、電気的に接続され、また、他の太陽電池の電極とも物理的、電気的に接続することができ、アライメントなどの問題なしで、容易に隣接した二つの太陽電池をストリングすることができる。
【0108】
図17は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池の平面形状を示す。
【0109】
この実施の形態において、第1電極13は、接合部の大きさが他の第1電極部135と第2電極部137を含みから構成されることができる。
【0110】
第1電極部135と第2電極部137は、第2方向で互いに並行するように配列され、それぞれ一段に接合部(1351、1371)を含みから構成される。ここで、それぞれの接合部(1351、1371)は、すべて同じ長辺11bに隣接するように形成される。
【0111】
示されたところによると、第1電極部135は、針状を有する反面、第2電極部137は、直線状を有し、第1電極部135の接合1351が第2電極部137の接合部1371より大きい面積を有するように構成されことができる。
【0112】
このような構成によると、すべて第1電極部135のように形成される場合と、第2電極部137のみで構成される場合における問題点は、低減し、利点は、高めることができる。例えば、第1電極部135のみで構成される場合は、第2電極部137のみで構成される場合よりも、第1電極が占める面積が大きくなる。結果的に製造コストが上昇することになり、受光面は減られるが、十分な接合面積を確保することができる利点がある。
【0113】
これと比較して、第2電極部137のみで構成される場合は、第1電極部135のみで構成される場合より第1電極が占める面積が減って製造コストは削減、それと受光面は広げることができるが、接合面積が減少することがある。
【0114】
そこで、この実施の形態においては、接合部の大きさが他の第1電極部135と第2電極部137を含むように、第1電極13を構成して、効果的に接合面積と製造コストのバランスを合わせることができようにする。
【0115】
以下、
図18~
図21を参照して、本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールとその製造方法について説明する。
【0116】
この図と前述した図面を参照すると、本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールは、に、第1方向の短辺(図のx軸方向)と第2方向(図のy軸方向)の長辺を有し、重畳領域(11a)において、前記長辺が部分的に重なるように配列された複数の太陽電池10を含むように構成される。
【0117】
そして、複数の太陽電池の内、隣接した第1太陽電池10aの第2面に位置する第2電極15と第2太陽電池10bの第1面に位置する第1電極13は、重畳領域100に提供された導電性接着剤501によって電気的、物理的に直接接続される。
【0118】
このとき、第1電極13は、第2方向に隣接したものと物理的に離れて並行するように配置されるが重畳領域100に提供された導電性接着剤501によって互いに物理的、電気的に接続されることができる。これにより、第1電極13がパッドやバス電極を含みから構成されなくても、第1太陽電池10aの第2電極15と、十分な接合面積を確保することができる。
【0119】
また、一例として、第1太陽電池10aの第2電極15が第1電極13と同様に、第2方向に隣接したものと物理的に離れて並行するように形成されると仮定したとき、重畳領域100で、第1電極13と第2電極15がずれた位置に配置されても導電性接着剤501によって、両者の間には電気的に接続することができる。したがって、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bを正位置させるアライン過程を省略して製造工程を単純化することができる。
【0120】
好ましい一形態において、導電性接着剤501は、重畳領域100全体に提供されることが好ましく、また、導電性接着剤501は、第1電極13の接合部13aと十分に接触することができよう導電性接着剤501の厚さが第1電極13の厚さより大きいことが望ましい。
【0121】
第1太陽電池10aが第2太陽電池10b上に重ねたとき、望ましい一形態において第1太陽電池10aは、接合領域100に配置された第2太陽電池10bの接合部13aが前面から見えないように位置することが望ましい。
【0122】
このような点を考慮して、接合部13aは、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの接合領域100内にのみ存在することができるよう接合部13aの最大長さ(図のx軸方向に)が、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが重なった幅と実質的に同じになるよう構成されることができる。
【0123】
このように、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが位置すれば、第1太陽電池10aの第2電極15と、これと対向に位置する接合部13aの間に十分な接合面積を確保することができるだけでなく、接合部13aが前面から見えないので、太陽電池モジュールのデザインを良くすることができる。
【0124】
好ましい一形態において、第1方向(図のx軸方向)に沿った重畳領域100の幅は、1~2(mm)である。もし、重畳領域100の幅が1(mm)より小さくなると、重畳領域100に提供された導電性接着剤の量が小さくて、十分な接合力を得るのが大変で、重畳領域100の幅が2(mm)より大きくなるようにされると、重畳領域100により受光面があまりにも多くの減って所望する太陽電池の出力を生成するのが難しい。
【0125】
本発明の一実施の形態に係る製造方法は、接合部13aが一端に形成され、第1面に第2方向で並行するように配置された複数の第1電極13を有する第2太陽電池10bに導電性接着剤501を提供するステップ(S11)、導電性接着剤501が提供された第2太陽電池10bと、重畳領域100で重ねるよう第1太陽電池10aを位置させる段階(S13)、導電性接着剤501を硬化させて第1太陽電池10aと第2太陽電池10bを物理的、電気的に接続させる段階(S15)を含む。
【0126】
このとき、前述したように、接合部13aは、第1太陽電池10aと前記第2太陽電池10bが重ねられた重畳領域100に配置され、導電性接着剤501は、重畳領域100から前記第1電極13の接合部13aが第2方向で隣接した他の接合部と接続するように提供されることがある。
【0127】
S11段階において、導電性接着剤501は、ディスペンシング法のようなよく知られた方法により、第2太陽電池10b上に塗布することができる。さらに好ましく、導電性接着剤501は、第2太陽電池10bの前面上にディスペンシング装置を介して塗布されるが、このとき、導電性接着剤501は、接合領域100全体に塗布され、接合部13aを十分に覆うように供給されることが望ましい。
【0128】
選択的に、導電性接着剤501は、第1太陽電池10aの接合領域100または第1及び第2太陽電池それぞれの接合領域に塗布されることもできる。
【0129】
S13段階において、第1太陽電池10aは、第2面が第2太陽電池10bに向けて位置し、接合領域100の導電性接着剤501を間に置いて第2太陽電池の接合部13aと、第1太陽電池10aの第2電極が対向するように位置させる。
【0130】
S15段階において、導電性接着剤は、熱源として熱またはUV(ultraviolet)によって硬化することができる。導電性接着剤が硬化されながら、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bは、物理的に接合され、また、電気的に接続することができる。
【0131】
一方、
図19は、針状で電極を作成するときに使用されるマスクパターンを例示する図である。
【0132】
一般的に電極13は、スクリーン印刷法を用いて作ることがあるが、この時、電極形成用物質としてペーストが使用される。ペーストは、粘性を有しており、焼成によって熱硬化される。ところで、電極をスクリーン印刷する過程で電極の形状と同じようにペースを印刷すると、ペーストは焼成過程で熱変形を起こすため、印刷された形と同じように焼成されないことがある。特に、本発明の一実施の形態のように電極が針状を有する場合には、焼成過程で発生するペーストの変形が大きいため、針状を有するように電極を作るのが、さらに難しい。
【0133】
このような点を考慮して、本発明の一実施の形態に係る製造方法において、スクリーン印刷時に使用されるマスクパターン(SP)は、段差になった形状を有するように構成されことが望ましい。一例として、マスクパターン(SP)は、
図12で例示したように、電極13の長さ方向に幅が徐々に減少する塔の形を有するように形成することができる。
【0134】
これにより、印刷されたペーストと電極13の間に段差により、空空間が存在するが、ペーストが焼成される過程で横に広がり、この空間を埋めるようになり、全体的には、電極13と同じ斜辺を有するように形成されることができる。
【0135】
ここで、段差の数は、電極の大きさ、ペイスト点度及び組成、プロセス温度などをパラメータとして調節されることができるが、一例として段差の数は3~5つで有り得る。
【0136】
以上、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた、本発明の権利範囲に属するものである。