(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】床下換気装置及びこの床下換気装置を備えた住宅
(51)【国際特許分類】
E04B 1/70 20060101AFI20230622BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20230622BHJP
F24F 7/10 20060101ALI20230622BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
E04B1/70 C
E04H9/14 Z
F24F7/10 A
F24F13/02 Z
(21)【出願番号】P 2019072144
(22)【出願日】2019-04-04
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】502025473
【氏名又は名称】エイチ・アール・ディー・シンガポール プライベート リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】517218549
【氏名又は名称】株式会社ナスタ
(74)【代理人】
【識別番号】100094156
【氏名又は名称】稲葉 民安
(72)【発明者】
【氏名】萩原 浩
(72)【発明者】
【氏名】河地 竜一
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-105503(JP,A)
【文献】特開平08-277582(JP,A)
【文献】特開平04-238930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/70
E04B 1/64
E04H 9/14
F24F 7/10
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下換気孔が形成された住宅の基礎部に装着される貯水槽支持部材と、
この貯水槽支持部材に支持さ
れ底板部と3つの側板部を少なくとも有し、上記床下換気孔の内側を通過して流入した空気又は水が流入する流入空間を有してなる貯水槽と、
この貯水槽を構成する底板部の上方に形成された開閉用開口と、
上記貯水槽内に収容されてなるとともに、該貯水槽内に流入した水が所定高さに至った際に上記開閉用開口を下側から閉塞する浮遊弁と、
を備えてなることを特徴とする床下換気装置。
【請求項2】
前記床下換気孔は、4つの孔形成面により
形成され、
前記貯水槽支持部材は、外側には上記4つの孔
形成面に対向する対向面がそれぞれ形成されてなるとともに、内側には空気又は水が流通する流通空間が形成された枠体であって、
この流通空間と前記貯水槽に形成された流入空間とは互いに連通してなることを特徴とする請求項1記載の床下換気装置。
【請求項3】
前記貯水槽支持部材は、天板部、底板部、左側板部及び右側板部を有する枠体であり、
この枠体は、前記基礎部をコンクリートにより成形する前段階において所定位置に固定されるものであるとともに、
上記天板部及び底板部の外側面には、前記床下換気孔の長さ方向に長さを有し互いに対向する複数のリブが形成され、
前記住宅の床下換気孔は、この枠体の内側に形成された前記流通空間とされてなることを特徴とする請求項
2記載の床下換気装置。
【請求項4】
前記
貯水槽支持部材を構成する底板部は方形状に成形され、
該貯水槽支持部材を構成する前記側板部は該底板部の終端からそれぞれ起立してなるとともに、前記貯水槽に形成された流入空間には、該貯水槽内における水位の変化に伴い上昇移動又は下降移動する浮遊弁をガイドする一又は複数のガイド部材が形成されてなることを特徴とする請求項
3記載の床下換気装置。
【請求項5】
前記浮遊弁は方形状に成形された板体であり、前記貯水槽を構成する底板部の上面には、上端で前記浮遊弁を支持する複数の支持用凸部が形成されてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の何れかの床下換気装置。
【請求項6】
前記貯水槽支持部材としての枠体と前記貯水槽との双方又は何れか一方には、該枠体と貯水槽とを固定する固定手段を有してなるとともに、
この枠体の背面と前記貯水槽の正面との何れかには、弾性を有す
る止水材が充填される無端状の凹条と、この凹条に充填された上記止水材が圧接される圧接板部とが相対的に形成され、
上記固定手段により該枠体と貯水槽とが固定されることにより、上記止水材は上記圧接板部により圧接されることを特徴とする請求項2,3,4又は5記載の何れかの床下換気装置。
【請求項7】
前記貯水槽支持部材としての枠体の背面の下端側と前記貯水槽の正面の下端側との何れかには、円弧状の回動ガイド部とこの円弧状の回動ガイド部に支持される固定軸部、又は該円弧状の回動ガイド部が支持される固定軸部との何れかが相対的に形成され、
上記貯水槽全体は、上記回動ガイド部に固定軸部が支持されながら、又は該固定軸部が回動ガイド部に支持されながら、回動操作された後に、上記貯水槽支持部材に対して固定手段により固定されるものであることを特徴とする請求項2,3,4,5又は6記載の何れかの床下換気装置。
【請求項8】
前記請求項1ないし7記載の何れかの床下換気装置を備えてなることを特徴とする住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下換気装置及びこの床下換気装置を備えた住宅に関し、特に、床下換気孔からの水の侵入を防止し、ひいては水害による被害を抑制することができる床下換気装置及びこの床下換気装置を備えた住宅に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、台風による大雨や集中豪雨等により洪水が発生し、住宅に大きな被害が発生する場合が多い。こうした洪水等が発生した場合、基礎部に設けられた床下換気孔から水が侵入し、床下浸水或いは床上浸水となる等の被害が発生する。
【0003】
そして、こうした床下換気孔からの水の侵入を防止する手段として、以下に説明するものが提案されている。これは「床下浸水防止構造」に係るものであり、床下換気孔に連通するとともに、床下空間と外部空間との間で空気を流通させる空気通路が形成され、この空気通路に上記床下換気孔から流入した水を堰き止める止水部により止水された水に浮遊する浮力体の浮上により、自動的に上記空気流通路を閉塞するものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、床下の換気は、床下の湿度を抑えカビや白蟻の発生等を抑制し、ひいては住宅の耐久性を向上させる上では大変重要な要素となる。しかしながら、上記特許文献1に開示された構造では、上記浮遊体により閉塞される空気通路の入り口は、極めて狭い空間とされているばかりではなく、該浮遊体により閉塞される空間(通路)は、構造上当然に上記入り口が形成された位置よりも上方に形成されていることが必須となり、この閉塞される空間(通路)の開口面積も極めて狭いものとならざるを得ないことから、洪水等が発生しない通常時における換気機能は相当制約されることとなり、こうした床下浸水防止構造を採用することにより、却って住宅の耐久性を低下させることとなる。因みに、独立行政法人住宅金融支援機構は、「優良住宅取得支援制度」として、住宅の購入者に住宅資金の貸付条件や貸付利率を優遇する施策を採用しているところ、こうした優遇を受けることができる住宅の条件を「住宅基準技術実施細則」として規定している。そして、この基準には、「外壁の床下部分には・・・有効面積300平方センチメートル以上の換気孔設けられ・・・ていること」と記載されている(第6頁:第2証券化支援住宅技術基準、1新住宅の基準、(6)住宅の耐久性確保に関する措置、イ住宅の構造、(ア)c)。こうした基準を上記特許文献1に開示された構造に適合させようとする場合、上記浮遊体により閉塞される空気通路が住宅の基礎部の内側に位置しているという構造上からも、上記浮遊体により閉塞される空間(通路)を、水平方向に長く設計し及び/又は幅を長尺なものに設計せざるを得ず、こうした設計変更は、この構造が設けられる基礎部自体の耐力を著しく減殺するものとなる。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであって、床下換気孔から水が侵入した際には自動的に該水の侵入を防止することができ床下浸水となること有効に防止することができるばかりではなく、床下換気孔による換気機能や除湿機能が減殺されることなく、これらの機能を有効に発揮することができる床下換気装置及びこの床下換気装置を備えた住宅を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は床下換気装置に係るものであって、床下換気孔が形成された住宅の基礎部に装着される貯水槽支持部材と、この貯水槽支持部材に支持され底板部と3つの側板部を少なくとも有し、上記床下換気孔の内側を通過して流入した空気又は水が流入する流入空間を有してなる貯水槽と、この貯水槽を構成する底板部の上方に形成された開閉用開口と、上記貯水槽内に収容されてなるとともに、該貯水槽内に流入した水が所定高さに至った際に上記開閉用開口を下側から閉塞する浮遊弁と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
上述した第1の発明に係る床下換気装置では、洪水等が発生しない通常時においては、上記床下換気孔、流入空間並びに開閉用開口を介して、床下空間と住宅の外部空間とが連通し、住宅の床下換気機能や防湿機能は担保される。これに対して、集中豪雨等により洪水が発生し、上記床下換気孔から水が流入すると、この水は、上記貯水槽に形成された流入空間から該貯水槽内に流入すると、その水に上記浮遊弁が浮かび、さらに水嵩が増加して該貯水槽内の水位が上昇することにより、上記開閉用開口が浮遊弁により下側から自動的に閉塞される。こうした浮遊弁による開閉用開口の閉塞により、それ以上の水が基礎部の内側(床下空間内)に流入することが防止される。
【0009】
特に、この発明に係る床下換気装置では、洪水等の際において、上記浮遊弁により閉塞される開閉用開口は、床下に位置しており、先に記載した特許文献1に開示された構造のように、浮遊体(本発明を構成する浮遊弁)により閉塞される空気通路が基礎部に形成された床下換気孔内に位置しているものではないことから、本発明を構成する浮遊弁により閉塞される開閉用開口の面積や貯水槽に形成された流入空間の面積は、床下換気孔の面積には全く影響されず自由に設計することが可能となる。したがって、本発明によれば、床下換気孔から水が侵入した際には自動的に該水の侵入を防止することができるばかりではなく、集中豪雨等による洪水が発生しない通常時においても、これまでの床下換気孔による床下換気機能及び防湿機能を阻害することなく、それらの機能を有効に発揮させることができる。
【0010】
なお、この第1の発明に係る床下換気装置は、貯水槽支持部材、貯水槽及び浮遊弁をそれぞれ構成要素とするものであり、上記貯水槽支持部材は、少なくとも床下換気孔が形成された住宅の基礎部に装着され、上記貯水槽を支持する機能を備えているものであれば、何れの形状や構造であっても良く、例えば、枠体として成形されてなるもの(請求項2参照)以外に、単一又は複数の金具等からなり、該金具等により上記貯水槽を支持するものであっても良い。また、この貯水槽支持部材は、上記基礎部、例えば該基礎部の内側面(内側壁)に固定されているものであっても良い。さらに、この貯水槽支持部材は、上記床下換気孔が形成されたコンクリート製の基礎部が成形された後に、該基礎部に装着又は固定されるものであっても良いばかりか、該基礎部をコンクリートにより成形する前段階において、成形する際に使用される成形型にこの貯水槽支持部材を固定し、その後に打設されたコンクリートと一体化されるもの(請求項3参照)であっても良い。また、上記貯水槽は、上記貯水槽支持部材に支持され上記基礎部の内側面からやや離間した部位に位置してなるとともに、底板部と3つの側板部を少なくとも有し、上記床下換気孔を通過して流入した空気又は水が流入する流入空間を有してなるものであれば、その形状や構造は何れのものであっても良い。なお、この貯水槽を構成する底板部の高さは、例えば、床下換気孔を成形する最も下方の形成面と面一でも良いし、又は該最も下方の形成面よりも上方とされてなるもの、さらには、上記最も下方の成形面よりも下方に形成されているものであっても良い。また、上記浮遊弁は、上記貯水槽内に貯水された水が所定高さに至った際に上記開閉用開口を下側から閉塞する機能を有していれば良く、その素材や形状は特に限定されるものではない。また、上記貯水槽と上記開閉用開口との関係は、該開閉用開口が上記貯水槽に形成されているものであっても良いし、該貯水槽を貯水槽本体と蓋体とにより構成し、この蓋体に上記開閉用開口が形成されたものであっても良い。
【0011】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記床下換気孔は、4つの孔形成面により形成され、前記貯水槽支持部材は、外側には上記4つの孔形成面に対向する対向面がそれぞれ形成されてなるとともに、内側には空気又は水が流通する流通空間が形成された枠体であって、この流通空間と前記貯水槽に形成された流入空間とは互いに連通してなることを特徴とするものである。
【0012】
この第2の発明に係る床下換気装置では、前記貯水槽支持部材は、外側には上記4つの孔形成面に対向する対向面が形成された枠体である。換言すれば、この貯水槽支持部材である枠体は、前記床下換気孔の内側に装着されるものである。そして、この貯水槽支持部材である枠体の外側には上記4つの孔形成面に対向する対向面が形成され、内側には空気又は水が流通する流通空間が形成されており、この流通空間と前記貯水槽に形成された流入空間とは互いに連通している。したがって、この第2の発明によれば、洪水時の水は、上記貯水槽支持部材である枠体に形成された流通空間と流入空間を通過して、上記貯水槽内に流入することから、該貯水槽内に流入する過程で水が床下空間に漏出する等の危険性を有効に防止することができる。
【0013】
なお、この第2の発明に係る床下換気装置では、上述したように、貯水槽支持部材(枠体)に形成された上記流通空間と前記貯水槽に形成された流入空間との連通構造又は連通態様は、これらの開口が互いに連通していれば良く、該流通空間と流入空間との間に防水材その他防水機能を有する部材が介在したものであっても良い。また、上記貯水槽支持部材(枠体)は、上記床下換気孔を形成する4つの孔形成面に対向する対向面を有するものであるが、これらの対向面は、各4つの孔形成面の全ての面に対向するものに限定されるものではなく、4つの形成面の一部(例えば、中途部から床下空間側までの形成面)に対向するものであっても良い。
【0014】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第2の発明において、前記貯水槽支持部材は、天板部、底板部、左側板部及び右側板部を有する枠体であり、この枠体は、前記基礎部をコンクリートにより成形する前段階において所定位置に固定されるものであるとともに、上記天板部及び底板部の外側面には、前記床下換気孔の長さ方向に長さを有し互いに対向する複数のリブが形成され、前記住宅の床下換気孔は、この枠体の内側に形成された前記流通空間とされてなることを特徴とするものである。
【0015】
この第3の発明に係る床下換気装置は、先ず、前記貯水槽支持部材としての枠体は、前記基礎部をコンクリートにより成形する前段階において所定位置に固定されるものである。すなわち、基礎部をコンクリートで成形する場合、該所定個所に複数の鉄筋を溶接する等して配筋し、次いで、この鉄筋を挟むように所定の枠材を配置した上で、該枠材と枠材との間にコンクリートを充填・打設する工程を経るところ、上記貯水槽支持部材としての枠体は、上記コンクリートにより基礎部を成形する前段階において、所定個所(床下換気孔が形成されるべき位置)に固定され、次いで、コンクリートを充填・打設することにより、基礎部に固定される。そして、こうした工程で固定される上記枠体には、天板部、底板部、左側板部及び右側板部が形成され、上記天板部及び底板部の外側面には、前記床下換気孔の長さ方向に長さを有し互いに対向する複数のリブが形成されている。したがって、充填されたコンクリートは上記各リブとリブとの間にも充填され、次いで硬化される。したがって、第3の発明に係る床下換気装置を構成する貯水槽支持部材としての枠体は、上記工程により、言わばコンクリートと一体化されるとともに、床下換気孔は、この枠体の内側に形成された前記流通空間となる。
【0016】
したがって、この第3の発明に係る床下換気装置によれば、上記天板部及び底板部の外側及びそれぞれのリブ同士の間に位置するコンクリートにより、確実に水密性を図ることができ、コンクリートからなる床下換気孔を成形する各成形面と枠体の上下両面との間を通って床下空間側に水が漏出する危険性を有効に防止することができる。
【0017】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第3の発明において、前記貯水槽支持部材を構成する底板部は方形状に成形され、該貯水槽支持部材を構成する前記側板部は該底板部の終端からそれぞれ起立してなるとともに、前記貯水槽に形成された流入空間には、該貯水槽内における水位の変化に伴い上昇移動又は下降移動する浮遊弁をガイドする一又は複数のガイド部材が形成されてなることを特徴とするものである。
【0018】
この第4の発明に係る床下換気装置では、貯水槽内における水位の変化に伴い上昇移動又は下降移動する浮遊弁をガイドする一又は複数のガイド部材が形成されてなることから、該浮遊弁が、貯水槽内における水位の上昇に伴って上昇移動する際、上記側板部及びガイド部材によりそれぞれガイドされる。また、洪水が治まって、貯水槽の水位が徐々に下降し、それまで開閉用開口を閉塞していた浮遊弁が水位の下降に伴って下降する際においても、該浮遊弁は上記ガイド部材にガイドされながら下降移動され、最終的には貯水槽を構成する底板上に載置される。したがって、この第4の発明によれば、浮遊弁が傾斜する等して正確に上記開閉用開口を閉塞することなく、この開閉用開口から水が床下空間に流入してしまう事態を有効に防止することができるとともに、洪水が治まり貯水槽内の水位の低下が低下した場合にあっても、該浮遊弁が傾斜することなく確実に元の位置(底板上)に復帰させることができ、また、上記水位の低下により、上記浮遊弁が貯水槽内から流出する危険性も防止することができる。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第1、第2、第3又は第4の発明の何れかにおいて、前記浮遊弁は方形状に成形された板体であり、前記貯水槽を構成する底板部の上面には、上端で前記浮遊弁を支持する複数の支持用凸部が形成されてなることを特徴とするものである。
【0020】
この第5の発明に係る床下換気装置では、前記貯水槽を構成する底板部の上面には、上端で前記浮遊弁を支持する複数の支持用凸部が形成されてなることから、上記貯水槽内に流入した水は、先ず上記支持用凸部の両側であって該浮遊弁の下側に流入し、次いで水位が徐々に上昇し、こうした水位の上昇に伴って上記浮遊弁が上昇移動する。したがって、この第5の発明によれば、勢い良く又は急激に貯水槽内に水が流入した場合であっても、浮遊弁により必ず上記開閉用開口を閉塞することができる。
【0021】
なお、上記各支持用凸部は、上端で前記浮遊弁を支持する機能を有するものであれば、その大きさや高さは特に限定されるものではなく、例えば、円筒状に成形されたものは勿論、凸条に成形されたものであっても良い。そして、この各支持用凸部を凸条に形成する場合、該凸条はそれぞれ水の流入方向に長さを有することが好ましく、さらに、該凸条の高さは水の流入方向に徐々に短く成形されていることが好ましい。或いは、上記貯水槽を構成する底板部を、水の流入方向につれて高さが徐々に高くなるよう傾斜させ、上記凸条の高さを水の流入方向につれて徐々に短く成形し、それぞれの凸条の高さが水平とされてなるものであっても良い。各支持用凸部を、このように凸条とした場合には、それぞれの凸条の両側から浮遊弁の下側に水が流入することとなる。特に、上記傾斜した底板を構成要素とした場合には、洪水が治まり水位が低下するにしたがって、貯水槽内の水を該貯水槽から排出することが可能となる。
【0022】
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、上記第2、第3、第4又は第5の発明の何れかにおいて、前記貯水槽支持部材としての枠体と前記貯水槽との双方又は何れか一方には、該枠体と貯水槽とを固定する固定手段を有してなるとともに、この枠体の背面と前記貯水槽の正面との何れかには、弾性を有する止水材が充填される無端状の凹条と、この凹条に充填された上記止水材が圧接される圧接板部とが相対的に形成され、上記固定手段により該枠体と貯水槽とが固定されることにより、上記止水材は上記圧接板部により圧接されることを特徴とするものである。
【0023】
この第6の発明に係る床下換気装置では、コーキング材等のような弾性を有する止水材が充填される無端状の凹条と、この凹条に充填された上記止水材が圧接される圧接板部とを構成要素とし、該凹条と圧接板部とは、上記枠体の背面又は貯水槽の正面の何れか一方に相対的に形成されていれば良い。すなわち、上記凹条が枠体の背面に形成されている場合には、上記圧接板部は貯水槽の正面に形成され、逆に、上記凹条が貯水槽の正面に形成されている場合には、上記圧接板部は枠体の背面に形成されていれば良い。そして、上記固定手段により該枠体と貯水槽とが固定されることにより、上記止水材は上記圧接板部により圧接される。
【0024】
したがって、この第6の発明によれば、上記枠体から貯水槽まで水が流入する過程・途中で、該枠体と貯水槽との間から水が外部(床下空間)に漏出する危険性を有効に防止することができる。
【0025】
また、第7の発明(請求項7記載の発明)は、上記第2、第3、第4、第5又は第6の発明の何れかにおいて、前記貯水槽支持部材としての枠体の背面の下端側と前記貯水槽の正面の下端側との何れかには、円弧状の回動ガイド部とこの円弧状の回動ガイド部に支持される固定軸部、又は該円弧状の回動ガイド部が支持される固定軸部との何れかが相対的に形成され、上記貯水槽全体は、上記回動ガイド部に固定軸部が支持されながら、又は該固定軸部が回動ガイド部に支持されながら、回動操作された後に、上記貯水槽支持部材に対して固定手段により固定されるものであることを特徴とするものである。
【0026】
上記第7の発明に係る床下換気装置では、上記貯水槽支持部材である枠体に貯水槽を固定する際、先ず、貯水槽全体を、上記回動ガイド部に固定軸部が支持された状態、又は固定軸に回動ガイド部が支持された状態とし、その上で、該貯水槽全体を、上記固定軸部を中心に回動操作し、その後に、貯水槽を上記固定手段により貯水槽支持部材に固定することができる。
【0027】
したがって、この第7の発明に係る床下換気装置によれば、貯水槽支持部材としての枠体に対して貯水槽を固定する際には、熟練を要することなく極めて簡単、迅速且つ正確な位置に該貯水槽を決められた位置に固定することができ、不正確な位置に固定されることにより漏水等を引き起こす危険性を有効に防止することができる。
【0028】
また、第8の発明(請求項8記載の発明)は、住宅に係るものであって、前記請求項1ないし7記載の何れかの床下換気装置を備えてなることを特徴とするものである。
【0029】
この第8の発明に係る住宅によれば、床下換気孔から水が侵入した際には自動的に該水が床下空間に侵入することを防止することができるとともに、床下換気孔による換気機能や除湿機能が減殺されることなく、これらの機能を有効に発揮することができる住宅とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る床下換気装置によれば、床下換気孔から水が侵入した際には自動的に該水の侵入を防止することができるばかりではなく、集中豪雨等による洪水が発生しない通常時においては、床下換気機能及び防湿機能を有効に発揮することができる。
【0031】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る床下換気装置によれば、洪水時の水は、上記貯水槽支持部材である枠体に形成された流通空間と流入空間を通過して、上記貯水槽内に流入することから、該貯水槽内に流入する過程で水が床下空間に漏出する等の危険性を有効に防止することができる。
【0032】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る床下換気装置によれば、上記天板部及び底板部の外側及びそれぞれのリブ同士の間に位置するコンクリートにより、確実に水密性を図ることができ、コンクリートからなる床下換気孔を成形する各成形面と枠体の上下両面との間を通って床下空間側に水が漏出する危険性を有効に防止することができる。
【0033】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係る床下換気装置によれば、浮遊弁が傾斜する等して正確に上記開閉用開口を閉塞することなく、この開閉用開口から水が床下空間に流入してしまう事態を有効に防止することができるとともに、洪水が治まり貯水槽内の水位の低下が低下した場合にあっても、該浮遊弁が傾斜することなく確実に元の位置(底板上)に復帰させることができ、また、上記水位の低下により、上記浮遊弁が貯水槽内から流出する危険性も防止することができる。
【0034】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)に係る床下換気装置によれば、勢い良く又は急激に貯水槽内に水が流入した場合であっても、浮遊弁により必ず上記開閉用開口を閉塞することができる。
【0035】
また、第6の発明(請求項6記載の発明)に係る床下換気装置によれば、上記枠体から貯水槽まで水が流入する過程・途中で、該枠体と貯水槽との間から水が外部(床下空間)に漏出する危険性を有効に防止することができる。
【0036】
また、第7の発明(請求項7記載の発明)に係る床下換気装置によれば、貯水槽支持部材としての枠体に対して貯水槽を固定する際には、熟練を要することなく極めて簡単、迅速且つ正確な位置に該貯水槽を決められた位置に固定することができ、不正確な位置に固定されることにより漏水等を引き起こす危険性を有効に防止することができる。
【0037】
また、第8の発明(請求項8記載の発明)に係る住宅によれば、上記第1ないし第7の発明の何れかと同じように、床下換気孔から水が侵入した際には自動的に該水の侵入を防止することができるばかりではなく、集中豪雨等による洪水が発生しない通常時においては、床下換気機能及び防湿機能を有効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る床下換気装置の平面図である。
【
図3】床下換気装置を構成する貯水槽支持部材の正面図である。
【
図5】貯水槽支持部材と貯水槽とが固定された状態を拡大して示す要部断面図である。
【
図10】貯水槽の一部を破断して示す右側面である。
【
図12】貯水槽支持部材が基礎部に固定された状態を示す正面図である。
【
図13】貯水槽にコーキング材を充填する工程を模式的に示す側面図である。
【
図14】貯水槽を貯水槽支持部材に固定する工程を模式的に示す側面図である。
【
図15】貯水槽と貯水槽支持部材に固定する直前の状態を模式的に示す側面図である。
【
図16】床下換気装置の通常の状態を模式的に示す断面斜視図である。
【
図17】浮遊弁により開閉用開口が閉塞された状態を模式的に示す断面斜視図である。
【
図18】本発明の第2の実施の形態に係る床下換気装置を示す分解斜視図である。
【
図20】本発明の第3の実施の形態に係る床下換気装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る床下換気装置について、それぞれ図面を参照しながら具体的に詳細に説明し、次いで、この床下換気装置を備えた住宅について説明する。先ず、第1の実施の形態に係る床下換気装置1について説明する。
【0040】
この実施の形態に係る床下換気装置1は、
図1又は
図2に示すように、貯水槽支持部材2と、この貯水槽支持部材2に背面側に支持・固定されてなる貯水槽3と、浮遊弁4とから構成されている。上記貯水槽支持部材2は、合成樹脂により、
図3に示すように、左右方向(水平方向)に長さを有してなるものであり、内部には空気や水が流通する流通空間Aが形成された枠体である。すなわち、この貯水槽支持部材2は、
図1又は
図2に示す長方形状の天板部21と、この天板部21の左側から垂下してなる左側板部22(
図1参照)、上記天板部21の右側から垂下してなり上記左側板部22に対向してなる右側板部23(
図2参照)と、上記天板部21に対向してなる底板部24とを備えており、これら天板部21、左側板部22、右側板部23及び上記底板部24により閉塞された空間は、上記空気又は水が流通する流通空間Aである。なお、上記天板部21、左側板部22、右側板部23及び上記底板部24のそれぞれの外側面は、後述する基礎部11に形成された床下換気孔11aを形成する4つの孔形成面に対向する対向面である。そして、上記左側板部22と右側板部23とは、その正面側から背面側にかけて互いに接近するように僅かに傾斜している。また、上記底板部24は、風雨によりこの貯水槽支持部材2内に雨水が侵入した場合であっても自然に外部に排水されることを目的に、その正面側から背面側にかけて該上記天板部21に接近するように僅かに傾斜している。そして、上記天板部21の上面には、
図1又は
図2に示されるように、該天板部21の長さ方向に長さを有する複数の第1の上側リブ21aと、これら第1の上側リブ21aと直交する方向に長さを有する第2の上側リブ21bとがそれぞれ形成され、また、上記底板部24の下面には、
図2に示すように、該底板部24の長さ方向に長さを有する複数の第1の下側リブ24aと、これら第1の下側リブ25aと直交する方向に長さを有する第2の下側リブ24bとがそれぞれ形成されている。
【0041】
また、この貯水槽支持部材2の正面には、上下方向(鉛直方向)に長さを有する複数のルーバー5が回動可能に支持されており、これらのルーバー5は、上下両端が上記天板部21及び底板部24の正面側に回動可能に支持されてなるものである。なお、この貯水槽支持部材2には、上記各ルーバー5を開閉操作する操作部及び該操作部の操作により全てのルーバー5が開閉される開閉機構が形成されているが、これらの説明は省略する。
【0042】
また、上記貯水槽支持部材2の背面には、
図4に示すように、上記天板部21の上面よりも上方に突出してなりやや肉厚とされた上フランジ部21cと、上記左側板部22の側面よりも側方に突出してなりやや肉厚とされた左フランジ部22cと、上記右側板部23の側面よりも側方に突出してなりやや肉厚とされた右フランジ部23cと、上記底板部24の下面よりも下方に突出してなりやや肉厚とされた下フランジ部24cがそれぞれ形成されている。なお、これら上フランジ部21c、左フランジ部22c、右フランジ部23c及び下フランジ部24cは、この貯水槽支持部材2の内側に形成された上記流通空間Aを囲むように連続した状態で形成されたものである。また、上記貯水槽支持部材2の背面の左右両側には、上記天板部21の上面及び上記第1の上側リブ21aの上端よりも上方に起立した突片26,27がそれぞれ起立してなり、各突片26,27の中央には円形状の挿通穴26a,27aがそれぞれ形成されている。また、上記貯水槽支持部材2に形成された上記上フランジ部21cには、上記貯水槽3を固定するための固定ネジ6(
図5参照)が螺着されるネジ穴21dが全部で4つ等間隔に形成されている。
【0043】
また、上記上フランジ部21c、左フランジ部22c、右フランジ部23c及び下フランジ部24cの背面には、上記流通空間Aを囲むように、無端状の挿入板部7が上フランジ部21c、左フランジ部22c、右フランジ部23c及び下フランジ部24cの背面から後方に突設されている。なお、この無端状の挿入板部7は、後述する貯水槽本体31の正面に形成され止水材であるコーキング材が充填される無端状の止水材充填部8内に挿入される部位であり、上記貯水槽本体31が、後述する要領・操作により、上記貯水槽支持部材2に装着・固定されたされた際に、上記止水材充填部8内に充填された止水材が、該止水材充填部8内から一部が周囲に強制的にみ出すように構成されている。また、上記貯水槽支持部材2の背面には、
図4に示すように、上記天板部21の下面から底板部24の上面に亘って3つの支柱9がそれぞれ平行に設けられている。また、上記貯水槽支持部材2に形成された上記下フランジ部24cの背面の左右両側であって、上記無端状の挿入板部7が形成された位置よりも下方には、
図5に示すように、背面に開口を有する凹部24fがそれぞれ形成され、これらの凹部24f内には、後述する貯水槽本体31に設けられた円弧状の回動ガイド部10がそれぞれ回動可能に支持される固定軸24g(
図2に示すネジの軸部)がそれぞれ水平方向に長さを有した状態で固定されている。
【0044】
なお、上記貯水槽支持部材2は、住宅の基礎部をコンクリートにより成形する際において、該基礎部に成形される床下換気孔の形成位置に、該基礎部の正面と背面を成形する各型枠に図示しない複数の固定具を使用することによって位置決めし、その上でコンクリートが打設され、該コンクリートが硬化することにより、
図12に示すように、基礎部と一体化(固定)されるものである。すなわち、
図12に示すように、上記貯水槽支持部材2の左右両側や下方には、所定の鉄筋12が配筋され、予め設計された床下換気孔が形成される位置に、該貯水槽支持部材2が固定されるとともに、この貯水槽支持部材2の内側の流通空間Aが外部空間と床下空間との間で空気や水を流通させる空間(床下換気孔)となる。上記貯水槽支持部材2の背面の左右両側に形成された各突片26,27は、上記各型枠にこの貯水槽支持部材2を図示しない複数の固定具により固定する際に使用される部位であり、上記コンクリートが打設された際には、
図5に示すように、これら各突片26,27はコンクリート内に埋設される。
【0045】
次に、上記貯水槽3について説明する。この貯水槽3は、
図2又は
図6に示すように、貯水槽本体31と、この貯水槽本体31の上部に固定される蓋体32と、上記貯水槽本体31内に収容される上記浮遊弁4とを備えている。上記貯水槽本体31及び上記蓋体32は、それぞれ合成樹脂により成形されたものであり、上記貯水槽本体31は、
図6に示すように、左右方向に長さを有する底板部34と、この底板部34の後端から起立してなる背面側板部35と、上記底板部34の左端から起立してなる左側板部36と、上記底板部34の右端から起立してなり上記左側板部36に対向してなる右側板部37と、中央に略長方形状に成形され後述する蓋体32に形成された無端状の止水部材51の外周が挿入される開口38aが形成された天板部38とを備えている。したがって、この貯水槽本体3
1の正面は、該貯水槽本体31内に、上記貯水槽支持部材2に形成された流通空間Aを通過した空気又は水が流入する流入空間Bとされている。そして、上記底板部34の正面側の上面は、上記貯水槽支持部材2を構成する底板部24の後端の上面と略同じ位置とされているとともに、該底板部34は、後述するように、この貯水槽本体31内に流入した水が、上記貯水槽支持部材2の流通空間Aを通り、最終的には基礎部11の外側に自然に流出するように、該貯水槽本体31の正面側から背面側にかけて高さが高くなるように徐々に傾斜している。また、上記左側板部36と右側板部37とは下端から上端側に亘って徐々に離間するように僅かに傾斜している。
【0046】
そして、上記底板部34の上面には、
図6に示すように、上端で浮遊弁4を支持する複数の支持用凸部としての凸条34a,34bがそれぞれ平行に形成されている。これら凸条34a,34bは、
図10に示すように、上記底板部34の正面端よりもやや後方にその正面端を有してなるとともに、それぞれの高さは後方にしたがって徐々に低くされており、上記底板部34全体の傾斜角度と相俟って、該凸条34a,34bの上端は水平とされている。また、
図7に示すように、上記底板部34の正面側中途部であって、上記凸条34a,34bの正面側端部から僅かに正面側の上面から上記天板部38の下面には、後述するように、水位の変化により昇降する上記浮遊弁4の正面をガイドするとともに、水位の低下に伴って上記浮遊弁4が、貯水槽3内から上記貯水槽支持部材2の内部を取って外部空間に排出されることを防止する左右のガイド板部41,42が互いに平行に設けられている。なお、これら左右のガイド板部41,42は、本発明を構成するガイド部材である。
【0047】
また、上記貯水槽本体31の正面には、
図7に示すように、上記底板部34の正面端から垂下した下フランジ部34cと、上記左側板部36の正面端から側方に突出した左フランジ部36cと、上記右側板部37の正面端から側方に突出した右フランジ部37cと、上記天板部38(後述する水平フランジ部38f)の正面端から上方に突出した上フランジ部38cとがそれぞれ形成され、これら下フランジ部34c、左フランジ部36c、右フランジ部37c及び上フランジ部38cとは、それぞれ上記流入空間B全体を囲むように連続した状態で成形されている。なお、上記上フランジ部38cは、上記下フランジ部34c、左フランジ部36c、右フランジ部37cの幅よりも長尺に成形され、該上フランジ部38cの上端側中途部には、前記貯水槽支持部材2を構成する上フランジ部21cに形成されたネジ穴21dにそれぞれ対応した位置に、上記各固定ネジ6が螺着される貯水槽側ネジ穴38dが全部で4つ等間隔に形成されている。
【0048】
また、上記連続した下フランジ部34c、左フランジ部36c、右フランジ部37c及び上フランジ部38cの正面であって、上記流入空間Bに近接した位置には、止水材である図示しないコーキング材が充填される無端状の止水材充填部8が、上記各フランジ部(符号は省略する。)の正面よりも上記貯水槽支持部材2の背面側に突出した状態で形成されている。この止水材充填部8は、正面側に開口を有する凹条に成形されてなるものである。また、上記下フランジ部34cの下方の左右両側の正面には、前記それぞれの凹部25f内に挿入されるとともに、上記左右の固定軸24gに係合する円弧状の回動ガイド部10がそれぞれ形成されている。これら左右の円弧状の回動ガイド部10は、上記止水材充填部8が位置する部位よりもやや下方に形成されており、それらの先端は、
図5又は
図10に示すように、該止水材充填部8の正面よりもやや上記貯水槽支持部材2側に突出している。なお、上記各回動ガイド部10は、それぞれ背面側に上記固定軸24gが挿通される開口(符号は省略する。)が形成されている。
【0049】
また、上記貯水槽本体31を構成する上記天板部38は、
図8に示すように、全体の平面形状が略長方形状に成形され、内側には上記底板部34の面積よりもやや広い面積を有する本体側開口(符号は省略する。)が形成されている。また、この天板部38は、上記背面側板部35、左側板部36及び右側板部37の上端位置よりも側方(水平方向)に延出された水平フランジ部38fを備えている。そして、この水平フランジ部38fには、後述する蓋体32をこの貯水槽本体31に載置・固定する固定ネジ59(
図1参照)が螺着されるネジ穴38gが全部で10個形成されている。
【0050】
次に、上記貯水槽本体31に上記固定ネジ59により固定される蓋体32について説明する。この蓋体32は、
図1又は
図11に示すように、下面が上記貯水槽本体31に形成された上記水平フランジ部38fに載置され略長方形状に成形された天板部45と、
図6に示すように、この天板部45の左端からやや垂下し上記貯水槽本体31に形成された水平フランジ部38fの端部に内側面が接触又は対向する左垂下部46と、天板部45の右端からやや垂下し上記水平フランジ部38fの端部に内側面が接触又は対向する右垂下部47と、天板部45の後端からやや垂下し上記水平フランジ部38fの端部に内側面が接触又は対向する図示しない後垂下部を備えている。また、
図6に示すように、上記天板部45の内側には、本発明を構成する長方形状の開閉用開口Cが形成されている。この開閉用開口Cは、上記水位の変化により昇降する上記浮遊弁4の面積よりも小さな面積とされた空間である。また、この実施の形態では、上記天板部45の下面には、内周面により上記開閉用開口Cのやや下方の空間を囲むとともに、外周面は、上記貯水槽本体31の天板部38に形成された本体側開口を形成する内側端部に嵌合されるゴム製の無端状の止水部材51が固定されている。
【0051】
なお、この蓋体32を構成する上記天板部45には、
図11に示すように、上記貯水槽本体31の天板部38に形成されたそれぞれのネジ穴38gに対応した位置に、ネジ挿通穴45gが形成されている。また、この蓋体32の天板部45の上面には、該天板部45の上面から起立してなるとともに、正面側から背面側に長さを有し、上記開閉用開口C上を跨ぐ複数の蓋側リブ45hが形成されている。また、上記浮遊弁4は、平面形状が長方形状に成形された板体であり、発砲スチレン等のように、水の比重よりも低い比重となされた素材により成形されたものである。
【0052】
そして、上述した床下換気装置1を構成する上記貯水槽支持部材2は、先にも説明した通り、住宅の基礎部11をコンクリートにより成形する際において、該基礎部11に成形される床下換気孔11aの形成位置に、該基礎部11の正面と背面を成形する各型枠に図示しない複数の固定具を使用することによって位置決めし、その上でコンクリートが打設され、該コンクリートが硬化することにより、
図12に示すように、基礎部11と一体化(固定)されるものである。また、上記基礎部11内であって上記貯水槽支持部材2の下方は左右両側には鉄筋12が配筋されている。そこで、以下、上記基礎部11に固定された貯水槽支持部材2に、上記貯水槽3を取り付け固定する方法について、その工程順に説明する。
【0053】
図13は、上記基礎部11に貯水槽支持部材2が固定された状態と、貯水槽3の正面を上向きにした状態を示すものであり、この上向きとされた貯水槽3を構成する止水材充填部8内に止水材である図示しないコーキング材を充填する。このコーキング材は、上記止水材充填部8からはみ出る位に充填することが望ましい。そして、こうした止水材の充填作業が終了すると、次いで、
図14に示すように、上記貯水槽本体31の正面の下端側両側に形成された上記円弧状の回動ガイド部10を、それぞれ上記貯水槽支持部材2の背面側に形成された凹部24f内に挿入するとともに、該各円弧状の回動ガイド部10を上記左右の固定軸24gに係合させ、該左右の固定軸24gを中心に、上記貯水槽3全体を回転させ(
図14中、反時計回り方向に回転させ)、上記貯水槽本体31の正面に形成された下フランジ部34c、左フランジ部36c、右フランジ部37c及び上フランジ部38cの正面を、それぞれ上記貯水槽支持部材2の背面に形成された上フランジ部21c、左フランジ部22c、右フランジ部23c、下フランジ部24cの背面に当接させる。こうした貯水槽3の回転操作により、該貯水槽3を貯水槽支持部材2に対して正確な位置に移動させることができるとともに、こうした操作により、上記貯水槽支持部材2に形成された無端状の挿入板部7は、上記止水材充填部8内に挿入され、この結果、該止水材充填部8内に充填された止水材は該止水材充填部8内からはみ出される。また、このように貯水槽3を回転させることにより、該貯水槽3に形成された上フランジ部38cの正面は、上記貯水槽支持部材2を構成する上フランジ部21cに対向することとなる。そこで、上記上フランジ部38cの形成された4つのネジ穴38dから固定ネジ6をそれぞれ挿入するとともに、該上フランジ部21cに形成された各ネジ穴21dにそれぞれの固定ネジ6を螺着することにより、貯水槽支持部材2に対する貯水槽3の固定作業が終了する。そして、こうした貯水槽支持部材2に対して貯水槽3が固定されることにより、該貯水槽支持部材2の内側に形成された流通空間Aと、該貯水槽3の正面に形成された流入空間Bとは互いに連通した状態となる。
【0054】
以下、上述した実施の形態に係る床下換気装置1の作用効果を説明する。こうして基礎部11に配置・固定された床下換気装置1は、通常時においては、上記浮遊弁4は上記貯水槽本体31の底板34上に位置し、床下空間と外部空間とは、上記流通空間A及び上記流入空間B並びに及び貯水槽3の蓋体32に形成された開閉用開口Cを介して繋がっていることから、これらの構成により空気が流通する。一方、洪水等により水嵩が増し、上記貯水槽支持部材2に形成された流通空間Aを水が通過し、この水が、上記流入空間Bから貯水槽本体31内に流入すると、それまで底板部34上に載置されていた浮遊弁4は、水に浮かび水位の上昇に伴って徐々に上昇する(
図16参照)。この際、この浮遊弁4は、上記左側板部36や右側板部37等の内側面にガイドされるとともに、上記左右のガイド板部41,42によりガイドされる結果、該浮遊弁4は上昇途中において傾斜する等して完全に上記開閉用開口9が閉塞されない事態が防止されている。そして、上記水位の上昇により、やがて該浮遊弁4の上面は、
図17に示すように、上記止水部材51の下面に当接し、この結果上記開閉用開口Cは閉塞される。したがって、上記基礎部11の外側である外部空間の水嵩が増した場合であっても、床下空間に水が侵入することがない。なお、洪水等が治まり、上記貯水槽本体31内の水位が低下することにより、それまで上昇していた浮遊弁4は、再び上記初期位置に復帰する。
【0055】
また、上記実施の形態に係る床下換気装置1では、貯水槽3を構成する底板部34の上面には、2つの支持用凸部としての凸条34a,34bが形成され、上記浮遊弁4は、これらの凸条34a,34bの上端で支持されていることから、上記貯水槽本体31内に流入した水は、先ず上記各凸条34a,34bの両側であって該浮遊弁4の下側に流入するように構成されていることから、勢い良く又は急激に貯水槽本体31内に水が流入した場合であっても、上記浮遊弁4により、必ず上記開閉用開口Cはその下側から閉塞される。
【0056】
なお、上記第1の実施の形態に係る床下換気装置1では、本発明を構成する固定軸部24gを貯水槽支持部材2の背面側に形成する一方、上記貯水槽3の正面側に、上記各固定軸部24gに係合し支持される円弧状の回動ガイド部10が形成され、該貯水槽支持部材2を貯水槽3に固定する際には、先ず、上記各固定軸部24gに上記回動ガイド部10をそれぞれ係止させ、その上で、上記各固定軸24gを中心に該貯水槽3全体を回動操作することにより、貯水槽支持部材2の所定位置に貯水槽3を位置させることができるようにしたものであるところ、この発明は、上記各固定軸が上記貯水槽3に形成されてなる一方、上記貯水槽支持部材2に上記各固定軸に支持・係合され、上部に固定軸が挿通される開口が形成された円弧状の回動ガイド部が設けられたものであっても良い。また、上記第1の実施の形態に係る床下換気装置1では、上記無端状の挿入板部7が貯水槽支持部材2の背面に形成され、上記コーキング材が充填される無端状の止水材充填部8が貯水槽3の正面に形成されているものを説明したが、本発明は、止水材充填部が貯水槽支持部材2の背面に形成され、上記無端状の挿入板部が貯水槽3の正面に形成されたものであっても良い
。
【0057】
また、上記第1の実施の形態に係る床下換気装置1では、上記貯水槽支持部材2は、住宅の基礎部11をコンクリートにより成形する際に該基礎部11に成形される床下換気孔の形成位置に位置決めされ、該基礎部11と一体化(固定)されるものであるが、本発明を構成する貯水槽支持部材は、少なくとも貯水槽を支持するものであれば、上記基礎部11が成形された後に、該基礎部11に固定されるものであっても良い。例えば、
図18又は
図19に、第2の実施の形態として示す床下換気装置71のように、正面形状が長方形状に成形され内側は、流通空間Aである床下換気孔11aが形成された基礎部11の内側面に固定される貯水槽支持部材72と、この貯水槽支持部材72に支持・固定される貯水槽73と、この貯水槽73内に収容された浮遊弁74を備えてなるものである。そして、上記貯水槽支持部材72は、上記床下換気孔11aを形成する4つの孔形成面11c,11d,11e,11fの内で下方に形成された孔形成面11fと略面一の上面を有する支持板部75と、この支持板部75の先端から折曲され正面は上記基礎部11の内側面に止水用ゴム板77を挟んで固定される固定板部76とから構成されている。上記支持部材75は、上記貯水槽73を上面で支持する部位であり、ボルト78の軸部が挿通される挿通穴75aが形成されている。また、上記固定板部76には、ボルト85の軸部が挿通される複数のボルト挿通穴76aが形成されている。また、上記止水用ゴム板77は、
図18に示すように、中央に上記床下換気孔11aの正面形状や後述する貯水槽73の正面に形成された流入開口Bと同じ形状の開口77aが形成された板体である。そして、この止水用ゴム板77には、上記ボルト85の軸部が挿通される複数のボルト挿通穴77bが形成されている。なお、上記貯水槽支持部材72を基礎部11に固定する方法は、上記基礎部11の内側面の所定位置に、複数のアンカーナット86(
図19参照)を打設し、これらのアンカーナット86に上記ボルト挿通穴76a及び開口77aに挿通したボルト85の軸部を螺着させる。
【0058】
また、上記貯水槽73は、方形状に成形された底板部79と、この底板部79の左端から起立してなる左側板部80と、上記底板部79の右端から起立してなる右側板部81と、上記底板部79の後端から起立してなる背面側板部82と、上記底板部79に対向してなる天板部83とを備え、正面には、上記底板部79、背面側板部82、左側板部80、右側板部81及び天板部83により囲まれ、上記床下換気孔11aから流入した空気又は水が、この貯水槽73内に流入する流入空間B(
図19参照)形成されている。また、この貯水槽73の正面には、上記流入空間Bを囲んでなるとともに、基端は上記底板部79、左側板部80、右側板部81及び天板部83の正面端とされてなる正面側フランジ部73aが形成され、この正面側フランジ部73aには、ボルト85の軸部が挿通される挿通穴73bが形成されている。
【0059】
また、この貯水槽73の底板部79には、該底板部79の左端と右端及び後端のそれぞれから側方又は後方に延出された下側フランジ部73dが形成され、この下側フランジ部73dには、これらを、上記貯水槽支持部材72を構成する支持板部75に固定するボルト78の軸部が挿通される挿通穴73eが形成されている。また、上記天板部83には、本発明を構成する開閉用開口Cが形成されている。また、上記浮遊弁74は、発砲スチレン等のように比重が1以下の素材により平面形状が長方形状に成形された板体であり、上記開閉用開口Cの面積よりも広い面積を有するものである。なお、この浮遊弁74の長さは、上記止水用ゴム板77に形成された開口77aの長さよりも長尺となされている。したがって、後述する水位が低下した際に、この浮遊弁74が水に流れて外部に排出されない。
【0060】
したがって、上述した第2の実施の形態に係る床下換気装置71による場合であっても、上記第1の実施の形態に係る床下換気装置1と同じように、上記床下換気孔11aから貯水槽73内に水が流入し、その水位の上昇により浮上した上記浮遊弁74により、上記開閉用開口Cが下側から閉塞され、この結果、床下空間内への水の侵入(床下浸水)を防止することができる。特に、上述した床下換気装置71によれば、既設の住宅に形成された基礎部11に固定することができる。
【0061】
さらに、本発明に係る床下換気装置は、上記第1又は第2の実施の形態に係る床下換気装置1,71とは異なり、
図20又は
図21に示す構成(第3の実施の形態)からなるものであっても良い。この第3の実施の形態に係る床下換気装置91は、床下換気孔11aが形成された既設の基礎部11に固定される貯水槽支持部材92と、この貯水槽支持部材92に支持固定される貯水槽93と、この貯水槽93内に収容される浮遊弁94とから構成されている。上記貯水槽支持部材92は、上記基礎部11の内側面に間に図示しないコーキング材又は止水板等を介して固定される平板部95と、この平板部95の中央に形成された開口(符号は省略する。)と、この平板部95の正面に形成された前方管部96と、上記平板部95の背面に形成された後方管部97とを備えている。上記前方管部96と後方管部97とは互いに連通してなるとともに、該前方管部96の外形形状は、上記床下換気孔11aの形状と略同じ形状に成形され、該前方管部96は、該床下換気孔11a内に上記基礎部11の内側から挿入される部位である。換言すれば、上記貯水槽支持部材92を構成する前方管部96の各外側面は、上記基礎部11の床下換気孔11aを形成する4つの孔形成面に対向する対向面である。なお、この前方管部96の対向面と床下換気孔11aを形成する4つの孔形成面との間は、該床下換気孔11a内に挿入された際、これらの間には図示しないコーキング材が充填される部位である。また、上記後方管部97は、後述する貯水槽93の正面側に形成された流入空間B内に挿入され、該貯水槽93を支持する部位である。そして、上記平板部95には、該貯水槽支持部材92を上記基礎部11の内側面に固定するボルト99が挿通される複数のボルト挿通穴95aが、上記前方管部96や後方管部97の上下両側及び左右両側に形成されている。これらのボルト99は、上記各ボルト挿通穴95aの形成個所に対応した位置に、基礎部11の内側面に打設されたアンカーナット100に螺着されるものである。すなわち、上記貯水槽支持部材92全体は、上記アンカーナット100に螺着される上記ボルト99により上記基礎部11に固定される。
【0062】
そして、上記貯水槽93は、方形状に成形された底板部101と、この底板部101の後端から起立してなる背面側板部102と、上記底板部101の左端から起立してなる左側板部103と、上記底板部101の右端から起立してなる右側板部104と、上記底板部101に対向してなる天板部105とを備え、正面には、上記底板部101、背面側板部102、左側板部103、右側板部104及び天板部105により囲まれ、上記床下換気孔11aから流入した空気又は水が、この貯水槽93内に流入する流入空間Bが形成されている。なお、この流入空間Bは、上記後方管部97が嵌入される空間である。また、この貯水槽93では、該貯水槽93の正面に、上記流入空間Bの入り口を周囲から囲むようにフランジ部93aが形成されている。このフランジ部93aは、上記平板部95の背面にその正面全体が当接する部位であり、該フランジ部93aには、上記ボルト99が挿通される挿通穴93bが形成されている。また、上記天板部105には、本発明を構成する開閉用開口Cが形成されている。また、上記浮遊弁94は、発砲スチレン等のように比重が1以下の素材により平面形状が長方形状に成形された板体であり、上記開閉用開口Cの面積よりも広い面積を有する。
【0063】
そして、上記第3の実施の形態に係る床下換気装置91による場合であっても、上記第1の実施の形態に係る床下換気装置1や第2の実施の形態に係る床下換気装置81と同じように、上記流通空間Aである床下換気孔11aから流入し上記流入空間Bから貯水槽93内に水が流入すると、その水位の上昇により浮上した上記浮遊弁94により、上記開閉用開口Cが下側から閉塞され、この結果、床下空間内への水の侵入(床下浸水)を防止することができる。
【0064】
そして、上述した第1ないし第3の実施の形態に係る床下換気装置1,71,91を備えた住宅によれば、台風や集中豪雨等により洪水が発生し、上記基礎部11の外側(外部空間)における水位が上昇して、上記基礎部11に形成された床下換気孔11aやその内側から水が流入した場合であっても、この水は上記浮遊弁4,74,94により上記開閉用開口Cが下側から閉塞され、該住宅の床下空間に侵入することが防止され、床下浸水となることを有効に防止することができる。また、こうした洪水等が発生しない通常時においては、上記床下空間と外部空間とは、上記流通空間A、流入空間B並びに上記開閉用開口Cをそれぞれ介して、空気が流通することから、上記床下換気孔11aによる換気機能や除湿機能が減殺されることなく、これらの機能を有効に発揮することができる。特に、上記開閉用開口Cが設けられた貯水槽3,83,93は、何れも上記基礎部11の内側面からやや離間した部位(住宅の床下)に位置してなることから、上記開閉用開口Cの面積をどのように設計するかは、上記床下換気孔11aの形状や大きさには一切影響されることなく自由に設計することができ、より一層床下換気孔11aによる換気機能や除湿機能が減殺されることがない。
【符号の説明】
【0065】
1 床下換気装置
2 貯水槽支持部材
3 貯水槽
4 浮遊弁
8 止水材充填部
10 回動ガイド部
11 基礎部
11a 床下換気孔
11b,11c,11d,11e 孔形成面
21 天板部
21a 第1の上側リブ
22 左側板部
23 右側板部
24 底板部
24a 第1の下側リブ
24g 固定軸
34 底板部
35 背面側板部
36 左側板部
37 右側板部
41,42 左右のガイド板部
71 床下換気装置
72 貯水槽支持部材
73 貯水槽
74 浮遊弁
75 支持板部
76 固定板部
79 底板部
80 左側板部
81 右側板部
82 背面側板部
83 天板部
91 床下換気装置
92 貯水槽支持部材
93 貯水槽
94 浮遊弁
101 底板部
102 背面側板部
103 左側板部
104 右側板部
105 天板部
A 流通空間
B 流入空間
C 開閉用開口