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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230622BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20230622BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/00 A
H01L23/28 H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019072207
(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公開番号】P2020057764
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0117772
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ベ、スン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ピュン ファ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン スー
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0348912(US,A1)
【文献】特開2014-142729(JP,A)
【文献】特開2017-076790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/54
H01L23/00-23/04
H01L23/06-23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対方向に位置する第1面及び第2面を有し、第1再配線層を含む連結構造体と、
前記連結構造体の第1面上に配置され、前記第1再配線層に連結された接続パッドを有する半導体チップと、
前記連結構造体の第1面上に配置され、前記半導体チップを封止する封止材と、
前記第1再配線層に連結され、前記封止材の厚さ方向に延びる配線構造と、
前記封止材上に配置され、前記配線構造と連結される第2再配線層と、
前記封止材上に配置され、識別情報を示す複数の金属パターン、及び前記第2再配線層に連結された回路ラインを有するマークと、を含
前記複数の金属パターンはそれぞれ、2次元バーコードを構成する複数のピクセルで提供され、
前記マークは、前記複数のピクセルで囲まれた金属ラインをさらに含み、
前記金属ライン及び前記回路ラインは、前記複数のピクセルを囲む格子を構成する、半導体パッケージ。
【請求項2】
前記複数の金属パターンは、前記第2再配線層と同一の金属を含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記回路ラインの幅は、前記金属パターンの幅の10%以下である、請求項1または2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記回路ラインは前記金属ラインと物理的に分離される、請求項に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記第2再配線層を覆うように前記封止材の上面に配置され、透明樹脂からなるパッシベーション層をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記封止材は不透明又は半透明な樹脂を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記封止材の上面に配置された絶縁層をさらに含み、
前記マーク及び前記第2再配線層は前記絶縁層の上面に配置される、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記連結構造体の第1面に配置され、前記半導体チップが収容されたキャビティを有するフレームをさらに含み、前記配線構造は前記フレームを貫通する、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記封止材は前記フレームの上面を覆う延長領域を含み、
前記封止材の延長領域を貫通し、前記第2再配線層と前記配線構造とを連結するビアをさらに含む、請求項に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記配線構造は、前記封止材の上面及び下面を貫通する金属ポストを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
互いに反対方向に位置する第1面及び第2面を有し、第1再配線層を含む第1連結構造体と、
前記第1連結構造体の第1面に配置され、キャビティを有するフレームと、
前記第1再配線層に連結され、前記フレームの上面及び下面を貫通する配線構造と、
前記フレームのキャビティ内に位置するように前記第1連結構造体の第1面上に配置され、前記第1再配線層に連結された接続パッドを有する半導体チップと、
前記第1連結構造体の第1面上に配置され、前記半導体チップを封止する封止材と、
前記封止材上に配置され、前記配線構造に連結される第2再配線層を含む第2連結構造体と、
前記第2連結構造体において、前記第2再配線層と同一のレベルに配置され、金属からなるマークと、を含み、
前記マークは、2次元バーコードを構成するように配列された複数の金属パターンと、前記複数の金属パターンを囲む格子を構成する複数のラインパターンと、を含み、
前記複数のラインパターンのうち少なくとも一つのラインパターンは、前記第2再配線層に連結されて、前記第2再配線層のための回路ラインとして提供される、半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第2連結構造体は、前記封止材上に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置された下部再配線層と、前記下部再配線層上に配置された第2絶縁層と、前記下部再配線層と連結されるように前記第2絶縁層上に配置された上部再配線層と、を含み、
前記マークは前記第2絶縁層上に配置される、請求項11に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記第2絶縁層は透明な絶縁層を含み、
前記第2連結構造体は、前記第1絶縁層上に配置され、前記マークの複数のラインパターンと重なるよう配列された複数の追加的なラインパターンをさらに含む、請求項12に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記複数の追加的なラインパターンは、前記下部再配線層と連結されて、前記下部再配線層のための回路ラインとして提供される、請求項13に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体チップに関する技術開発の主なトレンドのうちの一つは、部品のサイズを縮小することである。これにより、パッケージの分野でも小型の半導体チップなどの需要が急増するにつれて、小型のサイズを有しながら、多数のピンを実現することが求められている。これに応えるために提案された半導体パッケージ技術のうちの一つがファン-アウトパッケージである。ファン-アウトパッケージは、接続端子を半導体チップが配置された領域外にも再配線して、小型のサイズを有しながらも、多数のピンを実現することを可能とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明を通じて解決しようとする技術的課題のうちの一つは、識別情報を示すマークを有する半導体パッケージを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態は、互いに反対方向に位置する第1面及び第2面を有し、第1再配線層を含む連結構造体と、上記連結構造体の第1面上に配置され、上記第1再配線層に連結された接続パッドを有する半導体チップと、上記連結構造体の第1面上に配置され、上記半導体チップを封止する封止材と、上記第1再配線層に連結され、上記封止材の厚さ方向に延びる配線構造と、上記封止材上に配置され、上記配線構造と連結される第2再配線層と、上記封止材上に配置され、識別情報を示す複数の金属パターン、及び上記第2再配線層に連結された回路ラインを有するマークと、を含む半導体パッケージを提供する。
【0005】
本発明の他の実施形態は、互いに反対方向に位置する第1面及び第2面を有し、第1再配線層を含む第1連結構造体と、上記第1連結構造体の第1面に配置され、キャビティを有するフレームと、上記第1再配線層に連結され、上記フレームの上面及び下面を貫通する配線構造と、上記フレームのキャビティ内に位置するように上記連結構造体の第1面上に配置され、上記第1再配線層に連結された接続パッドを有する半導体チップと、上記連結構造体の第1面上に配置され、上記半導体チップを封止する封止材と、上記封止材上に配置され、上記配線構造に連結される第2再配線層を含む第2連結構造体と、上記第2連結構造体において、上記第2再配線層と同一のレベルに配置され、金属からなるマークと、を含み、上記マークは、2次元バーコードを構成するように配列された複数の金属パターンと、上記複数の金属パターンを囲む格子を構成する複数のラインパターンと、を含み、上記複数のラインパターンのうち少なくとも一つのラインパターンは、上記第2再配線層に連結され、上記第2再配線層のための回路ラインとして提供される半導体パッケージを提供する。
【0006】
バックサイド再配線層と同一のレベルの層に金属パターンで構成されたマークを提供するとともに、マークの形成領域を通過する薄い幅の回路ラインを非識別要素である再配線層の一部として提供することにより、バックサイド再配線層の設計自由度を十分に確保することができる方案が提供される。
【0007】
本発明の実施形態の多様でありながらも有益な長所及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程によってさらに容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】(a)及び(b)はファン-イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示す断面図である。
図4】ファン-イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示す断面図である。
図5】ファン-イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図6】ファン-イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図7】ファン-アウト半導体パッケージの概略的な形態を示す断面図である。
図8】ファン-アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
図10図9の半導体パッケージをI-I'線に沿って切って見た場合の平面図である。
図11図9の半導体パッケージの第2再配線層及び識別マークを示す上部平面図である。
図12】本実施形態に採用可能な識別マークの一例(2次元バーコードパターン)を示す平面図である。
図13】本実施形態に採用可能な識別マークの他の例(文字又は記号)を示す平面図である。
図14a】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14b】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14c】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14d】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14e】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14f】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14g】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図14h】本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
図15】(a)~(d)は本発明の一実施形態による識別マークの形成過程を説明するための主な工程の平面図である。
図16】本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
図17】(a)~(g)は本発明の一実施形態による識別マークの形成過程を説明するための主な工程の平面図である。
図18】本発明の様々な実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
図19】本発明の様々な実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0010】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図1を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることは言うまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(登録商標)(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(登録商標)(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0017】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0018】
図2を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部は、チップ関連部品であることができ、一例として、半導体パッケージ100は、そのうちアプリケーションプロセッサであってもよいが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的又は化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0020】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールよりも著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま付着することは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0021】
このようなパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン-イン半導体パッケージ(Fan-in semiconductor package)とファン-アウト半導体パッケージ(Fan-out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0022】
以下では、添付の図面を参照して、ファン-イン半導体パッケージとファン-アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0023】
(ファン-イン半導体パッケージ)
図3(a)及び(b)はファン-イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示す断面図であり、図4はファン-イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示す断面図である。
【0024】
図3(a)及び(b)ならびに図4を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜又は窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、回路幅の差が大きい電子機器のメインボードなどはもちろん、回路幅の差がメインボードよりは小さい中間レベルのプリント回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0025】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結構造体2240を形成する。連結構造体2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁材料で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、配線パターン2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結構造体2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結構造体2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン-イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0026】
このように、ファン-イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン-イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン-イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0027】
しかしながら、ファン-イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン-イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0028】
図5はファン-イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。図6はファン-イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0029】
図5及び図6を参照すると、ファン-イン半導体パッケージ2200においては、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線されて、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン-イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装可能となる。この際、低融点金属又は合金ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側は封止材2290などで覆われることができる。又は、ファン-イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよい。その場合、インターポーザ基板2302内に内蔵された状態の半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が、インターポーザ基板2302によりさらに再配線されるため、最終的に電子機器のメインボード2500に実装可能となる。
【0030】
このように、ファン-イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、又はインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0031】
(ファン-アウト半導体パッケージ)
図7はファン-アウト半導体パッケージの概略的な形態を示す断面図である。
【0032】
図7を参照すると、ファン-アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結構造体2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結構造体2140上にはパッシベーション層2150をさらに形成することができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160をさらに形成することができる。アンダーバンプ金属層2160上には低融点金属又は合金ボール2170をさらに形成することができる。半導体チップ2120は、本体2121や接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結構造体2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0033】
本製造工程では、半導体チップ2120の外側に封止材2130を形成した後、連結構造体2140を形成することができる。この場合、連結構造体2140を形成する工程は、半導体チップ2120の接続パッド2122と連結されるビア及び再配線層を形成する工程から行われるため、ビア2143は、半導体チップに近いほど小さい幅を有するように形成されることができる(拡大領域参照)。
【0034】
このように、ファン-アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結構造体により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン-イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン-アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結構造体により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、上記のような別のインターポーザ基板を用いることなく、電子機器のメインボード上に半導体チップ2120を実装することができる。
【0035】
図8はファン-アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0036】
図8を参照すると、ファン-アウト半導体パッケージ2100は低融点金属又は合金ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装されることができる。すなわち、上述のように、ファン-アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン-アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結構造体2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても、電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0037】
このように、ファン-アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装されることができるため、インターポーザ基板を用いるファン-イン半導体パッケージに比べて厚さがより小さいパッケージ寸法を実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、プリント回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0038】
一方、ファン-アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものであり、これとはスケール、用途などが異なるパッケージ技術であって、ファン-イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などのプリント回路基板(PCB)とは異なる概念である。
【0039】
図9は本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図であり、図10図9の半導体パッケージをI-I'線に沿って切って見た場合の平面図である。
【0040】
図9及び図10を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100は、互いに反対方向に位置する第1面140A及び第2面140Bを有する連結構造体140と、上記連結構造体140の第1面140A上に配置された半導体チップ120と、上記連結構造体140の第1面140A上に配置され、上記半導体チップ120を封止する封止材130と、を含む。
【0041】
連結構造体140は、2層の第1再配線層142を含み、連結構造体140の第1面140Aに配置された半導体チップ120の接続パッド122は、第1再配線層142に連結される。
【0042】
フレーム110は連結構造体140の第1面140Aに配置され、上記フレームのキャビティ110H内には半導体チップ120が収容される。上記フレーム110は、3層の第1~第3配線層112a、112b、112cと、これを連結する第1及び第2配線ビア113a、113bと、を含む配線構造を有する。上記フレーム110の配線構造は、上記連結構造体140の第1再配線層142と連結されることができる。
【0043】
連結構造体140の第2面140Bには第1パッシベーション層160が形成される。第1パッシベーション層160は、第1再配線層142の少なくとも一部をオープンさせる開口160hを有する。開口160h上には、アンダーバンプ金属層170がそれぞれ配置されることができ、アンダーバンプ金属層170は、電気連結金属180とそれぞれ連結されることができる。
【0044】
封止材130は、キャビティ110H内に収容された半導体チップ120を封止し、絶縁層132とともにフレーム110の上面まで延びた延長領域を有する。封止材130及び絶縁層132の延長領域には最上側の配線層112cの少なくとも一部をオープンさせる開口130hが形成される。第2再配線層152(「バックサイド再配線層」とも呼ぶ)は絶縁層132上に形成される。上記第2再配線層152は、上記開口130hに形成された配線ビア153を介して最上側の配線層112cと連結されることができる。
【0045】
第2パッシベーション層190は、絶縁層132上に形成されるマークMPの視認性を確保するために、透明な樹脂層で形成されることができる。第2パッシベーション層190は、PIDのような透明な絶縁樹脂からなることができる。例えば、第2パッシベーション層190は、第2再配線層152の少なくとも一部をオープンさせる開口190hを有し、オープンされた一部の領域には、表面処理層152Pが形成されることができる。表面処理層152Pは、これに限定されるものではないが、例えば、電解金メッキ、無電解金メッキ、OSP又は無電解スズメッキ、無電解銀メッキ、無電解ニッケルメッキ/置換金メッキ、DIGメッキ、HASLなどによって形成されることができる。
【0046】
かかる構造において、連結構造体140の第1再配線層142は、半導体チップ120の接続パッド122と連結され、上記配線構造を介して半導体パッケージ100の上部(又はバックサイド)に位置する第2再配線層152にも連結されることができる。このように、半導体パッケージ100の一面にバックサイド回路(例えば、第2再配線層152)をさらに形成することができるため、最近のプレミアム級スマートフォン製品の電気的特性を向上させるだけでなく、空間を効率的に活用することができる。
【0047】
図9及び図11に示すように、本実施形態による半導体パッケージ100は、封止材130上に形成され、識別情報を示すマークMPを含む。ここで、識別情報は、当該半導体パッケージの追跡可能性(tracebility)を有する様々な情報、すなわち、工程ナンバー、製造業者、製造日、製品名、製品の種類、及びこれらの組み合わせを含むことができる。また、上記マークMPは、記号、数字、文字だけでなく、狭い領域に多くの情報が含まれる2次元バーコードを含むことができる。例えば、2次元バーコードは、データメトリックス(data matrix)、QRコード(登録商標)などの様々な種類で実現されることができる。
【0048】
本実施形態において、封止材130の上面に絶縁層132が形成されるため、上記マークMPは、第2再配線層152とともに絶縁層132上に形成されることができる。上記絶縁層132は、工程中に破損した封止材130の表面に配置されることで、第2再配線層152を形成するための適切な表面状態を提供することができる(図14b及び図14c参照)。
【0049】
マークMPは、識別情報を示すように形成された複数の金属パターン152Mと、第2再配線層152と連結される回路ライン152Lと、を含む。上記マークMPは、第2再配線層152と同一の金属を含むことができる。具体的には、上記マークMPは、同一の工程により、第2再配線層152とともに形成されることができる(図14f及び図14g参照)。
【0050】
金属パターン152Mは、マークMPの本質的機能である識別要素として用いられるのに対し、回路ライン152Lは、非識別要素、すなわち、識別情報に含まれていない要素として用いられることができる。回路ライン152Lは、マーク形成領域に位置するが、機能的な面では、逆に第2再配線層152の構成要素としてバックサイド回路の一部を構成することができる。具体的には、図11及び図12を参照して、本実施形態に採用されるマークMPについて詳細に説明する。
【0051】
図11図9の半導体パッケージ100の第2再配線層152及びマークMPを示す上部平面図であり、図12は本実施形態に採用可能なマークMPの一例としての2次元バーコードマークを示す平面図である。
【0052】
図11及び図12を参照すると、本実施形態に採用されたマークMPは、2次元バーコードを構成するように、複数のピクセルの形で提供される金属パターン152Mと、上記複数のピクセルの周囲に配置された金属ライン152Sと、を含むことができる。図12に示すように、上記金属ライン152Sは、上記回路ライン152Lとともに上記複数のピクセルを囲む格子を構成することができる。
【0053】
第2再配線層152の配線ライン152a、152bは、マークMPを間に挟んでそれぞれ2つのライン152a1、152a2と152b1、152b2とに区分されているが、2次元バーコードであるマークMPの回路ライン152Lを介して連結されて、比較的短い経路で回路を実現することができる。このように、第2再配線層152が位置するレベル(すなわち、絶縁層132の上面)にマークMPを構成する場合には、第2再配線層152のための回路設計に大きい制約を伴うが、マークMPを、識別要素として有する金属パターン152Mと、第2再配線層の回路を構成する非識別要素である回路ライン152Lとで構成することにより、かかる制約を緩和させるとともに、設計自由度を高めることができる。また、回路ライン152Lを、マークMPを構成する複数の金属パターン152Mの間を通るように形成しても、回路ライン152Lの線幅を認識対象の金属パターン152Mの幅よりも小さく構成することにより、識別情報の読み取り過程でノイズとして作用しないように構成することができる。例えば、回路ライン152Lの線幅は、識別要素として用いられる金属パターン152Mの幅の10%以下で設計されることができる。
【0054】
図12の「C」のように、上記金属ライン152Sは、上記回路ライン152Lと物理的に分離されることができる。これに限定されるものではないが、上記回路ライン152Lは、所望の経路を正確に設定する必要があるため、回路を構成しない金属ライン152Sとは分離されて配列されることができる。
【0055】
このように、2次元バーコードの形のマークMPを構成する際に、2次元バーコードを構成するように配列された複数のピクセルの金属パターン152Mと、上記複数のピクセルの金属パターン152Mをそれぞれ囲む格子を構成する複数のラインパターン(回路ライン152L及び金属ライン152S)と、を含むように構成することができる。
【0056】
上記複数のラインパターンのうち少なくとも一つのラインパターンは、上記第2再配線層152に連結され、上記第2再配線層152の一部として作用する回路ライン152Lで提供されることができる。その結果、第2再配線層152と同一の層(すなわち、絶縁層132)上にマークMPを導入しても、必要な回路設計の自由度を維持することができる。
【0057】
本実施形態に採用された2次元バーコードであるマークMPを用いた識別過程は、マークMPに光を照射し、反射量の差に基づいてデジタル信号に変換することで、所望の識別情報を得ることができる。もちろん、マークMPが記号などで提供される場合には肉眼で識別情報を確認することができる。
【0058】
本実施形態に採用可能なマークMPは、2次元バーコードに限定されず、記号、数字、文字、及びその組み合わせで構成されることもできる。
【0059】
図13を参照すると、マークMPは、一例として、識別情報(例えば、製造業者)を示すようにアルファベットで表現される金属パターン152Mと、アルファベットの間を通る回路ライン152Lと、を含む。回路ライン152Lは、第2再配線層152に連結され、その一部として作用することができ、マークの読み取り過程でノイズとして作用しないよう、非識別要素として用いられることができる。例えば、回路ライン152Lの線幅W2は、識別要素として用いられる金属パターン152Mの幅W1の10%以下で設計されることができる。
【0060】
以下、本実施形態による半導体パッケージ100に含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0061】
フレーム110は、絶縁層111a、111bの具体的な材料に応じて、半導体パッケージ100の剛性をより向上させることができ、封止材130の厚さ均一性の確保などの役割を果たすことができる。フレーム110は、絶縁層111a、111bを貫通するキャビティ110Hを有することができる。キャビティ110H内には半導体チップ120が配置され、いくつかの実施例では、受動部品(不図示)がともに配置されることもできる。キャビティ110Hは、壁面が半導体チップ120を囲む形を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。フレーム110は、絶縁層111a、111bの他にも、第1~第3配線層112a、112b、112cと、第1及び第2配線ビア113a、113bと、を含むことができる。この際、第1~第3配線層112a、112b、112c及び第1及び第2配線ビア113a、113bは、パッケージ構造において垂直連結構造体としての機能を担うことができる。いくつかの実施例では、フレーム110に代替する他の形態として、金属ポストのような垂直連結構造体を有することができる(図19参照)。
【0062】
フレーム110は、連結構造体140と接する第1絶縁層111aと、連結構造体140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1配線層112aと、第1絶縁層111aの第1配線層112aが埋め込まれた側の反対側上に配置された第2配線層112bと、第1絶縁層111aの第1配線層112aが埋め込まれた側の反対側の表面に配置され、第2配線層112bの少なくとも一部を覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111bの第2配線層112bが埋め込まれた側の反対側の表面上に配置された第3配線層112cと、を含む。第1及び第2配線層112a、112bと第2及び第3配線層112b、112cはそれぞれ、第1及び第2絶縁層111a、111bを貫通する第1及び第2配線ビア113a、113bを介して電気的に連結される。第1~第3配線層112a、112b、112cは、連結構造体140の再配線層142を介して接続パッド122と電気的に連結される。本実施形態に採用されたフレーム110の配線構造は、3層の第1~第3配線層112a、112b、112cと、これを連結する第1及び第2配線ビア113a、113bと、を含む形で例示されているが、層数が異なってもよいことは言うまでもなく、様々な他の構造(図18を参照)で実現されることができる。
【0063】
絶縁層111a、111bの材料は、これに限定されず。例えば、絶縁材料が用いられることができる。この際、絶縁材料としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)などが用いられることができる。又は、無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に上述した樹脂が含浸された材料、例えば、プリプレグ(prepreg)などが用いられることができる。いくつかの実施例では、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を用いることもできる。
【0064】
上述のように、第1~第3配線層112a、112b、112c及び第1及び第2配線ビア113a、113bを含む配線構造は、半導体パッケージ100の垂直連結経路を提供することができ、半導体チップ120の接続パッド122を再配線する役割を果たすことができる。第1~第3配線層112a、112b、112cの形成材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。第1~第3配線層112a、112b、112cは、該当層の設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、ワイヤーパッド、電気連結構造体パッドなどを含むことができる。第1~第3配線層112a、112b、112cは、公知のメッキ工程で形成されることができ、それぞれシード層及び導体層で構成されることができる。第1~第3配線層112a、112b、112cの厚さは、第1再配線層142の厚さよりも厚くてもよい。
【0065】
図9に示すように、第1配線層112aは、第1絶縁層111aの内部にリセスすることができる。このように、第1配線層112aが第1絶縁層111aの内部にリセスすることで、第1絶縁層111aの下面と第1配線層112aの下面が段差を有する場合には、封止材130の形成物質がブリードして、第1配線層112aを汚染させることを防止することもできる。
【0066】
第1及び第2配線ビア113a、113bは、互いに異なる層に形成された第1~第3配線層112a、112b、112cを電気的に連結させ、その結果、フレーム110内に電気的経路を形成させる。第1及び第2配線ビア113a、113bの形成材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。第1及び第2配線ビア113a、113bはそれぞれ、導電性物質で充填された充填型(Filled type)のビアであってもよく、導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成された等角型(conformal type)のビアであってもよい。また、それぞれテーパー状を有することができる。第1及び第2配線ビア113a、113bもメッキ工程で形成されることができ、シード層及び導体層で構成されることができる。
【0067】
第1配線ビア113aのためのホールを形成する際に、第1配線層112aのパッドの一部がストッパー(stopper)の役割を果たすことができる。これにより、第1配線ビア113aは、上端の幅が下端の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第1配線ビア113aは、第2配線層112bのパッドパターンと一体化することができる。また、第2配線ビア113bのためのホールを形成する際に、第2配線層112bのパッドの一部がストッパーの役割を果たすことができる。これにより、第2配線ビア113bも、第1配線ビア113aと同様に上端の幅が下端の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第2配線ビア113bは、第3配線層112cのパッドパターンと一体化することができる。一方、図面には示していないが、いくつかの実施例では、電磁波遮蔽や放熱のために、フレーム110のキャビティ110H内の壁面に金属層(不図示)が配置されることもできる。ここで、金属層(不図示)は半導体チップ120を囲むことができる。
【0068】
半導体チップ120は、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Integrated Circuit:IC)であることができる。この際、集積回路は、一例として、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップであってもよいが、これに限定されず、電力管理集積回路(PMIC:Power Management IC)や、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ、又はアナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどであることもできる。
【0069】
半導体チップ120は、別のバンプや配線層が形成されていないベア(Bare)状態の集積回路であることができる。但し、これに限定されず、必要に応じては、パッケージ型の集積回路であってもよい。集積回路は、活性ウェハをベースに形成されることができる。この場合、半導体チップの本体121をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などが用いられることができる。本体121には、様々な回路が形成されていることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を、他の構成要素と電気的に連結させるためのものであり、形成材料としては、それぞれアルミニウム(Al)などの導電性物質を特に制限なく用いることができる。本体121上には、接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123が形成されることができ、パッシベーション膜123は、酸化膜又は窒化膜などであってもよく、又は酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。その他の必要な位置にそれぞれ、絶縁膜(不図示)などがさらに配置されてもよい。一方、半導体チップ120は、接続パッド122が配置された面が活性面となり、その反対側が非活性面となる。この際、半導体チップ120の活性面にパッシベーション膜123が形成された場合、半導体チップ120の活性面は、パッシベーション膜123の最下面を基準に位置関係を判断する。
【0070】
封止材130は、フレーム110及び半導体チップ120を封止し、キャビティ110Hの少なくとも一部を満たす。封止材130は、絶縁材料からなり、絶縁材料としては、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含まれる樹脂、具体的には、ABF、FR-4、BT樹脂などを用いることができる。また、EMCのような成形材料又は感光性材料、すなわち、PIE(Photo Imageable Encapsulant)を用いることもできる。いくつかの実施例では、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のような絶縁樹脂が無機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された材料を用いることもできる。封止材130の上面に配置される絶縁層132は、封止材130と同一又は類似の材料を用いることができる。
【0071】
第2再配線層152は絶縁層132上に配置される。いくつかの実施例では、絶縁層が形成されず、この場合(例えば、図19)、第2再配線層152は、封止材130の表面に形成されることができる。第2再配線層152も、第1再配線層142及び第1~第3配線層112a、112b、112cと同様に、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。第2再配線層152は、設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)のパターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、ワイヤーパッド、電気連結構造体パッドなどを含むことができる。第2再配線層152は、公知のメッキ工程で形成されることができ、それぞれシード層及び導体層で構成されることができる。
【0072】
第2再配線(RDL)ビア153は、開口130hを介して第2再配線層152と配線構造の第3配線層112cとを電気的に連結する。第2再配線ビア153も、第2再配線層152と同一又は同様に、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。第2再配線ビア153は、導電性物質で充填された充填型(Filled type)のビアであってもよく、導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成された等角型(conformal type)のビアであってもよい。また、テーパー状を有することができる。第2再配線ビア153も、メッキ工程で形成されることができ、シード層及び導体層で構成されることができる。
【0073】
連結構造体140は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線するように構成されることができる。連結構造体140を介して様々な機能を有する数十数百の半導体チップ120の接続パッド122がそれぞれ再配線されることができ、電気連結金属180を介して、その機能に合わせて、外部に物理的及び/又は電気的に連結されることができる。連結構造体140は、上述のように、2つの絶縁層141、2つの第1再配線層142、及び2つの第1再配線ビア143を含む形で示されているが、他の実施例では、単層で実現されることができ、例示された数よりも多くの層で実現されることもできる。
【0074】
絶縁層141の材料としては絶縁材料が用いられることができる。この際、絶縁材料としては、感光性絶縁材料(PID)を用いることができ、この場合、フォトビアを介してファインピッチの導入も可能となるため、半導体チップ120の数十~数百万の接続パッド122を非常に効果的に再配線することができる。
【0075】
第1再配線層142は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線することにより電気連結金属180と電気的に連結させることができる。第1再配線層142の形成材料も、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。第1再配線層142も、設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、電気連結構造体パッドなどを含むことができる。
【0076】
第1再配線ビア143は、互いに異なる層に形成された第1再配線層142を電気的に連結し、特に半導体チップ120の接続パッド122と第1再配線層142とを電気的に連結するために用いられることができる。第1再配線ビア143は、半導体チップ120がベアダイである場合、接続パッド122と物理的に接することができる。第1再配線ビア143の形成材料としては、同様に、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。第1再配線ビア143も、導電性物質で完全に充填されたものであってもよく、又は導電性物質がビアの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、第1再配線ビア143の形状としてもテーパー状が適用されることができる。
【0077】
第1及び第2パッシベーション層160、190は、外部の物理的且つ化学的損傷などから半導体パッケージを保護するための層として提供されることができる。具体的には、下部に位置する第1パッシベーション層160は、連結構造体140を保護し、上部に位置する第2パッシベーション層190は、第2再配線層152を保護するために提供されることができる。少なくとも第2パッシベーション層190は、マークMPの視認性を確保するために、透明な樹脂で構成されることができる。第2パッシベーション層190と同様に、第1パッシベーション層160は、最下側の第1再配線層142の少なくとも一部をオープンさせる開口160hを有することができる。第1パッシベーション層160は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含むが、ガラス繊維は含まなくてもよい。例えば、第1及び第2パッシベーション層160、190は、ABFであってもよく、これに限定されず、感光性絶縁材料(PID)であってもよい。
【0078】
アンダーバンプ金属層170は、電気連結金属180の接続信頼性を向上させるために用いることができる。すなわち、アンダーバンプ金属層170は、本実施形態による半導体パッケージ100のボードレベルの信頼性を向上させることができる。アンダーバンプ金属層170は、数十~数万個有することができる。アンダーバンプ金属層170はそれぞれ、第1パッシベーション層160を貫通する開口160hを介して第2再配線層142と連結されることができる。アンダーバンプ金属層160は、金属を用いて公知のメタル化の方法で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0079】
電気連結金属180は、半導体パッケージ100を外部と物理的及び/又は電気的に連結させるための構成である。例えば、半導体パッケージ100は、電気連結金属180を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。電気連結金属180は、低融点金属、例えば、スズ(Sn)、又はスズ(Sn)を含む合金で構成されることができる。より具体的には、半田(solder)などで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材料が特にこれに限定されるものではない。電気連結金属180は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであってもよい。電気連結金属180は、多重層又は単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、スズ-銀半田又は銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。電気連結金属180の数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者が設計に応じて十分に変形可能である。例えば、電気連結金属180の数は、接続パッド122の数に応じて数十~数千個であってもよく、それ以上又はそれ以下の数を有することもできる。
【0080】
電気連結金属180のうち少なくとも一つはファン-アウト領域に配置される。ファン-アウト領域とは、半導体チップ120が配置されている領域と重ならない領域のことである。ファン-アウト(fan-out)パッケージは、ファン-イン(fan-in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力に優れる。
【0081】
図14a~図14hは本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための主な工程の断面図である。
【0082】
図14aを参照すると、半導体チップ120、上記半導体チップ120が収容されるキャビティ110Hを有するフレーム110を第1粘着フィルム210上に配置し、半導体チップ120を封止する封止材130を形成する。
【0083】
本実施形態に採用されたフレーム110は、上述のように、第1及び第2絶縁層111a、111bとともに配線構造を含み、かかる配線構造は、3層の第1~第3配線層112a、112b、112cと、これを連結する第1及び第2配線ビア113a、113bと、を含む。第1粘着フィルム210を第1絶縁層111aの下側に付着する。例えば、第1粘着フィルム210は、エポキシ樹脂を含むテープなどであってもよい。フレーム110のキャビティ110H内には、半導体チップ120が搭載され、適切な封止材料を用いることで半導体チップ120を封止する封止材130を形成することができる。封止材130は、フレーム110の上面まで延びて、第3配線層112cを覆うことができる。
【0084】
次に、図14bを参照すると、封止材130の上面に第2粘着フィルム220を付着し、第1粘着フィルム210を除去した後、除去された表面に連結構造体140を形成する。
【0085】
連結構造体140は、ラミネーション又は塗布方法を用いて絶縁層141を形成し、絶縁層141にビアホールを形成した後、電解メッキや無電解メッキで第1再配線層142及び第1再配線ビア143を形成する方法で形成することができる。絶縁層としてPIDを用いる場合、ビアホールはフォトリソグラフィ方法を用いることで微細ピッチで形成することができる。
【0086】
次に、図14cに示すように、第2粘着フィルム220を除去し、第2粘着フィルム220が除去された封止材130の表面に絶縁層132を形成することができる。
【0087】
上述のように、封止材130は、半導体チップ120を封止した後、連結構造体140の形成過程及び第2粘着フィルム220の除去過程において、第2再配線層152のような微細回路が実現しにくい表面状態を有することがある。かかる問題を解決するために、封止材130の表面に絶縁層132をさらに形成し、絶縁層132の上面に第2再配線層(図14gの152)を円滑に形成することができる。絶縁層132は、封止材130と同一又は類似の材料で形成されることができる。
【0088】
次に、図14dを参照すると、フレーム110の第3配線層112cの少なくとも一部をオープンさせる開口130hを形成する。
【0089】
開口130hは、封止材130及び絶縁層132の材料に応じて加工方法を選択することができ、例えば、封止材130がABFのような非感光性絶縁層である場合には、第3配線層112cをストッパー層として用いるレーザー加工で形成することができる。開口130hを形成した後は、封止材130の材料に合わせてクリアリングを行うことができる。例えば、封止材130がABFのような非感光性絶縁層である場合には、デスミア処理でクリアリングを行うことができる。
【0090】
続いて、絶縁層132上に配置された第2再配線層152及びマークMPを形成する工程を行う。
【0091】
図14e及び図14fに示すように、絶縁層132上にドライフィルムDFを形成し、フォトリソグラフィ工程を用いて、第2再配線層152及びマークMPが形成される領域Dhを選択的に除去することができる。
【0092】
本工程では、図15(a)及び(b)に例示された工程を行うことができる。図15(a)~(d)は、本発明の一実施形態による識別マークの形成過程を説明するための主な工程の平面図であって、図12の拡大された部分に該当する平面として理解することもできる。
【0093】
まず、図15(a)に示すように、ドライフィルムDFに格子を構成するラインパターンのための第1及び第2開口L1、L2を形成する。第1開口L1は回路ラインのための開口であり、第2開口L2は金属ラインのための開口である。
【0094】
続いて、図15(b)に示すように、2次元バーコードを構成するピクセルに該当する第3開口Mを形成する。第3開口Mは、金属パターンのための開口として提供されることができる。第1及び第2開口L1、L2は、薄い線幅を有するように実現されるのに対し、2次元バーコードを構成する第3開口Mは、比較的広い面積を有するため、LDI(laser direct imaging)を用いることにより第3開口Mのための露光工程を行うことができる。
【0095】
次に、図14g及び図15(c)を参照すると、パターニングされたドライフィルムDFを用いてメッキ工程を行い、ドライフィルムDFを除去することで、第2再配線層152及びマークMPを得ることができる。
【0096】
本工程により、同一の金属で第2再配線層152及びマークMPを形成することができる。マークMPは、複数の金属パターン152M、及び複数の金属パターン152Mを囲むように格子を構成するラインパターン152L、152Sを有することができ、ラインパターンのうちの少なくとも一つは、第2再配線層152に連結される回路ライン152Lを構成することができる。
【0097】
続いて、図14f及び図15(d)を参照すると、絶縁層132上に第2再配線層152及びマークMPを覆うように透明なパッシベーション層190(「第2パッシベーション層」とも呼ぶ)を形成することができる。
【0098】
第2再配線層152は、絶縁層132上にメッキ工程を用いることで形成されることができる。この過程では、開口130hに第2再配線ビア153が形成されて、第2再配線層152と第3配線層112cとを連結することができる。また、絶縁層132上に配置された第2再配線層152及びマークMPを覆うように第2パッシベーション層190を形成する。第2パッシベーション層190によってマークMPも覆われるが、第2パッシベーション層190は、透光性を有する樹脂(例えば、PID)を含むため、マークMPの視認性を確保することができる。
【0099】
次に、連結構造体140上に、必要に応じて、公知の方法を用いて第1パッシベーション層160、アンダーバンプ金属層170、及び電気連結金属180などを形成する。一方、このような一連の工程は、パネルのレベルで行われることができ、この場合、ダイシング工程を行うことで、一回の工程で多数の半導体パッケージ100を製造することができる。
【0100】
図16は本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
【0101】
図16を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100Aは、第2再配線層152を有する第2連結構造体150を除いて、図9図13に示された構造と類似したものと理解することができる。本実施形態の構成要素についての説明は、特に反対の記載がない限り、図9図13に示された半導体パッケージ100Aの同一又は類似の構成要素についての説明を参照することができる。
【0102】
本実施形態による半導体パッケージ100Aは、第1再配線層142を有する第1連結構造体140に加えて、第1連結構造体140の反対側に位置し、上記配線構造に連結される第2再配線層152a、152bを有する第2連結構造体150を含む。上記第2連結構造体150は、上記封止材130上に配置された第1絶縁層132と、上記第1絶縁層132上に配置された下部再配線層152aと、上記下部再配線層152a上に配置された第2絶縁層151と、上記下部再配線層152aと連結されるように上記第2絶縁層151上に配置された上部再配線層152bと、を含む。上記下部再配線層152aはそれぞれ、再配線ビア153aを介して各配線構造(特に、第3配線層112c)と連結されることができ、上記上部再配線層152bはそれぞれ、再配線ビア153bを介して下部再配線層152aと連結されることができる。
【0103】
かかる第2連結構造体150において、マークMPは、上記下部再配線層152a及び上部再配線層152bのうち少なくとも一つと同一のレベルに配置されることができる。
【0104】
本実施形態において、マークMPの金属パターン152Mは、上記上部再配線層152bとともに第2絶縁層151上に配置されることができる。第2絶縁層151上において金属パターン152Mの周りに上記金属パターン152Mとともに上部ラインパターン152L2を形成することができ、上部ラインパターン152L2の一部は、上記上部再配線層152bと連結されて回路ラインとして提供されることもできる。
【0105】
上記第2絶縁層151は、PIDのような透明な絶縁層である場合に視認性が確保されるため、本実施形態とは異なり、マークMPの金属パターン152Mは、第1絶縁層132上に形成されることもできる。一方、本実施形態のように、マークMPを第2絶縁層151に形成する場合には、マークの読み取り過程において、第1絶縁層132のマークMPと重なる領域でさらなるノイズが発生しないようにパターンの形成を制限する必要がある。例えば、上記第1絶縁層132の重なり領域に、下部再配線層152aと連結された回路ラインが上部ラインパターン152L2と重なるよう配置することで、ノイズの発生を抑制することができる。下部ラインパターン152L1と同様に、上部ラインパターン152L2の一部も上部再配線層152bと連結されて再配線回路の一部として提供される回路ラインを含むことができる。このように、下部ラインパターン152L1及び上部ラインパターン152L2のうち少なくとも一つは、第2再配線層152a、152bと連結される回路ラインを含むように構成することができる。
【0106】
図17(a)~(g)は、本実施形態による識別マークの形成過程を説明するための主な工程の平面図であって、下部ラインパターン152L1の一部を回路ラインとして構成する例が示されている。
【0107】
まず、図17(a)に示すように、第1ドライフィルムDF1に格子を構成する下部ラインパターンのための第1及び第2開口La、Lbを形成する。第1開口Laは回路ラインのための開口であり、第2開口Lbは金属ラインのための開口である。
【0108】
続いて、図17(b)に示すように、パターニングされた第1ドライフィルムDF1を用いてメッキ工程を行い、ドライフィルムDF1を除去することにより、第1絶縁層132上に下部再配線層152aと連結された回路ライン152L1、及び回路ライン152L1と分離された金属ライン152L0を提供することができる。
【0109】
次に、図17(c)に示すように、第1絶縁層132上に第2再配線層152及び下部ラインパターン152L1、152L0を覆うように第2絶縁層151を形成することができる。
【0110】
続いて、図17(d)に示すように、第2ドライフィルムDF2に格子を構成する上部ラインパターンのための開口Lcを形成する。本実施形態において、上部ラインパターンは回路ラインを含まないため、開口Lcが互いに連結されて格子状に構成されることができる。
【0111】
次に、図17(e)に示すように、第2ドライフィルムDF2に2次元バーコードを構成するピクセルのための開口Mをさらに形成することができる。かかる工程は、LDIを用いて行うことができる。
【0112】
続いて、図17(f)に示すように、パターニングされた第2ドライフィルムDF2を用いてメッキ工程を行い、第2ドライフィルムDF2を除去して金属パターン152M及び上部ラインパターン152L2を含むマークMPを得ることができる。
【0113】
次に、図17(g)に示すように、第2絶縁層151上に上部再配線層152b及びマークMPを覆うように透明な第2パッシベーション層190を形成することができる。
【0114】
図18は本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
【0115】
図18を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100Bは、フレーム110の配線構造の形を除いて、図9図13に示された構造と同様のものとして理解することができる。本実施形態の構成要素についての説明は、特に反対の記載がない限り、図9図13に示された半導体パッケージ100Aの同一又は類似の構成要素についての説明を参照することができる。
【0116】
本実施形態に採用されたフレーム110は、異なる構造を有し、それに応じ配線構造も変更することができる。具体的には、フレーム110は、第1絶縁層111aと、第1絶縁層111aの一面上に配置された第1配線層112aと、第1絶縁層111aの他面上に配置された第2配線層112bと、第1絶縁層111aの一面上に配置され、第1配線層112aの少なくとも一部を覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111bの第1配線層112aが埋め込まれた側の反対側の表面上に配置された第3配線層112cと、第1絶縁層111aの他面上に配置され、第2配線層112bの少なくとも一部を覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111cの第2配線層112bが埋め込まれた側の反対側の表面上に配置された第4配線層112dと、第1絶縁層111aを貫通し、第1及び第2配線層112a、112bを電気的に連結する第1配線ビア113aと、第2絶縁層111bを貫通し、第1及び第3配線層112a、112cを電気的に連結する第2配線ビア113bと、第3絶縁層111cを貫通し、第2及び第4配線層112b、112dを電気的に連結する第3配線ビア113cと、を含む。本実施形態に採用されたフレーム110は、より多くの数の第1~第4配線層112a、112b、112c、112dを有するため、連結構造体140の第1再配線層142をさらに簡素化することができる。
【0117】
第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cよりも厚さが厚くてもよい。第1絶縁層111aは、基本的に剛性を維持するために比較的厚くてもよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、より多くの配線層112c、112dを形成するために導入されたものであってもよい。第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cと異なる絶縁材料を含むことができる。例えば、第1絶縁層111aは、ガラス繊維のような芯材、無機フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであることができ、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、無機フィラー及び絶縁樹脂を含むABF又はPIDであることができるが、これに限定されるものではない。同様の観点から、第1絶縁層111aを貫通する第1配線ビア113aは、第2及び第3絶縁層111b、111cをそれぞれ貫通する第2及び第3配線ビア113b、113cよりも直径が大きくてもよい。また、第1配線ビア113aは、砂時計状又は円柱状を有するのに対し、第2及び第3配線ビア113b、113cは、互いに反対方向のテーパー状を有することができる。第1~第4配線層112a、112b、112c、112dの厚さは、第1再配線層142の厚さよりも厚くてもよい。
【0118】
図19は本発明の様々な実施形態による半導体パッケージを概略的に示す断面図である。
【0119】
図19を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100Cは、フレームを備えていない点、これにより、配線構造113の形態及びマークMPの形成位置が異なる点を除いて、図9図13に示された構造と同様のものとして理解することができる。本実施形態の構成要素についての説明は、特に反対の記載がない限り、図9図13に示された半導体パッケージ100Aの同一又は類似の構成要素についての説明を参照することができる。
【0120】
本実施形態による半導体パッケージ100Cでは、配線構造を備えたフレームを採用しない。すなわち、本実施形態に採用された配線構造113は、フレーム構造を有することなく、連結構造体140の第1再配線層142に連結され、上記封止材130の厚さ方向に延びた形態を有する。例えば、配線構造113は金属ポストであることができる。また、封止材130は、絶縁層を含まず、半導体チップ120を封止する封止領域だけで構成されることができる。第2再配線層152は、封止材130の表面に形成されて、上記配線構造113に連結されることができる。本実施形態に採用されたマークMPは、別の絶縁層がなく、封止材130の表面に第2再配線層152とともに直接形成されることができる。第2パッシベーション層190は、上述のように、透明な樹脂を含むことができる。封止材130は、非透明な樹脂、すなわち、不透明又は半透明な樹脂を含むことができる。
【0121】
本発明において、「下部、下側、下面」などとは、添付の図面の断面を基準に下に向かう方向を意味し、「上側、上部、上面」などとはその反対方向を意味する。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したもので、特許請求の範囲がこれらに限定されるものではないことは言うまでもなく、上/下の概念は変わり得る。
【0122】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0123】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0124】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。この際、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図14f
図14g
図14h
図15
図16
図17
図18
図19