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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】塗布具付き染毛料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
A45D34/04 510C
A45D34/04 540
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019116167
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021000335
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝
(72)【発明者】
【氏名】本間 菜摘
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-096815(JP,U)
【文献】実開平02-122605(JP,U)
【文献】特表2016-503713(JP,A)
【文献】特開2007-020793(JP,A)
【文献】特開2002-102786(JP,A)
【文献】特開2018-094055(JP,A)
【文献】実開昭58-138510(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0320763(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
染毛料を収容する容器本体と、前記容器本体に着脱可能に装着され前記染毛料を塗布するための染毛料塗布具と、を備えた塗布具付き染毛料容器であって、
前記染毛料塗布具は、
使用者に把持され前記容器本体に着脱可能に装着されるキャップと、
前記キャップに連結されて軸線方向に延び前記容器本体の内部に進入する軸体部と、
前記軸体部に外挿され回転可能且つ軸線方向移動不能に装着された回転部と、
前記回転部に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され前記染毛料を塗布するための筒状の塗布体と、を備え
前記軸体部は、
前記キャップに対して固定される固定部と、
前記回転部を回転可能且つ軸線方向移動不能に装着する回転支持部と、
前記固定部と前記回転支持部とを連結する連結部と、を備え、
前記回転部は、前記連結部側において外周面が前記連結部の外周面に連なるように外部に露出する露出部を備え、
前記容器本体は、前記連結部及び前記露出部並びに前記塗布体が扱き孔を通過する際に前記扱き孔の周縁部により余分な染毛料を扱き取る扱き部が設けられた扱き部材を有し、
前記連結部の外周面及び前記露出部の前記外周面に、軸線方向に延びる空気抜き溝がそれぞれ設けられている、
塗布具付き染毛料容器。
【請求項2】
前記塗布体の先端部は、ドーム形状になっていることを特徴とする請求項1記載の塗布具付き染毛料容器。
【請求項3】
前記連結部の前記空気抜き溝は、前記キャップを前記容器本体に装着した状態で、その一方側の端部が、前記扱き孔より前記固定部側に位置し、その他方側の端部が、前記扱き孔より前記容器本体の底部側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具付き染毛料容器。
【請求項4】
前記キャップを前記容器本体に装着する際に、前記連結部の前記空気抜き溝と前記露出部の前記空気抜き溝とが連通するように構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の塗布具付き染毛料容器。
【請求項5】
前記連結部の前記空気抜き溝及び前記露出部の前記空気抜き溝の端部は相手部側へ開放されており、
前記連結部の前記空気抜き溝又は前記露出部の前記空気抜き溝の何れか一方の空気抜き溝は、周方向に沿って複数が並設され、
前記連結部の前記空気抜き溝又は前記露出部の前記空気抜き溝の他方の空気抜き溝が前記何れか一方の空気抜き溝側へ面する端部の周方向の幅L1と、前記連結部の前記空気抜き溝又は前記露出部の前記空気抜き溝の前記何れか一方の空気抜き溝が前記他方の空気抜き溝側へ面する端部同士の周方向の離間間隔L2との関係は、L1>L2に設定されていることを特徴とする請求項記載の塗布具付き染毛料容器。
【請求項6】
前記回転部は、
前記回転支持部に外挿されると共に前記塗布体に内挿され、前記回転支持部に回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、且つ、前記連結部側の前記外周面が拡径された拡径部を有する回転筒体と、
前記回転筒体の前記拡径部及び前記塗布体に外挿され、前記拡径部に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着された前記露出部としての塗布体ホルダと、を備え、
前記塗布体は、前記回転筒体及び前記塗布体ホルダの少なくとも塗布体ホルダに、同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の塗布具付き染毛料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具付き染毛料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流動性を有する化粧用配合物などの配合物を収容した本体と、本体に取り外し可能に取り付けられるアプリケータ(塗布具)と、を備えた配合物包装体(配合物容器)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このアプリケータを備える配合物包装体では、アプリケータは、使用者に把持される把持部と、把持部から延びるアプリケータ主要部と、を有し、アプリケータ主要部の先端側には、アプリケータが本体に取り付けられた状態で本体内に進入し配合物に浸漬するスポンジから成る圧縮可能部分が設けられている。そして、使用にあたっては、アプリケータを本体から取り外し、使用者の顔などの所望の領域に圧縮可能部分を当て、当該圧縮可能部分に含浸された配合物を塗布できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-94055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、化粧用配合物を染毛料とし、毛髪を部分的に長い範囲に亘って染毛する場合、圧縮可能部分を染毛料に複数回浸漬させることが必要となるため、塗布の際の使い勝手を一層高めることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、染毛料を毛髪の長い範囲に亘って塗布する際に、使い勝手を高めることができる塗布具付き染毛料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による塗布具付き染毛料容器は、染毛料を収容する容器本体と、容器本体に着脱可能に装着され染毛料を塗布するための染毛料塗布具と、を備えた塗布具付き染毛料容器であって、染毛料塗布具は、使用者に把持され容器本体に着脱可能に装着されるキャップと、キャップに連結されて軸線方向に延び容器本体の内部に進入する軸体部と、軸体部に外挿され回転可能且つ軸線方向移動不能に装着された回転部と、回転部に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され染毛料を塗布するための筒状の塗布体と、を備え、軸体部は、キャップに対して固定される固定部と、回転部を回転可能且つ軸線方向移動不能に装着する回転支持部と、固定部と回転支持部とを連結する連結部と、を備え、回転部は、連結部側において外周面が連結部の外周面に連なるように外部に露出する露出部を備え、容器本体は、連結部及び露出部並びに塗布体が扱き孔を通過する際に扱き孔の周縁部により余分な染毛料を扱き取る扱き部が設けられた扱き部材を有し、連結部の外周面及び露出部の外周面に、軸線方向に延びる空気抜き溝がそれぞれ設けられている
【0007】
このような塗布具付き染毛料容器によれば、染毛料塗布具の軸体部に、回転部が外挿され回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、この回転部に、筒状の塗布体が同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着されるため、容器本体に収容された染毛料を、容器本体から取り出した染毛料塗布具により塗布する際に、塗布体及び回転部が軸体部に対して回転することになり、染毛料を毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布でき、使い勝手を高めることができる。また、染毛料を塗布体が含浸し膨張しても、塗布体は、軸体部に外挿された回転部に装着されているため、塗布体は、その回転が阻害されることなく円滑に回転し、染毛料を毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布でき、使い勝手を高めることができる。
【0008】
ここで、塗布体の先端部は、ドーム形状になっているのが好ましい。
【0009】
また、キャップを容器本体に装着する場合、連結部や露出部が扱き孔を通過する際に、扱き部と染毛料との間の空気が加圧状態になり、キャップを容器本体に装着しにくくなる場合があるが、上述のように、連結部及び露出部の外周面に、軸線方向に延びる空気抜き溝がそれぞれ設けられていると、露出部が扱き孔を通過する際に、扱き部と染毛料との間の空気は、露出部の外周面の空気抜き溝を通して容器本体外へ抜けることになる。また、連結部が扱き孔を通過する際に、扱き部と染毛料との間の空気は連結部の外周面の空気抜き溝を通して容器本体外へ抜けることになる。従って、キャップを容易に容器本体に装着できる。
【0010】
また、連結部の空気抜き溝は、キャップを容器本体に装着した状態で、その一方側の端部が、扱き孔より固定部側に位置し、その他方側の端部が、扱き孔より容器本体の底部側に位置していると、簡易な構成で、扱き部と染毛料との間の空気を確実に容器本体外へ抜くことができる。
【0011】
また、キャップを容器本体に装着する際に、連結部の空気抜き溝と露出部の空気抜き溝とが連通するように構成されていると、扱き部と染毛料との間の空気が容器本体外へ一層抜けやすくなり、キャップを一層容易に容器本体に装着できる。
【0012】
ここで、連結部の空気抜き溝と露出部の空気抜き溝とが連通する構成としては、具体的には、連結部の空気抜き溝及び露出部の空気抜き溝の端部は相手部側へ開放されており、連結部の空気抜き溝又は露出部の空気抜き溝の何れか一方の空気抜き溝は、周方向に沿って複数が並設され、連結部の空気抜き溝又は露出部の空気抜き溝の他方の空気抜き溝が何れか一方の空気抜き溝側へ面する端部の周方向の幅L1と、連結部の空気抜き溝又は露出部の空気抜き溝の何れか一方の空気抜き溝の他方の空気抜き溝側へ面する端部同士の周方向の離間間隔L2との関係は、L1>L2に設定されている構成が挙げられる。この構成によれば、連結部の空気抜き溝と露出部の空気抜き溝とが確実に連通することになる。
【0013】
また、上記作用を効果的に奏する構成としては、具体的には、回転部は、回転支持部に外挿されると共に塗布体に内挿され、回転支持部に回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、且つ、連結部側の外周面が拡径された拡径部を有する回転筒体と、回転筒体の拡径部及び塗布体に外挿され、拡径部に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着された露出部としての塗布体ホルダと、を備え、塗布体は、回転筒体及び塗布体ホルダの少なくとも塗布体ホルダに、同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され構成が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明によれば、染毛料を毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布でき、使い勝手を高めることができる塗布具付き染毛料容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る塗布具付き染毛料容器を示す縦断面図である。
図2図1中の扱き部材を示す正面図である。
図3】扱き部材を上方から見た斜視図である。
図4】扱き部材を下方から見た斜視図である。
図5】扱き部材の平面図である。
図6】扱き部材の縦断面図である。
図7図1中の染毛料塗布具を上方から見た斜視図である。
図8】染毛料塗布具の縦断斜視図である。
図9】染毛料塗布具の軸体部を上方から見た斜視図である。
図10】軸体部の正面図である。
図11】染毛料塗布具の回転部の回転筒体を上方から見た斜視図である。
図12】回転筒体の縦断斜視図である。
図13】染毛料塗布具の回転部の塗布体ホルダを上方から見た斜視図である。
図14】塗布体ホルダの縦断斜視図である。
図15】染毛料塗布具の塗布体を上方から見た斜視図である。
図16】塗布体の縦断斜視図である。
図17】本発明の第2実施形態に係る塗布具付き染毛料容器の染毛料塗布具を上方から見た斜視図であり、キャップを取り外した図である。
図18図17から塗布体を取り外した正面図である。
図19】本発明の第3実施形態に係る塗布具付き染毛料容器の染毛料塗布具の正面図であり、キャップ及び塗布体を取り外した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による塗布具付き染毛料容器の好適な実施形態について図1図19を参照しながら説明する。図1図16は、本発明の第1実施形態を、図17及び図18は、本発明の第2実施形態を、図19は、本発明の第3実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
先ず、図1図16に示す第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る塗布具付き染毛料容器を示す縦断面図、図2図6は、扱き部材を示す各図、図7及び図8は、染毛料塗布具を示す各図、図9及び図10は、染毛料塗布具の軸体部を示す各図、図11及び図12は、染毛料塗布具の回転部の回転筒体を示す各図、図13及び図14は、染毛料塗布具の回転部の塗布体ホルダを示す各図、図15及び図16は、染毛料塗布具の塗布体を示す各図である。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」は、図1に示す塗布具付き染毛料容器を基準とした方向とする。
【0018】
本実施形態の塗布具付き染毛料容器は、染毛料を収容し、当該染毛料を染毛料塗布具により毛髪に塗布するためのものである。なお、染毛料は、毛髪の部分染めや白髪染め等に用いるのに好適なものである。
【0019】
図1に示すように、塗布具付き染毛料容器100は、染毛料Lを収容する容器本体1と、容器本体1に着脱可能に装着され染毛料Lを塗布するための染毛料塗布具2と、を備える。
【0020】
容器本体1は概略、染毛料Lを収容するための収容部3と、収容部3の上部に一体に連設され当該収容部3に繋がる開口頚部4と、を備える。収容部3は、有底円筒状に構成されその内部に染毛料Lを収容し、開口頚部4は、収容部3より小径の円筒状に構成されて同軸に配置されると共に、収容部3の上端部の縮径する段差部(所謂肩部)5を介して繋がり、その筒内が収容部3内に連通する構成とされている。
【0021】
開口頚部4には、その外周面に、染毛料塗布具2を着脱自在に装着するための雄螺子7が形成されている。この開口頚部4には、扱き部材8が装着されている。
【0022】
図2図6に示すように、扱き部材8は、略有底円筒状を呈し、例えばゴム等の軟質材より形成されている。扱き部材8は、その上部に円環状の鍔部9を備え、図4図6に示すように、その底部の略中央に、後述の扱き孔12より小さい貫通孔40を備えている。貫通孔40からは、内外を連通する複数個(ここでは6個)のスリット(切れ目)10が放射状に延びている。
【0023】
扱き部材8の底部の貫通孔40の周縁部は、染毛料塗布具2の詳しくは後述する連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16(図1参照;容器本体1内に進入している染毛料塗布具2の外形を構成する部品)が通過する状態にあっては、これらの連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16により捲られるが、使用中(染毛料塗布具2を容器本体1から取り出し中)にあっては、閉じている(図4参照)。スリット10は、貫通孔40の周縁部が捲られることに寄与する。貫通孔40の周縁部でスリット10の中心側同士の間43は、塗布体16に捲られる際に当該塗布体16を傷付けないようにR形状とされている(図4及び図5参照)。
【0024】
扱き部材8の底部より上方の内周面で、容器本体1の段差部5と上下方向のほぼ同位置(図1参照)には、図5及び図6に示すように、扱き部11が軸心に向かって張り出すように設けられている。扱き部11の中央には、染毛料塗布具2の連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16が通過する扱き孔12が設けられている。扱き部11の扱き孔12の周縁部は、染毛料塗布具2の連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16に付着した余分な染毛料Lを扱き落とすためのものである。
【0025】
扱き部材8の上部の内周面には、図3図5及び図6に示すように、外側に向かってへこむ凹部41が、周方向に沿って複数個(ここでは5個)連続して設けられている。凹部41は、扱き部材8の上端において平面視円弧状に径方向外側にへこんでいる。凹部41を形成する平面視円弧状の上端縁44が、使用者が必要に応じて、塗布体16に付着した余分な染毛料Lを擦り付けて取る部分となる。これらの平面視円弧状の隣り合う上端縁44同士の間は、Rで繋がれている(図5参照)。
【0026】
凹部41は、図6に示すように、上端縁44に続き断面への字状に外側にへこむへこみ部45を有し、へこみ部45は、下方に行くに従って、浅くなっていくと共に周方向の幅が狭くなっていき、上端縁44から扱き部材8の高さの1/3程度の位置においてへこみがなくなり、扱き部材8の内周面と面一となっている。平面視円弧状の上端縁44は、塗布体16の外周面の円弧と同径若しくは少し小さくなっている。小さくした場合は、塗布体16に付着した余分な染毛料Lを、より擦り取りやすい。なお、ここでは、特に好ましいとして凹部41を複数個設けているが、1個でも良く、個数は限定されない。
【0027】
そして、図1に示すように、扱き部材8は、容器本体1の開口頚部4の上方から圧入され、その鍔部9が開口頚部4の上端面に当接した状態で、開口頚部4に装着されている。
【0028】
染毛料塗布具2は、使用者に把持され容器本体1に着脱可能に装着される把持部としてのキャップ13と、キャップ13に連結されて軸線方向に延び容器本体1の内部に進入する軸体部14と、軸体部14に外挿され回転可能且つ軸線方向移動不能に装着された回転部15と、回転部15に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され染毛料Lを塗布するための塗布体16と、を備える。
【0029】
キャップ13は、図1図7及び図8に示すように、有頂円筒状に構成され、その軸線方向中程の内周面に、開口頚部4の外周面の雄螺子7に螺合する雌螺子17を備えている。そして、図1に示すように、キャップ13は、その雌螺子17を雄螺子7に螺合することで、容器本体1に対して着脱自在に装着される。
【0030】
図1図8図10に示すように、軸体部14は、キャップ13に対して固定される固定部18と、回転部15を回転可能且つ軸線方向移動不能に装着する回転支持部19と、固定部18と回転支持部19との間に配置され当該固定部18と回転支持部19とを連結する連結部20と、を備えている。
【0031】
固定部18は、円筒形状を呈し、キャップ13内に圧入固定される。
【0032】
連結部20は、固定部18に段差部を介して連設され当該固定部18より縮径された円筒形状を呈し、下方へと延出している。連結部20の下端は、扱き部材8の底部より多少下方に位置している(図1参照)。
【0033】
回転支持部19は、連結部20に段差部37を介して連設され当該連結部20より縮径された丸棒状に構成され、下方へと延出している。回転支持部19は、段差部37に連設された基部21と、基部21に段差部22を介して連設され基部21より縮径された軸部23と、を備える。軸部23の先端部24は、段差部25を介して拡径され、下方に向かって凸となるように半球状に丸められている。すなわち、回転支持部19の先端部24の段差部25と段差部22との間には、径方向に凹設され軸線方向に延びる断面円環状の凹部36が形成されている。凹部36の深さ(図示左右方向の長さ)は、後述する回転筒体28の本体部32の径方向厚みとほぼ同程度となっている。そして、軸部23には、先端部24の先端から基部21側(図示上方)へ向かって2つ割りとするスリット26が所定長設けられている。
【0034】
また、軸部23の凹部36を形成する外周面には、姿勢制御リブ27が軸線方向に複数個離間して設けられている。姿勢制御リブ27は、円環状をなす突部であり、回転部15の姿勢を制御する(径方向に支持する)ものである。姿勢制御リブ27は、軸線方向に沿って等間隔に4個設けられ、下方の2個が、スリット26の外周側に位置している。姿勢制御リブ27は、断面半円状の突部とされているが、例えば断面3角形状等であっても良い。また、姿勢制御リブ27の個数は、4個に限定されるものではなく、複数個であれば良い。
【0035】
図1に示すように、回転部15は、内側の回転筒体28と、回転筒体28に装着された外側の塗布体ホルダ29と、を備える。
【0036】
図1図11及び図12に示すように、回転筒体28は、回転支持部19の基部21に外挿される円筒形状の基部30と、基部30に段差部31を介して連設され基部30より縮径されると共に回転支持部19の軸部23に外挿される円筒形状の本体部32と、を備える。換言すれば、回転支持部19の軸部23に外挿される円筒形状の本体部32の連結部20側に、段差部31を介して拡径された基部30が拡径部として形成されている。
【0037】
基部30の外周面には、塗布体ホルダ29を装着するための凹部33が円環状に設けられている。また、本体部32の外周面で基部30寄りの位置には、塗布体16を装着するための凸部34が円環状に設けられている。
【0038】
図1図13及び図14に示すように、塗布体ホルダ29は、円筒状に構成されて外部に露出する露出部であり、回転支持部19の1/3程度の長さを有する。塗布体ホルダ29の上部の内周面には、回転筒体28の基部(拡径部)30の凹部33に嵌合する凸部35が円環状に設けられている。また、塗布体ホルダ29の内周面で下端部寄りの位置には、断面鉤状の凸部39が、塗布体16を装着するものとして円環状に設けられている。
【0039】
図1に示す塗布体16は、ここでは、染毛料Lに対して特に好適であるとして、染毛料Lを含浸可能なスポンジが用いられている。図1図15及び図16に示すように、塗布体16は、回転筒体28と塗布体ホルダ29との間に挿入可能な円筒状に構成され、その先端部38は、軸部23の先端部24を密着して覆うドーム形状に構成されている。
【0040】
そして、図1に示すように、回転筒体28に塗布体ホルダ29が外挿され、回転筒体28の凹部33に塗布体ホルダ29の凸部35が嵌合することにより、塗布体ホルダ29が回転筒体28に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、回転部15が構成される。
【0041】
回転部15は、回転支持部19の軸部23のスリット26を狭めながら回転支持部19に外挿され、回転支持部19の先端部24の段差部25と段差部22との間の凹部36に、回転筒体28の先端から段差部31までの部分が収められることにより、回転筒体28(回転部15)が回転支持部19に軸線方向移動不能に装着される。この状態で、回転支持部19の複数の姿勢制御リブ27が回転筒体28の内周面に接触し、回転筒体28(回転部15)が回転支持部19に回転可能に装着される。また、塗布体ホルダ29と連結部20の外径はほぼ同一で、塗布体ホルダ29の外周面と連結部20の外周面とが軸線方向に連なるように(ほぼ面一となるように)構成されている。
【0042】
そして、塗布体16は、回転筒体28と塗布体ホルダ29との間に挿入され、そのドーム状の先端部38が、回転支持部19の軸部23の先端部24に密着した状態で、塗布体16の外周面に、塗布体ホルダ29の断面鉤状の凸部39が押し込まれると共に、塗布体16の内周面で凸部39より軸線方向上方にずれた位置に、回転筒体28の凸部34が押し込まれる。
【0043】
これらの塗布体ホルダ29の凸部39及び回転筒体28の凸部34により、塗布体16は、軸線方向に互い違いに圧縮され軸線方向から挟まれた状態で、回転部15に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着される。塗布体16は、この状態(初期状態:染毛料Lを含浸していない状態)で、露出している部分の外径は、塗布体ホルダ29の外径より小径とされている。なお、塗布体ホルダ29の円環状の凸部39や回転筒体28の円環状の凸部34を、周方向に離間する複数の突起(凸部)にすると、突起の各々が塗布体16に突き刺さった格好になり、塗布体16の回転部15に対する同期回転の確実性を一層高めることができる。
【0044】
そして、染毛料塗布具2のキャップ13が、容器本体1の開口頚部4に螺子7,17の螺合により装着されると、染毛料塗布具2の連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16が、扱き部材8の扱き孔12、スリット10を含む貫通孔40を通して容器本体1の収容部3内に進入し、塗布体ホルダ29の上部より下方部分及び塗布体16は、収容部3に収容されている染毛料Lに浸漬する。塗布体16は、染毛料Lに浸漬し染毛料Lを含浸すると膨張し、その外径は、塗布体ホルダ29の外径とほぼ同一となる。
【0045】
このように構成された塗布具付き染毛料容器100を使用する場合、図1に示す状態から、使用者は、キャップ13を把持し回しながら螺子7,17の螺合を解除していく。すると、染毛料塗布具2の連結部20及び塗布体ホルダ29並びに塗布体16が、扱き部材8のスリット10を含む貫通孔40、扱き孔12を通過し、扱き部11における扱き孔12の周縁部により、塗布体ホルダ29及び塗布体16の外周面に付着した余分な染毛料Lが扱き落とされる。
【0046】
ここで、使用者は、塗布体16の外周面に付着した染毛料Lをさらに取りたい場合には、塗布体16を扱き部材8の上端内周面の平面視円弧状の上端縁44(図5及び図6参照)に擦り付ける。すると、塗布体16のさらに取りたい染毛料Lは、上端縁44に擦り取られる。この上端縁44には、断面への字状のへこみ部45が続いているため、上端縁44で擦り取られた染毛料Lは、上方へ出ることなく、断面への字状の空間であるへこみ部45に円滑に垂れ流れ落ちていく。
【0047】
特に、本実施形態のように、塗布体16が軸線方向に長い場合、塗布体16の上部側の染毛料Lを擦り取る際に、染毛料塗布具2を少ししか傾けることができないため、その下に、断面への字状のへこみ部45が存在する上端縁44で擦り取るのが特に有効である。なお、上端縁44下のへこみ部45が存在せず、上端縁が上下方向に延びる鉛直内周面、又は、下方へ行くに従い軸線方向に向かって傾斜する傾斜内周面の場合には、塗布体16が軸線方向に長いと、塗布体16の上部側の染毛料Lを擦り取るのは難しく、うまく擦り取れない。
【0048】
そして、染毛料塗布具2を容器本体1から取り出している間にあっては、扱き部材8の底部のスリット10は閉じているため、容器本体1を倒しても、扱き部材8の底部を通して染毛料Lが流れ出てしまうことが妨げられている。
【0049】
使用者は、染毛料塗布具2を取り出したら、塗布体16を塗布したい毛髪の部分に当て、染毛料塗布具2を毛髪に沿って移行させる。すると、回転部15及び塗布体16が回転し、塗布体16に含浸している染毛料Lが毛髪に塗布されていく。
【0050】
このとき、回転支持部19の外周面に設けられ、回転部15の回転筒体28の内周面に接触する姿勢制御リブ27が、軸線方向に複数個離間して設けられているため、これらの姿勢制御リブ27により、回転部15はガタつかないようにその姿勢が制御され、回転部15に装着された塗布体16は、円滑に回転する。この塗布体16の回転により、染毛料Lが毛髪の長い範囲に亘って塗布される。
【0051】
塗布が終わったら、使用者は、染毛料塗布具2のキャップ13を、取り外し時とは逆方向に回しながら螺子7,17を螺合させていく。すると、染毛料塗布具2の塗布体16及び塗布体ホルダ29並びに連結部20が、扱き部材8のスリット10を含む貫通孔40、扱き孔12を通過し、塗布体16が染毛料Lに浸漬し、染毛料塗布具2が容器本体1に装着される。
【0052】
このように、本実施形態によれば、染毛料塗布具2の軸体部14に、回転部15が外挿され回転可能且つ軸線方向移動不能に装着され、この回転部15に、筒状の塗布体16が同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着されるため、容器本体1に収容された染毛料Lを、容器本体1から取り出した染毛料塗布具2により塗布する際に、塗布体16及び回転部15が軸体部14に対して回転することになり、染毛料Lを毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布でき、使い勝手を高めることができる。また、染毛料Lを塗布体16が含浸し膨張しても、塗布体16は、軸体部14に外挿された回転部15に装着されているため、塗布体16は、その回転が阻害されることなく円滑に回転し、染毛料Lを毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布でき、使い勝手を高めることができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、以下の作用・効果も奏する。すなわち、軸体部14の回転支持部19の外周面に、回転部15の回転筒体28の内周面に接触するように突出する姿勢制御リブ27が設けられ、この姿勢制御リブ27が、軸線方向に複数個離間して設けられているため、これらの姿勢制御リブ27により、回転部15はガタつかないようにその姿勢が制御される。このため、回転部15に装着された塗布体16は、円滑に回転し、染毛料Lを毛髪の長い範囲に亘って容易に塗布できる。また、軸線方向に離間する姿勢制御リブ27のみが回転部15の回転時の摩擦抵抗となるため、摩擦抵抗は低く、一層円滑に回転し、染毛料Lを毛髪の長い範囲に亘って一層容易に塗布できる。
【0054】
なお、本実施形態においては、より好適であるとして、塗布体16は、塗布体ホルダ29及び回転筒体28の両方に、同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着されているが、塗布体16は、塗布体ホルダ29及び回転筒体28の少なくとも塗布体ホルダ29に、同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着されていれば良い。また、その装着手段は、例えば接着等の他の手段であっても勿論良い。
【0055】
図17は、本発明の第2実施形態に係る塗布具付き染毛料容器の染毛料塗布具を上方から見た斜視図であり、キャップを取り外した図、図18は、図17から塗布体を取り外した正面図である。
【0056】
この第2実施形態の染毛料塗布具が第1実施形態の染毛料塗布具と違う点は、連結部20の外周面及び回転部15の塗布体ホルダ(露出部)29の外周面に、軸線方向に延びる空気抜き溝50,51をそれぞれ設けた点である。連結部20の空気抜き溝50は、上下方向に沿って周方向同一幅とされ、周方向に沿って複数個(ここでは6個)が等間隔に離間して設けられている。塗布体ホルダ29の空気抜き溝51は、上下方向に沿って周方向同一幅で且つ連結部20の空気抜き溝50の幅よりも狭くされ、周方向に沿って連結部20の空気抜き溝50より多数が等間隔に並設されている。
【0057】
連結部20の空気抜き溝50は、図1を参照すれば、キャップ13を容器本体1に装着した状態で、その上端部(一方側の端部)52が、扱き孔12より固定部18側に位置し、その下端部(他方側の端部)53が、扱き孔12より容器本体1の底部側に位置している。また、図17及び図18に示すように、連結部20の空気抜き溝50の下端部53は、相手部である塗布体ホルダ29側へ開放され、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51の上端部56は、相手部である連結部20側へ開放されている。
【0058】
連結部20の空気抜き溝50が塗布体ホルダ29の空気抜き溝51側へ面する下端部53の周方向の幅L1と、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51が連結部20の空気抜き溝50側へ面する上端部56,56同士の周方向の離間間隔L2との関係は、L1>L2に設定されている。すなわち、固定側となる連結部20の空気抜き溝50と回転側となる塗布体ホルダ29の空気抜き溝51とは、必ず上下方向に連通するようになっている。
【0059】
ここで、空気抜き溝50,51が設けられていないとすると、図1を参照すれば、キャップ13を容器本体1に装着する場合、連結部20や塗布体ホルダ29が扱き孔12を通過する際に、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気が加圧状態になり、キャップ13を容器本体1に装着しにくくなる場合がある。しかしながら、本実施形態においては、連結部20及び塗布体ホルダ29の外周面に、軸線方向に延びる空気抜き溝50,51がそれぞれ設けられているため、塗布体ホルダ29が扱き孔12を通過する際に、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気は、塗布体ホルダ29の外周面の空気抜き溝51を通して容器本体1外へ抜けることになる。また、連結部20が扱き孔12を通過する際に、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気は連結部20の外周面の空気抜き溝を50通して容器本体1外へ抜けることになる。従って、キャップ13を容易に容器本体1に装着できる。
【0060】
また、連結部20の空気抜き溝50は、キャップ13を容器本体1に装着した状態で、その上端部52が、扱き孔12より固定部18側に位置し、その下端部53が、扱き孔12より容器本体1の底部側に位置しているため、簡易な構成で、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気を確実に容器本体1外へ抜くことができる。
【0061】
また、連結部20の空気抜き溝50が塗布体ホルダ29の空気抜き溝51側へ面する下端部53の周方向の幅L1と、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51が連結部20の空気抜き溝50側へ面する上端部56,56同士の周方向の離間間隔L2との関係は、L1>L2に設定されているため、キャップ13を容器本体1に装着する際に、連結部20の空気抜き溝50と塗布体ホルダ29の空気抜き溝51とが連通することになり、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気が容器本体外へ一層抜けやすくなり、キャップ13を一層容易に容器本体1に装着できる。
【0062】
図19は、本発明の第3実施形態に係る塗布具付き染毛料容器の染毛料塗布具の正面図であり、キャップ及び塗布体を取り外した図である。
【0063】
この第3実施形態の染毛料塗布具が第2実施形態の染毛料塗布具と違う点は、塗布体ホルダ29において、上下方向に沿って周方向同一幅の空気抜き溝51に代えて、その上部54の周方向の幅が、上部54より下の周方向の幅より拡径された空気抜き溝55を用い、この空気抜き溝55の個数を、第2実施形態の空気抜き溝51より少なくした点である。上部54は、ここでは、上部に行くに従い台形を逆さにした形状で拡径している。
【0064】
連結部20の空気抜き溝50が塗布体ホルダ29の空気抜き溝55側へ面する下端部53の周方向の幅L1と、塗布体ホルダ29の空気抜き溝55が連結部20の空気抜き溝50側へ面する上端部57,57同士の周方向の離間間隔L2との関係は、L1>L2に設定されている。また、塗布体ホルダ29の空気抜き溝55の上部54を除く部分同士の周方向の離間間隔L3は、連結部20の空気抜き溝50の周方向の幅L1より大きくなっている。このような構成であっても、固定側となる連結部20の空気抜き溝50と回転側となる塗布体ホルダ29の空気抜き溝55とは、必ず上下方向に連通することになる。
【0065】
このような第3実施形態にあっても、第2実施形態と同様な作用・効果を奏するというのはいうまでもない。
【0066】
なお、上記第2、第3実施形態においては、連結部20に空気抜き溝50を、塗布体ホルダ29に空気抜き溝51,55を設けているが、それとは逆に、連結部20に空気抜き溝51,55を、塗布体ホルダ29に空気抜き溝50を設けるようにしても良い。
【0067】
また、上記第2、第3実施形態あっては、特に空気抜きの効果が高いとして、連結部20の空気抜き溝50と、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51,55とを連通するようにしているが、連通していなくても良い。この場合、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気(図1参照)は、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51,55を抜けた後、塗布体ホルダ29の上端面と連結部20の下端面との間の隙間を周方向に回り込み、連結部20の空気抜き溝50から容器本体1外へ抜けることになる。従って、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51,55、連結部20の空気抜き溝50のそれぞれの個数は限定されるものではなく、連結部20又は塗布体ホルダ29の何れか一方に複数あれば良い。また、空気抜きの効果が高いとして、塗布体ホルダ29の空気抜き溝51,55は、固定部18側(上方)へ開放され、連結部20の空気抜き溝50は、容器本体1の底部側(下方)へ開放されているが、開放されていなくても良い。この場合、空気抜き溝50、51,55同士の上下方向の離間間隔を、扱き部11と染毛料Lとの間Sの空気が加圧状態になりキャップ13を容器本体1に装着しにくくなる範囲外に設定するのが好ましい。
【0068】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、塗布体16をスポンジとしているが、スポンジ以外の他の発泡体でも良い。また、塗布体16は、樹脂材にフロッキー植毛したものや、ゴム材にフロッキー植毛したもの等であっても良い。
【0069】
また、上記実施形態においては、回転支持部19の外周面に、回転筒体28の内周面に接触する姿勢制御リブ27を設けているが、これとは逆に、回転筒体28の内周面に、回転支持部19の外周面に接触する姿勢制御リブを設けても良い。
【0070】
また、上記実施形態においては、回転部15が、回転筒体28及び塗布体ホルダ29を備えているが、回転筒体28のみとすることもできる。この場合には、回転筒体28に塗布体16を例えば接着や係止等により同期回転可能且つ軸線方向移動不能に装着することになる。また、この場合、回転筒体28の基部30の外周面は、軸体部14の連結部20の外径とほぼ同一径に拡径されることになる。すなわち、この拡径された基部30が、連結部20側において外部に露出する露出部となり、この露出部の外周面に、空気抜き溝が設けられることになる。
【符号の説明】
【0071】
1…容器本体、2…染毛料塗布具、8…扱き部材、11…扱き部、12…扱き孔、13…キャップ、14…軸体部、15…回転部、16…塗布体、18…固定部、19…回転支持部、20…連結部、28…回転筒体、29…塗布体ホルダ(露出部)、30…基部(拡径部)、38…先端部、50、51,55…空気抜き溝、52…一方側の端部、53…他方側の端部、100…塗布具付き染毛料容器、L…染毛料。
図1
図2
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