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▶ ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】オイルポンプ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/72 20060101AFI20230622BHJP
   F16H 57/032 20120101ALI20230622BHJP
   F16H 3/54 20060101ALI20230622BHJP
   F04B 53/00 20060101ALI20230622BHJP
   F04B 9/02 20060101ALI20230622BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20230622BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20230622BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20230622BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
F16H3/72 A
F16H57/032
F16H3/54
F04B53/00 J
F04B9/02 A
H02K7/116
H02K7/14 B
H02K5/08 A
H02K5/173 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020505422
(86)(22)【出願日】2018-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2018067799
(87)【国際公開番号】W WO2019025100
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】102017213412.7
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン ポーンレイン
(72)【発明者】
【氏名】インゴ リッペンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シュミーダー
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0269653(US,A1)
【文献】国際公開第2017/055579(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105099045(CN,A)
【文献】特開2014-173722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/00
F16H 57/00
F04B 53/00
F04B 9/00
H02K 5/00
H02K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルポンプ駆動軸(AN)と、電気モータと、遊星歯車セット(RS)と、を備えるオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記遊星歯車セット(RS)は、第1要素(E1)、第2要素(E2)、および第3要素(E3)を備え、
前記第1要素(E1)は、前記電気モータのロータ(R)と接続され、
前記第2要素(E2)は、前記オイルポンプ駆動軸(AN)と接続され
前記第3要素(E3)は、前記オイルポンプ駆動装置(1)の外部に位置する駆動源によって駆動可能であり、
前記遊星歯車セット(RS)を支持するために、ハウジング(G)が備えられ、前記ハウジング(G)には、少なくとも1つの第1軸受(L1)が支承され、前記軸受(L1)を用いて、前記遊星歯車セット(RS)の少なくとも1つの要素(E1)が径方向に支持され、
前記電気モータのステータ(S)は、プラスチック材料(K)に少なくとも部分的に囲まれ、前記ステータ(S)が、前記プラスチック材料(K)を介して前記ハウジング(G)に前記オイルポンプ駆動軸(AN)の軸線方向の端面で固定されており、
前記オイルポンプ駆動装置(1)はエンドプレート(P)を備え、前記エンドプレート(P)が前記ステータ(S)の相接続部へのインターフェイス(AC)を備えており、
前記ステータ(S)は、前記ハウジング(G)と前記エンドプレート(P)との間に配置されていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、
前記ステータ(S)は前記プラスチック材料(K)に部分的にのみ囲まれており、前記ステータ(S)の積層鉄心および/または巻線ヘッドが部分的に露出している、または、
前記ステータ(S)が、接続端部を除いて、前記プラスチック材料(K)で完全に囲まれていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記ロータ(R)および前記ステータ(S)は、前記ハウジング(G)から突出することを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記ロータ(R)は、前記第1軸受(L1)および第2軸受(L2)を用いて支持され、前記第2軸受(L2)は前記プラスチック材料(K)に支承されていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項5】
請求項4に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記第1軸受(L1)または前記第2軸受(L2)はフリーホイールであることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項6】
請求項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記ロータ(R)の回転数を検出するように設定された回転数センサ(RE)は、前記エンドプレート(P)に固定されていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項7】
請求項1又は6に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記エンドプレート(P)は前記プラスチック材料(K)と共に、複数のねじ(B)を用いて前記ハウジング(G)に固定され、前記ねじ(B)は前記ステータ(S)の周囲に沿って分布されていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項8】
請求項1~の何れか一項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記オイルポンプ駆動装置(1)は電子制御ユニット(E)を備え、前記電子制御ユニット(E)が、前記ハウジング(G)および/または前記プラスチック材料(K)に固定されて、前記電気モータを制御するように設定されていることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項9】
請求項1,6,7の何れか一項を引用する請求項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記制御ユニット(E)は更なるインターフェイス(AC‐E)を備え、前記更なるインターフェイス(AC‐E)は、前記エンドプレート(P)に配置された前記インターフェイス(AC)と協働することを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項10】
請求項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記インターフェイス(AC)および前記更なるインターフェイス(AC‐E)は、プラグ接続を構成することを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)であって、前記遊星歯車セット(RS)において、前記第1要素(E1)は太陽歯車であり、前記第2要素(E2)は遊星キャリアであり、前記第3要素(E3)は内歯歯車であることを特徴とする、オイルポンプ駆動装置(1)。
【請求項12】
自動車用の変速機であって、前記変速機が、請求項1~11の何れか一項に記載のオイルポンプ駆動装置(1)を備えることを特徴とする、変速機。
【請求項13】
請求項12に記載の変速機であって、前記オイルポンプ駆動装置(1)は、前記変速機の油圧制御ユニット(HY)に固定されていることを特徴とする、変速機。
【請求項14】
請求項13に記載の変速機であって、前記オイルポンプ駆動軸(AN)はオイルポンプ(P)と接続され、前記オイルポンプ(P)は前記油圧制御ユニット(HY)の内部に配置されていることを特徴とする、変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルポンプ駆動軸と、電気モータと、遊星歯車セットと、を備えるオイルポンプ駆動装置に関する。さらに本発明は、そうしたオイルポンプ駆動装置を備える自動車変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願公開第2010/142042号は、車両用ポンプシステムを開示する。ポンプシステムは、ハウジングと、電気機械と、コントローラと、遊星歯車セットと、ポンプと、を備える。ハウジングは、電気機械と、ポンプと、コントローラと、を包囲する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際特許出願公開第2010/142042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来技術において既知のポンプシステムを、さらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、記載、および図から明らかとなる。
【0006】
オイルポンプ駆動軸と、電気モータと、遊星歯車セットと、を備えるオイルポンプ駆動装置が提案される。遊星歯車セットは、第1、第2、および第3要素を備える。遊星歯車セットの第1要素は、電気モータのロータと接続されている。遊星歯車セットの第2要素は、オイルポンプ駆動軸と接続されている。遊星歯車セットの第3の要素は、オイルポンプ駆動装置の外部に配置された駆動源によって駆動可能である。そうした構造によって、オイルポンプ駆動軸を、電気モータおよび/または駆動源によって駆動することができる。
【0007】
ハウジングは、遊星歯車セットに割り当てられている。ハウジングには、少なくとも1つの第1軸受が支承されている。第1軸受を用いて、遊星歯車セットの少なくとも1つの要素が、例えば遊星歯車セットの太陽歯車が径方向に支持されている。
【0008】
本発明により、電気モータのステータは、プラスチック材料に少なくとも部分的に囲まれている。ステータが、プラスチック材料を介して遊星歯車セットのハウジングに固定されている。したがって、ステータは独自のハウジングを備えない。これによって、オイルポンプ駆動装置の外径を、特に小さく保つことができる。したがって、独自のハウジングを有する解決策と比較すると、電気モータをより大きく構成することができる。その結果、オイルポンプを駆動するために利用可能な動力を高めることができる。
【0009】
好適には、ステータは、プラスチック材料に部分的にのみ囲まれており、ステータの積層鉄心および/または巻線ヘッドが部分的に露出している。これによって、ステータが、例えばオイル冷却の形態で良好に冷却されることを保証することができる。さらに、外形寸法が小さく保たれる。これに対して代替的に、ステータを、接続端部を除いて、プラスチック材料で完全に囲んでもよい。
【0010】
好適には、ロータおよびステータは、ハウジングから突出する。換言すると、ロータおよびステータの両方が、ハウジングに包囲されておらず、ハウジングの端部から突出する。これによって、幾何学的に細い構造を保証することができる。この場合、ロータおよびステータとは、特に電磁的にアクティブな要素、すなわち、例えばステータの積層鉄心および巻線ヘッド、または、場合に応じて固定された磁石を備えるロータの積層鉄心、と理解される。ステータを囲むプラスチック材料は、部分的にハウジング内に突出することができる。
【0011】
好適な一実施形態により、電気モータのロータRは、第1軸受L1および第2軸受L2を用いて、回転可能に支持されている。さらに、第2軸受はプラスチック材料に支承されている。この場合、好適には、支承はプラスチック材料に挿入された軸受ブッシュを介して行われる。この場合、好適には、第1または第2軸受はフリーホイールとして構成されている。
【0012】
好適な一実施形態により、オイルポンプ駆動装置はエンドプレートを備える。エンドプレートは、ステータの相接続部への、すなわちステータの接続端部へのインターフェイスを備える。さらに、ロータの回転数を検出するように設定された回転数センサを、エンドプレートに固定することができる。したがって、エンドプレートは、ステータの電気的インターフェイスとして、かつ回転数センサのキャリアとして機能する。
【0013】
好適には、ステータは、ハウジングとエンドプレートとの間に配置されている。好適な一実施形態により、エンドプレートはプラスチック材料と共に、複数のねじを用いてハウジングに固定されている。ねじは、ステータの周囲に沿って分布されている。ステータがハウジングとエンドプレートとの間に配置されている場合、ステータは、ねじを用いて、ハウジングとエンドプレートとの間にクランプされていることが好適である。例えば、3本のねじを固定用に使用することができる。
【0014】
好適には、オイルポンプ駆動装置は、電気モータを制御するように設定された電子制御ユニットを備える。電子制御ユニットは、ハウジングおよび/またはプラスチック材料に固定されている。制御ユニットは、更なるインターフェイスを備えることができる。更なるインターフェイスは、例えばプラグ接続の形態で、エンドプレートに配置されたインターフェイスと協働する。好適には、両方のインターフェイスは、回転数センサの信号も電子制御ユニットに伝送可能である。
【0015】
好適には、遊星歯車セットにおいて、第1要素は遊星歯車セットの太陽歯車によって、第2要素は遊星歯車セットの遊星キャリアによって、第3要素は遊星歯車セットの内歯歯車によって構成される。このように、第3要素が、例えば平歯車駆動装置またはチェーンドライブを介して、特に容易に駆動源にアクセス可能である。さらに、第1要素を遊星歯車セットの太陽歯車に割り当てることによって、遊星キャリアに割り当てる場合よりも、電気モータの負荷がより低くなる。
【0016】
オイルポンプ駆動装置は、自動車変速機の構成部分とすることができる。例えば、オイルポンプ駆動装置を油圧制御ユニットに固定することができる。油圧制御ユニットは、複数の油圧弁を備える。複数の油圧弁を用いて、変速機の油圧アクチュエータが制御される。オイルポンプ駆動軸と接続されたオイルポンプは、油圧制御ユニットの内部に、特に油圧制御ユニットのハウジングの内部に配置することができる。
【0017】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、以下に詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるオイルポンプ駆動装置の断面図である。
図2】本発明によるオイルポンプ駆動装置の等角図である。
図3】本発明によるオイルポンプ駆動装置の等角図である。
図4】本発明によるオイルポンプ駆動装置を、変速機の油圧制御ユニットと共に示す側面図である。
図5】本発明によるオイルポンプ駆動装置を備える自動車変速機の概略図である。
図6】本発明によるオイルポンプ駆動装置を備える自動車変速機の概略図である。
図7】本発明によるオイルポンプ駆動装置を備える自動車変速機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明によるオイルポンプ駆動装置1の断面図を示す。オイルポンプ駆動装置1は、オイルポンプ駆動軸ANと、遊星歯車セットRSと、ハウジングGと、電気モータと、を備える。遊星歯車セットRSは、第1要素E1と、第2要素E2と、第3要素E3と、を備える。第1要素E1は、遊星歯車セットRSの太陽歯車に割り当てられている。第2要素E2は、遊星歯車セットRSの遊星キャリアに割り当てられている。第3要素E3は、遊星歯車セットRSの内歯歯車に割り当てられている。複数の遊星歯車は、遊星キャリア上に回転可能に支持されている。遊星歯車は、太陽歯車および内歯歯車の両方と噛み合う。
【0020】
遊星歯車セットRSの第1要素E1、すなわち太陽歯車は、電気モータのロータRと接続されている。遊星歯車セットRSの第2要素E2、すなわち遊星キャリアは、オイルポンプ駆動軸ANと接続されている。遊星歯車セットRSの第3要素E3、すなわち内歯歯車は、オイルポンプ駆動装置1の外部に位置する駆動源によって駆動可能である。この目的のために、オイルポンプ駆動装置1は、遊星歯車セットRSの第3要素E3、すなわち内歯歯車と接続された外歯Vを備える。第3要素E3を、外歯Vを介して、例えば歯車又はチェーンを介して、外部から駆動することができる。
【0021】
ハウジングGは、遊星歯車セットRSを支持するために、遊星歯車セットRSに割り当てられている。ハウジングGには、第1軸受L1が支承されている。第1軸受L1を用いて、遊星歯車セットRSの第1要素E1、すなわち太陽歯車が、回転可能に支持されている。太陽歯車は、ロータ軸RWを介して支持される。ロータ軸RWは、電気モータのロータRおよび太陽歯車と、相対回転不能に接続されている。太陽歯車は、第1軸受L1を用いて径方向に支持されている。ハウジングGには、更なる軸受L3も支承されている。軸受L3を用いて、遊星歯車セットRSの内歯歯車が支持されている。ハウジングGは、遊星歯車セットRSを少なくとも部分的に包囲する。
【0022】
電気モータのステータSは、プラスチック材料Kに部分的に囲まれている。図1に示す実施形態において、ステータSの積層鉄心は部分的に露出しており、すなわち、ラスチック材料Kに囲まれていない。ステータSは、プラスチック材料Kの内部に固定され、プラスチック材料Kを介してハウジングGに固定されている。この目的のために、オイルポンプ駆動装置1は複数のねじBを備える。その自由端はねじ山を備える。ねじ山は、ハウジングG内に形成されたねじ山と協働する。スリーブHは、プラスチック材料Kに配置されている。ねじBは、それぞれ、スリーブHに導かれている。したがって、ロータRおよびステータSは、独自のハウジングを備えず、ハウジングGから突出する。
【0023】
ロータRは、第1軸受L1および第2軸受L2を用いて、回転可能に支持されている。第2軸受L2は、軸受スリーブL2Hを介してプラスチック材料Kで支承されている。第2軸受L2の径方向内側には、エンコーダRE2が配置されている。エンコーダRE2は、ロータ軸RWと相対回転不能に接続されている。エンコーダRE2は、ロータRの回転数を検出するように設定された回転数センサREと協働する。回転数センサREは、エンドプレートPに固定されている。ねじBを用いてプラスチック材料KがハウジングGとエンドプレートPとの間にクランプされることによって、エンドプレートPがプラスチック材料Kと共に、ハウジングGに固定されている。
【0024】
図2は、本発明によるオイルポンプ駆動装置1の等角図を示す。図2では、図1には示されないハウジングGのフランジ部Fが示される。オイルポンプ駆動装置1を、例えば、ねじ接続を用いてフランジ部Fを介して固定することができる。
【0025】
エンドプレートPには、インターフェイスACが配置されている。相インターフェイスACは、ステータSの相接続部への電気的インターフェイスとして機能する。オイルポンプ駆動装置1は、ハウジングGに固定された制御ユニットEを備える。これに対して代替的に、制御ユニットEをプラスチック材料Kに固定することができる。制御ユニットEは、電気モータを制御するように設定されている。制御ユニットEが、ここでは例えばプラグ接続の形態でインターフェイスACと協働する、更なるインターフェイスAC‐Eを備える。さらに回転数センサREの信号も、プラグ接続を介して制御ユニットEに伝送される。
【0026】
図3は、本発明によるオイルポンプ駆動装置1の更なる等角図を示す。図3は、ハウジングGに切り欠き部Aがあることを、明確に示している。切り欠き部Aは、図2および図3には示されていない外歯Vにアクセスする役割を果たす。切り欠き部Aを通して、例えば、遊星歯車セットRSの第3要素E3を駆動させるチェーンドライブを導くことができる。これに対して代替的に、切り欠き部Aを通して、外歯Vを歯車へアクセス可能にすることができる。
【0027】
図3からは、特に、ステータSを部分的に包囲するプラスチック材料KがハウジングGから突出していることが明らかである。これによって、オイルポンプ駆動装置1は、外形寸法が特に小さくなる。
【0028】
図4は、本発明によるオイルポンプ駆動装置1を、油圧制御ユニットHYと共に示す側面図である。オイルポンプ駆動装置1は、例えば、ねじ接続を用いて、オイルポンプ駆動装置1のフランジ部Fを介して油圧制御ユニットHYに固定されている。図4には示されていないオイルポンプ駆動軸ANは、油圧制御ユニットHYの内部に配置されたオイルポンプPと接続されている。このようにして、オイルポンプ駆動装置1と油圧制御ユニットHYとの組み合わせの、特にコンパクトな構造を構成可能である。
【0029】
図5は、自動車用の変速機の概略図を示す。変速機は、ハウジングGG内に、駆動軸GW1と、出力軸GW2と、変速機歯車セットGRSと、を備える。変速機歯車セットGRSは、図5には示されていないシフト要素が油圧的に作動されることによって、駆動軸GW1と出力軸GW2との間で異なる変速比を調整するように設定されている。シフト要素に圧力を供給するために、変速機は本発明によるオイルポンプ駆動装置1を備える。オイルポンプ駆動装置1は、油圧制御ユニットHYと接続されている。油圧制御ユニットHYは、図5には示されていない複数の弁を備える。油圧制御ユニットHYが、油圧ラインH1、H2を介して、変速機歯車セットGRSと、またはその中に位置するシフト要素と接続されている。3つ以上の油圧ラインを備えてもよい。油圧制御ユニットの内部には、オイルポンプPが配置されている。オイルポンプPを駆動することによって、油圧制御ユニットHYの弁にオイルを搬送することができる。
【0030】
オイルポンプPは、一方ではオイルポンプ駆動装置1の電気モータによって駆動され、他方では駆動軸GW1によって駆動される。この目的のために、駆動軸GW1は、チェーンドライブKTおよび外歯Vを介して、オイルポンプ駆動装置1の遊星歯車セットRSの第3要素E3と接続されている。駆動軸GW1は、駆動軸GW1と接続された変速機外の内燃機関を用いて、または任意選択的に電気機械EM2を用いて駆動される。電気機械EM2のロータは、駆動軸GW1と接続されている。電気機械EMは、例示的に、変速機ハウジングGGの内部に配置されている。これに対して代替的に、電気機械EM2を変速機ハウジングGGの外部に配置することができる。
【0031】
オイルポンプPが駆動軸GW1を用いて駆動される場合には、遊星歯車セットRSを介して動力を伝達することができるように、遊星歯車セットRSに支持トルクを加えなければならない。支持トルクは、例えば、フリーホイールを介して、またはオイルポンプ駆動装置1の電気モータを用いて供給することができる。
【0032】
図6は、本質的に図5に示す変速機に対応する、自動車用の変速機の概略図を示す。変速機は分離クラッチK0を備える。この分離クラッチK0を用いて、駆動軸GW1を変速機の連結軸AN2から、切り換え可能な状態で分離することができる。したがって電気機械EM2は、連結軸AN2と接続された内燃機関を引きずることなく、駆動軸GW1を駆動することができる。
【0033】
さらに図6の変速機は、駆動軸GW1からオイルポンプ駆動装置1への動力伝達の点で異なる。チェーンドライブKTの代わりに、ここでは平歯車駆動装置STが備えられている。変速機ハウジングGGに回転可能に支承された平歯車駆動装置STの中間歯車は、一方では駆動軸GW1と接続された歯車と噛み合い、他方では、オイルポンプ駆動装置1の遊星歯車セットRSの第3要素E3と接続された外歯Vと噛み合う。
【0034】
図7は、本質的に図6に示す変速機に対応する、自動車用の変速機の概略図を示す。この場合、変速機はトルクコンバータWを備える。トルクコンバータWのポンプ側は駆動軸GW1と接続され、トルクコンバータWのタービン側は変速機歯車セットGRSの入力部と接続されている。ポンプ側とタービン側とを、ロックアップクラッチWKを閉じることによって、相互接続することができる。
【0035】
図5乃至図7に記載された変速機の変形例は、単に例示的なものとみなされるべきである。各変形例は、分離クラッチK0および/または電気機械EM2なしで実現することができる。変速機歯車セットGRSは、ギヤ段を形成するために、複数の遊星歯車セットおよび/または1つ以上の副軸システムを使用することができる。オイルポンプ駆動装置1は、多様な変速機設計において、例えばフルオートマチック変速機、セミオートマチック変速機、またはデュアルクラッチ式変速機において使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 オイルポンプ駆動装置
AN オイルポンプ駆動軸
RS 遊星歯車セット
E1 第1要素
E2 第2要素
E3 第3要素
V 外歯
S ステータ
R ロータ
RW ロータ軸
K プラスチック材料
G ハウジング
F フランジ部
A 切り欠き部
L1 第1軸受
L2 第2軸受
L2H 軸受スリーブ
L3 更なる軸受
P エンドプレート
B ねじ
H スリーブ
AC インターフェイス
AC2 更なるインターフェイス
RE 回転数センサ
RE2 エンコーダ
E 電子制御ユニット
HY 油圧制御ユニット
P オイルポンプ
GW1 駆動軸
GW2 出力軸
GRS 変速機歯車セット
H1、H2 油圧ライン
EM2 電気機械
KT チェーンドライブ
ST 平歯車駆動装置
AN 連結軸
K0 分離クラッチ
W トルクコンバータ
WK ロックアップクラッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7