IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-送風装置 図1
  • 特許-送風装置 図2
  • 特許-送風装置 図3
  • 特許-送風装置 図4
  • 特許-送風装置 図5
  • 特許-送風装置 図6
  • 特許-送風装置 図7
  • 特許-送風装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04F 5/20 20060101AFI20230623BHJP
   F04F 5/44 20060101ALI20230623BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
F04F5/20 E
F04F5/44 C
F04D25/08 302A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018179599
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020051297
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】田井 泰
(72)【発明者】
【氏名】勝又 慎介
(72)【発明者】
【氏名】山下 達也
(72)【発明者】
【氏名】吉川 宏
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-003596(JP,A)
【文献】特開2008-185279(JP,A)
【文献】特開2014-025629(JP,A)
【文献】特開2017-115629(JP,A)
【文献】実開昭61-027039(JP,U)
【文献】米国特許第04653384(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/20
F04F 5/44
F04D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口を設けた略箱形状の筐体と、
前記筐体の天面から上方へ延び、前記筐体の左右方向における一方側に配置された第1のノズルと、
前記筐体の天面から上方へ延び、前記筐体の左右方向における他方側に配置された第2のノズルと、
前記筐体内に設けた高圧空気発生部とを備え、
前記第1のノズルは、前記筐体の前後方向における一方側に第1の吹出口を有し、
前記第2のノズルは、前記筐体の前後方向における一方側に第2の吹出口を有し、
前記高圧空気発生部によって、前記吸込口から吸い込まれた空気が、前記第1のノズル内から前記第1の吹出口へ送風される第1の風路と、
前記高圧空気発生部によって、前記吸込口から吸い込まれた空気が、前記第2のノズル内から前記第2の吹出口へ送風される第2の風路とを備え、
前記第1のノズルと前記第2のノズルの上部と、前記第1の風路内と、前記第2の風路内とに、第1の吹出口と第2の吹出口とから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する風向変更ユニットを設け、
前記風向変更ユニットは、
前記第1の吹出口と前記第2の吹出口に上下方向に並び、上下方向へ回動自在に配置された複数のルーバ部と、
上下方向に隣り合った前記ルーバ部を回動自在に連結する複数の連結棒部と、
複数の前記連結棒部を上下方向へ移動させることによって複数の前記ルーバ部を上下方向へ回動させるクランクシャフト部とを備え、
前記第1のノズルと前記第2のノズルの上部には、前記第1の風路と前記第2の風路とを連通する連通路を設け、
前記クランクシャフト部は、
前記第1の吹出口と前記第2の吹出口より上方である前記連通路内に配置したことを特徴とする送風装置。
【請求項2】
複数の前記ルーバ部は、前記筐体の前後方向における背面側から前面側に向かうにつれて下方に傾斜し、上部の前記ルーバ部から下部の前記ルーバ部に向かうに従って前記傾斜が徐々大きくなることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
複数の前記連結棒部が傾くことを抑制する傾き防止接続部を設け、
前記傾き防止接続部は、
前記ルーバ部に回動自在に設けた傾き防止棒部分と、
前記傾き防止棒部分を上下方向に回動自在に支持する支持部分とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記傾き防止棒部分は、第1の傾き防止棒部分と第2の傾き防止棒部分とを有し、
前記支持部分は、第1の支持部分と第2の支持部分と有し、
前記第1の傾き防止棒部分の一方側は、前記第1の吹出口の最も下方に配置された前記ルーバ部に回動自在に設けられ、前記第1の傾き防止棒部分の他方側は、前記第1の支持部分に上下方向に回動自在に支持され、
前記第2の傾き防止棒部分の一方側は、前記第2の吹出口の最も下方に配置された前記ルーバ部に回動自在に設けられ、前記第2の傾き防止棒部分の他方側は、前記第2の支持部分に上下方向に回動自在に支持されることを特徴とする請求項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の送風装置においては、吸込口を設けた略箱形状の筐体と、筐体の天面から延び、第1の吹出口を有する第1のノズルと、筐体の天面から延び、第2の吹出口を有する第2のノズルと、筐体内に設けた高圧空気発生部とを有していた。高圧空気発生部は、スクロール形状のケーシングと、ケーシングに固定されたモータと、モータによって回転する羽根車とを有していた。ケーシングは、側面に給気口を有し、天面には吐出口を有し、給気口は、筐体の背面に対向していた。高圧空気発生部によって、吸込口から吸い込まれた空気は、第1のノズル内を介して、第1の吹出口と、第2のノズル内を介して、第2の吹出口とへ送風される構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-115629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の送風装置においては、第1の吹出口と第2の吹出口から吹き出す空気の風向が一定であり、足元や天井付近への送風ができなかった。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、第1の吹出口と第2の吹出口から吹き出す空気の風向を変更できる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために、本発明の一態様に係る送風装置は、吸込口を設けた略箱形状の筐体と、前記筐体の天面から上方へ延び、前記筐体の左右方向における一方側に配置された第1のノズルと、前記筐体の天面から上方へ延び、前記筐体の左右方向における他方側に配置された第2のノズルと、前記筐体内に設けた高圧空気発生部とを備え、前記第1のノズルは、前記筐体の前後方向における一方側に第1の吹出口 を有し、前記第2のノズルは、前記筐体の前後方向における一方側に第2の吹出口を有し、前記高圧空気発生部によって、前記吸込口から吸い込まれた空気が、前記第1のノズル内から前記第1の吹出口へ送風される第1の風路と、前記高圧空気発生部によって、前記吸込口から吸い込まれた空気が、前記第2のノズル内から前記第2の吹出口へ送風される第2の風路とを備え、前記第1のノズルと前記第2のノズルの上部と、前記第1の風路内と、前記第2の風路内とに、第1の吹出口と第2の吹出口とから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する風向変更ユニットを設け、前記風向変更ユニットは、前記第1の吹出口と前記第2の吹出口に上下方向に並び、上下方向へ回動自在に配置された複数のルーバ部と、上下方向に隣り合った前記ルーバ部を回動自在に連結する複数の連結棒部と、複数の前記連結棒部を上下方向へ移動させることによって複数の前記ルーバ部を上下方向へ回動させるクランクシャフト部とを備え、前記第1のノズルと前記第2のノズルの上部には、前記第1の風路と前記第2の風路とを連通する連通路を設け、前記クランクシャフト部は、前記第1の吹出口と前記第2の吹出口より上方である前記連通路内に配置したことを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の吹出口と第2の吹出口から吹き出す空気の風向を変更できる送風装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1の送風装置の前面側から見た斜視図
図2】同送風装置の背面側から見た斜視図
図3】同送風装置のノズルと筐体の内部を示す図
図4】同送風装置の断面図
図5】同送風装置の風向変更ユニットを示す図
図6】同送風装置の風向変更ユニットを示す図
図7】同送風装置の断面図
図8】同送風装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、送風装置の斜視図であり、送風装置の前面側から見た図である。図2は、送風装置の斜視図であり、送風装置の背面側から見た図である。図3は、送風装置のノズルと筐体の内部を示す図であり、送風装置の背面側から見た図である。図4は、送風装置の断面図であり、送風装置の側面側から見た図である。
【0011】
図1図2図3図4に示すように、送風装置1は、筐体2と、第1のノズル3Aと、第2のノズル3Bと、第3のノズル3Cと、第4のノズル3Dと、高圧空気発生部4と、風向変更ユニット5とを備えている。
【0012】
筐体2は、略箱状であり、筐体2における背面側に、四角形状の吸込口6を有している。筐体2の天面からは、筒形状の第1のノズル3Aと第2のノズル3Bと第3のノズル3Cと第4のノズル3Dが上方へ延びている。
【0013】
第1のノズル3Aと第2のノズル3Bと第3のノズル3Cと第4のノズル3Dは、筐体の左右方向における一方側(図1では、筐体における前面側から見て左側)から筐体の左右方向における他方側(図1では、筐体における前面側から見て右側)に順次配置されている。
【0014】
隣り合った第1のノズル3Aと第2のノズル3B、第2のノズル3Bと第3のノズル3C、第3のノズル3Cと第4のノズル3Dとの間には、所定の距離を有している。第1のノズル3Aの上端部と、第2のノズル3Bの上端部と、第3のノズル3Cの上端部と、第4のノズル3Dの上端部は、連結部7によって、連結されている。
【0015】
送風装置1は、第1の貫通路8Aと、第2の貫通路8Bと、第3の貫通路8Cとを有している。第1の貫通路8Aは、連結部7と、第1のノズル3Aと、第2のノズル3Bと、筐体2とに囲まれた空間である。第2の貫通路8Bは、第2のノズル3Bと、第3のノズル3Cと、筐体2とに囲まれた空間である。第3の貫通路8Cは、第3のノズル3Cと、第4のノズル3Dと、筐体2とに囲まれた空間である。なお、筐体2と、第1のノズル3Aと、第2のノズル3Bと、第3のノズル3Cと、第4のノズル3Dと、連結部7とは、一体で形成している。筐体2内の空間は、第1のノズル3A内の空間と、第2のノズル3B内の空間と、第3のノズル3C内の空間と、第4のノズル3D内の空間とに連通している。
【0016】
第1のノズル3Aは、筐体2における前面側に、第1の吹出口9Aを有している。同様に、第2のノズル3Bは筐体2における前面側に第2の吹出口9Bを、第2のノズル3Bは筐体2における前面側に第3の吹出口9Cを、第4のノズル3Dは筐体2における前面側に第4の吹出口9Dを有している。第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dとは、縦長四角形状の開口である。なお、第1のノズル3Aの前面と、第2のノズル3Bの前面と、第3のノズル3Cの前面と、第4のノズル3Dの前面と、筐体2の前面とは、同一面に配置されている。
【0017】
高圧空気発生部4は、ケーシング10と、モータ11と、羽根車12とを備えている。
【0018】
ケーシング10は、スクロール形状であり、側面には給気口13を有し、天面には吐出口14を有している。
【0019】
モータ11は、ケーシング10におけるモータ面16に固定され、モータ11からケーシング10内へ水平方向に回転軸(図示せず)が延びている。回転軸には、羽根車12が固定されている。モータ11によって羽根車12が回転すると、給気口13から空気が吸い込まれ、吐出口14から吸い込まれた空気が吹き出す。
【0020】
送風装置1は、第1の風路20Aと、第2の風路(図示せず)と、第3の風路(図示せず)と、第4の風路(図示せず)とを備えている。
【0021】
第1の風路20Aは、高圧空気発生部4によって、筐体2の吸込口6から吸い込まれた空気が、高圧空気発生部4、第1のノズル3A内を順次介して、第1の吹出口9Aへ送風される風路である。
【0022】
第2の風路は、高圧空気発生部4によって、筐体2の吸込口6から吸い込まれた空気が、高圧空気発生部4、第2のノズル3B内を順次介して、第2の吹出口9Bへ送風される風路である。
【0023】
第3の風路は、高圧空気発生部4によって、筐体2の吸込口6から吸い込まれた空気が、高圧空気発生部4、第3のノズル3C内を順次介して、第3の吹出口9Cへ送風される風路である。
【0024】
第4の風路は、高圧空気発生部4によって、筐体2の吸込口6から吸い込まれた空気が、高圧空気発生部4、第4のノズル3D内を順次介して、第4の吹出口9Dへ送風される風路である。
【0025】
このように、高圧空気発生部4によって、筐体2の吸込口6から吸い込まれた空気が、第1の吹出口9Aと、第2の吹出口9Bと、第3の吹出口9Cと、第4の吹出口9Dとから空気が吹き出すことによって、第1の貫通路8Aと、第2の貫通路8Bと、第3の貫通路8Cとから空気が誘引される。これらの誘引された空気が、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dとから吹き出す空気と共に、前方へ送風される。
【0026】
図5は、送風装置の風向変更ユニットを示す図であり、送風装置の背面側から見た図である。図6は、送風装置の風向変更ユニットを示す図であり、送風装置の背面側の下方から見た図である。
【0027】
図1図4図5図6に示すように、風向変更ユニット5は、第1の吹出口9Aと、第2の吹出口9Bと、第3の吹出口9Cと、第4の吹出口9Dとから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する機構である。風向変更ユニット5は、複数のルーバ部30と、複数の連結棒部31と、クランクシャフト部32とを備えている。
【0028】
ルーバ部30は、第1の吹出口9Aと、第2の吹出口9Bと、第3の吹出口9Cと、第4の吹出口9Dとに、上下方向に多数並ぶように配置されている。ルーバ部30は、風向板部分33と、軸部分34と、ルーバ接続部分35とを有している。
【0029】
風向板部分33は、送風装置1における前後方向に延びた板形状であり、風向板部分33から送風装置1における左右方向に延びた軸部分34を有している。板形状の風向板部分33の面は、軸部分34の軸方向に平行な面であり、上面と下面とを有している。
【0030】
軸部分34は、第1の吹出口9Aと、第2の吹出口9Bと、第3の吹出口9Cと、第4の吹出口9Dに設けられた軸受け部分37に回動自在に嵌る。風向板部分33は、軸部分34と軸受け部分37とによって、軸部分34を回動中心として、上下方向に回動可能に設けられている。
【0031】
ルーバ接続部分35は、風向板部分33の送風装置1における後方側に配置され、細長板形状である連結棒部31と回動自在に接続される。
【0032】
連結棒部31は、上下方向に並んだルーバ部30のルーバ接続部分35を回動自在に連結する。連結棒部31は、棒状の棒部分38と、棒部分38に配置された多数の連結部分39とを備えている。連結部分39は、上下方向に並んだ多数のルーバ接続部分35に、回動自在に接続され、上下方向に並んだルーバ部30を連結する。
【0033】
クランクシャフト部32は、軸部分40と、複数のアーム部分41と、複数のアーム接続部分42とを備えている。
【0034】
軸部分40は、送風装置における左右方向に延びた棒形状であり、連結部7内に回動自在に装着されている。軸部分40の一方側端部には、操作部分43を備え、操作部分43は、連結部7から突出している。使用者は、操作部分43を摘み、操作部分43を回動すると、軸部分40も回動する。
【0035】
アーム部分41は、板形状であり、軸部分40から送風装置における背面側へ延びている。アーム部分41の先端には、アーム接続部分42を有している。板形状のアーム部分41の面は、送風装置における左右方向に配置されている。
【0036】
アーム接続部分42は、連結棒部31の連結部分39と回動自在に接続される。アーム接続部分42には、連結棒部31の上端の連結部分39が回動自在に接続され、この連結棒部31の上端の1つ下方である上端から2番目の連結部分39は、第1の吹出口9A、または第2の吹出口9B、または第3の吹出口9C、または第4の吹出口9Dの最も上方に配置されたルーバ部30のルーバ接続部分35に回動自在に接続される。
【0037】
連結棒部31の上端から2番目の連結棒部の下方である3番目の連結部分には、第1の吹出口9A、または第2の吹出口9B、または第3の吹出口9C、または第4の吹出口9Dの最も上方から2番目に配置されたルーバ部30のルーバ接続部分35が、回動自在に接続される。
【0038】
このような構成を繰り返すことによって、第1の吹出口9A、または第2の吹出口9B、または第3の吹出口9C、または第4の吹出口9Dの最も上方に配置されたルーバ部30から順番に、最も下方に配置されたルーバ部30までが、連結棒部31によって回動自在に接続される。
【0039】
図7は、送風装置の断面図で、送風装置の側面側から見た図であり、風向変更ユニット5は斜め下方に吹き出す状態である。図8は、送風装置の断面図で、送風装置の側面側から見た図であり、風向変更ユニット5は斜め上方に吹き出す状態である。
【0040】
図1図7図8に示すように、以上の風向変更ユニット5の構成において、操作部分43を摘み、操作部分43を回動し、複数のアーム部分41が上方に移動すると、複数の連結棒部31が、上方に移動する。これにより、多数の風向板部分33の送風装置1における後方側が上方に移動し、風向板部分33に沿って流れる空気は、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dとから斜め下方に吹き出す(図7参照)。
【0041】
また、操作部分43を摘み、操作部分43を回動し、複数のアーム部分41が下方に移動すると、複数の連結棒部31の送風装置1における後方側が下方に移動し、風向板部分33に沿って流れる空気は、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dとから斜め上方に吹き出す(図8参照)。
【0042】
このように、第1のノズル3Aと第2のノズル3Bの上部と、第1の風路20A内と、第2の風路内とに、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bとから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する風向変更ユニット5を設けたので、第1のノズル3Aと第2のノズル3Bとの間から誘引される誘引流を減らすことなく、上下方向に容易に風向を変更できる。
【0043】
同様に、第2のノズル3Bと第3のノズル3Cの上部と、第2の風路内と、第3の風路内とに、第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cとから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する風向変更ユニット5を設けたので、第2のノズル3Bと第3のノズル3Cとの間から誘引される誘引流を減らすことなく、上下方向に容易に風向を変更できる。
【0044】
同様に、第3のノズル3Cと第4のノズル3Dの上部と、第3の風路内と、第4の風路内とに、第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dとから吹き出す空気の風向を上下方向に変更する風向変更ユニット5を設けたので、第3のノズル3Cと第4のノズル3Dとの間から誘引される誘引流を減らすことなく、上下方向に容易に風向を変更できる。
【0045】
また、第1のノズル3Aと第2のノズル3Bと第3のノズル3Cと第4のノズル3Dの上部には、第1の風路20Aと第2の風路と第3の風路と第4の風路とを連通する連通路44を設けている。この連通路44内に、風向変更ユニット5の一部を配置した。具体的には、クランクシャフト部32を、連通路44内に配置した。
【0046】
このように、第1のノズル3Aと第2のノズル3Bと第3のノズル3Cと第4のノズル3Dの上部において、第1の風路20Aと第2の風路と第3の風路と第4の風路とを連通する連通路44を設けている。具体的には、第1のノズル3Aの上端部と、第2のノズル3Bの上端部と、第3のノズル3Cの上端部と、第4のノズル3Dの上端部とは、連結部7によって、連結され、この連結部7内には、第1の風路20Aと第2の風路と第3の風路と第4の風路とを連通する連通路44を有している。これにより、第1のノズル3Aと、第2のノズル3Bと、第3のノズル3Cと、第4のノズル3Dとのノズル内の内圧が均一化される。更に、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dより風下である連通路44内に、風向変更ユニット5の一部であるクランクシャフト部32を配置したので、クランクシャフト部32が風路抵抗になることを抑制できる。また、クランクシャフト部32の軸部分40の一方側端部には、操作部分43を有しているので、操作が容易である。
【0047】
また、風向変更ユニット5は、第1の吹出口9Aと第2の吹出口9Bと第3の吹出口9Cと第4の吹出口9Dに上下方向に並び、上下方向へ回動自在に配置された複数のルーバ部30と、上下方向に並んだルーバ部30を回動自在に連結する複数の連結棒部31と、複数の連結棒部31を上下方向へ移動させることによって複数のルーバ部30を上下方向へ回動させるクランクシャフト部32とを備えている。
【0048】
これにより、クランクシャフト部32を回動させると、複数のルーバ部30が上下方向へ回動して、上下方向に容易に風向を変更できる。
【0049】
また、複数のルーバ部30は、筐体2の前後方向における背面側(図7では、右側)から前面側(図7では、左側)に向かうにつれて下方に傾斜し、上部のルーバ部30から下部のルーバ部30に向かうに従って傾斜が徐々大きくなる。これにより、上下方向に幅広く風を送ることができるため、自然に近い面の風を得ることができる。
【0050】
また、複数の連結棒部31が傾くことを抑制する傾き防止接続部45を設けている。傾き防止接続部45は、傾き防止棒部分46と、支持部分47とを備えている。
【0051】
傾き防止棒部分46は、連結棒部31の下端から延びた棒状の棒部分48と、棒部分の先端に配置された連結部分49とを備えている。連結部分49は、支持部分47に回動自在に接続されている。支持部分47は、傾き防止棒部分46の連結部分49を上下方向に回動自在に支持する。これにより、複数の連結棒部31が傾くことを抑制することができ、引っ掛かりの無いスムーズな動きになり、使い勝手が良くなる。
【0052】
具体的には、傾き防止棒部分46は、第1の傾き防止棒部分46Aと第2の傾き防止棒部分46Bとを有している。支持部分47は、第1の支持部分47Aと第2の支持部分47Bと有している。
【0053】
第1の傾き防止棒部分46Aは、第1の吹出口に配置された第1の連結棒部31Aの第1の棒部分38Aの下端から延び、第1の傾き防止棒部分46Aの先端が、第1の支持部分47Aに上下方向に回動自在に支持される。第1の傾き防止棒部分と、クランクシャフト部32の第1のアーム部分41Aとは、2つの平行な平面上で回動するように配置されている。
【0054】
同様に、第2の傾き防止棒部分46Bは、第2の吹出口に配置された第2の連結棒部31Bの第2の棒部分38Bの下端から延び、第2の傾き防止棒部分46Bの先端が、第2の支持部分47Bに上下方向に回動自在に支持される。第2の傾き防止棒部分と、クランクシャフト部32の第2のアーム部分41Bとは、2つの平行な平面上で回動するように配置されている。
【0055】
同様に、第3の傾き防止棒部分46Cは、第3の吹出口に配置された第3の連結棒部31Cの第3の棒部分38Cの下端から延び、第3の傾き防止棒部分46Cの先端が、第3の支持部分47Cに上下方向に回動自在に支持される。第3の傾き防止棒部分と、クランクシャフト部32の第3のアーム部分41Cとは、2つの平行な平面上で回動するように配置されている。
【0056】
同様に、第4の傾き防止棒部分46Dは、第4の吹出口に配置された第4の連結棒部31Dの第4の棒部分38Dの下端から延び、第4の傾き防止棒部分46Dの先端が、第4の支持部分47Dに上下方向に回動自在に支持される。第4の傾き防止棒部分と、クランクシャフト部32の第4のアーム部分41Dとは、2つの平行な平面上で回動するように配置されている。
【0057】
これにより、複数の連結棒部31が平面上で回動するので、複数の連結棒部が、筐体2の左右方向に傾くことを抑制することができ、引っ掛かりの無いスムーズな動きになり、使い勝手が良くなる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る送風装置は、家庭用や事務所用などに使用される送風装置等として有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 送風装置
2 筐体
3A 第1のノズル
3B 第2のノズル
3C 第3のノズル
3D 第4のノズル
4 高圧空気発生部
5 風向変更ユニット
6 吸込口
7 連結部
8A 第1の貫通路
8B 第2の貫通路
8C 第3の貫通路
9A 第1の吹出口
9B 第2の吹出口
9C 第3の吹出口
9D 第4の吹出口
10 ケーシング
11 モータ
12 羽根車
13 給気口
14 吐出口
16 モータ面
20A 第1の風路
30 ルーバ部
31 連結棒部
31A 第1の連結棒部
31B 第2の連結棒部
31C 第3の連結棒部
31D 第4の連結棒部
32 クランクシャフト部
33 風向板部分
34 軸部分
35 ルーバ接続部分
37 軸受け部分
38 棒部分
38A 第1の棒部分
38B 第2の棒部分
38C 第3の棒部分
38D 第4の棒部分
39 連結部分
40 軸部分
41 アーム部分
41A 第1のアーム部分
41B 第2のアーム部分
41C 第3のアーム部分
41D 第4のアーム部分
42 アーム接続部分
43 操作部分
44 連通路
45 傾き防止接続部
46 傾き防止棒部分
47 支持部分
48 棒部分
49 連結部分
46A 第1の傾き防止棒部分
46B 第2の傾き防止棒部分
46C 第3の傾き防止棒部分
47A 第1の支持部分
47B 第2の支持部分
47C 第3の支持部分
46D 第4の傾き防止棒部分
47D 第4の支持部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8