(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】実装基板製造システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2019043772
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2022-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
(72)【発明者】
【氏名】高田 力
(72)【発明者】
【氏名】綴木 邦巳
(72)【発明者】
【氏名】三島 一成
(72)【発明者】
【氏名】李 強麗
(72)【発明者】
【氏名】木谷 実
(72)【発明者】
【氏名】山村 達雄
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103667(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104031(WO,A1)
【文献】特開2017-033968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納された部品を部品取出し位置に供給することができる部品供給装置と、前記部品取出し位置から部品を取り出して基板に装着する部品装着装置とを含んだ実装基板製造システムであって、
前記部品供給装置は、
挿入口から排出口までキャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、
前記テープ搬送路の下流部に配置され、前記キャリアテープを前記部品取出し位置へ搬送する第1のキャリアテープ搬送部と、
前記テープ搬送路の上流から前記第1のキャリアテープ搬送部へキャリアテープを搬送する第2のキャリアテープ搬送部と、
先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとの連結部、もしくは前記テープ搬送路でキャリアテープの端部を検出する検出手段と、
前記部品装着装置と通信可能であり、前記第1のキャリアテープ搬送部と前記第2のキャリアテープ搬送部を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部とを備え、
前記部品装着装置は、選択されている動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信
し、
前記複数の動作モードのうち、第1の動作モードは、前記先行のキャリアテープと前記後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、前記先行のキャリアテープに追従して前記後続のキャリアテープを部品取出し位置に送るための動作モードであり、
前記複数の動作モードのうち、第2の動作モードは、連結部で連結された前記先行のキャリアテープと前記後続のキャリアテープを前記部品取出し位置に送るための動作モードである、実装基板製造システム。
【請求項2】
前記フィーダ制御部は選択された動作モードを特定する情報を記憶する動作モード記憶部を有し、
前記部品装着装置は、前記動作モード記憶部に記憶された情報で特定された動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信する、請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項3】
前記部品装着装置は、前記部品供給装置の動作モードに関する情報を記憶した記憶部を有し、前記記憶部に記憶された情報で特定された動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信する、請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項4】
前記部品装着装置は、前記記憶部に記憶された情報で特定された動作モードに基づいて前記部品供給装置の動作モードを選択する、請求項3に記載の実装基板製造システム。
【請求項5】
先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納された部品を部品取出し位置に供給することができる部品供給装置と、前記部品取出し位置から部品を取り出して基板に装着する部品装着装置とを含んだ実装基板製造システムであって、
前記部品供給装置は、
挿入口から排出口までキャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、
前記テープ搬送路の下流部に配置され、前記キャリアテープを前記部品取出し位置へ搬送する第1のキャリアテープ搬送部と、
前記テープ搬送路の上流から前記第1のキャリアテープ搬送部へキャリアテープを搬送する第2のキャリアテープ搬送部と、
先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとの連結部、もしくは前記テープ搬送路でキャリアテープの端部を検出する検出手段と、
前記部品装着装置と通信可能であり、前記第1のキャリアテープ搬送部と前記第2のキャリアテープ搬送部を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部とを備え、
前記部品装着装置は、選択されている動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信し、
前記複数の動作モードは、
前記検出手段が前記先行のキャリアテープの後端の通過を検出したら前記部品装着装置に通知する第1の通知と、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納されている部品を部品取出し位置に停止させたら前記部品装着装置に通知する第2の通知とを含む第1の動作モードと、
前記検出手段がキャリアテープの後端の通過を検出したら前記部品装着装置に通知する第3の通知と、前記検出手段が前記連結部を検出したら前記部品装着装置に通知する第4の通知とを含む第2の動作モードと、
を含む、実装基板製造システム。
【請求項6】
前記検出手段は、前記連結部を検出する連結部検出部と、前記テープ搬送路でキャリアテープの有無を検出するキャリアテープ検出部を有する、請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項7】
前記検出手段は、前記テープ搬送路で前記連結部とキャリアテープの有無を検出する光学センサである、請求項1に記載の実装基板製造システム。
【請求項8】
前記第1の動作モードはさらに、前記部品装着装置からのテープ交換指令により先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープを部品取出し位置に送る場合は、
前記検出手段によって前記先行のキャリアテープの後端の通過と前記後続のキャリアテープの先端の通過を検出し、
前記後続のキャリアテープに収納されている部品を前記部品取出し位置に停止させる、請求項3に記載の実装基板製造システム。
【請求項9】
さらに、前記検出手段の実際の検出結果を無視して前記第1のキャリアテープ搬送部を制御する第3の動作モードを含む、請求項3記載の実装基板製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアテープに収納された部品を基板に装着する部品装着装置を有する実装基板製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装して実装基板を製造する実装基板製造システムには、基板に部品を装着する部品装着装置が配置されている。部品装着装置における部品供給装置として、部品を保持したキャリアテープをピッチ送りして部品実装機構による部品取出し位置に部品を供給するテープフィーダが多用される。このようなテープフィーダにおける部品供給方法として、先行する既装着のキャリアテープ(先行テープ)の末尾部に新たなキャリアテープ(後続テープ)をスプライシングテープによって接続するスプライシング方式が従来より広く用いられている。このスプライシング方式では、作業者は供給リール交換毎に煩雑な作業を実行する必要があり、これらの作業負荷を低減することが望まれていた。このため、新たなテープ供給方式としてスプライシング作業を行うことなく、後続テープをテープフィーダにセットすることのみで自動でローディングしてテープ送りする、いわゆるオートローディング方式のテープフィーダが用いられるようになっている。
【0003】
実装基板製造の生産現場では、上述のスプライシング方式やオートローディング方式が混在して用いられており、これらの方式を適用するために専用の構成や機能を備えた2種類のテープフィーダを必要としていた。これらの2種類のテープフィーダは使用されるキャリアテープとの関連において互換性を有していない場合が多く、誤ってテープフィーダにこのテープフィーダと適合しないキャリアテープを装着すると、正常な部品供給ができないのみならず機器の破損などの不具合を生じるおそれがある。
【0004】
このため、従来の実装基板製造システムにおいて、これらの2種類のテープフィーダの誤用による異常を防止する機能を備えた部品供給システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献例に示す先行技術では、オートローディング方式のテープフィーダにスプライシング方式のキャリアテープがセットされた場合において、スプライシングテープの継合部をセンサによって検出する。ここで継合部が検出されたならばオートローディングの対象とならないスプライシング方式のキャリアテープであると判定して、テープ送りを制限するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上述の先行技術を含む従来技術では、適合しないキャリアテープが誤って装着されることによる不具合は防止することができるものの、同一のテープフィーダによってオートローディング方式と従来のスプライシング方式を適用して部品供給を行うことはできなかった。すなわちオートローディング方式とスプライシング方式は混在して採用されている生産現場においては、これらの2種類の方式に適合した2種類の専用のテープフィーダを準備しておき、採用される部品供給方式に応じて部品供給装置としてのテープフィーダを使い分ける必要があった。このため、オートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能な部品供給装置を用いた実装基板製造システムが求められていた。
【0007】
そこで本発明は、オートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能な部品供給装置およびこの部品供給装置から供給される部品を基板に装着する部品装着装置を含んだ実装基板製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実装基板製造システムは、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納された部品を部品取出し位置に供給することができる部品供給装置と、前記部品取出し位置から部品を取り出して基板に装着する部品装着装置とを含んだ実装基板製造システムであって、前記部品供給装置は、挿入口から排出口までキャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路の下流部に配置され、前記キャリアテープを前記部品取出し位置へ搬送する第1のキャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の上流から前記第1のキャリアテープ搬送部へキャリアテープを搬送する第2のキャリアテープ搬送部と、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとの連結部、もしくは前記テープ搬送路でキャリアテープの端部を検出する検出手段と、前記部品装着装置と通信可能であり、前記第1のキャリアテープ搬送部と前記第2のキャリアテープ搬送部を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部とを備え、前記部品装着装置は、選択されている動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信し、前記複数の動作モードのうち、第1の動作モードは、前記先行のキャリアテープと前記後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、前記先行のキャリアテープに追従して前記後続のキャリアテープを部品取出し位置に送るための動作モードであり、前記複数の動作モードのうち、第2の動作モードは、連結部で連結された前記先行のキャリアテープと前記後続のキャリアテープを前記部品取出し位置に送るための動作モードである。
また、本発明の実装基板製造システムは、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納された部品を部品取出し位置に供給することができる部品供給装置と、前記部品取出し位置から部品を取り出して基板に装着する部品装着装置とを含んだ実装基板製造システムであって、前記部品供給装置は、挿入口から排出口までキャリアテープを案内するテープ搬送路が設けられた本体部と、前記テープ搬送路の下流部に配置され、前記キャリアテープを前記部品取出し位置へ搬送する第1のキャリアテープ搬送部と、前記テープ搬送路の上流から前記第1のキャリアテープ搬送部へキャリアテープを搬送する第2のキャリアテープ搬送部と、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとの連結部、もしくは前記テープ搬送路でキャリアテープの端部を検出する検出手段と、前記部品装着装置と通信可能であり、前記第1のキャリアテープ搬送部と前記第2のキャリアテープ搬送部を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部とを備え、前記部品装着装置は、選択されている動作モードに基づいて前記部品供給装置に指令を送信し、前記複数の動作モードは、前記検出手段が前記先行のキャリアテープの後端の通過を検出したら前記部品装着装置に通知する第1の通知と、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納されている部品を部品取出し位置に停止させたら前記部品装着装置に通知する第2の通知とを含む第1の動作モードと、前記検出手段がキャリアテープの後端の通過を検出したら前記部品装着装置に通知する第3の通知と、前記検出手段が前記連結部を検出したら前記部品装着装置に通知する第4の通知とを含む第2の動作モードと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態の実装基板製造システムの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品供給装置の全体構成を示す構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品供給装置の部分断面図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品供給装置の開閉カバーの平面図
【
図5】本発明の一実施の形態の部品供給装置の開閉カバーの縦断面図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品供給装置の開閉カバーの斜視図
【
図7】本発明の一実施の形態の部品供給装置の部分断面図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品供給装置におけるテープ搬送部の駆動機構の説明図
【
図9】本発明の一実施の形態の部品供給装置の機能説明図
【
図10】本発明の一実施の形態の部品供給装置の機能説明図
【
図11】本発明の一実施の形態の部品供給装置における短テープの装填作業の手順説明図
【
図12】本発明の一実施の形態の部品供給装置における短テープの装填作業の手順説明図
【
図13】本発明の一実施の形態の部品供給装置における短テープの装填作業の手順説明図
【
図14】本発明の一実施の形態の部品供給装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図15】本発明の一実施の形態の部品供給装置におけるオートロードモードによるテープ搬送処理のフロー図
【
図16】本発明の一実施の形態の部品供給装置におけるスプライシングモードによるテープ搬送処理のフロー図
【
図17】本発明の一実施の形態の部品供給装置における短テープモードによるテープ搬送処理のフロー図
【
図18】本発明の一実施の形態の部品供給装置における部品切れ処理のフロー図
【
図19】本発明の一実施の形態の部品供給装置においてキャリアテープ無し通知を受けた場合の処理のフロー図
【
図20】本発明の一実施の形態の部品供給装置において連結部検出通知を受けた場合の処理のフロー図
【
図21】本発明の一実施の形態の部品供給装置におけるテープ送り処理のフロー図
【
図22】本発明の一実施の形態の部品供給装置に用いられる開閉カバーの変形実施例の説明図
【
図23】本発明の一実施の形態の部品供給装置に用いられる開閉カバーの変形実施例の説明図
【
図24】本発明の一実施の形態の部品供給装置に用いられる開閉カバーの変形実施例の説明図
【
図25】本発明の一実施の形態の部品供給装置において作業対象となるキャリアテープの斜視図
【
図26】本発明の一実施の形態の部品供給装置における連結部検出部の取り付け位置の変形例の説明図
【
図27】本発明の一実施の形態の部品供給装置における連結部検出部の取り付け位置の変形例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。先ず
図1を参照して、本実施の形態における実装基板製造システム100の構成を説明する。実装基板製造システム100は、基板に部品を装着して実装基板を製造する機能を有しており、部品供給装置であるテープフィーダ1と、テープフィーダ1の部品取出し位置から部品を取り出して基板103に装着する部品装着装置Mとを含んだ構成となっている。本実施の形態では、テープフィーダ1は、先行のキャリアテープと後続のキャリアテープとが連結されていない状態で、先行のキャリアテープに追従して後続のキャリアテープに収納された部品を部品取出し位置に供給することができるように構成されている。
【0012】
部品装着装置Mの全体構成を説明する。
図1において、基台101にはX方向(基板搬送方向)に2条の基板搬送機構102が配列されている。基板搬送機構102は上流側装置から部品装着対象の基板103を受け取って以下に説明する装着ヘッド105による装着作業位置に搬送して位置決めする。基板搬送機構102の両側には、複数の部品供給装置であるテープフィーダ1が装着された部品供給部104が配置されている。部品供給部104はテープフィーダ1を装着するための複数のスロットを備えている。各々のスロットにはスロット番号が設定されており、生産プログラムではこのスロット番号によって部品の供給位置、あるいはその部品を供給するテープフィーダ1の装着位置が定められている。
【0013】
基台101の上方には、それぞれの部品供給部104に対応して、装着ヘッド105がX方向およびY方向に移動自在に配置されている。装着ヘッド105は複数の部品保持ノズルを備えており、それぞれ対応する部品供給部104に装着されたテープフィーダ1の部品取出し位置4c(
図2参照)から部品を取り出して、基板搬送機構102に保持された基板103に移送して装着する。
【0014】
次に、
図2を参照して、テープフィーダ1の全体構成を説明する。テープフィーダ1は、以下に説明する部品供給用のキャリアテープ20に収納された部品を部品装着装置Mへ供給する機能を有する。キャリアテープ20には、
図25に示すように、実装の対象となる部品Pを収納した収納部20bと搬送用の送り孔20cが一定間隔で形成されている。キャリアテープ20の搬送は、送り孔20cに係合する係合ピンが設けられたスプロケットを回転させることにより行われる。キャリアテープ20の上面は収納部20bを封止す
るためのカバーテープ20aによって覆われている。
【0015】
カバーテープ20aは、キャリアテープ20との貼着界面に接着剤によって形成された接着部を介してキャリアテープ20に貼着されている。カバーテープ20aをキャリアテープ20から剥離した状態では、キャリアテープ20とカバーテープ20aとの貼着界面(キャリアテープ20の表面およびカバーテープ20aの裏面)には、それぞれ接着部の跡20d、20eが残留して付着している。
【0016】
テープフィーダ1による部品Pの供給に際しては、キャリアテープ20からカバーテープ20aを剥離して収納部20bを開放し、テープフィーダ1の下流端部近傍に設定された部品取り出し位置において開放された収納部20bから部品Pを取り出して部品装着装置へ供給する。なお、本実施の形態では、テープフィーダ1によって供給されるキャリアテープ20には、通常の供給形態であるフープ状のキャリアテープ20のみならず、
図25に示すように、不定形の長さ寸法TLで切断された短テープ20*も含まれる。このため、以下に説明する本実施の形態では、このような短テープ20*を対象としてテープ装着作業を良好な作業性で実行できるように配慮がなされている。
【0017】
テープフィーダ1は、板状のフレームより成る本体部2に、以下に説明する要素を配設して構成されている。これらの要素は、両側面に設けられた側面カバー(図示省略)によって覆われている。
図2に示すように、本体部2にはキャリアテープ20を上流側の下部に開口した挿入口4aから下流側の上面の端部近傍に設定された排出口4bまで案内するテープ搬送路4が設けられている。
【0018】
挿入口4aからテープ搬送路4に導入(矢印a)されたキャリアテープ20は、中間に設けられた斜行部を経て本体部2の上面まで搬送され、部品取出し位置4cに到達する。部品取出し位置4cにおいて、部品装着装置Mの装着ヘッド105が昇降して(矢印b)部品取出動作を行うことにより、収納部20bから部品Pが取り出される。取り出された部品Pは、装着ヘッド105によって部品装着装置へ移送され(矢印c)、作業対象の基板に実装される。上述の部品供給におけるキャリアテープ20の搬送は、以下に説明するテープ搬送部3によって行われる。
【0019】
テープ搬送部3は、第1のモータ5、搬送スプロケット6、位置決めスプロケット7および排出スプロケット8を備えている。駆動源である第1のモータ5によって搬送スプロケット6、位置決めスプロケット7および排出スプロケット8を駆動することにより、挿入口4aから挿入されたキャリアテープ20はテープフィーダ1内を搬送され、部品取出し位置4cに位置決めされる。テープ搬送部3は開閉可能な開閉カバー9によって覆われており、キャリアテープ20の位置決めスプロケット7、排出スプロケット8への係合は、開閉カバー9によってキャリアテープ20を位置決めスプロケット7、排出スプロケット8に押し付けることにより行われる。
【0020】
テープ搬送部3によってキャリアテープ20をテープ搬送路4に沿って搬送するテープ搬送過程において、キャリアテープ20から剥離されたカバーテープ20aは上流側へ折返されて、本体部2に設けられたカバーテープ収納部2f内へ回収される。部品取出し位置4cにて部品Pが取り出された後のキャリアテープ20は、本体部2の端面に配置された前カバー2hを介して排出スプロケット8によってテープフィーダ1の下流側へ排出される。
【0021】
すなわち、位置決めスプロケット7は、キャリアテープ20の送り孔20cに係合して回転することによりキャリアテープ20を下流の部品取出し位置4cへ搬送する第1のスプロケットである。また排出スプロケット8は、部品取出し位置4cよりも下流に配置さ
れ、キャリアテープ20の送り孔20cに係合して回転することによりキャリアテープ20を部品取出し位置4cから排出口4bへ搬送する第2のスプロケットである。このように、本実施の形態では、部品取出し位置4cを、第1のスプロケットである位置決めスプロケット7と、第2のスプロケットである排出スプロケット8との間に配置した構成となっている。
【0022】
このような構成を採用することにより、
図25に示す短テープ20*を用いた部品供給に際しても、キャリアテープ20の全ての収納部20bを部品取出し位置4cに位置させることができる。したがって部品取出し位置4cにて部品取り出しが行えない収納部20bが発生せず、部品ロスの発生を防止することができる。
【0023】
位置決めスプロケット7および第1のモータ5は、テープ搬送路4の下流部に配置され、キャリアテープ20を部品取出し位置4cに搬送する第1のキャリアテープ搬送部15を構成する。さらに本実施の形態では、挿入口4aから導入されたキャリアテープ20をテープ搬送路4の上流から第1のキャリアテープ搬送部15まで搬送する第2のキャリアテープ搬送部16を備えている。すなわち、テープ搬送路4において挿入口4aの下流側の近傍には、テープ搬入スプロケット10を第2のモータ11によって回転駆動する構成の第2のキャリアテープ搬送部16が配置されている。
【0024】
第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16の間のテープ搬送路4の斜行部(
図7に示す登り区間4e参照)には、いずれも光学センサを用いた第1のテープ検出部13および第2のテープ検出部14が設けられている。第1のテープ検出部13は、テープ搬送路4で上流側から搬送されたキャリアテープ20の有無を検出するキャリアテープ検出部である。ここでは、キャリアテープ20の端部などの所定の部位を光学的に検出することにより、第1のテープ検出部13の位置にキャリアテープ20が存在していることを検出する。
【0025】
また第2のテープ検出部14は、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とを連結する連結部を検出する連結部検出部である。すなわち、供給されるキャリアテープ20のうち先行・後続の2つのキャリアテープ20を予め連結して連続的に供給するいわゆるスプライシング方式において、2つのキャリアテープ20を連結する連結部材(スプライシングテープ)を光学的に検出することにより、連結部が第2のテープ検出部14に到達したことを検出する。
【0026】
すなわち、第1のテープ検出部13および第2のテープ検出部14は、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20との連結部、もしくはテープ搬送路4でキャリアテープ20の端部を検出する検出手段となっている。そして本実施の形態においては、この検出手段は、連結部を検出する連結部検出部としての第2のテープ検出部14と、テープ搬送路4でキャリアテープ20の有無を検出するキャリアテープ検出部としての第1のテープ検出部13を有しており、連結部検出とキャリアテープ20の有無検出とを専用の検出手段で行う形態となっている。
【0027】
なお、上述の専用の検出手段としての第1のテープ検出部13と第2のテープ検出部14とを併せて備える替わりに、第1のテープ検出部13が備えた光学センサによって、テープ搬送路4で連結部とキャリアテープ20の有無を検出するようにしてもよい。この場合には、上述の検出手段は、テープ搬送路4で連結部とキャリアテープ20の有無を検出する共通の光学センサである。
【0028】
本体部2の下面には、部品装着装置M(
図1参照)との接続用の凸状部2a、取り付け用レール2bが設けられている。取り付け用レール2bを部品装着装置Mの部品供給部に
設けられたフィーダベースに装着することにより、テープフィーダ1は部品供給部の所定位置にセットされる。凸状部2aにはコネクタ2c、エアジョイント2dおよびフック2eが設けられており、フィーダベースにテープフィーダ1をセットした状態では、コネクタ2c、エアジョイント2dは相手側(部品装着装置側)と嵌合して接続状態となる。このとき、テープフィーダ1はフック2eによってフィーダベースに位置固定される。この接続状態においては、部品装着装置からテープフィーダ1への電源供給、エアの供給、さらに部品装着装置とテープフィーダ1の間での信号授受が可能となっている。
【0029】
凸状部2aにはテープフィーダ1の動作を制御するフィーダ制御部12(制御部)が内蔵されている。テープフィーダ1を部品装着装置Mに接続した状態では、フィーダ制御部12は部品装着装置Mの装置制御部とコネクタ2cを介して電気的に接続される。これにより、部品装着装置Mの装置制御部からの動作指令がテープフィーダ1に対して伝達されるとともに、テープフィーダ1による部品供給動作の動作フィードバック信号が部品装着装置Mに伝達される。
【0030】
本体部2の上面には、上流側に位置して操作パネル2gが設けられている。操作パネル2gには、フィーダ制御部12と接続されたボタン41、表示部42、ランプ43(
図14参照)が設けられている。ボタン41を操作することにより、テープフィーダ1へ所定の操作入力が行われる。表示部42は小型の表示パネルやセグメント方式の表示ユニットなどであり、テープフィーダ1の動作状態などが表示される。ランプ43は報知用の表示灯であり、点灯することにより異常警報などを報知する。
【0031】
次に
図2~
図6を参照して、テープ搬送部3および開閉カバー9の詳細構成を説明する。
図2に示すように、本体部2の上端面にはテープ搬送路4の下流側を覆って、開閉カバー9が開閉自在に取り付けられている。
図6に示すように、開閉カバー9は下面側が開放された略門形断面(
図5参照)を有する細長形状の部材である。
【0032】
開閉カバー9には門型を構成する頂面の両側端から下方に延出した1対の側面部9gが設けられている。開閉カバー9の上流側端部には、1対の側面部9gを連結して係止ピン9iが設けられている。さらに開閉カバー9の下流側端部に側面部9gから下方に延出して1対の下垂部9jが設けられており、下垂部9jは固定ピン9hによって連結されている。
【0033】
図2において、本体部2の下流側の先端部には、開閉カバー9を保持する開閉カバー保持部17が設けられている。本体部2において開閉カバー保持部17の上流側には、開閉カバー9の上流側の端部を係止する開閉カバー係止部18が設けられている。開閉カバー9を本体部2に取り付けた状態では、開閉カバー9の下流側端部の固定ピン9hは開閉カバー保持部17に設けられた縦長の長穴に軸支されるとともに、開閉カバー保持部17が備えた付勢バネ17aによって下方に付勢されている。
【0034】
開閉カバー9を本体部2に対して閉じた状態では、開閉カバー9の上流側端部に設けられた係止ピン9iが開閉カバー係止部18によって係止される。開閉カバー係止部18は、係止ピン9iを係止可能な係止部材18cが設けられ軸支ピン18bによって軸支された係止ブロック18aを備えている。係止ブロック18aには係止部材18cを押し下げる方向に付勢する付勢バネ18dが接続されており、開閉カバー9を閉じた状態では、係止ピン9iが係止部材18cによって押し下げられて係止される。
【0035】
図3は、このようにして本体部2に取り付けられた状態の開閉カバー9の上面を示している。また
図4(a)は、開閉カバー9の上面における開口部の配置を示している。
図4(a)に示すように、開閉カバー9の上面には平面状の第1カバー部9a、第2カバー部
9bが設けられている。第1カバー部9a、第2カバー部9bは、開閉カバー9が本体部2に取り付けられた状態においてテープ搬送路4の上方を覆う。すなわち開閉カバー9はテープ搬送路4の上方を覆うカバー部を有している。
【0036】
さらに開閉カバー9の上面には、第1開口部9c、第2開口部9d、第1の逃がし部9e、第2の逃がし部9fが開口して設けられている。第1開口部9cは部品取り出し用の開口であり、第1開口部9cの下流側の端部領域はテープ搬送路4における部品取出し位置4cと合致している。部品取出し位置4cの上流側の第1開口部9cには、以下に説明するテープガイド23の下流部分が嵌入する。テープガイド23の下流側の端部は、後述するように、マニュアル操作でキャリアテープ20のセットを行う場合に、カバーテープ20aを端部で折り返すことによりキャリアテープ20からカバーテープ20aを剥離する剥離部23aとして機能する。
【0037】
第2開口部9dは、以下に説明する従動ローラ22に対応した位置に形成されており、これにより開閉カバー9を閉じた状態において上方から従動ローラ22にアクセスすることが可能となっている。第1の逃がし部9e、第2の逃がし部9fは、開閉カバー9を本体部2に対して下降させて閉じた状態において、それぞれ位置決めスプロケット7の係合ピン7a、排出スプロケット8の係合ピン8aを逃がすために設けられている。
【0038】
図5は、
図4(b)に示す開閉カバー9におけるA-A断面~E-E断面を示している。すなわち
図5に示す各断面には、いずれも開閉カバー9の門型断面を構成する上面および側面部9g、係止ピン9iが現れている。そして
図5(a)に示すA-A断面には、上面の第1カバー部9a、第1の逃がし部9eおよび従動ローラ22が現れている。
図5(b)に示すB-B断面には、上面に設けられた第1開口部9cおよび従動ローラ22が現れている。
図5(c)に示すC-C断面には、上面に設けられた第1開口部9c、第2の逃がし部9fおよび従動ローラ22が現れている。
図5(d)に示すD-D断面には、上面に設けられた第2開口部9dおよび従動ローラ22が現れている。
図5(e)に示すE-E断面には、上面の第2カバー部9bおよび係止ピン9iが現れている。
【0039】
テープ搬送部3には、板状のテープガイド23が、テープ搬送路4の上面に沿って搬送スプロケット6、位置決めスプロケット7の上方を覆う配置で設けられている。テープガイド23はテープ搬送路4に沿って搬送されるキャリアテープ20の上面をガイドする機能を有する。テープガイド23にはテープ搬送路4を上方に連通させる開口部23bが設けられている。開口部23bの上方には、カバーテープ20aの剥離および排出用の駆動ローラ21および従動ローラ22を噛み合わせた構成の一対のローラが配置されている。
【0040】
テープ搬送路4の底面において開口部23bと対向する位置には、所定のタイミングでエアを噴射する機能を有するエア噴出孔(図示省略)が開口している。このエア噴出孔から噴射されたエアによってキャリアテープ20に張り付いているカバーテープ20aの先端を吹き上げることにより、カバーテープ20aを駆動ローラ21と従動ローラ22の間に導入することができる。そしてこの状態で、駆動ローラ21、従動ローラ22を回転させることにより、カバーテープ20aをキャリアテープ20から剥離するとともに、剥離されたカバーテープ20aをカバーテープ排出路24を介してカバーテープ収納部2fに排出することができる。
【0041】
したがって駆動ローラ21および従動ローラ22は、部品取出し位置4cよりも上流においてキャリアテープ20からカバーテープ20aを剥離する剥離部としての機能を有するとともに、この剥離部によって剥離されたカバーテープ20aをカバーテープ収納部2fに排出する機能を有している。すなわちこの場合には、駆動ローラ21および従動ローラ22を備えた剥離部は、カバーテープ20aを自動的に剥離する自動剥離機能を有して
いる。そしてこの自動剥離機能は、キャリアテープ20を自動的に装填するオートロードモードにおいて用いられる。
【0042】
これらの1対のローラのうち、一方の駆動ローラ21は本体部2に固定配置されており、第1のモータ5を駆動源とする駆動機構(
図8参照)によって回転駆動される。またこれら1対のローラのうち、他方の従動ローラ22は開閉カバー9の側面部9gに軸支されており、駆動ローラ21に噛み合うことによって回転する。すなわち本実施の形態では、開閉カバー9は従動ローラ22を有する構成となっており、これにより、従動ローラ22を開閉カバー9とともに着脱することができ、キャリアテープ20をテープフィーダ1に装着する際のカバーテープ20aのセットが容易になる。
【0043】
そして第1のスプロケットである位置決めスプロケット7と第2のスプロケットである排出スプロケット8と1対のローラである駆動ローラ21、従動ローラ22とは、開閉カバー9の下方に配置されている。このような構成により、駆動ローラ21、従動ローラ22を部品取出し位置4cに近い位置に配置することが可能となり、短テープ20*を対象とする場合に適合した構成となっている。
【0044】
図7は、開閉カバー9を開放してテープ搬送部3およびテープ搬送路4を露呈させた状態を示している。すなわち、まず開閉カバー係止部18において係止ブロック18aを軸支ピン18b廻りに回動させて(矢印d)、係止部材18cによる係止ピン9iの係止を解除する。これにより、開閉カバー保持部17によって下流側の固定ピン9hを軸支された状態の開閉カバー9を開放することができる(矢印e)。このとき、従動ローラ22は駆動ローラ21との噛み合いが解除されて開閉カバー9とともに移動する。この状態では、テープ搬送路4およびテープ搬送路4を覆うテープガイド23が露呈された状態となる。
【0045】
ここに示すように、テープ搬送路4において位置決めスプロケット7の頂点から下流の範囲はテープ搬送路4が平坦な平坦区間4dであり、平坦区間4dの上流の範囲は本体部2の下部から上面に至る登り区間4eとなっている。部品Pを取り出す部品取出し位置4cは、平坦区間4dに配置されている。そして1対のローラである駆動ローラ21、従動ローラ22は、上流の登り区間4eと開閉カバー9とに挟まれた空間に配置されている。
【0046】
登り区間4eから部品取出し位置4cの上流のテープ搬送路4の上方には、テープ搬送路4を覆うテープガイド23が、開閉カバー9とは別体で本体部2に固定されて設けられている。テープガイド23に設けられた開口部23bは駆動ローラ21、従動ローラ22の間の噛み合い部に位置している。これにより、テープ搬送路4を搬送されるキャリアテープ20から剥離されたカバーテープ20aを、駆動ローラ21と従動ローラ22によって挟み込んで排出することができるようになっている。
【0047】
テープフィーダ1が備えたオートローディング機能を用いずにキャリアテープ20を装填する場合には、カバーテープ20aをテープガイド23の下流側のエッジを周回させて折り返すことにより、カバーテープ20aをキャリアテープ20から剥離する。すなわちこの場合はテープガイド23の下流側のエッジは、部品取出し位置4cよりも上流においてキャリアテープ20からカバーテープ20aを剥離する剥離部として機能する(
図10参照)。さらにテープガイド23の下流側のエッジは、短く切断された短テープ20*をテープ搬送路4に装填する際のガイドとして機能する(
図11参照)。
【0048】
ここで
図8を参照して、第1のキャリアテープ搬送部15における駆動機構の構成について説明する。
図8において第1のモータ5の回転軸に結合された駆動ギア50には、第一伝動ギア51が噛み合っており、第一伝動ギア51と同軸に設けられた第二伝動ギア5
2には第三伝動ギア35が噛み合っている。第三伝動ギア35には、キャリアテープ20を位置決めする位置決めスプロケット7と同軸の位置決めスプロケットギア31、およびキャリアテープ20を位置決めスプロケット7まで搬送する搬送スプロケット6と同軸の搬送スプロケットギア34(第4のギア)が噛み合っている。
【0049】
位置決めスプロケットギア31には、キャリアテープ20を排出する排出スプロケット8と同軸の排出スプロケットギア32へトルクを伝達するための第四伝動ギア33が噛み合っている。また搬送スプロケットギア34には、第五伝動ギア37が噛み合っている。さらに第五伝動ギア37には、駆動ローラ21と同軸の剥離ローラギア36へトルクを伝達する第六伝動ギア38が噛み合っている。従って、位置決めスプロケットギア31のトルクは、第五伝動ギア37と第六伝動ギア38と剥離ローラギア36によって、キャリアテープ20から剥離されたカバーテープ20aをテープ送りする1対のローラである駆動ローラ21と従動ローラ22に伝達される。
【0050】
上記構成において、第1のモータ5を駆動してトルクを発生させることにより、位置決めスプロケットギア31、排出スプロケットギア32、搬送スプロケットギア34および剥離ローラギア36に複数のギアを介してトルクが伝達される。これにより、位置決めスプロケットギア31、排出スプロケットギア32、搬送スプロケットギア34、剥離ローラギア36と同軸に設けられた、位置決めスプロケット7、排出スプロケット8、搬送スプロケット6、駆動ローラ21にトルクが伝達される。
【0051】
すなわち、第1のスプロケットである位置決めスプロケット7、第2のスプロケットである排出スプロケット8および第3のスプロケットである搬送スプロケット6、カバーテープ20aの排出のための駆動ローラ21とは、共通の駆動源である第1のモータ5によって駆動される。このように駆動源を共通にすることにより、カバーテープ20aの排出のための駆動ローラ21、従動ローラ22を部品取出し位置4cに近い位置に配置することができ、短テープ20*の使用に適合した構成を実現することができる。
【0052】
図9は、キャリアテープ20を自動的に装填するオートロードモードにおいてキャリアテープ20をセットした状態を示している。すなわちカバーテープ20aの先端部をエア噴射によって開口部23bを介して駆動ローラ21、従動ローラ22の間に導入し、この状態でこれらのローラを回転させることにより、カバーテープ20aを挟み込んでキャリアテープ20から剥離する。そして剥離されたカバーテープ20aは、カバーテープ排出路24を介してカバーテープ収納部2f(
図2参照)に排出される。
【0053】
次に
図10は、キャリアテープ20を手動操作によってセットした状態を示している。本実施の形態では、スプライシングによって連結された複数のキャリアテープ20を連続的に供給するスプライシングモードにおいて、先頭のキャリアテープ20をセットする場合に適用される。この場合には、開閉カバー9を開放した状態で(
図7参照)、先頭のキャリアテープ20をテープ搬送路4に沿って搬送して、先端部をテープガイド23の剥離部23aの下流側まで到達させる。
【0054】
次いでこの状態でカバーテープ20aを手動操作によりキャリアテープ20から剥離し、剥離部23aを折り返してカバーテープ排出路24まで導く。そしてこの状態で開閉カバー9を閉じることにより、カバーテープ20aは駆動ローラ21と従動ローラ22との間に挟み込まれた状態となる。これにより、これらのローラによるカバーテープ20aのキャリアテープ20からの剥離およびカバーテープ収納部2fへの排出が可能となる。
【0055】
また
図11、
図12、
図13は、キャリアテープ20が短尺に切断された短テープ20*のテープフィーダ1への装填作業を示している。ここで作業の対象となる短テープ20
*は、
図21に示すように、非定型のテープ長さTLに切断された短尺テープである。装填作業に先立って、短テープ20*にはカバーテープ20aの剥離のための前処理が行われる。
【0056】
ここでは、剥離されるカバーテープ20aの先端部を上流側に導いて駆動ローラ21と従動ローラ22によって挟み込むことが可能となるように、短テープ20*の先端部分のベーステープ部分のみを切除するか(
図11参照)、あるいはカバーテープ20aの先端部に追加のダミーテープ20a*を継ぎ足して(
図25参照)、カバーテープ20aを上流側に導くための所要長さを確保する。
【0057】
短テープ20*の装填作業では、
図11に示すように、まず開閉カバー9の第1開口部9cを上面側から通過させた短テープ20*の後端部20fを、テープガイド23の下流側エッジである剥離部23aとテープ搬送路4の隙間から上流側に挿入する(矢印f)。すなわち本実施の形態では、テープ搬送路4において剥離部23aが位置する開口部分が短テープ20*を挿入する短テープ装填口となっている。
【0058】
この後、
図12に示すように、短テープ20*をさらに上流側に挿入し(矢印g)、短テープ20*においてカバーテープ20aが剥離された先端部分を剥離部23aの位置と略一致させる。この短テープ20*の装填において、送り孔20cが位置決めスプロケット7、排出スプロケット8の係合ピン7a、係合ピン8aに係合する。次いで折り返されたカバーテープ20aの先端部をカバーテープ排出路24内に挿入する。
【0059】
次に、
図13に示すように、開閉カバー9を閉じてカバーテープ20aを従動ローラ22によって押し下げる。これによりカバーテープ20aは駆動ローラ21と従動ローラ22によって挟み込まれ、カバーテープ20aをカバーテープ排出路24内に排出することが可能な状態となる。このとき、手作業によって短テープ20*の位置を調整し、先頭部分の送り孔20cが部品取出し位置4cと一致するよう、頭出し作業を行う。
【0060】
これとともに、カバーテープ20aの弛み除去を行う。カバーテープ20aは剛性に乏しく撓みやすいテープであるため、開閉カバー9を閉じる際に従動ローラ22の下流側において弛んだ状態となり易い。このような場合には、開閉カバー9に設けられた第2開口部9dを介して手指または作業ツールによって従動ローラ22を弛み除去方向に手動で回転させる操作を行い、カバーテープ20aの弛み状態を修正する。
【0061】
すなわち本実施の形態においては、一対のローラである駆動ローラ21と従動ローラ22を開閉カバー9の下方に配置し、開閉カバー9に駆動ローラ21と従動ローラ22の少なくとも一方へのアクセスを許容する第2開口部9dを形成した構成となっている。この構成により、開閉カバー9を閉じた状態でも、開閉カバー9の下方に配置されている駆動ローラ21と従動ローラ22を調整して、カバーテープ20aの弛みを容易に除去することができる。
【0062】
ここで、
図14を参照して、テープフィーダ1の制御系の構成を説明する。
図14において、テープフィーダ1はテープフィーダ1を構成する各部を制御するフィーダ制御部12(制御部)を備えている。すなわちフィーダ制御部12は第1のモータ5、第2のモータ11と接続されてこれらを制御する。これにより、第1のキャリアテープ搬送部15、第2のキャリアテープ搬送部16の動作が制御される。
【0063】
フィーダ制御部12は第1のテープ検出部13、第2のテープ検出部14と接続されて、これらの検出信号を受信する。第1のキャリアテープ搬送部15、第2のキャリアテープ搬送部16の動作制御はこれらの検出信号に基づいて実行される。またフィーダ制御部
12は、操作パネル2gに設けられたボタン41、表示部42、ランプ43と接続されている。
【0064】
ボタン41を操作してフィーダ制御部12に所定の操作入力を行うことにより、テープフィーダ1における第1のキャリアテープ搬送部15、第2のキャリアテープ搬送部16への動作指令が行われる。表示部42はフィーダ制御部12からの指令に従って、テープフィーダ1の動作状態などを表示する。ランプ43はフィーダ制御部12からの指令に従って点灯することにより異常警報などを報知する。
【0065】
上述のフィーダ制御部12による制御において、フィーダ制御部12は、第1のキャリアテープ搬送部15、第2のキャリアテープ搬送部16を、後述する複数(ここでは3つ)の動作モードから選択された1つで作動させる。フィーダ制御部12には動作モード記憶部12aが設けられており、動作モード記憶部12aは選択された上述の動作モードを特定する情報を記憶する。言い換えれば、動作モード記憶部12aは、テープフィーダ1に設定された動作モードを特定する情報を記憶した記憶部である。
【0066】
テープフィーダ1が部品装着装置Mにセットされた状態において、フィーダ制御部12は部品装着装置Mの実装制御部44と接続される。実装制御部44が備える記憶部には、生産プログラム44aが記憶されている。生産プログラム44aには部品供給部104におけるテープフィーダ1の装着位置(スロット番号)とその装着位置に装着されるテープフィーダ1の動作モードを特定する情報が含まれている。すなわち実装制御部44が備える記憶部も、テープフィーダ1の動作モードに関する情報を記憶した記憶部である。
【0067】
テープフィーダ1が部品装着装置Mにセットされることにより、フィーダ制御部12は部品装着装置Mと通信可能となり、フィーダ制御部12と実装制御部44との間の制御信号の授受が可能となる。これにより、部品装着装置Mはフィーダ制御部12の動作モード記憶部12aにアクセス可能な状態になる。
【0068】
テープフィーダ1は設定された動作モードで作動する。フィーダ制御部12は、動作モード記憶部12aの動作モードを特定するための情報に基づいて第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16を制御するとともに部品装着装置Mへの通知を行う。これにより、選択された動作モードに則したテープ搬送動作が実行される。一方、部品装着装置Mは各テープフィーダ1の動作モードに基づいて処理を行い、テープフィーダ1を作動させるための指令を送信する。
【0069】
テープフィーダ1の動作モードの設定(動作モードの選定)は、テープフィーダ1の操作部においてフィーダ制御部12に接続されたボタン41を操作して設定する方法と、部品装着装置Mの機能を用いて設定する方法とがある。さらに部品装着装置Mによって設定する方法としては、部品装着装置Mが備えた操作画面を介して行う方法と、予め生産実行用データとして準備された生産プログラム44aに基づいて設定する方法がある。
【0070】
ボタン41の操作で動作モードを設定する場合は、ボタン41の操作によってフィーダ制御部12を動作設定モードに変化させ、表示部42に表示される動作モードを意味する数字や文字をボタン41で切り替えて選択する。この操作により動作モード記憶部12aに動作モードを特定する情報が記憶される。このようにテープフィーダ1で動作モードを設定する方法であれば、予定されている部品装着装置Mに装着する前、いわゆる「外段取り」の段階でテープフィーダ1の動作モードを設定することができる。
【0071】
なお、ボタン41で動作モードの設定が行われたテープフィーダ1を部品装着装置Mに装着した場合は、装着されたテープフィーダ1の動作モードが生産プログラム44aで予
め規定されている動作モードと一致しているかどうかを部品装着装置Mによって確認する。これにより作業者による動作モードの設定ミスや部品供給部104におけるテープフィーダ1の装着位置誤りを部品装着作業の開始前に検出して作業者に通知することができる。
【0072】
部品装着装置Mが生産プログラム44aに基づいて設定する場合には、運転開始前、あるいはテープフィーダ1が部品装着装置Mに装着された後に、実装制御部44が生産プログラム44aに含まれる動作モードを特定する情報をテープフィーダ1の動作モード記憶部12aに書き込む。より具体的には、生産プログラム44aから動作モードを特定する情報とスロット番号を読み取り、そのスロット番号で特定されるスロットに装着されているテープフィーダ1の動作モード記憶部12aにその動作モードを書き込む。これにより作業者の手を介することなくテープフィーダ1の動作モード設定を可能となり、生産プログラムにおける動作モードと部品供給部104に装着されたテープフィーダ1の動作モードとの不一致に起因するロスを防止することができる。
【0073】
本実施の形態においては、上述構成のフィーダ制御部12がテープフィーダ1の各部を制御することにより、以下に説明する複数(ここでは3つ)の異なる動作モードが実現される。まず、オートロードモード(第1の動作モード)は複数のキャリアテープ20を、スプライシングを行うことなく逐次テープフィーダ1に供給するモードである。このオートロードモードでは、キャリアテープ検出部である第1のテープ検出部13の検出結果を利用して、第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16とを制御して、後続のキャリアテープ20を先行のキャリアテープ20に追従させて部品取出し位置4cへ搬送する。
【0074】
この場合には、連結部検出部である第2のテープ検出部14による連結部検出機能は無効化される。そして第1のテープ検出部13がキャリアテープ20を検出している間は第1のキャリアテープ搬送部15によってキャリアテープ20をピッチ送りにより搬送して、キャリアテープ20の収納部20bを部品取出し位置4cに順次停止させる。第1のテープ検出部13が先行のキャリアテープ20を検出しなくなったら、第1のキャリアテープ搬送部15による先行のキャリアテープ20の搬送に追従して、第2のキャリアテープ搬送部16によって後続のキャリアテープ20を搬送する。
【0075】
すなわちオートロードモードでは、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とが連結されていない状態で、先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20を部品取出し位置4cに送ることにより、キャリアテープ20の収納部20bに収納された部品を部品装着装置Mに供給することができるようになっている。
【0076】
次に、スプライシングモード(第2の動作モード)は先行・後続のキャリアテープ20をスプライシングにより連結して連続的にテープフィーダ1に供給するモードである。このスプライシングモードでは、第1のキャリアテープ搬送部15によってキャリアテープ20をピッチ送りにより部品取出し位置4cへ搬送する。このスプライシングモードでは、第2のテープ検出部14による連結部検出機能が有効となり、キャリアテープ20の搬送の過程で連結部が検出されたならばその旨が部品装着装置Mへ通知される。
【0077】
なお、第2のキャリアテープ搬送部16は有効、無効のいずれであってもよい。有効とする場合には、挿入口4aに先頭のキャリアテープ20が挿入された場合のみ、作動させることとする。第1のキャリアテープ搬送部15によってキャリアテープ20をピッチ送りする過程において、第1のテープ検出部13がキャリアテープ20を検出しなくなったら搬送を中止し、テープ切れであることを部品装着装置Mに通知する。
【0078】
また短テープモード(第3の動作モード)は、
図25に示す短テープ20*を供給対象とするモードである。短テープモードでは、第1のキャリアテープ搬送部15によって短テープ20*をピッチ送りにより搬送する。この短テープモードでは、第1のテープ検出部13によるキャリアテープ検出機能、第2のテープ検出部14による連結部検出機能のいずれも無効化される。そして第1のキャリアテープ搬送部15は、第1のテープ検出部13によるキャリアテープ20の検出の有無に関係なく、短テープ20*のピッチ送りを行う。すなわち第3の動作モードでは、フィーダ制御部12は前述の検出手段の検出結果を無視して、第1のキャリアテープ搬送部15を制御する。
【0079】
上述の複数の動作モードは、オートロードモード(第1の動作モード)、スプライシングモード(第2の動作モード)を含んでいる。これらの動作モードは、それぞれ検出手段である第1のテープ検出部13、第2のテープ検出部14が所定の検出対象を検出したタイミングで、その旨を部品装着装置Mに通知する以下の通知を含んで構成されている。そしてこれらの通知を承けて、部品装着装置Mはそれぞれの通知の内容に応じて所定の処理を実行する。
【0080】
すなわち、オートロードモード(第1の動作モード)は、検出手段である第1のテープ検出部13が先行のキャリアテープ20の後端の通過を検出したら部品装着装置Mに通知する第1の通知と、先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20に収納されている部品を部品取出し位置4cに停止させたら部品装着装置Mに通知する第2の通知とを含んでいる。
【0081】
またスプライシングモード(第2の動作モード)は、検出手段である第1のテープ検出部13がキャリアテープ20の後端の通過を検出したら部品装着装置Mに通知する第3の通知と、検出手段である第2のテープ検出部14が連結部を検出したら部品装着装置Mに通知する第4の通知とを含んでいる。
【0082】
次に、前述のオートロードモード(第1の動作モード)における処理フローについて、
図15を参照して説明する。まずテープフィーダ1は部品装着装置Mからの動作指令を待つ待機状態にあり(ST1)、この状態において指令の有無を監視する(ST2)。ここで指令なしであれば(ST1)に戻って待機を継続する。(ST2)において、部品装着装置Mからテープ送り指令があった場合には、第1のキャリアテープ搬送部15を作動させてキャリアテープ20を1ピッチだけ搬送する(ST3)。
【0083】
次いで第1のテープ検出部13の検出結果よりキャリアテープ20の有無を判断する(ST4)。ここでキャリアテープ20が有る場合には(ST1)に戻って次の指令を待機する。またキャリアテープ20がない場合には、その旨を部品装着装置Mに通知する(第1の通知)(ST5)。すなわち第1のテープ検出部13が先行のキャリアテープ20の後端の通過を検出したら、部品装着装置Mにその旨を通知する。そしてこの通知を承けて部品装着装置Mは以下の処理を実行する。
【0084】
まず、部品装着装置Mは第1のキャリアテープ搬送部15によるキャリアテープ20のテープ送り量のカウントダウンを開始する。ここでは、キャリアテープ20の後端が部品取出し位置4cを通過するタイミングでカウント値がゼロとなるようにカウンタが設定されている。そして部品切れとなる前に、キャリアテープ20の後端が部品取出し位置4cを通過してカウント値がゼロとなったらテープフィーダ1へテープ交換指令を発出する。カウント値がゼロとなる前に部品切れが発生した場合も同様の処理を行う。なお、部品切れの発生は、部品装着装置M側で判断する。すなわち吸着ノズルによる部品のピックアップに連続して失敗した場合に、部品なしと判断して部品切れ判定を行う。
【0085】
また(ST2)にて部品装着装置Mからテープ交換指令があった場合には、テープ排出動作を開始する(ST6)。すなわちその時点で第1のキャリアテープ搬送部15の搬送対象となっているキャリアテープ20を連続搬送により排出口4bから排出する。そしてキャリアテープ20の有無を第1のテープ検出部13により監視し、キャリアテープ20が存在しないことが確認された後、さらに所定時間が経過したか否かを監視する(ST8)。
【0086】
ここでは、第1のテープ検出部13がキャリアテープ20を検出しなくなった後に所定時間の経過を待つことにより、テープ搬送路4からキャリアテープ20を確実に排出するようにしている。そして(ST8)にて所定時間の経過を確認した後に、第1のキャリアテープ搬送部15によるテープ排出動作を停止して、次のキャリアテープ20のローディングを開始する(ST9)。すなわち挿入口4aから次のキャリアテープ20を挿入して、第2のキャリアテープ搬送部16によってテープ搬送路4に沿って連続搬送によって下流側にテープ送りする。
【0087】
次いでこのテープ送りにおいて、キャリアテープ20を検出したか否かを監視する(ST10)。このテープ検出は第1のテープ検出部13によって次のキャリアテープ20の先端を検出することにより行われる。(ST10)にてキャリアテープ20の検出が確認されたならば、頭出し処理を行う(ST11)。すなわち、キャリアテープ20の先頭の収納部20bが部品取出し位置4cに停止するように、キャリアテープ20の位置を調整する。
【0088】
すなわち第1の動作モードであるオートロードモードでは、部品装着装置Mからのテープ交換指令により先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20を部品取出し位置4cに送る場合には、まず検出手段である第1のテープ検出部13によって先行のキャリアテープ20の後端の通過と後続のキャリアテープ20の先端の通過を検出する。そしてその後に、後続のキャリアテープ20に収納されている部品Pを部品取出し位置4cに停止させるように、キャリアテープ20の位置を調整する。
【0089】
この後、部品供給準備完了を部品装着装置Mへ通知する(第2の通知)(ST12)。すなわち先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20に収納されている部品を部品取出し位置4cに停止させたら部品装着装置Mにその旨を通知する。そしてこの通知を承けて、部品装着装置Mは部品に関するデータの更新を行い、装着プログラムで指示されたタイミングにて、テープフィーダ1にテープ送り指令を発出する。ここで更新されるデータには、当該キャリアテープ20の部品残数のほか、生産履歴情報として使用される部品の識別情報、ロット情報、製造メーカ情報などが含まれる。
【0090】
次に、前述のスプライシングモード(第2の動作モード)における処理フローについて、
図16を参照して説明する。まずテープフィーダ1は部品装着装置Mからの動作指令を待つ待機状態にあり(ST20)、この状態において指令の有無を監視する(ST21)。ここで指令なしであれば(ST20)に戻って待機を継続する。(ST21)において、部品装着装置Mからテープ送り指令があった場合には、第1のキャリアテープ搬送部15を作動させてキャリアテープ20を1ピッチだけ搬送する(ST22)。
【0091】
次いで第1のテープ検出部13の検出結果よりキャリアテープ20の有無を判断する(ST23)。ここでキャリアテープ20が無い場合にはその旨を部品装着装置Mへ通知する(第3の通知)(ST24)。ここでは、検出手段(キャリアテープ検出部)である第1のテープ検出部13がキャリアテープ20を検出せず、キャリアテープ20の後端の通過を検出したらその旨を部品装着装置Mに通知し、(ST20)に戻って次の指令を待機する。
【0092】
(ST24)にてこの通知を受けた部品装着装置Mは、後述するキャリアテープ無し通知を受けた場合の処理(
図19)を実行する。すなわち、部品装着装置Mは、部品切れが発生したことを部品装着装置Mの報知手段によって作業者へ報知するとともに、テープフィーダ1に対して部品切れ報知指令を発出する。これにより、テープフィーダ1の操作パネル2gでは表示部42による表示またはランプ43の点灯により部品切れが報知される。なお、スプライシングモードの場合、キャリアテープ20の補充が正常になされていれば部品切れとなる事態は発生しないが、人的なミスによりスプライシングが不正常である場合には、部品切れが発生する可能性がある。
【0093】
また(ST23)にてキャリアテープ20有りと判断された場合には、検出手段(連結部検出部)である第2のテープ検出部14により連結部の検出の有無を判断する(ST25)。ここで連結部が未検出であれば、(ST20)に戻って待機を継続し、連結部が検出された場合には、その旨を部品装着装置Mに通知する(第4の通知)(ST26)。すなわち検出手段である第2のテープ検出部14が連結部を検出したら部品装着装置Mにその旨を通知(第4の通知)する。この第4の通知を承けて部品装着装置Mは、後述する連結部検出通知を受けた場合の処理(
図20)の処理を実行する。
【0094】
次に、前述の短テープモード(第3の動作モード)における処理フローについて、
図17を参照して説明する。この第3の動作モードでは、フィーダ制御部12は検出手段である第1のテープ検出部13、第2のテープ検出部14の実際の検出結果を無視して、第1のキャリアテープ搬送部15を制御する。
【0095】
まずテープフィーダ1は部品装着装置Mからの動作指令を待つ待機状態にあり(ST30)、この状態において指令の有無を監視する(ST31)。ここで指令なしであれば(ST30)に戻って待機を継続する。(ST31)において、部品装着装置Mからテープ送り指令があった場合には、第1のキャリアテープ搬送部15を作動させてキャリアテープ20を1ピッチだけ搬送し(ST32)、この後(ST30)に戻って待機を継続する。また(ST31)にて、部品切れ報知指令があった場合には、表示部42による表示またはランプ43の点灯を行って(ST33)、部品切れである旨を作業者に報知した後、(ST30)に戻って待機する。
【0096】
本実施の形態に示すテープフィーダ1では、上述の第1の動作モード、第2の動作モードおよび第3の動作モードのいずれをも、選択的に実行できるようになっている。すなわち、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20を連結せずに部品取出し位置4cに送るオートロードモード(第1の動作モード)の場合は、フィーダ制御部12は検出手段(キャリアテープ検出部)である第1のテープ検出部13の検出結果を利用して前述の第1の通知および第2の通知を行う。そしてこれらの通知を承けて部品装着装置Mのフィーダ制御部12は、第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16を制御する。
【0097】
また先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とを連結して送るスプライシングモード(第2の動作モード)の場合は、フィーダ制御部12は検出手段(キャリアテープ検出部)である第1のテープ検出部13の検出結果を利用して前述の第3の通知を行い、第1のキャリアテープ搬送部15を制御する。これとともに、検出手段(連結部検出部)である第2のテープ検出部14が先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20との連結部を検出したら前述の第4の通知を行って部品装着装置Mにその旨通知する。そしてこの通知を承けて部品装着装置Mは、
図16にて説明した処理を実行する。
【0098】
次に
図18を参照して、部品装着装置Mにおける部品切れ処理について説明する。この
処理は、部品装着装置Mによる部品装着作業を実行する過程において、部品装着装置Mが備えた部品切れ検出機能によって部品切れを検出した場合に実行される処理に関するものである。部品装着装置Mにおいては、常に部品切れ発生の有無を監視している(ST40)。例えば対象となるテープフィーダ1からの部品取出しにおいて、規定回数以上連続して部品取り出しエラーが発生したような場合に、部品装着装置Mは部品切れ発生と判断する。
【0099】
ここで部品切れの発生が検出されると、対象となっているテープフィーダ1の動作モードが判断される。この動作モードの判断は、フィーダ制御部12の動作モード記憶部12aに記憶された動作モードを特定する情報を参照することにより行われる。すなわち、動作モード記憶部12aを参照することにより、テープフィーダ1の動作モードが
図15に示すオートロードモード(第1の動作モード)であるか否かを判断する(ST41)。ここでNoであって、オートロードモードではない場合には、部品装着装置Mの報知機能により当該テープフィーダ1において部品切れが発生した旨の部品切れ報知を行う(ST42)。これとともに、当該テープフィーダ1に対して、部品切れ報知指令を発出する(ST43)。これにより、この指令を受けたテープフィーダ1は、テープフィーダ1が備えた表示部42などで部品切れの報知を行う。
【0100】
(ST41)にてYesであってオートロードモードである場合には、当該テープフィーダ1に対してテープ交換指令を発出する(ST44)。そして、カウントダウンフラグがONであるか否かを確認する(ST45)。カウントダウンフラグとは、テープフィーダ1にテープ送り指令を発した回数をカウントするカウンタを有効または無効にするためのフラグである。このカウンタは各テープフィーダ1に一対一で対応している。テープフィーダ1がオートロードモードの場合、このカウンタは第1の通知(ST5)があると有効(ON)にされ、テープ交換指令の後に無効(OFF)にされる。
【0101】
また、スプライシングモードの場合は、第4の通知(ST26)があると有効にされ、先行のキャリアテープ20から後続のキャリアテープ20に切り替わったと判断(ST64)されたら無効にされる。ここでカウントダウンフラグがONであれば、カウント値Kを当該キャリアテープ20について予め規定された設定値にセットし(ST46)、その後カウントダウンフラグをOFFに戻す(ST47)。なお(ST45)において既にカウントダウンフラグがOFFとなっている場合には、(ST46)、(ST47)はスキップされて次ステップに進む。
【0102】
そして、テープフィーダ1から次のキャリアテープ20から部品の取出しが可能になったことを意味する通知である第2の通知(
図15のST12)を受信するまで待機する(ST48)。ST44のテープ交換処理を受けたテープフィーダ1において後続のキャリアテープ20のローディング(ST6~ST11)が完了すると第2の通知を部品装着装置Mに通知する(ST12)。そしてこの通知を承けて、部品装着装置Mは部品管理情報の更新を行う(ST49)。ここで更新される部品管理情報には、当該キャリアテープ20の部品残数のほか、生産履歴情報として使用される部品の識別情報、ロット情報、製造メーカ情報などが含まれる。
【0103】
次に
図19を参照して、部品装着装置Mがキャリアテープ無し通知を受けた場合の処理について説明する。この処理は、部品装着装置Mによる部品装着作業を実行する過程において、部品装着装置Mがテープフィーダ1からキャリアテープ無し通知を受けた場合に実行される処理に関するものである。キャリアテープ無し通知は、オートロードモードの場合のST5の通知(第1の通知)、スプライシングモードの場合のST24(第3の通知)が該当する。部品装着装置Mにおいては、常にキャリアテープ無し通知の有無を監視している(ST50)。
【0104】
ST50でキャリアテープ無し通知が有ると、対象となっているテープフィーダ1の動作モードが判断される。すなわち動作モード記憶部12aを参照することにより、テープフィーダ1の動作モードが、
図15に示すオートロードモード(第1の動作モード)であるか否かを判断する(ST51)。ここでNoであって、オートロードモードではない場合には、当該キャリアテープ無し通知は前述の第3の通知に該当する。この場合には、部品装着装置Mの報知機能により当該テープフィーダ1において部品切れが発生した旨の、部品切れ報知を行う(ST52)。これとともに、当該テープフィーダ1に対して、部品切れ報知指令を発出する(ST53)。これにより、この指令を受けたテープフィーダ1は、テープフィーダ1が備えた表示部42などで部品切れの報知を行う。
【0105】
(ST51)にてYesであってオートロードモードである場合には、当該キャリアテープ無し通知は前述の第1の通知に該当する。そしてこの場合には、当該テープフィーダ1についてのカウントダウンフラグをONにする(ST54)。カウントダウンフラグをONにすると、第1のテープ検出部13によって終端部を検出されたキャリアテープ20の残り長さもしくは残存する部品数をカウントするためのカウンタが有効になる。
【0106】
次に
図20を参照して、部品装着装置Mが連結部検出通知を受けた場合の処理について説明する。この処理は、部品装着装置Mによる部品装着作業を実行する過程において、部品装着装置Mが先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とを連結して送るスプライシングモード(第2の動作モード)にて動作中のテープフィーダ1から連結部検出通知を受けた場合に実行される処理に関するものである。部品装着装置Mにおいては、常に連結部検出通知の有無を監視している(ST55)。(ST55)にて検出される連結部検出通知は、前述の第4の通知に該当する。そしてこの場合には、当該テープフィーダ1についてのカウントダウンフラグをONにする(ST56)。
【0107】
次に
図21を参照して、部品装着装置Mにおけるテープ送り処理について説明する。この処理は、部品装着装置Mによる部品装着作業を実行する過程において、第1のキャリアテープ搬送部15によってキャリアテープ20をテープ送りする際の処理に関するものである。テープ送り処理は生産プログラム44aに規定された順番で対象となるテープフィーダ1を切り替えながら実行される。最初に、実装制御部44は、対象となっているテープフィーダ1の動作モードを判断する。すなわち実装制御部44は、動作モード記憶部12aを参照することにより、テープフィーダ1の動作モードが、
図15に示すオートロードモード(第1の動作モード)であるか否かを判断する(ST60)。ここでNoであって、オートロードモードではない場合には、実装制御部44は、テープフィーダ1に対してテープ送り指令を送る(ST61A)。テープ送り指令を受けたテープフィーダ1はST22以降の処理を実行する。
【0108】
次に実装制御部44は、カウントダウンフラグがONとなっているか否かを判断する(ST62A)。ここでカウントダウンフラグがONとなっている場合には、カウント値Kを減算(K=K-1)するカウントダウン処理を実行する(ST63A)。このテープ送りに伴うカウントダウンにおいては、カウント値Kが0に一致するか否か、すなわちK=0であるか否かが逐次判断される(ST64A)。ここで一致しない場合には、テープ送り処理を終了する。
【0109】
動作モードがスプライシングモード(第2の動作モード)においてST64Aでカウント値Kが0に一致する場合、先行のキャリアテープ20の終端が部品取出し位置4cを通過し、先行のキャリアテープ20と連結部を介して接続された後続のキャリアテープ20に収納されている部品Pが部品取出し位置4cに到達した状態であることを意味する。このため、実装制御部44は部品の取出し対象が先行のキャリアテープ20から後続のキャ
リアテープ20に切り替わったことに伴う部品管理情報更新を実行する(ST65)。これにより、当該キャリアテープ20の部品残数のほか、生産履歴情報として使用される部品の識別情報、ロット情報、製造メーカ情報などが更新される。そして、実装制御部44は新たなキャリアテープ20についてのカウント値Kを規定の設定値(初期値)にセットし(ST66)、カウントダウンフラグをOFFにし(ST67)、テープ送り処理を終了する。
【0110】
ST60においてYesであって、オートロードモードである場合、実装制御部44は、テープフィーダ1に対してテープ送り指令を送る(ST61B)。その後のST62B~ST64Bの処理は、前述のST62A~ST64Aの処理と同じである。動作モードがオートロードモード(第1の動作モード)においてST64Bでカウント値Kが0に一致する場合、先行のキャリアテープ20の終端が部品取出し位置4cを通過した状態であることを意味する。従って、実装制御部44は、テープフィーダ1に先行のキャリアテープ20を排出させて後続のキャリアテープ20を搬入させるためにテープ交換指令を送る(ST69)。そして、実装制御部44は新たなキャリアテープ20についてのカウント値Kを規定の設定値(初期値)セットし(ST70)、カウントダウンフラグをOFFにする(ST71)。
【0111】
すなわちテープ交換指令を受けたテープフィーダ1では、後続のキャリアテープ20のローディング(ST6~ST11)が実行され、部品装着装置Mに対して第2の通知(ST12)が行われる。この間、実装制御部44は、(ST69)でテープ交換指令を送ったテープフィーダ1から部品供給準備完了を知らせる第2の通知が来るまで待機する(ST72)。そして、実装制御部44は、第2の通知を承けたら部品管理情報の更新を行い(ST73)、テープ送り処理を終了する。
【0112】
なお、上述実施例では、連結部検出部である第2のテープ検出部14を備えた例を示しているが、第1のテープ検出部13によって連結部を検出するようにしてもよい。すなわちこの場合には、キャリアテープ検出部である第1のテープ検出部13は、テープ搬送路4を通過するキャリアテープ20および先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20との連結部を検出可能となっている。そして第1のテープ検出部13が先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20との連結部を検出したら部品装着装置Mにその旨通知する。
【0113】
次に
図22~
図24を参照して、変形例の開閉カバー9Aについて説明する。なお
図24は、
図23におけるF-F断面を示している。
図22に示すように、開閉カバー9Aは、
図1~
図13に示す開閉カバー9おいて、第2カバー部9bの下面側にフィン9kを配置した構成となっている。フィン9kはカバーテープガイドであり、一対のローラである駆動ローラ21、従動ローラ22によってキャリアテープ20から剥離されて送り出されたカバーテープ20aをカバーテープ排出路24への排出方向へ案内する形状で設けられている。このようなフィン9kを設けることにより、キャリアテープ20から剥離されて送り出されたカバーテープ20aをスムーズに排出することができる。
【0114】
図23に示すように、第2カバー部9bの下面において、平面視して従動ローラ22の位置に対応した位置には、2つのフィン9kが並列して配置されている。
図24のF-F断面に示すように、第2カバー部9bの下面から下方に延出した2つのフィン9kは、キャリアテープ20から剥離された状態におけるカバーテープ20aの裏面に付着して残留する接着部の跡20eを避ける位置に配置されている。フィン9kをこのように配置することにより、剥離されたカバーテープ20aに残留する接着部の跡20eのフィン9kへの付着を防止することができる。したがってカバーテープ20aを安定して案内しながら、スムーズにカバーテープ排出路24へ排出することができる。
【0115】
なお、
図1に全体構成が示されたテープフィーダ1においては、連結部検出部である第2のテープ検出部14を、本体部2においてキャリアテープ20を挿入口4aから排出口4bまで案内するテープ搬送路4に配置した実施例を示した。本実施の形態においては、このような実施例には限定されず、例えば
図26、
図27に示す構成を採用してもよい。
【0116】
図26に示すテープフィーダ1Aでは、テープフィーダ1と同様に挿入口4aから排出口4bまでキャリアテープ20を案内するテープ搬送路4が設けられた本体部2を備えた構成において、第2のテープ検出部14と同様に連結部を検出する機能を有する第2のテープ検出部14Aを、キャリアテープ20がテープ搬送路4に搬入する前のキャリアテープ20の移動経路上に配置した構成例を示している。すなわちこの構成例では、本体部2から上流側に延出して設けられた保持部材2iに、キャリアテープ20の移動経路において挿入口4aから離隔した位置に配置された第2のテープ検出部14Aを保持させている。
【0117】
また
図27に示すテープフィーダ1Bでは、テープフィーダ1と同様に挿入口4aから排出口4bまでキャリアテープ20を案内するテープ搬送路4が設けられた本体部2を備えた構成において、第2のテープ検出部14と同様に連結部を検出する機能を有する第2のテープ検出部14Bを、キャリアテープ20をテープ搬送路4に挿入する挿入口4aに配置した構成例を示している。すなわちこの構成例では、本体部2の上流側の端面において挿入口4aと一致する位置に第2のテープ検出部14Bを配置している。
【0118】
上記説明したように、本実施の形態に示すテープフィーダ1は、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とが連結されていない状態で、先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20を部品取出し位置4cに送ることによりキャリアテープ20に収納された部品Pを部品装着装置Mに供給することができる部品供給装置であって、挿入口4aから排出口4bまでキャリアテープを20案内するテープ搬送路4が設けられた本体部2と、テープ搬送路4の下流部に配置されキャリアテープ20を部品取出し位置4cへ搬送する第1のキャリアテープ搬送部15と、テープ搬送路4の上流から第1のキャリアテープ搬送部15へキャリアテープ20を搬送する第2のキャリアテープ搬送部16と、部品装着装置Mと通信可能であり、第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部12とを備えた構成としている。そしてこの構成において、複数の動作モードにオートロードモードとスプライシングモードを含ませることにより、同一のテープフィーダ1によってオートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能となる。
【0119】
また本実施の形態に示す実装基板製造システム100は、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20とが連結されていない状態で、先行のキャリアテープ20に追従して後続のキャリアテープ20に収納された部品を部品取出し位置4cに供給することができる部品供給装置としてのテープフィーダ1と、部品取出し位置4cから部品を取り出して基板103に装着する部品装着装置Mとを含んだ実装基板製造システム100であって、テープフィーダ1は、挿入口4aから排出口4bまでキャリアテープ20を案内するテープ搬送路4が設けられた本体部2と、テープ搬送路4の下流部に配置されキャリアテープ20を部品取出し位置4cへ搬送する第1のキャリアテープ搬送部15と、テープ搬送路4の上流から第1のキャリアテープ搬送部15へキャリアテープ20を搬送する第2のキャリアテープ搬送部16と、先行のキャリアテープ20と後続のキャリアテープ20との連結部、もしくはテープ搬送路4でキャリアテープ20の端部を検出する検出手段と、部品装着装置Mと通信可能であり、第1のキャリアテープ搬送部15と第2のキャリアテープ搬送部16を複数の動作モードから選択された1つで作動させるフィーダ制御部
12とを備えた構成とし、部品装着装置Mは、選択されている動作モードに基づいてテープフィーダ1に指令を送信するようにしている。そして複数の動作モードにオートロードモードとスプライシングモードを含ませることにより、同一のテープフィーダ1によってオートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能となる。
【0120】
なお、上記実施の形態の実装基板製造システム100の部品装着装置Mは、フィーダ制御部12の動作モード記憶部12aに記憶された動作モードを特定する情報でテープフィーダ1の動作モードを特定している(
図18のST41、
図19のST51、
図21のST60)が、部品装着装置Mの実装制御部44の記憶部もしくは実装制御部44がアクセス可能な外部処理装置の記憶部に記憶されている情報に基づいてテープフィーダの動作モードを特定するようにしてもよい。一例として、実装制御部44が備えた記憶部に記憶されている生産プログラム44aに含まれる動作モードを特定する情報を利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の実装基板製造システムは、オートローディング方式とスプライシング方式のいずれによっても部品供給が可能となるという効果を有し、キャリアテープに収納された部品を部品装着装置に供給する技術分野において有用である。
【符号の説明】
【0122】
1、1A、1B テープフィーダ
2 本体部
3 テープ搬送部
4 テープ搬送路
4a 挿入口
4b 排出口
4c 部品取出し位置
13 第1のテープ検出部
14 第2のテープ検出部
15 第1のキャリアテープ搬送部
16 第2のキャリアテープ搬送部
20 キャリアテープ
100 実装基板製造システム
M 部品装着装置