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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20230623BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20230623BHJP
   H01M 50/213 20210101ALN20230623BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/204 401E
H01M50/342 101
H01M50/213
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019050016
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020155226
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
(72)【発明者】
【氏名】石本 一男
(72)【発明者】
【氏名】向 泰輝
【審査官】櫻井 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-038589(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0303422(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対を向いた第1面と第2面とを有する第1蓄電池モジュールと、
互いに反対を向いた第3面と第4面とを有する第2蓄電池モジュールとを備え、
前記第1面と前記第2面とに平行な投影面上において、前記第1面に配置される複数の第1排気口の位置と、前記第2面に配置される複数の第2排気口の位置とが異なり、
前記第3面と前記第4面とに平行な投影面上において、前記第3面に配置される複数の第3排気口の位置と、前記第4面に配置される複数の第4排気口の位置とが異なり、
前記第1面と前記第3面とを対応させる場合に、前記複数の第1排気口の位置と前記複数の第3排気口の位置とが共通であり、
前記第2面と前記第4面とを対応させる場合に、前記複数の第2排気口の位置と、前記複数の第4排気口の位置とが共通であり、
前記第2面と前記第3面とを対向させて、前記第1蓄電池モジュールと前記第2蓄電池モジュールとが並べられる、
組電池。
【請求項2】
互いに反対を向いた第1面と第2面とを有する第1蓄電池モジュールと、
互いに反対を向いた第3面と第4面とを有する第2蓄電池モジュールとを備え、
前記第1面に配置される複数の第1排気口と前記第2面に配置される複数の第2排気口は、前記第1蓄電池モジュールの下側部分に配置され、前記第3面に配置される複数の第3排気口と前記第4面に配置される複数の第4排気口は、前記第2蓄電池モジュールの上側部分に配置され、
前記第2面と前記第4面とを対向させて、前記第1蓄電池モジュールと前記第2蓄電池モジュールとが並べられる、
組電池。
【請求項3】
前記複数の第1排気口は前記第1面の下側部分のみに配置され、
前記複数の第2排気口は前記第2面の下側部分のみに配置され、
前記複数の第3排気口は前記第3面の下側部分のみに配置され、
前記複数の第4排気口は前記第4面の下側部分のみに配置される、
請求項1に記載の組電池。
【請求項4】
前記複数の第1排気口は前記第1面の上側部分と下側部分に配置され、
前記複数の第2排気口は前記第2面の上側部分と下側部分に配置され、
前記複数の第3排気口は前記第3面の上側部分と下側部分に配置され、
前記複数の第4排気口は前記第4面の上側部分と下側部分に配置される、
請求項1に記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組電池に関し、特に複数の蓄電池セルを収納する蓄電池モジュールを複数含む組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールを複数組み合わせた組電池の一例では、複数の電池モジュールが上下方向に積層されている。下部側に配置された電池モジュールにおけるケース内の電池に異常が発生して電池からガスが放出された場合、ガスの熱によって、上部側に位置する電池モジュールの電池が影響を受ける。そのため、下部側の電池モジュールの側面から離れながら上部に向かう連通部が配置される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第15/053119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組電池では、複数の電池モジュールが横方向に並べられることがある。このような構造において、1つの電池モジュールにおけるケース内の電池に異常が発生して電池からガスが放出された場合、ガスの熱によって、隣接した電池モジュールの電池に与える影響を低減することが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、1つの電池モジュールから排出されたガスによって他の電池モジュールが受ける影響を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の組電池は、互いに反対を向いた第1面と第2面とを有する第1蓄電池モジュールと、互いに反対を向いた第3面と第4面とを有する第2蓄電池モジュールとを備える。第1面と第2面とに平行な投影面上において、第1面に配置される複数の第1排気口の位置と、第2面に配置される複数の第2排気口の位置とが異なり、第3面と第4面とに平行な投影面上において、第3面に配置される複数の第3排気口の位置と、第4面に配置される複数の第4排気口の位置とが異なり、第1面と第3面とを対応させる場合に、複数の第1排気口の位置と複数の第3排気口の位置とが共通であり、第2面と第4面とを対応させる場合に、複数の第2排気口の位置と、複数の第4排気口の位置とが共通であり、第2面と第3面とを対向させて、第1蓄電池モジュールと第2蓄電池モジュールとが並べられる。
【0007】
本開示の別の態様もまた、組電池である。この組電池は、互いに反対を向いた第1面と第2面とを有する第1蓄電池モジュールと、互いに反対を向いた第3面と第4面とを有する第2蓄電池モジュールとを備える。第1面に配置される複数の第1排気口と第2面に配置される複数の第2排気口は、第1蓄電池モジュールの下側部分に配置され、第3面に配置される複数の第3排気口と第4面に配置される複数の第4排気口は、第2蓄電池モジュールの上側部分に配置され、第2面と第4面とを対向させて、第1蓄電池モジュールと第2蓄電池モジュールとが並べられる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、1つの電池モジュールから排出されたガスによって他の電池モジュールが受ける影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る蓄電池モジュールの構造を示す斜視図である。
図2図1の蓄電池モジュールの構造を示す分解斜視図である。
図3図1の蓄電池モジュールの構造を示す別の分解斜視図である。
図4図1の蓄電池モジュールの構造を示す断面図である。
図5図1の蓄電池モジュールの構造を示す別の断面図である。
図6図6(a)-(b)は、図1の蓄電池モジュールにおけるガスの排出の概要を示す図である。
図7図7(a)-(c)は、実施例1に係る蓄電池モジュールの構造の概要を示す図である。
図8図8(a)-(c)は、実施例1に係る組電池の構造を示す図である。
図9図9(a)-(d)は、実施例1に係る組電池の別の構造を示す図である。
図10図10(a)-(c)は、実施例2に係る蓄電池モジュールの構造の概要を示す図である。
図11図11(a)-(c)は、実施例2に係る組電池の構造を示す図である。
図12図12(a)-(f)は、実施例2に係る組電池の別の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、複数の蓄電池セルが収納される蓄電池モジュールが複数含まれる組電池に関する。蓄電池モジュールにおいて、各蓄電池セルは、正極と負極とが互いに反対を向いた構造を有し、例えば、正極が同一方向を向くように並べられる。蓄電池セルがリチウムイオン二次電池である場合、内部短絡等が発生すると蓄電池セル内にガスが発生する。また、ガスの発生により、蓄電池セル内の圧力が増加するが、安全機構によりガスが正極側から蓄電池セル外に放出される。このようなガスは高温高圧であり、ガスによる燃焼が生じると、蓄電池モジュール内の他の蓄電池セルも熱暴走(類焼)する。この類焼により、蓄電池モジュール全体、または製品全体が燃えてしまうおそれがある。ガスによる類焼を抑制するために、蓄電池の構造体と複数の蓄電池セルの正極側の面との間には空間が設けられ、空間は排気口に接続される。蓄電池セルからの高温ガスは空間に放出され、排気口から蓄電池モジュール外に放出される。
【0011】
このような状況下において、空間が複数に分割された構造を有する場合、ガスは1つの排気口から排出されにくくなる。そのため、ガスによる類焼が生じやすくなる。一方、1つの空間に複数の排気口が接続される場合、ガスは排出されやすくなる。しかしながら、1つの空間に複数の排気口が接続されると、蓄電池モジュール外から空間に空気が流入しやすくなり、ガスによる高温燃焼が生じやすくなる。そのため、ガスによる高温燃焼を抑制するような構造体内の空間と排気口との関係が求められる。本実施例に係る蓄電池モジュールは、1つの空間に1つの排気口を接続する。そのため、構造体内に1つの空間が形成される場合、構造体に1つの排気口が設けられる。また、構造体内に複数の空間が形成される場合、構造体に複数の排気口が設けられる。ここで、一般的に不完全燃焼温度<完全燃焼温度の関係であり、金属を溶かず「ふいご」の様に空気(酸素)を多く送り込むと燃焼温度はさらに高温になる。ろうそくの芯の部分は不完全燃焼で約600℃、炎の先端は約1000℃を超える温度として知られている。
【0012】
このような蓄電池モジュールが横方向に並べられ、かつ電気的に接続されることによって組電池が形成される。1つの蓄電池モジュールの排気口から排出されたガスが、近傍に設置された別の蓄電池モジュールの排気口から当該別の蓄電池モジュールの内部に流入すると、内部の蓄電池セルがあぶられることによって、当該別の蓄電池モジュールが熱暴走するおそれがある。そのため、1つの蓄電池モジュールから排出されるガスが、隣接の別の蓄電池モジュールに直接流入することを抑制することが求められる。本実施例に係る組電池では、隣接した2つの蓄電池モジュールのそれぞれの排気口が、上下左右で互い違いになる位置に設けられる。このような構造によって、1つの蓄電池モジュールから排出されるガスが、隣接の別の蓄電池モジュールに直接流入しにくくなる。また、ガスが、隣接の別の蓄電池モジュールに流入する場合であっても、一定距離の移動によってガスが冷やされているので、類焼発生の危険性が低減される。以下の説明において、「平行」、「垂直」は、完全な平行、垂直だけではなく、誤差の範囲で平行、垂直からずれている場合も含む。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
【0013】
ここでは、(1)組電池3000に含まれる蓄電池モジュール1000の構造を説明してから、(2)組電池3000の構造を説明する。
(1)組電池3000に含まれる蓄電池モジュール1000の構造
図1は、蓄電池モジュール1000の構造を示す斜視図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸を含む直交座標系が規定される。x軸、y軸は、蓄電池モジュール1000の底面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、蓄電池モジュール1000の高さ(垂直)方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、x軸の正方向側を「前側」あるいは「正面側」、x軸の負方向側を「後側」あるいは「背面側」、z軸の正方向側を「上側」あるいは「天面側」、z軸の負方向側を「下側」あるいは「底面側」ということもある。さらに、y軸方向の正方向側を「右側」、y軸の負方向側を「左側」ということもある。
【0014】
構造体100は、前側筐体110、後側筐体130、右側蓋352を含む。前側筐体110は、前面112、前側下面114、前側上面116、前側排気口118と総称される第1前側排気口118aから第4前側排気口118d、左側面150を含む。後側筐体130は、後面132、後側下面134、後側上面136、右側面152を含む。前側筐体110、後側筐体130の各構成要素は、ネジ、溶接、接着材等で接続されているが、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0015】
前側筐体110の前面112は、y-z平面上に広がる矩形の板形状を有する。前面112の下側端から後側に向かって前側下面114が延び、前面112の上側端から後側に向かって前側上面116が延び、前面112の左側端から後側に向かって左側面150が延びる。前側下面114と前側上面116と左側面150は、いずれも板形状を有する。板形状は矩形状であってもよい。また、後側筐体130の後面132は、y-z平面上に広がる矩形の板形状を有する。後面132の下側端から前側に向かって後側下面134が延び、後面132の上側端から前側に向かって後側上面136が延び、後面132の右側端から前側に向かって右側面152が延びる。後側下面134と後側上面136と右側面152は、いずれも板形状を有する。板形状は矩形状であってもよい。
【0016】
前側下面114の後側端と、後側下面134の前側端とが接続されることによって、前側下面114と後側下面134は、1つの下面を形成する。また、前側上面116の後側端と、後側上面136の前側端とが接続されることによって、前側上面116と後側上面136は、1つの上面を形成する。下面と上面は、前面112と後面132とに交差する。このように前側筐体110と後側筐体130とが接続されることによって、構造体100は箱形状を有する。その際、構造体100の右側は、右側面152、右側蓋352でふさがれ、構造体100の左側は、左側面150、左側蓋(図示せず)でふさがれる。以下では、前面112を第1面と呼び、後面132を第2面と呼び、下面を第3面と呼び、上面を第4面と呼んでもよい。ここで、前側筐体110と後側筐体130は、熱伝導性の高い材料、例えば、金属、カーボンにより形成される。そのため、前面112、前側下面114、前側上面116、後面132、後側下面134、後側上面136は、例えば、金属板である。
【0017】
以下では、図2から図5を使用しながら、このような蓄電池モジュール1000の構造をさらに説明する。図2は、蓄電池モジュール1000の構造を示す分解斜視図である。図3は、蓄電池モジュール1000の構造を示す別の分解斜視図であり、図2をさらに分解した構造を示す。図4は、蓄電池モジュール1000の構造を示す断面図であり、図1のA-A’線の断面図である。図5は、蓄電池モジュール1000の構造を示す別の断面図であり、図1のB-B’線の断面図である。
【0018】
前側筐体110と後側筐体130との間には、前側ケース240と後側ケース250との組合せが収納される。前側ケース240と後側ケース250との組合せは中空の箱形状を有しており、絶縁性を有する材料、例えば樹脂により形成される。この組合せでは、前側ケース240の後側端と後側ケース250の前側端が接続されており、前側ケース240は前側筐体110に対向し、後側ケース250は後側筐体130に対向する。前側ケース240と後側ケース250との組合せの内部には、蓄電池集合体200と総称される第1蓄電池集合体200aから第7蓄電池集合体200g、電池ホルダ230が収納される。特に、左側から右側に向かって、第1蓄電池集合体200a、第2蓄電池集合体200b、・・・、第6蓄電池集合体200f、第7蓄電池集合体200gが順に並べられる。そのため、下面と上面は、蓄電池集合体200を挟んで互いに対向するといえる。各蓄電池集合体200には、複数の蓄電池セル210が配置される。
【0019】
蓄電池セル210は、例えば、円柱形のリチウムイオン二次電池である。蓄電池セル210における円柱形の両端には、互いに反対を向いた正極212と負極214とが配置される。蓄電池セル210には公知の技術が使用されればよく、内部短絡等の発生により内部の圧力が上昇した場合、高温高圧ガスを外部に放出する安全機構が備えられる。一般的に、高温高圧ガスは正極212側から放出される。
【0020】
ここで、第1蓄電池集合体200a、第3蓄電池集合体200c、第5蓄電池集合体200e、第7蓄電池集合体200gのそれぞれに含まれた複数の蓄電池セル210は、正極212を前側に向け、負極214を後側に向ける。また、第2蓄電池集合体200b、第4蓄電池集合体200d、第6蓄電池集合体200fのそれぞれに含まれた複数の蓄電池セル210は、正極212を後側に向け、負極214を前側に向ける。つまり、1つの蓄電池集合体200内では正極212の方向が同一であるが、隣接した2つの蓄電池集合体200の間では正極212の方向が逆になる。前面112に対向する前側の電極を「第1の電極」と呼び、後面132に対向する後側の電極を「第2の電極」と呼ぶ場合、第1蓄電池集合体200a等では、第1の電極が正極212であり、第2の電極が負極214である。また、第2蓄電池集合体200b等では、第1の電極が負極214であり、第2の電極が正極212である。
【0021】
電池ホルダ230は、複数の蓄電池セル210のそれぞれを挿入可能な貫通孔を備えることによって、複数の蓄電池セル210のそれぞれの位置を固定する。電池ホルダ230は、絶縁性を有する材料、例えば樹脂により形成される。電池ホルダ230によって固定された複数の蓄電池セル210の前側には前側ケース240が取り付けられ、電池ホルダ230によって固定された複数の蓄電池セル210の後側には後側ケース250が取り付けられる。
【0022】
前側ケース240は、y-z平面に広がる板形状の前側ケース板部244を有し、前側ケース板部244には、各蓄電池セル210の正極212に対向した位置に貫通孔が設けられる。また、前側ケース板部244の前側の面において、第2蓄電池集合体200bと第3蓄電池集合体200cとの境界の位置には、第1前側隔壁242aが設けられる。また、第4蓄電池集合体200dと第5蓄電池集合体200eとの境界の位置には、第2前側隔壁242bが設けられ、第6蓄電池集合体200fと第7蓄電池集合体200gとの境界の位置には、第3前側隔壁242cが設けられる。第1前側隔壁242aから第3前側隔壁242cは前側隔壁242と総称され、前側隔壁242は、前側に向かって突出するとともに上下方向に延びる。
【0023】
第1前側隔壁242aから第3前側隔壁242cによって、前側ケース板部244の前側の面は、第1前側凹部246aから第4前側凹部246dに区分される。例えば、第2前側凹部246bは、第1前側隔壁242aと第2前側隔壁242bとに挟まれた部分、つまり第3蓄電池集合体200cと第4蓄電池集合体200dに対向した位置に配置される。第1前側凹部246a、第3前側凹部246cも第2前側凹部246bと同様である。一方、第4前側凹部246dは、第7蓄電池集合体200gだけに対向した位置に配置されるので、第1前側凹部246aから第3前側凹部246cよりも狭い。このような第1前側凹部246aから第4前側凹部246dは前側凹部246と総称される。
【0024】
図2図3に示されるように、第1前側凹部246aには第1前側リード板300aが嵌め込まれ、第2前側凹部246bには第2前側リード板300bが嵌め込まれる。また、第3前側凹部246cには第3前側リード板300cが嵌め込まれ、第4前側凹部246dには第4前側リード板300dが嵌め込まれる。第1前側リード板300aから第4前側リード板300dは前側リード板300と総称され、前側リード板300は板形状を有する。第1前側リード板300aは、第1蓄電池集合体200aの複数の蓄電池セル210の正極212と、第2蓄電池集合体200bの複数の蓄電池セル210の負極214とに接続される。第1前側リード板300aには、1つの正極212と1つの負極214とを電気的に接続する配線パターンが設けられているので、第1蓄電池集合体200aの1つの蓄電池セル210と、第2蓄電池集合体200bの1つの蓄電池セル210は、直列に接続される。ここで、第1前側リード板300aにおいて正極212と接続される部分には貫通孔が設けられる。第2前側リード板300b、第3前側リード板300cも第1前側リード板300aと同様である。一方、第4前側リード板300dは、第7蓄電池集合体200gの複数の蓄電池セル210の正極212だけに接続される。そのため、第4前側リード板300dは、第1前側リード板300aから第3前側リード板300cよりも小さい。
【0025】
後側ケース250は、y-z平面に広がる板形状の後側ケース板部254を有し、後側ケース板部254には、各蓄電池セル210の正極212に対向した位置に貫通孔が設けられる。また、図5に示されるように、後側ケース板部254の後側の面において、第1蓄電池集合体200aと第2蓄電池集合体200bとの境界の位置には、第1後側隔壁252aが設けられる。また、第3蓄電池集合体200cと第4蓄電池集合体200dとの境界の位置には、第2後側隔壁252bが設けられ、第5蓄電池集合体200eと第6蓄電池集合体200fとの境界の位置には、第3後側隔壁252cが設けられる。第1後側隔壁252aから第3後側隔壁252cは後側隔壁252と総称され、後側隔壁252は、後側に向かって突出するとともに上下方向に延びる。
【0026】
第1後側隔壁252aから第3後側隔壁252cによって、後側ケース板部254の後側の面は、第1後側凹部256aから第4後側凹部256dに区分される。例えば、第2後側凹部256bは、第1後側隔壁252aと第2後側隔壁252bとに挟まれた部分、つまり第2蓄電池集合体200bと第3蓄電池集合体200cに対向した位置に配置される。第3後側凹部256c、第4後側凹部256dも第2後側凹部256bと同様である。一方、第1後側凹部256aは、第1蓄電池集合体200aだけに対向した位置に配置されるので、第2後側凹部256bから第4後側凹部256dよりも狭い。このような第1後側凹部256aから第4後側凹部256dは後側凹部256と総称される。
【0027】
第1後側凹部256aには第1後側リード板302aが嵌め込まれ、第2後側凹部256bには第2後側リード板302bが嵌め込まれる。また、第3後側凹部256cには第3後側リード板302cが嵌め込まれ、第4後側凹部256dには第4後側リード板302dが嵌め込まれる。第1後側リード板302aから第4後側リード板302dは後側リード板302と総称され、後側リード板302は板形状を有する。第2後側リード板302bは、第2蓄電池集合体200bの複数の蓄電池セル210の正極212と、第3蓄電池集合体200cの複数の蓄電池セル210の負極214とに接続される。第2後側リード板302bには、1つの正極212と1つの負極214とを電気的に接続する配線パターンが設けられているので、第2蓄電池集合体200bの1つの蓄電池セル210と、第3蓄電池集合体200cの1つの蓄電池セル210は、直列に接続される。ここで、第2後側リード板302bにおいて正極212と接続される部分には貫通孔が設けられる。第3後側リード板302c、第4後側リード板302dも第2後側リード板302bと同様である。一方、第1後側リード板302aは、第1蓄電池集合体200aの複数の蓄電池セル210の負極214だけに接続される。そのため、第1後側リード板302aは、第2後側リード板302bから第4後側リード板302dよりも小さい。このような前側リード板300と後側リード板302によって、第1蓄電池集合体200aから第7蓄電池集合体200gのそれぞれに含まれる1つの蓄電池セル210は、直列に接続される。
【0028】
図2、3に示されるように、蓄電池集合体200を収納しながら組み合わされた前側ケース240と後側ケース250の上側には、制御基板トレイ330が取り付けられる。制御基板トレイ330は、左右方向に延びる板形状のトレイである。制御基板トレイ330の上には、制御基板332が配置される。制御基板332は、IC(Integrated Circuit)等を搭載しており、蓄電池モジュール1000の動作を制御する。制御基板332は、制御基板トレイ330と同様に左右方向に延びる板形状を有するが、制御基板トレイ330よりも小さい。制御基板332が配置された制御基板トレイ330の上側を覆うように、制御基板蓋334が取り付けられる。制御基板蓋334は、制御基板332を保護するための蓋であり、制御基板トレイ330に合わせた形状を有する。
【0029】
図5に示されるように、蓄電池集合体200を収納しながら組み合わされた前側ケース240と後側ケース250の左側には左側蓋350が取り付けられ、右側には右側蓋352が取り付けられる。左側蓋350と右側蓋352は、上下方向に延びる板形状を有し、前側ケース240と後側ケース250の組合せを側面から保護する。制御基板トレイ330、制御基板蓋334、左側蓋350、右側蓋352は、絶縁性を有する材料、例えば樹脂により形成される。
【0030】
図2に示されるように、制御基板トレイ330から制御基板蓋334、左側蓋350、右側蓋352が取り付けられた前側ケース240と後側ケース250との組合せは、前述のごとく、前側筐体110と後側筐体130との間に配置される。これにより、図4に示されるように、前面112と前側下面114と前側上面116と前側リード板300(第3前側リード板300c)に囲まれる前空間400(第3前空間400c)が形成される。ここで、第3前側リード板300cは、第5蓄電池集合体200eと第6蓄電池集合体200fにおける複数の第1の電極側の面に相当する。第3前空間400cのうち、第5蓄電池集合体200eと第6蓄電池集合体200fにおける下面側端の蓄電池セル210よりも下面側に位置する前面112の部分、あるいは前側下面114には、第3前側排気口118cが設けられる。第3前側排気口118cは、前面112の部分あるいは前側下面114に形成された貫通孔であり、これは開口であるともいえる。
【0031】
また、後面132と後側下面134と後側上面136と後側リード板302(第3後側リード板302c)に囲まれる後空間410(第3後空間410c)が形成される。ここで、第3後側リード板302cは、第4蓄電池集合体200dと第5蓄電池集合体200eにおける複数の第2の電極側の面に相当する。第3後空間410cのうち、第4蓄電池集合体200dと第5蓄電池集合体200eにおける下面側端の蓄電池セル210よりも下面側に位置する後面132の部分、あるいは後側下面134には、第2後側排気口138b(図2)が設けられる。第2後側排気口138bは、後面132の部分あるいは後側下面134に形成された貫通孔である。
【0032】
前空間400と後空間410について、図5を使用してさらに詳細に説明すると、前空間400は、第1前側隔壁242aから第3前側隔壁242cによって、第1前空間400aから第4前空間400dに分割される。そのため、前側隔壁242は、隣接した前空間400を仕切るともいえる。第1前空間400aから第4前空間400dは左右方向に並んで配置される。特に、第1前空間400aから第3前空間400cは2つの蓄電池集合体200に対向して配置されるが、第4前空間400dは1つの蓄電池集合体200だけに対応して配置される。そのため、第4前空間400dの容積は、第1前空間400aから第3前空間400cのそれぞれの容積よりも小さい。また、各前空間400の下側の部分には1つの前側排気口118が設けられる。そのため、1つの前空間400は1つの前側排気口118を有する。
【0033】
また、後空間410は、第1後側隔壁252aから第3後側隔壁252cによって、第1後空間410aから第4後空間410dに分割される。そのため、後側隔壁252は、隣接した後空間410を仕切るともいえる。第1後空間410aから第4後空間410dは左右方向に並んで配置される。特に、第2後空間410bから第4後空間410dは2つの蓄電池集合体200に対向して配置されるが、第1後空間410aは1つの蓄電池集合体200だけに対応して配置される。そのため、第1後空間410aの容積は、第2後空間410bから第4後空間410dのそれぞれの容積よりも小さい。また、第2後空間410bから第4後空間410dのそれぞれの下側の部分には1つの後側排気口138が設けられる。
【0034】
図6(a)-(b)は、蓄電池モジュール1000におけるガスの排出の概要を示す。図6(a)は、蓄電池モジュール1000の構造を簡略に示す断面図であり、かつ図4と同一方向の断面図である。ここでは、一例として、第1蓄電池セル210aから第8蓄電池セル210hが下側から上側に向かって並べられる。前述のごとく、これらの蓄電池セル210の前側に前空間400が配置され、前空間400に接する前側下面114に前側排気口118が設けられる。
【0035】
第3蓄電池セル210cにおいて内部短絡等により熱暴走が発生すると、第3蓄電池セル210cは高温高圧のガス500を正極212側から前側ケース240、前側リード板300経由で前空間400に放出する。前空間400に放出されたガス500は、前面112に接触する。前面112は、金属板であるので、接触したガス500から熱を吸収し、蓄電池モジュール1000の外部に熱を放出する。このようにガス500は、前面112との接触によって熱を奪われ冷やされる。また、冷やされたガス500は前空間400内で拡散されるので、ガス500の圧力は低下する。さらに、温度と圧力が低下したガス500は、前空間400の下側に設けられた前側排気口118から蓄電池モジュール1000の外部に放出される。
【0036】
このようなガス500の流れによって、第3蓄電池セル210cからガス500が放出される際に火花が生じても、冷却・拡散・放出がなされるので、高温燃焼は生じにくくなる。ここで、第4前空間400dの容積は、第1前空間400aから第3前空間400cのそれぞれの容積よりも小さい。そのため、蓄電池セル210から放出されたガス500によって、第4前空間400dでの圧力は、それ以外の圧力よりも高くなりやすい。これにより、第4前空間400dを形成している第3前側隔壁242cは、他の前側隔壁242よりも破損されやすくなる。本実施例では、第3前側隔壁242cの破損を防止するために、第4前空間400dに設けられる第4前側排気口118dの大きさが、他の前側排気口118よりも大きくされる。これにより、第4前空間400dにおける圧力の増加が抑制される。つまり、前空間400の大きさが小さくなるほど、前側排気口118の面積が大きくされる。
【0037】
仮に、前側排気口118が、前側上面116に設けられている場合、完全密封でない前空間400の下部から空気が流入する可能性がある。流入した空気は前側排気口118から排出されるので、前空間400内に下側から上側に向かう空気の流れが生じる。このような空気の流れにより、火花に空気が供給されるので、高温燃焼が生じやすくなる。後空間410においても、前空間400と同様に、ガス500の冷却・拡散・放出がなされる。
【0038】
図6(b)は、図6(a)の蓄電池モジュール1000の比較対象となる蓄電池モジュール2000の構造を簡略に示す断面図であり、かつ図6(a)と同一方向の断面図である。前面2112から前側上面2116、後面2132から後側上面2136、蓄電池集合体2200から負極2214、前側ケース2240、後側ケース2250、前側リード板2300、後側リード板2302、前空間2400、後空間2410は、図6(a)の前面112から前側上面116、後面132から後側上面136、蓄電池集合体200から負極214、前側ケース240、後側ケース250、前側リード板300、後側リード板302、前空間400、後空間410と同一である。ここでは、前空間400に接する前面2112のうち、第1蓄電池セル2210aの正極2212に対向する部分に、前側排気口2118が設けられる。
【0039】
第1蓄電池セル2210aにおいて内部短絡等により熱暴走が発生すると、第1蓄電池セル2210aは高温高圧のガス2500を正極2212側から前側ケース2240、前側リード板2300経由で前空間2400に放出する。前空間2400に放出されたガス2500は、前側排気口2118から蓄電池モジュール2000の外部に放出される。つまり、ガス2500には、前面2112との接触による冷却がなされない。その際、火花が生じていれば、火花に空気が供給されるので、高温燃焼が生じやすくなる。
【0040】
組電池3000の構造の説明を明瞭にするために、これまで説明した蓄電池モジュール1000の構造を図7(a)-(c)のようにまとめる。図7(a)-(c)は、蓄電池モジュール1000の構造の概要を示す。図7(a)は、蓄電池モジュール1000の前側からの概要を示し、図7(b)は、蓄電池モジュール1000の右側からの概要を示し、図7(c)は、蓄電池モジュール1000の後側からの概要を示す。第1蓄電池集合体200aから第7蓄電池集合体200gは左右方向に並べられる。第1蓄電池集合体200aでは、正極212が前側を向き、負極214が後側を向く。第2蓄電池集合体200bでは、負極214が前側を向き、正極212が後側を向く。また、正極212の下側には前側排気口118あるいは後側排気口138が配置される。そのため、第1蓄電池集合体200a、第3蓄電池集合体200c、第5蓄電池集合体200e、第7蓄電池集合体200gの下側には、前側排気口118が配置される。第2蓄電池集合体200b、第4蓄電池集合体200d、第6蓄電池集合体200fの下側には後側排気口138が配置される。さらに、蓄電池モジュール1000の右側の端には、正極端子が設けられ、蓄電池モジュール1000の左側の端には負極端子が設けられる。
【0041】
(2)組電池3000の構造
図8(a)-(c)は、組電池3000の構造を示す。図8(a)は、組電池3000の構造を示す斜視図である。図8(b)は、組電池3000の上面図であるが、組電池3000の下側部分の構造を中心に示す。組電池3000は、第1蓄電池モジュール1000a、第2蓄電池モジュール1000bを含む。第1蓄電池モジュール1000a、第2蓄電池モジュール1000bは、前述の蓄電池モジュール1000と同様の構造を有する。
【0042】
第1蓄電池モジュール1000aは、互いに反対を向いた第1面1110と第2面1120とを有するとともに、第1面1110と第2面1120とに挟まれた上面1150と下面1160とを有する。第1面1110は図1の前面112に対応し、第2面1120は図1の後面132に対応し、上面1150は図1の前側上面116と後側上面136との組合せに対応し、下面1160は図1の前側下面114と後側下面134との組合せに対応する。また、第1面1110の下側部分には複数の第1排気口1210が配置され、第2面1120の下側部分には複数の第2排気口1220が配置される。複数の第1排気口1210は図2の複数の前側排気口118に対応し、複数の第2排気口1220は図2の複数の後側排気口138に対応する。ここで、第1面1110と第2面1120とに平行な投影面上、つまりy-z平面上において、複数の第1排気口1210の位置と、複数の第2排気口1220の位置とは異なる。
【0043】
第2蓄電池モジュール1000bは、互いに反対を向いた第3面1130と第4面1140とを有するとともに、第3面1130と第4面1140とに挟まれた上面1170と下面1180とを有する。第3面1130は図1の前面112に対応し、第4面1140は図1の後面132に対応し、上面1170は図1の前側上面116と後側上面136との組合せに対応し、下面1180は図1の前側下面114と後側下面134との組合せに対応する。また、第3面1130の下側部分には複数の第3排気口1230が配置され、第4面1140の下側部分には複数の第4排気口1240が配置される。複数の第3排気口1230は図2の複数の前側排気口118に対応し、複数の第4排気口1240は図2の複数の後側排気口138に対応する。ここで、第3面1130と第4面1140とに平行な投影面上、つまりy-z平面上において、複数の第3排気口1230の位置と、複数の第4排気口1240の位置とは異なる。
【0044】
第1面1110と第3面1130とを対応させる場合に、複数の第1排気口1210の位置と複数の第3排気口1230の位置とが共通である。また、第2面1120と第4面1140とを対応させる場合に、複数の第2排気口1220の位置と、複数の第4排気口1240の位置とが共通である。ここでは、第2面1120と第3面1130とを対向させて、第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bとが並べられる。このように並べられることによって、第1蓄電池モジュール1000aの正極端子1050と第2蓄電池モジュール1000bの正極端子1060とが同一方向を向く。また、第1蓄電池モジュール1000aの負極端子1052と第2蓄電池モジュール1000bの負極端子1062も同一方向を向く。ここで、正極端子1050と正極端子1060とを電気的に接続し、負極端子1052と負極端子1062とを電気的に接続することによって、第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bとは並列に接続される。また、第2面1120における第2排気口1220と、第3面1130における第3排気口1230は対向せずに配置される。
【0045】
図8(c)は、図8(b)における第2面1120と第3面1130の一部を拡大した図である。ここでは、第2蓄電池モジュール1000bの内部の蓄電池セル210において熱暴走が発生し、第3排気口1230からガスが排出される場合を想定する。第3排気口1230から噴出されるガスは一般的に高温であるが、ガスは第2面1120にあたる。第2面1120にあたることによってガスが冷却されるとともに拡散される。拡散によってガスは第2面1120に沿って移動するが、移動によってさらに冷却される。そのため、ガスが第2排気口1220から第1蓄電池モジュール1000aに流入しても、類焼発生の危険性が低減される。
【0046】
図9(a)-(d)は、組電池3000の別の構造を示す。図9(a)は、組電池3000の構造を示す斜視図である。図9(b)は、組電池3000の上面図であるが、組電池3000の下側部分の構造を中心に示す。組電池3000に含まれる第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bの構造は、図8(a)-(c)と同一であるが、これらの配置が図8(a)-(c)とは異なる。第1蓄電池モジュール1000aは、図8(a)と同様に配置されるが、第2蓄電池モジュール1000bは、第4面1140を第2面1120に対向させ、かつ下面1180を上側に向け、かつ上面1170を下側に向けて配置される。このように第2蓄電池モジュール1000bは、図8(a)での配置に対して、x-y平面内で反転させられるとともに、上下反転させられる。その結果、第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bは、第2面1120と第4面1140とに平行な投影面上において、互いの向きを変えて並べられる。
【0047】
このように並べられることによって、第1蓄電池モジュール1000aの正極端子1050と第2蓄電池モジュール1000bの負極端子1062とが同一方向を向く。また、第1蓄電池モジュール1000aの負極端子1052と第2蓄電池モジュール1000bの正極端子1060も同一方向を向く。ここで、負極端子1052と正極端子1060とを電気的に接続することによって、第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bとは直列に接続される。
【0048】
第1排気口1210と第2排気口1220は、第1蓄電池モジュール1000aの下側部分に配置されるが、第3排気口1230と第4排気口1240は、第2蓄電池モジュール1000bの上側部分に配置される。そのため、第2排気口1220と第4排気口1240とが対向しなくなり、第4排気口1240から排出されたガスが第2排気口1220に直接流入されなくなる。さらに、第2排気口1220と第4排気口1240との距離が、図8(a)-(c)における第2排気口1220と第3排気口1230との距離よりも長くなるので、ガスはさらに冷却される。
【0049】
図9(c)-(d)は、図9(a)-(b)の比較対象となる組電池4000であり、図9(a)-(b)と同様に示される。組電池4000は、図9(a)-(b)と同一の第1蓄電池モジュール1000aと第2蓄電池モジュール1000bとを含むが、これらの配置が図9(a)-(b)と異なる。第2蓄電池モジュール1000bは、第4面1140を第2面1120に対向させ、かつ上面1170を上側に向け、かつ下面1180を下側に向けて配置される。このように第2蓄電池モジュール1000bは、図8(a)での配置に対して、x-y平面内で反転させられるが、上下反転させられない。このように並べられることによって、第2排気口1220と第4排気口1240とが対向するので、第4排気口1240から排出されたガスが第2排気口1220に直接流入される。そのため、このような配置は好ましくない。
【0050】
本実施例によれば、第2排気口1220の位置と第3排気口1230の位置とが異なる場合に、第2面1120と第3面1130とを対向させるので、第2蓄電池モジュール1000bから排出されたガスによって第1蓄電池モジュール1000aが受ける影響を低減できる。また、第2排気口1220の位置と第4排気口1240の位置が共通であっても、第1蓄電池モジュール1000aの向きと第2蓄電池モジュール1000bの向きとを変えるので、第2蓄電池モジュール1000bから排出されたガスによって第1蓄電池モジュール1000aが受ける影響を低減できる。また、第1排気口1210から第4排気口1240は各面の下側部分に配置されるので、構造を簡易にできる。
【0051】
また、構造体100の内部に形成された1つの空間は1つの排気口を有するので、蓄電池セル210から放出したガス500を排気口から外部に放出できる。また、1つの空間内のガス500が1つの排気口から外部に放出されるので、ガス500を十分に放出できる。また、ガス500が十分に放出されるので、高温燃焼の発生を抑制できる。また、1つの空間内のガス500が1つの排気口から外部に放出されるので、空間内への空気の流入を抑制できる。また、空間内への空気の流入が抑制されるので、高温燃焼の発生を抑制できる。
【0052】
また、異なった集合体において正極212の向きが共通であるので、同一方向を向いた複数の蓄電池セル210を複数の集合体に分類できる。また、空間を第1空間と第2空間とに分割するので、空間が大きい場合に小さな第1空間と第2空間を形成できる。また、小さな第1空間と第2空間のそれぞれに対して1つの排気口を設けるので、ガス500を十分に放出できる。また、小さな第1空間と第2空間のそれぞれに対して1つの排気口を設けるので、第1空間内と第2空間内への空気の流入を抑制できる。また、前面112は金属板であるので、ガス500を冷却できる。
【0053】
また、異なった集合体において正極212の向きが逆であるので、複数の蓄電池セル210の方向に応じて複数の集合体を形成できる。また、空間を第1空間と第2空間とに分割するので、蓄電池集合体200を挟んで反対側に第1空間と第2空間を形成できる。また、第1空間と第2空間のそれぞれに対して1つの排気口を設けるので、ガス500を十分に放出できる。また、第1空間と第2空間のそれぞれに対して1つの排気口を設けるので、第1空間内と第2空間内への空気の流入を抑制できる。また、前面112と後面132は金属板であるので、ガス500を冷却できる。
【0054】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の組電池(3000)は、互いに反対を向いた第1面(1110)と第2面(1120)とを有する第1蓄電池モジュール(1000a)と、互いに反対を向いた第3面(1130)と第4面(1140)とを有する第2蓄電池モジュール(1000b)とを備える。第1面(1110)と第2面(1120)とに平行な投影面上において、第1面(1110)に配置される複数の第1排気口(1210)の位置と、第2面(1120)に配置される複数の第2排気口(1220)の位置とが異なり、第3面(1130)と第4面(1140)とに平行な投影面上において、第3面(1130)に配置される複数の第3排気口(1230)の位置と、第4面(1140)に配置される複数の第4排気口(1240)の位置とが異なり、第1面(1110)と第3面(1130)とを対応させる場合に、複数の第1排気口(1210)の位置と複数の第3排気口(1230)の位置とが共通であり、第2面(1120)と第4面(1140)とを対応させる場合に、複数の第2排気口(1220)の位置と、複数の第4排気口(1240)の位置とが共通であり、第2面(1120)と第3面(1130)とを対向させて、第1蓄電池モジュール(1000a)と第2蓄電池モジュール(1000b)とが並べられる。
【0055】
本開示の別の態様もまた、組電池(3000)である。この組電池(3000)は、互いに反対を向いた第1面(1110)と第2面(1120)とを有する第1蓄電池モジュール(1000a)と、互いに反対を向いた第3面(1130)と第4面(1140)とを有する第2蓄電池モジュール(1000b)とを備える。第1面(1110)と第2面(1120)とに平行な投影面上において、第1面(1110)に配置される複数の第1排気口(1210)の位置と、第2面(1120)に配置される複数の第2排気口(1220)の位置とが異なり、第3面(1130)と第4面(1140)とに平行な投影面上において、第3面(1130)に配置される複数の第3排気口(1230)の位置と、第4面(1140)に配置される複数の第4排気口(1240)の位置とが異なり、第1面(1110)と第3面(1130)とを対応させる場合に、複数の第1排気口(1210)の位置と複数の第3排気口(1230)の位置とが共通であり、第2面(1120)と第4面(1140)とを対応させる場合に、複数の第2排気口(1220)の位置と、複数の第4排気口(1240)の位置とが共通であり、第2面(1120)と第4面(1140)とを対向させ、かつ第2面(1120)と第4面(1140)とに平行な投影面上において、第1蓄電池モジュール(1000a)の向きと第2蓄電池モジュール(1000b)の向きとを変えて、第1蓄電池モジュール(1000a)と第2蓄電池モジュール(1000b)とが並べられる。
【0056】
複数の第1排気口(1210)は第1面(1110)の下側部分に配置され、複数の第2排気口(1220)は第2面(1120)の下側部分に配置され、複数の第3排気口(1230)は第3面(1130)の下側部分に配置され、複数の第4排気口(1240)は第4面(1140)の下側部分に配置される。
【0057】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、複数の蓄電池セルが収納される蓄電池モジュールが複数含まれる組電池に関する。実施例1において各蓄電池モジュールの排気口が下側部分にのみ配置されるが、実施例2では、各蓄電池モジュールの排気口が上側部分と下側部分に配置される。以下では、これまでとの差異を中心に説明する。
【0058】
図10(a)-(c)は、蓄電池モジュール1500の構造の概要を示す。図10(a)-(c)は、図7(a)-(c)のように示される。図10(a)は、蓄電池モジュール1500の前側からの概要を示し、図10(b)は、蓄電池モジュール1500の右側からの概要を示し、図10(c)は、蓄電池モジュール1500の後側からの概要を示す。蓄電池モジュール1500は、蓄電池モジュール1000と異なり、上側の段と下側の段において正極212と負極214の向きが異なる。また、上段の正極212の上側には上側排気口1510あるいは上側排気口1520が配置され、下段の正極212の下側には下側排気口1512あるいは下側排気口1522が配置される。さらに、蓄電池モジュール1500の右側の端には、正極端子が設けられ、蓄電池モジュール1500の左側の端には負極端子が設けられる。
【0059】
図11(a)-(c)は、組電池3000の構造を示す。図11(a)は、組電池3000の構造を示す斜視図である。図11(b)-(c)は、組電池3000の上面図であるが、図11(b)は組電池3000の上側部分の構造を中心に示し、図11(c)は組電池3000の下側の構造を中心に示す。組電池3000は、第1蓄電池モジュール1500a、第2蓄電池モジュール1500bを含む。第1蓄電池モジュール1500a、第2蓄電池モジュール1500bは、前述の蓄電池モジュール1500と同様の構造を有する。
【0060】
第1蓄電池モジュール1500aは、互いに反対を向いた第1面1610と第2面1620とを有するとともに、第1面1610と第2面1620とに挟まれた上面1650と下面1660とを有する。第1面1610の上側部分には複数の第1上側排気口1710が配置され、第1面1610の下側部分には複数の第1下側排気口1712が配置される。第2面1620の上側部分には複数の第2上側排気口1720が配置され、第2面1620の下側部分には複数の第2下側排気口1722が配置される。複数の第1上側排気口1710は、図10(a)の複数の上側排気口1510に対応し、複数の第1下側排気口1712は、図10(a)の複数の下側排気口1512に対応する。複数の第2上側排気口1720は、図10(c)の複数の上側排気口1520に対応し、複数の第2下側排気口1722は、図10(c)の複数の下側排気口1522に対応する。ここで、第1面1610と第2面1620とに平行な投影面上、つまりy-z平面上において、複数の第1上側排気口1710の位置と、複数の第2上側排気口1720の位置とは異なる。また、複数の第1下側排気口1712の位置と、複数の第2下側排気口1722の位置も異なる。
【0061】
第2蓄電池モジュール1500bは、互いに反対を向いた第3面1630と第4面1640とを有するとともに、第3面1630と第4面1640とに挟まれた上面1670と下面1680とを有する。第3面1630の上側部分には複数の第3上側排気口1730が配置され、第3面1630の下側部分には複数の第3下側排気口1732が配置される。第4面1640の上側部分には複数の第4上側排気口1740が配置され、第4面1640の下側部分には複数の第4下側排気口1742が配置される。複数の第3上側排気口1730は、図10(a)の複数の上側排気口1510に対応し、複数の第3下側排気口1732は、図10(a)の複数の下側排気口1512に対応する。複数の第4上側排気口1740は、図10(c)の複数の上側排気口1520に対応し、複数の第4下側排気口1742は、図10(c)の複数の下側排気口1522に対応する。ここで、第3面1630と第4面1640とに平行な投影面上、つまりy-z平面上において、複数の第3上側排気口1730の位置と、複数の第4上側排気口1740の位置とは異なる。また、複数の第3下側排気口1732の位置と、複数の第4下側排気口1742の位置も異なる。
【0062】
第1面1610と第3面1630とを対応させる場合に、複数の第1上側排気口1710の位置と複数の第3上側排気口1730の位置とが共通である。また、複数の第1下側排気口1712の位置と複数の第3下側排気口1732の位置も共通である。第2面1620と第4面1640とを対応させる場合に、複数の第2上側排気口1720の位置と複数の第4上側排気口1740の位置とが共通である。複数の第2下側排気口1722の位置と、複数の第4下側排気口1742の位置も共通である。ここでは、第2面1620と第3面1630とを対向させて、第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bとが並べられる。このように並べられることによって、第1蓄電池モジュール1500aの正極端子1550と第2蓄電池モジュール1500bの正極端子1560とが同一方向を向く。また、第1蓄電池モジュール1500aの負極端子1552と第2蓄電池モジュール1500bの負極端子1562も同一方向を向く。ここで、正極端子1550と正極端子1560とを電気的に接続し、負極端子1552と負極端子1562とを電気的に接続することによって、第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bとは並列に接続される。また、第2面1620における第2上側排気口1720と、第3面1630における第3上側排気口1730は対向せずに配置される。第2面1620における第2下側排気口1722と、第3面1630における第3下側排気口1732も対向せずに配置される。
【0063】
図12(a)-(f)は、組電池3000の別の構造を示す。図12(a)は、組電池3000の構造を示す斜視図である。図12(b)-(c)は、組電池3000の上面図であるが、図12(b)は組電池3000の上側部分の構造を中心に示し、図12(c)は組電池3000の下側の構造を中心に示す。組電池3000に含まれる第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bの構造は、図10(a)-(c)と同一であるが、これらの配置が図11(a)-(c)とは異なる。第1蓄電池モジュール1500aは、図11(a)と同様に配置されるが、第2蓄電池モジュール1500bは、第4面1640を第2面1620に対向させ、かつ下面1680を上側に向け、かつ上面1670を下側に向けて配置される。このように第2蓄電池モジュール1500bは、図11(a)での配置に対して、x-y平面内で反転させられるとともに、上下反転させられる。その結果、第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bは、第2面1620と第4面1640とに平行な投影面上において、互いの向きを変えて並べられる。
【0064】
このように並べられることによって、第1蓄電池モジュール1500aの正極端子1550と第2蓄電池モジュール1500bの負極端子1562とが同一方向を向く。また、第1蓄電池モジュール1500aの負極端子1552と第2蓄電池モジュール1500bの正極端子1560も同一方向を向く。ここで、負極端子1552と正極端子1560とを電気的に接続することによって、第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bとは直列に接続される。
【0065】
第1上側排気口1710と第2上側排気口1720が第1蓄電池モジュール1500aの上側部分に配置されるとともに、第4下側排気口1742と第3下側排気口1732が第2蓄電池モジュール1500bの上側部分に配置される。そのため、第2上側排気口1720と第4下側排気口1742とが対向しなくなり、第4下側排気口1742から排出されたガスが第2上側排気口1720に直接流入されなくなる。
【0066】
第1下側排気口1712と第2下側排気口1722は、第1蓄電池モジュール1500aの下側部分に配置されるとともに、第3上側排気口1730と第4上側排気口1740は、第2蓄電池モジュール1500bの下側部分に配置される。そのため、第2下側排気口1722と第4上側排気口1740とが対向しなくなり、第4上側排気口1740から排出されたガスが第2下側排気口1722に直接流入されなくなる。
【0067】
図12(c)-(d)は、図12(a)-(b)の比較対象となる組電池4000であり、図12(a)-(b)と同様に示される。組電池4000は、図9(a)-(b)と同一の第1蓄電池モジュール1500aと第2蓄電池モジュール1500bとを含むが、これらの配置が図12(a)-(b)と異なる。第2蓄電池モジュール1500bは、第4面1640を第2面1620に対向させ、かつ上面1670を上側に向け、かつ下面1680を下側に向けて配置される。このように第2蓄電池モジュール1500bは、図11(a)での配置に対して、x-y平面内で反転させられるが、上下反転させられない。このように並べられることによって、第2上側排気口1720と第4上側排気口1740とが対向するので、第4上側排気口1740から排出されたガスが第2上側排気口1720に直接流入される。また、第2下側排気口1722と第4下側排気口1742とが対向するので、第4下側排気口1742から排出されたガスが第2下側排気口1722に直接流入される。そのため、このような配置は好ましくない。
【0068】
本実施例によれば、第2排気口(1720、1722)の位置とが第3排気口(1730、1732)の位置とが異なる場合に、第2面1620と第3面1630とを対向させるので、第2蓄電池モジュール1500bから排出されたガスによって第1蓄電池モジュール1500aが受ける影響を低減できる。また、第2排気口(1720、1722)の位置と第4排気口(1740、1742)の位置が共通であっても、第1蓄電池モジュール1500aの向きと第2蓄電池モジュール1500bの向きとを変えるので、第2蓄電池モジュール1500bから排出されたガスによって第1蓄電池モジュール1500aが受ける影響を低減できる。また、第1排気口(1710、1712)から第4排気口(1740、1742)は各面の上側部分と下側部分に配置されるので、ガスを効率的に排出できる。
【0069】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の組電池(3000)は、互いに反対を向いた第1面(1610)と第2面(1620)とを有する第1蓄電池モジュール(1500a)と、互いに反対を向いた第3面(1630)と第4面(1640)とを有する第2蓄電池モジュール(1500b)とを備える。第1面(1610)と第2面(1620)とに平行な投影面上において、第1面(1610)に配置される複数の第1排気口(1710、1712)の位置と、第2面(1620)に配置される複数の第2排気口(1720、1722)の位置とが異なり、第3面(1630)と第4面(1640)とに平行な投影面上において、第3面(1630)に配置される複数の第3排気口(1730、1732)の位置と、第4面(1640)に配置される複数の第4排気口(1740、1742)の位置とが異なり、第1面(1610)と第3面(1630)とを対応させる場合に、複数の第1排気口(1710、1712)の位置と複数の第3排気口(1730、1732)の位置とが共通であり、第2面(1620)と第4面(1640)とを対応させる場合に、複数の第2排気口(1720、1722)の位置と、複数の第4排気口(1740、1742)の位置とが共通であり、第2面(1620)と第3面(1630)とを対向させて、第1蓄電池モジュール(1500a)と第2蓄電池モジュール(1500b)とが並べられる。
【0070】
本開示の別の態様もまた、組電池(3000)である。この組電池(3000)は、互いに反対を向いた第1面(1610)と第2面(1620)とを有する第1蓄電池モジュール(1500a)と、互いに反対を向いた第3面(1630)と第4面(1640)とを有する第2蓄電池モジュール(1500b)とを備える。第1面(1610)と第2面(1620)とに平行な投影面上において、第1面(1610)に配置される複数の第1排気口(1710、1712)の位置と、第2面(1620)に配置される複数の第2排気口(1720、1722)の位置とが異なり、第3面(1630)と第4面(1640)とに平行な投影面上において、第3面(1630)に配置される複数の第3排気口(1730、1732)の位置と、第4面(1640)に配置される複数の第4排気口(1740、1742)の位置とが異なり、第1面(1610)と第3面(1630)とを対応させる場合に、複数の第1排気口(1710、1712)の位置と複数の第3排気口(1730、1732)の位置とが共通であり、第2面(1620)と第4面(1640)とを対応させる場合に、複数の第2排気口(1720、1722)の位置と、複数の第4排気口(1740、1742)の位置とが共通であり、第2面(1620)と第4面(1640)とを対向させ、かつ第2面(1620)と第4面(1640)とに平行な投影面上において、第1蓄電池モジュール(1500a)の向きと第2蓄電池モジュール(1500b)の向きとを変えて、第1蓄電池モジュール(1500a)と第2蓄電池モジュール(1500b)とが並べられる。
【0071】
複数の第1排気口(1710、1712)は第1面(1610)の上側部分と下側部分に配置され、複数の第2排気口(1720、1722)は第2面(1620)の上側部分と下側部分に配置され、複数の第3排気口(1730、1732)は第3面(1630)の上側部分と下側部分に配置され、複数の第4排気口(1740、1742)は第4面(1640)の上側部分と下側部分に配置される。
【0072】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0073】
実施例1および2において、組電池3000に含まれる蓄電池モジュール1000あるいは蓄電池モジュール1500の数は「2」であるとされる。しかしながらこれに限らず例えば、組電池3000に含まれる蓄電池モジュール1000あるいは蓄電池モジュール1500の数は「3」以上であってもよい。その際、実施例1および2における配置の規則性にしたがって、蓄電池モジュール1000あるいは蓄電池モジュール1500が並べられればよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0074】
実施例1および2において、前空間400と後空間410とが形成される。しかしながらこれに限らず例えば、前空間400と後空間410の一方だけが形成されてもよい。本変形例によれば、すべての蓄電池セル210が同一方向を向いて配置されている場合に、配置に適した空間を形成できる。
【0075】
実施例1および2において、複数の前空間400が並べられる。しかしながらこれに限らず例えば、前空間400の数は1つでもよい。本変形例によれば、前空間400のサイズが小さい場合に構造を簡易にできる。また、後空間410についても同様である。
【0076】
実施例1および2において、前側隔壁242、後側隔壁252は、樹脂等により形成されている。しかしながらこれに限らず例えば、樹脂等により形成された前側隔壁242、後側隔壁252は、前空間400あるいは後空間410側から金属板等によって補強されてもよい。本変形例によれば、発生したガス500の圧力が高くなっても、前側隔壁242、後側隔壁252を破損しにくくできる。
【符号の説明】
【0077】
1000 蓄電池モジュール、 1110 第1面、 1120 第2面、 1130 第3面、 1140 第4面、 1150 上面、 1160 下面、 1170 上面、 1180 下面、 1210 第1排気口、 1220 第2排気口、 1230 第3排気口、 1240 第4排気口、 3000 組電池。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12