(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 14/02 20060101AFI20230623BHJP
F21S 8/06 20060101ALI20230623BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230623BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230623BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230623BHJP
【FI】
F21V14/02 200
F21S8/06 200
F21S2/00 230
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y103:10
(21)【出願番号】P 2019165241
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】役野 善道
(72)【発明者】
【氏名】足川 茂幸
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-129002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 14/02
F21S 8/06
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り具と、
前記吊り具を介して吊り下げ体に回動可能に吊り下げられる照明ユニットと、
前記吊り具と前記照明ユニットとを連結する連結機構とを備え、
前記連結機構は、鉛直方向と交差する交差方向における前記照明ユニットと前記吊り具との相対的な位置を変更し、変更後の前記位置において前記照明ユニットと前記吊り具とを固定する構造を有
し、
前記連結機構は、前記照明ユニットに設けられかつ前記交差方向に延びる第1長孔と、前記吊り具に固定されかつ前記第1長孔に差し込まれる差込体とを有し、
前記第1長孔内において前記差込体を前記交差方向にスライドさせることによって、前記照明ユニットおよび前記吊り具の前記一方が前記他方に対してスライドする、
照明器具。
【請求項2】
前記吊り下げ体は、棒状のバトンであり、
前記交差方向は、前記バトンの長手方向とさらに交差する、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記連結機構は、前記照明ユニットに設けられかつ前記交差方向に延びる第2長孔と、前記第2長孔に差し込まれる蝶ボルトと、前記蝶ボルトが螺合されるボルト孔とを有し、
前記蝶ボルトを締め付けることによって、変更後の前記位置において前記照明ユニットと前記吊り具とが固定される、
請求項
1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1長孔および前記第2長孔を覆う蓋体をさらに備える、
請求項
3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記連結機構は、前記照明ユニットに設けられかつ前記交差方向に並んで配置される複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔のそれぞれに差し込み可能な蝶ボルトと、前記蝶ボルトが螺合されるボルト孔とを有し、
前記蝶ボルトを前記複数の貫通孔のいずれかに差し込みかつ前記ボルト孔に螺合させることによって、変更後の前記位置において前記照明ユニットと前記吊り具とが固定される、
請求項
1又は2に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第1長孔および前記複数の貫通孔を覆う蓋体を備える、
請求項
5に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特に吊り下げ型の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ホールまたは体育館等の建物における舞台の天井に吊り下げられる吊り下げ型の照明器具が知られている。この種の照明器具の一例として、特許文献1には、発光部が設けられる本体部と、天井に固定されて本体部を揺動可能に吊り下げて支持する支持部とを有する照明装置が開示されている。
【0003】
このような吊り下げ型の照明器具には、支持部等の吊り具が天井に直接固定される構造を有する照明器具だけではなく、天井に吊り下げられたバトンに固定される構造を有するバトン吊り照明器具も知られている。バトン吊り照明器具は、たとえば、バトンに取り付けられる吊り具(ハンガー)と、吊り具に連結される照明ユニットとを備えている。このような照明器具では、吊り具を介してバトンに吊り下げられた照明ユニットを傾けることで照明光の照射方向を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のバトン吊り照明器具の構造では、照明ユニットを傾ける際の作業負担が大きいという課題がある。
【0006】
しかも、照明ユニットを傾けて固定したつもりでも、その後にバトンが回転してしまい、しばらくすると傾ける前の元の状態に戻ることもある。つまり、従来のバトン吊り照明器具の構造では、照明ユニットの傾きを維持することが困難であるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、照明ユニットを簡単な作業で傾けることができ、かつ、照明ユニットの傾きを容易に維持できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具の一態様は、吊り具と、前記吊り具を介して吊り下げ体に回動可能に吊り下げられる照明ユニットと、前記吊り具と前記照明ユニットとを連結する連結機構とを備え、前記連結機構は、鉛直方向と交差する交差方向における前記照明ユニットと前記吊り具との相対的な位置を変更し、変更後の前記位置において前記照明ユニットと前記吊り具とを固定する構造を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明ユニットを簡単な作業で傾けることができ、かつ、照明ユニットの傾きを容易に維持できる照明器具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具を示す概略図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の照明ユニットと吊り具との相対的な位置を変更した状態における
図2のIII-III線断面図である。
【
図6】実施の形態2に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0013】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る照明器具10について説明する。
【0014】
図1は、実施の形態1に係る照明器具10を示す概略図である。
図1に示すように、照明器具10は、吊り下げ体に吊り下げられる吊り下げ型の照明器具である。実施の形態1では、吊り下げ体は棒状のバトン1であり、照明器具10は、ホールまたは体育館等の建物における舞台の天井等に取り付けられたバトン1に吊り下げられるバトン吊り照明器具である。照明器具10は、舞台の床2に向かって光3を照射する。なお、照明器具10は、舞台の天井に取り付けられたバトン1に限らず、様々な場所に設置されたバトンに吊り下げることができる。詳細は後述するが、照明器具10は、バトン1に対して回動することによって、光の照射方向を変更できる(
図1の一点鎖線参照)。また、照明器具10は、変更後の光の照射方向を容易に維持できる。以下、照明器具10の詳細について説明する。
【0015】
図2は、実施の形態1に係る照明器具10を示す斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線断面図である。
図4は、
図2の照明器具10を示す分解斜視図である。なお、
図2においては、図面が煩雑になることを避けるため、バトン1を一点鎖線で示す。また、以下の説明においては、便宜上、天板24(後述)から見て、前板26(後述)側を前方とし、第1後板28(後述)側を後方として説明する(
図2から
図4の矢印参照)。また、以下の説明においては、便宜上、天板24から見て、左板32(後述)側を左方とし、右板34(後述)側を右方として説明する(
図2および
図4の矢印参照)。また、以下の説明においては、便宜上、天板24から見て、吊り具14(後述)側を上方とし、吊り具14とは反対側を下方として説明する(
図2から
図4の矢印参照)。前後方向、左右方向、および上下方向は、相互に垂直に交わっている。なお、説明の便宜上、前後方向、左右方向、および上下方向を定義したが、これらの方向は、照明器具10の使用時の姿勢等を限定するものではない。
【0016】
図2および
図3に示すように、照明器具10は、バトン1に吊り下げられている。バトン1は、天井から吊り下げられている。バトン1は、左右方向に延びかつ棒状である。言い換えると、バトン1の長手方向は、左右方向と一致している。左右方向に垂直な断面において、バトン1は円形状であるが、バトン1は多角形状であってもよい。また、バトン1は、回動(
図3の矢印A参照)するように天井等に取り付けられていてもよいし、回動しないように天井等に取り付けられていてもよい。
図2および
図3に示す照明器具10は、左右方向から見たとき、バトン1と吊り具14の上板72(後述)との接触部分B(
図3参照)の鉛直方向(
図2および
図3の矢印C参照)の真下に照明器具10の重心が位置するように、バトン1に吊り下げられている。このように、
図2および
図3に示す照明器具10は、照明器具10に掛かる力のモーメントがつり合った状態でバトン1に吊り下げられている。また、
図2および
図3に示す照明器具10は、上下方向が鉛直方向と一致する姿勢でバトン1に吊り下げられている。言い換えると、
図2および
図3に示す照明器具10は、前後方向および左右方向が水平方向と平行となる姿勢でバトン1に吊り下げられている。
図2および
図3に示す状態において、前後方向は、鉛直方向と交差しかつバトン1の長手方向(左右方向)と交差する交差方向に相当する。照明器具10は、照明ユニット12と、複数(実施の形態1では、2個)の吊り具(ハンガー)14と、複数(実施の形態1では、2個)の連結機構15と、複数(実施の形態1では、2個)の蓋体16とを備える。以下各構成について説明する。
【0017】
まず、照明ユニット12について説明する。照明ユニット12は、複数の連結機構15を介して複数の吊り具14に連結されている。照明ユニット12は、複数の吊り具14を介してバトン1に回動可能に吊り下げられている。具体的には、照明ユニット12は、吊り具14とともにバトン1に対して回動可能となるように、バトン1に吊り下げられている。照明ユニット12は、筐体18と、光源ユニット20とを有する。
【0018】
筐体18は、光源ユニット20を収容している。筐体18は、天板24と、前板26と、第1後板28と、第2後板30と、左板32と、右板34と、支持板36と、反射板38とを有する。各板の材料としては、たとえば、金属等を用いることができる。
【0019】
天板24は、上下方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、天板は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。天板24には、左右方向に並んで配置される複数(実施の形態1では、2個)の連結部40が設けられている。左方側の連結部40は、左右方向における天板24の中央部よりも左方側に設けられており、左方側の蓋体16の下方に設けられている。右方側の連結部40は、左右方向における天板24の中央部よりも右方側に設けられており、右方側の蓋体16の下方に設けられている。複数の連結部40は、連結機構15に含まれる構成であるので、複数の連結部40の詳細な説明については後述する。
【0020】
前板26は、前後方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、前板26は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。前板26の上端部は、天板24の前端部に取り付けられている。
【0021】
第1後板28は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。第1後板28は、左右方向から見たとき、略逆L字状である。第1後板28は、天板部46と、後板部48とを有する。天板部46は、上下方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、天板部46は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。天板部46は、前後方向において、天板24と並んで配置されており、天板部46の前端部は、天板24の後端部に接続されている。後板部48は、前後方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、後板部48は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。後板部48の上端部は、天板部46の後端部に接続されており、後板部48は、天板部46と一体的に形成されている。
【0022】
第2後板30は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。第2後板30は、後板部50と、下板部52とを有する。後板部50は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。後板部50は、第1後板28の後板部48に取り付けられており、後板部48の下端部から前方斜め下方に突出している。下板部52は、上下方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、下板部52は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。下板部52の後端部は、後板部50の下端部に接続されており、下板部52は、後板部50と一体的に形成されている。
【0023】
左板32は、左右方向に垂直な方向に延びかつ板状である。左板32は、天板24と前板26と第1後板28と第2後板30とを連結しており、各板の左端部に取り付けられている。
図4に示すように、左板32は、複数(実施の形態1では、2個)の貫通孔54と、複数(実施の形態1では、2個)のブッシング56とを有する。複数の貫通孔54は、左板32の上端部における後部に設けられており、前後方向に並んで配置されている。複数の貫通孔54はそれぞれ、左右方向に左板32を貫通している。複数のブッシング56は、複数の貫通孔54に着脱可能に取り付けられている。
【0024】
右板34は、左板32と左右対称の形状であるので、上述した左板32の説明を参照することによって、右板34の詳細な説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、支持板36は、光源ユニット20を支持している。支持板36は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。支持板36は、第2後板30の後板部50に取り付けられており、後板部50から前方斜め上方に突出している。支持板36は、上方に凹む凹部58を有する。凹部58は、前後方向における支持板36の略中央部に設けられており、左右方向から見たとき、略逆U字状である。凹部58は、後方斜め上方に凹んでいる。凹部58は、支持部36の左端部から右端部まで設けられており、左右方向に延びかつ溝状である。
【0026】
反射板38は、光源ユニット20から発せられた光を反射する。反射板38は、左右方向に延びかつ長尺の板状である。反射板38は、前板26に取り付けられており、前板26から後方斜め上方に突出している。反射板38の後端部は、支持板36の前端部に取り付けられている。
【0027】
光源ユニット20は、複数のLED(Light Emitting Diode)60と、基板62と、ベース64と、カバー66と、電源22とを有する。複数のLED60は、左右方向に並んで配置されており、前後方向に2列配置されている。複数のLED60は、基板62の下面に取り付けられている。複数のLED60は、前方斜め下方を向いて配置されており、前方斜め下方に光を発する(
図3の矢印D参照)。なお、複数のLED60は、SMD(Surface Mount Device)タイプのLED光源であるが、COB(Chip On Board)タイプのLED光源であってもよい。基板62は、左右方向に延びかつ長尺の板状であり、ベース64の下面に取り付けられている。ベース64は、左右方向に延びかつ長尺の板状であり、左右方向から見たとき略U字状である。ベース64は、カバー66に取り付けられている。ベース64の材料としては、たとえば、金属等を用いることができる。カバー66は、複数のLED60が発する光を透過させる。また、カバー66は、複数のLED60が発する光を拡散または集光させる。カバー66は、左右方向に延びかつ長尺の部材である。カバー66は、複数のLED60、基板62、およびベース64を下方から覆っており、ベース64を前後方向から挟持している。カバー66は、凹部58に嵌め込まれ、支持板36に支持されている。カバー66の材料としては、たとえば、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料、またはガラス材料等の透光性を有する材料を用いることができる。
【0028】
電源22は、凹部58内においてベース64上に配置されており、複数のLED60に電力を供給する。電源22は、電力を生成する電源回路等によって構成されている。電源22は、たとえば、商用電源等の外部電源からの交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力を複数のLED60に供給する。
【0029】
次に、複数の吊り具14について説明する。
図2に示すように、複数の吊り具14は、左右方向に並んで配置されており、天板24の上方に配置されている。複数の吊り具14はそれぞれ、バトン1を挟持する。複数の吊り具14はそれぞれ、連結機構15を介して、天板24に連結されている。
【0030】
図2から
図4に示すように、左方側の吊り具14は、上板72と、下板74と、締結部材76とを有する。上板72は、前後方向に延びかつ板状である。上板72は、貫通孔78を有する。貫通孔78は、上板72の前端部において上板72を上下方向に貫通している。下板74は、上板72の下方に配置されている。下板74は、左右方向から見たとき、略U字の板状である。下板74は、貫通孔80,81,82を有する。貫通孔80は、下板74の前端部において下板74を上下方向に貫通している。貫通孔80は、上下方向において、貫通孔78と重なっている。貫通孔81は、下板74の下端部において下板74を上下方向に貫通している。貫通孔82は、下板74の後端部において下板74を前後方向に貫通している。貫通孔82には上板72が挿通されており、下板74の後端部は上板72に引っ掛けられている。締結部材76は、ボルト84と、ナット86,88と、ワッシャ90,92,94,96とを有する。ボルト84は、上方から上板72の貫通孔78と下板74の貫通孔80とに挿通されている。ボルト84と上板72との間には、ワッシャ90,92が重ねて配置されている。ナット86は、下方からボルト84に取り付けられている。ナット86と下板74との間には、ワッシャ94,96が重ねて配置されている。ナット86を締め付けることによって、上板72の前端部と下板74の前端部とが近づく方向に力を発生させ、上板72と下板74とでバトン1を挟持できる。ナット88は、下方からボルト84に取り付けられ、ナット86の下方に配置されている。ナット88を締め付けることによって、ナット86が緩むことを抑制できる。
【0031】
右方側の吊り具14は、左方側の吊り具14と同様の構成であるので、上述した左方側の吊り具14の説明を参照することによって、右方側の吊り具14の詳細な説明は省略する。
【0032】
次に、複数の連結機構15について説明する。
図2に示すように、複数の連結機構15は、左右方向に並んで配置されている。複数の連結機構15はそれぞれ、吊り具14と照明ユニット12とを連結する。左方側の連結機構15は、左方側の吊り具14と照明ユニット12とを連結している。右方側の連結機構15は、右方側の吊り具14と照明ユニット12とを連結している。複数の連結機構15はそれぞれ、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更する構造を有する。具体的には、複数の連結機構15はそれぞれ、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせることによって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更する構造を有する。また、複数の連結機構15はそれぞれ、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定する構造を有する。
【0033】
図2から
図4に示すように、左方側の連結機構15は、連結部40と、板体98と、締結部材100と、複数(実施の形態1では、2個)の蝶ボルト102とを有する。
【0034】
連結部40は、第1長孔42と、左右方向において第1長孔42を挟むように設けられる複数(実施の形態1では、2個)の第2長孔44とを有する。第1長孔42は、左右方向において複数の第2長孔44の間に設けられている。第1長孔42は、前後方向に延びかつ上下方向に天板24を貫通している。第1長孔42の前端部は、光源ユニット20よりも前方に位置している。第1長孔42の後端部は、光源ユニット20の上方に位置している。左右方向において、第1長孔42の幅は、第2長孔44の幅よりも大きい。複数の第2長孔44は、左右方向に並んで設けられている。複数の第2長孔44はそれぞれ、前後方向に延びかつ上下方向に天板24を貫通している。複数の第2長孔44は、相互に同形状、同寸法に設定されている。複数の第2長孔44の前端部は、第1長孔42の前端部よりも前方に位置しており、光源ユニット20よりも前方に位置している。複数の第2長孔44の後端部は、第1長孔42の後端部よりも前方に位置しており、光源ユニット20の上方に位置している。
【0035】
板体98は、上下方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、板体98は、左右方向に延びかつ板状である。板体98は、天板24における接続部40の下方に配置されており、締結部材100を介して吊り具14に固定されている。板体98は、貫通孔104と、複数(実施の形態1では、2個)のボルト孔106とを有する。貫通孔104は、前後方向において板体98の中央部よりも後方に設けられている。また、貫通孔104は、左右方向において板体98の中央部に設けられている。貫通孔104は、上下方向に板体98を貫通している。貫通孔104は、接続部40における第1長孔42と、上下方向において重なっている。貫通孔104の直径は、複数のボルト孔106の直径よりも大きい。複数のボルト孔106は、前後方向において板体98の中央部よりも前方に設けられており、左右方向に並んで設けられている。複数のボルト孔106はそれぞれ、上下方向に板体98を貫通している。左方側のボルト孔106は、接続部40における左方側の第2長孔44と、上下方向において重なっている。右方側のボルト孔106は、接続部40における右方側の第2長孔44と、上下方向において重なっている。板体98の材料としては、たとえば、金属等を用いることができる。
【0036】
締結部材100は、吊り具14に固定されている。締結部材100は、吊り具14よりも下方に突出しており、第1長孔42に差し込まれている。締結部材100は、第1長孔42内を前後方向にスライド可能である。締結部材100は、ボルト108と、ナット110,112と、ワッシャ114,116,118,120,122とを有する。ボルト108は、吊り具14の下板74の貫通孔81、蓋体16の第1貫通孔124(後述)、天板24の第1長孔42、および板体98の貫通孔104に、上方から差し込まれており、各孔を挿通している。ボルト108と吊り具14の下板74との間には、ワッシャ114が配置されている。ナット110は下方からボルト108に取り付けられている。ナット110を締め付けることによって、ボルト108が吊り具14の下板74に固定される。このようにして、締結部材100は、吊り具14に固定されている。ナット110の下方には、ワッシャ116,118が重ねて配置されており、ワッシャ118の下方には、板体98が配置されている。さらに、板体98の下方には、ワッシャ120,122が重ねて配置されており、ワッシャ122の下方には、ナット112が配置されている。ナット112は、下方からボルト108に取り付けられており、ナット112を締め付けることによって、板体98が締結部材100を介して吊り具14に固定される。なお、実施の形態1では、締結部材100が差込体に相当する。
【0037】
複数の蝶ボルト102はそれぞれ、蓋体16の第2貫通孔126(後述)、および第2長孔44に上方から差し込まれており、各孔を挿通している。また、複数の蝶ボルト102はそれぞれ、ボルト孔106に螺合されており、ボルト孔106を挿通している。
【0038】
蝶ボルト102をボルト孔106に螺合させて締め付けることによって、照明ユニット12と吊り具14とが固定される。具体的には、蝶ボルト102を締め付けることによって、天板24と板体98とが密着し、照明ユニット12と吊り具14とが連結機構15を介して固定される。これによって、照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置関係が固定される。したがって、照明ユニット12は、吊り具14とともにバトン1に対して回動可能となる。具体的には、照明ユニット12は、吊り具14と一体的にバトン1に対して回動可能となる。
【0039】
一方、蝶ボルト102を緩めれば、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせることができる。たとえば、蝶ボルト102を緩めて、板体98の上面において照明ユニット12(天板24)を前後方向にスライドさせることによって、照明ユニット12を吊り具14に対して前後方向にスライドさせることができる。このとき、第1長孔42は、締結部材100に対して前後方向にスライドする。言い換えると、このとき、照明ユニット12から見て、締結部材100は、第1長孔42内を前後方向にスライドする。このように、第1長孔42内において締結部材100を前後方向にスライドさせることによって、照明ユニット12および吊り具14の一方が他方に対して前後方向にスライドする。照明ユニット12および吊り具14の一方が他方に対して前後方向にスライドすることによって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更できる。なお、蝶ボルト102を第2長孔44に差し込んだ状態で、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせてもよいし、蝶ボルト102を取り外した状態で、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせてもよい。蝶ボルト102を第2長孔44に差し込んだ状態で照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせると、照明ユニット12から見て、蝶ボルト102は第2長孔44内を前後方向にスライドする。
【0040】
上述したように、蝶ボルト102を緩めた状態では、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して前後方向にスライドさせることができ、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更できる。そして、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更した後、蝶ボルト102を締め付けることによって、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定でき、照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置関係を固定できる。
【0041】
右方側の連結機構15は、左方側の連結機構15と同様の構成であるので、上述した左方側の連結機構15の説明を参照することによって、右方側の連結機構15の詳細な説明は省略する。
【0042】
最後に、複数の蓋体16について説明する。
図2に示すように、左方側の蓋体16は、左方側の接続部40における第1長孔42および第2長孔44を覆うように設けられている。右方側の蓋体16は、右側の接続部40における第1長孔42および第2長孔44を覆うように設けられている。
【0043】
図2から
図4に示すように、左方側の蓋体16は、上下方向に垂直な方向に延びかつ板状である。具体的には、蓋体16は、前後方向に延び、蓋体16の後端部は、やや上方に屈曲している。蓋体16は、第1貫通孔124と、複数(実施の形態1では、2個)の第2貫通孔126とを有する。第1貫通孔124は、前後方向において複数の第2貫通孔126よりも後方に配置されており、上下方向において蓋体16を貫通している。第1貫通孔124は、接続部40における第1長孔42、および板体98における貫通孔104と、上下方向において重なっている。上述したように、第1貫通孔124には、締結部材100が差し込まれている。複数の第2貫通孔126は、左右方向に並んで設けられている。複数の第2貫通孔126はそれぞれ、上下方向において蓋体16を貫通している。左方側の第2貫通孔126は、接続部40における左方側の第2長孔44、および板体98における左方側のボルト孔106と、上下方向において重なっている。右方側の第2貫通孔126は、接続部40における右方側の第2長孔44、および板体98における右方側のボルト孔106と、上下方向において重なっている。上述したように、複数の第2貫通孔126には、蝶ボルト102が差し込まれている。蝶ボルト102をボルト孔106に螺合させて締め付けることによって、蓋体16が照明ユニット12に固定される。
【0044】
右方側の蓋体16は、左方側の蓋体16と同形状、同寸法に設定されているため、上述した左方側の蓋体16の説明を参照することによって、右方側の蓋体16の詳細な説明を省略する。
【0045】
以上のような照明器具10において、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更し、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定することによって、照明ユニット12はバトン1に対して回動する。たとえば、
図2および
図3に示す状態から、蝶ボルト102を緩めて吊り具14に対して照明ユニット12を後方にスライドさせると(
図3の矢印E参照)、吊り具14に対して照明ユニット12の位置を後方に移動させることができる(
図3の一点鎖線参照)。そして、蝶ボルト102を締め付けることによって、照明ユニット12と吊り具14とを固定できる。このように、吊り具14に対して照明ユニット12の位置を後方に移動させると、バトン1に対する照明器具10の重心の位置が後方に移動する。これによって、照明ユニット12の後部が下方側に位置し、照明ユニット12の前部が上方側に位置するように、照明ユニット12は、吊り具14と一体的にバトン1周りに回動する(
図3の矢印F参照)。このとき、たとえば、バトン1は照明ユニット12および吊り具14とともに回動する(
図3の矢印A参照)。また、このとき、たとえば、バトン1は回動せず、吊り具14がバトン1に対して滑るようにして、照明ユニット12および吊り具14がバトン1周りに回動する。
図5は、実施の形態1に係る照明器具10の照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更した状態における
図2のIII-III線断面図である。照明ユニット12および吊り具14は、バトン1周りに回動し、
図5に示すように力のモーメントがつり合う位置において自然に静止する。このように、照明ユニット12をバトン1周りに回動させることによって、照明ユニット12を傾けることができ、照明ユニット12による光の照射方向を変更できる。なお、照明ユニット12をスライドさせる距離を変えることによって、力のモーメントがつり合う位置が変化し、照明ユニット12がバトン1周りに回動する角度を変えることができる。これによって、照明ユニット12による光の照射方向を、所望の方向に容易に設定できる。また、上述したように、照明ユニット12は、力のモーメントがつり合う位置において自然に静止し、その状態で吊り下げられている。したがって、照明ユニット12がバトン1周りにさらに回動して照明ユニット12の傾きが変わることを抑制でき、照明ユニット12の傾きを容易に維持できる。なお、
図5に示す状態において、前後方向は、鉛直方向と交差しかつバトン1の長手方向(左右方向)と交差する交差方向に相当する(
図5の矢印参照)。
図5に示す状態から、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更し、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定することによって、照明ユニット12を、吊り具14と一体的にバトン1周りに回動させることができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、吊り具14と、吊り具14を介してバトン1に回動可能に吊り下げられる照明ユニット12と、吊り具14と照明ユニット12とを連結する連結機構15とを備え、連結機構15は、鉛直方向と交差する前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更し、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定する構造を有する。
【0047】
これによれば、鉛直方向と交差する前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更し、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定できる。これによって、前後方向における照明器具10の重心の位置を変更できる。また、照明ユニット12はバトン1に回動可能に吊り下げられているので、前後方向における照明器具10の重心の位置が変更されると、照明ユニット12は、吊り具14とともにバトン1に対して回動し、力のモーメントがつり合う位置において静止する。このように、照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更するだけで、照明ユニット12をバトン1に対して回動させ傾けることができるので、簡単な作業で照明ユニット12を傾けることができる。また、照明ユニット12は力のモーメントがつり合う位置において静止するので、照明ユニット12がバトン1に対してさらに回動することを抑制でき、照明ユニット12の傾きを容易に維持できる。
【0048】
また、本実施の形態に係る照明器具10において、吊り下げ体は、棒状のバトン1であり、前後方向は、バトン1の長手方向とさらに交差する。
【0049】
これによれば、前後方向はバトン1の長手方向と交差する。したがって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更し、変更後の当該位置において照明ユニット12と吊り具14とを固定することによって、照明ユニット12を吊り具14とともにバトン1周りに容易に回動させることができる。
【0050】
また、本実施の形態に係る照明器具10において、連結機構15は、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対してスライドさせることによって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更する構造を有する。
【0051】
これによれば、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対してスライドさせることによって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更できる。したがって、照明ユニット12および吊り具14の一方をスライドさせる距離を微調整することによって、前後方向における照明器具10の重心の位置を微調整できる。これによって、照明ユニット12の傾きを微調整できる。
【0052】
また、本実施の形態に係る照明器具10において、連結機構15は、照明ユニット12に設けられかつ前後方向に延びる第1長孔42と、吊り具14に固定されかつ第1長孔42に差し込まれる締結部材100とを有し、第1長孔42内において締結部材100を前後方向にスライドさせることによって、照明ユニット12および吊り具14の一方が他方に対してスライドする。
【0053】
これによれば、連結機構15は、照明ユニット12に設けられかつ前後方向に延びる第1長孔42と、吊り具14に固定されかつ第1長孔42に差し込まれる締結部材100とを有する。そして、第1長孔42内において締結部材100を前後方向にスライドさせることによって、照明ユニット12および吊り具14の一方が他方に対してスライドする。このように、吊り具14に固定される締結部材100が、照明ユニット12に設けられかつ前後方向に延びる第1長孔42内を前後方向にスライドすることによって、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対して容易に前後方向にスライドさせることができる。
【0054】
また、本実施の形態に係る照明器具10において、連結機構15は、照明ユニット12に設けられかつ前後方向に延びる第2長孔44と、第2長孔44に差し込まれる蝶ボルト102と、蝶ボルト102が螺合されるボルト孔106とを有し、蝶ボルト102を締め付けることによって、変更後の位置において照明ユニット12と吊り具14とが固定される。
【0055】
これによれば、蝶ボルト102を締め付けることによって、照明ユニット12と吊り具14とが固定されるので、照明ユニット12と吊り具14とを容易に固定できる。
【0056】
また、本実施の形態に係る照明器具10は、第1長孔42および第2長孔44を覆う蓋体16をさらに備える。
【0057】
これによれば、第1長孔42にホコリ等が入ることによって、締結部材100が第1長孔42内をスライドし難くなることを抑制できるとともに、第2長孔44にホコリ等が入ることによって、蝶ボルト102が第2長孔44内をスライドし難くなることを抑制できる。また、第1長孔42および第2長孔44を隠すことができ、照明器具10の見栄えが悪くなることを抑制できる。
【0058】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明器具10aについて説明する。照明器具10aは、第2長孔44に代えて複数の貫通孔128を有する点において、照明器具10と主に異なっている。
【0059】
図6は、実施の形態2に係る照明器具10aを示す分解斜視図である。なお、以下の説明においては、実施の形態1に係る照明器具10との相違点を中心に説明する。
【0060】
図6に示すように、照明器具10aにおける連結機構15aの連結部40aは、第2長孔44に代えて、複数(実施の形態2では、5個)の貫通孔128を有している点において、照明器具10における連結機構15の連結部40と異なっている。複数の貫通孔128は、前後方向に並んで配置されている。複数の貫通孔128はそれぞれ、上下方向において天板24aを貫通している。複数の貫通孔128はそれぞれ、上下方向から見たとき、円形である。複数の貫通孔128のそれぞれの直径は、蝶ボルト102の直径よりもやや大きく設定されており、複数の貫通孔128はそれぞれ、蝶ボルト102を差し込み可能に形成されている。複数の貫通孔128は、蓋体16に覆われている。
【0061】
蝶ボルト102を取り外した状態で、照明ユニット12aを吊り具14に対して前後方向にスライドさせることによって、前後方向における照明ユニット12aと吊り具14との相対的な位置を変更できる。そして、複数の貫通孔128のいずれかとボルト孔106とを上下方向に重ねた状態で、上方から蝶ボルト102を第2貫通孔126(蓋体16)および貫通孔128に差し込み、蝶ボルト102をボルト孔106に螺合させることによって、変更後の当該位置において照明ユニット12aと吊り具14とが固定される。
【0062】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具10aにおいて、連結機構15aは、照明ユニット12aに設けられかつ前後方向に並んで配置される複数の貫通孔128と、複数の貫通孔128のそれぞれに差し込み可能な蝶ボルト102と、蝶ボルト102が螺合されるボルト孔106とを有し、蝶ボルト102を複数の貫通孔128のいずれかに差し込みかつボルト孔106に螺合させることによって、変更後の位置において照明ユニット12aと吊り具14とが固定される。
【0063】
これによれば、蝶ボルト102を複数の貫通孔128のいずれかに差し込みかつボルト孔106に螺合させることによって、変更後の位置において照明ユニット12aと吊り具14とが固定される。したがって、たとえば、蝶ボルト102が緩んだとしても、蝶ボルト102が貫通孔128に引っ掛かることによって、照明ユニット12aと吊り具14との相対的な位置がずれないように、変更後の位置において照明ユニット12aと吊り具14とを固定できる。
【0064】
また、本実施の形態に係る照明器具10aにおいて、第1長孔42および複数の貫通孔128を覆う蓋体16をさらに備える。
【0065】
これによれば、第1長孔42にホコリ等が入ることによって、締結部材100が第1長孔42内をスライドし難くなることを抑制できるとともに、貫通孔128にホコリ等が入ることによって、蝶ボルト102を貫通孔128に差し込み難くなることを抑制できる。また、第1長孔42および貫通孔128を隠すことができ、照明器具10aの見栄えが悪くなることを抑制できる。
【0066】
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0067】
たとえば、1つのバトン1に複数の照明器具10を左右方向に並べて使用してもよい。この場合、左板32および右板34の貫通孔54を介して隣接する照明器具10の照明ユニット12同士を容易に電線(渡り配線)で繋ぐことができる。なお、事前に第1後板28を取り外しておくことによって、上記作業を容易に行える。また、蓋体16の後端部がやや上方に屈曲しているので、上記作業を行うときに蓋体16が邪魔になることを抑制できる。
【0068】
上述した実施の形態では、吊り下げ体が、棒状のバトン1であり、照明器具10が、バトン1に吊り下げられる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、吊り下げ体は、2つのリング状部材であり、照明器具10は、各吊り具14を各リング状部材に引っ掛けるようにして2つのリング状部材に吊り下げられてもよい。
【0069】
上述した実施の形態では、吊り具14が棒状のバトン1を挟持することによって、照明器具10がバトン1に吊り下げられる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、照明器具はS字フックのような吊り具を備えており、吊り具がバトン1に引っ掛けられることによって、照明器具がバトン1に吊り下げられてもよい。
【0070】
上述した実施の形態では、照明器具10が、2個の吊り具14を備える場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、照明器具は、1個の吊り具を備えていてもよいし、3個以上の吊り具を備えていてもよい。
【0071】
上述した実施の形態では、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対してスライドさせることによって、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、照明ユニット12および吊り具14の一方を他方に対してスライドさせることなく、前後方向における照明ユニット12と吊り具14との相対的な位置を変更してもよい。
【0072】
上述した実施の形態では、第1長孔42および第2長孔44が、天板24に設けられ、吊り具14が、天板24に連結される場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、第1長孔および第2長孔は、左板および右板に設けられ、吊り具は、左板および右板に連結されてもよい。
【0073】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10,10a 照明器具
12,12a 照明ユニット
14 吊り具
15,15a 連結機構
16 蓋体
42 第1長孔
44 第2長孔
100 締結部材
102 蝶ボルト
106 ボルト孔
128 貫通孔