(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】通信ユニット、電動自転車、管理ユニット、管理システム、駆動システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B62M 6/40 20100101AFI20230623BHJP
B62M 6/90 20100101ALI20230623BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230623BHJP
【FI】
B62M6/40
B62M6/90
B62J45/00
(21)【出願番号】P 2019230950
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 優也
(72)【発明者】
【氏名】加茂 広之
(72)【発明者】
【氏名】栗原 博志
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-83529(JP,A)
【文献】特開2001-296915(JP,A)
【文献】特表2018-525549(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0180718(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0364995(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40- 6/75,6/90
B62J 45/00-45/423
B62H 5/00- 5/20
B60L 1/00- 3/12,7/00-13/00,
15/00-58/40
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自転車の電源がオフの場合に、前記電動自転車に搭載されてモータを駆動するモータユニットを一時的に起動させる起動部と、
前記起動部により起動した前記モータユニットと通信することにより、前記モータユニットに関するユニット情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記ユニット情報を外部装置へ送信する通信部と、を備える、
通信ユニット。
【請求項2】
前記電動自転車の車輪の回転を規制することで前記電動自転車の走行を禁止する施錠状態と、前記車輪の回転を規制せずに前記電動自転車の走行を許容する開錠状態と、を切り替え可能な錠装置を兼ねている、
請求項1記載の通信ユニット。
【請求項3】
前記モータユニットは、前記モータにより利用者の踏む力を補助する第1モードと、前記第1モードとは異なる第2モードと、のいずれかで動作するように構成され、
前記起動部は、前記第2モードで動作するように前記モータユニットを一時的に起動させる、
請求項1又は2に記載の通信ユニット。
【請求項4】
前記起動部、前記取得部、及び前記通信部は、前記モータの駆動源としてのバッテリを電源として動作する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項5】
前記起動部、前記取得部、及び前記通信部は、前記モータの駆動源としてのバッテリとは異なる電池を電源として動作する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項6】
前記取得部は、前記モータユニットの異常に関する異常情報を前記ユニット情報として取得する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項7】
前記取得部は、前記電動自転車の走行に関する走行情報を前記ユニット情報として取得する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の通信ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の通信ユニットと、
前記通信ユニットと通信可能な前記モータユニットと、を備える、
電動自転車。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の通信ユニットから送信される前記ユニット情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記ユニット情報に基づいて、前記電動自転車を管理する管理部と、を備える、
管理ユニット。
【請求項10】
前記電動自転車に取付可能な請求項1~7のいずれか1項に記載の通信ユニットと、
前記電動自転車とは別に設けられて前記通信ユニットと通信可能な管理ユニットと、を備え、
前記管理ユニットは、
前記通信ユニットから送信される前記ユニット情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記ユニット情報に基づいて、前記電動自転車を管理する管理部と、を備える、
管理システム。
【請求項11】
前記管理ユニットは、前記ユニット情報を要求する指令を前記通信ユニットに送信し、
前記通信ユニットは、前記指令に基づいて前記ユニット情報を取得し、取得した前記ユニット情報を前記管理ユニットに送信する、
請求項10記載の管理システム。
【請求項12】
前記電動自転車に取付可能な請求項1~7のいずれか1項に記載の通信ユニットと、
前記電動自転車に取付可能であって前記通信ユニットと通信可能な前記モータユニットと、を備える、
駆動システム。
【請求項13】
電動自転車の電源がオフの場合に、前記電動自転車に搭載されてモータを駆動するモータユニットを一時的に起動させる起動ステップと、
前記起動ステップにより起動した前記モータユニットと通信することにより、前記モータユニットに関するユニット情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した前記ユニット情報を外部装置へ送信する通信ステップと、を有する、
通信方法。
【請求項14】
1以上のプロセッサに、
請求項13記載の通信方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信ユニット、電動自転車、管理ユニット、管理システム、駆動システム、通信方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、電動自転車に搭載される通信ユニット、電動自転車、管理ユニット、管理システム、駆動システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動補助自転車が開示されている。この電動補助自転車は、モータに駆動電力を供給するバッテリと、バッテリの状態を検出するバッテリ状態検出部と、通知部と、を備える。通知部は、電動補助自転車の電源をオフにするためのイベントが発生した後、バッテリ状態検出部によって検出されたバッテリの状態に基づく情報を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電動自動車の管理を行いやすくなる通信ユニット、電動自転車、管理ユニット、管理システム、駆動システム、通信方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る通信ユニットは、起動部と、取得部と、通信部と、を備える。前記起動部は、電動自転車の電源がオフの場合に、前記電動自転車に搭載されてモータを駆動するモータユニットを一時的に起動させる。前記取得部は、前記起動部により起動した前記モータユニットと通信することにより、前記モータユニットに関するユニット情報を取得する。前記通信部は、前記取得部で取得した前記ユニット情報を外部装置へ送信する。
【0006】
本開示の一態様に係る電動自転車は、上記の通信ユニットと、前記通信ユニットと通信可能な前記モータユニットと、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る管理ユニットは、受信部と、管理部と、を備える。前記受信部は、上記の通信ユニットから前記ユニット情報を受信する。前記管理部は、前記受信部で受信した前記ユニット情報に基づいて、前記電動自転車を管理する。
【0008】
本開示の一態様に係る管理システムは、前記電動自転車に取付可能な上記の通信ユニットと、前記電動自転車とは別に設けられて前記通信ユニットと通信可能な管理ユニットと、を備える。前記管理ユニットは、受信部と、管理部と、を備える。前記受信部は、前記通信ユニットから前記ユニット情報を受信する。前記管理部は、前記受信部で受信した前記ユニット情報に基づいて、前記電動自転車を管理する。
【0009】
本開示の一態様に係る駆動システムは、前記電動自転車に取付可能な上記の通信ユニットと、前記電動自転車に取付可能であって前記通信ユニットと通信可能な前記モータユニットと、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る通信方法は、起動ステップと、取得ステップと、通信ステップと、を有する。前記起動ステップは、電動自転車の電源がオフの場合に、前記電動自転車に搭載されてモータを駆動するモータユニットを一時的に起動させるステップである。前記取得ステップは、前記起動ステップにより起動した前記モータユニットと通信することにより、前記モータユニットに関するユニット情報を取得するステップである。前記通信ステップは、前記取得ステップで取得した前記ユニット情報を外部装置へ送信するステップである。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の通信方法を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示は、電動自転車の管理を行いやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る通信ユニットを備えた電動自転車及び管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、同上の管理システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、同上の管理システムの動作の更に他の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)概要
以下、本実施形態の通信ユニット60について図面を参照して説明する。本実施形態では、通信ユニット60は、利用者が電動自転車2をレンタルするレンタルサービス事業において、電動自転車2を管理するために用いられる。つまり、本実施形態では、電動自転車2は、レンタルサービス事業者により管理されており、事業者との間で契約を結んだ利用者に対して一時的に貸し出される。電動自転車2は、不使用状態においては、原則として事業者が用意した駐輪場に駐輪されている。
【0015】
本実施形態では、通信ユニット60は、電動自転車2に取り付けられている。具体的には、通信ユニット60は、電動自転車2に取り付けられているサークル錠(錠装置)6を兼ねている。通信ユニット60は、
図1に示すように、起動部61と、取得部62と、通信部63と、を備えている。
【0016】
起動部61は、電動自転車2の電源がオフの場合に、電動自転車2に搭載されてモータ51を駆動するモータユニット5を一時的に起動させる。本開示でいう「電動自転車の電源がオフの場合」とは、モータユニット5の制御部52(後述する)に電力が供給されずにモータユニット5が停止している場合である。逆に、「電動自転車の電源がオンの場合」とは、モータユニット5の制御部52に電力が供給されてモータユニット5が動作可能な場合である。つまり、起動部61は、電動自転車2の電源がオンである場合に動作可能なモータユニット5を、電動自転車2の電源がオフの場合にも一時的に動作させる。
【0017】
取得部62は、起動部61により起動したモータユニット5と通信することにより、モータユニット5に関するユニット情報を取得する。本開示でいう「ユニット情報」は、モータユニット5自体に関するパラメータを含む他、モータユニット5を経由してモータユニット5以外の装置(部品)から取得可能な情報を含み得る。例えば、ユニット情報は、電動自転車2の走行距離に関する情報の他、モータユニット5の電源として機能するバッテリ41の残量に関する情報等を含み得る。
【0018】
通信部63は、取得部62で取得したユニット情報を外部装置へ送信する。本開示でいう「外部装置」は、電動自転車2に取り付けられておらず、電動自転車2から離れた場所に存在する装置をいう。本実施形態では、外部装置は管理ユニット3であって、レンタルサービス事業者が運用するサーバである。つまり、通信部63は、電動自転車2にて取得したユニット情報を、例えばインターネット等のネットワークN1を介して電動自転車2から離れた場所にある管理ユニット3へ送信することで、ユニット情報をアップロードする。
【0019】
上述のように、本実施形態では、電動自転車2の電源がオンである場合のみならず、電動自転車2の電源がオフの場合にも、電動自転車2からユニット情報をアップロードすることが可能である。したがって、本実施形態では、電動自転車2の電源がオンである場合にのみユニット情報をアップロードすることが可能である態様と比較して、電動自転車2の管理を行いやすい、という利点がある。
【0020】
(2)全体構成
まず、本実施形態の通信ユニット60を備えた電動自転車2、管理システムA1、及び駆動システムA2について
図1を参照して詳細に説明する。本実施形態では、電動自転車2は、通信ユニット60と、通信ユニット60と通信可能なモータユニット5と、を備えている。また、本実施形態では、管理システムA1は、電動自転車2に取付可能な通信ユニット60と、電動自転車2とは別に設けられて通信ユニット60と通信可能な管理ユニット3と、を備えている。つまり、管理システムA1は、本実施形態では電動自転車2に搭載されているが、電動自転車2とは別に単独で市場に流通し得る。さらに、本実施形態では、駆動システムA2は、電動自転車2に取付可能な通信ユニット60と、電動自転車2に取付可能であって通信ユニット60と通信可能なモータユニット5と、を備えている。つまり、駆動システムA2は、本実施形態では電動自転車2に搭載されているが、電動自転車2とは別に単独で市場に流通し得る。
【0021】
本実施形態では、利用者は、端末1を用いて管理ユニット3にアクセスすることにより、管理ユニット3で管理している電動自転車2をレンタルすることが可能である。端末1は、利用者が携帯する機器であって、例えばスマートフォン又はタブレット型のコンピュータである。端末1は、無線通信モジュールにより、例えば赤外線又は可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して管理ユニット3の通信部32と通信する。無線通信は、一例として、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0022】
電動自転車2は、操作装置21と、バッテリユニット4と、モータユニット5と、サークル錠(錠装置)6と、を備えている。モータユニット5については、後述する「(3)電動自転車」にて詳細に説明する。
【0023】
サークル錠6は、後輪89(後述する)に取り付けられており、施錠状態と、開錠状態と、開錠可能状態とのいずれかの状態をとり得る。施錠状態は、後輪89(電動自転車2の車輪81)の回転を規制することにより電動自転車2の走行を禁止する状態である。開錠状態は、後輪89(車輪81)の回転を規制せずに電動自転車2の走行を許容する状態である。開錠可能状態は、後輪89(車輪81)の回転を規制することにより電動自転車2の走行を禁止しているが、操作装置21での操作を受け付けると施錠状態から開錠状態へと切り替えられる状態である。つまり、施錠状態においては、サークル錠6は、利用者が操作装置21を操作しても開錠状態へと切り替えられないが、開錠可能状態においては、サークル錠6は、利用者が操作装置21を操作すると開錠状態へと切り替えられる。本実施形態では、電動自転車2の未使用状態においては、サークル錠6は、原則として施錠状態にある。
【0024】
本実施形態では、サークル錠6には、通信ユニット60が設けられている。言い換えれば、通信ユニット60は、サークル錠(錠装置)6を兼ねている。ここで、通信ユニット60は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、通信ユニット60の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0025】
通信ユニット60は、
図1に示すように、起動部61と、取得部62と、通信部63と、記憶部64と、を備えている。本実施形態では、サークル錠6(つまり、通信ユニット60)とモータユニット5とは、例えばワイヤハーネスにより接続されており、このワイヤハーネスを介して互いに通信可能である。また、本実施形態では、通信ユニット60は、バッテリ41からの電力供給を受けることにより、バッテリ41の残量が十分であれば、原則、常時動作する。
【0026】
本実施形態では、起動部61及び取得部62は、それぞれ起動ステップST1(
図3参照)及び取得ステップST2(
図3参照)を第1周期(例えば、120分ごと)で実行する。また、本実施形態では、通信部63は、通信ステップST3(
図3参照)を第1周期よりも短い第2周期(例えば、30分ごと)で実行する。
【0027】
起動部61は、起動ステップST1として、電動自転車2の電源がオフの場合に、電動自転車2に搭載されてモータ51を駆動するモータユニット5を一時的に起動させる処理を実行する。具体的には、起動部61は、第1周期ごとに、モータユニット5を一時的に起動させるための起動信号をモータユニット5に向けて送信する。モータユニット5では、バッテリ41と制御部52との間の電力供給路に設けられたスイッチが、起動信号によりオンすることで、バッテリ41から制御部52へ電力が供給されるようになる。これにより、制御部52(つまり、モータユニット5)が起動する。このように、本実施形態では、起動部61は、モータ51の駆動源としてのバッテリ41を電源として制御部52(つまり、モータユニット5)を一時的に起動させる。なお、起動部61は、モータユニット5の動作状態を知ることができる場合、例えばモータユニット5が動作中であれば、起動信号をモータユニット5に向けて送信しなくてもよい。
【0028】
本実施形態では、制御部52(つまり、モータユニット5)は、第1モードと、第2モードと、のいずれかで動作するように構成されている。第1モードは、モータ51により利用者の踏む力を補助するモードであって、いわゆるアシストモードである。制御部52は、起動時に操作装置21が入力を受け付けている場合に、第1モードで動作する。第2モードは、第1モードとは異なるモードである。つまり、第2モードは、モータ51を駆動せず、利用者の踏む力を補助しないアシスト不可モードである。制御部52は、起動時に操作装置21が入力を受け付けていない場合に、第2モードで動作する。そして、本実施形態では、起動部61は、第2モード(つまり、アシスト不可モード)で動作するように制御部52(つまり、モータユニット5)を一時的に起動させる。
【0029】
また、起動部61は、取得部62による取得ステップST2の実行後においては、モータユニット5を停止させる処理を実行する。具体的には、起動部61は、モータユニット5を停止させるための停止信号をモータユニット5に向けて送信する。モータユニット5では、上記スイッチが停止信号によりオフすることで、バッテリ41から制御部52への電力供給が途絶えるようになる。これにより、制御部52(つまり、モータユニット5)が停止する。起動部61によりモータユニット5が起動している期間は、例えば30秒間である。
【0030】
取得部62は、取得ステップST2として、起動部61(起動ステップST1)により起動したモータユニット5と通信することにより、モータユニット5に関するユニット情報を取得する処理を実行する。具体的には、モータユニット5の制御部52は、モータユニット5の動作中においては、第1周期ごとに、記憶部53(後述する)に記憶されているユニット情報を読み出し、読み出したユニット情報を通信ユニット60に向けて送信する。これにより、取得部62は、モータユニット5からユニット情報を定期的に(ここでは、第1周期ごとに)取得する。また、取得部62は、取得したユニット情報を記憶部64に記憶させる。
【0031】
ユニット情報は、一例として、電動自転車2の現在の速度又は速度の履歴、電動自転車2の現在の走行モード又は走行モードの履歴、電動自転車2の使用開始時点からの走行距離又は走行距離の履歴等を含み得る。つまり、取得部62は、電動自転車2の走行に関する走行情報をユニット情報として取得する。走行情報は、例えばモータユニット5の制御部52が、電動自転車2に搭載されている加速度センサ等の各種センサの検知結果に基づいて、算出することが可能である。また、ユニット情報は、一例として、バッテリ41の残量を表す残量情報、又は電動自転車2の走行時(使用時)にバッテリ41で消費されたバッテリ消費電力量を表す消費電力量情報を含み得る。その他、ユニット情報は、一例として、バッテリユニット4に接続されている機器(例えば、操作装置21又はヘッドライト等)の状態を表す機器状態情報を含み得る。
【0032】
また、本実施形態では、ユニット情報は、モータユニット5の異常に関する異常情報を含み得る。つまり、取得部62は、モータユニット5の異常に関する異常情報をユニット情報として取得することも可能である。具体的には、取得部62は、モータユニット5に対して要求信号を送信しても応答信号を受信できない場合、又は取得した情報が通常時の情報と異なる場合等に、モータユニット5に異常がある(故障している)可能性が高いと判定する。つまり、取得部62は、モータユニット5との通信により、モータユニット5から間接的に異常情報を取得する。
【0033】
通信部63は、管理ユニット3との通信を行うための通信インタフェースであって、無線通信モジュールを有している。通信部63は、無線通信モジュールにより、例えば赤外線又は可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して管理ユニット3の通信部32(後述する)と通信する。無線通信は、一例として、LTE等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0034】
通信部63は、通信ステップST3として、取得部62(取得ステップST2)で取得したユニット情報を外部装置(ここでは、管理ユニット3)へ送信する処理を実行する。具体的には、通信部63は、第2周期ごとに、記憶部64に記憶されているユニット情報を読み出し、読み出したユニット情報を管理ユニット3に向けて送信する。
【0035】
記憶部64は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ等を備える。記憶部64は、主として取得部62で取得したユニット情報を記憶する。
【0036】
操作装置21は、電動自転車2のハンドル83(後述する)に取り付けられている。操作装置21は、利用者により押操作される電源スイッチを有している。操作装置21は、電源スイッチが押操作されると、起動信号をモータユニット5の制御部52へ送信する。また、操作装置21は、モータ51による利用者の踏む力(踏力)を補助する度合いを変更するための入力を受け付けるスイッチ、及びバッテリ41の残量等のパラメータを表示するディスプレイを更に有している。
【0037】
バッテリユニット4は、
図1に示すように、バッテリ41と、バッテリ制御部42とを備える。
【0038】
バッテリ41は、モータユニット5のモータ51及び制御部52、並びに通信ユニット60に電力を供給する。また、バッテリ41は、モータ51に加えて、例えば、ヘッドライト及び操作装置21に電力を供給する。バッテリ41は、シートチューブ73(後述する)に対して取外し可能に取り付けられている。つまり、電動自転車2は、電動自転車2の制御用電源として用いられるバッテリ41を有している。
【0039】
バッテリ制御部42は、電動自転車2が使用されるごとに、電動自転車2の走行時(使用時)にバッテリ41で消費された電力量(バッテリ消費電力量)を求める。バッテリ消費電力量を表す消費電力量情報は、バッテリ制御部42からモータユニット5の制御部52に出力される。また、バッテリ制御部42は、バッテリ41の残量を管理する。より詳細には、バッテリ制御部42は、使用前のバッテリ41の残量とバッテリ消費電力量との差分を新たなバッテリ41の残量として求める。バッテリ41の残量を表す残量情報は、バッテリ制御部42からモータユニット5の制御部52に出力される。
【0040】
なお、バッテリ41の残量は、バッテリ41の劣化を考慮して補正される。バッテリ41の劣化は、バッテリ41の充放電を表す充放電履歴により、求めることができる。充放電履歴は、バッテリ41のID(Identification)と共に保存される。充放電履歴は、通信機能を有する場合は、サーバ等の外部装置に保存されてもよい。
【0041】
管理ユニット3は、既に述べたように電動自転車2から離れた場所にあるサーバ等である。管理ユニット3は、
図1に示すように、管理部31と、通信部32と、記憶部33と、を備えている。
【0042】
管理部31は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、管理部31としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0043】
管理部31は、認証処理と、特定処理と、取得処理と、判定処理と、開錠処理と、を実行する機能を有している。
【0044】
認証処理は、通信部32にて端末1から送信される認証情報を取得した場合に、記憶部33に記憶されているデータベースに認証情報が含まれているか否か、つまり、認証情報に基づく利用者が登録されているか否かを判定する処理である。
【0045】
特定処理は、通信部32にて端末1から送信される識別子を取得した場合に、記憶部33に記憶されているデータベースを参照して、識別子に対応する電動自転車2を特定する処理である。識別子は、例えば電動自転車2に貼り付けられたシール931(
図2参照)に記されている。利用者は、端末1に内蔵された撮像装置(読取装置)を用いて、シール931に記された識別子を読み取ることで、電動自転車2の識別子を取得することが可能である。
【0046】
取得処理は、特定処理にて特定された電動自転車2との間で通信することにより、この電動自転車2が有する残量情報(バッテリ41の残量に関する情報)を取得する処理である。
【0047】
開錠処理は、特定処理にて特定された電動自転車2との間で通信することにより、この電動自転車2のサークル錠6を遠隔制御することで、電動自転車2を施錠状態から開錠可能状態へと移行させる処理である。ここで、開錠処理は、あくまで電動自転車2を施錠状態から開錠可能状態へ移行させる処理であって、電動自転車2を施錠状態から開錠状態へ移行させる処理ではない。
【0048】
通信部32は、端末1又は電動自転車2(通信ユニット60)との通信を行うための通信インタフェースであって、無線通信モジュールを有している。通信部32は、無線通信モジュールにより、例えば赤外線又は可視光等の光を媒体とする光無線通信、又は電波を媒体とする無線通信にて、インターネット等のネットワークN1を介して端末1又は通信ユニット60の通信部63と通信する。無線通信は、一例として、LTE等の携帯電話の通信規格を用いてもよい。
【0049】
通信部(言い換えれば、受信部)32は、通信ユニット60から送信されるユニット情報を受信する。通信部32は、ユニット情報を受信すると、受信したユニット情報を記憶部33に記憶させる。
【0050】
記憶部33は、例えば、EEPROM等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM等の揮発性メモリ等を備える。記憶部33は、電動自転車2のレンタルサービス事業者と契約している1以上の利用者の各々の認証情報を含むデータベースを記憶する。また、記憶部33は、電動自転車2のレンタルサービス事業者により管理されている1以上の電動自転車2の識別子を含むデータベースを記憶する。さらに、記憶部33は、通信ユニット60から取得したユニット情報を、通信ユニット60(つまり、電動自転車2)ごとに記憶する。
【0051】
本実施形態では、管理部31は、通信部(受信部)32で受信したユニット情報に基づいて、電動自転車2を管理する機能を有している。具体的には、管理部31は、電動自転車2ごとに、通信部32で受信したユニット情報(又は記憶部33に記憶されているユニット情報)を参照して電動自転車2の状態を監視することで、電動自転車2を管理する。例えば、管理部31は、モータユニット5が動作しているか否か、又はバッテリ41の残量が閾値以上であるか否か等に基づいて、電動自転車2が利用可能であるか否かを電動自転車2ごとに管理する。また、例えば、管理部31は、異常情報の有無、又は電動自転車2の走行距離の履歴等に基づいて、電動自転車2をメンテナンスするか否か、又は電動自転車2を新車に交換するか否かを電動自転車2ごとに管理する。
【0052】
本実施形態では、利用者は、電動自転車2を利用する際に、利用したい電動自転車2の識別子と、利用者の認証情報とを管理ユニット3に送信する。管理ユニット3は、端末1から送信された認証情報がデータベースに登録されているか否かを判定し、登録されている場合、端末1から送信された識別子に対応する電動自転車2を特定する。その後、管理ユニット3は、特定した電動自転車2との間で通信してバッテリ41の残量情報を取得する。そして、管理ユニット3は、バッテリ41の残量が閾値(例えば、SOC(State Of Charge:充電率)で20%)以上であれば、電動自転車2のサークル錠(錠装置)6を施錠状態から開錠可能状態へ移行させる。
【0053】
そして、利用者は、利用したい電動自転車2の操作装置21を操作することにより、電動自転車2を開錠状態へと移行させることが可能である。その後、利用者は、電動自転車2に乗って走行することが可能である。
【0054】
(3)電動自転車
次に、電動自転車2について
図2を用いて説明する。下記の実施形態等において参照する
図2は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0055】
また、以下では、特に断りのない限り、走行面100(
図2参照)は水平面であるとして説明する。ただし、実際は、走行面100は水平面である必要はなく、水平面に対して傾斜していてもよいし、凹凸のある面であってもよい。
【0056】
さらに、以下では、電動自転車2が進む方向を「前方向」とし、前方向の反対方向を「後方向」とし、前方向及び後方向を併せて「前後方向」として定義する。また、前後方向に直交し、かつ水平面に垂直な互いに反対向きの2方向を「上下方向」として定義する。また、前後方向に直交し、かつ水平面に沿う互いに反対向きの2方向を「左右方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、電動自転車2の使用態様を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は、説明のために表記しているにすぎず、実体を伴わない。
【0057】
電動自転車2は、電気的な動力によって、走行面100を走行可能な自転車である。本実施形態では、電動自転車2は、利用者の踏む力(踏力)をモータ51によって補助する電動アシスト自転車である。
【0058】
電動自転車2は、モータユニット5と、フレーム7とを備える。また、電動自転車2は、複数(
図2では2つ)の車輪81と、フロントフォーク82と、ハンドル83と、サドル84と、一対(
図2では1つ)のクランクアーム85と、一対(
図2では1つ)のペダル86と、動力伝達体87と、バッテリ41とを備える。さらに、電動自転車2は、サークル錠6と、バスケット91と、フロントフェンダー92と、リアフェンダー93とを備える。
【0059】
(3.1)車輪
複数の車輪81は、フレーム7を走行面100の上に支える部材である。本実施形態では、電動自転車2は、複数の車輪81として、前輪88と、後輪89とを備える。前輪88は、中心にハブ881を有し、後輪89は、中心にハブ891を有する。複数の車輪81は、フレーム7に取り付けられており、利用者の踏力及びモータ51から出力された動力により回転する。
【0060】
前輪88は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの前側の車輪である。前輪88は、一対(
図2では1つ)のレッグ821によって、左右方向に沿った軸回りに回転し得るように支持される。本実施形態では、前輪88は、モータユニット5から動力の伝達を受けない車輪である。
【0061】
前輪88の上方には、前輪88の周方向に沿って湾曲したフロントフェンダー92が設けられている。フロントフェンダー92は、電動自転車2の走行中において、前輪88により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。
【0062】
後輪89は、前後方向に並ぶ2つの車輪81のうちの後側の車輪である。後輪89は、2つのチェーンステー75によって、左右方向に沿った軸回りに回転可能に支持される。後輪89は、ハブ891と同心状で、かつハブ891に対して一体的に取り付けられたリアスプロケット892を備える。リアスプロケット892は、モータユニット5の駆動スプロケット(後述する)に対し、動力伝達体87を介して連結されている。これにより、モータユニット5から出力された動力は、後輪89に伝達される。
【0063】
後輪89の上方には、後輪89の周方向に沿って湾曲したリアフェンダー93が設けられている。リアフェンダー93は、電動自転車2の走行中において、後輪89により跳ね上げられた水飛沫又は泥等が利用者に向かって飛散するのを防ぐ泥除けとして機能する。本実施形態では、リアフェンダー93には、識別子としての二次元コードが記されたシール931が貼付されている。また、後輪89には、サークル錠6が取り付けられている。
【0064】
(3.2)フロントフォーク
フロントフォーク82は、前輪88を支える。フロントフォーク82は、一対のレッグ821と、クラウン822と、ステアリングコラム823とを備える。クラウン822は、一対のレッグ821の上端をつなぐ。ステアリングコラム823は、クラウン822から突出する。一対のレッグ821には、ハブ881に通されたシャフトを介して、前輪88が回転可能に取り付けられている。前輪88の回転軸は、走行面100に対して平行である。ステアリングコラム823の突出方向(長手方向)は、クラウン822から、上方向に行くに従って後方向に行くように延びており、走行面100に対して傾いている。
【0065】
(3.3)ハンドル
ハンドル83は、ステアリングコラム823の上端に取り付けられており、フロントフォーク82に対して固定されている。ステアリングコラム823は、後述のフレーム7のヘッドチューブ71に通されており、フレーム7に回転可能に取り付けられている。ステアリングコラム823の回転軸は、ステアリングコラム823の長手方向に略平行である。したがって、ハンドル83は、ステアリングコラム823の長手方向に沿う軸を回転軸として、前輪88を回転させることができる。
【0066】
ハンドル83とステアリングコラム823との接続部分の上方には、利用者の所持物等を収容するバスケット91が取り付けられている。また、ハンドル83には、操作装置21が取り付けられている。
【0067】
(3.4)フレーム
フレーム7は、複数の車輪81、フロントフォーク82、ハンドル83、サドル84、バッテリ41及びモータユニット5が取り付けられる骨組みである。フレーム7の材料は、例えば、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金である。ただし、フレーム7の材料は、アルミニウム合金に限らず、例えば、鉄、クロムモリブデン鋼、ハイテンスチール、チタン、又はマグネシウムであってもよい。また、フレーム7の材料は、金属に限らず、例えば、カーボン、木材、竹、又は繊維強化合成樹脂(例えば、CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。
【0068】
本実施形態では、フレーム7は、複数のパイプとして、ヘッドチューブ71と、ダウンチューブ72と、シートチューブ73と、一対(
図2では1つ)のシートステー74と、一対(
図2では1つ)のチェーンステー75とを備える。また、フレーム7は、ブラケット76を備える。本開示でいう「パイプ」とは、細長くて中空な部材を意味する。本開示のパイプの断面形状は、例えば、円形状(正円、長円及び楕円を含む)、長方形状(正方形を含む)、六角形状、又は八角形状であってもよい。フレーム7には、モータ51及びバッテリ41が取り付けられている。
【0069】
(3.4.1)ヘッドチューブ
ヘッドチューブ71は、フロントフォーク82を支えるパイプである。ヘッドチューブ71の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。ヘッドチューブ71には、ヘッドチューブ71の中心軸とステアリングコラム823の中心軸とが沿うように、ステアリングコラム823が通されている。これによって、ヘッドチューブ71は、ステアリングコラム823を回転可能に支える。ステアリングコラム823の回転軸は、本実施形態では、ヘッドチューブ71の中心軸と同じである。
【0070】
(3.4.2)ダウンチューブ
ダウンチューブ72は、ヘッドチューブ71とシートチューブ73とをつなぐパイプである。ダウンチューブ72の長手方向の前端は、ヘッドチューブ71に接続されている。ダウンチューブ72の長手方向の後端は、シートチューブ73に接続されている。本実施形態では、ダウンチューブ72の長手方向は、後方向に行くに従って下方向に行くように、走行面100に対して傾いている。
【0071】
(3.4.3)シートチューブ
シートチューブ73は、サドル84を保持するパイプである。シートチューブ73の長手方向の下端は、ブラケット76に接続されている。シートチューブ73の中心軸は、下端から上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。シートチューブ73の下端には、ダウンチューブ72の長手方向の後端が接続されている。本実施形態では、シートチューブ73には、バッテリ41が取外し可能に取り付けられている。
【0072】
(3.4.4)チェーンステー
一対のチェーンステー75は、後輪89のシャフトを支えるパイプである。チェーンステー75の長手方向の前端は、ブラケット76に接続されている。チェーンステー75の長手方向の後端は、シートステー74の後端に接続されている。一対のチェーンステー75は、左右方向に離れており、一対のチェーンステー75の後端部には、ハブ891に通されたシャフトを介して、後輪89が回転可能に取り付けられている。後輪89の回転軸は、走行面100に対して略平行であり、後輪89を支えるシャフトの中心軸と同じである。
【0073】
(3.4.5)シートステー
一対のシートステー74は、チェーンステー75とシートチューブ73とをつなぐパイプである。本実施形態では、シートステー74の長手方向の後端は、チェーンステー75の長手方向の後端に接続されている。シートステー74の長手方向の前端は、シートチューブ73の中間部分に接続されている。ここでいう「シートチューブ73の中間部分」とは、シートチューブ73の長手方向のうちの下端と上端とを除く部分を意味する。
【0074】
(3.4.6)ブラケット
ブラケット76は、モータユニット5が取り付けられている部分である。ブラケット76には、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端が接続されている。これによって、ダウンチューブ72の長手方向の後端、シートチューブ73の長手方向の下端及びチェーンステー75の長手方向の前端は、互いに固定されている。
【0075】
(3.5)サドル
サドル84は、シートピラー841を有する。シートピラー841は、シートチューブ73の中心軸に沿うようにして、シートチューブ73に通されている。シートピラー841は、サドル84において利用者が座る部分から下側に突出している。本実施形態では、シートピラー841は、下方向に行くに従って前方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。シートピラー841は、シートチューブ73に対し、シートチューブ73の中心軸に沿って移動可能に取り付けられている。
【0076】
(3.6)ペダル
ペダル86は、各クランクアーム85の長手方向の端部のうち、クランク軸(後述する)側とは反対側の端部に取り付けられている。ペダル86は、クランクアーム85に対して、回転可能に取り付けられている。ペダル86の回転軸は、クランク軸の回転軸に対して略平行である。
【0077】
(3.7)動力伝達体
動力伝達体87は、モータユニット5から出力された動力を、複数の車輪81のうちの少なくとも1つに伝達する。本実施形態では、動力伝達体87は、モータユニット5の駆動スプロケットと後輪89のリアスプロケット892との間で動力伝達可能に架けられるチェーンである。ただし、本開示では、動力伝達体87は、例えば、ベルト、シャフト、ワイヤ、又はギヤであってもよい。
【0078】
(3.8)モータユニット
モータユニット5は、
図1に示すように、モータ51と、制御部52と、記憶部53と、クランク軸と、駆動スプロケットとを備える。クランク軸及び駆動スプロケットについては、図示を省略している。モータユニット5は、駆動補助出力を出力可能な装置である。本実施形態では、モータユニット5は、人力駆動力である踏力に駆動補助出力を加えて、動力伝達体87を介して、後輪89に伝達する。
【0079】
制御部52は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御部52としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0080】
制御部52は、モータ51を制御する処理を実行する。より詳細には、制御部52は、所定の回転速度でモータ51が回転するように、モータ51に駆動制御信号を出力して、モータ51を制御する。例えば、制御部52は、所定の速度で利用者の踏力を補助するようにモータ51を制御する。また、制御部52は、既に述べたように、その動作中においては、第1周期ごとにユニット情報を通信ユニット60に向けて送信する処理を実行する。
【0081】
記憶部53は、例えば、EEPROM等の電気的に書換え可能な不揮発性メモリ、及びRAM等の揮発性メモリ等を備える。記憶部53は、ユニット情報を記憶する。
【0082】
モータユニット5のクランク軸には、
図2に示すように、一対のクランクアーム85が取り付けられている。クランクアーム85の長手方向は、クランク軸の回転軸に対して交差する(ここでは、直交する)。一対のクランクアーム85は、クランク軸の回転軸方向に見て一直線上に並ぶ。
【0083】
駆動スプロケットは、例えば、複数のスプロケットで構成されており、リアスプロケット892と共に変速機を構成する。この変速機の変速位置を変えることにより、電動自転車2の変速が可能となる。
【0084】
モータ51は、電動自転車2の車輪81に回転動力を与えるように構成されている。モータ51は、電動自転車2のクランク軸の近傍に設けられており、バッテリ41からの電力によって駆動し、クランク軸に動力を伝達する。
【0085】
(4)動作
以下、本実施形態の通信ユニット60の動作について
図3を用いて説明する。以下では、電動自転車2が利用者により利用されていない、つまり、電動自転車2の電源がオフとなっており、モータユニット5が停止している、と仮定する。
【0086】
まず、通信ユニット60の起動部61は、第1周期ごとに、起動信号をモータユニット5に向けて送信する(起動ステップST1)。モータユニット5では、起動信号により制御部52が起動する(つまり、モータユニット5が起動する)。制御部52(モータユニット5)は、起動すると、ユニット情報を通信ユニット60に向けて送信する。これにより、通信ユニット60の取得部62は、ユニット情報を取得する(取得ステップST2)。取得部62にてユニット情報を取得した後、起動部61は、停止信号をモータユニット5に向けて送信する。モータユニット5では、停止信号により制御部52が停止する(つまり、モータユニット5が停止する)。
【0087】
上記の起動ステップST1及び取得ステップST2とは別に、通信ユニット60の通信部63は、第2周期ごとに、取得部62で取得したユニット情報を管理ユニット3に向けて送信する(通信ステップST3)。管理ユニット3では、通信部32は、通信ユニット60から送信されたユニット情報を受信することにより、ユニット情報を取得する。
【0088】
(5)利点
上述のように、本実施形態では、起動部61がモータユニット5を一時的に起動させることが可能であるため、電動自転車2の電源がオンである場合のみならず、電動自転車2の電源がオフの場合にも、電動自転車2からユニット情報をアップロードすることが可能である。したがって、本実施形態では、電動自転車2の電源がオンである場合にのみユニット情報をアップロードする態様と比較して、電動自転車2の管理を行いやすい、という利点がある。
【0089】
例えば、電動自転車2の電源がオンである場合にのみユニット情報をアップロードする態様では、電動自転車2の電源がオフの期間ではユニット情報をアップロードできないため、管理ユニット3では、ユニット情報を断続的に取得することになる。このため、管理ユニット3では、電動自転車2の状態を断続的にしか把握できず、電動自転車2を管理しにくい。一方、本実施形態では、電動自転車2の電源のオン/オフに依らず、ユニット情報を定期的にアップロードするので、管理ユニット3では、ユニット情報を途切れることなく定期的に取得することが可能である。このため、管理ユニット3では、電動自転車2の状態を途切れることなく把握しやすく、電動自転車2を管理しやすい。
【0090】
また、例えば起動部61を備えない態様であれば、電動自転車2のバッテリ41を交換した場合、操作装置21を操作して電動自転車2の電源をオンにしない限り、モータユニット5からユニット情報を取得することができない。一方、本実施形態では、電動自転車2のバッテリ41を交換した場合でも、定期的にモータユニット5を一時的に起動させるため、操作装置21を操作せずともモータユニット5からユニット情報を取得することが可能である、という利点もある。
【0091】
また、本実施形態では、ユニット情報を取得する周期に合わせて必要なタイミングでのみモータユニット5を一時的に起動させている。このため、本実施形態では、モータユニット5を常時動作させてユニット情報を取得する場合と比較して、バッテリ41の消費電力の低減を図ることが可能である、という利点もある。
【0092】
(6)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、通信ユニット60と同様の機能は、通信方法の他に、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0093】
一態様に係る通信方法は、起動ステップST1と、取得ステップST2と、通信ステップST3と、を有する。起動ステップST1は、電動自転車2の電源がオフの場合に、電動自転車2に搭載されてモータ51を駆動するモータユニット5を一時的に起動させるステップである。取得ステップST2は、起動ステップST1により起動したモータユニット5と通信することにより、モータユニット5に関するユニット情報を取得するステップである。通信ステップST3は、取得ステップST2で取得したユニット情報を外部装置(管理ユニット3)へ送信するステップである。また、一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の通信方法を実行させてもよい。
【0094】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0095】
本開示における通信ユニット60は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における通信ユニット60としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0096】
また、通信ユニット60における複数の機能が、1つの筐体に集約されていることは通信ユニット60に必須の構成ではない。通信ユニット60の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、通信ユニット60の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上述の実施形態のように、通信ユニット60の全ての機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。
【0097】
上述の実施形態において、管理ユニット3は、
図4に示すように、任意のタイミングでユニット情報を要求する指令を通信ユニット60に送信してもよい。一例として、管理ユニット3は、定期的に、又はレンタルサービス事業者の管理者が管理ユニット3を操作するタイミングで、指令を通信ユニット60に送信する。この場合、通信ユニット60は、指令に基づいてユニット情報を取得し、取得したユニット情報を管理ユニット3に送信する。つまり、通信ユニット60の起動部61は、指令を受信すると、起動信号をモータユニット5に向けて送信する。
【0098】
この態様では、通信ユニット60は、指令を受信した後にモータユニット5からユニット情報を取得する。このため、この態様では、管理ユニット3は、任意のタイミングで、通信ユニット60が取得した最新のユニット情報を取得することができる、という利点がある。
【0099】
上述の実施形態では、通信ユニット60の起動部61は、モータユニット5に起動信号を送信することでモータユニット5の制御部52を起動させているが、これに限らない。例えば、通信ユニット60の起動部61は、
図5に示すように、バッテリユニット4に起動信号を送信することでモータユニット5の制御部52を間接的に起動させてもよい。具体的には、通信ユニット60の起動部61は、第1周期ごとに、起動信号をバッテリユニット4に向けて送信する。バッテリユニット4では、起動信号によりバッテリ制御部42が起動する。バッテリ制御部42は、起動すると、バッテリ41からモータユニット5への電力供給を開始する。これにより、モータユニット5の制御部52が起動する(つまり、モータユニット5が起動する)。
【0100】
制御部52(モータユニット5)は、起動すると、ユニット情報を通信ユニット60に向けて送信する。これにより、通信ユニット60の取得部62は、ユニット情報を取得する。取得部62にてユニット情報を取得した後、起動部61は、停止信号をバッテリユニット4に向けて送信する。バッテリユニット4では、停止信号によりバッテリ制御部42が停止する。これにより、バッテリ41からモータユニット5への電力供給が停止するので、モータユニット5の制御部52が停止する(つまり、モータユニット5が停止する)。
【0101】
上述の実施形態では、通信ユニット60は、電動自転車2に搭載されるバッテリ41を電源として動作しているが、これに限らない。例えば、通信ユニット60は、バッテリ41とは異なる電池を電源として動作してもよい。つまり、起動部61は、モータ51の駆動源としてのバッテリ41とは異なる電池を電源として動作してもよい。
【0102】
上述の実施形態において、通信ユニット60は、サークル錠(錠装置)6ではなく、操作装置21を兼ねていてもよい。つまり、通信ユニット60は、電動自転車2の電源のオン/オフに依らず、常時起動している装置を兼ねていればよい。
【0103】
上述の実施形態において、通信ユニット60は、電動自転車2に対して着脱可能な装置であってもよい。つまり、通信ユニット60は、電動自転車2にあらかじめ固定された装置ではなく、電動自転車2に後付け可能な装置であってもよい。
【0104】
上述の実施形態では、通信ユニット60の通信部63は、インターネットを介してユニット情報を送信しているが、これに限らない。例えば、通信部63は、LAN(Local Area Network)を介して、LANの構築されているエリア内にある外部装置に向けてユニット情報を送信してもよい。
【0105】
上述の実施形態において、外部装置は管理ユニット3に限らず、例えばレンタルサービス事業者の管理者等が所有する管理者端末であってもよい。管理者端末は、例えばスマートフォン又はタブレット型のコンピュータである。この態様では、通信ユニット60の通信部63は、管理ユニット3を経由して端末へユニット情報を送信してもよいし、管理ユニット3を経由せずに直接、管理者端末へユニット情報を送信してもよい。
【0106】
上述の実施形態において、錠装置6は、サークル錠6に限らない。つまり、錠装置6は、電動自転車2を施錠可能な装置であればよい。
【0107】
上述の実施形態では、モータユニット5は、二軸式のモータユニットであるが、一軸式のモータユニットであってもよい。また、上述の実施形態では、モータユニット5はセンタユニット方式のモータユニットであるが、これに限らない。例えば、モータユニット5は、前輪88のハブ881にモータが取り付けられたフロントハブユニット方式のモータユニットであってもよい。また、例えば、モータユニット5は、後輪89のハブ891にモータが取り付けられたリアハブユニット方式のモータユニットであってもよい。
【0108】
上述の実施形態では、電動自転車2は、利用者の踏力をモータ51によって補助する電動アシスト自転車であるが、これに限らない。例えば、電動自転車2は、踏力により車輪81に動力を与える駆動系(人力駆動系)と、モータ51により車輪81に動力を与える駆動系(モータ駆動系)とが独立している自転車(モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車)であってもよい。要するに、電動自転車2は、電動アシスト自転車であってもよいし、モータ51から出力された動力のみで走行可能な自転車であってもよい。
【0109】
上述の実施形態では、電動自転車2は、1つの前輪88及び1つの後輪89を備える二輪自転車であるが、これに限らない。例えば、電動自転車2は、1つの前輪88及び2つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。または、電動自転車2は、2つの前輪88及び1つの後輪89を備える三輪自転車であってもよい。また、電動自転車2は、2つの前輪88及び2つの後輪89を備える四輪自転車であってもよい。
【0110】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る通信ユニット(60)は、起動部(61)と、取得部(62)と、通信部(63)と、を備える。起動部(61)は、電動自転車(2)の電源がオフの場合に、電動自転車(2)に搭載されてモータ(51)を駆動するモータユニット(5)を一時的に起動させる。取得部(62)は、起動部(61)により起動したモータユニット(5)と通信することにより、モータユニット(5)に関するユニット情報を取得する。通信部(63)は、取得部(62)で取得したユニット情報を外部装置(管理ユニット(3))へ送信する。
【0111】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0112】
第2の態様に係る通信ユニット(60)は、第1の態様において、錠装置(6)を兼ねている。錠装置(6)は、施錠状態と、開錠状態と、を切り替え可能である。施錠状態は、電動自転車(2)の車輪(後輪(89))の回転を規制することで電動自転車(2)の走行を禁止する状態である。開錠状態は、車輪(後輪(89))の回転を規制せずに電動自転車(2)の走行を許容する状態である。
【0113】
この態様によれば、錠装置(6)以外の場所に通信ユニット(60)を取り付ける場合と比較して、電動自転車(2)の取付可能なスペースを有効に活用しやすい、という利点がある。
【0114】
第3の態様に係る通信ユニット(60)では、第1又は第2の態様において、モータユニット(5)は、第1モードと、第2モードと、のいずれかで動作するように構成されている。第1モードは、モータ(51)により利用者の踏む力を補助するモードである。第2モードは、第1モードとは異なるモードである。起動部(61)は、第2モードで動作するようにモータユニット(5)を一時的に起動させる。
【0115】
この態様によれば、第1モードでモータユニット(5)を一時的に起動させる場合と比較して、モータユニット(5)での消費電力の低減を図りやすい、という利点がある。
【0116】
第4の態様に係る通信ユニット(60)では、第1~第3のいずれかの態様において、起動部(61)、取得部(62)、及び通信部(63)は、モータ(51)の駆動源としてのバッテリ(41)を電源として動作する。
【0117】
この態様によれば、通信ユニット(60)のために別途電池を用意しなくて済む、という利点がある。
【0118】
第5の態様に係る通信ユニット(60)では、第1~第3のいずれかの態様において、起動部(61)、取得部(62)、及び通信部(63)は、モータ(51)の駆動源としてのバッテリ(41)とは異なる電池を電源として動作する。
【0119】
この態様によれば、バッテリ(41)を電源として動作する場合と比較して、バッテリ(41)の充電電力を通信ユニット(60)以外の装置にて活用しやすい、という利点がある。
【0120】
第6の態様に係る通信ユニット(60)では、第1~第5のいずれかの態様において、取得部(62)は、モータユニット(5)の異常に関する異常情報をユニット情報として取得する。
【0121】
この態様によれば、モータユニット(5)の異常の有無を参照することで、電動自転車(2)を管理しやすくなる、という利点がある。
【0122】
第7の態様に係る通信ユニット(60)では、第1~第6のいずれかの態様において、取得部(62)は、電動自転車(2)の走行に関する走行情報をユニット情報として取得する。
【0123】
この態様によれば、走行情報に基づく電動自転車(2)の状態を参照することで、電動自転車(2)を管理しやすくなる、という利点がある。
【0124】
第8の態様に係る電動自転車(2)は、第1~第7のいずれかの態様の通信ユニット(60)と、通信ユニット(60)と通信可能なモータユニット(5)と、を備える。
【0125】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0126】
第9の態様に係る管理ユニット(3)は、受信部(通信部(32))と、管理部(31)と、を備える。受信部(通信部(32))は、第1~第7のいずれかの態様の通信ユニット(60)から送信されるユニット情報を受信する。管理部(31)は、受信部(通信部(32))で受信したユニット情報に基づいて、電動自転車(2)を管理する。
【0127】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0128】
第10の態様に係る管理システム(A1)は、電動自転車(2)に取付可能な第1~第7のいずれかの態様の通信ユニット(60)と、電動自転車(2)とは別に設けられて通信ユニット(60)と通信可能な管理ユニット(3)と、を備える。管理ユニット(3)は、受信部(通信部(32))と、管理部(31)と、を備える。受信部(通信部(32))は、通信ユニット(60)から送信されるユニット情報を受信する。管理部(31)は、受信部(通信部(32))で受信したユニット情報に基づいて、電動自転車(2)を管理する。
【0129】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0130】
第11の態様に係る管理システム(A1)は、第10の態様において、管理ユニット(3)は、ユニット情報を要求する指令を通信ユニット(60)に送信する。通信ユニット(60)は、指令に基づいてユニット情報を取得し、取得したユニット情報を管理ユニット(3)に送信する。
【0131】
この態様によれば、管理ユニット(3)が任意のタイミングで最新のユニット情報を取得することができる、という利点がある。
【0132】
第12の態様に係る駆動システム(A2)は、電動自転車(2)に取付可能な第1~第7のいずれかの態様の通信ユニット(60)と、電動自転車(2)に取付可能であって通信ユニット(60)と通信可能なモータユニット(5)と、を備える。
【0133】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0134】
第13の態様に係る通信方法は、起動ステップ(ST1)と、取得ステップ(ST2)と、通信ステップ(ST3)と、を有する。起動ステップ(ST1)は、電動自転車(2)の電源がオフの場合に、電動自転車(2)に搭載されてモータ(51)を駆動するモータユニット(5)を一時的に起動させるステップである。取得ステップ(ST2)は、起動ステップ(ST1)により起動したモータユニット(5)と通信することにより、モータユニット(5)に関するユニット情報を取得するステップである。通信ステップ(ST3)は、取得ステップ(ST2)で取得したユニット情報を外部装置(管理ユニット(3))へ送信するステップである。
【0135】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0136】
第14の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第13の態様に係る通信方法を実行させる。
【0137】
この態様によれば、電動自転車(2)の管理を行いやすくなる、という利点がある。
【0138】
第2~第7の態様に係る構成については、通信ユニット(60)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0139】
2 電動自転車
3 管理ユニット(外部装置)
31 管理部
32 通信部(受信部)
41 バッテリ
5 モータユニット
51 モータ
6 サークル錠(錠装置)
60 通信ユニット
61 起動部
62 取得部
63 通信部
89 後輪(車輪)
A1 管理システム
A2 駆動システム
ST1 起動ステップ
ST2 取得ステップ
ST3 通信ステップ