(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】封緘装置、及び封止装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/02 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
B65B51/02 D
B65B51/02 A
B65B51/02 F
(21)【出願番号】P 2019073455
(22)【出願日】2019-04-08
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】生島 亘
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-089853(JP,A)
【文献】特開2012-012094(JP,A)
【文献】特開2015-134620(JP,A)
【文献】特開2009-274859(JP,A)
【文献】特開2010-069723(JP,A)
【文献】特開2018-167922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00
B65B 7/00
B65H 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を搬送する搬送部と、封筒のフラップを折り返して封止する封止部と、前記封止時において封筒胴部を保持する封筒保持部とを備えた封緘装置であって、
前記封止部には、フラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封止ローラ移動部が設けられ
、
前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から略90°回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封緘装置。
【請求項2】
前記封筒保持部は、前記封止時において封筒胴部の後端を突き当てるストッパが設けられることを特徴とする請求項1記載の封緘装置。
【請求項3】
前記封筒保持部は、前記封止時において、上方より封筒胴部に当接する当接部材と、前記当接部材を封筒胴部に対して当接位置と退避位置に移動させる当接部材移動部が設けられることを特徴とする請求項1記載の封緘装置。
【請求項4】
前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラは、他方の封止ローラの回転中心と同軸の中心を基準として、他方の封止ローラの周回上で移動することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項5】
前記封止ローラ移動部は、フラップを封筒胴部側に折り返す方向に、前記一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項6】
前記他方の封止ローラの周回上で移動する封止ローラは、前記他方の封止ローラに対して、弾性部材を介して接離可能に圧接されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項7】
前記一対の封止ローラは、相互に硬度の異なる材質で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項8】
封筒にフラップの折目線を筋入れするクリース部をさらに備え、
前記クリース部は、筋付ブレードと、前記筋付ブレードを突き立てる受部と、前記筋付ブレードを前記受部に対して圧接位置と退避位置に移動させる筋付ブレード移動部とを有し、前記受部は、筋付ブレードと対向し、一対の封止ローラの一方の封止ローラ表面に形成された凹溝であることを特徴とする請求項1乃至請求項
7の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項9】
前記クリース部は、前記一対の封止ローラによるフラップの折り返しと封止の前処理として、封筒にフラップの折目線を筋入れすることを特徴とする請求項
8に記載の封緘装置。
【請求項10】
搬送部により搬送される封筒に封緘剤を付与する封緘剤付与部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃請求項9の何れか一つに記載の封緘装置。
【請求項11】
封筒のフラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させる封止ローラ移動部とを備え
、前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から略90°回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封止装置。
【請求項12】
封筒を搬送する搬送部と、封筒のフラップを折り返して封止する封止部と、前記封止時において封筒胴部を保持する封筒保持部とを備えた封緘装置であって、
前記封止部には、フラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封止ローラ移動部が設けられ、 前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から他方の封止ローラの直上よりもさらに所定量移動した位置まで回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことを特徴とする封緘装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封緘装置、及び封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手作業による封緘作業に対し、自動的に糊を塗布し、フラップに折り目を形成し、フラップを折り畳んで封筒胴部側に貼着する封緘装置が開発されている(特許文献1)。
【0003】
上記封緘装置は、たとえば、封筒を供給する封筒供給部と、フラップに折り目を形成する折り目形成部と、フラップに糊を塗布する糊塗布部と、フラップを折り畳んで封筒胴部に貼着する封止部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるような封緘装置においては、封筒のフラップ折り返し部と、折り返したフラップを転写ローラにて押圧して封止する封止部を備えている。前記フラップ折り返し部と封止部は一定の距離をおいて配置されている為に、封筒の紙の種類によっては、フラップ折り返し後、封止するまでの間にフラップが浮き上がり、封止部において皺が発生することも起こり得る。又、機械サイズが大きくなる。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、封筒のフラップを折り返し後、封止する際に皺の発生を防止することが可能であり、かつ機械サイズの小さい封緘装置、封止装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、封筒を搬送する搬送部と、封筒のフラップを折り返して封止する封止部と、前記封止時において封筒胴部を保持する封筒保持部とを備えた封緘装置であって、
前記封止部には、フラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封止ローラ移動部が設けられ、前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から略90°回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項2記載の発明は、請求項1記載の封緘装置において、前記封筒保持部は、前記封止時において封筒胴部の後端を突き当てるストッパが設けられることを特徴とするものである。
【0009】
又、請求項3記載の発明は、請求項1記載の封緘装置において、前記封筒保持部は、前記封止時において、上方より封筒胴部に当接する当接部材と、前記当接部材を封筒胴部に対して当接位置と退避位置に移動させる当接部材移動部が設けられることを特徴とするものである。
【0010】
又、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかひとつに記載の封緘装置において、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラは、他方の封止ローラの回転中心と同軸の中心を基準として、他方の封止ローラの周回上で移動することを特徴とするものである。
【0011】
又、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかひとつに記載の封緘装置において、前記封止ローラ移動部は、フラップを封筒胴部側に折り返す方向に、前記一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることを特徴とするものである。
【0012】
又、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかひとつに記載の封緘装置において、前記他方の封止ローラの周回上で移動する封止ローラは、前記他方の封止ローラに対して、弾性部材を介して接離可能に圧接されることを特徴とするものである。
【0013】
又、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかひとつに記載の封緘装置において、前記一対の封止ローラは、相互に硬度の異なる材質で構成されることを特徴とするものである。
【0015】
又、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかひとつに記載の封緘装置において、封筒にフラップの折目線を筋入れするクリース部をさらに備え、前記クリース部は、筋付ブレードと、前記筋付ブレードを突き立てる受部と、前記筋付ブレードを前記受部に対して圧接位置と退避位置に移動させる筋付ブレード移動部とを有し、前記受部は、筋付ブレードと対向し、一対の封止ローラの一方の封止ローラ表面に形成された凹溝であることを特徴とするものである。
【0016】
又、請求項9記載の発明は、請求項8に記載の封緘装置において、前記クリース部は、前記一対の封止ローラによるフラップの折り返しと封止の前処理として、封筒にフラップの折目線を筋入れすることを特徴とするものである。
【0017】
又、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項9の何れかひとつに記載の封緘装置において、搬送部により搬送される封筒に封緘剤を付与する封緘剤付与部をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0018】
又、請求項11記載の発明は、封筒のフラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させる封止ローラ移動部とを備え、前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から略90°回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことを特徴とするものである。又、請求項12記載の発明は、封筒を搬送する搬送部と、封筒のフラップを折り返して封止する封止部と、前記封止時において封筒胴部を保持する封筒保持部とを備えた封緘装置であって、 前記封止部には、フラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う封止ローラ移動部が設けられ、 前記封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から他方の封止ローラの直上よりもさらに所定量移動した位置まで回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行う。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、封止ローラ移動部により、一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、フラップ折り返し部と封止部は必要以上の距離をおいて配置する必要がなく、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことができる。したがって、封筒のフラップを折り返し後、封止する際に皺の発生を防止することが可能であり、かつ機械サイズの小さい封緘装置を提供することができる。また、封止ローラ移動部は、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを、他方の封止ローラの周回上で、初期の水平位置から略90°回動させることにより、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うように構成される。したがって、フラップを封筒胴部にしっかりと圧着することができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、封筒保持部は、封止時において封筒胴部の後端を突き当てるストッパが設けられる。したがって、封筒のフラップの折り返し及び封止する際に、封筒胴部の位置ずれを防ぐことができ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、封筒保持部は、封止時において、上方より封筒胴部に当接する当接部材と、前記当接部材を封筒胴部に対して当接位置と退避位置に移動させる当接部材移動部が設けられる。したがって、封筒のフラップの折り返し及び封止する際に、封筒胴部の位置ずれを防ぐことができ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラは、他方の封止ローラの回転中心と同軸の中心を基準として、他方の封止ローラの周回上で移動するように構成される。
したがって、構成が簡易で、かつ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、封止ローラ移動部は、フラップを封筒胴部側に折り返す方向に、前記一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させるように構成される。したがって、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、他方の封止ローラの周回上で移動する封止ローラは、前記他方の封止ローラに対して、弾性部材を介して接離可能に圧接されるように構成される。したがって、封入物に厚みがある場合でも皺なく綺麗に封緘することができる。封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、一対の封止ローラは、相互に硬度の異なる材質で構成される。したがって、封入物に厚みがある場合でも皺なく綺麗に封緘することができる。封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、封筒にフラップの折目線を筋入れするクリース部をさらに備え、前記クリース部は、筋付ブレードと、前記筋付ブレードを突き立てる受部と、前記筋付ブレードを前記受部に対して圧接位置と退避位置に移動させる筋付ブレード移動部とを有し、前記受部は、筋付ブレードと対向し、一対の封止ローラの一方の封止ローラ表面に形成された凹溝であることを特徴とする。したがって、封筒のフラップの折り返しと封止をさらに精度よく行うことができる。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、前記クリース部は、前記一対の封止ローラによるフラップの折り返しと封止の前処理として、封筒にフラップの折目線を筋入れする。したがって、封筒のフラップの折り返しと封止をさらに精度よく行うことができる。
【0029】
請求項10記載の発明によれば、搬送部により搬送される封筒に封緘剤を付与する封緘剤付与部をさらに備える。したがって、フラップFに予め糊や接着剤が塗布されていない封筒Eを用いる場合には、封緘剤付与部にて封筒に封緘剤を付与することができ便利である。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、封筒のフラップを封筒胴部とともに狭持する一対の封止ローラと、前記一対の封止ローラの少なくとも一方の封止ローラを他方の封止ローラの周回上で移動させることにより、フラップ折り返し部と封止部は必要以上の距離をおいて配置する必要がなく、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことができる。したがって、封筒のフラップを折り返し後、封止する際に皺の発生を防止することが可能であり、かつ機械サイズの小さい封止装置を提供することができる。請求項12記載の発明によれば、フラップの封筒胴部への封止範囲を確保でき、フラップを封筒胴部に強固に封止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係る封緘装置の概略構成を示す縦断面図である。
【
図5】前記封緘装置の封止部の動作を示す斜視図である。
【
図6】前記封緘装置の封止部の動作を示す斜視図である。
【
図7】前記封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図8】前記封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図9】前記封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図10】他の実施形態に係る封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図11】他の実施形態に係る封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図12】他の実施形態に係る封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図13】他の実施形態に係る封緘装置の封止部の動作を示す略図である。
【
図14】他の実施形態に係る封緘装置の封止部を示す略図である。
【
図15】前記封緘装置の搬送部の側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1の実施形態)
図1、2は、本発明に係る封緘装置の全体の構成を示している。
図1は、封緘装置1の概略構成を示す縦断面図である。
図2は封緘装置1の内部構成を示す平面図である。各図において、封緘装置1は、封筒を搬送する搬送部3を備える。搬送部3は、略水平な搬送路4を有する。搬送路4の上流側に封筒Eの供給部2が設けられる。搬送路4の下流側に積載部6が設けられる。搬送路4には、封緘剤付与部7、封止部8、斜行補正部9が設けられる。また、搬送路4には、複数の封筒検出部11が設置される。封筒搬送装置は、封緘装置1により構成される。
【0033】
(供給部2)
供給部2は未封緘状態の封筒Eを搬送路4へ供給する。供給部2は、供給台21、供給ベルト22と、捌き部23とを備える。供給台21の上面には、複数の未封緘の封筒Eが積載される。供給台21には、封筒Eの大きさに応じた載置位置が印付けされている。封筒Eの載置位置は、フラップFの折線形成位置が、搬送部3による搬送方向Hに直交する幅方向Wで、一対の封止ローラ81上の所定位置(例えば、後述する第1封止ローラ41の外周の真上位置)と同じライン上となる位置である。
【0034】
前記のように、封筒Eが供給部2から搬送路4へ横向きに供給される為、搬送経路全体としてのスペースを最小限に抑えることができ、したがって、機械サイズを小さくすることができる。
【0035】
供給ベルト22は、供給台21の下流側位置に埋設される。供給ベルト22は封筒Eの供給方向に直交する幅方向Wに複数並設される。供給ベルト22は、前後一対の供給ローラ24に掛け渡される。供給ローラ24は、封筒Eの載置面の下方に設置される。供給ローラ24は封筒Eの供給方向に所定距離離間して設置される。供給ベルト22が掛け渡された一対の供給ローラ24のうち、一方の供給ローラ24は、幅方向Wの一端部に設けられた駆動伝達機構25を介して供給駆動部26に連結される。供給駆動部26の駆動により、供給ローラ24が回転され、供給ベルト22が走行される。
【0036】
捌き部23は、封筒Eの重送を防止する。捌き部23は、捌きローラ28及び当接板29を備える。
図2では、一個の捌きローラ28を備える場合を示す。この捌きローラ28は、封筒Eの供給方向に直交する幅方向W中央近傍に設置された供給ベルト22aの下流側端部の上方に対向設置されている。尚、捌きローラ28は、幅方向Wに複数並設してもよい。捌きローラ28は図示しない付勢手段によって下方に向けて付勢されている。当接板29は、捌きローラ28の上流側に設置される。当接板29は封筒Eの側辺が当接される。当接板29は供給ベルト22の上方に、所定距離離間して立設される。
【0037】
尚、供給部2において、未封緘状態の封筒Eを搬送路4へ供給する手段として、前述の供給ベルト22を用いる方法に替えて、一つ又は複数の給紙ローラを用いて封筒Eを搬送路4へ供給するように構成してもよい。
【0038】
(搬送部3)
搬送部3は、供給部2から供給された封筒Eを積載部6へ搬送する。搬送部3は、搬送ローラ31、搬送ベルト32、搬送駆動部35を備える。搬送ローラ31は、封筒Eの搬送面の上下に対向して一対設置される。
搬送ベルト32は、前後に所定量離間して設置された一対のベルト用ローラ33に掛け渡される。
【0039】
図2に示す3つの各搬送ベルト32上には、
図15に示すような、その一端をシャフト112に固定された排出ガイド113が設置されている。排出ガイド113は、金属の薄板、樹脂板等で構成され、搬送されてきた封筒Eを上方から搬送ベルト32に押圧する。従って、封筒Eは搬送ベルト32により安定した搬送力が付与される。
【0040】
(封緘剤付与部7)
フラップFに予め糊や接着剤が塗布されていない封筒Eを用いる場合には、封緘剤付与部7を利用することができる。したがって、フラップFに予め糊や接着剤が塗布されていない封筒Eを用いる場合には、封緘剤付与部にて封筒に封緘剤を付与することができ便利である。
封緘剤付与部7は、封筒Eに封緘剤を付与する。封緘剤としては、糊、接着剤、水等が挙げられる。水は、封筒Eの封止位置に予め接着成分が塗布された封筒Eを封緘する際に用いられる。封緘剤は、液体、固体、ゲル状のいずれの形態でもよい。また、封緘剤は、テープに保持されたものでもよく、霧状に噴射されるものでもよい。
【0041】
図1に示す封緘剤付与部7では、封緘剤が糊カセット71に保持された糊である場合を示している。糊カセット71には、糊を保持するテープが収容される。糊カセット71の下端部には、糊を封筒Eへ転写する転写部72が設けられる。転写部72は転写ローラ721を備える。転写部72では、テープの糊保持面が下方の受けローラ722に対向する。転写ローラ721は受けローラ722との間で封筒EのフラップFを挟持する。
【0042】
糊カセット71は、カセット保持部74に保持される。カセット保持部74は、糊カセット71を着脱自在に保持する。カセット保持部74は昇降部75により昇降させる。昇降部75は、糊カセット71を待機位置と封緘剤付与位置との間で昇降する。
【0043】
(封止部8)
封止部8は、封筒Eの封筒胴部TにフラップFを封止する。封止部8は封止装置を構成する。封止部8は、一対の封止ローラ81及び搬送ベルト32等を備える。上述の供給部2、搬送部3より搬送され、搬送ベルト32に受け渡された封筒Eは、フラップFの折線形成位置が一対の封止ローラ81の所定の位置に合うように搬送ベルト32上で停止される。
【0044】
一対の封止ローラ81は、第1封止ローラ41及び第2封止ローラ42によって構成され、搬送ベルト32による封筒Eの搬送方向Hに沿って延在される。又、一対の封止ローラ81は、第1封止ローラ41と第2封止ローラ42のニップ部によりフラップFを封筒胴部Tとともに挟持することにより、封筒胴部TにフラップFを封止する。
【0045】
好ましくは、一対の封止ローラ81は、相互に硬度の異なる材質で構成される。したがって、封入物に厚みがある場合でも皺なく綺麗に封緘することができる。封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0046】
一対の封止ローラ81の少なくとも一方は、封止時においては、封止ローラ移動部87によって所定方向に移動する。
図3、
図4は、封止部8を下流側から見た拡大図である。
図3は、封筒Eの封筒胴部TにフラップFを封止する前の状態を示しており、
図4は、封筒胴部TにフラップFを封止した後の状態を示している。又、
図5、
図6は封止部8の斜視図である。
図5は、
図3の状態に対応した図であり、
図6は、
図4の状態に対応した図である。封止ローラ移動部87は、例えば、第2封止ローラ42をR方向へ移動する。
図3~
図6に示すように、封止ローラ移動部87は、フラップFを封筒胴部T側に折り返す方向に、前記第2封止ローラ42を第1封止ローラ41の周回上で移動させる。したがって、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0047】
封止ローラ移動部87は、ベース部材60、揺動部材51等を備える。揺動部材51は、一対の封止ローラ81をその間に支持する略断面コの字状の部材であり、ベース部材60に回転自在に軸支される。詳しくは、揺動部材51は、第1封止ローラ41の回転軸61を中心に、第2封止ローラ42を第1封止ローラ41の周回上で移動させる。
【0048】
図3~
図6に示すように、第1封止ローラ41の回転軸61は、ベース部材60に回転不能に固定され
(揺動部材51は回転軸61に対して回転自在)、第2封止ローラ42の回転軸67は、揺動部材51に回転自在に支持される。回転軸61、67は、揺動部材51を貫通して反対側へ延出している。
【0049】
次に、駆動モータ86から一対の封止ローラ81への回転駆動力の伝達機構について説明する。
回転軸61に、軸受けを介して空回転するように取付けられたプーリ62と、駆動モータ86の回転軸に取り付けられたプーリ(不図示)とは、タイミングベルト65を介して連結されている。
【0050】
さらに、前記タイミングベルト65と共にプーリ62に掛け渡されるタイミングベルト66を有し、前記タイミングベルト66は、前記プーリ62、回転軸67に固定されたプーリ64及びタイミングベルト66にテンションを付与するプーリ63間に掛け渡され、駆動モータ86の回転駆動力を回転軸67(第2封止ローラ42)に伝達する。前記駆動モータ86の回転駆動力は、プーリ62が空回転する為に、回転軸61(第1封止ローラ41)には伝達されない。
【0051】
尚、タイミングベルト66へのテンションは、プーリ63がテンションアーム53に回転自在に支持され、前記テンションアーム53が揺動部材51に回転軸54を中心に回動自在に支持されるとともに、
第2付勢部材56により下向きの力が加えられることにより付与される。
【0052】
又、第1付勢部材55が回転軸67と揺動部材51間に取付けられ、前記第1付勢部材55により、第2封止ローラ42は第1封止ローラ41に対して、接離可能に圧接される。したがって、封入物に厚みがある場合でも皺なく綺麗に封緘することができる。封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0053】
揺動部材51の回転位置(角度)を検出する手段として、例えば光学系のセンサ(フォトインタラプタ等)及び遮光板を用いる。
図5は、封筒Eの封筒胴部TにフラップFを封止する前の状態(ホームポジション)を示しており、この位置で検出センサ101が揺動部材51の所定位置に取付けられた遮光板102による遮光を検出している。又、
図6は、封筒胴部TにフラップFを封止した後の状態を示しており、この位置で検出センサ103が揺動部材51の所定位置に取付けられた遮光板104による遮光を検出している。
【0054】
(斜行補正部9)斜行補正部9は、封筒Eの斜行を補正する。斜行補正部9は、突き当て板91、支持軸92及び突き当て板移動部94を備える。突き当て板91は、搬送ベルト32による封筒Eの搬送方向Hに直交する向きに延在される。突き当て板91には、封筒Eの側辺が突き当たる。
【0055】
突き当て板91は、封筒Eの搬送を遮断可能に構成される。突き当て板91の上端部は搬送面の上方位置で支持軸92に固定される。支持軸92は、側板13,14に回動自在に軸支される。突き当て板91は、突き当て板移動部94によって待機位置と斜行補正位置との間で移動される。
図1では、突き当て板91が待機位置にある場合を実線で、斜行補正位置にあるときを破線で示す。待機位置では、突き当て板91が所定角度傾斜した姿勢となる。待機位置では、封筒Eが搬送路上を積載部6へ向けて通過可能とされる。斜行補正位置では、突き当て板91が鉛直方向に延在され、封筒Eの搬送が遮断される。
【0056】
突き当て板移動部94は、突き当て板91を待機位置から鉛直方向へ揺動し、封筒E搬送路を閉塞させる。突き当て板移動部94は、ソレノイド95、リンク部材96、付勢部材97を備える。
図1では、リンク部材96は矩形状板材により形成される場合を示す。リンク部材96の長手方向中央部はソレノイド95に連結される。リンク部材96の一方の端部は支持軸92に固定される。リンク部材96の他方の端部は付勢部材97により下方に向けて付勢される。
【0057】
ソレノイド95が駆動されると、付勢部材97の付勢力に抗してリンク部材96が支持軸92を軸心に
図1において二点鎖線で示す斜行補正位置へ反時計回りに揺動される。これより、突き当て板91は傾斜姿勢から鉛直方向に延在する姿勢へ揺動され、搬送路4を閉塞させる。
【0058】
尚、突き当て板移動部94は、突き当て板91を支持軸92を軸心に揺動させる構成に替えて、突き当て板91を上下、水平方向または傾斜方向に移動させる構成としてもよい。
【0059】
(積載部6)
積載部6は封緘後の封筒Eが積載される。積載部6は複数設けられる。積載部6は、第1積載部68及び第2積載部69により構成される。第1積載部68は、搬送路4の側方に設置される。第2積載部69は搬送ベルト32による搬送方向H下流側に設置される。第1積載部68及び第2積載部69へ封筒Eを排出する排出経路がそれぞれ設けられる。
【0060】
封筒検出部11は、発光素子と受光素子が封筒搬送面を挟み上下に設置される。封筒検出部11は、封筒Eの下流側の側辺及び上流側の側辺を検出する。封筒検出部11の検出信号は、制御部10に送られる。
【0061】
(制御部10)
制御部10は、封緘装置1全体の動作を制御する。制御部10は、封筒検出部11からの検出信号を受信し、駆動部を所定のタイミングで駆動する。制御部10は、封筒検出部11からの検出信号を基に、各部における動作タイミングを決めるためのカウントを開始する。
【0062】
(封緘作業)
封緘作業の際、封筒Eが供給台21上に積載される。封筒Eの下流側の側辺は、当接板29に当接される。
フラップFの折線形成位置が、一対の封止ローラ81の所定の位置と同じ位置となるよう位置合わせされる。例えば、第1封止ローラ41の外周の真上に設定される。封筒EのフラップFは、開いた状態で載置される。供給駆動部26が駆動されると、駆動伝達機構25、供給ローラ24を介して供給ベルト22が走行される。封筒Eは、最下位から順に下流側へ供給され、捌きローラ28により、一枚ずつに分離される。
【0063】
制御部10は、封筒検出部11の検出信号を受信する。制御部10は、封筒Eが封緘剤付与部7へ至る所定のタイミングで、昇降部75を駆動し、糊カセット71を封緘剤付与位置まで降下する。封緘剤付与位置において転写ローラ721がテープに保持された糊をフラップFの上面に押し付ける。封筒Eは搬送部3により下流側へ搬送されると、転写ローラ721が封筒Eとの摩擦により回転され、糊が封筒EのフラップFに付与される。転写ローラ721設置位置に、封筒Eの上流側の側辺が至るタイミングで、昇降部75は糊カセット71の上昇を開始し、待機位置まで上昇させる。
【0064】
その後、封筒Eは、搬送ローラ31によって封止部8へ搬送される。制御部10は、封筒Eが封止部8へ搬送される所定のタイミングで、ソレノイド95を駆動する。これより、リンク部材96の付勢部材97によって付勢されている
図1における右側の端部が、当該付勢部材97の付勢力に抗して破線で示すように上方に揺動する。これより、突き当て板91は傾斜姿勢から直立姿勢へ揺動される。突き当て板91は、搬送路4における封筒Eの搬送を遮断する。封筒Eは、搬送ベルト32で搬送され、突き当て板91に突き当たり、停止される。制御部10は、突き当て板91によって封筒Eの搬送が遮断された後、所定時間経過後搬送ベルト32の走行を停止する。
【0065】
封筒Eの側辺が突き当て板91に接触し、この接触時から所定時間経過後に搬送ベルト32の走行が停止されることで、封筒Eの側辺の向きが突き当て板91に平行となる。これより、封筒Eの斜行が矯正される。このように、斜行補正部9には、封筒Eの側辺を突き当てる突き当て板91が設置されるので、封筒Eの斜行を容易に補正することができる。
【0066】
また、突き当て板91は、搬送路4における封筒Eの搬送を遮断可能に構成されるので、封筒EのフラップFに折線を形成するため、搬送部3による封筒Eの搬送を停止するときに、封筒Eの斜行を補正することができる。よって、効率よく斜行補正できる。また、フラップFに折線を形成する直前に封筒Eの斜行を補正でき他のタイミングで斜行を補正する場合に比較してより適正な位置に折線を形成できる。
【0067】
図3においては、第1封止ローラ41及び第2封止ローラ42を支持する揺動部材51の位置(角度)は略水平となるホームポジション位置であり、封筒Eは、前記両ローラ上に配置され、さらに、フラップFの折線形成位置が、第1封止ローラ41の外周の真上となるよう位置合わせされている。
【0068】
制御部10は、フラップFに折線を形成するために、駆動モータ86を駆動し、第2封止ローラ42を回転する。第2封止ローラ42が回転されると、第2封止ローラ42は第1封止ローラ41(固定ローラ)の上に乗り上げて、第1封止ローラ41の周回上で移動する。
【0069】
第2封止ローラ42が回転して、第1封止ローラ41の周回上で移動すると、
図4に示すように、封筒Eは、第1封止ローラ41と第2封止ローラ42のニップ部によりフラップFを封筒胴部Tとともに挟持され、フラップFは封筒胴部Tに封止される。
【0070】
次に、前述の封緘作業について、
図7~
図9に示す略図を用いて、さらに具体的に説明する。尚、
図7~
図9においては、揺動部材51は省略している。
【0071】
本発明においては、第2封止ローラ42は、第1封止ローラ41の回転中心と同軸の中心を基準として、第1封止ローラ41の周回上で移動するように構成されている。その結果、構成が簡易で、かつ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。又、封筒のフラップの折り返しと封止を連続して行うことができ、フラップ折り返し部と封止部は必要以上の距離をおいて配置する必要がない。したがって、封筒のフラップを折り返し後、封止する際に皺の発生を防止することが可能であり、かつ機械サイズの小さい封緘装置を提供することができる。
【0072】
(ホームポジション位置)
図7は、封止作業開始前のホームポジション位置を示しており、第1封止ローラ41及び第2封止ローラ42は略水平となっている。封筒Eは、前記両ローラ上に配置され、さらに、フラップFの折線形成位置Gが、第1封止ローラ41の外周の真上となるよう位置合わせされている。
【0073】
封筒Eの下端部には、封止時において封筒胴部Tの下端を突き当てる封筒保持部としてのストッパ108が設けられる。したがって、封筒のフラップの折り返し及び封止する際に、封筒胴部Tの位置ずれを防ぐことができ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0074】
封筒保持部として、前記ストッパ108に替えて、封止時において、上方より封筒胴部Tに当接する当接部材109と、前記当接部材109を封筒胴部に対して当接位置と退避位置に移動させる当接部材移動部110が設けられるように構成してもよい。また、その両方が併用されるように構成してよい。前記当接部材移動部110は、当接部材109、スプリング及びソレノイドで構成され、ソレノイド非通電時においては、スプリングの付勢力により当接部材109は待避位置となり、又、ソレノイド通電時においては、ソレノイドの吸着力により、スプリングの付勢力に反して当接部材109は、封筒胴部に対して当接位置となる。
したがって、封筒のフラップの折り返し及び封止する際に、封筒胴部の位置ずれを防ぐことができ、封筒のフラップの折り返しと封止を精度よく行うことができる。
【0075】
(フラップFの折り返し位置)
図8は、封止作業開始後のフラップFの折り返し位置を示しており、第2封止ローラ42が前述のホームポジション位置から第1封止ローラ41に乗り上げて、第1封止ローラ41の周回上で垂直方向に向けて移動している状態を示している。尚、第1封止ローラ41の周回上で水平位置から略90°回動した位置に到達した時に、フラップFの折り返しが完了となる。したがって、フラップを封筒胴部にしっかりと圧着することができる。
【0076】
(フラップFの封止位置)
図9は、折り返し作業後のフラップFの封止位置を示しており、第2封止ローラ42が前述のフラップFの折り返し位置から、さらに第1封止ローラ41の周回上を移動した状態を示している。第1封止ローラ41と第2封止ローラ42は、両ローラのニップ部によりフラップFを封筒胴部Tとともに挟持することにより、封筒胴部TにフラップFを封止する。尚、フラップFには、封緘剤付与部7により予め封緘剤(糊、接着剤等)が塗布されている。
【0077】
好ましくは、第2封止ローラ42が第1封止ローラ41の周回上を移動する範囲は、第1封止ローラ41の直上(垂直位置)よりもさらに所定量移動した位置で停止させるのがよい。そうすることにより、フラップFの封筒胴部Tへの封止範囲を確保でき、フラップFを封筒胴部Tに強固に封止することができる。
(第1積載部68、第2積載部69)
【0078】
封筒Eの厚さが所定値より薄い場合、封筒Eは、第1積載部68へ排出される。このとき、制御部10は、フラップFの封止後、所定時間に渡り駆動モータ86を駆動し、一対の封止ローラ81の回転を継続する。封筒Eは一対の封止ローラ81によってニップN位置より下流側へ送られ、第1積載部68に排出される。
尚、この場合、第1封止ローラ41の回転軸61には駆動クラッチ(不図示)が設けられ、上述の第2封止ローラ42がホームポジション位置からフラップFの封止位置まで移動する間の封止作業中は、駆動クラッチを切って回転軸61を空回転させ、封止作業終了後、駆動クラッチを繋いで回転軸61に駆動モータ86からの回転駆動を伝達するように構成する。
【0079】
封筒Eの厚さが所定値より厚いときや封筒Eの内容物が壊れやすい場合など封止ローラ81によって封筒胴部Tを挟持し、第1積載部68へ排出すべきでないときは、
フラップFが封筒胴部Tに接着され、封止された後、一対の封止ローラ81が逆回転される。一対の封止ローラ81の逆回転により封筒Eは、搬送ベルト32上へ戻り、水平姿勢となる。制御部10は、斜行補正部9のソレノイド95をオフにする。突き当て板91は、付勢部材97の付勢力によって、斜行補正位置から待機位置へ移動する。制御部10は、搬送ベルト32を走行させ、封筒Eを第2積載部69へ向けて排出させる。
【0080】
突き当て板91を、封筒Eを通過させる待機位置と、封筒の搬送を遮断する斜行補正位置との間で移動させる突き当て板移動部94を備えたので、容易に封筒Eの斜行を補正することができる。封止後の封筒Eを積載する積載部6及び前記積載部6へ封筒Eを排出する排出経路が、複数設けられたので、封筒Eの厚さに応じて適正に封筒Eを折畳むことができ、必要な積載部6に排出することができる。
【0081】
以上より、本実施形態の封緘装置1は、封筒Eの斜行を補正する斜行補正部9が設けられ、前記斜行補正部9には、封筒Eの側辺を突き当てる突き当て板91が設置されるので、封筒Eの斜行を適正に補正することができる。
【0082】
(第2の実施の形態)
次に、
図10~
図13に示す略図を用いて、封止装置1の変形例における封緘作業について、具体的に説明する。尚、基本的な動作は、上述した第一の実施例(
図7~
図9に示す封緘作業)と同じである為、両者の共通する部分は省略し、異なる部分について重点的に説明する。
【0083】
変形例における封止装置1は、封筒Eにフラップの折目線を筋入れするクリース部36をさらに備え、前記クリース部36は、筋付ブレード58と、前記筋付ブレード58を突き立てる受部37と、前記筋付ブレード58を前記受部37に対して圧接位置と退避位置に移動させる筋付ブレード移動部59(不図示)とを有し、前記受部は、筋付ブレード58と対向し、第1封止ローラ41の表面に形成された凹溝である。この構成によれば、封筒のフラップの折り返しと封止をさらに精度よく行うことができる。
【0084】
(ホームポジション位置)
図10は、封止作業開始前のホームポジション位置を示しており、第1封止ローラ41及び第2封止ローラ42は略水平となっている。封筒Eは、前記両ローラ上に配置され、さらに、フラップFの折線形成位置Gが、第1封止ローラ41の外周上の真上であって、受部37の真上となるよう位置合わせされている。
【0085】
クリース部36は、一対の封止ローラ81によるフラップFの折り返しの前処理として、封筒EにフラップFの折目線を筋入れするように構成される。
図10において、筋付ブレード58は受部37に対して退避位置から圧接位置に移動することによって、封筒EにフラップFの折目線を筋入れする。
【0086】
図11は、ホームポジション位置において、筋付ブレード58により折り筋部57が形成された後の状態を示している。折り筋部57を形成することにより、後述するフラップFの折り返しが容易に精度よく行うことができる。
【0087】
(フラップFの折り返し位置)
図12は、封止作業開始後のフラップFの折り返し位置を示しており、第2封止ローラ42が前述のホームポジション位置から第1封止ローラ41に乗り上げて、第1封止ローラ41の周回上で垂直方向に向けて移動している状態を示している。尚、第1封止ローラ41の周回上で略垂直位置に到達した時に、折り筋部57を基準としたフラップFの折り返しが完了となる。
【0088】
(フラップFの封止位置)
図13は、折り返し作業後のフラップFの封止位置を示しており、第2封止ローラ42が前述のフラップFの折り返し位置から、さらに第1封止ローラ41の周回上を移動した状態を示している。第1封止ローラ41と第2封止ローラ42は、両ローラのニップ部によりフラップFを封筒胴部Tとともに挟持することにより、封筒胴部TにフラップFを封止する。尚、フラップFには、封緘剤付与部7により予め封緘剤(糊、接着剤等)が塗布されている。
【0089】
(第3の実施の形態)
次に、
図14を用いて、封止装置1の変形例における封緘作業について説明する。変形例における大きな違いは、第1の実施例における第1封止ローラ41に替えて、封止部材43が設置されることである。封止部材43と第2封止ローラ42との接触面は、基本的には、第1封止ローラ41を用いた場合と同じR面の組合せとなる為、一連の封緘作業は第一の実施例(
図7~
図9に示す封緘作業)と同じ動作となる。
【0090】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。又、本件発明の封止装置は、封緘装置に限らず、封止装置単体で使用できるように構成してもよい。
この構成によれば、上述の通り、封筒のフラップを折り返し後、封止する際に皺の発生を防止することが可能であり、かつ機械サイズの小さい封止装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 封緘装置
3 搬送部
6 積載部
7 封緘剤付与部
8 封止部
9 斜行補正部
41 第1封止ローラ
42 第2封止ローラ
51 揺動部材
60 ベース部材
62 プーリ
63 プーリ
64 プーリ
65 タイミングベルト
66 タイミングベルト
81 一対の封止ローラ
86 駆動モータ
91 突き当て板
E 封筒
F フラップ
G 折り線形成位置
T 封筒胴部