(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
A47G 25/02 20060101AFI20230623BHJP
F16B 45/00 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
A47G25/02 C
A47G25/02 B
F16B45/00 Z
(21)【出願番号】P 2019110864
(22)【出願日】2019-06-14
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591260029
【氏名又は名称】株式会社内藤ハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100128071
【氏名又は名称】志村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】桑原 幸雄
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147020(JP,A)
【文献】実公昭50-044893(JP,Y1)
【文献】国際公開第2013/005462(WO,A1)
【文献】特開2002-005151(JP,A)
【文献】特開2001-037615(JP,A)
【文献】実開昭60-142690(JP,U)
【文献】実開昭63-173539(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 25/02
F16B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びるポールと、
前記ポールにスライド自在に装着され
上下に連続して配置される複数の駒と、を有する支持本体と、
前記支持本体に任意の位置で脱着可能に取り付けられるホルダと、を備え、
前記ホルダは、
上下一対の水平部材と、前記上下一対の水平部材をつなぐ連結部材と、を有し、
前記上下一対の水平部材には、前記複数の駒のうち上下に隣接して配置される駒同士の間で前記ポールが差し込まれる溝部と、前記溝部の内側壁に凹設され前記溝部に差し込まれた前記ポールが嵌まり込む凹部が設けられる保持装置。
【請求項2】
上下方向に延びるポールと、前記ポールにスライド自在に装着され上下に連続して配置される複数の駒と、を有する支持本体と、
前記支持本体に任意の位置で脱着可能に取り付けられるホルダと、を備え、
前記ホルダは、一の水平部材と、前記一の水平部材の一端から下方に向けて鋭角に折れ曲がるように形成される係合爪と、を有し、
前記一の水平部材には、前記複数の駒のうち上下に隣接して配置される駒同士の間で前記ポールが差し込まれる溝部が設けられ、前記一の水平部材の溝部にポールを差し込むことにより、前記係合爪が前記一の水平部材の下側の駒に係合する保持装置。
【請求項3】
前記ポールは、その上端及び下端の少なくとも一方が固定されている請求項1又は2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記
複数の駒は、前記ポールが貫通する貫通孔を有するボールである請求項1又は2に記載の保持装置。
【請求項5】
前記
複数の駒は、前記ポールが貫通する貫通孔を有する扁平状のリングである請求項1又は2に記載の保持装置。
【請求項6】
前記連結部材は、
前記溝部と平行
に延びる垂直面を有し、この垂直面にフックが設けられる請求項
1に記載の保持装置。
【請求項7】
前記上下一対の水平部材の間隔は、前記
複数の駒それぞれの高さ寸法の整数倍である請求項
1に記載の保持装置。
【請求項8】
前記溝部は、
前記上下一対の水平部材の一端に入口を有する直線状の切れ込みからなり、
この切れ込みの内側壁に
前記凹部が設けられる請求項
1に記載の保持装置。
【請求項9】
前記一の水平部材の一端と対向する他端には
前記一の水平部材と直交する垂直部材が
前記係合爪と対向して設けられる請求項
2に記載の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の壁面や天井などに固定して使用され、衣服などの吊下げ高さを自由に調整することができる保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衣服吊持具として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この衣服吊持具は、部屋の壁面などに固定される縦長レールと、縦長レールの前面から突出する吊持ちアームと、を備え、吊持ちアームが縦長レールに沿って上下に移動が可能となっている。吊持ちアームには、衣服ハンガのフックを掛ける部が複数設けられており、服を重ね合わせの状態で吊持することができる。また、吊持ちアームは、挿入孔が穿設された基板を有し、挿入孔を貫通させた締結ネジを予め縦長レールのナットスライド部に挿入させたナットに螺合させることで、縦長レールに固定される。また、吊持ちアームは、締結ネジを弛めることにより、縦長レールに沿って上下に移動が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の衣服吊持具にあっては、吊持ちアームの高さを調整する際には、締結ネジを弛めてから吊持ちアームを縦長レールの沿ってスライドさせ、所望の高さ位置で再び締結ネジをナットに螺合して吊持ちアームを固定する、といった一連の操作が必要となっていた。また、衣服吊持具を利用しない時でも、常に吊持ちアームが縦長アームの前面から大きく突出した状態にあるため、部屋内を歩く際の邪魔になる他、部屋の見栄えを損なうものとなっていた。
【0005】
そこで本発明は、衣服などの吊下げ高さを容易に調整することができると共に、利用しない時には前方への大きな突出を避けるようにした保持装置を提供するものである。また、本発明は、衣服などの吊下げ以外の用途にも適用できる保持装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る保持装置は、上下方向に延びるポールと、前記ポールにスライド自在に装着され上下に連続して配置される複数の駒と、を有する支持本体と、前記支持本体に任意の位置で脱着可能に取り付けられるホルダと、を備え、前記ホルダは、上下一対の水平部材と、前記上下一対の水平部材をつなぐ連結部材と、を有し、前記上下一対の水平部材には、前記複数の駒のうち上下に隣接して配置される駒同士の間で前記ポールが差し込まれる溝部と、前記溝部の内側壁に凹設され前記溝部に差し込まれた前記ポールが嵌まり込む凹部が設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る保持装置によれば、ホルダを支持本体の任意の位置に脱着可能に取り付けられるので、衣服などの吊下げ高さを容易に調整することができる。また、ホルダは、隣接する駒同士の間に差し込まれる水平部材と、水平部材に設けられて支持本体のポールに差し込まれる溝部と、を有しているので、支持本体への脱着が容易であり、利用しない時には支持本体から容易に取り外すことができる。また、ホルダの形態を変えることで衣服などの吊下げ以外の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る保持装置を吊り下げ装置として使用する場合の斜視図である。
【
図2】本発明に係る保持装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【
図3】(a)はホルダの上下一対の水平部材の間隔とボールの高さ寸法との関係を示す説明図、(b)は前記水平部材の間隔がボールの高さ寸法の整数倍である場合の説明図、(c)は前記水平部材の間隔がボールの高さ寸法の整数倍でない場合の説明図である。
【
図4】(a)はホルダの水平部材が支持本体のボール及びポールに差し込まれる状態を示す説明図、(b)はスリットに設けられた凹部にポールが嵌まり込む状態を示す説図である。
【
図5】駒の他の実施形態としてリングを用いた場合の保持装置を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る保持装置の第2実施形態を示す斜視図である。
【
図7】ホルダの水平回転を防ぐための一手段を示す概略平面図である。
【
図8】ホルダの水平回転を防ぐための他の手段を示す概略平面図である。
【
図9】本発明に係る保持装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【
図10】第3実施形態に係るホルダの作用を示す説明図である。
【0009】
以下、本発明に係る保持装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は、本発明の保持装置を模式的に表したものである。これらの実物の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。また、重複説明は適宜省略させることがあり、同一部材には同一符号を付与することがある。さらに、本発明の技術的範囲は以下で説明する各実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0010】
図1乃至
図4には本発明に係る保持装置の一実施形態が示されている。この保持装置1は、上下に延びるポール3と、ポール3にスライド自在に装着される複数の駒4と、を有する支持本体2と、この支持本体2に任意の位置で脱着可能に取り付けられるホルダ5と、を備えている。ポール3は、剛性を備えた細長い丸棒からなり、上端及び下端が側壁面6から突出する上下一対の支持板14a,14bに固定されている。ポール3の材質は問わない。なお、ポール3の端部を天井や床などに固定してもよい。
【0011】
前記駒4は、前記ポール3が貫通する貫通孔4bを有するボール4aからなる。貫通孔4bは、ボール4aの中心を上下に貫通している。ボール4aの材質は特に限定されないが、ある程度の重量を有することが望ましく、木質材料、プラスチック材料、金属材料材などの硬質材料で作製可能である。各ボール4aの大きさは特に限定されるものではないが、人間のこぶし大程度のものが使い勝手がよい。ボール4aは真円に近いものだけでなく、楕円状のものであってもよい。複数のボール4aは、各ボール4aをポール3で貫くようにして、ポール3に数珠つなぎのように上下に連続して配置される。各ボール4aは一つ一つが独立しており、ポール3に沿って個別にスライドが可能である。ポール3に配置されるボール4aの数は、特に限定されるものではないが、各ボール4aがポール3に沿ってスライドできるように、ポール3の上部に少し余裕を持たせてある。なお、前記ポール3の下部にはボール4aの抜止め用のストッパ7が嵌め込まれている。このストッパ7は高さ位置を調整することが可能である。ボール4aの抜止め用として、この実施形態のように、ポール3の上下端を固定する支持板14a,14bを利用することも可能である。
【0012】
前記ボール4a以外の駒4の例として、
図5に示されるような扁平状のリング4cを利用することもできる。リング4cは、前記ポール3が貫通する貫通孔4dを有している。同一形状の複数のリングを数珠つなぎのように連続して配置し、その中にポール3を貫通させている。各リングは一つ一つが独立しており、各リング4cをポール3に沿って上下にスライドさせることができる。
【0013】
前記ホルダ5は、
図2に示されるように、上下一対の水平部材5a,5bと、上下の水平部材5a,5bをつなぐ連結部材5cとでコの字状に形成されている。各水平部材5a,5bは、矩形状の金属板又はプラスチック板からなり、矩形状の各水平部材5a,5bの一辺が前記連結部材5cによってつながっている。上下一対の水平部材5a,5bの間隔は、前記各ボール4aの高さ寸法hの整数倍であることが望ましい。
図3(a)に示された例では、上下一対の水平部材5a,5bの間隔は、ボール4個分の高さ寸法4hに対応しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0014】
連結部材5cは、前記水平部材5a,5bと同様、矩形状の金属板又はプラスチック板からなり、水平部材5a,5bと一体成形されている。また、連結部材5cは垂直面5dを有しており、この垂直面5dにフック8が設けられている。このフック8は、
図1に示されるように、衣服9用のハンガー10やバックのバンドなどを引掛けることができるように、先端が略J字状に形成されている。なお、フック8の形状は略J字状に限定されるものではない。
【0015】
図2及び
図4(a)に示されるように、上記一対の水平部材5a,5bには、前記ポール3が差し込まれる溝部11a,11bがそれぞれ設けられる。各溝部11a,11bは、各水平部材5a,5bの一端に入口11a’,11b’を有する直線状の切れ込みからなり、前記連結部材5cの垂直面5dと平行に長く延びている。各溝部11a,11bは、水平部材5a,5bの横幅方向のほぼ中央位置に設けられる。また、各溝部11a,11bの長さ寸法dは、この実施形態では水平部材5a,5bの縦幅方向の半分よりやや長くなっているが、特に限定されるものではない。また、各溝部11a,11bの幅寸法wは、前記ポール3の差し込みを可能とするため、ポール3の直径よりやや大きな溝幅となっている。なお、一対の水平部材5a,5bに設けられる各溝部11a,11bは、平面視で同じ位置に設けられ、また同じ形状に形成されている。
【0016】
この実施形態において、上側の水平部材5aに設けられる溝部11aの後端部には、凹部13が設けられている。この凹部13は、溝部11aを形成する左右一対の内側壁12a,12bの少なくとも一方の内側壁12aに設けられる。凹部13は、内側壁12aの後端部の一部を半円状に切り欠いたような形状をしており、溝部11aの長手方向とは直交する方向に凹設されている。この凹部13の大きさは、溝部11aに差し込まれたポール3が嵌まり込むことができるように、ポール3の直径よりやや大きなものである。また、この凹部13が設けられる溝部11aの一方の内側壁12aは、連結部材5cから遠い方にある内側壁である。
図4(b)に示されるように、フック8に荷重が掛かって水平部材5aがフック8側に少し傾いた時に、ポール3が溝部11aに設けられた凹部13に嵌まり込むことで、ホルダ5がポール3から抜け出てしまうのを確実に防ぐことができる。
【0017】
次に、上記構成からなる保持装置1の使用方法について説明する。保持装置1は、部屋の隅や壁際などに設置されるのが望ましい。支持本体2は、ポール3と、ポール3に装着された複数のボール4aと、によって構成されているので、それ自体がスマートであり、目障りになるものではないが、部屋の空間を大きく確保するために上記の設置場所が望ましい。ポール3に対するホルダ5の取付け高さは、利用者が任意に選択できる。利用者は、
図2及び
図3(a)に示されるように、ホルダ5の上下の水平部材5a,5bを任意の高さ位置で隣接するボール4a同士の間に水平方向に差し込む。
図3(b)に示されるように、ボール4a同士の間に差し込まれた水平部材5a,5bの板厚に応じてボール4aが上方に少しスライドすることで、水平部材5a,5bがボール4a同士の間に差し込まれる。さらに、各水平部材5a,5bに設けられている溝部11a,11bにポール3を差し込むことで、ホルダ5が支持本体2に脱着可能に取り付けられる。
【0018】
図3(a)に示されるように、上下一対の水平部材5a,5bの間隔が各ボール4aの高さ寸法hの整数倍である場合には、
図3(b)に示されるように、上下の水平部材5a,5bの間に4個のボール4aを嵌め入れることになるので、各水平部材5a,5bが上下のボール4aによってそれぞれ挟み込まれることになる。そのため、ホルダ5が支持本体2から容易に抜け落ちることがない。一方、
図3(c)に示されるように、上下一対の水平部材5a,5bの間隔が各ボール4aの高さ寸法hの整数倍ではない場合には、上下の水平部材5a,5bの間に隙間が生じることになるが、上側の水平部材5aは上部のボール4aによって、下側の水平部材5bは上下のボール4aによってそれぞれ支持されているので、支持本体2から容易に抜け落ちることがない。なお、ホルダ5の高さ位置を変更する場合には、ホルダ5を水平方向に引き抜いて支持本体2から取り外し、任意の高さ位置で上記と同様の手段で支持本体2に取り付けることができる。
【0019】
利用者は、脱いだ上着やコートなどの衣服9をハンガー10ーに掛け、ホルダ5に設けられたフック8にハンガー10を吊るすだけでよい。前記ポール3の下部にはボール4aの抜止め用のストッパ7が嵌め込まれているので、ボール4aにハンガー10に掛けた衣服9の荷重が掛かってもボール4aがずり下がることがない。また、上下一対の水平部材5a,5bに設けられた溝部11a,11bにポール3が差し込まれているので、ハンガー10に掛けた衣服9の荷重がホルダ5に掛かってもホルダ5自体が傾いたり、抜け落ちたりすることがない。さらに、
図4(b)に示されるように、荷重が掛かるフック8側にホルダ5が多少傾いたとしても、ポールが水平部材5aに設けられた溝部11aの凹部13に嵌まり込むので、ホルダ5が支持本体2から抜け落ちることがない。なお、
図1に示されるように、ホルダ5を支持本体2の回りに水平回転させることで、ハンガー10の向きを任意に変えることができる。
【0020】
図6には本発明に係る保持装置の第2実施形態が示されている。この実施形態に係る保持装置1’は、ホルダ15を小テーブルとして利用するものである。ホルダ15は、小テーブルのテーブル面となる水平部材16と、水平部材16を下から支える傾斜部材17と、を備えている。水平部材16は、矩形状の平板からなり、その上にコーヒーカップ21や本22などを置くことができる程度の大きさが好ましい。傾斜部材17は、水平部材16より薄い板厚の矩形状の平板からなり、前記水平部材16の先端部16aに連結される先端部17aと、支持本体2に取付けられる後端部17bとで水平部材16を支持している。傾斜部材17の後端部17bは水平面を形成している。なお、ポール3と、ポール3にスライド自在に装着される複数のボール4aと、を有する支持本体2は、前記実施形態1と同様の構成からなるので、詳細な説明は省略する。
【0021】
水平部材16の後端部16b及び傾斜部材17の後端部17bには、前記第1実施形態と同様の溝部18a,18bがそれぞれ設けられている。これらの溝部18a,18bは、溝部18aの後端部には、第1実施形態と同様の凹部19が設けられている。この凹部19は、溝部18aを形成する一対の内側壁20a,20bのうちの一方の内側壁20aに設けられる。凹部19は、内側壁20aの後端部の一部を半円状に切り欠いたような形状をしており、溝部18aの長手方向とは直交する方向に凹設されている。この凹部19の大きさは、溝部18aに差し込まれたポール3が嵌まり込むことができるように、ポール3の直径よりやや大きなものである。水平部材16の上に物を置いて荷重が掛かったときに、ポール3が溝部18aの凹部19に嵌まり込むことで、水平部材16の水平を保つと共にホルダ15が支持本体2から抜け落ちてしまうのを防いでいる。
【0022】
この実施形態においては、ホルダ15を小テーブルとして利用する場合には、水平部材16及び傾斜部材17の各後端部16b,17bをポール3に装着されたボール4a同士の間に差し込むと同時に、水平部材16の溝部18a及び傾斜部材17の溝部18bにポール3を差し込むことによって、水平部材16が水平に保たれた状態で支持本体2に取り付けられる。なお、傾斜部材17は、水平部材16との間の傾斜角度を大きく保つことで、水平部材16をより安定して支持することができる。
【0023】
なお、ホルダ15を小テーブルとして利用する際の小テーブルの水平回転を防ぐ手段としては、
図7及び
図8に示されるように、二本の支持本体2にホルダ15を取り付けることが有効である。
図7に示された形態では、ホルダ15に設けられる一つの溝部18cに二本の支持本体2の各ポール3が差し込まれる。二本のポール3は、一方のポールを中心としたホルダ15の回転運動を互いに拘束するため、小テーブルの回転を防ぐことができる。なお、溝部18cには二本のポール3が差し込まれる位置に対応して2個の凹部19が設けられている。また、
図8に示された形態では、ホルダ15に形状の異なる二つの溝部18d,18eが設けられ、各溝部18d,18eに二本の支持本体2の各ポール3が差し込まれる。この形態では、一方の溝部18dがL形に形成され、このL形の溝部18dに沿ってホルダ15を矢印1→2の順にスライドさせることで、二本のポール3が各溝部18d,18e差し込まれる。なお、各溝部18d,18eの後端部にはそれぞれ凹部が設けられている。この形態は、ホルダが幅広の場合に安定感が増すので有効である。
【0024】
図9及び
図10には本発明に係る保持装置の第3実施形態が示されている。この実施形態に係る保持装置1’’は、ホルダ25の構成が前述の実施形態とは異なる一方、支持本体2は、前記実施形態1と同様の構成からなる。ホルダ25は、一枚の水平部材26と、この水平部材26に設けられる溝部27と、溝部27の入口27aが設けられる水平部材26の一端に設けられる係合爪28と、を有している。この係合爪28は、例えば前記水平部材26の一端から下方に向けて鋭角に曲がるように形成されている。この実施形態における係合爪28は、水平部材26の一端において、その全幅に亘って設けられているが、少なくとも溝部27の両側部分に設けられていればよい。また、前記水平部材26の一端から下方向に向けて鋭角に曲がる係合爪28と水平部材26との角度は特に限定されない。さらに、この実施形態におけるホルダ25は、前記溝部27の入口27aが設けられる水平部材26の一端と対向する他端側に水平部材26と直交する垂直部材29を有する。この垂直部材29は、前記第1実施形態における連結部材5cとほぼ同じ大きさの矩形状の平板からなる。垂直部材29の外表面には第1実施形態と同様のフック8が設けられている。
【0025】
次に、上記構成からなるホルダ25の支持本体2への取付け及び取り外しを
図10に基づいて説明する。
図10(a)に示したように、先ずはホルダ25の水平部材26を支持本体2の所望の高さ位置でボール4aの間に差し込む。その際、水平部材26をボール4aと一緒に少し持ち上げて水平部材26とその下側のボール4aとの間に空隙30を設け、その空隙30に水平部材26の係合爪28が差し入れると同時に溝部27にポール3が差し込まれる。
【0026】
図10(b)に示したように、係合爪28が差し込まれると、水平部材26より上側のボール4aが下降して水平部材26を上下のボール4aで挟み込む。さらに、水平部材26を差し込み方向とは逆方向に引いて係合爪28を下側のボール4aに係合させる。これによって、支持本体2に対してホルダ25がロックされた状態となり、水平部材26の水平状態が保持されることになる。したがって、この状態でフック8に衣服などを吊り下げ、その重さでホルダ25に荷重が掛かった場合には、
図10(b)に示したように、係合爪28が下側のボール4aに係合することで、水平部材26がポール3から抜け落ちるのが防止される。また、衣服などの重みによってホルダ25が傾いたとしても、
図10(c)に示したように、垂直部材29の下端がボール4aに突き当たることでホルダ25が傾いたままの姿勢で保持されるため、水平部材26の抜け落ちが防止される。
【0027】
一方、支持本体2からホルダ25を取り外す場合には、
図10(d)に示したように、ホルダ25の水平部材26で上側のボール4aを少し持ち上げ、水平部材26とその下側のボール4aとの間に空隙30を設けて、ホルダ25引き抜くだけで簡単に取り外しことができる。空隙30はホルダ25を引き抜く際に係合爪28が引っ掛からない程度の隙間で足りる。
【0028】
本発明に係る保持装置は、上述した実施形態1,2に限定されるものではなく、ホルダの形態を変えることで、様々なバリエーションに対応することができる。
【符号の説明】
【0029】
1,1’,1’’ 保持装置
2 支持本体
3 ポール
4 駒
4a ボール
4b ボールの貫通孔
4c リング
4d リングの貫通孔
5,15,25 ホルダ
5a,5b 水平部材
5c 連結部材
5d 垂直面
6 側壁面
7 ストッパ
8 フック
9 衣服
10 ハンガー
11a,11b,18a,18b,18c,18d,18e 溝部
11a’,11b’ 溝部の入口
12a,12b,20a,20b 内側壁
13,19 凹部
14a,14b 支持板
16 水平部材
16a 水平部材の先端部
16b 水平部材の後端部
17 傾斜部材
17a 傾斜部材の先端部
17b 傾斜部材の後端部
21 コーヒーカップ
22 本
26 水平部材
27 溝部
27a 溝部の入口
28 係合爪
29 垂直部材
30 空隙