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特許7300770光コネクタ付き光ファイバケーブル、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法、光コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】光コネクタ付き光ファイバケーブル、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法、光コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20230623BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/44 386
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022057954
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147350
【氏名又は名称】株式会社精工技研
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】平 淳司
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-235657(JP,A)
【文献】特開2010-286795(JP,A)
【文献】特表2015-508188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0341511(US,A1)
【文献】特開2009-109978(JP,A)
【文献】特開2011-070078(JP,A)
【文献】特開2011-107590(JP,A)
【文献】特開2013-114001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36 - 6/40
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタ付き光ファイバケーブルであって、
光ファイバケーブルと、
光コネクタと、を備え、
前記光ファイバケーブルは、
光ファイバと、
前記光ファイバを被覆する被覆体と、
前記被覆体の周囲に配置される抗張力体と、
前記光ファイバ、前記被覆体、及び、前記抗張力体を収納する外被と、を有し、
前記光コネクタは、
先端側から突出するように配置され、前記光ファイバの挿入孔が形成されたフェルールと、先端側とは反対側の末端側から突出して設けられた筒状部と、を有する光コネクタプラグと、
前記光ファイバケーブルを前記光コネクタプラグに圧着固定するための圧着用部材と、
前記筒状部と前記圧着用部材の間に介在する円筒部材と、を備え、
前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接するようにして、前記円筒部材が前記筒状部に取り付けられ、
前記圧着用部材は、円筒状であり、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である軸方向の第1位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの前記抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着され、軸方向の第2位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの前記外被に圧着されている、
光コネクタ付き光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記円筒部材の内周面の少なくとも一部が、前記筒状部の外周面の少なくとも一部に圧着されている、
請求項1に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記円筒部材は、外周面から外側に向かって突出する第1突出部を有する、
請求項1又は2に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記円筒部材は、内周面から内側に向かって突出する第2突出部を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記圧着用部材の内周面は、周方向に均等な間隔で複数箇所、前記円筒部材の外周面に圧着されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブル。
【請求項6】
光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法であって、
光ファイバケーブルに、円筒状の圧着用部材を通す工程と、
前記光ファイバケーブルの外被を除去し、光ファイバを被覆する被覆体と、前記被覆体の周囲に配置される抗張力体と、を露出させる工程と、
円筒部材の内周面が光コネクタプラグに設けられた筒状部の外周面に接するようにして前記円筒部材を前記筒状部に取り付ける工程と、
前記光ファイバケーブルの先端において前記被覆体を除去し、前記光ファイバを露出させる工程と、
露出させた前記光ファイバを、前記光コネクタプラグのフェルールに接着固定する工程と、
前記圧着用部材を軸方向にスライドさせ、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である軸方向の第1位置において前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部を、前記光ファイバケーブルの前記抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着させる第1圧着工程と、
軸方向の第2位置において前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部を、前記光ファイバケーブルの前記外被に圧着させる第2圧着工程と、
を含む、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法。
【請求項7】
前記円筒部材を前記筒状部に取り付ける工程は、前記円筒部材の内周面の少なくとも一部を、前記光コネクタプラグの前記筒状部の外周面の少なくとも一部に圧着させることを含む、
請求項6に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法。
【請求項8】
前記第1圧着工程と前記第2圧着工程とを同時に行う、
請求項6又は7に記載された光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法。
【請求項9】
光ファイバケーブルに取り付ける光コネクタであって、
先端側から突出するように配置され、光ファイバの挿入孔が形成されたフェルールと、先端側とは反対側の末端側から突出して設けられた筒状部と、を有する光コネクタプラグと、
圧着用部材と、
円筒部材と、
を備え、
前記円筒部材は、内周面の少なくとも一部が前記筒状部の外周面の少なくとも一部に接するようにして、前記筒状部に取り付けられ、
前記圧着用部材は、円筒状であり、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である前記圧着用部材の軸方向の第1位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着可能な位置に配置され、前記圧着用部材の軸方向の第2位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの外被に圧着可能な位置に配置される、
光コネクタ。
【請求項10】
前記円筒部材の内周面の少なくとも一部が、前記筒状部の外周面の少なくとも一部に圧着されている、
請求項9に記載された光コネクタ。
【請求項11】
前記円筒部材は、外周面から外側に向かって突出する第1突出部を有する、
請求項9又は10に記載された光コネクタ。
【請求項12】
前記円筒部材は、内周面から内側に向かって突出する第2突出部を有する、
請求項9から11のいずれか一項に記載された光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタ付き光ファイバケーブル、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法、及び、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光コネクタを光ファイバケーブルに取り付ける方法として、光ファイバケーブルに内蔵する抗張力体を光コネクタの光コネクタプラグの筒状部と圧着リング(カシメリング)との間に挟んで圧着固定する方法が知られている。
例えば特許文献1には、筒状部として光コネクタのストップリングとプラグフレームとを嵌め合わせた後に、抗張力体をストップリングとカシメリングの間に配置し、ストップリングとカシメリングをかしめる(圧着する)ようにした光コネクタ付き光ファイバコードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5281959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、標準的な光コネクタは外径3mmまでの光ファイバケーブルに取り付けるように設計されているが、比較的外径が大きい光ファイバケーブルに標準的な光コネクタを取り付けたいという要請がある。例えば、屋外で使用されることが多い外径4mm~6mmの光ファイバケーブルに標準的なLC形コネクタを取り付けたい場合がある。標準的な光コネクタを比較的外径が大きい光ファイバケーブルに取り付ける場合、概ね2つの方法が考えられる。
【0005】
第1の方法は、光ファイバケーブルに対応する比較的大径の圧着リングに合せて、光コネクタプラグの筒状部を圧着リングの内径近くまで大きくした専用の光コネクタプラグを用意することである。しかし、この第1の方法は、専用の光コネクタプラグが必要となるためコストが高くなるという欠点がある。
【0006】
第2の方法は、圧着リングの光コネクタプラグ側の部分の内面を、標準的な光コネクタプラグの筒状部に合せて小径化することである。しかし、第2の方法は、圧着リングの先端側を標準的な光コネクタプラグの筒状部に合せて小径化しつつ、圧着リングの末端側を光ファイバケーブルの大径に合せるため、圧着リングは、異なる2つの径を有する専用品になる。
さらに、光コネクタの全長が長くなるという欠点がある。すなわち、光ファイバのフェルールに対する接着固定を行い、かつ光ファイバケーブルの抗張力体を光コネクタプラグの筒状部まで引き出すために、筒状部と圧着リングとの間に隙間が必要である。また、圧着リングを筒状部に圧着するためには、圧着リングの大径側部分は、圧着リングが光ファイバケーブルに対して軸方向先端側にスライドする長さが必要となる。更に、圧着リングの小径側部分の軸方向の長さは、少なくとも圧着工具の幅以上の長さが必要となる。そのため、軸方向に長い圧着リングが必要となり、光コネクタの全長が長くなる。
【0007】
そこで、本発明は、標準的なサイズの光コネクタプラグに対して比較的外径が大きい光ファイバケーブルを取り付けられ、かつ光コネクタの全長を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点は、光コネクタ付き光ファイバケーブルであって、光ファイバケーブルと、光コネクタと、を備える。
前記光ファイバケーブルは、光ファイバと、前記光ファイバを被覆する被覆体と、前記被覆体の周囲に配置される抗張力体と、前記光ファイバ、前記被覆体、及び、前記抗張力体を収納する外被と、を有する。
前記光コネクタは、先端側から突出するように配置され、前記光ファイバの挿入孔が形成されたフェルールと、先端側とは反対側の末端側から突出して設けられた筒状部と、を有する光コネクタプラグと、前記光ファイバケーブルを前記光コネクタプラグに圧着固定するための圧着用部材と、前記筒状部と前記圧着用部材の間に介在する円筒部材と、を備える。
前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接するようにして、前記円筒部材が前記筒状部に取り付けられている。
前記圧着用部材は、円筒状であり、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である軸方向の第1位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの前記抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着され、軸方向の第2位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの前記外被に圧着されている。
【0009】
本発明の第2の観点は、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法であって、
光ファイバケーブルに、円筒状の圧着用部材を通す工程と、
前記光ファイバケーブルの外被を除去し、光ファイバを被覆する被覆体と、前記被覆体の周囲に配置される抗張力体と、を露出させる工程と、
円筒部材の内周面が光コネクタプラグに設けられた筒状部の外周面に接するようにして前記円筒部材を前記筒状部に取り付ける工程と、
前記光ファイバケーブルの先端において前記被覆体を除去し、前記光ファイバを露出させる工程と、
露出させた前記光ファイバを、前記光コネクタプラグのフェルールに接着固定する工程と、
前記圧着用部材を軸方向にスライドさせ、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である軸方向の第1位置において前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部を、前記光ファイバケーブルの前記抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着させる第1圧着工程と、
軸方向の第2位置において前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部を、前記光ファイバケーブルの前記外被に圧着させる第2圧着工程と、を含む。
【0010】
本発明の第3の観点は、光ファイバケーブルに取り付ける光コネクタであって、先端側から突出するように配置され、光ファイバの挿入孔が形成されたフェルールと、先端側とは反対側の末端側から突出して設けられた筒状部と、を有する光コネクタプラグと、圧着用部材と、円筒部材と、を備える。
前記円筒部材は、内周面の少なくとも一部が前記筒状部の外周面の少なくとも一部に接するようにして、前記筒状部に取り付けられている。
前記圧着用部材は、円筒状であり、前記円筒部材の内周面が前記筒状部の外周面に接する位置である前記圧着用部材の軸方向の第1位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの抗張力体を挟みながら前記円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着可能な位置に配置され、前記圧着用部材の軸方向の第2位置において、前記圧着用部材の内周面の少なくとも一部が前記光ファイバケーブルの外被に圧着可能な位置に配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のある態様によれば、標準的なサイズの光コネクタプラグに対して比較的外径が大きい光ファイバケーブルを取り付けられ、かつ光コネクタの全長を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの斜視図及び側面図である。
図2】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの分解斜視図である。
図3】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの断面図である。
図4】一実施形態の光コネクタプラグの構成部品を示す図である。
図5】筒状部、圧着リング、及び、円筒部材の断面図である。
図6】変形例に係る円筒部材の断面図である。
図7】変形例に係る円筒部材の断面図である。
図8】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法を示す図である。
図9】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法を示す図である。
図10】一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る光コネクタ、及び、光コネクタ付き光ファイバケーブルについて図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルについて、(a)斜視図、及び、(b)側面図を示している。図2は、一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの分解斜視図である。図3は、図1(b)の側面図に対応する光コネクタ付き光ファイバケーブルの断面図である。
【0014】
図1に示すように、光コネクタ付き光ファイバケーブルは、光ファイバケーブル1と光コネクタ2を含む。
図3に示すように、光ファイバケーブル1は、光ファイバ11、心線12、抗張力体13、及び、外被14を有する。
光ファイバ11は、コアとコアの外側のクラッドを含み、クラッドよりもコアの屈折率を高くすることで、光を中心部のコアに伝播させる構造になっている。好適には、コアとクラッドはともに光に対して透過率が高い石英ガラス又はプラスチックで構成される。
心線12は、光ファイバ11の周囲に配置されて光ファイバ11を保護する。心線12の材質は問わないが、例えばシリコン樹脂、ナイロン樹脂、エラストマ、UV硬化樹脂等である。
抗張力体13は、光ファイバケーブル1が引っ張られたり、曲げられたりしたときなどに、心線12により被覆された光ファイバ11に生ずる張力を緩和し、光ファイバ11の破損を防止するために設けられる。抗張力体13の材質は限定しないが、例えば、ケブラー(登録商標)などのアラミド繊維、アラミド繊維強化プラスチック(KFRP)、ガラス繊維、ガラス繊維強化プラスチック(KFRP)、ポリエチレン繊維、ポリエチレン繊維強化プラスチック等が挙げられる。
外被14は、心線12により被覆された光ファイバ11、及び、抗張力体13を保護するために、抗張力体13の外側に配置されている。外被14の材質は問わないが、例えば塩化ビニル樹脂、エラストマ等である。外被14の外径は光コネクタプラグ3の筒状部31に対して大きく、例えばφ4mm~6mmである。
【0015】
図2を参照すると、光コネクタ2は、光コネクタプラグ3、円筒部材4、圧着リング5、及び、ブーツ6を有する。
光コネクタプラグ3は、図2に示した例ではLC形コネクタに対応するコネクタプラグであるが、その限りではなく、SCコネクタ等の他のタイプのコネクタに対応するものでも構わない。光コネクタプラグ3の先端側にはフェルール33が配置され、光コネクタプラグ3の末端側には筒状部31が設けられている。標準的なLC形コネクタの場合、筒状部31の外径はφ3.05mmである。
なお、本開示では、図2に示すように、フェルール33が突出している側を先端側、その反対側を末端側と定義して各構成部品を説明するが、これは説明の便宜のために過ぎない。
【0016】
圧着リング5は、光ファイバケーブル1を光コネクタプラグ3に圧着固定(かしめ固定)するための圧着用部材の一例であり、円筒形状を有する。図3に示すように、圧着リング5の先端側には、光コネクタプラグ3の筒状部31及び円筒部材4が収容され、圧着リング5の末端側には、光ファイバケーブル1の外被14が収容される。したがって、圧着リング5の内径は、光ファイバケーブル1の外被14の外径よりも僅かに大きいものとなっている。圧着リング5の長さは、5mm以上20mm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8mm以上17mm以下である。
圧着リング5の外周面には、ブーツ6の抜け止め防止のための係合溝53が形成されている。
圧着リング5の内径は光ファイバケーブル1の外被14の外径に合せて設定されているため、光コネクタプラグ3の筒状部31の外径との差が大きい。そこで、一実施形態の光コネクタ2は、光コネクタプラグ3の筒状部31と圧着リング5の間に介在する円筒部材4を有する。
【0017】
円筒部材4は、その内周面が筒状部31の外周面に接するようにして筒状部31に取り付けられる。円筒部材4の外周面は、圧着リング5の内径よりも僅かに小さく設定されている。すなわち、円筒部材4は、圧着リング5の内径と筒状部31の外径の差を吸収するように配置される。
円筒部材4の外周面と圧着リング5の内周面の間に光ファイバケーブル1から露出する抗張力体13が収容されるように、円筒部材4の外径は、抗張力体13の厚みの分だけ圧着リング5の内径よりも小さくすることが好ましい。円筒部材4の外径と圧着リング5の内径の差は、0.1mm以上1mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下であることがさらに好ましい。
円筒部材4の筒状部31に対する取り付け方法は問わないが、好ましくは圧着により取り付けられる。すなわち、後述するように、円筒部材4が筒状部31に対して圧着により仮固定される。しかし、その限りではなく、筒状部31に円筒部材4を圧入することにより取り付けてもよい。
【0018】
図3において、光ファイバケーブル1を光コネクタプラグ3に固定するため、軸方向の第1位置P1において圧着リング5の内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の抗張力体13を挟みながら円筒部材4の外周面の少なくとも一部に圧着され、圧着リング5の軸方向の第2位置P2において内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の外被14に圧着される。なお、図3は、圧着リング5、円筒部材4、及び、光コネクタプラグ3の筒状部31の圧着による変形を考慮していない。
ブーツ6は、圧着リング5及び光ファイバケーブル1の一部を覆い、圧着リング5及び光ファイバケーブル1の被圧着部分を異物や水滴等から保護するために設けられている。
【0019】
図4に、光コネクタプラグ3の分解図を示す。図4に示すように、光コネクタプラグ3は、フェルール33、コイルばね34、及び、チューブ36を含む。
【0020】
光コネクタプラグ3は、フェルール33、コイルばね34、及び、チューブ36を収容するために、樹脂製の第1ハウジング部35Aと第2ハウジング部35Bからなるプラグハウジング35を有する。第1ハウジング部35A及び第2ハウジング部35Bは、例えばスナップフィットにより連結される。第2ハウジング部35Bには筒状部31が固定されている。第2ハウジング部35Bは、筒状部31に相当する金属製の管をインサート部品としたインサート成形により作製される。
フェルール33は、LC形コネクタの場合には先端にあるフェルール本体333が外径φ1.249mmであり、光ファイバケーブル1の光ファイバ11を貫通させるための貫通孔が形成されている。
光ファイバ11は、接着剤を貫通孔内に注入した後に、挿入し、加熱することにより固定される。接着剤は、例えば熱硬化型接着剤であり、好ましくはエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤である。
コイルばね34は、先端がフェルール33のフランジ部332に支持され、末端が第2ハウジング部35Bの図示しない面に支持され、フェルール33を先端側に付勢する。
チューブ36は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の可撓性樹脂で形成され、フェルール33の末端部331に取り付けられる。チューブ36は、フェルール33のフランジ部332を筒状部31に向けて延長するために設けられる。
【0021】
次に図5を参照して、光コネクタプラグ3の筒状部31、円筒部材4、及び、圧着リング5の断面及び固定方法について説明する。
図5において、円筒部材4の内径D2は、光コネクタプラグ3の筒状部31の外径D1よりも僅かに大きい。円筒部材4の内周面42が筒状部31の外周面311に接するように、円筒部材4が筒状部31に取り付けられる。好ましくは、円筒部材4を筒状部31に取り付けた後、円筒部材4の外周面41に対して圧着工具により圧着し、円筒部材4が筒状部31から脱落あるいは軸方向にずれることがない程度に仮固定される。
【0022】
図5において、圧着リング5の内径D4は、円筒部材4の外径D3よりも僅かに大きい。筒状部31に取り付けられた円筒部材4の外周面41と圧着リング5の内周面52との間に光ファイバケーブル1の抗張力体13を挟むようにして、圧着リング5が円筒部材4に取り付けられ、圧着リング5の外周面51が圧着される。それにより、圧着リング5が円筒部材4に固定される。
【0023】
円筒部材4を圧着する際の圧着工具、及び、圧着リング5を圧着するときの圧着工具は限定しないが、圧着対象の部位を両側から挟み込む工具である。挟み込んだときに圧着工具により形成される圧着用の孔形状は限定しないが、例えば円形、好ましくは六角形等の多角形である。
圧着用の孔形状が多角形である場合、圧着リング5の内周面52は、周方向に均等な間隔で複数箇所、円筒部材4の外周面41に圧着され、光ファイバケーブル1の回転方向に掛かるトルクに対する保持力をさらに高めることができる。
【0024】
一実施形態では、図5に示すように、円筒部材4の軸方向の中央付近の外周面41から外側に突出した突出部43(第1突出部の一例)が形成される。突出部43を設けることは必須ではないが、この突出部43を形成することで、円筒部材4を筒状部31に圧着(仮固定)する際に、突出部43に対応する円筒部材4の内周面42の位置において筒状部31の外周面311に対する応力を高くすることができ、筒状部31と円筒部材4の圧着力を高めることができる。円筒部材4を筒状部31に圧着した後には、突出部43に対応する位置において筒状部31の内周面312が僅かに内側に撓むようになる。
円筒部材4に突出部43を設けることは、圧着リング5の円筒部材4に対する圧着力を高めることにも寄与する。すなわち、圧着リング5の外周面51を圧着する際には、円筒部材4に突出部43が形成されているため、圧着リング5が強固に円筒部材4に固定される。このとき、突出部43に対応する位置において筒状部31の内周面312がさらに内側に撓み、外径が小さくなるように変形する。
圧着リング5に対する圧着により、抗張力体13が突出部43の表面と圧着リング5の内周面52との間で強固に支持されるため、光ファイバケーブル1の光コネクタプラグ3からの抜去力をより一層高くすることができる。
【0025】
図5に示した円筒部材4の突出部43は、外周面から外側に向かって突出する第1突出部の一例であるが、第1突出部を他の形状により実現することもできる。図6に、外周面から外側に向かって突出する突出部を備えた円筒部材の例として円筒部材4A,4B,4Cを示す。
【0026】
図6において、円筒部材4Aは、内径D2が図5の円筒部材4と同じであるが、外周面41Aがテーパ面をなしている。円筒部材4Aの先端の外径はDA(>D3)であり、末端の外径はD3であり、外周面41Aは先端から末端に向かって先細り形状となっている。円筒部材4Aの末端の外径D3は円筒部材4の外径と同じであり、圧着リング5の内径D4より僅かに小さい。末端の外径D3を基準にすると、円筒部材4Aの外周面は、先端側に向かうにつれて外側に突出している、といえる。円筒部材4Aを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Aに圧着することで、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Aとは逆に、外周面を末端から先端に向かって先細り形状としてもよい。
【0027】
図6において、円筒部材4Bは、内径D2が図5の円筒部材4と同じであるが、中央付近ではなく先端側に突出部43Bを設けた点が異なる。つまり、円筒部材4Bの先端の外径DBは、末端の外径D3より大きい。この場合、円筒部材4Bを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Bに圧着することで、円筒部材4Bの先端側の応力を相対的に高くすることができ、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Bとは逆に、突出部を末端側に設けてもよい。
【0028】
図6において、円筒部材4Cは、内径D2が図5の円筒部材4と同じであるが、外周面に部分的にテーパ面を設けた点が異なる。円筒部材4Cの先端の外径DCは末端の外径D3より大きい。つまり、円筒部材4Cの先端側には外側に突出した突出部43Cが設けられており、円筒部材4Cの末端側にはテーパ面41Cが形成されている。この場合、円筒部材4Cを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Cに圧着することで、円筒部材4Bの先端側の応力を相対的に高くすることができ、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Cとは逆に、外周面の突出部を末端側に設け、テーパ面を先端側に設けてもよい。
【0029】
圧着力を高める上で、外周面から外側に向かって突出する第1突出部に代えて、あるいは第1突出部に加えて、内周面から内側に向かって突出する第2突出部を円筒部材に設けることも有効である。図7に、内周面から内側に向かって突出する第2突出部を備えた例として円筒部材4D~4Gの例を示す。円筒部材4D~4Gの外径はいずれも、図5に示した円筒部材4と同じD3である。
【0030】
図7において、円筒部材4Dは、図5と同じ内径D2の内周面42の中央付近に内側に突出する突出部44D(第2突出部の一例)が形成されている。
円筒部材4Dを光コネクタプラグ3の筒状部31に圧着(仮固定)する際に、突出部44Dにおいて筒状部31の外周面311に対する応力を高くすることができ、筒状部31と円筒部材4の圧着力を高めることができる。この仮固定では、突出部44Dに対応する位置において筒状部31の内周面312が僅かに内側に撓むようになる。圧着リング5の外周面51を圧着する際には、円筒部材4Dに突出部44Dが形成されているため、突出部44Dに対応する位置において筒状部31の内周面312がさらに内側に撓み、圧着リング5と円筒部材4Dと筒状部31が強固に固定される。その際、抗張力体13が円筒部材4Dの外周面と圧着リング5の内周面52との間で強固に支持される。
【0031】
図7において、円筒部材4Eは、外径D3は図5の円筒部材4と同じであるが、内周面42Eがテーパ面をなしている。円筒部材4Aの先端の内径はDE(<D2)であり、末端の内径はD2であり、内周面42Eは末端から先端に向かって先細り形状となっている。円筒部材4Eの末端側の内径D2は筒状部31の外径D1より僅かに大きい。末端の内径D2を基準にすると、円筒部材4Eの内周面42Eは、先端側に向かうにつれて内側に突出している、といえる。円筒部材4Eを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Eに圧着することで、円筒部材4Eの先端側の応力を相対的に高くすることができ、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Eとは逆に、内周面を先端から末端に向かって先細り形状としてもよい。
【0032】
図7において、円筒部材4Fは、円筒部材4Dと比較すると、中央付近ではなく内周面42の先端側において内側に突出する突出部44Fを設けた点が異なる。つまり、円筒部材4BFの先端の内径DFは、末端の内径D2より小さい。この場合、円筒部材4Fを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Fに圧着することで、円筒部材4Fの先端側の応力を相対的に高くすることができ、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Fとは逆に、突出部を末端側に設けてもよい。
【0033】
図7において、円筒部材4Gは、外径D3は図5の円筒部材4と同じであるが、内周面に部分的にテーパ面を設けた点が異なる。円筒部材4Gの先端の内径DGは末端の内径D2より小さい。つまり、円筒部材4Gの先端側には内側に突出した突出部44Gが設けられており、円筒部材4Gの末端側にはテーパ面42Gが形成されている。この場合、円筒部材4Gを筒状部31に圧着し、圧着リング5を円筒部材4Gに圧着することで、円筒部材4Gの先端側の応力を相対的に高くすることができ、圧着力を高められる。なお、円筒部材4Gとは逆に、内周面の突出部を末端側に設け、テーパ面を先端側に設けてもよい。
【0034】
次に、一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法について、図8図10を参照して説明する。図8図10はそれぞれ、一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法を順に示す図である。
【0035】
(1)工程ST1
図8を参照すると、工程ST1において、光ファイバケーブル1に、円筒状の圧着リング5とブーツ6を通す。
(2)工程ST2
工程ST2では、光ファイバケーブル1の外被14を除去し、光ファイバ11を被覆する心線12と、心線12の周囲に配置される抗張力体13と、を露出させる。このとき、外被14のみを取り除いた部分、及び、外被14及び抗張力体13を取り除いた部分が形成されるように、段階的に露出させておく。限定しないが、外被14の先端から心線12の先端までの長さ(露出されている心線12の長さ)は10mm以上50mm以下の範囲であり、抗張力体13が外被14から露出する長さは5mm以上20mm以下の範囲である。
【0036】
(3)工程ST3
工程ST3では、円筒部材4の内周面が光コネクタプラグ3に設けられた筒状部31の外周面に接するようにして円筒部材4を筒状部31に取り付ける。好ましくは、図5図7を参照して説明したように、円筒部材4の外周面及び/又は内周面に突出部が形成されている。
(4)工程ST4
図9を参照すると、光ファイバケーブル1の先端において心線12を除去し、光ファイバ11を露出させる。露出される光ファイバ11の長さは限定しないが、5mm以上15mm以下の範囲である。
【0037】
(5)工程ST5
工程ST5では、露出させた光ファイバ11を、光ファイバケーブル1のフェルール33に接着固定する。具体的には、筒状部31の末端及びチューブ36(図4参照)を通して、熱硬化型接着剤を含むディスペンサ(シリンジ)から熱硬化型接着剤をフェルール33の貫通孔に注入する。その後、露出させた光ファイバ11の先端をフェルール33に形成されている貫通孔に挿入する。光ファイバ11の先端を貫通孔に挿入した後、フェルール33を加熱して熱硬化型接着剤を硬化させる。
【0038】
(6)工程ST6
工程ST6では、円筒部材4の内周面の少なくとも一部を、光コネクタプラグ3の筒状部31の外周面の少なくとも一部に圧着(仮固定)させる。円筒部材4を筒状部31に仮固定する目的は、作業中に円筒部材4が筒状部31から脱落又は軸方向にずれるのを防止するためである。
なお、圧着により円筒部材4を筒状部31に仮固定させるのは必須ではない。例えば、工程ST3において円筒部材4を光コネクタプラグ3の筒状部31に圧入することで円筒部材4が筒状部31から脱落又は軸方向にずれることがなければ、工程ST6は必要ない。
【0039】
(7)工程ST7
工程ST7では、圧着リング5を軸方向にスライドさせて、円筒部材4の外周に配置する。この場合、光コネクタプラグ3の第2ハウジング部35B(図4参照)の末端が圧着リング5のストッパになる。この状態において、圧着リング5は、軸方向の第1位置P1において、圧着リング5の内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の抗張力体13を挟みながら円筒部材4の外周面の少なくとも一部に圧着可能な位置に配置され、軸方向の第2位置P2において、圧着リング5の内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の外被14に圧着可能な位置に配置される。
【0040】
(8)工程ST8
工程ST8では、軸方向の第1位置P1において圧着リング5の内周面の少なくとも一部を、光ファイバケーブル1の抗張力体13を挟みながら円筒部材4の外周面の少なくとも一部に圧着させる(第1圧着工程の一例)。工程ST8ではさらに、軸方向の第2位置P2において圧着リング5の内周面の少なくとも一部を、光ファイバケーブル1の外被14に圧着させる(第2圧着工程の一例)。工程ST8により、光コネクタプラグ3の筒状部31、円筒部材4、及び、圧着リング5が強固に固定される。
圧着リング5に対する第1位置P1での圧着と第2位置P2での圧着は、第1位置P1と第2位置P2の軸方向の距離が圧着工具の幅以下(例えば10mm以下)である場合には、同時に行ってもよい。それによって、圧着工具をスライドさせて圧着作業を2回行うよりも工程の負担が軽減する。
【0041】
(9)工程ST9
工程ST9では、ブーツ6を軸方向にスライドさせて圧着リング5に係合させる。すなわち、図示しないブーツ6の内周面の突起を圧着リング5の係合溝53に係合させることで、ブーツ6の軸方向の位置決めを行う。
以上の工程を経て、図1に示した光コネクタ付き光ファイバケーブルが完成する。
【0042】
以上説明したように、一実施形態の光コネクタ付き光ファイバケーブルによれば、光コネクタプラグ3の筒状部31と圧着リング5の間に介在する円筒部材4を設け、円筒部材4の内周面42が筒状部31の外周面311に接するようにして、円筒部材4が筒状部31に取り付けられている。圧着リング5は、軸方向の第1位置において内周面52の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の抗張力体13を挟みながら円筒部材4の外周面41の少なくとも一部に圧着され、軸方向の第2位置において内周面52の少なくとも一部が光ファイバケーブル1の外被14に圧着されている。すなわち、光コネクタプラグ3に対して比較的外径が大きい光ファイバケーブル1を取り付ける場合に、円筒部材4が圧着リング5の内径と筒状部31の外径の差を吸収するように配置されるため、光コネクタの全長を抑制することができる。このとき、筒状部31、円筒部材4、及び、圧着リング5が圧着により強固に固定される。
一実施形態では、円筒部材4の外周面から外側に突出する第1突出部、及び/又は、円筒部材4の内周面から内側に突出する第2突出部を設けることで、円筒部材4の筒状部31に対する圧着力、及び、圧着リング5の円筒部材4に対する圧着力をさらに高めることができる。
一実施形態では、圧着する部位に対して、六角形等の多角形の孔形状を有する圧着工具による圧着(六角かしめ等)を行うことで、光ファイバケーブル1に生ずる回転トルクに対する保持力をさらに高めることができる。
【0043】
以上、本発明の光コネクタ付き光ファイバケーブル、光コネクタ付き光ファイバケーブルの製造方法、及び、光コネクタの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、LC形コネクタの場合について説明したが、SC形、MU形等のコネクタにも適用可能である。また、これらに限定されず、類似の構造を有する光コネクタにも適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…光ファイバケーブル
11…光ファイバ
12…心線
13…抗張力体
14…外被
2…光コネクタ
3…光コネクタプラグ
31…筒状部
311…外周面
312…内周面
33…フェルール
331…末端部
332…フランジ部
34…コイルばね
35…プラグハウジング
35A…第1ハウジング部
35B…第2ハウジング部
36…チューブ
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G…円筒部材
41,41A,41B,41C…外周面
42,42E,42F,42G…内周面
43,43B,43C…突出部
44D,44F,44G…突出部
5…圧着リング
51…外周面
52…内周面
53…係合溝
6…ブーツ
【要約】
【課題】標準的なサイズの光コネクタプラグに対して比較的外径が大きい光ファイバケーブルを取り付けられ、かつ光コネクタの全長を抑制する。
【解決手段】本発明の一観点は、光コネクタ付き光ファイバケーブルであって、光ファイバケーブルと光コネクタを備える。光コネクタは、先端側から突出するフェルールと末端側から突出する筒状部とを有する光コネクタプラグと、光ファイバケーブルを光コネクタプラグに圧着固定するための圧着用部材と、筒状部と圧着用部材の間に介在する円筒部材と、を備える。円筒部材の内周面が筒状部の外周面に接するようにして、円筒部材が筒状部に取り付けられる。圧着用部材は円筒状であり、軸方向の第1位置において内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブルの抗張力体を挟みながら円筒部材の外周面の少なくとも一部に圧着され、軸方向の第2位置において内周面の少なくとも一部が光ファイバケーブルの外被に圧着されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10