(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230623BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20230623BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 C
H01L21/30 562
H01L21/30 502J
H01L21/30 564
H01L21/30 569
(21)【出願番号】P 2018178015
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
(72)【発明者】
【氏名】村井 征爾
【審査官】馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222949(JP,A)
【文献】特開2013-219314(JP,A)
【文献】特開2012-209288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 - 21/683
H01L 21/027
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収納することが可能なキャリアに基板を受け渡し搬送するインデクサブロックと、
基板に所定の処理を行う処理ブロックと、
前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、
基板が収納されていないキャリアを載置することが可能な空キャリア棚と、
を備え、
前記インデクサブロックは、
上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第1キャリア載置部列と、
上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有し、前記第1キャリア載置部列に水平方向に並んで配置される第2キャリア載置部列と、
前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間で、複数の基板を載置する基板バッファ部と、
前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第1基板搬送機構と、
前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第2基板搬送機構と、
を備え、
前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構は各々、水平方向に進退可能であり基板を保持するハンドと、上下方向に延びる支柱部に沿って前記ハンドを昇降させると共に前記支柱部に沿った軸周りに前記ハンドを回転させる昇降回転駆動部とを備え、
前記昇降回転駆動部の水平方向の位置は、固定されており、
前記キャリア搬送機構は、前記第1キャリア載置部列および前記第2キャリア載置部列を挟んで前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構の反対側に設けられ、
前記第1基板搬送機構は、前記第1キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアから全ての基板を取り出した後、前記第1キャリア載置部列の他のキャリアから基板を取り出し、
前記第2基板搬送機構は、前記第2キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアに全ての基板を収納した後、前記第2キャリア載置部列の他のキャリアに基板を収納し、
前記キャリア搬送機構は、前記第1基板搬送機構によって前記キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを、基板が収納された他のキャリアに置き換え、また、前記第2基板搬送機構によって前記キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに置き換え、
前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の中の少なくともいずれかのキャリア載置部に前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記第2キャリア載置部列における前記キャリアが載置されていない前記キャリア載置部のいずれかに特定キャリアを搬送し、
前記第2基板搬送機構は、前記特定キャリアから基板を取り出し、その後、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を前記特定キャリアに収納し、
前記キャリア搬送機構は、前記第2基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに処理済の全ての基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の基板処理装置において、
前記第1基板搬送機構、前記第2基板搬送機構、および前記処理ブロックの第3基板搬送機構は、各々が有するハンドを前記基板バッファ部に同時に進入させることを組み入れながら、各々の基板搬送を行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項
1または2に記載の基板処理装置において、
前記処理ブロックは、上下方向に配置された複数の処理層を備え、
前記複数の処理層は各々、基板を搬送するために第3基板搬送機構と、
前記第3基板搬送機構が移動するため、水平方向に直線状に延びる搬送スペースと、
前記搬送スペースに沿ってかつ、前記搬送スペースに対して水平方向に設けられた複数の液処理ユニットであって、処理液を供給して基板を処理する前記複数の液処理ユニットと、を備え、
前記液処理ユニットは、複数段で互いに重なって配置されず1段で配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
基板に所定の処理を行う処理ブロックと、
複数の基板を収納することが可能なキャリアに基板を受け渡し搬送するインデクサブロックであって、
上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第1キャリア載置部列と、
上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第2キャリア載置部列と、
前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第1基板搬送機構と、
前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第2基板搬送機構と、
前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間の基板の搬送に用いられ、複数の基板を載置する基板バッファ部とを有する前記インデクサブロックと、
前記第1キャリア載置部列および前記第2キャリア載置部列を挟んで前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構の反対側に設けられ、前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、
基板が収納されていないキャリアを載置することが可能な空キャリア棚と、
を備えた基板処理装置の制御方法において、
前記第1基板搬送機構により、前記第1キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアから全ての基板を取り出した後、前記第1キャリア載置部列の他のキャリアから基板を取り出す第1基板搬送工程と、
前記第2基板搬送機構により、前記第2キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアに全ての基板を収納した後、前記第2キャリア載置部列の他のキャリアに基板を収納する第2基板搬送工程と、
前記第1基板搬送機構によって前記キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを、基板が収納された他のキャリアに、前記キャリア搬送機構により置き換える第1置き換え工程と、
前記第2基板搬送機構によって前記キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに、前記キャリア搬送機構により置き換える第2置き換え工程と、
前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の中の少なくともいずれかのキャリア載置部に前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構により、前記第2キャリア載置部列における前記キャリアが載置されていない前記キャリア載置部のいずれかに特定キャリアを搬送する特定キャリア搬送工程と、
前記第2基板搬送機構により、前記特定キャリアから基板を取り出し、その後、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を前記特定キャリアに収納する第3基板搬送工程と、
前記第2基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに処理済の全ての基板を収納するまでの間、前記キャリア搬送機構により、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせる特定キャリア留め置き工程と、
を備え、
前記第2キャリア載置部列は、前記第1キャリア載置部列に水平方向に並んで配置され、
前記第1基板搬送工程と前記第2基板搬送工程と前記第3基板搬送工程において、前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構は各々、水平方向に進退可能であり基板を保持するハンドと、上下方向に延びる支柱部に沿って前記ハンドを昇降させると共に前記支柱部に沿った軸周りに前記ハンドを回転させる昇降回転駆動部とを使って、前記昇降回転駆動部の水平方向の位置を固定した状態で基板を搬送することを特徴とする基板処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基板を収納することが可能なキャリアを載置するキャリア載置部を備え、キャリアに収納された基板を搬送する基板処理装置および基板処理装置の制御方法に関する。なお、基板は、例えば、半導体基板、液晶表示装置や有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置は、インデクサブロック(インデクサ装置)と処理ブロックを備えている(例えば、特許文献1参照)。インデクサブロックの後面に処理ブロックが連結される場合、インデクサブロックの前面の外壁には、水平方向に並んで2つのオープナが設けられている。インデクサブロックと処理ブロックの間には、上下方向(垂直方向)に複数の基板を載置することが可能な基板バッファ部が設けられている。
【0003】
インデクサブロックの内部には、2台の基板搬送機構が設けられている。第1基板搬送機構は、第1オープナに載置されたフープ(FOUP:front opening unified pod)と基板バッファ部との間で基板を搬送するように構成されている。また、第2基板搬送機構は、第2オープナに載置されたフープと基板バッファ部との間で基板を搬送するように構成されている。すなわち、第1基板搬送機構は、第1オープナのために基板を搬送し、第2基板搬送機構は、第2オープナのために基板を搬送する。これにより、フープから基板を効率よく取り出すことができると共に、フープへ基板を効率よく収納することができる。
【0004】
基板処理装置は、更に、フープバッファ装置(ストッカ装置)を備えている。フープバッファ装置は、2つのオープナに対向して設けられている。フープバッファ装置は、フープを保管するためにフープを載置する棚と、この棚と2つのオープナとの間でフープを搬送するフープ搬送機構とを備えている(例えば、特許文献1~3参照)。特許文献2には、2つの把持部を有するフープ搬送機構と、2つの把持部によるフープの交換動作(置き換え動作)が開示されている。
【0005】
特許文献1,4には、上下方向に配置された複数のオープナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-209288号公報
【文献】特開2013-157650号公報
【文献】特開2010-171314号公報
【文献】国際公開第WO2013/069716号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来装置は、次のような問題がある。上述のように、第1基板搬送機構は、第1オープナのために基板を搬送し、第2基板搬送機構は、第2オープナのために基板を搬送する。例えば、第1オープナに載置されたフープから全ての基板を取り出し終えると、第1基板搬送機構は、搬送動作を行わない待機状態になる。基板処理装置のスループットを向上させる観点からすると、この待機状態を減少することが望ましい。そのため、2つのオープナを追加して、4つのオープナを水平に並べて配置する構成が考えられる。しかしながら、2つの基板搬送機構が各々、水平方向に配置された2つのオープナを担当することとなると、例えば、各基板搬送機構を左右方向へ移動させる必要が生じる。そのため、待機状態を減少させることができるものの、左右方向への移動により基板搬送の効率(例えばフープから基板を取り出して基板バッファに載置するまでの時間)が低下する可能性がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板搬送機構の待機状態を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる基板処理装置および基板処理装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明の基板処理装置は、複数の基板を収納することが可能なキャリアに基板を受け渡し搬送するインデクサブロックと、基板に所定の処理を行う処理ブロックと、前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、基板が収納されていないキャリアを載置することが可能な空キャリア棚と、を備え、前記インデクサブロックは、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第1キャリア載置部列と、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有し、前記第1キャリア載置部列に水平方向に並んで配置される第2キャリア載置部列と、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間で、複数の基板を載置する基板バッファ部と、前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第1基板搬送機構と、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第2基板搬送機構と、を備え、前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構は各々、水平方向に進退可能であり基板を保持するハンドと、上下方向に延びる支柱部に沿って前記ハンドを昇降させると共に前記支柱部に沿った軸周りに前記ハンドを回転させる昇降回転駆動部とを備え、前記昇降回転駆動部の水平方向の位置は、固定されており、前記キャリア搬送機構は、前記第1キャリア載置部列および前記第2キャリア載置部列を挟んで前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構の反対側に設けられ、前記第1基板搬送機構は、前記第1キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアから全ての基板を取り出した後、前記第1キャリア載置部列の他のキャリアから基板を取り出し、前記第2基板搬送機構は、前記第2キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアに全ての基板を収納した後、前記第2キャリア載置部列の他のキャリアに基板を収納し、前記キャリア搬送機構は、前記第1基板搬送機構によって前記キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを、基板が収納された他のキャリアに置き換え、また、前記第2基板搬送機構によって前記キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに置き換え、前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の中の少なくともいずれかのキャリア載置部に前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構は、前記第2キャリア載置部列における前記キャリアが載置されていない前記キャリア載置部のいずれかに特定キャリアを搬送し、前記第2基板搬送機構は、前記特定キャリアから基板を取り出し、その後、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を前記特定キャリアに収納し、前記キャリア搬送機構は、前記第2基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに処理済の全ての基板を収納するまでの間、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係る基板処理装置によれば、第1基板搬送機構および第2基板搬送機構は各々、横方向に配置された2以上のキャリア載置部ではなく、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部に各々載置されたキャリアに関する基板の搬送を行う。そのため、キャリア載置部を増やした場合であっても、進退可能なハンドを横方向にスライド移動させず、昇降および回転によって基板が搬送されるので、基板の搬送をシンプルに行うことができる。したがって、基板搬送の待機時間を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる。
また、第1基板搬送機構は、キャリアから全ての基板を取り出した後、他のキャリアから基板を取り出すことができる。また、第2基板搬送機構は、キャリアに全ての基板を収納した後、他のキャリアに基板を収納することができる。
また、複数のキャリア載置部が上下方向に配置されていると、例えば上側のキャリア載置部に操作者の手が届かないために、上側のキャリア載置部に対してキャリアの置き換えをすることが操作者にとって難しい場合がある。しかしながら、キャリア搬送機構がキャリアの搬送を行うので、キャリアの搬送が容易になる。また、キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを基板が収納された他のキャリアに置き換えるので、基板処理装置内により多くの未処理の基板を供給することができる。更に、キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに置き換えるので、処理ブロックによる処理が終わった、多くの処理済の基板をキャリアに戻すことができる。
また、通常、第2基板搬送機構は、第2キャリア載置部列のキャリアに基板を収納する(戻す)ように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、第2基板搬送機構は、特定キャリアから基板を取り出し、その後、処理済の基板を前記特定キャリアに収納する。すなわち、第2基板搬送機構は、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、特定キャリアから基板を全て取り出してから全ての基板を収納するまで、特定キャリアを載置位置に留めさせることができる。そのため、キャリア搬送機構は、特定キャリア以外のキャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を向上させることができる。その結果、キャリアの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0021】
また、上述の基板処理装置において、前記第1基板搬送機構、前記第2基板搬送機構、および前記処理ブロックの第3基板搬送機構は、各々が有するハンドを前記基板バッファ部に同時に進入させることを組み入れながら、各々の基板搬送を行うことが好ましい。第1基板搬送機構、第2基板搬送機構、および処理ブロックの第3基板搬送機構の各々の基板搬送において、各々のハンドが同時に進入して、基板を置いたり、基板を受け取ったりする。これにより、他のハンドが基板バッファ部に進入して後退する時間を待たなくてもよいので、基板の搬送効率を向上させることができる。その結果、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0022】
また、上述の基板処理装置の一例は、前記処理ブロックは、上下方向に配置された複数の処理層を備え、前記複数の処理層は各々、基板を搬送するために第3基板搬送機構と、前記第3基板搬送機構が移動するため、水平方向に直線状に延びる搬送スペースと、前記搬送スペースに沿ってかつ、前記搬送スペースに対して水平方向に設けられた複数の液処理ユニットであって、処理液を供給して基板を処理する前記複数の液処理ユニットと、を備え、前記液処理ユニットは、複数段で互いに重なって配置されず1段で配置されていることである。
【0023】
各処理層において、液処理ユニットが複数段で互いに重なって配置されず1段で配置されているので、各処理層の高さを抑え、それにより、処理ブロックの高さを抑えることができる。
【0026】
また、本発明に係る基板処理装置の制御方法であって、基板に所定の処理を行う処理ブロックと、複数の基板を収納することが可能なキャリアに基板を受け渡し搬送するインデクサブロックであって、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第1キャリア載置部列と、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部を有する第2キャリア載置部列と、前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第1基板搬送機構と、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の各々に載置された前記キャリアと前記基板バッファ部との間で基板を搬送する第2基板搬送機構と、前記インデクサブロックと前記処理ブロックとの間の基板の搬送に用いられ、複数の基板を載置する基板バッファ部とを有する前記インデクサブロックと、前記第1キャリア載置部列および前記第2キャリア載置部列を挟んで前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構の反対側に設けられ、前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、基板が収納されていないキャリアを載置することが可能な空キャリア棚と、を備えた基板処理装置の制御方法において、前記第1基板搬送機構により、前記第1キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアから全ての基板を取り出した後、前記第1キャリア載置部列の他のキャリアから基板を取り出す第1基板搬送工程と、前記第2基板搬送機構により、前記第2キャリア載置部列の所定のキャリア載置部に載置された前記キャリアに全ての基板を収納した後、前記第2キャリア載置部列の他のキャリアに基板を収納する第2基板搬送工程と、前記第1基板搬送機構によって前記キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを、基板が収納された他のキャリアに、前記キャリア搬送機構により置き換える第1置き換え工程と、前記第2基板搬送機構によって前記キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに前記キャリア搬送機構により置き換える第2置き換え工程と、前記第1キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の全てに前記キャリアが載置されていない場合、前記第2キャリア載置部列の前記2以上のキャリア載置部の中の少なくともいずれかのキャリア載置部に前記キャリアが載置されていない場合、および前記空キャリア棚に前記キャリアが載置されていない場合に、前記キャリア搬送機構により、前記第2キャリア載置部列における前記キャリアが載置されていない前記キャリア載置部のいずれかに特定キャリアを搬送する特定キャリア搬送工程と、前記第2基板搬送機構により、前記特定キャリアから基板を取り出し、その後、前記処理ブロックで処理された処理済の基板を前記特定キャリアに収納する第3基板搬送工程と、前記第2基板搬送機構により前記特定キャリアから基板を全て取り出してから前記特定キャリアに処理済の全ての基板を収納するまでの間、前記キャリア搬送機構により、前記特定キャリアの載置位置に前記特定キャリアを留めさせる特定キャリア留め置き工程と、を備え、前記第2キャリア載置部列は、前記第1キャリア載置部列に水平方向に並んで配置され、前記第1基板搬送工程と前記第2基板搬送工程と前記第3基板搬送工程において、前記第1基板搬送機構および前記第2基板搬送機構は各々、水平方向に進退可能であり基板を保持するハンドと、上下方向に延びる支柱部に沿って前記ハンドを昇降させると共に前記支柱部に沿った軸周りに前記ハンドを回転させる昇降回転駆動部とを使って、前記昇降回転駆動部の水平方向の位置を固定した状態で基板を搬送することを特徴とするものである。
【0027】
本発明に係る基板処理装置の制御方法によれば、第1基板搬送機構および第2基板搬送機構は各々、横方向に配置された2以上のキャリア載置部ではなく、上下方向に配置された2以上のキャリア載置部に各々載置されたキャリアに関する基板の搬送を行う。そのため、キャリア載置部を増やした場合であっても、進退可能なハンドを横方向にスライド移動させず、昇降および回転によって基板が搬送されるので、基板の搬送をシンプルに行うことができる。したがって、基板搬送の待機時間を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる。
また、第1基板搬送機構は、キャリアから全ての基板を取り出した後、他のキャリアから基板を取り出すことができる。また、第2基板搬送機構は、キャリアに全ての基板を収納した後、他のキャリアに基板を収納することができる。
また、複数のキャリア載置部が上下方向に配置されていると、例えば上側のキャリア載置部に操作者の手が届かないために、上側のキャリア載置部に対してキャリアの置き換えをすることが操作者にとって難しい場合がある。しかしながら、キャリア搬送機構がキャリアの搬送を行うので、キャリアの搬送が容易になる。また、キャリアから全ての基板を取り出した後のキャリアを基板が収納された他のキャリアに置き換えるので、基板処理装置内により多くの未処理の基板を供給することができる。更に、キャリアに全ての基板を収納した後のキャリアを、基板が収納されていない他のキャリアに置き換えるので、処理ブロックによる処理が終わった、多くの処理済の基板をキャリアに戻すことができる。
また、通常、第2基板搬送機構は、第2キャリア載置部列のキャリアに基板を収納する(戻す)ように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、第2基板搬送機構は、特定キャリアから基板を取り出し、その後、処理済の基板を前記特定キャリアに収納する。すなわち、第2基板搬送機構は、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、特定キャリアから基板を全て取り出してから全ての基板を収納するまで、特定キャリアを載置位置に留めさせることができる。そのため、キャリア搬送機構は、特定キャリア以外のキャリアを搬送できるので、キャリアの搬送効率を向上させることができる。その結果、キャリアの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る基板処理装置および基板処理装置の制御方法によれば、基板搬送機構の待機状態を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】実施例に係る基板処理装置の縦断面図である。
【
図2】実施例に係る基板処理装置の横断面図である。
【
図3】(a)は、インデクサブロックの4つのオープナを示す正面図であり、(b)は、2つの基板搬送機構から見た4つのオープナの背面図である。
【
図4】インデクサブロックの基板搬送機構を示す図である。
【
図5】塗布処理部の配置を示す処理ブロックの右側面である。
【
図6】熱処理部の配置を示す処理ブロックの左側面である。
【
図7】(a)は、フープ搬送機構から見た、フープバッファ装置の棚を示す図であり、(b)は、棚から見た、4つのオープナとフープ搬送機構を示す正面図である。
【
図8】(a)~(d)は、第1基板搬送機構による、フープから送りバッファ部に基板を搬送する動作を説明するための図である。
【
図9】(a)~(d)は、第2基板搬送機構による、戻りバッファ部からフープに基板を搬送する動作を説明するための図である。
【
図10】(a)~(d)は、フープ搬送機構による2つのフープの置き換え動作について説明するための図である。
【
図11】入力ポートから出力ポートへのフープの搬送動作と、基板搬送動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】フープバッファ装置の動作優先順位を示す図である。
【
図13】(a)~(d)は、フープの搬送動作を説明するための図である。
【
図14】(a)~(d)は、
図13(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
【
図15】(a)~(d)は、
図14(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
【
図16】
図15(d)の続きのフープの搬送動作を説明するための図である。
【
図17】(a)~(c)は、その他のフープの搬送動作を説明するための図である。
【
図18】(a)、(b)は、第1基板搬送機構、第2基板搬送機構、第3基板搬送機構の各々のハンドが基板バッファ部に同時に進入する動作を説明するための図である。
【
図19】変形例に係る基板処理装置の側面図である。
【実施例】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置1の縦断面図である。
図2は、実施例に係る基板処理装置1の横断面図である。
図3(a)は、インデクサブロック2の4つのオープナ5A~5Dを示す正面図である。
図3(b)は、2つの基板搬送機構6A,6Bから見た4つのオープナ5A~5Dの背面図である。
【0031】
図1または
図2を参照する。基板処理装置1は、例えばレジスト液を塗布する塗布装置である。基板処理装置1は、インデクサブロック2(以下適宜、「IDブロック2」と呼ぶ)、処理ブロック3、およびフープバッファ装置4(ストッカ装置)を備えている。処理ブロック3は、IDブロック2の後面に連結されており、フープバッファ装置4は、IDブロック2の前面に連結されている。
【0032】
〔インデクサブロック2(IDブロック)〕
IDブロック2は、キャリアに基板を受け渡し搬送する。IDブロック2は、4つのオープナ5A~5D、2つの基板搬送機構6A,6Bおよび基板バッファ部7を備えている。4つのオープナ5A~5Dは、IDブロック2の前面の壁部8に設けられている。
【0033】
図3(a)に示すように、4つのオープナ5A~5Dは、第1オープナ列9と第2オープナ列10の2つのグループに分けられる。第1オープナ列9は、上下方向に配置された2つのオープナ5A,5Bを有する。第2オープナ列10は、上下方向に配置された2つのオープナ5C,5Dを有する。また、第2オープナ列10は、第1オープナ列9に水平方向(Y方向)に並んで配置されている。なお、
図3(a)において、第1オープナ5Aは、第2オープナ5Bの上方に設けられている。第3オープナ5Cは、第4オープナ5Dの上方に設けられている。
【0034】
4つのオープナ5A~5Dの各々は、本発明のキャリア載置部に相当する。第1オープナ列9は、本発明の第1キャリア載置部列に相当する。第2オープナ列10は、本発明の第2キャリア載置部列に相当する。
【0035】
4つのオープナ5A~5Dは各々、キャリアを載置する。キャリアは、例えばフープF(FOUP)が用いられる。なお、開閉可能な蓋部を有するキャリアであれば、キャリアは、フープFに限定されない。以下、キャリアをフープFにより説明する。フープFは、水平姿勢の複数(例えば25枚)の基板Wを収納することが可能である。フープFは、基板Wを出し入れするための開口部を有し、基板Wが収納されるフープ本体と、開口部を塞ぐための蓋部とを有する。
【0036】
4つのオープナ5A~5Dは各々、載置されたフープFの蓋部を開閉する。4つのオープナ5A~5Dは各々、載置台12、開口部14、シャッタ16およびシャッタ駆動部(図示しない)を備えている。フープFは、載置台12に載置される。開口部14は、フープF内部とIDブロック2内部との間で基板Wの受け渡しを行うための開口である。シャッタ16は、開口部14を塞ぐためのものである。また、シャッタ16は、蓋部をフープ本体にロックし、そのロックを解除する。また、シャッタ16は、蓋部を保持するように構成されている。シャッタ16は、例えば、蓋部を真空吸着して保持する。シャッタ16は、電動モータを有するシャッタ駆動部により上下方向および前後方向に移動される。
【0037】
図2のように、第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9(オープナ5Aを含む)に対向した位置に配置されている。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10(オープナ5Cを含む)に対向した位置に配置されている。第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9の2つのオープナ5A,5Bの各々に載置されたフープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送する。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10の2つのオープナ5C,5Dの各々に載置されたフープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送する。
【0038】
図3(b)、
図4のように、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、2つのハンド21(21A,21B)、進退駆動部23および昇降回転駆動部25を備えている。2つのハンド21A,21Bは各々、基板Wを保持する。2つのハンド21A,21Bは個々に水平方向に進退可能であり、例えば、フープFから1枚の基板Wを取り出したり、2枚の基板Wを取り出したりすることができる。2つのハンド21A,21Bは各々、Y字状またはU字状など先端が2つに分かれた形状で構成されている。なお、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、2つのハンド21A,21Bを備えているが、3つ以上のハンドを備えていてもよい。
【0039】
進退駆動部23は、2つのハンド21A,21Bを移動可能に支持すると共に、2つのハンド21A,21Bを進退移動させる。進退駆動部23は、第1ハンド21Aを駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。第1ハンド21Aは可動部材に支持されている。同様に、進退駆動部23は、第2ハンド21Bを駆動するために、例えば、電動モータ、ねじ軸、可動部材およびガイド部を備えている。
【0040】
昇降回転駆動部25は、進退駆動部23を昇降および回転させることで、2つのハンド21A,21Bを昇降および回転させる。昇降回転駆動部25は、支柱部25Aと回転部25Bを備えている。支柱部25Aは、上下方向に延びるように設けられている。支柱部25Aは、IDブロック2の床部に固定されている。そのため、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向(特にY方向)の位置は、移動されずに固定されている。
【0041】
回転部25Bは、支柱部25Aに沿って昇降される。支柱部25Aは、例えば、電動モータ(図示しない)、2つのプーリ27およびベルト28を備えている。ベルト28は、2つのプーリ27に掛け渡されている。回転部25Bは、ベルト28に取り付けられている。電動モータの回転は、2つのプーリ27のいずれかに伝達され、ベルト28を移動させる。回転部25Bは、ベルト28の移動と共に移動される。
【0042】
また、回転部25Bは、進退駆動部23を支柱部25Aに沿った垂直軸AX1aまたは垂直軸AX1b周りに回転させる。これにより、2つのハンド21A,21Bの向きが変わる。回転部25Bは、例えば電動モータ、2つのプーリおよびベルトを備えている。
【0043】
上述のように、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向の位置は、移動せずに固定されている。そのため、進退駆動部23の回転中心である垂直軸AX1a,AX1bの水平方向の位置も固定される。このように、昇降回転駆動部25の水平方向の位置が固定される。これにより、第1基板搬送機構6Aは、2つのオープナ5A,5Bの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送できるが、2つのオープナ5C,5Dの各フープFと基板バッファ部7との間で基板を搬送できない。同様に、第2基板搬送機構6Bは、2つのオープナ5C,5Dの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wを搬送できるが、2つのオープナ5A,5Bの各フープFと基板バッファ部7との間で基板Wの搬送を行うことができない。
【0044】
図1,
図2に戻る。基板バッファ部7は、複数(例えば32枚)の基板Wが載置することが可能である。基板バッファ部7において、各基板Wは水平姿勢で支持され、複数の基板Wは上下方向に配置される。基板バッファ部7は、
図2に示すように、支柱29A、複数の載置板29Bおよび3つの支持ピン29Cを備えている。支柱29Aは、垂直方向(Z方向)に延びている。複数の載置板29Bは各々、IDブロック2から処理ブロック3に向かう+Y方向に水平に延びるように支柱29Aに支持されている。3つの支持ピン29Cは各々、載置板29Bの上面に設けられている。基板Wは支持ピン29C上に支持される。基板バッファ部7は、
図2に示すように、IDブロック2と処理ブロック3との間付近に設けられる。
【0045】
〔処理ブロック3〕
処理ブロック3は、基板Wに対して塗布処理を行う。処理ブロック3は、
図1に示すように、上下方向に配置された4つ(複数)の塗布処理層31A~31Dを備えている。
【0046】
なお、上述の基板バッファ部7は、送りバッファ部SBF1~SBF4と、戻りバッファ部RBF1~RBF4とを備えている。送りバッファ部SBF1~SBF4および戻りバッファ部RBF1~RBF4は各々、4つの載置板29Bを有し、4枚の基板Wを載置することが可能である。例えば、送りバッファ部SBF1と戻りバッファ部RBF1は、第1塗布処理層31A用であり、送りバッファ部SBF4と戻りバッファ部RBF4は、第4塗布処理層31D用である。なお、2つの基板搬送機構6A,6Bは各々、送りバッファ部SBF1~SBF4および戻りバッファ部RBF1~RBF4の全てに対して基板Wを搬送することができる。
【0047】
図1、
図2に示すように、4つの塗布処理層31A~31Dは各々、第3基板搬送機構33、搬送スペース34、塗布処理部SCおよび熱処理部37を備えている。なお、4つの塗布処理層31A~31Dは各々、本発明の処理層に相当する。塗布処理部SCは、本発明の液処理部に相当する。
【0048】
第3基板搬送機構33は、4つの塗布処理層31A~31Dの各々において、基板Wを搬送するためのものである。第3基板搬送機構33は、2つのハンド41、進退駆動部42、回転駆動部43、第1移動機構44および第2移動機構45を備えている。
【0049】
2つのハンド41は各々、Y字状またはU字状など先端が2つに分かれた形状で構成されている。2つのハンド41は各々、基板Wを保持する。進退駆動部42は、2つのハンド41を個々に進退させる。回転駆動部43は、進退駆動部42を垂直軸AX2周りに回転させる。これにより、2つのハンド41の向きを変えることができる。第1移動機構44は、回転駆動部43を
図1の左右方向(X方向)に移動させる。これにより、進退駆動部42をX方向に移動させることができる。第2移動機構45は、第1移動機構44を上下方向(Z方向)に移動させる。これにより、進退駆動部42をZ方向に移動させることができる。
【0050】
なお、進退駆動部42、回転駆動部43、第1移動機構44および第2移動機構45は各々、電動モータを備えている。
【0051】
第3基板搬送機構33は、
図2に示すように、搬送スペース34に設けられる。搬送スペース34は、水平方向(X方向)に直線状に延びるように構成されている。
図2に示すように、搬送スペース34は、基板処理装置1の上方から見た場合に、長方形の空間である。塗布処理部SCと熱処理部37は、搬送スペース34を挟むように配置されている。
【0052】
塗布処理部SCは、搬送スペース34に沿って設けられており、搬送スペース34に対して水平方向に設けられている。塗布処理部SCは、塗布液を基板W上に供給して塗膜を形成するものである。
図5は、塗布処理部SCの配置を示す処理ブロック3の右側面である。4つの塗布処理層31A~31Dは各々、4つの塗布処理部SCを備えている。各塗布処理層31A~31Dにおいて、塗布処理部SCは、塗布処理部SCが互いに重なって例えば2段で配置されず1段で配置されている。各4つの塗布処理層31A~31Dにおいて、液処理ユニットが複数段で互いに重なって配置されず1段で配置されているので、各塗布処理層31A~31Dの高さを抑え、それにより、処理ブロック3の高さを抑えることができる。
【0053】
また、各塗布処理層31A~31Dにおいて、塗布処理部SCは、水平方向に4列かつ、上下方向に1段の4列×1段で配置されている。基板Wは、4つの塗布処理層31A~31Dで並行処理される。そのため、処理ブロック3の高さを抑えつつ、並行処理数を増やすことで基板処理のスループットを向上させることができる。
【0054】
例えば、水平方向に並んで配置された4つの塗布処理部SCは、符号35Aで示すユニットと符号35Bで示すユニットとで構成されている。符号35Aで示す左側の2つの塗布処理部SCは、基板Wに反射防止膜を形成するユニット(以下適宜、「BARCユニット」と呼ぶ)である。また、符号35Bで示す右側の2つの塗布処理部SCは、基板Wにレジスト膜を形成するユニット(以下適宜、「RESISTユニット」と呼ぶ)である。
【0055】
塗布処理部SCは、
図2に示すように、保持回転部51、複数のノズル52およびノズル移動機構53を備えている。保持回転部51は、例えば真空吸着で基板Wを保持して、保持した基板Wを垂直軸(Z方向)周りに回転させるものである。複数のノズル52は、基板Wに塗布液(例えば反射防止膜形成用の液またはフォトレジスト液)を供給するものである。ノズル移動機構53は、複数のノズル52から1つのノズル52を把持し、各ノズル52の待機位置と基板W中心の上方の供給位置との間で、把持したノズル52を上下方向(Z方向)および水平方向(XY方向)に移動させるものである。
【0056】
熱処理部37は、搬送スペース34に沿って設けられており、搬送スペース34に対して水平に設けられている。熱処理部37は、基板Wに対して熱処理を行うプレート55を備えている。
図6は、熱処理部37の配置を示す処理ブロック3の左側面である。4つの塗布処理層31A~31Dは各々、4つの密着強化処理部PAHPと、2つの冷却部CPと、6つの加熱冷却部PHPとを備えている。すなわち、各層31A~31Dは、12個の熱処理部37を備えている。
【0057】
密着強化処理部PAHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱することで、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるものである。密着強化処理部PAHPは、加熱後に基板Wを冷却する機能も有している。冷却部CPは、基板Wを冷却する。加熱冷却部PHPは、加熱処理と冷却処理をこの順番で続けて行う。なお、熱処理部37は、
図6に示すように、各層31A~31Dにおいて、水平方向に5列かつ、上下方向に3段の5列×3段で配置されている。
【0058】
ここで、塗布処理層31Aを一例に、処理ブロック3の動作を説明する。
図1および
図2に示すように、塗布処理層31Aの第3基板搬送機構33は、2つのハンド41を用いて、送りバッファ部SBF1から1枚の基板Wを受け取る。第3基板搬送機構33は、受け取った基板Wを、
図5,
図6に示す密着強化処理部PAHP、冷却部CP、BARCユニット(SC)の順番に搬送する。その後、第3基板搬送機構33は、2つのハンド41を用いて、BARCユニットで反射防止膜が形成された基板Wを、加熱冷却部PHP、冷却部CP、RESISTユニット(SC)、加熱冷却部PHPの順に搬送する。第3基板搬送機構33は、2つのハンド41を用いて、これらのユニットで処理された1枚の基板Wを戻りバッファ部RBF1に搬送する。
【0059】
なお、第3基板搬送機構33は、基板Wの受け取りおよび基板Wの引き渡しの少なくとも一方を行う対象のユニット(例えば冷却部CP)の近くまで、進退駆動部42を移動させる。その後、進退駆動部42は、例えば、基板Wを保持していない第1ハンド41を進退させて対象のユニットに載置された基板Wを受け取り、そして、基板Wを保持する第2ハンド41を進退させて対象のユニットに基板Wを引き渡す(載置する)。
【0060】
〔フープバッファ装置4〕
図1、
図2に示すように、フープバッファ装置4は、複数(例えば、12個)の棚61と、フープFを搬送するフープ搬送機構62とを備えている。
【0061】
複数の棚61は、2つのオープナ列9,10(例えば、
図1に示す2つのオープナ5C,5D)と対向して配置されている。フープ搬送機構62は、2つのオープナ列9,10と複数の棚61との間に配置されている。また、フープ搬送機構62は、2つのオープナ列9,10を挟んで、2つの基板搬送機構6A,6Bの反対側に設けられている。
【0062】
なお、
図7(a)は、フープ搬送機構62から見た、フープバッファ装置4の棚61を示す図である。
図7(b)は、棚61から見た、4つのオープナ5A~5Dとフープ搬送機構62を示す正面図である。
【0063】
棚61は、フープFを載置するものである。棚61は、
図1に示すフープバッファ装置4の左側(正面側)の壁部64に設けられている。棚61は、
図7(a)に示すように、例えば、2つの入力ポートIP1,IP2(入力ロードポートともいう)と、2つの出力ポートOP1,OP2(出力ロードポートともいう)と、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2と、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2と、4つの空フープ棚EB1~EB4とを備えている。なお、棚61の個数および役割は、必要に応じて設定される。
【0064】
2つの入力ポートIP1,IP2は、工場内でフープFを搬送する外部搬送機構OHT(Overhead Hoist Transport)からフープFを受け取るために用いられる。2つの出力ポートOP1,OP2は、外部搬送機構OHTに処理済の基板Wが収納されたフープFを引き渡すために用いられる。2つの入力ポートIP1,IP2および2つの出力ポートOP1,OP2は、棚61の最上段に設けられている。外部搬送機構OHTとフープFの受け渡しを行うために、フープバッファ装置4の天井部分は、開放されている。
【0065】
例えば2つのオープナ5A,5Bが基板Wの取り出し(送り)用として設定される場合、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2は、2つのオープナ5A,5Bに搬送できないフープFを保管するために用いられる。また、例えば2つのオープナ5C,5Dが基板Wの収納(戻し)用として設定される場合、処理済基板フープ棚OB1,OB2は、2つのオープナ5C,5Dから出力ポートOP1,OP2に搬送できないフープFを保管するために用いられる。4つの空フープ棚EB1~EB4は、基板Wが取り出されて空になったフープFを保管するために用いられる。
【0066】
フープ搬送機構62は、
図7(b)に示すように、2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67および水平駆動部68を備えている。2つの把持部65A,65Bは各々、フープFを把持するように構成されている。具体的には、2つの把持部65A,65Bは各々、フープFの上部に設けられた突起69を把持するように構成されている。第1把持部65Aは、第1多関節アーム66Aの第1端部に垂直軸AX3a周りに回転可能に取り付けられている。また、第2把持部65Bは、第2多関節アーム66Bの第1端部に垂直軸AX4a周りに回転可能に取り付けられている。
【0067】
2つの多関節アーム66A,66Bは各々、例えばスカラ型で構成される。第1多関節アーム66Aは、2つの垂直軸AX3b,AX3cの各々の周りに連結された支持部材が回転することにより、把持部65Aを水平方向の所定の位置に移動させる。また、第1多関節アーム66Aは、第1把持部65Aを垂直軸AX3a周りで回転させてフープFの向きを調整する。同様に、第2多関節アーム66Bは、2つの垂直軸AX4b,AX4cの各々の周りに連結された支持部材が回転することにより、把持部65Bを水平方向の所定の位置に移動させる。また、第2多関節アーム66Bは、第2把持部65Bを垂直軸AX4a周りで回転させてフープFの向きを調整する。2つの多関節アーム66A,66Bは各々、昇降駆動部67に取り付けられている。
【0068】
昇降駆動部67は、
図1に示すように、2つの駆動部67A,67Bを備えている。第1駆動部67Aは、第1多関節アーム66Aを上下方向に昇降させ、第2駆動部67Bは、第2多関節アーム66Bを上下方向に昇降させる。すなわち、2つの把持部65A,65Bは、互いに独立して昇降される。2つの駆動部67A,67Bは、互いに水平方向(例えばX方向)に並んで配置されている。
【0069】
第1把持部65Aおよび第1多関節アーム66Aは、第2把持部65Bおよび第2多関節アーム66Bよりも上方に設けられている。すなわち、第1把持部65Aおよび第1多関節アーム66Aは、衝突を防止するため、第2把持部65Bおよび第2多関節アーム66Bよりも下方に移動できないように構成されている。なお、この点、昇降駆動部67は、把持部65Bよりも上方および下方に把持部65Aを移動できるように構成されていてもよい。
【0070】
水平駆動部68は、昇降駆動部67を水平方向(Y方向)に移動させる。これにより、2つの把持部65A,65Bは、2つの多関節アーム66A,66Bの水平方向の可動範囲で届かないフープFに近づくことができる。また、
図7(b)において、2つの把持部65A,65Bは各々、棚61および4つのオープナ5A~5Dの全てにフープFを搬送することができる。
【0071】
なお、2つの把持部65A,65B、2つの多関節アーム66A,66B、昇降駆動部67(2つの駆動部67A,67B)および水平駆動部68は各々、電動モータを備えている。また、2つの駆動部67A,67Bは各々、例えば2つのプーリとベルトを備えていてもよい。また、把持部および多関節アームなどは、必要に応じて2組以外であってもよい。
【0072】
基板処理装置1は、
図1に示すように、1つまたは複数の制御部71と操作部73を備えている。制御部71は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部71は、基板処理装置1の各構成を制御する。操作部73は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、基板処理の各種条件および基板処理装置1の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0073】
<基板処理装置1の動作>
次に基板処理装置1の動作について説明する。まず、基板処理装置1の2つの基板搬送機構6A,6Bの動作について説明する。
【0074】
図2において、フープ搬送機構62はオープナ5AにフープFを搬送する。オープナ5Aのシャッタ16は、オープナ5Aの載置台12に載置されたフープFの蓋のロックを外しつつ、蓋を保持する。その後、フープFから蓋を外しながら下方向にスライドすることで、開口部14(
図3(b)参照)を開放する。2つのオープナ5A,5B(
図3(b)参照)と第1基板搬送機構6Aは、通常動作として基板Wの取り出し(送り出し)用に予め設定されている。そのため、第1基板搬送機構6Aは、例えばオープナ5Aに載置されたフープFから基板Wの取り出しを開始する。フープFから取り出した基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。
【0075】
〔第1基板搬送機構6Aによる基板Wの取り出し動作〕
図8(a)において、第1基板搬送機構6Aの進退駆動部23は、2つのハンド21(21A,21B)を前進させることで、2つのハンド21をフープF内に進入させる。進入後、昇降回転駆動部25(
図4参照)は、2つのハンド21を少し上昇させる。これにより、2つのハンド21によって2枚の基板Wをすくい上げて保持する。2枚の基板Wをすくい上げた後、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態で2つのハンド21を後退させる。
【0076】
フープFから2枚の基板Wを取り出した後、取り出した2枚の基板Wを基板バッファ部7の送りバッファ部SBF1に搬送する。具体的な動作を順番に説明する。昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1aに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(
図8(b)では上昇)させると共に、垂直軸AX1a周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、送りバッファ部SBF1における保持する2枚の基板Wを置く所定の高さ位置に2つのハンド21を移動させつつ、その送りバッファ部SBF1に2つのハンド21を向ける。
【0077】
図8(c)において、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態の2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21を送りバッファ部SBF1の領域に進入させる。進入後、昇降回転駆動部25は、2つのハンド21を少し下降させる。これにより、2つのハンド21によって2枚の基板Wを支持ピン29C上に置く。2枚の基板Wを置いた後、進退駆動部23は、基板Wを保持しない状態の2つのハンド21を後退させる。
【0078】
送りバッファ部SBF1に2枚の基板Wを搬送した後、再度、フープFから2枚の基板Wを取り出す。具体的には、
図8(d)において、昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1aに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(
図8(d)では下降)させると共に、垂直軸AX1a周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、次に取り出す1枚または2枚の基板Wに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その1枚または2枚の基板Wに2つのハンド21を向ける。
【0079】
また、フープFから全ての基板Wを取り出すまで、
図8(a)~
図8(d)の動作を繰り返す。この際に、
図1に示す処理ブロック3の4つの塗布処理層31A~31dに並行処理を行わせる。そのため、フープFから取り出した2枚の基板Wを送りバッファ部SBF1に搬送した場合、次に取り出した2枚の基板Wは、送りバッファ部SBF2に搬送される。この次に取り出した2枚の基板Wは、送りバッファ部SBF3に搬送される。この次に取り出した2枚の基板Wは、送りバッファ部SBF4に搬送される。この次に取り出した2枚の基板Wは、再び、送りバッファ部SBF1に搬送される。
【0080】
このように、「送りバッファ部SBF1」、「送りバッファ部SBF2」、「送りバッファ部SBF3」、「送りバッファ部SBF4」の順番で均等に基板Wが分配される。なお、
図8(a)~
図8(c)に示すように、第1基板搬送機構6Aは、フープFの下の段86から順番に基板Wを取り出し、送りバッファ部SBF1の載置板29Bに下から順番に置く。
【0081】
なお、
図8(d)において、第1塗布処理層31Aの第3基板搬送機構33は、送りバッファ部SBF1の載置板29Bに載置された1枚の基板Wを受け取っている。受け取った基板Wは、第1塗布処理層31Aにおいて所定の処理が行われる。
【0082】
〔第2基板搬送機構6Bによる基板Wの収納(戻し)動作〕
図9(a)において、戻りバッファ部RBF1の下から1~3段目の載置板29Bには、3枚の基板Wが載置されている。この3枚の基板Wは、第3基板搬送機構33で搬送された基板Wであり、第1塗布処理層31Aで所定の処理が行われた基板Wである。第2基板搬送機構6Bの進退駆動部23は、2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21を戻りバッファ部RBF1の領域に進入させる。進入後、2つのハンド21によって2枚の基板Wをすくい上げて保持する。2枚の基板Wをすくい上げた後、進退駆動部23は、2枚の基板Wを保持した状態で2つのハンド21を後退させる。
【0083】
戻りバッファ部RBF1から2枚の基板Wを受け取った後、例えばオープナ5Cに載置されたフープFに、受け取った2枚の基板WをフープF内に収納する。具体的な動作を順番に説明する。昇降回転駆動部25は、垂直軸AX1bに沿って2つのハンド21および進退駆動部23を昇降(
図9(b)では上昇)させると共に、垂直軸AX1b周りに2つのハンド21および進退駆動部23を回転させる。これにより、搬送先のフープFの下から3,4段目の収納スペースに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その収納スペースに2つのハンド21を向ける。
【0084】
図9(c)において、進退駆動部23は、2枚の基板を保持した状態の2つのハンド21を前進させることで、2つのハンド21をフープF内に進入させる。進入後、2つのハンド21によって2枚の基板WをフープF内の下から3,4段目に置く。2枚の基板Wを置いた後、進退駆動部23は、基板Wを保持しない状態の2つのハンド21を後退させる。
【0085】
フープFに処理済の2枚の基板Wを収納した後、再度、戻りバッファ部RBF1以外の例えば戻りバッファ部RBF2から2枚の基板Wを受け取る。これにより、次に取り出す1枚または2枚の基板Wに対向する位置に2つのハンド21を移動させつつ、その1枚または2枚の基板Wに2つのハンド21を向ける。
【0086】
この
図9(a)~
図9(d)のような動作を繰り返すことで、フープFに基板Wを収納する。この際に、
図1に示す処理ブロック3の4つの塗布処理層31A~31Dでは、並行処理が行われている。そのため、戻りバッファ部RBF1からフープFに2枚の基板Wを搬送した後、戻りバッファ部RBF2からフープFに2枚の基板Wを搬送する。その後、戻りバッファ部RBF3からフープFに2枚の基板Wを搬送する。その後、戻りバッファ部RBF4からフープFに2枚の基板Wを搬送する。その後、再び、戻りバッファ部RBF1からフープFに2枚の基板Wを搬送する。
【0087】
このように、「戻りバッファ部RBF1」、「戻りバッファ部RBF2」、「戻りバッファ部RBF3」、「戻りバッファ部RBF4」の順番で均等に基板WがフープFに戻される。なお、
図9(a)~
図9(c)に示すように、第2基板搬送機構6Bは、戻りバッファ部SFB1から下から順番に基板Wを受け取り、フープFの下の段86から順番に収納する。
【0088】
フープF内に全ての基板Wが収納されると、オープナ5Cのシャッタ16は、フープ本体に蓋を取り付けながら開口部14を閉じる。その後、オープナ5Cのシャッタ16は、オープナ5Cの載置台12に載置されたフープFの蓋をロックし、蓋の保持を開放する。その後、フープ搬送機構62は、オープナ5CからフープFを搬送する。なお、「フープF内に全ての基板Wが収納される」とは、フープFに24枚の基板Wが収納されていた場合に、24枚の基板Wが収納されたことを示す。
【0089】
図9(d)において、第1塗布処理層31Aの第3基板搬送機構33は、戻りバッファ部RBF1の載置板29Bに処理済の1枚の基板Wを載置している。
【0090】
〔2つのオープナ5A,5Bに対する基板搬送動作〕
次に、2つのオープナ5A,5Bに載置された2つのフープFA,FBに対する第1基板搬送機構6Aの動作を説明する。
【0091】
2つのオープナ5A,5Bおよび第1基板搬送機構6Aは、通常動作として、フープFから基板Wを取り出す(送り出す)動作を行うように予め設定されている。
図3(b)を参照する。第1基板搬送機構6Aは、オープナ5Aに載置されたフープFAから基板Wを取り出す。取り出した基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。そして、第1基板搬送機構6Aは、フープFAから全ての基板Wを取り出す。ここで、
図3(b)に示すオープナ5Bが設けられていないと仮定する。この場合、フープ搬送機構62によりオープナ5Aの空になったフープFAが他のフープFに置き換えられるまで、第1基板搬送機構6Aは、待機状態になってしまう。そのため、処理ブロック3に基板Wを供給することができなくなる。
【0092】
しかしながら、フープバッファ装置4は、オープナ5Aに加えてオープナ5Bを備えている。そのため、第1基板搬送機構6Aは、オープナ5AのフープFAから基板Wを全て取り出した後、オープナ5BのフープFBから基板Wの取り出しを開始できる。これにより、第1基板搬送機構6Aの待機時間を減少することができる。また、2つのオープナ5A,5Bが、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21および進退駆動部23の昇降経路に沿って上下方向に設けられている。そのため、2つのハンド21および進退駆動部23等をY方向に移動させなくてもよいので、基板Wの搬送効率の低下を防止しながら、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21を移動することができる。
【0093】
なお、オープナ5BのフープFBから基板Wを全て取り出した後、第1基板搬送機構6Aは、フープFAの代わりにオープナ5Aに載置された第3のフープFから基板Wの取り出しを開始する。すなわち、第1基板搬送機構6Aは、オープナ5Aに載置されたフープFとオープナ5Bに載置されたフープFに対してフープ単位で交互に基板Wを取り出すように構成されている。
【0094】
〔2つのオープナ5C,5Dに対する基板搬送動作〕
次に、2つのオープナ5C,5Dに載置された2つのフープFC,FDに対する第2基板搬送機構6Bの動作を説明する。
【0095】
2つのオープナ5C,5Dおよび第2基板搬送機構6Bは、通常動作として、フープFに基板Wを収納する(戻す)動作を行うように予め設定されている。
図3(b)を参照する。第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Cに載置されたフープFCに基板バッファ部7から受け取った基板Wを全て収納する。ここで、
図3(b)に示すオープナ5Dが設けられていないと仮定する。この場合、フープ搬送機構62によりオープナ5Cに載置された全ての処理済の基板Wが収納されたフープFCが他のフープFに置き換えられるまで、第2基板搬送機構6Bは、待機状態になってしまう。そのため、処理ブロック3により処理された基板WをフープFに収納することができなくなる。
【0096】
しかしながら、フープバッファ装置4は、オープナ5Cに加えてオープナ5Dを備えている。そのため、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5CのフープFCに処理済の基板Wを全て収納した後、オープナ5DのフープFDから基板Wの収納を開始できる。これにより、第2基板搬送機構6Bの待機時間を減少することができる。また、2つのオープナ5C,5Dが、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21および進退駆動部23の昇降経路に沿って上下方向に設けられている。そのため、2つのハンド21および進退駆動部23等をY方向に移動させなくてもよいので、基板Wの搬送効率の低下を防止しながら、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21を移動することができる。
【0097】
なお、オープナ5DのフープFDから基板Wを全て収納した後、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Dに載置された第3のフープFに基板Wの収納を開始する。すなわち、第2基板搬送機構6Bは、オープナ5Cに載置されたフープFとオープナ5Dに載置されたフープFに対してフープ単位で交互に基板Wを収納するように構成されている。
【0098】
〔フープ搬送機構62による2つのフープFの置き換え動作〕
次に、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65Bによる2つのフープFの置き換え動作について説明する。4つのオープナ5A~5Dの各々に載置されたフープFは、他のフープFに置き換えられる。この場合、フープ搬送の効率化のため、フープ搬送機構62の2つの把持部65A,65Bを用いて置き換え動作が行われる。なお、4つのオープナ5A~5D以外の搬送、例えば入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1へのフープ搬送は、2つの把持部65A,65Bの一方を用いて行われる。
【0099】
図10(a)において、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより、未処理基板フープ棚IB2に載置された未処理のフープF6(斜線で示される)を把持する。そして、フープ搬送機構62は、多関節アーム66Aおよび駆動部67Aにより、把持した未処理のフープF6を、未処理基板フープ棚IB2(棚61)と4つのオープナ5A~5Dとの間の搬送スペースに移動させる。
【0100】
図10(b)において、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより、オープナ5Bに載置された空になったフープF4を把持する。そして、フープ搬送機構62は、多関節アーム66Bおよび駆動部67Bにより、把持した空のフープF4をオープナ5Bから搬送スペースに移動させる。なお、上側の把持部65Aは、未処理のフープF6が下側の把持部65Bなどに衝突しない位置に移動している。
【0101】
図10(c)において、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより把持された未処理のフープF6を、空のフープF4に代わりオープナ5Bに載置する。そして、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aによる把持を解除する。上側の把持部65Aは、搬送スペースに移動される。なお、下側の把持部65Bは、上側の把持部65Aによって把持されたフープF6に衝突しない位置に移動している。
【0102】
図10(d)において、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより把持された空のフープF4を例えば空フープ棚EB2に載置する。そして、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bによる把持を解除する。このように、置き換え動作を行うことで、フープFの搬送を効率よく行うことができる。なお、この説明では、未処理のフープF6を上側の把持部65Aで把持し、空のフープF4を下側の把持部65Bで把持していたが、逆に把持してもよい。すなわち、未処理のフープF6を下側の把持部65Bで把持し、空のフープF4を上側の把持部65Aで把持する。
【0103】
〔フープバッファ装置4の動作例1〕
次に、
図11に示すフローチャートに従って、フープバッファ装置4の動作について説明する。
図11は、入力ポートから出力ポートへのフープF1の搬送動作と、基板搬送動作を説明するためのフローチャートである。「フープF1」とは、所定のフープFである。すなわち、「フープF1」に注目し、「フープF1」を一例としてフープ搬送等を説明する。所定のフープF1にフープを限定しない場合は、「フープF」と示す。
図12は、フープバッファ装置4の動作優先順位を示す図である。
【0104】
なお、この説明において、基板Wの取り出しのためのオープナを「送りオープナ」と呼び、基板Wの収納のためのオープナを「戻りオープナ」と呼ぶ。
【0105】
外部搬送機構OHTによって、フープF1が例えば入力ポートIP1に搬送される(ステップS01)。基板処理装置1は、工場のホストコンピュータからフープF1に収納されている基板Wに対して処理を実行することの指示を受ける(ステップS02)。
【0106】
基板処理装置1の制御部71は、入力ポートIP1のフープF1を、2つの送りオープナ5A,5Bの一方に搬送できるか否かを判定する(ステップS03)。この判定において、各々のオープナ5A,5BにフープFが載置されているか否かは、スケジュール管理ソフト(スケジューラ)で管理されたフープFの現在位置により、または、送りオープナ5A,5Bの各々の載置台12に設けられた例えば光学式センサの情報による。このような判定方法は、2つの戻りオープナ5C,5Dおよび棚61の場合も同様である。スケジュール管理ソフトは、基板処理装置1の制御部71で実行される。
【0107】
判定の結果、2つの送りオープナ5A,5Bのどちらか一方に搬送できる場合はステップS04に進み、搬送できない場合は、ステップS05に進む。
【0108】
ステップS04において、制御部71は、更に、送りオープナ5A,5Bの両方にフープFが配置されていない場合、戻りオープナ5C,5Dの少なくとも一方にフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4の全てにフープF(空フープを含む)が載置されていない場合を全て満たすか否かを判定する。判定の結果、前述の条件を全て満たす場合(例えば、後述する
図13(a)、
図13(b)および
図17(c)参照)は、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から、送りオープナ5A,5Bではなく、フープFが載置されていない搬送可能な戻りオープナ(例えば、5C)にフープF1を搬送する(ステップS06)。なお、基板処理装置1のスケジューラ、およびフープバッファ装置4の動作優先順位(
図12参照)により、フープF1は送りオープナ5A(5B)に搬送され、全ての基板Wが取り出された後、戻りオープナ5C(5D)に搬送されるように予め設定されている。
【0109】
また、ステップS04の判定の結果、条件の少なくとも1つを満たさない場合は、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から送りオープナ5A,5Bのうちの搬送できる方にフープF1を搬送する(ステップS07)。
【0110】
一方、ステップS03において、送りオープナ5A,5Bの両方に他のフープFが載置されており、フープF1を搬送できない場合は、制御部71は、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の一方にフープF1を搬送できるか否か、かつフープF1を搬送するか否かを判定する(ステップS05)。2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の両方に他のフープFが載置されている場合は搬送できないので、入力ポートIP1でフープF1を待機させる。また、制御部71が搬送しないと判定した場合も入力ポートIP1でフープF1を待機させる。搬送可能であり、かつ制御部71が搬送すると判定した場合、フープ搬送機構62は、2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2の一方にフープF1を搬送する(ステップS08)。
【0111】
フープF1が戻りオープナ5C,5Dの一方に載置された場合、ステップS09Aにおいて、フープF1から基板Wが取り出され、取り出された基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。通常、2つの戻りオープナ5C,5DはフープFに基板Wを収納するために用いられる。しかしながら、基板Wを滞りなく搬送できる場合(前述のステップS04の条件を満たす場合)は、戻りオープナ5C,5Dの一方に載置された未処理基板フープFから処理前の基板Wを取り出す。これにより、処理済の基板Wを全て収納するまでの間、例えば、オープナ5Cに載置されたフープF1を移動させずにそのまま置いておくことができる(ステップS10)。そのため、フープ搬送機構62は、他のフープFを搬送することができるので、フープFの搬送効率を向上させることができる。
【0112】
一方、フープF1が送りオープナ5A,5Bの一方に載置された場合、ステップS09Bにおいて、フープF1から基板Wが取り出されて、取り出された基板Wは、基板バッファ部7に搬送される。第1基板搬送機構6AがフープF1から基板Wを全て取り出した後、空になったフープF1は、送りオープナ5Aから4つの空フープ棚EB1~EB4のいずれかに搬送される(ステップS11)。例えば、処理ブロック3で処理された最初の基板Wが基板バッファ部7に戻ってきたタイミングで、4つの空フープ棚EB1~EB4のいずれかから2つの戻りオープナ5C,5Dの搬送可能な一方にフープF1が搬送される(ステップS12)。なお、ステップS09Bで空になったフープF1は、4つの空フープ棚EB1~EB4を介さずに、直接戻りオープナ5C,5Dの一方に搬送してもよい。
【0113】
ステップS13において、第2基板搬送機構6Bは、例えば戻りオープナ5Cに載置された空フープF1に処理済の基板Wを収納する。すなわち、基板バッファ部7に戻された処理済の基板Wを空フープF1に搬送する。空フープF1に全ての基板Wが収納された場合において、予めホストコンピュータから出力の指示があった場合(FIFO(first-in first-out)の動作優先順位に変更があった場合)、処理済の基板Wを収納したフープF1を2つの出力ポートOP1,OP2の一方に搬送する(ステップS14,S15)。
【0114】
ホストコンピュータから出力の指示がなかった場合、制御部71は、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方にフープF1が搬送できるか否か、かつフープF1を搬送するか否かを判定する(ステップS16)。搬送できない場合または、制御部71が搬送しないと判定した場合は、フープF1を戻りオープナ5Cに待機させ、搬送可能であり、かつ制御部71が搬送すると判定した場合、フープ搬送機構62は戻りオープナ5Cから2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方にフープF1を搬送する(ステップS17)。
【0115】
処理済基板フープ棚OB1(OB2)に搬送されたフープF1は、FIFOの動作優先順位により、2つの出力ポートOP1,OP2の一方に搬送される(ステップS15)。出力ポートOP1(OP2)に搬送されたフープF1は、外部搬送機構OHTによって、出力ポートOP1(OP2)から次の装置に向けて搬送される。
【0116】
図12は、フープバッファ装置4の動作優先順位を示す図である。この
図12のように、下流側の戻り動作が上流側の送り動作よりも優先して行われる。
図11に示す符号P1~P6は、
図12に示す優先1~優先6にそれぞれ対応する。フープFの処理開始の順番(優先順位)、および装置1からの出力の順番はホストコンピュータの指示によって行われ、基本的には、FIFO(first-in first-out)で行われる。なお、
図12に示す動作優先順位は、フープ搬送機構62が単一の把持部のみを有する場合、あるいは、フープ搬送機構62が複数の把持部を有していても上述の2つの把持部65A,65Bによる置き換え動作をせずに1つの把持部でフープFを搬送する場合に適用される。そのため、本実施例のように、4つのオープナ5A~5Dにおける置き換え動作の場合は、例えば優先順位が逆になり、
図12に示す動作優先順位は、適用されない。
【0117】
〔フープバッファ装置4の動作例2〕
次に、複数のフープFを搬送する場合の動作例を説明する。なお、この搬送は、
図11に示すフローチャートの動作が適用され、
図12に示す動作優先順位が一部適用される。
【0118】
外部搬送機構OHTは、複数のフープFを順番に供給する。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポートIP1,IP2のいずれにも搬送できない場合を除き、2つの入力ポートIP1,IP2の一方にフープFを搬送する。なお、外部搬送機構OHTから入力ポートIP1,IP2の一方にフープFが搬送された順番に番号が付けられる。例えば2番目のフープFは「F2」として示され、5番目のフープFは「F5」として示される。
図13(a)~13(d)などにおいて、図示の都合により、例えばフープF1は、「1」として示される。
【0119】
図13(a)において、入力ポートIP1にはフープF1が搬送され、入力ポートIP2にはフープF2が搬送される。フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から戻りオープナ5CへフープF1を搬送する(優先5)。
【0120】
図13(b)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から戻りオープナ5DへフープF2を搬送する(優先5)。入力ポートIP1は、外部搬送機構OHTからフープF3を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から基板Wの取り出しを開始する。基板Wの搬送は、フープFの搬送と並行して行われる。
【0121】
図13(c)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から送りオープナ5AへフープF3を搬送する(優先5)。入力ポートIP2は、外部搬送機構OHTからフープF4を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から引き続き基板Wを取り出す。なお、第2基板搬送機構6BがフープF1から基板Wを取り出している途中であるので、フープF2は、取り出し待ちの状態である。
【0122】
図13(d)において、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から送りオープナ5BへフープF4を搬送する(優先5)。入力ポートIP1は、外部搬送機構OHTからフープF5を受け取る。第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2から基板Wの取り出しを開始する。戻りオープナ5Cに載置されたフープF1に収納されていた基板Wは、処理ブロック3による処理の後に基板バッファ部7に一番先に戻ってくることが制御部71により実行されるスケジュール管理ソフトでわかっている(計算されている)。そのため、基板Wが全て取り出されて空になったフープF1は、戻りオープナ5Cにそのまま置かれる。
【0123】
なお、「フープF1」、「フープF2」、「フープF3」、「フープF4」の順番で処理ブロック3による処理が行われる予定であり、また、第2基板搬送機構6BがフープF2から基板Wを取り出している途中である。そのため、フープF3は、取り出し待ちの状態である。
【0124】
図14(a)において、4つのオープナ5A~5Dが4つのフープF1~F4で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF5を搬送する(優先6)。同じ理由により、入力ポートIP2が外部搬送機構OHTからフープF6を受け取った後、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から未処理基板フープ棚IB2にフープF6を搬送する(優先6)。
【0125】
図14(b)において、2つの入力ポートIP1,IP2は、外部搬送機構OHTからフープF7,F8を受け取る。4つのオープナ5A~5Dおよび2つの未処理基板フープ棚IB1,IB2が6つのフープF1~F6で埋まっている。そのため、フープバッファ装置4にこれ以上のフープFを受け入れることができない。これにより、外部搬送機構OHTは、2つの入力ポートIP1,IP2の一方が搬送可能になるまで、フープFの供給を停止する。
【0126】
第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF3から基板Wの取り出しを開始する。戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に収納されていた基板Wは、処理ブロック3による処理の後に基板バッファ部7にフープ単位で2番目に戻ってくることが制御部71により実行されるスケジュール管理ソフトでわかっている。そのため、基板Wが全て取り出されて空になったフープF2は、戻りオープナ5Dにそのまま置かれる。
【0127】
図14(c)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF3から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF4から基板Wの取り出しを開始する。基板処理装置1は継続的に処理を行うため、空になったフープF3を送りオープナ5Aから空フープ棚EB1に搬送し、未処理基板フープ棚IB1に載置されたフープF5を送りオープナ5Aに搬送する。
【0128】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB1のフープF5を把持し、未処理基板フープ棚IB1からフープF5を移動させる。下側の把持部65Bは、フープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Aにおいて、空になったフープF3をフープF5に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Aの空になったフープF3を把持し、送りオープナ5AからフープF3を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5AにフープF5を置く。フープF5を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF3を空フープ棚EB1に置く。
【0129】
図14(d)において、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF5,F4で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF7を搬送する(優先6)。
【0130】
図15(a)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF4から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF5から基板Wの取り出しを開始する。基板処理装置1は継続的に処理を行うため、空になったフープF4を送りオープナ5Bから空フープ棚EB2に搬送し、未処理基板フープ棚IB2に載置されたフープF6をオープナ5Dに搬送する。
【0131】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB2のフープF6を把持し、未処理基板フープ棚IB2からフープF6を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Bにおいて、空になったフープF4をフープF6に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Bの空になったフープF4を把持し、送りオープナ5BからフープF4を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5BにフープF6を置く。フープF6を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF4を空フープ棚EB2に置く。
【0132】
図15(b)において、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF5,F6で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP2から未処理基板フープ棚IB2にフープF8を搬送する(優先6)。
【0133】
図15(c)において、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Aに載置されたフープF5から全ての基板Wの取り出しを終了する。その後、第1基板搬送機構6Aは、送りオープナ5Bに載置されたフープF6から基板Wの取り出しを開始する。また、フープ搬送機構62は、空のフープF5を空フープ棚EB3に搬送する。
【0134】
フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより未処理基板フープ棚IB1のフープF7を把持し、未処理基板フープ棚IB1からフープF7を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、送りオープナ5Aにおいて、空になったフープF5をフープF7に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより送りオープナ5Aの空になったフープF5を把持し、送りオープナ5AからフープF5を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより送りオープナ5AにフープF7を置く。フープF7を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより空になったフープF5を空フープ棚EB3に置く。入力ポートIP2は、外部搬送機構OHTからフープF10を受け取る。
【0135】
なお、
図13(d)において、フープF1から全ての基板Wの取り出しが終了する。取り出された基板Wは、基板バッファ部7を介して、処理ブロック3に送られる。処理ブロック3は、基板Wに対して所定の処理を行う。処理ブロック3により所定の処理が行われた処理済の基板Wは、第3基板搬送機構33により、基板バッファ部7に戻される。第2基板搬送機構6Bは、基板バッファ部7に戻された基板WをフープF1に収納する。
【0136】
図15(d)において、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Cに載置されたフープF1に処理済の基板Wを全て収納する。その後、第2基板搬送機構6Bは、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に基板Wの収納を開始する。その後、仮に、戻りオープナ5Dに載置されたフープF2に処理済の基板Wが全て収納された場合、戻りオープナ5Cに載置されるフープF3に処理済の基板Wの収納を開始する。
【0137】
フープ搬送機構62は、処理済のフープF1を出力ポートOP1に搬送する。フープ搬送機構62は、まず、上側の把持部65Aにより空フープ棚EB1に載置された空フープF3を把持し、空フープ棚EB1から空フープF3を移動させる。下側の把持部65Bは、いずれのフープFを把持していない状態である。その後、フープ搬送機構62は、戻りオープナ5Cにおいて、処理済の基板Wが収納されたフープF1を空フープF3に置き換える。具体的には、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより戻りオープナ5CのフープF1を把持し、戻りオープナ5CからフープF1を移動させる。その後、フープ搬送機構62は、上側の把持部65Aにより戻りオープナ5Cに空フープF3を置く。空フープF3を置いた後、フープ搬送機構62は、下側の把持部65Bにより処理済のフープF1を出力ポートOP1に置く。
【0138】
また、2つの送りオープナ5A,5Bが2つのフープF7,F6で埋まっているので、フープ搬送機構62は、入力ポートIP1から未処理基板フープ棚IB1にフープF9を搬送する(優先6)。
【0139】
図16において、出力ポートOP1に載置されたフープF1は、外部搬送機構OHTにより、出力ポートOP1から搬送される。
【0140】
また、
図16に示す状態の後の
図17(a)において、処理済の基板Wが収納されたフープF4が2つの出力ポートOP1,OP2のいずれにも搬送できない場合は、フープ搬送機構62は、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方(例えば符号OB1)に戻りオープナ5DからフープF4を搬送する。なお、この際、フープ搬送の効率化のために、フープ搬送機構62は、戻りオープナ5Dにおいて、2つの把持部65A,65Bを用いて、フープF4を空フープF6に置き換えている。
【0141】
更に、
図17(a)に示す状態の後の
図17(b)において、処理済の基板Wが収納されたフープF6が2つの出力ポートOP1,OP2および2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2のいずれにも搬送できない場合は、これ以上搬送できない。そのため、2つの処理済基板フープ棚OB1,OB2の一方が空いた場合、あるいは、2つの出力ポートOP1,OP2の一方が空き、フープF4,F5よりも順番が優先される場合になるまで、戻りオープナ5Dにおいて、フープF6は待機される。
【0142】
更に、
図17(b)に示す状態から時間が経過し、入力ポートIP2がフープF16を受け取ったとき、送りオープナ5A,5Bではなく、戻りオープナ5DにフープF16を搬送すると、フープ搬送が効率化される。すなわち、
図17(c)に示すように、2つの送りオープナ5A,5Bの両方にフープFが載置されていない場合、2つの戻りオープナ5C,5DのいずれかにフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4の全てにフープFが載置されていない場合を全て満たすときに、フープ搬送機構62は、フープFが載置されていない2つの戻りオープナ5C,5Dの一方(
図17(c)では戻りオープナ5D)にフープF16を搬送する。この場合、例えば、戻りオープナ5Cに載置されたフープF15に処理済の基板Wが全て収納された後、戻りオープナ5Dから基板Wの取り出しを開始する。
【0143】
本実施例によれば、第1基板搬送機構6Aおよび第2基板搬送機構6Bは各々、横方向に配置された例えば2つのオープナ5A,5Cではなく、上下方向に配置された例えば2つのオープナ5A,5Bに各々載置されたフープFに関する基板Wの搬送を行う。そのため、オープナを増やした場合であっても、進退可能なハンド21を横方向にスライド移動させず、昇降および回転によって基板Wが搬送されるので、基板Wの搬送をシンプルに行うことができる。したがって、基板搬送の待機時間を減少することができると共に、基板搬送効率の低下を防止することができる。その結果、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0144】
また、第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9の例えばオープナ5Aに載置されたフープFから全ての基板を取り出した後、第1オープナ列9のオープナ5Bに載置された他のフープFから基板Wを取り出す。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10のオープナ5Cに載置されたフープFに全ての基板を収納した後、第2オープナ列10のオープナ5Dに載置された他のフープFに基板Wを収納する。
【0145】
これにより、第1基板搬送機構6Aは、フープFから全ての基板Wを取り出した後、他のフープFから基板Wを取り出すことができる。また、第2基板搬送機構6Bは、フープFに全ての基板Wを収納した後、他のフープFに基板Wを収納することができる。
【0146】
また、基板処理装置1は、第1オープナ列9および第2オープナ列10を挟んで第1基板搬送機構6Aおよび第2基板搬送機構6Bの反対側に設けられ、フープFを搬送するフープ搬送機構62を備えている。フープ搬送機構62は、第1基板搬送機構6AによってフープFから全ての基板Wを取り出した後のフープFを、基板Wが収納された他のフープFに置き換える。また、フープ搬送機構62は、第2基板搬送機構6BによってフープFに全ての基板Wを収納した後のフープFを、基板Wが収納されていない他のフープF(空フープ)に置き換える。
【0147】
例えば2つのオープナ5C,5Dが上下方向に配置されていると、例えば上側のオープナ5Cに操作者の手が届かないために、上側のオープナ5Cに対してフープFの置き換えをすることが操作者にとって難しい場合がある。しかしながら、フープ搬送機構62がフープFの搬送を行うので、フープFの搬送が容易になる。また、フープFから全ての基板Wを取り出した後のフープFを基板Wが収納された他のフープFに置き換えるので、基板処理装置1内により多くの未処理の基板Wを供給することができる。更に、フープFに全ての基板Wを収納した後のフープFを、基板Wが収納されていない他のフープF(空フープ)に置き換えるので、処理ブロック3による処理が終わった、多くの処理済の基板WをフープFに戻すことができる。
【0148】
また、フープバッファ装置4は、空フープFを載置することが可能な4つの空フープ棚EB1~EB4を備えている。第1オープナ列9の2つのオープナ5A,5Bの全てにフープFが載置されていない場合、第2オープナ列10の2つのオープナ5C,5Dの少なくともいずれかのオープナにフープFが載置されていない場合、および4つの空フープ棚EB1~EB4の全てにフープFが載置されていない場合の全てを満たすとき、フープ搬送機構62は、第2オープナ列10におけるフープFが載置されていない例えばオープナ5Cに特定フープFを搬送する。第2基板搬送機構6Bは、特定フープFから基板Wを取り出し、その後、処理ブロック3で処理された処理済の基板Wを特定フープFに収納する。フープ搬送機構62は、第2基板搬送機構6Bにより特定フープFから基板Wを全て取り出してから特定フープFに処理済の全ての基板Wを収納するまでの間、特定フープFの載置位置(オープナ5C)に特定フープFを留めさせる。
【0149】
通常、第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10の例えばオープナ5Cに載置されたフープFに基板Wを収納するように設定されている。しかしながら、所定の条件を満たす場合に、第2基板搬送機構6Bは、特定フープFから基板Wを取り出し、その後、処理済の基板Wを特定フープFに収納する。すなわち、第2基板搬送機構6Bは、通常の基板搬送動作と異なる動作を行う。これにより、特定フープFから基板Wを全て取り出してから全ての基板Wを収納するまで、特定フープFを載置位置(例えば戻りオープナ5C)に留めさせることができる。そのため、フープ搬送機構62は、特定フープF以外のフープFを搬送できるので、フープFの搬送効率を向上させることができる。その結果、フープFの搬送待ちが低減されるので、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0150】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0151】
(1)上述した実施例において、第1基板搬送機構6A、第2基板搬送機構6B、および処理ブロック3の第3基板搬送機構33は、各々が有するハンドを基板バッファ部7に同時に進入させることを組み込みながら、各々の基板搬送を行ってもよい。第1基板搬送機構6A、第2基板搬送機構6B、および処理ブロック3の第3基板搬送機構33の各々の基板搬送において、各々のハンド21,41が同時に進入して、基板Wを置いたり、基板Wを受け取ったりする。これにより、他のハンドが基板バッファ部7に進入して後退する時間を待たなくてもよいので、基板Wの搬送効率を向上させることができる。その結果、基板処理のスループットを向上させることができる。
【0152】
すなわち、第1基板搬送機構6A、第2基板搬送機構6B、および第3基板搬送機構33が各々の基板搬送を行う中で、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21、第3基板搬送機構33の1つのハンド41が基板バッファ部7に同時に進入する場合があってもよい。なお、それらのハンド21,41が毎回、同時に進入するのではない。
【0153】
図18(a)において、例えば、送りバッファ部SBF1に2枚の基板Wを搬送するために、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21A,21Bが基板バッファ部7に進入しているとする。これと同時に、戻りバッファ部RBF1から2枚の基板Wを搬送するために、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21A,21Bが基板バッファ部7に進入してもよい。また、送りバッファ部SBF1から1枚の基板Wを搬送する(受け取る)ために、第3基板搬送機構33の1つのハンド41が基板バッファ部7に進入してもよい。
【0154】
同様に、
図18(b)において、例えば、送りバッファ部SBF1に2枚の基板Wを搬送するために、第1基板搬送機構6Aの2つのハンド21A,21Bが基板バッファ部7に進入しているとする。これと同時に、戻りバッファ部RBF1から2枚の基板Wを搬送するために、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21A,21Bが基板バッファ部7に進入してもよい。また、戻りバッファ部RBF1に1枚の基板Wを搬送する(引き渡す)ために、第3基板搬送機構33の1つのハンド41が基板バッファ部7に進入してもよい。
【0155】
また、
図1において、基板バッファ部7には、第1基板搬送機構6Aの2つハンド21(
図2参照)と、第2基板搬送機構6Bの2つのハンド21とに加え、4つの第3基板搬送機構の4つのハンド41(すなわち合計8つのハンド)が同時に進入してもよい。なお、例えば、制御部71は、各進退駆動部23、42の位置情報に基づき、ハンド21,41が互いに干渉しないように制御する。
【0156】
(2)上述した実施例および変形例(1)では、処理ブロック3は、4つの塗布処理層31A~31Dを備えていたが、2つ以上の塗布処理層を備えていてもよい。また、処理ブロック3は、4つの塗布処理層31A~31Dに代えて、現像液を基板Wに供給して現像処理する4つの現像処理層を備えていてもよい。
【0157】
(3)上述した実施例および各変形例では、基板処理装置1は、4つの塗布処理層31A~31Dを有する処理ブロック3を備えていた。この点、例えば、
図19に示すように、基板処理装置1は、塗布ブロック91、現像ブロック92、およびインターフェースブロック93を備えていてもよい。
【0158】
塗布ブロック91は、2層の塗布処理層91A,91Bを備えている。2層の塗布処理層91A,91Bは各々、1つの第3基板搬送装置と、2行×2段の塗布処理部SCと、3行×5段の熱処理部とを備えている。現像ブロック92は、2層の現像処理層92A,92Bを備えている。2層の現像処理層92A,92Bは各々、1つの第3基板搬送装置と、2行×2段の現像処理部SCと、3行×5段の熱処理部とを備えている。インターフェースブロック93は、2つの基板搬送機構と、複数の熱処理部と、複数の洗浄処理部とを備えている。また、インターフェースブロック93は、外部露光装置EXPに対して基板Wの受け渡しを行う。なお、塗布ブロック91と現像ブロック92の配置が逆であってもよい。
【0159】
(4)上述した実施例および各変形例では、第1オープナ列9は2つのオープナ5A,5Bを備え、第2オープナ列10は2つのオープナ5C,5Dを備えていた。この点、第1オープナ列9および第2オープナ列10は各々、3つ以上のオープナを備えていてもよい。この際、シャッタ16が上下方向に移動させずに、シャッタ16を左右方向(Y方向)に移動させてもよい。これにより、3つ以上のオープナを上下方向に配置してもインデクサブロックの高さを抑えることができる。
【0160】
例えば、第1オープナ列9は、3つのオープナ5A,5B,5Eを備えているとする。この場合、第1基板搬送機構6Aは、「オープナ5A」、「オープナ5B」、「オープナ5E」の順番で循環するようにフープ単位で基板Wを取り出すようにしてもよい。
【0161】
(5)上述した実施例および各変形例では、2つのオープナ5A,5Bが送りオープナとして用いられ、2つのオープナ5C,5Dが戻りオープナとして用いられたが、役割が逆であってもよい。すなわち、2つのオープナ5C,5Dが送りオープナとして用いられ、2つのオープナ5A,5Bが戻りオープナとして用いられてもよい。この場合、
図13(a)、
図13(b)において、フープF1,F2は、それぞれ戻りオープナ5A,5Bに搬送されて、順番に基板Wが取り出される。
【0162】
(6)上述した実施例および各変形例では、2つのオープナ5A,5Bが送りオープナとして用いられ、2つのオープナ5C,5Dが戻りオープナとして用いられた。この点、4つのオープナ5A~5Dは、送りオープナおよび戻りオープナとして用いられてもよい。
【0163】
この場合であっても、第1基板搬送機構6Aは、第1オープナ列9の例えばオープナ5Aに載置されたフープFについて全ての基板Wを搬送した後、第1オープナ列9のオープナ5Bに載置された他のフープFについて基板Wの搬送を行う。第2基板搬送機構6Bは、第2オープナ列10のオープナ5Cに載置されたフープFについて全ての基板Wを搬送した後、第2オープナ列10のオープナ5Dに載置されたフープFについて基板Wの搬送を行う。
【0164】
これにより、第1基板搬送機構6Aおよび第2基板搬送機構6Bは各々、フープFについて全ての基板Wを搬送した後、他のフープFについて基板Wの搬送を行うことができる。
【0165】
(7)上述した実施例および各変形例では、
図11において、ステップS03の判定をした後に、ステップS04の判定を行った。この点、ステップS04の判定の後に、ステップS03の判定を行ってもよい。この際、ステップS04の判定で、全て満たされる場合(YES)にステップS06に進み、全てを満たさない場合(NO)にステップS03に進む。そして、ステップS03の判定で、搬送できると判定された場合(YES)にステップS07に進み、搬送できないと判定された場合(NO)にステップS05に進む。なお、この変形例の場合、ステップS08から戻される矢印は、ステップS04,S03の順番の判定を行わせるために、ステップS04の手前の状態に戻されてもよい。
【符号の説明】
【0166】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサブロック(IDブロック)
3 … 処理ブロック
4 … フープバッファ装置
5A~5D … オープナ
6A,6B … 第1基板搬送機構、第2基板搬送機構
7 … 基板バッファ部
SBF1~SBF4 … 送りバッファ部
RBF1~RBF4 … 戻りバッファ部
9 … 第1オープナ列
10 … 第2オープナ列
21(21A,21B) … ハンド
23 … 進退駆動部
25 … 昇降回転駆動部
31A~31D … 塗布処理層
33 … 第3基板搬送機構
34 … 搬送スペース
SC … 塗布処理部
41 … ハンド
61 … 棚
62 … フープ搬送機構
71 … 制御部
F … フープ
EB1~EB4 … 空フープ棚