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特許7300862遮熱アセンブリ、及び遮熱アセンブリの航空機への取り付け
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】遮熱アセンブリ、及び遮熱アセンブリの航空機への取り付け
(51)【国際特許分類】
   B64D 33/00 20060101AFI20230623BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20230623BHJP
   B64C 1/40 20060101ALI20230623BHJP
   B64D 29/02 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B64D33/00 Z
B64C1/00 B
B64C1/40
B64D29/02
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019056477
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2019202754
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】15/940,898
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, ローウェル ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, マイケル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ステファノビッチ, ミラン
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0144732(US,A1)
【文献】特開昭62-041490(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0032662(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02983172(FR,A1)
【文献】米国特許第04717094(US,A)
【文献】特開2017-206230(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0095443(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0057140(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/00
B64D 29/02
B64D 33/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮熱アセンブリであって、
部片(905)と下部片(910)とが結合したフレキシブル部材(205)であって前記上部片が、前記フレキシブル部材の前端から前記フレキシブル部材の後端まで長手方向に延在する複数の隆起部(935)及び複数の窪み部(940)を含む、フレキシブル部材(205)、
前記フレキシブル部材上に配置された複数のフレーム部材(210A~F)、及び
前記遮熱アセンブリを飛行機のストラット(115)に直接取り付けるように構成された複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)であって、前記複数の取り付け構造体のそれぞれが、前記複数のフレーム部材のうちの1つの上に配置されている、複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)
を備えている遮熱アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの後方部分においてフレキシブルな取り付け台(235A~D)を備えている、請求項1に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項3】
各フレキシブルな取り付け台が、前記遮熱アセンブリの温度の変化に反応して、第1の位置から第2の位置へと回転するように構成されている、請求項2に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの前方部分においてピボット取り付け台(230A~D)を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項5】
各ピボット取り付け台が、前記長手方向において前記複数のフレーム部材のうちのそれぞれに固定的に配設されている、請求項4に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の取り付け構造体が、複数のクレビスフィッティングを備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項7】
前記フレキシブル部材が、1つ又は複数の長手方向補強材を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項8】
前記フレキシブル部材が、セラミックマトリックス複合材を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項9】
前記上部片が、第1の単一連続片であり、前記下部片が、第2の単一連続片である、請求項1から8のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項10】
前記複数の隆起部のそれぞれの上に孔(950)が画定されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項11】
前記複数の隆起部のうちの第1の隆起部と前記複数の窪み部のうちの第1の窪み部との間の傾斜部分上に空気取入口(955)が画定されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項12】
前記遮熱アセンブリの上方部分において可燃性流体閉じ込め空間を画定するために、前記複数のフレーム部材に連結された長手方向パネル(220)をさらに備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリを備えた航空機であって、
翼(105)、
エンジン(110)、及び
前記エンジンを前記翼に連結する前記ストラット
を備え、前記フレキシブル部材の上面が、前記ストラットに面し、且つ
前記フレキシブル部材の底面が、前記エンジンに面する、航空機。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の遮熱アセンブリの形状を判定する方法であって、
前記遮熱アセンブリの第1の形状を設けること(1205)と、
少なくとも前記第1の形状の有限要素モデル(FEM)を生成すること(1210)と、
前記第1の形状の表面に関連付けられるFEMの一部に熱負荷を印加すること(1215)と、
前記印加に基づいて、複数の形状のそれぞれのずれを判定すること(1225)と、
少なくとも前記ずれに基づいて、形状変化を判定すること(1235)と、
前記形状変化に基づいて、前記遮熱アセンブリの前記形状を判定すること(1245)と
を含む、方法。
【請求項15】
方法であって、
遮熱アセンブリ(120)に関連付けられた、複数のフレーム部材(210A~F)を備えるアセンブリ固定具を形成すること(1105)と、
部片(905)と下部片(910)とが結合したフレキシブル部材(205)を、前記アセンブリ固定具に取り付けること(1110)であって前記上部片が、前記フレキシブル部材の前端から前記フレキシブル部材の後端まで長手方向に延在する複数の隆起部(935)及び複数の窪み部(940)を含む、フレキシブル部材(205)を、前記アセンブリ固定具に取り付けること(1110)と、
複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)のそれぞれを前記複数のフレーム部材のうちの1つに配設すること(1115)と、
前記複数の取り付け構造体をストラットの対応する取り付け構造体に取り付けること(1125)と
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、航空機の熱管理の促進に関し、より具体的には、遮熱アセンブリ、及び遮熱アセンブリの航空機への取り付けに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の各エンジンの取り付けパイロン(mounting pylon)は、エンジンを航空機の翼に連結し得る。パイロンは、通常、整流外板(例えば、フェアリング)内に包まれた構造部品(例えば、ストラット(支柱))を含む。取り付けパイロンは、エンジンからの熱排気に近接し得る。場合によっては、熱排気に近接するストラットの少なくとも一領域の上に遮熱部を設けて、ストラットの熱劣化を防止することができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書にさらに記載された様々な実施例によれば、遮熱アセンブリ、及び遮熱アセンブリを航空機のストラットに取り付けることが提供される。遮熱アセンブリは、ストラットに直接取り付けられ得る。遮熱アセンブリは、熱膨張を可能にするために、運動の自由度を有するフレキシブル部材を含み得る。幾つかの態様では、フレキシブル部材は、高温がフレキシブル部材に加えられたときに、フレキシブル部材の表面の少なくとも一部に沿って空気力学上の湾曲形状を維持しながら、1つ又は複数の方向(例えば、フレキシブル部材の幅と長さに沿った方向)において形状を変化させることが可能であるように取り付けされ得る。
【0004】
一実施例によれば、遮熱アセンブリは、フレキシブル部材を含み得る。遮熱アセンブリは、フレキシブル部材上に配置された複数のフレーム部材をさらに含み得る。遮熱アセンブリは、遮熱アセンブリを飛行機のストラットに直接取り付けるように構成された複数の取り付け構造体をさらに含み得る。複数の取り付け構造体は、それぞれ、複数のフレーム部材のうちの1つの上に配置され得る。
【0005】
別の実施例によれば、方法は、遮熱アセンブリに関連付けられたアセンブリ固定具(assembly fixture)を形成することを含み得る。アセンブリ固定具は、複数のフレーム部材を含み得る。当該方法は、フレキシブル部材をアセンブリ固定具に取り付けることをさらに含み得る。当該方法は、複数の取り付け構造体を配設することをさらに含み得、複数の取り付け構造体のそれぞれは、複数のフレーム部材のうちの1つに配設され得る。当該方法は、複数の取り付け構造体をストラットの対応する取り付け構造体に取り付けることをさらに含み得る。本開示の範囲は、参照によりこのセクションに組み込まれる特許請求の範囲によって定義される。以下の1つ又は複数の実施例の詳細な説明を検討することにより、当業者には、本開示の実施例のより完全な理解と、そのさらなる利点の認識が与えられるであろう。これより、添付の図面を参照し、まず簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、航空機の一部の側面図を示す。
図2】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリと、遮熱アセンブリと航空機のストラットとの接続の側面図を示す。
図3】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの斜め上面図を示す。
図4】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの斜め上面図を示す。
図5A】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、第1の温度における遮熱アセンブリの側面図を示す。
図5B】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、第2の温度における遮熱アセンブリの側面図を示す。
図6】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリと、遮熱アセンブリと航空機のストラットとの接続の切り取り図を示す。
図7】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリと、遮熱アセンブリと航空機のストラットとの接続の切り取り図を示す。
図8】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、構造体及びその他の関連付けられる構成要素を取り付けることによって形成されるクレビスフィッティングの拡大図を示す。
図9A】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、フレキシブル部材の上部片を示す。
図9B】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、フレキシブル部材の下部片を示す。
図9C】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、図9Aの上部片及び図9Bの下部片によって形成されたフレキシブル部材を示す。
図10】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、図9Cのフレキシブル部材を通る空気流の例を示す。
図11】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリを航空機のストラットに取り付けるための例示的なプロセスのフロー図を示す。
図12】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの形状を判定するための例示的なプロセスのフロー図を示す。
図13】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの形状を判定し得る例示的な演算装置を示す。
【0007】
本開示の実施例、及びそれらの利点は、下記の詳細な説明を参照することにより最もよく理解される。図面のうちの1つ又は複数に示されている類似の要素を識別するために、類似の参照番号が使用されており、図面の図示事項は、本開示の実施例を示すためのものであって、本開示を限定することを目的としたものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に記載する詳細な説明は、本技術の様々な構成の説明を意図するものであり、本技術を実施することができる構成のみを表すことは意図していない。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明には、対象技術の完全な理解をもたらすことを目的とした具体的な詳細事項が含まれる。しかしながら、当業者には、対象技術は本明細書に記載された具体的な詳細事項に限定されず、1つ又は複数の実施例を用いて実施され得ることは、明確で自明であろう。1つ又は複数の例では、対象技術の概念をあいまいにすることを避けるため、構造及び構成要素をブロック図の形態で示している。対象となる開示の1つ又は複数の実施例は、1つ又は複数の図面と関連付けて例示且つ/又は説明されており、特許請求の範囲に記載されている。
【0009】
1つ又は複数の実施例では、遮熱アセンブリ、及び遮熱アセンブリを航空機のエンジンストラットに取り付けるための方法が提供される。幾つかの実施例では、遮熱アセンブリは、エンジンストラット(例えば、単純にストラットとも呼ばれる)に直接取り付けられる。ストラットは、エンジン(例えば、ジェットエンジン)を航空機の翼に連結し得る。遮熱アセンブリは、フレキシブル部材を含み得る。幾つかの態様では、フレキシブル部材は、運動の自由度を有し、熱膨張を可能にし得る。これに関し、フレキシブル部材は、高温がフレキシブル部材に加えられたときに、フレキシブル部材の表面の少なくとも一部に沿って空気力学上の湾曲形状を維持しながら、1つ又は複数の方向(例えば、フレキシブル部材の幅と長さに沿った方向)において形状を変化させることが可能であるように取り付けされ得る。エンジンの動作中、エンジンの排気ガスからの熱によって高温が印加され得る。
【0010】
幾つかの態様では、フレキシブル部材は、所定の態様で取り付けられ、フレキシブルであり得、それにより、フレキシブル部材は、いかなる構造体も押すことがなく、少なくとも翼とストラットを高温ガス排気から保護するのに適切な熱形状を維持する。このようなフレキシブル部材の幾何学形状は、温度が上昇するにつれて、後方及び側方に成長することが可能であり得る。加熱時に所定の自由度をもつよう取り付けられる配設点を有することにより、このようなフレキシブルが活用され得る。例えば、フレキシブル部材は、長手方向に且つ軸方向に撓んだり、曲がったりするように、自由度を有するように取り付けられてもよい。場合によっては、概して遮熱アセンブリのフレキシビリティの程度、具体的には、フレキシブル部材のフレキシビリティの程度は、分析ツールを用いて、遮熱アセンブリ及びフレキシブル部材の形状を予測することによって、予め判断することができる。一態様では、フレキシブル部材は、遮熱部と呼ばれてもよい。
【0011】
様々な実施例を使用して、後方フェアリングをエンジンストラットと空気力学的且つ構造的に一体化することを促進することができる。ストラットボックスから遮熱アセンブリをエンジン排気の上で支持することにより、翼とエンジンとの間の相対運動の余裕をもたらすことができる。場合によっては、相対運動の余裕を改善することにより、ストラット後方フェアリングのための空気力学上の閉鎖湾曲(closeout curvature)を、さらに前方で開始して、ストラットの後方フェアリングの長さを縮めることができ、それにより、湿った表面領域が減り、抗力及び重量が減る。場合によっては、このような構成により、コストを減らし、整備時のアクセスを改善することができる。
【0012】
図1は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、航空機100の一部の側面図を示す。航空機100は、翼105、エンジン110、ストラット115、及び遮熱アセンブリ120を含む。翼105は、航空機100の胴体に固定的に接続され得る。ストラット115を用いて、エンジン110を翼105に接続することができる。エンジン110は、高バイパスターボファンエンジンなどのジェットエンジンであり得る。エンジン110は、入口側125、及び入口側125から反対側の(例えば、長手方向に反対側の)出口側130を含み得る。エンジン110は、航空機100を前方方向に推進させる排気噴流(図1で矢印Fで示される)を出力し得る。場合によっては、エンジン110の一部は、効率化のためにナセル(図示せず)に包囲され得る。
【0013】
遮熱アセンブリ120は、ストラット115に接続(例えば、直接接続)され得る。一実施例では、図1に示すように、遮熱アセンブリ120は、ストラット115の後方部分に取り付けられ、エンジン110の排気ノズル135、及び関連付けられた排気装置の近くに位置付けされ得る。遮熱アセンブリ120は、ストラット115、翼105、及び排気装置に近いその他の構成要素を遮熱するために、ストラット115上に設けられ、排気の潜在的な高温に起因するこれらの構成要素の熱劣化を防ぐ。幾つかの態様では、遮熱アセンブリ120は、(例えば、排気ガスが超音速に達し得るので)寄生抗力(parasitic drag)を減らしながら、空気流を促進する空気力学的形状を有し得る。一実施例では、遮熱アセンブリを直接取り付けることができるストラットの例は、米国特許第9,896,217号で提供される。これは、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0014】
図2は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリ120と、遮熱アセンブリと航空機のストラット115との接続の側面図を示す。図3図4図5A、及び図5Bは、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリ120のさらなる図面を示す。一例として(図4に示す)、遮熱アセンブリ120の長さLは、50~100インチであり得、遮熱アセンブリ120の幅Wは、10~50インチであり得る。例えば、特定の用途では、遮熱アセンブリ120は、54×13インチ、60×22.5インチ、93×41インチ、又はその他の寸法であり得る。
【0015】
遮熱アセンブリ120は、フレキシブル部材205(例えば、遮熱部とも呼ばれる)、並びにフレーム部材210A、210B、210C、210D、210E、及び210F(以下、210A~F)を含む。フレキシブル部材205は、遮熱アセンブリ120の底壁を形成し得る。フレーム部材210A~210Fは、エンジン110の中心線(図1でCとして示される)と平行な長手方向(例えば、x方向)に沿って離間される。フレーム部材210Aは、遮熱アセンブリ120の前方部分に設けられ得る。例えば、フレキシブル部材205の前端がフレーム部材210Aに連結された状態で、フレーム部材210Aは、遮熱アセンブリ120の前壁を形成し得る。フレーム部材210B、210C、210D、210E、及び210Fは、フレキシブル部材205に又はその上に配置され得る。フレーム部材210C及び210Dは、フレーム部材210Bの上部に積層され得、フレーム部材210Fは、フレーム部材210Eの上部に積層され得る。
【0016】
遮熱アセンブリ120は、遮熱アセンブリ120の側壁を形成する側方パネル215A及び215Bを含み得、これらは、フレキシブル部材205及びフレーム部材210Aと共に、遮熱アセンブリ120の内部空間を画定する。側方パネル215A及び215Bは、フレキシブル部材205及び/又は1つ若しくは複数のフレーム部材210A~Fに連結し得る。例えば、図3に示すように、側方パネル215A及び215Bは、フレキシブル部材205上に配置され得る。例えば、図2図5A、及び図5Bでは、遮熱アセンブリ120の内部構造を示すことができるように、側方パネル215A及び215Bが除外されていることに留意されたい。
【0017】
場合によっては、図2に示すように、遮熱アセンブリ120は、長手方向パネル220(例えば、中間カバーとも呼ばれる)を含み得る。他の場合では、遮熱アセンブリ120は、長手方向パネル220を含まない。長手方向パネル220が含まれる場合、長手方向パネル220は、側方パネル215A及び215Bに連結され得る。長手方向パネル220は、フレーム部材210Bをフレーム部材210C及び210Dから分離し、フレーム部材210Eをフレーム部材210Fから分離し得る。これに関して、フレーム部材210B及び210Eの上面は、長手方向パネル220の下面と直接接触し得、フレーム部材210C、210D、及び210Fの下面は、長手方向パネル220の上面と直接接触し得る。長手方向パネル220は、遮熱アセンブリ120の内部空間を上方空間と下方空間に分けることができる。上方空間は、長手方向パネル220の上方(例えば、図2に示すz方向における上向き方向)の空間を含み得る。場合によっては、長手方向パネル220は、図2から図4図5A、及び図5Bに示す単片ではなく、共に結合される複数の片を使用して形成することができる。
【0018】
上方空間は、可燃性流体閉じ込め空間などの流体閉じ込め空間を設け得る。長手方向パネル220は、高温シール材を用いて、遮熱アセンブリ120の側方パネル215A及び215Bに配設され得、それにより、任意の可燃性流体が、遮熱アセンブリの流体閉じ込め空間内に含まれることになる。したがって、この実施例では、このような流体閉じ込め空間は、遮熱アセンブリに連結された別個の閉じ込め空間としてではなく、遮熱アセンブリ120の構造の一部として(例えば、構造と一体化されて)設けられ得る。
【0019】
遮熱アセンブリ120をストラット115に取り付けることを容易にするために、遮熱アセンブリ120は、取り付け構造体をさらに含む。遮熱アセンブリ120は、前端取り付け構造体230A、230B、230C、及び230D(以下、「230A~D」)、並びに後端取り付け構造体235A、235B、235C、及び235D(以下、235A~D)を含み得る。場合によっては、前端取り付け構造体230A~Dは、遮熱アセンブリ120のための前方ピボット取り付け台の一部であるか、それを含むか、又はその一部であり得る。後端取り付け構造体235A~Dは、遮熱アセンブリ120のための後方フレキシブル取り付け台の一部であるか、それを含むか、又はその一部であり得る。一例として、前端取り付け構造体230A~D、及び後端取り付け構造体235A~Dは、クレビスフィッティング(clevis fittings、U字型取り付け具)を含み得る。
【0020】
場合によっては、カバー(図示せず)をフレーム部材210A、210C、210D、及び210Fの上に位置付けし、遮熱アセンブリ120の内部空間を封入して、その上壁を形成することができる。例えば、遮熱アセンブリ120をストラット115に取り付けることを容易にするために、カバーは、前端取り付け構造体230A~D、後端取り付け構造体235A~D、及び/又は任意の他の取り付け構造体が露出され得る貫通孔を有し得る。場合によっては、カバーは、遮熱アセンブリ120の上壁として設けられない(例えば、長手方向パネル220は、ストラット115の底面に面し、底面に対して露出される)。
【0021】
図4図5A、及び図5Bは、回転矢印405により、後端取り付け構造体235A~Dに関連付けられるフレキシビリティを示す。これに関して、図5A及び図5Bは、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、種々の温度における遮熱アセンブリ120の取り付け構造体を示す。図5A及び図5Bは、それぞれ、(例えば、より低い温度の)冷位置と(例えば、より高い温度の)熱位置における前端取り付け構造体230A~D、及び後端取り付け構造体235A~Dを示す。一実施例では、後端取り付け構造体235A~Dは、フレキシブルであり得、それにより、加えられた熱(例えば、熱排気からの熱)に応じて、角度移動が可能である。前端取り付け構造体230A~Dは、x方向に固定されるピボット取り付け台を設け得る。一例として、後端取り付け構造体235A~Dが、約0°Fから約120°Fの温度範囲にあるとき、後端取り付け構造体235A~Dは、図5Aに示す冷位置にあり得る。後端取り付け構造体235A~Dの角度は、下面205が約500°Fから約1200°Fの温度に上昇するにつれて、冷位置から図5Bに示す熱位置に移行し得る。
【0022】
図6は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリ120と、遮熱アセンブリとストラット115との接続の切り取り図を示す。遮熱アセンブリ120の前端取り付け構造体230A及び230Bには、ストラット115の対応する前端取り付け構造体605を受け入れるクレビスフィッティングを設けられ得る。例えば、前端取り付け構造体230A、230B、及び605は、それぞれ、貫通孔を通過する共通連結構造体(例えば、ボルト)を受け入れ得る貫通孔を有し得る。同様に、遮熱アセンブリ120の前端取り付け構造体230C及び230D(図6に図示せず)は、(例えば、連結構造体を介して)ストラット115の対応する前端取り付け構造体(図示せず)を受け入れ得るクレビスフィッティングを形成し得る。
【0023】
幾つかの態様では、遮熱アセンブリ120の後端取り付け構造体235A~Dの各対には、ストラットの対応する後端取り付け構造体を受け入れるクレビスフィッティングが設けられ得る。一例として、図6では、後端取り付け構造体235A及び235Bは、ストラット115の後端取り付け構造体610Aを受け入れるクレビスフィッティングを形成し得る。例えば、後端取り付け構造体235A、610A、及び235Bは、1つ又は複数の共通連結構造体(例えば、1つ又は複数のボルト)を受け入れ得る貫通孔を有し得る。図6では、後端取り付け構造体235Bは、後端取り付け構造体610A及び610Bによって隠されていることに留意されたい。後端取り付け構造体235B及び235Cは、ストラット115の後端取り付け構造体610Bを受け入れるクレビスフィッティングを形成し得る。後端取り付け構造体235C及び235Dは、ストラット115の後端取り付け構造体610Cを受け入れるクレビスフィッティングを形成し得る。
【0024】
図7は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリ705と、遮熱アセンブリとストラット710との接続の切り取り図を示す。場合によっては、図7で提供される接続は、図6に示す接続の代わりに又は追加として利用されてもよい。遮熱アセンブリ705は、フレキシブル部材715、並びに後端取り付け構造体720A、720B、及び720Cを含む。ストラット710は、後端取り付け構造体725A、725B、及び725Cを含む。一実施例では、遮熱アセンブリ705、ストラット710、及びフレキシブル部材715は、図2の遮熱アセンブリ120、ストラット115、及びフレキシブル部材205であるか、それを含むか、又はその一部であり得る。遮熱アセンブリ705をストラット710に取り付けることを容易にするために、連結構造体730A及び730Bは、遮熱アセンブリ705の後端取り付け構造体720A、720B、及び720Cと、ストラット710の後端取り付け構造体725A、725B、及び725Cとの間に設けられ得る。例えば、連結構造体730Aの第1の端部が、遮熱アセンブリ705の後端取り付け構造体720A及び720Bによって形成されたクレビスフィッティング間に設けられ得、連結構造体730Aの第2の端部が、後端取り付け構造体725A及び725Bによって形成されたクレビスフィッティング間に設けられ得る。遮熱アセンブリ705をストラット710に取り付けることを容易にするために、1つ又は複数のボルトが、連結構造体730Aの第1の端部、並びに後端取り付け構造体720A及び720Bの貫通孔を通して設けられ得、1つ又は複数のボルトが、連結構造体730Aの第2の端部、並びに後端取り付け構造体725A及び725Bの貫通孔を通して設けられ得る。
【0025】
遮熱アセンブリ705は、遮熱アセンブリ705の種々の部分が様々な方向で制限されて、様々な自由度を有するように、制限され得る。例えば、遮熱アセンブリ705は、位置(3)でx、y、及びz方向に固定され得る。位置(2)では、遮熱アセンブリ705は、x及びy方向でのみ制限され得、それにより、遮熱アセンブリ705及び/又はフレキシブル部材715は、ストラット710に影響を与えずに、y方向にフレキシブルに変化し得る。位置(1)(z)では、遮熱アセンブリ705は、z方向にのみ制限され、(3)から(2)への軸の周りの回転が防止される。位置(1)(y)における一方向制限によって、遮熱アセンブリ705が、外部空力負荷に反応して左右に動くことが防止される。このような取り付け構成によって、変形を、剛性配設部を通してストラット710に伝えることなく、遮熱アセンブリ705が形状を変化させることが可能となる。
【0026】
図8は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、取り付け構造体805A及び805B、並びに関連付けられる構成要素によって形成されるクレビスフィッティングの拡大図を示す。図8に示すように、クレビスフィッティングは、構造体810を受け入れることができる。ボルト815は、取り付け構造体805A及び805Bの貫通孔、並びに構造体810を通過して、取り付け構造体805A及び805Bを構造体810にしっかり留めることができる。一実施例では、取り付け構造体805A及び805Bは、遮熱アセンブリ(例えば、遮熱アセンブリ120)に設けられた取り付け構造体の対(例えば、後端取り付け構造体235A及び235B)であってもよい。この実施例では、構造体810は、ストラットによって設けられた取り付け構造体(例えば、後端取り付け構造体610A)、又は、遮熱アセンブリとストラットとの間に設けられた連結構造体(例えば、連結構造体730A)によって設けられ得る。別の実施例では、取り付け構造体805A及び805Bは、ストラットによって設けられ得る。取り付け構造体805A及び805Bは、後端取り付け構造体及び/又は前端取り付け構造体として利用され得る。図6から図8は、ストラットの取り付け構造体を受け入れるための遮熱アセンブリ上のクレビスフィッティングに関連して説明されているが、幾つかの実施例では、クレビスフィッティングは、ストラットに設けられて、遮熱アセンブリの取り付け構造体を受け入れることができる。他の実施例では、他の種類の取り付け構造体が、遮熱アセンブリ及び/又はストラットによって利用され得る。
【0027】
一実施例では、遮熱アセンブリ120は、(例えば、エンジン110の排気ガスからの)高温に曝されたときに、所定の空力形状でフレキシビリティをもちながら、ストラット115に対してごくわずかな相対運動を有するように、ストラット115に取り付けられ得る。これに関して、前端取り付け構造体230A~D、後端取り付け構造体235A~D、及びストラット115の対応する取り付け構造体を使用して、遮熱アセンブリ120をストラット115に取り付けることによって、遮熱アセンブリ120の熱膨張が促進され得る。場合によっては、遮熱アセンブリ120のフレキシブル部材205は、高温に曝されたときに、フレキシブル部材205の表面の少なくとも一部に沿って空気力学上の湾曲形状を維持しながら、形状を変える(例えば、長手方向及び軸方向に曲がったり撓んだりする)ようにしてもよい。
【0028】
図2(及び他の図)に示す、遮熱アセンブリ120及びストラット115の様々な構成要素は、非限定的な実施例として提供されていることに留意されたい。図示の構成要素の全てが必要ではない場合があるが、1つ又は複数の実装形態は、図示されていない追加の構成要素を含み得る。本明細書に提示された請求項の精神及び範囲から逸脱することなく、構成要素の配置及び種類に変更を加えてもよい。追加の構成要素、異なる構成要素、又はより少ない構成要素が提供されてもよい。
【0029】
一例として、フレーム部材210Aは、(例えば、フレキシブル部材205に隣接する)遮熱アセンブリ120の底部から(例えば、ストラット115に面する)遮熱アセンブリ120の上部へと延在する互いに積み重なったフレーム部材として設けられてもよい。別の実施例として、フレーム部材210E及び210Fは、単一のフレーム部材として設けられてもよい。別の実施例として、側方パネル215A及び側方パネル215Bは、それぞれ、単一のパネルとして示されているが、共に連結された複数のパネルとして設けられてもよい。別の実施例として、より少ない又はより多くの取り付け構造体が、ストラット115及び/又は遮熱アセンブリ120に設けられてもよい。
【0030】
フレキシブル部材205、フレーム部材210A~F、側方パネル215A及び215B、長手方向パネル220、前端取り付け構造体230A~D、並びに/又は後端取り付け構造体235A~Dの間の接続は、様々な技法、例えば、溶接によって、且つ/又は機械的ファスナ(例えば、リベット、ナットやボルト等)を用いて、実施され得る。フレキシブル部材205、フレーム部材210A~E、側方パネル215A及び215B、並びに長手方向パネル220などの、遮熱アセンブリ120を形成する様々な構成要素は、遮熱アセンブリの構造的一体性及び/又は遮熱能力をもたらすことができる。
【0031】
遮熱アセンブリ120の様々の構成要素は、セラミックマトリックス複合材(CMC)又は高温に耐え得るチタン若しくは鋼の合金から作製され得る。フレキシブル部材205からさらに離れるにつれて動作温度がさほど厳しくなくなるので、長手方向パネル220、フレーム部材210A~F、並びに取り付け構造体230A~D及び235A~Dは、任意選択的に、アルミニウムなどの低コスト材料から作製されてもよい。
【0032】
図9A図9B、及び図9Cは、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、上部片905、下部片910、及び上部片905と下部片910から形成されたフレキシブル部材900の実施例をそれぞれ示す。一実施例では、フレキシブル部材900は、図2のフレキシブル部材205であるか、それを含むか、又はその一部であり得る。フレキシブル部材900は、上部片905及び下部片910を含む。上部片905は、上面915及び上面920を有する。上面915は、遮熱アセンブリ(例えば、遮熱アセンブリ120)が配設されたストラット(例えば、ストラット115)の下面に面し得る。下部片910は、上面925及び下面930を有する。下面930は、エンジン(例えば、エンジン110)の排気領域に近接し得る。
【0033】
幾つかの態様では、上部片905は、長手方向補強材(例えば、一体型長手方向補強材)を含むように形成され得る。例えば、長手方向補強材915及び935は、上部片905上に設けられ得る。場合によっては、長手方向補強材は、フレキシブル部材900が(例えば、制限されずに)その長さと幅に沿って動く自由を有するように、フレキシブル部材900の長さと幅に沿ってフレキシブル変化が可能になるように取り付けられ得る。フレキシブル部材900が加熱された際にこのようなフレキシブル変化が可能になるように、長手方向補強材は、セラミックマトリックス複合材(CMC)によって形成され得る。一例として、フレキシブル部材900の長さ(例えば、x方向)及び幅(例えば、y方向)は、それぞれ、約4ft及び2ftであってよい。空気が遮熱部に沿って長手方向に流れるにつれて、下部片910の下面930は、形状の歪み(例えば、しわ)を最小限にしたり又はなくしたりしながら、下面930の沿った空気流を容易にする空力表面を設けることができる。横向きの補強材が利用される場合、任意のしわは、左右方向ではなく、長手方向に沿った長さを有し得る。長手方向補強材に加えられ得る高温は、例えば、約1100°Fであり得る。
【0034】
一実施例では、上部片905及び下部片910は、それぞれ、(例えば、共に結合した複数の片ではなく)連続片であり得る。幾つかの態様では、上部片905及び下部片910は、共に結合(例えば、永久に共に結合)されて、フレキシブル部材900を形成する。これらの態様では、上部片905の上面920は、下部片910の上面925に結合(例えば、永久に結合)される。特定の実施例では、フレキシブル部材900を形成するために上部片905が下部片910と連結又は結合したときに、上部片905は下部片910を補強することができる。
【0035】
場合によっては、上部片905及び下部片910は、機械的ファスナを使用せずに共に結合され得る。一例として、上部片905及び下部片910がCMCから形成された場合、上部片905及び下部片910は、共に焼結されることで共に結合され得る。これに関して、上部片905及び下部片910は、別々に形成されて、共に焼結(例えば、又は他の高温溶解)され得る。場合によっては、CMCが下部片910の下面930に対して利用されてもよい。なぜなら、これらが、熱排気が最も直接的に衝突する構成要素であるからである。幾つかの態様では、下部片910のCMCを劣化(例えば、割れ目)させ得るようなさらなる力がかかるのを避けるため、取り付け機構は、下部片910に対して荷重を加えないか、又は最小限の荷重を加える。別の実施例として、上部片905及び下部片910は、チタンから形成されてもよく、又はチタンを含み得る。こうした場合、上部片905及び下部片910は、チタンシートの超塑性成形/拡散接合(SPF-DB)を用いて、共に結合され得る。上部片905及び下部片910は、内部座屈を避けるように熱膨張率(CTE)が適合する限り、高温鋼合金(例えば、 Inconel(登録商標))を含む様々な材料から作製され得る。チタンが上部片905及び下部片910の両方に使用されない場合、機械的締着又は溶接のような拡散接合の代替手段が必要となり得る。
【0036】
幾つかの実施例では、フレキシブル部材900の上部片905及び下部片910のそれぞれを連続片として形成し、フレキシブル部材900を含む遮熱アセンブリ(例えば、遮熱アセンブリ120)をストラット(例えば、ストラット115)に直接取り付ける(例えば、据え付けする)ことにより、間隙がないので、潜在的なガス漏れを軽減することができる。これは、複数片を用いて形成されるフレキシブル部材とは対照的であり、この場合、密封される片同士の間に間隙がある。密封される片同士の間に間隙が依然として存在している場合があり、それにより漏れが生じる恐れがある。このような高温のガス漏れは、遮熱アセンブリ内に侵入し、液圧構成要素及びストラット内のその他の構成要素/装備に達する場合がある。場合によっては、別々の片同士の間の密封は、高温によって時間が経つと劣化し、遮熱部が古くなるにつれて、漏出するガスの量を増大させることがある。
【0037】
上部片905は、(例えば、隆起部及び窪み部を有する)縦溝付き表面を設けることができ、下部片910は、空力表面を設け、空気流を促進し得る。例えば、縦溝付き表面は、隆起部935、窪み部940、及び隆起部935と窪み部940との間の傾斜部分945を設け得る。縦溝は、加熱時にフレキシブル部材の膨張を可能としながら、空力形状を保持するのに必要な長手方向補強材を形成する。開口950が、隆起部935上で画定され得る。場合によっては、図9Aに示すように、上部片905は、空気取入口955などの空気取入口を含み得る。開口950及び空気取入口955は、上部片905の厚さ全体を通して延びる穿孔であり得る。他の実施例では、空気取入口は含まれない。
【0038】
図10は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、図9Cのフレキシブル部材900を通る空気流の例を示す。空気取入口955は、ファン流ストリームと整列し得る。それにより、圧力をフレキシブル部材900内に加え、フレキシブル部材900の後下方部分に位置する開口(開口1005及び/又は開口950など)を通して空気を逃がす。この少量の空気は、フレキシブル部材900を含む遮熱アセンブリの内部を冷却する自然の対流性流れであり、フレキシブル部材900の上と遮熱アセンブリの上にある構成要素に対してより優れた熱保護をもたらす。
【0039】
図11は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリを航空機のストラットに取り付けるための例示的なプロセス1100のフロー図を示す。説明を目的として、本明細書では、図2の遮熱アセンブリ120及びストラット115を参照して、例示的なプロセス1100が説明されているが、例示的なプロセス1100は、図2の遮熱アセンブリ120及びストラット115に限定されない。1つ又は複数の工程が、所望に応じて、組み合わされたり、省略されたり、且つ/又は異なる順序で実施されたりすることが可能であることに留意されたい。
【0040】
ブロック1105では、遮熱アセンブリ120の構成要素が形成される。ブロック1110では、アセンブリを形成するために、フレーム部材210A~F、側方パネル215A及び215B、長手方向パネル220、並びに/又は他の構成要素が提供され、適切に共に連結され得る。例えば、フレーム部材210A~F、側方パネル215A及び215B、並びに/又は長手方向パネル220の間の接続は、様々な技法、例えば、溶接によって、且つ/又は機械的ファスナ(例えば、リベット、ナットやボルト等)を用いて、実施され得る。ブロック1115では、前端取り付け構造体230A~D、及び後端取り付け構造体235A~Dが配設される。例えば、前端取り付け構造体230A及び230Bは、フレーム部材210Cに配設され得、前端取り付け構造体230C及び230Dは、フレーム部材210Dに配設され得、後端取り付け構造体235A~Dは、フレーム部材210Fに配設され得る。
【0041】
ブロック1120では、遮熱アセンブリ120内で画定された流体閉じ込め空間によって形成されたドレンパンに流体密封シール材が設けられる。場合によっては、長手方向パネル220は、高温シール材を用いて、遮熱アセンブリ120の側方パネル215A及び215Bに配設されてもよく、それにより、任意の可燃性流体が、遮熱アセンブリ120の流体閉じ込め空間内に含まれることになる。遮熱アセンブリ120は、ブロック1105、1110、1115、及び1120を実行することによって形成される。ブロック1125では、遮熱アセンブリ120がストラット115に取り付けられる。場合によっては、遮熱アセンブリ120をストラット115に取り付ける前に、ストラット115が航空機100(例えば、航空機100の翼105及びエンジン110)上に取り付けられる。ブロック1130では、一体型フレームを有する側方アクセスパネルが、航空機100上に据え付けられる。
【0042】
図12は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの形状を判定するための例示的なプロセス1200のフロー図を示す。1つ又は複数の工程が、所望に応じて、組み合わされたり、省略されたり、且つ/又は異なる順序で実施されたりすることが可能であることに留意されたい。プロセス1200は、当業者によって理解されるように、例えば、ソフトウェアを用いて実行され得る。このようなソフトウェアは、一般的な又はカスタムな設定及び/又はスクリプトを用いる有限要素解析ソフトウェアを含み得る。
【0043】
ブロック1205では、遮熱アセンブリの望まれる動作形状が設けられる。望まれる動作形状により、遮熱アセンブリ(例えば、遮熱アセンブリ120)の初期定義を設定することができる。ブロック1210では、遮熱アセンブリの設定された動作形状の有限要素モデル(FEM)が生成される。ブロック1215では、熱負荷が、遮熱アセンブリの表面、及び任意の周囲構造体(例えば、ストラット)に加えられる。ブロック1220では、許容可能な形状が、変数としてFEMに適用される。
【0044】
ブロック1225では、所望の形状からのずれの測定値が決定される。このずれは、熱負荷に起因する相対的変位であり得る。ブロック1230では、この偏りが所望の値に限定される。このずれは、最適化ソルバー(optimization solver)内で限定されてもよい。例えば、所望の値は、インチの16分の1以内であり得る。ブロック1235では、遮熱アセンブリの初期定義に対する総変化の測定値が決定される。形状の総変化は、ブロック1220で与えられた形状変数の合計であり得る。ブロック1240では、形状の総変化を最小化するために最適化目標が設定される。ブロック1245では、遮熱アセンブリの所望の冷形状をもたらす形状の組み合わせが(例えば、オプティマイザによって)生成される。
【0045】
したがって、幾つかの実施例では、プロセス1200は、高温遮熱アセンブリ又はその一部(例えば、遮熱アセンブリの高温フレキシブル部材)の形状を正確に予測するために利用されてもよい。遮熱アセンブリの構成要素は、高温である間(例えば、燃料効率が重要である巡航の飛行段階の間)、所望の空力形状に適合するように予測される冷形状で製造され得る。これに関して、例えば、フレキシブル部材は、フレキシブルであり、熱に反応して所定の態様で形状を変化させ得る。
【0046】
図13は、本開示の1つ又は複数の実施例に係る、遮熱アセンブリの形状を判定し得る例示的な演算装置1300を示す。演算装置1300は、処理回路1305、通信回路1310、1つ又は複数の出力装置インターフェース1315、1つ又は複数の入力装置インターフェース1320、メモリ1325、電源1330、他の構成要素1335、及びバス1340を含む。
【0047】
処理回路1305は、メモリ1325に保存された機械可読指令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、又は他の指示)を実行し得る。一実施例では、処理回路1305は、本明細書に記載されたプロセス(例えば、図12で提示された例示的なプロセス1200)を実施するための指令を実行し得る。処理回路1305は、演算装置1300内の1つ又は複数の論理回路(例えば、暗号化論理回路、復号化論理回路等)であり得るか、これらを含み得るか、又はこれらの一部であり得る。処理回路1305は、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック装置(PLD)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジック装置(CPLD)、フィールドプログラマブルシステムオンチップ(FPSC)、又は他の種類のプログラマブル装置)、コーデック、及び/又は他の処理装置として実装され得る。
【0048】
通信回路1310は、演算装置1300の様々な構成要素間の、並びに、演算装置1300と別の演算装置との間の有線及び/又は無線の通信を取り扱い、管理し、又は促進するように構成され得る。一実施例では、通信回路1310は、無線通信回路(例えば、IEEE802.11規格、Bluetooth(商標)規格、ZigBee(商標)規格、又は他の無線通信規格)、セルラー回路、又は他の適切な通信回路を含み得る。場合によっては、通信回路1310は、専用無線通信プロトコル及びインターフェース向けに構成されてもよい。通信回路1310は、無線通信用アンテナを含んでよく、又は、無線通信用アンテナと通信してもよい。したがって、一実施例では、通信回路1310は、携帯型装置、ベースステーション、無線ルータ、ハブ、又は他の無線ネットワーキング装置との無線リンクを確立することによって、無線通信を取り扱い、管理し、又は促進し得る。
【0049】
通信回路1310は、イーサネットインターフェース、電力線モデム、デジタル加入者線(DSL)モデム、公衆交換電話網(PSTN)モデム、ケーブルモデム、及び/又は有線通信用の他の適切な構成要素などを介して、有線ネットワークとインターフェース接続するように構成され得る。代替的に又は追加的に、通信回路1310は、専用有線通信プロトコル及びインターフェースを支持し得る。通信回路1310は、有線通信を目的として、(例えば、ネットワークルータ、スイッチ、ハブ、又は他のネットワーク装置を介して)有線リンク上で通信するように構成され得る。有線リンクは、電力線ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、又は対応する有線ネットワーク技術を支持する他のケーブル若しくは配線を用いて実装され得る。
【0050】
出力装置インターフェース1315は、演算装置1300を1つ又は複数の出力装置に連結し得る。出力装置インターフェース1315は、グラフィクス及び/若しくはオーディオドライバカード、グラフィクス及び/若しくはオーディオドライバチップ、並びに/又はグラフィクス及び/若しくはオーディオドライバプロセッサを含み得る。出力装置は、演算装置1300がユーザに出力情報をもたらすことを可能にし得る。例えば、出力装置は、1つ又は複数のディスプレイ装置を含み得る。ディスプレイ装置は、ユーザに情報(例えば、遮熱アセンブリ又はそれらの一部(例えば、フレキシブル部材)の形状の判定に関連する結果及びメニューオプション)を表示するように利用され得る。一例として、ディスプレイ装置は、遮熱アセンブリ又はその構成要素の種々の部分の温度情報を表示して、遮熱アセンブリの形状の最適化を促進し得る。
【0051】
入力装置インターフェース1320は、演算装置1300を1つ又は複数の入力装置に連結し得る。入力装置は、ユーザが、データ及びコマンドを演算装置1300に提供する(例えば、入力する)ことを可能にし得る。入力装置には、例えば、オーディオセンサ、マイクロフォン、カメラ(スチールカメラ又はビデオカメラ)、音声認識システム、キーボード(例えば、物理的なキーボード又は仮想キーボード)、カーソル制御装置(例えば、マウス)、タッチスクリーン、及び/又はユーザ入力を演算装置1300に提供するための他の装置が含まれ得る。これに関連して、ユーザ入力は、音響(例えば、音声)、視覚、及び/又は触覚などの任意の形態で受信され得る。場合によっては、入力装置は、タッチスクリーンディスプレイなどのように、ディスプレイの一部と一体化されてもよく、また、ディスプレイの一部であってもよい。一例として、ユーザ入力には、遮熱アセンブリの形状の判定に関連付けられる情報(遮熱アセンブリの所望の動作形状に関連付けられる情報など)(例えば、ブロック1205)、加えられた熱負荷(例えば、ブロック1215)、許容可能な形状(例えば、ブロック1220)、及び/又はその他の情報が含まれ得る。
【0052】
メモリ1325は、演算装置1300の動作を促進するための情報を保存するために利用され得る。非限定的な実施例として、メモリ1325には、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)などの不揮発性メモリが含まれ得る。メモリ1325には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)などの揮発性メモリが含まれ得る。メモリ1325は、演算装置1300の様々な構成要素(例えば、処理回路1305)によって実行される指令などの情報、(例えば、通信回路210によって)送信されるバッファされた情報(真性ランダムビットストリームや暗号化データなど)、及び/又は他の情報を保存し得る。
【0053】
メモリ1325は、オペレーティングシステム(OS)1345、ユーザーアプリケーション1350、及び/又は航空機設計/分析アプリケーション1355などの様々なソフトウェアパッケージを保存し得る。OS1345は、演算装置1300のリソース(例えば、ハードウェアリソース)を管理し、他のプログラム(例えば、ユーザーアプリケーション1350及び/又は航空機設計/分析アプリケーション1355)のために共通サービスを提供する任意のソフトウェアであってよい。ユーザーアプリケーション1350は、非限定的な実施例として、ウェブブラウジングアプリケーション、データベースアプリケーション、ワードプロセシングアプリケーション、電子メールアプリケーション、POS(販売時点)アプリケーション、及び/又は他のアプリケーションを含み得る。航空機設計/分析アプリケーション1355は、非限定的な実施例として、航空機設計を容易にする(例えば、航空機の熱分析及び/又は熱管理を容易する)指令を含み得る。一実施例では、航空機設計/分析アプリケーション1355は、遮熱アセンブリ又はその構成要素(例えば、フレキシブル部材)の設計を容易にする指令を含み得る。
【0054】
一実施例では、OS1345、ユーザーアプリケーション1350、航空機設計/分析アプリケーション1355、及び/又は他のアプリケーションに関連する指令は、図12などにあるように、本明細書に記載のステップ及び/又は動作を実施するために処理回路1305によって実行され得る。これに関連して、一態様では、航空機設計/分析アプリケーション1355は、処理回路1305によって実行されたときに、処理回路1305に図12のプロセス1200を実行させる指令を含み得る。ユーザーアプリケーション1350及び/又は航空機設計/分析アプリケーション1355は、内部に具現化されたマシン可読プログラムコードを有する1つ又は複数のマシン可読媒体内で具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。場合によっては、指令は、別のマシン可読媒体から、又は、別のシステム及び/若しくは装置から、例えば、通信回路1310を経由して、メモリ1325に読み込まれ得る。代替的に及び/又は追加的に、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア指令の代わりに又はソフトウェア指令と組み合わせて使用され、本明細書に記載されたステップ及び/又は動作を実施し得る。本明細書で使用されるマシン可読媒体という用語は、実行のために処理回路1305に指令を与えることに関与する任意の媒体を指し得る。1つ又は複数のマシン可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。一実施例として、マシン可読媒体は、非一過性マシン可読記憶媒体(例えば、メモリ1325)などのマシン可読記憶媒体を含み得る。
【0055】
適用可能な場合には、本明細書に記載された様々なハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素は、本開示の精神から逸脱することない限り、ソフトウェア、ハードウェア、又はその両方を含むサブ構成要素に分けることができる。さらに、適用可能な場合には、ソフトウェア構成要素をハードウェア構成要素として実施し得、又はその逆を実施し得ることが考えられる。
【0056】
プログラムコード及び/又はデータなどの本開示に係るソフトウェアは、1つ又は複数の非一時的マシン可読媒体に保存することができる。本明細書で特定されるソフトウェアは、ネットワーク化された及び/又はそれ以外の、1つ又は複数の汎用又は特定目的のコンピュータ及び/又はコンピュータシステムを使用して、実施され得ることも考えられている。適用可能な場合には、本明細書に記載された様々なステップの順序は、本明細書に記載された特徴をもたらすために、変更してもよく、複合ステップに組み合わせてもよく、且つ/又はサブステップに分割してもよい。
【0057】
さらに、本開示は、下記の条項に係る実施形態を含む。
【0058】
条項1
遮熱アセンブリであって、
フレキシブル部材(205)、
前記フレキシブル部材上に配置された複数のフレーム部材(210A~F)、及び
前記遮熱アセンブリを飛行機のストラット(115)に直接取り付けるように構成された複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)であって、前記複数の取り付け構造体のそれぞれが、前記複数のフレーム部材のうちの1つの上に配置されている、複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)
を備えている遮熱アセンブリ。
【0059】
条項2
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの後方部分においてフレキシブルな取り付け台(235A~D)を備えている、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0060】
条項3
各フレキシブルな取り付け台が、前記遮熱アセンブリの温度の変化に反応して、第1の位置から第2の位置へと回転するように構成されている、条項2に記載の遮熱アセンブリ。
【0061】
条項4
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの前方部分においてピボット取り付け台(230A~D)を備えている、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0062】
条項5
各ピボット取り付け台が、長手方向において前記複数のフレーム部材のうちのそれぞれに固定的に配設されている、条項4に記載の遮熱アセンブリ。
【0063】
条項6
前記複数の取り付け構造体が、複数のクレビスフィッティングを備えている、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0064】
条項7
前記フレキシブル部材が、1つ又は複数の長手方向補強材を含む、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0065】
条項8
前記フレキシブル部材が、セラミックマトリックス複合材を含む、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0066】
条項9
前記フレキシブル部材が、共に結合した上部片(905)及び下部片(910)を含む、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0067】
条項10
前記上部片が、第1の単一連続片であり、前記下部片が、第2の単一連続片である、条項9に記載の遮熱アセンブリ。
【0068】
条項11
前記上部片が、複数の隆起部(935)及び複数の窪み部(940)を備えている、条項9に記載の遮熱アセンブリ。
【0069】
条項12
前記複数の隆起部のそれぞれの上に孔(950)が画定されている、条項11に記載の遮熱アセンブリ。
【0070】
条項13
前記複数の隆起部のうちの第1の隆起部と前記複数の窪み部のうちの第1の窪み部との間の傾斜部分上に空気取入口(955)が画定されている、条項11に記載の遮熱アセンブリ。
【0071】
条項14
前記遮熱アセンブリの上方部分において可燃性流体閉じ込め空間を画定するために、前記複数のフレーム部材に連結された長手方向パネル(220)をさらに備えている、条項1に記載の遮熱アセンブリ。
【0072】
条項15
条項1に記載の遮熱アセンブリを備えた航空機であって、
翼(105)、
エンジン(110)、及び
前記エンジンを前記翼に連結する前記ストラット
を備え、前記フレキシブル部材の上面が、前記ストラットに面し、且つ
前記フレキシブル部材の底面が、前記エンジンに面する、航空機。
【0073】
条項16
遮熱アセンブリ(120)に関連付けられるアセンブリ固定具を形成すること(1105)であって、前記アセンブリ固定具が、複数のフレーム部材(210A~F)を備えている、形成すること(1105)と、
フレキシブル部材(205)を前記アセンブリ固定具に取り付けること(1110)と、
複数の取り付け構造体(230A~D、235A~D)を配設すること(1115)であって、前記複数の取り付け構造体のそれぞれが、前記複数のフレーム部材のうちの1つに配設されている、配設すること(1115)と、
前記複数の取り付け構造体をストラットの対応する取り付け構造体に取り付けること(1125)と
を含む方法。
【0074】
条項17
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの後方部分においてフレキシブルな取り付け台(235A~D)を備え、各フレキシブルな取り付け台が、前記遮熱アセンブリの温度の変化に反応して、第1の位置から第2の位置へと回転可能である、条項16に記載の方法。
【0075】
条項18
前記複数の取り付け構造体が、前記遮熱アセンブリの前方部分においてピボット取り付け台(230A~D)を備え、各ピボット取り付け台が、長手方向において前記複数のフレーム部材のうちのそれぞれに固定的に配設されている、条項16に記載の方法。
【0076】
条項19
第1の連続片(905)を第2の連続片(910)と結合して、前記フレキシブル部材を形成することをさらに含み、前記第1の連続片の上面が、複数の隆起部(935)及び複数の窪み部(940)を含む、条項16に記載の方法。
【0077】
条項20
条項1に記載の遮熱アセンブリの形状を判定する方法であって、
前記遮熱アセンブリの第1の形状を設けること(1205)と、
少なくとも前記第1の形状の有限要素モデル(FEM)を生成すること(1210)と、
前記第1の形状の表面に関連付けられるFEMの一部に熱負荷を印加こと(1215)と、
前記印加に基づいて、複数の形状のそれぞれの偏向を判定すること(1225)と、
少なくとも前記偏向に基づいて、形状変化を判定すること(1235)と、
前記形状変化に基づいて、前記遮熱アセンブリの前記形状を判定すること(1245)と
を含む、方法。
【0078】
上述の実施例は、本開示を説明するが、本開示を限定するものではない。本開示の原則に従って数多くの修正例及び変形例が可能であることも理解するべきでる。したがって、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13