(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】拭取シート積層体の固定具
(51)【国際特許分類】
A47K 10/20 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A47K10/20 Z
(21)【出願番号】P 2019058450
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】山崎 孝介
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-198348(JP,A)
【文献】特開2008-239155(JP,A)
【文献】特開2018-166621(JP,A)
【文献】実開平2-132498(JP,U)
【文献】特開2010-241758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/20
A47K 10/42
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状に広げられた拭取シートが積層された拭取シート積層体を載置する載置板と、
前記載置板に積層された拭取シート積層体の少なくとも対向する二辺の縁部を押圧して前記載置板に固定する固定手段と、を備え
、
前記固定手段は、弾性力により前記拭取シート積層体を前記載置板に押圧する弾性部材を備えることを特徴とする拭取シート積層体の固定具。
【請求項2】
平面状に広げられた拭取シートが積層された拭取シート積層体を載置する載置板と、
前記載置板に積層された拭取シート積層体の少なくとも対向する二辺の縁部を押圧して前記載置板に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段は、磁力により前記拭取シート積層体を前記載置板に押圧する磁性部材を備えることを特徴とする拭取シート積層体の固定具。
【請求項3】
前記拭取シートは、矩形であり、
前記固定手段は、前記拭取シート積層体の少なくとも三辺の縁部を前記載置板に固定することを特徴とする請求項1
又は2に記載の拭取シート積層体の固定具。
【請求項4】
前記固定手段は、前記拭取シート積層体の各辺の縁部全体を前記載置板に固定することを特徴とする請求項
3に記載の拭取シート積層体の固定具。
【請求項5】
前記拭取シートは、拭取面を形成する親水性繊維層と、疎水性繊維層と、前記親水性繊維層と前記疎水性繊維層との間に挟まれる吸収体層とを少なくとも備え、
前記拭取シート積層体は、前記親水性繊維層を上にして積層されることを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載の拭取シート積層体の固定具。
【請求項6】
前記載置板の底面に設けられた滑り止め部材を備えることを特徴とする請求項1から
5のいずれか一項に記載の拭取シート積層体の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拭取シート積層体の固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば拭取シートである衛生用紙の積層体においては、衛生用紙が折りたたまれた状態で容器の内側に積層され、使用する際には取り出した衛生用紙を広げるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の衛生用紙の積層体において、折りたたまれた衛生用紙を容器から取り出し、広げるという一連の作業は煩雑である。また、汚れた手で衛生用紙を取り出す場合、容器が汚れてしまうことや、汚れが拭取シートの裏側まで浸透してしまうことがあり、清潔感が失われることがあった。
【0005】
そこで本発明の課題は、汚れの拭き取り作業をより簡便に行うことができる拭取シート積層体の固定具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、拭取シート積層体の固定具において、平面状に広げられた拭取シートが積層された拭取シート積層体を載置する載置板と、
前記載置板に積層された拭取シート積層体の少なくとも対向する二辺の縁部を押圧して前記載置板に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段は、弾性力により前記拭取シート積層体を前記載置板に押圧する弾性部材を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、拭取シートが平面状に広げられた状態で積層されて固定されているので、拭取シートを固定具から取り出して広げる必要がなくなり、汚れの拭き取り作業をより簡便に行うことができる。また、弾性部材の弾性力により拭取シート積層体が載置板に押圧されるので、拭取シート積層体の拭取シートが減っても拭取シートが安定するように固定することができる。
また、請求項2に記載の発明は、拭取シート積層体の固定具において、平面状に広げられた拭取シートが積層された拭取シート積層体を載置する載置板と、
前記載置板に積層された拭取シート積層体の少なくとも対向する二辺の縁部を押圧して前記載置板に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段は、磁力により前記拭取シート積層体を前記載置板に押圧する磁性部材を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、拭取シートが平面状に広げられた状態で積層されて固定されているので、拭取シートを固定具から取り出して広げる必要がなくなり、汚れの拭き取り作業をより簡便に行うことができる。また、磁性部材の磁力により拭取シート積層体が載置板に押圧されるので、拭取シート積層体の拭取シートが減っても拭取シートが安定するように固定することができる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の拭取シート積層体の固定具において、前記拭取シートは、矩形であり、
前記固定手段は、前記拭取シート積層体の少なくとも三辺の縁部を前記載置板に固定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、拭取シート積層体の少なくとも三辺の縁部が載置板に固定されるので、拭取シートが安定するように固定することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の拭取シート積層体の固定具において、
前記固定手段は、前記拭取シート積層体の各辺の縁部全体を前記載置板に固定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、拭取シート積層体の各辺の縁部全体が載置板に固定されるので、拭取シートがより安定するように固定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の拭取シート積層体の固定具において、
前記拭取シートは、拭取面を形成する親水性繊維層と、疎水性繊維層と、前記親水性繊維層と前記疎水性繊維層との間に挟まれる吸収体層とを少なくとも備え、
前記拭取シート積層体は、前記親水性繊維層を上にして積層されることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、拭取シートは、親水性繊維層と、疎水性繊維層と、吸収体層とを備えているので、拭取シート積層体の最上部の拭取シートに汚れた手を擦り付けた際、汚れが裏抜けするのを防ぐことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の拭取シート積層体の固定具において、
前記載置板の底面に設けられた滑り止め部材を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、滑り止め部材により、汚れた手を直接拭取シートに擦り付ける際に、拭取シート積層体の固定具が動くのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、汚れの拭き取り作業をより簡便に行うことができる拭取シート積層体の固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施の形態である拭取シート積層体の固定具の使用時の状態を示す斜視図である。
【
図3】変形例1の拭取シート積層体の固定具の使用時の状態を示す斜視図である。
【
図4】変形例2の拭取シート積層体の固定具の使用時の状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態である拭取シート積層体の固定具の具体的な態様について、
図1及び
図2に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されない。
【0023】
図1は、本実施の形態の拭取シート積層体の固定具100の使用時の状態を示す平面図である。
[固定具の構造説明]
拭取シート積層体の固定具100は、乾性の拭取シートPが積層された拭取シート積層体Sを固定する固定具であり、拭取シート積層体Sを載置する載置板110と、載置板110に載置された拭取シート積層体Sを押圧する押圧部120と、を備える。
【0024】
(載置板)
載置板110は、例えば、平面視にて略矩形状に形成され、平面状に広げられた状態の拭取シートPが積層された拭取シート積層体Sを載置することができる広さの載置面を有する。
【0025】
また、載置板110の底面には、滑り止め部材200が設けられている。
滑り止め部材200としては、例えば、ゴム、シリコン、ポリエステル等の滑り止め素材が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0026】
(押圧部)
押圧部120は、拭取シート積層体Sを載置板110の載置面に向けて押圧し、固定するために用いられる固定手段であり、
図1に示すように、固定板121と、軸部材122と、弾性部材123と、止めねじ124と、を備える。
【0027】
(固定板)
固定板121は、例えば、平面視にて矩形の枠の1辺が切り欠かれて開口したコの字状に形成され、その縦横の長さは広げられた拭取シートPの縦横の長さよりも長く、その四隅には円形の孔部を有する。そして、押圧部120が拭取シート積層体Sを押圧する時には、固定板121の縦横の長さが、広げた拭取シートPの縦横の長さよりもそれぞれ長いことにより、拭取シート三辺の縁部の全体を安定して押圧することができる。
また、
図1において固定板121は、拭取シート積層体Sの三辺の縁部を固定するように設けているが、これに限られず、少なくとも対向する二辺の縁部を固定するように形成すればよく、四辺全ての縁部を固定することが最も好ましい。
【0028】
(軸部材)
軸部材122は、例えば、所定の長さを有する略円柱状であり、上部には雄ねじが形成され、固定板121の孔部を通るように、載置板110の四隅にそれぞれ垂直に直立するように接合されている。
【0029】
(弾性部材)
弾性部材123は、例えば、所定の弾性力を有する圧縮コイルばねであり、コイル内部に軸部材122が挿通可能に形成されている。
【0030】
(止めねじ)
止めねじ124は、例えば、所定の長さを有する略円柱状であり、下面には雌ねじが形成され、軸部材122の上部の雄ねじに螺合する。
なお、止めねじは、ナット形状のものであってもよい。
【0031】
[固定具の作用・効果]
以上のように、実施形態の拭取シート積層体の固定具100によれば、固定板121を上方に引き上げて軸部材122から外した状態で載置板110に平面状に広げられた状態の拭取シート積層体Sを載置させる。その後、再び、固定板121を軸部材122に挿通させて拭取シート積層体Sの縁部に当接させる。
次いで、4つの軸部材122に弾性部材123を各々挿通させ圧縮変形させた状態で軸部材122の上部の雄ねじに止めねじ124の雌ねじを螺合させる。すると、弾性部材123の弾性力により固定板121が拭取シート積層体Sを押圧して固定することとなる。
また、軸部材122の上部に取り付けられた止めねじ124を締め付けることで、使用者は拭取シートPの使用状況に応じて押圧部120による押圧力を調整することができる。
【0032】
[拭取シートの構造説明]
図2は拭取シートPを示す斜視図である。
拭取シートPは矩形であり、拭取面を形成する親水性繊維層P1と、その逆側の面を形成する疎水性繊維層P3と、その間に挟まれる吸収体層P2の少なくとも三つの層から成る。
拭取シートPは、例えば、親水性繊維層P1、吸収体層P2及び疎水性繊維層P3を重ねて貼り合わせることで製造できる。
【0033】
具体的には、親水性繊維層P1は、主として親水性繊維が用いられた不織布等により形成されているシートであって、本発明において、親水性繊維層P1とは、JIS R3257に準拠した接線法による接触角(度)が90°未満のシートを指す。
親水性繊維としては、パルプ、綿、麻などの天然繊維、および、レーヨン、アセテートなどのセルロース系化学繊維などが適用されるが、保水性を維持する観点からパルプを適用することが好ましい。
また、親水性繊維層P1は、親水性繊維が主成分であれば、疎水性繊維が適宜含有されていてもよい。具体的には、親水性繊維層P1は、親水性繊維が親水性繊維層P1の総重量に対して50%より大きい重量比率で含有されていればよい。
【0034】
また、吸収体層P2は、親水性繊維層P1を介して吸収した汚れを保持する層である。
吸収体層P2は、例えば、スポンジ、繊維の集合体等により形成することができる。
繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。
【0035】
また、疎水性繊維層P3は、主に疎水性繊維が用いられた不織布等により形成されているシートであって、本発明において、疎水性繊維層P3とは、JIS R3257に準拠した接線法による接触角(度)が90°以上のシートを指す。
疎水性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを主成分とする化学繊維が適用される。
また、疎水性繊維層P3は、疎水性繊維が主成分であれば、親水性繊維が適宜含有されていてもよい。具体的には、疎水性繊維層P3は、疎水性繊維が疎水性繊維層P3の総重量に対して50%より大きい重量比率で含有されていればよい。これにより、一定以上の圧力を加えないと吸収体層P2に吸収された汚れが外部に出にくい構造となっている。
【0036】
このため、吸収体層P2により汚れを保持した状態において、疎水性繊維層P3により吸収体層P2が保持した汚れの浸透が抑えられることとなるので、裏抜けの発生を抑制することができる。
【0037】
なお、親水性繊維層P1は親水性繊維が主成分で、疎水性繊維層P3は疎水性繊維が主成分であると上記にて説明をしたが、親水性繊維層P1は、親水性繊維のみで構成され、疎水性繊維層P3は、疎水性繊維のみで構成されていることも好ましい。
かかる構成であれば、親水性繊維層P1の汚れの吸収率をより高くでき、疎水性繊維層P3が汚れの裏抜けをより抑えることができる。
【0038】
更に、拭取シートPの拭取面を使用者が識別できるように、親水性繊維層P1と疎水性繊維層P3を識別する識別手段を備えることも好ましい。
具体的には、例えば、親水性繊維層P1と疎水性繊維層P3とが異なる色彩(識別手段)を有する構成等にすることができる。また、図示は省略するが、親水性繊維層P1と疎水性繊維層P3の少なくとも一方に、所定の文字(例えば「拭取面」など)、所定の図柄等を備えることとしても良い。
さらに、識別手段としては、上記のように視覚により認識可能とするもの以外にも、親水性繊維層P1と疎水性繊維層P3のいずれかにエンボスを設けるなど、触覚にて認識可能とするものであっても良い。
【0039】
また、上記の形態では、三層構造の拭取シートPを例示して説明したが、少なくとも親水性繊維層P1、吸収体層P2及び疎水性繊維層P3を備えれば良く、層の数はこれに限定されない。例えば、吸収体層P2を、吸収体の材質の異なる二層以上の構造にする等の構成であっても良い。
【0040】
[効果]
以上のように、固定具100によれば、拭取シートPが平面状に広げられた状態で積層されて固定されているので、拭取シートPを拭取シート積層体の固定具100から取り出して広げる必要がなくなり、汚れの拭き取り作業をより簡便に行うことができる。
また、拭取シート積層体Sの三辺の縁部が載置板110に固定されるので、拭取シートPが安定するように固定することができる。
更に、拭取シート積層体Sの三辺の縁部全体が載置板110に固定されるので、拭取シートがより安定するように固定することができる。
また、拭取シートPで拭き取られた汚れ(水分)は、親水性繊維層P1を通じて吸収体層P2で吸収される。この時、吸収体層P2で吸収されなかった汚れ(水分)があっても、疎水性繊維層P3があるため、下層の拭取シートPに裏抜けするのを防止することができる。また、拭取シート積層体の固定具100から汚れが付着した最上部の拭取シートPを取り外せば、再度清潔な拭取シートPを使用することができ、清潔さを保つことができる。
また、載置板110の下面に滑り止め部材200が取り付けられているので、例えば、拭取シート積層体Sに汚れた手を直接擦り付けて汚れを落とした際に、載置板110が動いてしまうのを防ぐことができる。また、最上部の拭取シートPに対して汚れを擦り付けようとする力が分散しないため、手の汚れを落としやすくなる。
【0041】
以下に、実施形態の拭取シート積層体の固定具100の変形例について説明する。なお、下記に説明する以外の点は、上記実施形態と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0042】
[固定手段の変形例]
図3は変形例1を示す斜視図である。
図3に示すように、変形例1の拭取シート積層体の固定具100は、固定手段120である所定の磁力を有する磁性部材Mを備える。具体的には、アルミニウム、鉄等の磁性を有する金属や磁石等によって載置板110を形成し、その上に拭取シート積層体Sを載置し、拭取シート積層体Sの縁部の上に磁性部材Mを載置することで拭取シート積層体Sを固定する。
より具体的には、磁性部材Mは、平面視においてコ字状の形状を有し、拭取シートPの三辺の縁部を押圧することができるようになっている。
そして、載置板110と磁性部材Mとが磁力により互いに引き寄せ合うことによって、間に挟まれた拭取シート積層体Sを押圧する。
【0043】
したがって、変形例1の拭取シート積層体の固定具100によれば、上記実施形態と異なり、より簡便に拭取シートPを固定することができる。
【0044】
なお、磁性部材Mによって拭取シート積層体Sを固定する構成は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、1組の磁性部材Mのうち、一方を載置板110の上に設け、もう一方の磁性部材Mを対向させて配置し、その間に拭取シート積層体Sを載置することで拭取シート積層体Sを固定するようにしても構わない。
【0045】
[滑り止め部材の変形例]
図4は変形例2を示す側面図である。
図4に示すように、変形例2の拭取シート積層体の固定具100は、載置板110の底部に吸盤状の滑り止め部材210を備える。具体的には、吸盤状の滑り止め部材210は可撓性を有する素材でできており、皿のような形状をしており、所定の吸着力を有し、載置板110の底部に接合される。そして、載置板110を下方に押し込むことで、吸盤状の滑り止め部材210と接地面との間の空気が抜け、載置板110を接地面に固定することができる。
【0046】
したがって、変形例2の拭取シート積層体の固定具100によれば、上記実施形態と違い、接地面がどのような素材によるものである場合でも、また接地面が水気を帯びている場合でも、安定して載置板110を固定することができる。
【0047】
なお、吸盤状の滑り止め部材210を構成する素材は、例えば、プラスチックや、合成樹脂等、公知のものであれば如何なるものであっても良く、詳細な説明は省略する。
また、
図4において吸盤状の滑り止め部材210は載置板110の底部の四隅に設けているが、これに限られず、いくつ設けても良いが、安定性を考慮すると、少なくとも対向する四隅に設けるのが好ましい。
【0048】
また、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記にて例示した拭取シートPは、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、片面に防水シートを張り付けた拭取シートや、家庭用薄葉紙等に適宜適用可能である。
また、拭取シートPを載置板110に固定する固定手段120の構成は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、クリップ等に適宜任意に変更可能である。
また、上記した固定手段は、拭取シートPの縁部全体を押圧する構成であるが、必ずしも縁部全体を押圧しなくても一部のみ押圧する構成であってもよい。
【0049】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
100 拭取シート積層体の固定具
110 載置板
120 押圧部(固定手段)
121 固定板
122 軸部材
123 弾性部材
124 止めねじ
200、210 滑り止め部材
P 拭取シート
S 拭取シート積層体
P1 親水性繊維層
P2 吸収体層
P3 疎水性繊維層
M 磁性部材(固定手段)