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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】シート包装材およびそれを用いる包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/36 20060101AFI20230623BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20230623BHJP
   B65D 5/04 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B65D75/36
B65D5/52 L
B65D5/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019063521
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020164169
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 雅教
(72)【発明者】
【氏名】上野 憲一
(72)【発明者】
【氏名】西田 百合恵
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-126428(JP,A)
【文献】実開平07-013759(JP,U)
【文献】特開2018-131249(JP,A)
【文献】実公平01-042533(JP,Y2)
【文献】米国特許第4171050(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/36
B65D 73/00
B65D 5/52
B65D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品と、前記商品を包装するシート包装材と、を備える包装体であって、
前記シート包装材は、略中央部に前記商品が露出する窓が形成されるパネルと、前記商品を収納すると共に前記パネルの背面の略中央部に設けられる左側面部と右側面部とを含む箱体の収納部と、前記パネルが自立するように前記パネルを支持する支持部と、を有し、
前記収納部に収納された前記商品は、前記パネルの略中央部の前記窓からはみ出すように露出しており、
前記収納部の底面は、開口され、
前記商品の底面が前記支持部によって支持されて前記商品が所定の高さ位置に保持され
前記支持部は、前記収納部の前記左側面部の下方に形成された左支持部と、前記収納部の前記右側面部の下方に形成された右支持部と、前記左支持部と前記右支持部との間にわたって形成された底支持部と、を有する、包装体。
【請求項2】
前記商品の底面には、所定方向に沿って係合部が形成され、
前記支持部の一部には前記係合部に係合する回り止め部が形成されており、
前記商品の前記係合部と前記支持部の前記回り止め部が係合して、前記商品が前記収納部内で回転しない状態にある、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
商品を包装するシート包装材であって、
略中央部に前記商品が露出する窓が形成されるパネルと、前記商品を収納する共に前記パネルの背面の略中央部に設けられる左側面部と右側面部とを含む箱体の収納部と、前記パネルが自立するように前記パネルを支持する支持部と、を有し
前記収納部の底面は、開口され
前記支持部は、前記収納部の前記左側面部の下方に形成された左支持部と、前記収納部の前記右側面部の下方に形成された右支持部と、前記左支持部と前記右支持部との間にわたって形成され前記商品の底面を支持し前記商品を所定の高さ位置に保持する底支持部と、を有する、シート包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート包装材およびそれを用いる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厚紙等で立体的に構成されるシート包装材は、公知である。シート包装材は、例えば商品を収納する箱体を備える。特許文献1には、商品を収納する収納部を備えるシート包装材が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-107826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品を収納したシート包装材(以下、包装体)は、商品棚に陳列される。包装体が商品棚に陳列されるときには、意匠性が重要となる。意匠性には、包装体において商品が目立つように見せること、包装体において商品の名称、商品の使い方、商品の効能等の表示を目立つように見せること、が含まれる。
【0005】
特許文献1に記載の包装体のように、従来の包装体では、例えば商品を収納する収納部が下側等に偏って配置され、商品が目立つように見せられない。また、従来の包装体では、例えば商品を収納する収納部がパネルの正面に設けられ、パネルの正面がフラットでないため、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等の表示をパネルの正面に目立つように見せられない。つまり、従来の包装体では、上述したような意匠性が良好ではなかった。
【0006】
本発明の目的は、意匠性を向上することができるシート包装材およびそれを用いる包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、商品と、商品を包装するシート包装材と、を備える包装体であって、シート包装材は、略中央部に商品が露出する窓が形成されるパネルと、商品を収納すると共にパネルの背面の略中央部に設けられる収納部と、パネルが自立するようにパネルを支持する支持部と、を有し、収納部に収納された商品はパネルの中央部の窓からはみ出すように露出しており、収納部の底面は、開口され、商品の底面が支持部によって支持されて商品が所定の高さ位置に保持されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、商品を目立つように見せることができ、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等をフラットなパネルの正面に表示することができ、意匠性を向上することができる。また、商品をパネルの中央に配置するように支持することができる。さらに、シート包装材が自立することによって、包装体を立てて陳列することができる。
【0009】
本発明に係る包装体において、商品の底面には、所定方向に沿って係合部が形成され、支持部の一部には係合部に係合する回り止め部が形成されており、商品の係合部と支持部の回り止め部が係合して、商品が収納部内で回転しない状態としてもよい。
【0010】
この構成によれば、商品が収納部内で回転することを防止することができるため、シート包装材の窓から常に容器の商品名等が記載される表記載部が覗くようにすることができる。
【0011】
本発明に係る包装体において、商品は、樹脂製であって、係合部は、所定方向に沿って形成されるパーティングラインであるとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、パーティングラインが商品の所定方向に沿って形成されるため、パーティングラインを基準として商品の表記載部の位置を決定することによって、パーティングラインの位置と表記載部の位置とが常に一定となる。そのため、パーティングラインの位置と表記載部の位置との関係に対し、パネルの窓の向きに対する支持部の位置を合わせることによって、常にシート包装材の窓から容器の商品名等が記載される表記載部が覗くようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るシート包装材およびそれを用いる包装体によれば、意匠性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1の容器の構成を示す正面図である。
図2】実施形態1の容器の構成を示す底面図である。
図3】実施形態1の包装体の構成を示す正面図である。
図4】実施形態1の包装体の構成を示す背面図である。
図5】実施形態1の包装体の構成を示す底面図である。
図6】実施形態1の包装体の構成を示す斜視図である。
図7】実施形態1のシート包装材の展開図である。
図8】実施形態1の折り畳まれたシート包装材の平面図である。
図9】実施形態2の容器の構成を示す斜視図である。
図10】実施形態2の包装体の構成を示す正面図である。
図11】実施形態2の包装体の構成を示す背面図である。
図12】実施形態2の包装体の構成を示す底面図である。
図13】実施形態2のシート包装材の展開図である。
図14】実施形態2の折り畳まれたシート包装材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定される。
【0016】
<実施形態1>
図1および図2を用いて、容器50の構成について説明する。図1は容器50の構成を示す正面図である。図2は、容器50の構成を示す底面図である。
【0017】
以下では、容器50について、略円柱形状の軸方向を高さ方向とする。高さ方向に垂直な平面を水平面とする。高さ方向において、蓋56が設けられる側を上側とする。商品名等が記載される表記載部55Fを奥行き方向の前側とする。水平面において奥行き方向と直交する方向を幅方向とする。
【0018】
実施形態1の包装体100は、商品としての容器50をシート包装材10(図3参照)によって包装したものである。実施形態1の容器50は、例えば化粧品としての制汗剤等が充填されるが、これに限定されない。実施形態1の容器50は、先端部球体がボールペンの先のように回転し手を汚さずに塗布することができるロールオンであるが、これに限定されない。例えばスプレーまたはチューブ式であってもよい。実施形態1の容器50は、例えば樹脂製等とするが、これに限定されない。実施形態1の容器50は、例えば射出成形等によって製造されるが、これに限定されない。
【0019】
実施形態1の容器50は、例えば略円柱形状等とするがこれに限定されない。より詳細には、容器50の上部は、半球形状に形成される。容器50の下部は、半球形状に形成される。容器50の底部55Bは、上方に凹形状となる略ドーム形状に形成される。
【0020】
容器50は、本体55と、蓋56と、を備える。本体55は、表記載部55Fと、裏記載部55Rと、を備える。表記載部55Fは、本体55の前側に位置する。表記載部55Fには、商品名等が記載される。裏記載部55Rは、本体55の後側に位置する。裏記載部55Rには、商品の使い方および商品の製造者名等が記載される。
【0021】
本体55の底部55Bには、係合部としてのパーティングラインPが形成される。パーティングラインPとは、本体55の設計上では意図しない、射出成型の雄型と雌型の合わせ面に形成される出っ張りである。パーティングラインPは、幅方向と平行に形成される。
【0022】
容器50では、パーティングラインPが容器50の所定位置かつ所定方向に沿って形成されるため、パーティングラインPを基準として、本体55の表記載部55Fの位置および裏記載部55Rの位置が決定されてもよい。
【0023】
なお、実施形態1の容器50は、本体55の底部55BにパーティングラインPが形成されるが、これに限定されない。例えば、容器50は、パーティングラインPが形成されないガラス製または金属製であってもよい。また、容器50は、パーティングラインPが形成されない樹脂製であってもよい。
【0024】
図3乃至図6を用いて、シート包装材10の構成について説明する。図3は、包装体100の構成を示す正面図である。図4は、包装体100の構成を示す背面図である。図5は、包装体100の構成を示す底面図である。図6は、包装体100の構成を示す斜視図である。
【0025】
以下では、シート包装材10について、パネル20の長手方向を高さ方向とする。パネル20の短手方向を幅方向とする。高さ方向および幅方向と直行する方向を奥行き方向とする。高さ方向において、孔22が形成される側を上側とする。奥行き方向において、箱体30が設けられる側を後側(背面側)とする。幅方向において、パネル20の前側(正面側)に向かって右側を右側とする。
【0026】
包装体100は、上述した容器50をシート包装材10によって包装したものである。実施形態1のシート包装材10は、厚紙から構成されるが、これに限定されない。例えば、プラスチックまたは合成紙(合成樹脂を主原料とする紙状のもの)から構成されてもよい。また、例えば、合成樹脂(ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等)のクリアケース素材から構成されてもよい。
【0027】
シート包装材10は、容器50を包装するものである。シート包装材10の幅方向の左右側、奥行き方向の前後側および高さ方向の上下側と、容器50の幅方向の左右側、奥行き方向の前後側および高さ方向の上下側とが略一致するように、容器50がシート包装材10に収納される。シート包装材10は、パネル20と、収納部としての箱体30と、支持部40と、を備える。パネル20、箱体30および支持部40は、一枚の厚紙から作成される。
【0028】
パネル20は、平板形状に形成される。パネル20は、奥行き方向から見て長方形状に形成される。パネル20の幅方向の略中央部かつ高さ方向の中央部の若干下側には、窓21が形成される。パネル20の前面には、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等が表示される。
【0029】
窓21は、容器50が露出する開口部である。窓21は、高さ方向を長手方向とする略長円形状に形成される。窓21では、高さ方向から見て、容器50の前側の略90°の角度分(略1/4)がパネル20からはみ出る。パネル20の上端部には、フックに吊り下げて陳列するときのフックが貫通する孔22が形成される。
【0030】
収納部としての箱体30は、容器50が収納される。箱体30は、パネル20の背面において、幅方向の略中央部かつ高さ方向の略中央部の若干下側に設けられる。箱体30は、略直方体形状に構成される。箱体30の底面は、開口される。箱体30は、天井面部31と、背面部32と、左側面部33と、右側面部34と、を備える。天井面部31は、箱体30の蓋としての機能を有する。容器50は、天井面部31を開口することによって、箱体30に収納される。
【0031】
箱体30では、容器50の表記載部55Fの幅方向の中央部が窓21から覗くように、容器50が収納される。このような構成とすることによって、容器50の表記載部55Fが包装体100の正面から視認できる。
【0032】
支持部40は、容器50を支持すると共にパネル20が自立するようにパネル20を支持する。ここで、「自立」とは、他から支えられなくても立っていることをいう。支持部40は、高さ方向の下側から見て、容器50における底部55Bの奥行き方向の中央部にわたって構成される。支持部40は、箱体30の下側に設けられる。支持部40は、左支持部41と、底支持部42と、右支持部43と、を備える。
【0033】
左支持部41は、シート状に形成される。左支持部41は、箱体30の左側面部33が高さ方向の下方に向かってそのまま延長するように形成される。左支持部41の奥行き方向の略中央部には、底支持部42が設けられる。
【0034】
底支持部42は、シート状に形成される。底支持部42は、本体42Aと、回り止め部42Bと、を備える。本体42Aは、奥行き方向から見て、略長方形状に形成される。
【0035】
回り止め部42Bは、奥行き方向から見て、例えば円弧状の突出部に形成される。回り止め部42Bは、本体42Aの高さ方向の上端かつ幅方向の略中央部に形成される。回り止め部42Bの円弧状の上端部は、容器50の底部55Bに係合するように形成される。同時に、回り止め部42Bは、容器50の本体55のパーティングラインPに係合する。回り止め部42BがパーティングラインPに係合することによって、容器50は箱体30内で回転することがない。
【0036】
右支持部43は、シート状に形成される。右支持部43は、箱体30の右側面部34の奥行き方向の前半分が高さ方向の下方に向かってそのまま延長するように形成される。右支持部43の奥行き方向の後端部には、底支持部42が設けられる。
【0037】
図7を用いて、展開されたシート包装材10の構成について説明する。図7は、展開されたシート包装材10の構成を示す展開図である。
【0038】
展開されたシート包装材10は、シート包装材10を1枚のシート状に展開したものである。シート包装材10は、上述したように、パネル20と、箱体30と、支持部40と、を備える(図3乃至図6参照)。
【0039】
以下では、シート包装材10と同様に、展開されたシート包装材10のパネル20の本体20Aの長手方向を高さ方向とする。本体20Aの短手方向を幅方向とする。高さ方向および幅方向と直行する方向を奥行き方向とする。高さ方向において、孔22が形成される側を上側とする。幅方向においては、紙面(パネル20の背面側)に向かって右側を右側とする。奥行き方向において、箱体30が設けられる側を後側とする(図3乃至図6参照)。
【0040】
パネル20は、展開されたシート包装材10において、本体20Aと、裏面部20B,20Cと、から組み立てられる。より詳細には、パネル20は、幅方向の右側の裏面部20Cの右端部を本体20Aの左端部に合わせ、本体20Aの背面に20B,20Cを貼り合わせることによって組み立てられる。本体20Aの略中央部の縁部20D,20Dは、奥行き方向の後側すなわち箱体30の内部に折り曲げられる。
【0041】
箱体30は、展開されたシート包装材10において、天井面部31と、背面部32と、左側面部33と、右側面部34と、から組み立てられる。支持部40は、展開されたシート包装材10において、左支持部41と、底支持部42と、右支持部43と、から組み立てられる。
【0042】
図8を用いて、折り畳まれたシート包装材10の構成について説明する。図8は、折り畳まれたシート包装材10の構成を示す平面図である。
【0043】
以下では、シート包装材10と同様に、折り畳まれたシート包装材10のパネル20の長手方向を高さ方向とする。パネル20の短手方向を幅方向とする。幅方向においては、紙面(パネル20の背面側)に向かって右側を右側とする。
【0044】
折り畳まれたシート包装材10は、例えば、シート包装材10を容器50の製造業者に納品するときの状態である。箱体30は、天井面部31を解放し、左側面部33および右側面部34を幅方向の右側に倒すことによって折り畳まれる。支持部40は、左支持部41および右支持部43幅方向の右側に倒すことによって折り畳まれる。
【0045】
シート包装材10および包装体100の効果について説明する。シート包装材10および包装体100によれば、意匠性を向上することができる。すなわち、シート包装材10および包装体100では、容器50を収納する箱体30を略中央部に設け、パネル20の略中央部に窓21を形成することによって、容器50を商品として目立つように見せることができる。
【0046】
また、シート包装材10および包装体100では、容器50を収納する箱体30をパネル20の背面に設け、パネル20の正面をフラットにすることによって、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等をフラットなパネル20の正面に表示することができる。商品の名称、商品の使い方、商品の効能等をパネル20の正面に表示することによって、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等の表示を目立つように見せることができる。
【0047】
シート包装材10および包装体100によれば、シート包装材10が自立することによって、包装体100を立てて陳列することができる。
【0048】
シート包装材10によれば、支持部40に容器50の支持とパネル20の自立の支持との機能を持たせることで部材を削減することができる。
【0049】
シート包装材10および包装体100によれば、容器50が箱体30内で回転することを防止することができる。そのため、シート包装材10および包装体100によれば、シート包装材10の窓21から常に容器50の表記載部55Fが覗く。
【0050】
<実施形態2>
図9を用いて、容器150の構成について説明する。図9は容器150の構成を示す斜視図である。
【0051】
以下では、容器150について、略円柱形状の蓋156の軸方向を高さ方向とする。蓋156が設けられる側を下側とする。高さ方向に垂直な平面を水平面とする。商品名等が記載される表記載部155Fを奥行き方向の前側とする。水平面において奥行き方向と直交する方向を幅方向とする。
【0052】
実施形態2の包装体200は、商品としての容器150をシート包装材110(図10参照)によって包装したものである。実施形態2の容器150は、例えば化粧品としての制汗剤等が充填されるが、これに限定されない。実施形態2の容器150は、例えばチューブ式とされるがこれに限定されない。実施形態2の容器150は、本体155が例えばビニール製等、蓋156は樹脂製等とするが、これに限定されない。
【0053】
実施形態2の容器150は、本体155と、蓋156と、を備える。本体155は、例えばチューブとして形成される。蓋156は、例えば略円柱形状等として形成されるがこれに限定されない。本体155は、表記載部155Fと、裏記載部と、を備える。表記載部155Fは、本体155の前側に位置する。表記載部155Fには、商品名等が記載される。裏記載部は、本体155の後側に位置する。裏記載部には、商品の使い方および商品の製造者名等が記載される。
【0054】
図10乃至図12を用いて、シート包装材110の構成について説明する。図10は、包装体200の構成を示す正面図である。図11は、包装体200の構成を示す背面図である。図12は、包装体200の構成を示す底面図である。
【0055】
以下では、シート包装材110について、パネル120の長手方向を高さ方向とする。パネル120の短手方向を幅方向とする。高さ方向および幅方向と直行する方向を奥行き方向とする。高さ方向において、孔122が形成される側を上側とする。奥行き方向において、収納体130が設けられる側を後側(背面側)とする。幅方向において、パネル120の前側(正面側)に向かって右側を右側とする。
【0056】
包装体200は、上述した容器150をシート包装材110によって包装したものである。実施形態2のシート包装材110は、厚紙から構成されるが、これに限定されない。例えば、プラスチックまたは合成紙(合成樹脂を主原料とする紙状のもの)から構成されてもよい。また、例えば、合成樹脂(ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート等)のクリアケース素材から構成されてもよい。
【0057】
シート包装材110は、容器150を包装するものである。シート包装材110の幅方向の左右側、奥行き方向の前後側および高さ方向の上下側と、容器150の幅方向の左右側、奥行き方向の前後側および高さ方向の上下側とが略一致するように、容器150がシート包装材110に収納される。シート包装材110は、パネル120と、収納部としての収納体130と、を備える。パネル120、収納体130および支持部133は、一枚の厚紙から作成される。
【0058】
パネル120は、平板形状に形成される。パネル120は、奥行き方向から見て長方形状に形成される。パネル120の幅方向の略中央部かつ高さ方向の中央部の若干下側には、窓121が形成される。パネル120の前面には、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等が表示される。
【0059】
窓121は、容器150が露出する開口部である。窓121は、高さ方向を長手方向とする略長円形状に形成される。窓121では、高さ方向から見て、容器150の前側の略90°の角度分(略1/4)がパネル120からはみ出る。パネル120の上端部には、フックに吊り下げて陳列するときのフックが貫通する孔122が形成される。
【0060】
収納部としての収納体130は、容器150が収納される。収納体130は、パネル120の背面において、幅方向の略中央部に設けられる。収納体130は、底部が開口した袋状に構成される。収納体130の底面は、開口される。収納体130は、正面部131と、背面部132と、支持部133と、を備える。支持部133は、収納体130の蓋としての機能を有する。容器150は、支持部133を解放することによって、収納体130に収納される。
【0061】
収納体130では、容器150の表記載部155Fの幅方向の中央部が窓121から覗くように、容器150が収納される。このような構成とすることによって、容器150の表記載部155Fが包装体200の正面から視認できる。
【0062】
支持部133は、容器150を支持すると共にパネル120が自立するようにパネル120を支持する。支持部133は、幅方向から見て略逆V字形状に形成され、上端部において容器150の蓋156の下端部を支持する。
【0063】
支持部133は、第1支持部134と、第2支持部135と、を備える。第1支持部134は、パネル120の下端部に設けられ、略逆V字形状に形成される。第1支持部134の先端側には差し込み部134Aが形成される。第2支持部135は、収納体130の背面部132に設けられ、略中央に差し込み穴135Aが形成される。第1支持部134の差し込み部134Aを第2支持部135の差し込み穴135Aに差し込むことによって、略逆V字形状の支持部133が構成される。
【0064】
図13を用いて、展開されたシート包装材110の構成について説明する。図13は、展開されたシート包装材110の構成を示す展開図である。
【0065】
展開されたシート包装材110は、シート包装材110を1枚のシート状に展開したものである。シート包装材110は、上述したように、パネル120と、収納体130と、を備える(図10乃至図12参照)。
【0066】
以下では、シート包装材110と同様に、展開されたシート包装材110のパネル120の長手方向を高さ方向とする。本体120Aの短手方向を幅方向とする。高さ方向および幅方向と直行する方向を奥行き方向とする。高さ方向において、第2支持部135が設けられる側を下側とする。幅方向においては、紙面(パネル120の背面側)に向かって右側を右側とする。奥行き方向において、収納体130が設けられる側を後側とする。
【0067】
収納体130は、展開されたシート包装材110において、正面部131と、背面部132と、から組み立てられる。支持部133(図12参照)は、展開されたシート包装材110において、第1支持部134と、第2支持部135と、から組み立てられる。
【0068】
図14を用いて、折り畳まれたシート包装材110の構成について説明する。図14は、折り畳まれたシート包装材110の構成を示す平面図である。
【0069】
以下では、シート包装材110と同様に、折り畳まれたシート包装材110のパネル120の長手方向を高さ方向とする。パネル120の短手方向を幅方向とする。
【0070】
折り畳まれたシート包装材110は、例えば、シート包装材110を容器150の製造業者に納品するときの状態である。収納体130は、支持部133を解放して、第1支持部134および第2支持部135を上側へ延出させると共に正面部131および背面部132を奥行き方向に重ねることによって折り畳まれる。
【0071】
シート包装材110および包装体200の効果について説明する。シート包装材110および包装体200によれば、意匠性を向上することができる。すなわち、シート包装材110および包装体200では、容器150を収納する収納体130を略中央部に設け、パネル120の略中央部に窓121を形成することによって、容器150を商品として目立つように見せることができる。
【0072】
また、シート包装材110および包装体200では、容器150を収納する収納体130をパネル120の背面に設け、パネル120の正面をフラットにすることによって、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等をフラットなパネル120の正面に表示することができる。商品の名称、商品の使い方、商品の効能等をパネル120の正面に表示することによって、商品の名称、商品の使い方、商品の効能等の表示を目立つように見せることができる。
【0073】
シート包装材110および包装体200によれば、シート包装材110が自立することによって、包装体200を立てて陳列することができる。
【0074】
シート包装材110によれば、支持部133に容器150の支持と、パネル120の自立の支持と、収納体130の蓋としての機能と、を持たせることで部材を削減することができる。
【符号の説明】
【0075】
10,110 シート包装材、20,120 パネル、21,121 窓、30 箱体(収納部)、40,133 支持部、42B 回り止め部、50,150 容器(商品)、100,200 包装体、130 収納体(収納部)、P パーティングライン(係合部)
図1
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