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特許7300876容器に充填するための充填バルブおよび充填機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】容器に充填するための充填バルブおよび充填機
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/22 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
B67C3/22
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019079803
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2019214423
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】18305707.4
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ・バンディニ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・デッリーコ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-168777(JP,A)
【文献】特表2014-534931(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0226367(US,A1)
【文献】特開平03-177673(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02690332(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03165500(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)を充填するように構成された充填機(1)のための充填バルブ(5)であって、前記充填バルブ(5)は、前記容器(2)に流体接続されるように構成された第1の通路セクション(15)を有する流路(11)を備え、
前記充填バルブ(5)は、
前記流路(11)内で移動可能に配置されたシャッタ(22)であって、前記流路(11)に、第1の注入可能な製品が供給される第1の動作モードの間、
-前記シャッタ(22)が、前記第1の通路セクション(15)とともに、前記第1の注入可能な製品に関する第1の最大の開口路を定め、それにより、前記第1の注入可能な製品の、前記容器(2)へ向かって前記第1の最大の開口路を通る最大流量を許容するようになっている、静止位置と、
-前記シャッタ(22)が、前記第1の通路セクション(15)とシールするように協働するように構成され、それにより、前記第1の通路セクション(15)と前記容器(2)との間のあらゆる流体接続を阻止するようになっている、閉鎖位置と、
-前記シャッタ(22)は、前記第1の通路セクション(15)とともに、それぞれの中間の開口路を定め、それにより、前記第1の注入可能な製品の、前記容器(2)へ向かって前記中間の開口路を通る部分的な流量を許容するようになっている、前記静止位置と前記閉鎖位置との間に位置する、少なくとも1つの中間位置と、
で少なくとも制御されるように構成された少なくとも1つのシャッタ(22)をさらに備え、
前記流路(11)は、前記第1の通路セクション(15)および前記容器(2)と流体接続されるように構成された第2の通路セクション(18)を有し、
前記シャッタ(22)は、前記流路(11)に、前記第1の注入可能な製品とは異なり、懸濁液内の固体粒子を有する第2の注入可能な製品が供給される第2の動作モードの間、
-前記シャッタ(22)は、前記第2の通路セクション(18)とともに、前記第2の注入可能な製品に関する第2の最大の開口路を定め、それにより、前記第2の注入可能な製品の、前記容器(2)へ向かって前記第2の最大の開口路を通る最大流量を許容するようになっている、前記静止位置と、
-前記シャッタ(22)は、前記第2の通路セクション(18)とともに、前記第2の注入可能な製品に関する制限された通路を定め、それにより、前記第2の注入可能な製品の、前記容器(2)へ向かって前記制限された通路を通る部分的な流量を許容するようになっている、部分的な閉鎖位置と、
でさらに制御されるように構成されており、
前記シャッタ(22)が、前記シャッタ(22)が前記部分的な閉鎖位置にあるとき、前記第2の通路セクション(18)と係合するように構成された少なくとも1つの相互作用部分(26)であって、相互作用部分(26)に面する流路(11)の部分とともに、前記制限された通路を定める、少なくとも1つの相互作用部分(26)を備え、
前記相互作用部分(26)が、前記シャッタ(22)が前記部分的な閉鎖位置にある際に、前記第2の注入可能な製品に関する前記制限された通路を画定する溝(27)を備え、
前記第1の通路セクション(15)が、前記流路(11)内の前記第1の注入可能な製品および前記第2の注入可能な製品の流れ方向(D)に関し、前記第2の通路セクション(18)の上流に配置されており、
前記シャッタ(22)が、前記流れ方向(D)に関し、前記第1の通路セクション(15)の下流かつ前記第2の通路セクション(18)の上流に配置されており、
前記流路(11)が、前記第1の通路セクション(15)、前記第2の通路セクション(18)、および前記容器(2)と流体接続されるように構成された第3の通路セクション(20)をさらに備え、
前記充填バルブ(5)が、前記流路(11)内に移動可能に配置された補助シャッタ(23)であって、
-前記補助シャッタ(23)が、前記第3の通路セクション(20)とともに、第3の最大の開口路を定め、それにより、前記第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品の、前記容器(2)へ向かって前記第3の最大の開口路を通る流れを許容するようになっている、第1の位置と、
-前記補助シャッタ(23)が、前記第3の通路セクション(20)とシールするように協働するように構成され、それにより、前記第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品の、前記容器(2)に向かうあらゆる流れを阻止するようになっている、第2の位置と、
で制御されるように構成された補助シャッタ(23)をさらに備えている、ことを特徴とする、充填バルブ(5)。
【請求項2】
前記シャッタ(22)が、前記静止位置から前記閉鎖位置へ、前記流れ方向(D)とは反対の方向に制御されるように構成されている、請求項に記載の充填バルブ。
【請求項3】
前記シャッタ(22)が、前記静止位置から前記部分的な閉鎖位置へ、前記流れ方向(D)に従う方向に制御されるように構成されている、請求項に記載の充填バルブ。
【請求項4】
前記シャッタ(22)が、前記静止位置と前記閉鎖位置との間で調整する方式で制御されるように構成され、
前記シャッタ(22)が、前記静止位置と前記部分的な閉鎖位置との間で、オン/オフの方式で制御されるように構成されている、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の充填バルブ。
【請求項5】
前記シャッタ(22)を、前記静止位置と前記閉鎖位置との間、および、前記静止位置と前記部分的な閉鎖位置との間で制御するように構成された、磁石のアクチュエータ手段(24)を備えている、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の充填バルブ。
【請求項6】
前記補助シャッタ(23)が、前記流れ方向(D)に関し、前記第2の通路セクション(18)の下流かつ前記第3の通路セクション(20)の上流に配置されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の充填バルブ。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の充填バルブ(5)の使用が、
-その期間に前記第1の注入可能な製品が前記流路(11)に供給される前記第1の動作モードと、
-その期間に前記第2の注入可能な製品が前記流路(11)に供給される前記第2の動作モードと、での使用であって、
前記第1の注入可能な製品が、完全に液体の注入可能な製品であり、前記第2の注入可能な製品が、懸濁液内の固体粒子を有している、充填バルブ(5)の使用。
【請求項8】
複数の容器(2)を充填するための充填機(1)であって、前記充填機(1)が、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の充填バルブ(5)を複数備えている、充填機(1)。
【請求項9】
中心軸(A)の周りに回転可能であり、進行経路(P)に沿って前記容器(2)を進行させるように構成され、前記複数の充填バルブ(5)を外周で保持する回転コンベア(3)をさらに備え、
前記複数の充填バルブ(5)の各1つが、前記進行経路(P)に沿って容器が進行する間、1つのそれぞれの容器(2)を一度に充填するように構成されている、請求項に記載の充填機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能な製品、具体的には、水、炭酸飲料などの注入可能な食料品で容器を充填するように構成された、充填機のための充填バルブに関する。
【0002】
本発明は、注入可能な製品、具体的には、注入可能な食料品で容器を充填するための、複数の充填バルブを備えた充填機にも関する。
【背景技術】
【0003】
回転タイプの充填機が、垂直軸周りで回転可能な回転コンベア、注入可能な製品を収容する貯蔵部、および、複数の充填バルブを備えるものとして、知られている。詳細には、そのような充填バルブは、回転コンベアによって外周で保持され、それぞれのダクトによって貯蔵部に接続されており、また、周囲の移送路に沿って回転コンベアによって進行する。
【0004】
各充填バルブは、回転コンベアによって与えられる回転運動に起因して、移送路に沿って進行する間に、所定の量の注入可能な製品を、1つのそれぞれの容器に一度に供給するように構成されている。
【0005】
そのような充填機は、通常、空の容器を回転コンベアに連続して供給するための入口コンベアと、充填された容器を回転コンベアから受領し、充填された容器をさらなる処理デバイスに供給するように構成された出口コンベアとを備えている。
【0006】
通常の充填バルブは、
回転コンベアの外周部分に取り付けられた長手筒状本体であって、注入可能な製品を、筒状本体の下に配置されたそれぞれの空の容器内に供給するための流路を内部に規定する、長手筒状本体と、
スライドする方式で筒状本体と係合し、それぞれの容器への注入可能な製品の流出を許容するか阻止するように、流路に沿って移動可能な少なくとも1つのシャッタと、
流路内のシャッタの移動を制御するように構成されたアクチュエータ手段と、
を備えている。
【0007】
いくつかの既知の実施形態では、流路は、回転コンベアの軸に平行な長手軸を提供する直線状の構成を有している。
【0008】
他の既知の実施形態では、流路は、湾曲した構成を有し、それぞれの湾曲した部分によって互いに流体接続された2つ以上の直線状の部分を備えている。
【0009】
通常、流路は、その下端部分において、使用時に、流路から、充填されることになるそれぞれの容器への、注入可能な製品の流出を許容するように構成された流出路セクションで終端している。
【0010】
容器内の泡を低減するため、容器内の製品の所望の量を得るため、および、容器外に製品がはね、こぼれる可能性を避けるために、容器への注入可能な製品の流量を都合良く制御する必要性が、本技術分野において知られている。
【0011】
具体的には、容器の充填の最後の瞬間、注入可能な製品の流量を精細に調節することが知られている。
【0012】
この目的のために、既知の解決策は、調整する方式でシャッタを制御することであり、それにより、容器への注入可能な製品の流量の、そのように精細に調節することを実現する。
【0013】
この解決策によれば、シャッタは、完全に閉じた位置と、完全に開いた位置との間にわたる、複数の中間位置で流路内を移動可能である。
【0014】
より詳細には、シャッタは、流路のテーパ状の断面の部分とともに、シャッタが、完全に開いた位置へ、または、中間位置の1つへと制御されているかに応じてサイズが変化する、環状の開口路を定める。開口路は、シャッタが完全に開いた位置になるように制御された際に最大となり、この完全に開いた位置の条件では、注入可能な製品の流量は、可能である最大値である(最大の流量)。
【0015】
逆に、シャッタが特定の中間位置にある場合、シャッタは、テーパ状の断面の部分とともに、様々な寸法の、対応する中間の環状の開口路を定め、それにより、注入可能な製品を、中間の流量(最大流量未満)で、容器へ、そしてこの容器内に流すようになっている。
【0016】
しかし、容器への注入可能な製品の流量を制御するための機能的に妥当な方法を提供しているが、既知の充填バルブは、さらなる向上の余地が依然としてある。この向上は、具体的には、必要とされる構成要素の総数を増大させることなく、また、長い分解および組立て操作を避け、懸濁液内に固体粒子を有する注入可能な製品を含み、精細な調節を適用することができる、注入可能な製品の範囲を拡大することに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、まっすぐに進む、低コストの方式で、上述の要請を満たすように設計された充填バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、請求項1に請求される充填バルブによって達成される。
【0019】
本発明のさらなる目的は、まっすぐに進む、低コストの方式で、上述の要請を満たすように設計された充填機を提供することである。
【0020】
この目的は、請求項12による充填機によって達成される。
【0021】
本発明の非限定的な好ましい実施形態を、例として、添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の教示による、複数の充填バルブを備えた充填機の概略上面図である。
図2】明確化のためにパーツが外されている、本発明の好ましい実施形態による、充填バルブの部分断面側面図である。
図3a】様々な作動条件の間で、明確化のためにパーツが外されている、特に図2の充填バルブの、部分断面側面図である。
図3b】様々な作動条件の間で、明確化のためにパーツが外されている、特に図2の充填バルブの、部分断面側面図である。
図3c】様々な作動条件の間で、明確化のためにパーツが外されている、特に図2の充填バルブの部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、数字1は、ボトル、コンテナなどの、複数の容器2に、少なくとも2つの異なるタイプの注入可能な製品、好ましくは、炭酸ではない飲料(たとえば、水、フルーツジュースなど)、炭酸飲料(たとえば、ソーダ水、ソフトドリンク、ビールなど)などの、2つの異なるタイプの注入可能な食料品を充填するための充填機を全体として示している。
【0024】
具体的には、充填機1は、
第1の動作モードであって、このモードの間、充填機1は、第1の注入可能な製品、すなわち、懸濁液内の粒子がない、完全に液体の注入可能な製品を操作し、そのような第1の注入可能な製品を複数の容器2に供給する、第1の動作モードと、
第2の動作モードであって、このモードの間、充填機1は、懸濁液内に固体粒子を有する第2の注入可能な製品を操作し、そのような第2の注入可能な製品を複数の容器2に供給する、第2の動作モードと、
で少なくとも作動するように構成されている。
【0025】
充填機1は、
特に、好ましくは垂直な向きを有する中心軸Aの周りを回転可能な回転コンベア3である、搬送デバイスであって、弧状の進行経路Pに沿って容器2を進行させるように構成された、搬送デバイスと、
第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品を収容するための貯蔵部4と、
経路Pに沿って進行している間に、容器2を充填するように構成された複数の充填バルブ5と、
を備えている。
【0026】
詳細には、各充填バルブ5は、回転コンベア3の回転運動に起因して、経路Pに沿って容器2が進行する間に、所定の量の第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品を、1つの容器2に一度に供給するように構成されている。
【0027】
より詳細には、各充填バルブ5は、回転コンベア3によって外周で保持され、充填機1のそれぞれのダクト6によって貯蔵部4に流体接続されている。
【0028】
図1に視認可能であるように、充填機1は、
空の容器2を回転コンベア3に連続して供給するように適合された、好ましくはスターホイール7である、入口コンベアと
充填された容器2を回転コンベア3から受領するように適合された、好ましくはスターホイール8である、出口コンベアと、
をさらに備えている。
【0029】
具体的には、スターホイール7とスターホイール8とは、軸Aに対してほぼ平行であるそれぞれの回転軸A’とA’’との周りで回転可能である。
【0030】
以下では、充填バルブ5が互いに同一であることから、簡略化のために、本発明の非限定的な好ましい実施形態による、単一の充填バルブ5の1つのみを記載する。
【0031】
しかし、そのような充填バルブ5に関する、以下に開示される特徴のすべては、充填機1の各充填バルブ5に適用可能である。
【0032】
図2を特に参照すると、容器2が、充填操作の間、充填バルブ5の下に配置されている。
【0033】
図示の好ましい実施形態では、充填バルブ5は、非接触モードで動作するように構成されている。
【0034】
図示されていない代替的な実施形態では、充填バルブ5は、接触モードで動作するように構成することができる。すなわち、使用時に、充填バルブ5が、容器2の頂部の首部分と接触する。
【0035】
実質的に、回転コンベア3の外周部分に取り付けられ、且つ流れ方向Dに沿って容器2内に、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品を選択的に供給するように構成された流路11を内部に規定する、具体的には筒状本体10である、バルブ本体を、充填バルブ5は備えている。
【0036】
具体的には、流路11は、それぞれの内壁であって、具体的には、筒状本体10の筒状の内壁によって定められている。この内壁は、可変の、実質的に円形の断面を有し、湾曲した構成を提供している。
【0037】
詳細には、流路11は、傾斜した軸Eに沿って延びる第1の筒状部分12と、好ましくは垂直かつ、回転コンベア3の軸Aに対して平行である、長手軸Cに沿って延びる第2の筒状部分13とを備えている。具体的には、軸Eは、好ましくは、軸Cに対して傾斜している。好ましくは、軸Cおよび軸Eは、90度から180度の間に含まれる角度を形成する。
【0038】
より詳細には、流れ方向Dに関して第1の部分12の下流かつ第2の部分13の上流に配置された、湾曲した筒状部分14により、第2の部分13に、第1の部分12は流体接続されている。
【0039】
さらに、第1の部分12は、具体的にはダクト6により、貯蔵部4にも接続されている。
【0040】
換言すると、第1の注入可能な製品と第2の注入可能な製品とは、貯蔵部4から流路11に、ダクト6を通して選択的に供給される。流路11の内部に入ると、そのような注入可能な製品は、第1の部分12を通って流れ、次いで、湾曲した部分14を通り、最終的に第2の部分13を通る。第2の部分13を通った後に、注入可能な製品は、容器2に達し、容器2を充填する。
【0041】
図2に視認可能であるように、流路11は、ダクト6および容器2に流体接続されるように構成された第1の通路セクション15を備えている。
【0042】
詳細には、第1の通路セクションは、第1の部分12のための(軸方向の)流入路セクションである。
【0043】
より詳細には、第1の部分12は、係合部分、具体的には、第1の通路セクション15の方向に狭まっているテーパ状の断面の部分16を備えている。
【0044】
上記のように、第1の通路セクション15は、流路11の狭まったセクションを規定している。
【0045】
流路11は、第1の通路セクション15および容器2に流体接続されるように構成された第2の通路セクション18をさらに備えている。
【0046】
詳細には、第2の通路セクション18は、第1の部分12のための(軸方向の)流出路セクションである。
【0047】
より詳細には、第1の部分12は、さらなる係合部分、具体的には、第2の通路セクション18の方向に狭まっている、さらなるテーパ状の断面の部分19を備えている。
【0048】
上記のように、第2の通路セクション18も、流路11の狭まったセクションを規定している。
【0049】
具体的には、第2の通路セクション18は、流れ方向Dに関し、第1の通路セクション15の下流に配置されている。
【0050】
さらに、流路11は、第1の通路セクション15、第2の通路セクション18、および容器2に流体接続されるように構成された第3の通路セクション20を備えている。
【0051】
詳細には、第3の通路セクション20は、第2の部分13のための(軸方向の)流出路セクションである。
【0052】
より詳細には、第2の部分13は、具体的には、第3の通路セクション20の方向に狭まっている、テーパ状の断面の部分21である、係合部分を備えている。
【0053】
上記のように、第3の通路セクション20も、流路11の狭まったセクションを規定しており、流れ方向Dに関し、第2の通路セクション18の下流に配置されている。
【0054】
図2に視認可能であるように、充填バルブ5は、
-流路11内に、具体的には、第1の部分12内に、移動可能に配置され、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品の容器2への流量を選択的に調節するように制御されるように構成された、第1のシャッタ22と、
-流路11内に、具体的には、第2の部分13内に、移動可能に配置され、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品の容器2への流出を許容するか、あるいは阻止するように制御されるように構成された、第2のシャッタ23と、
流路11内のシャッタ22の動きとシャッタ23の動きとをそれぞれ制御するように構成されたアクチュエータ手段24とアクチュエータ手段25と、
をさらに備えている。
【0055】
具体的には、流れ方向Dに関し、シャッタ22は、第1の通路セクション15の下流かつ第2の通路セクション18の上流に配置され、一方、シャッタ23は、第2の通路セクション18の下流かつ第3の通路セクション20の上流に配置されている。したがって、シャッタ22は、流れ方向Dに関し、流路11内の、シャッタ23の上流の部分に配置されている。
【0056】
さらに具体的には、シャッタ22、第1の通路セクション15、および第2の通路セクション18は、軸Eに関して同軸的に配置されている。
【0057】
さらに、シャッタ23および第3の通路セクション20は、軸Cに関して同軸的に配置されている。
【0058】
図3aおよび図3bに示すように、
シャッタ22は、流路11に第1の注入可能な製品が供給される上述の第1の動作モードの間、
-シャッタ22は、第1の通路セクション15、具体的には、テーパ状の断面の部分16とともに、第1の注入可能な製品に関する第1の最大の開口路を定め、それにより、この製品の、容器2へ向かって第1の最大の開口路を通る最大流量を許容するようになっている、静止位置(図3a)と、
-シャッタ22が、第1の通路セクション15とシールするように協働するように構成され、それにより、通路セクション15と容器2との間のあらゆる流体接続を阻止するようになっている、閉鎖位置(図3b)と、
-シャッタ22が、第1の通路セクション15、具体的には、テーパ状の断面の部分16とともに、第1の注入可能な製品に関するそれぞれの中間の開口路を定め、それにより、この製品の、容器2へ向かってそれぞれの中間の開口路を通る部分的な流量を許容するようになっている、静止位置と閉鎖位置との間に位置する、1つまたは複数の中間位置(図示せず)と、
で制御されるように構成されている。
【0059】
具体的には、シャッタ22が静止位置にある場合、第1の通路セクション15から第2の通路セクション18への第1の注入可能な製品の流量は、可能である最大値(最大の流量)である。シャッタ22が中間位置の1つにある場合、様々なサイズの、中間の開口路は、第1の注入可能な製品が第1の通路セクション15から第2の通路セクション18へ、最大の流量未満である、それぞれの中間の流量で流れることを可能にする。シャッタ22が閉鎖位置にある場合、第1の注入可能な製品の流量はゼロである。
【0060】
上記のように、シャッタ22は、第1の動作モードの間、調整する方式で制御されるように構成されている。すなわち、シャッタ22は、静止位置と閉鎖位置との間で制御され、それにより、最大の流量と、中間の流量と、ゼロ流量との間で、第1の注入可能な製品の流量を制御するようになっている。
【0061】
本発明の重要な態様によれば、
シャッタ22は、流路11に第2の注入可能な製品が供給される上述の第2の動作モードの間、
-シャッタ22は、第2の通路セクション18、具体的には、テーパ状の断面の部分19とともに、第2の注入可能な製品に関する第2の最大の開口路を定め、それにより、この第2の注入可能な製品の、容器2へ向かって第2の最大の開口路を通る最大流量を許容するようになっている、上述の静止位置と、
-シャッタ22は、第2の通路セクション18、具体的には、流路11の内側の筒状の壁とともに、第2の注入可能な製品の制限された通路を定め、それにより、第2の注入可能な製品の、容器2へ向かって制限された通路を通る部分的な流量を許容するようになっている、部分的な閉鎖位置(図3c)と、
でさらに制御されるように構成されている。
【0062】
換言すると、シャッタ22は、第2の動作モードの間、オン/オフの方式、すなわち、2つの異なる位置のみで、あらゆる中間位置を間に伴わずに、制御されるように構成されている。
【0063】
具体的には、シャッタ22は、少なくとも1つの相互作用部分26を備えている。この相互作用部分26は、シャッタ22が部分的な閉鎖位置にある際に、第2の通路セクション18と係合するように構成され、相互作用部分26に面する流路11の一部とともに、上述の制限された通路を定める。
【0064】
より詳細には、相互作用部分26は、図3cに示すように、シャッタ22が部分的な閉鎖位置にある際に、第2の注入可能な製品に関する制限された通路を画定する、溝27を備えている。
【0065】
この好ましい実施形態では、溝27は、軸Eに関して非対称である。すなわち、軸Eに関し、相互作用部分26の一方側にのみ延びている。
【0066】
図示されていない、可能性のある代替形態によれば、相互作用部分26全体に沿って外周に、すなわち、軸対称な方式で、溝27は得られる場合がある。
【0067】
上記のように、シャッタ22が部分的な閉鎖位置にある場合、軸Eに関する、相互作用部分26の側部の1つのみが、第2の通路セクション18と接触して、係合するとともに協働し、一方、反対側の側部、すなわち、溝27が得られる相互作用部分26の側部が、流路11の内壁とともに、第2の注入可能な製品に関する上述の制限された通路を定める。
【0068】
換言すると、第2の動作モードの間、シャッタ22は、第2の注入可能な製品の、容器2に向かう流れを完全にブロックすることなく、流れを調節するのみである。
【0069】
実際、透明で、完全に液体の注入可能な製品に関して困難性がないにも関わらず、第2の注入可能な製品など、懸濁液内に固体粒子を有する注入可能な製品に関して調整を達成するのは、問題がある。具体的には、シャッタ22が上述の中間の開いた位置、特に、閉鎖位置の近くにある場合、懸濁液内の粒子は、比較的狭い中間の開口路に対応して、集まるとともに蓄積され得、それにより、そのような第2の注入可能な製品の、容器2に向かう流れをブロックする。
【0070】
上述のシャッタ22の構成により、固体粒子の蓄積は、第2の注入可能な製品の流量を調節する間に、避けることができ、それにより、妨げ、詰まり、または減速することなく、そのような製品の、容器2へ向かう流れを所望のように調節することを確実にしている。
【0071】
上記のように、シャッタ22は、第1の動作モードの間、静止位置と閉鎖位置との間で選択的に制御され、第2の動作モードの間、静止位置と部分的な閉鎖位置との間で選択的に制御されるように構成されている。
【0072】
この図示の非限定的な好ましい実施形態によれば、シャッタ22は、静止位置から閉鎖位置に向けて、すなわち、第1の動作モードの間、流れ方向Dとは反対の方向で、制御されるように構成されている。
【0073】
さらに、シャッタ22は、静止位置から部分的な閉鎖位置に向けて、すなわち、第2の動作モードの間、流れ方向Dに従う(一致する)方向で、制御されるように構成されている。
【0074】
この非限定的な好ましい実施形態によれば、シャッタ23は、
-シャッタ23が、第3の通路セクション20、具体的には、テーパ状の断面の部分21とともに、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品に関する第3の最大の開口路を定め、それにより、これら製品の、容器2へ向かう流れを許容するようになっている、第1の(上方の)位置(図示せず)と、
-シャッタ23が、第3の通路セクション20とシールするように協働するように構成され、それにより、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品の、容器2に向かうあらゆる流れを阻止するようになっている、第2の(下方の)位置(図2に示す)と、
で制御されるように構成されている。
【0075】
上記のように、シャッタ23は、オン/オフの方式で(あらゆる中間位置を間に伴わずに)制御されるように構成されている。
【0076】
詳細には、シャッタ23は、流れ方向Dに従う方向で、第2の位置に向かって制御されるように構成されている。
【0077】
図示の非限定的な実施形態では、アクチュエータ手段24および25は、磁石によるタイプである。
【0078】
このことは、磁石が、流路11の内部の無菌の環境と、外部の無菌ではない環境との間で適切に分離を提供することにより、無菌または非常に清潔な条件を容易に維持することを可能にすることから、有利である。好ましい実施形態では、流路11の内部の無菌の環境に機械的なインターフェースが入らず、それにより、無菌または非常に清潔な条件の維持が容易になっている。
【0079】
アクチュエータ手段24の特徴が、アクチュエータ手段25の特徴と同一であることから、簡略化のために、アクチュエータ手段24のみが、以下に記載される。
【0080】
しかし、アクチュエータ手段24に関する、以下に開示される特徴のすべては、アクチュエータ手段25に適用可能である。
【0081】
詳細には、アクチュエータ手段24は、流路11の周りの外部に配置された駆動磁石アセンブリ28と、流路11内に配置されて、シャッタ22の少なくとも一部に含まれており、且つ好ましくは強磁性材料で形成されるか、あるいは永久磁石が設けられた、被駆動磁石アセンブリ29とを備えている。
【0082】
より詳細には、アセンブリ29は、シャッタ22に含まれる少なくとも1つの永久磁石を、この好ましい実施形態では、2つの永久磁石を備えている。
【0083】
図示されていない、さらなる可能性のある代替形態によれば、シャッタ22は、全体が強磁性材料で形成され得、それにより、全体的にアセンブリ29を規定する。
【0084】
具体的には、アセンブリ28は、線形アクチュエータ、たとえば、ステッピングモータ30などにより、軸Eに平行に移動するように構成されている。このステッピングモータ30は、好ましくは、筒状本体10の一方の側部、好ましくは、第1の部分12の一方の側部に配置されている。
【0085】
アセンブリ28は、磁気的にアセンブリ29に結合されるように構成されており、それにより、第1の作動条件の間、静止位置と閉鎖位置との間で、また、第2の作動条件の間、静止位置と部分的な閉鎖位置との間で、シャッタ22の移動を制御するようになっている。
【0086】
実際には、アセンブリ28がステッピングモータ30によって移動するにつれて、アセンブリ29が、アセンブリ28との磁気的な相互作用に起因して移動し、それにより、あらゆる機械的な結合を伴わずに、シャッタ22を流路11内で移動させる。
【0087】
図2に視認可能であるように、アクチュエータ手段25は、アクチュエータ手段24と実質的に同一であり、アクチュエータ手段25のアセンブリ28が、軸Cに対して平行に移動するように構成されており、アセンブリ29がシャッタ23に含まれており、ステッピングモータ30が、第2の部分13の上方の位置に配置されている点でのみ、異なっている。
【0088】
充填バルブ5の動作は、充填されて、充填バルブ5の下に配置される、単一の空の容器2を参照して以下に記載する。
【0089】
具体的には、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品は、貯蔵部4から、ダクト6および第1の通路セクション15を通して流路11に選択的に供給される。
【0090】
次いで、第1の作動条件の間、第1の注入可能な製品の流量は、シャッタ22を静止位置から閉鎖位置に制御することによって調節される。
【0091】
逆に、第2の作動条件の間、第2の注入可能な製品の流量は、シャッタ22を静止位置から部分的な閉鎖位置に制御することによって調節される。
【0092】
第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品が第2の通路セクション18を通過すると、流れは、シャッタ23を第1の位置に制御することにより、容器2に向けられる。
【0093】
次いで、容器2内の第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品のレベルが所望のレベルに達するか近付くと、シャッタ23は、すぐに第2の位置に移動するように制御され、それにより、第1の注入可能な製品または第2の注入可能な製品のさらなる量が、第3の通路セクション20を通って流れることを阻止する。この方法で、容器2は、正確な所望の量の注入可能な製品で充填することができる。
【0094】
動作全体が、各充填バルブ5に関して、および、充填されることになる各容器2に関して、第1の作動条件または第2の作動条件で、周期的に繰り返される。
【0095】
本発明による充填バルブ5の利点は、上述の記載から明らかとなる。
【0096】
具体的には、本発明によるシャッタ22の構成に起因して、懸濁液内の固体粒子を有する、注入可能な製品の流量の調節を、さらなるバルブまたはシャッタを必要とすることなく、達成することができる。
【0097】
この方法で、必要とされる構成要素の総数を増大させることなく、また、長い分解および組立て操作を避け、単一のバルブのみを使用して精細な調節を適用できる、注入可能な製品の範囲が拡大され得る。
【0098】
しかし、添付の特許請求の範囲に規定される保護の範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の充填バルブ5を変更することができることが明らかである。
【符号の説明】
【0099】
1 充填機
2 容器
3 回転コンベア
4 貯蔵部
5 充填バルブ
6 ダクト
7、8 スターホイール
10 筒状本体
11 流路
12 第1の部分
13 第2の部分
14 湾曲した部分
15 第1の通路セクション
16、19、21 テーパ状の断面の部分
18 第2の通路セクション
20 第3の通路セクション
22 シャッタ
23 補助シャッタ、シャッタ
24、25 アクチュエータ手段
26 相互作用部分
27 溝
28 駆動磁石アセンブリ
29 被駆動磁石アセンブリ
30 ステッピングモータ
D 流れ方向
図1
図2
図3a
図3b
図3c