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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20230623BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230623BHJP
   B41F 23/04 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H01L33/64
B41J2/01 129
B41F23/04 B
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019110338
(22)【出願日】2019-06-13
(65)【公開番号】P2020202346
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】呉 立松
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-087816(JP,A)
【文献】特開2010-197500(JP,A)
【文献】特開2006-147373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源のオン/オフ及び光量を制御する光源制御部と、
前記光源を冷却する冷却ファンと、
前記冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、
を備え、
前記ファン制御部は、
前記光源がオンしているときに、前記冷却ファンが前記光源の光量に応じた第1の回転数となるように制御し、
前記光源がオフしたときに、所定の待機時間を待って、前記冷却ファンが前記第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御する
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
光源と、
前記光源のオン/オフを制御する光源制御部と、
前記光源を冷却する冷却ファンと、
前記光源のオン/オフに基づいて、前記冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、
を備え、
前記ファン制御部は、
前記光源がオンしたときに、前記冷却ファンを第1の回転数となるように制御し、
前記光源がオフしたときに、所定の待機時間を待って、前記冷却ファンを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御する
ことを特徴とする光源装置。
【請求項3】
光源と、
前記光源のオン/オフを制御する光源制御部と、
前記光源の温度を検出する温度センサと、
前記光源を冷却する冷却ファンと、
前記光源のオン/オフ及び前記温度センサの検出結果に基づいて、前記冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、
を備え、
前記ファン制御部は、
前記光源がオンしたときに、前記冷却ファンを第1の回転数となるように制御し、
前記光源がオフしたときに、前記温度センサの検出結果が所定値以下となるのを待って、前記冷却ファンを前記第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御する
ことを特徴とする光源装置。
【請求項4】
前記ファン制御部は、前記第1の回転数をR1、前記第2の回転数をR2、前記第1の回転数から前記第2の回転数までの移行時間をTとしたときに、以下の条件式(1)を満たすように前記冷却ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光源装置。
(R2-R1)/T=k(kは、任意の定数)・・・(1)
【請求項5】
前記ファン制御部は、前記移行時間内に前記光源がオンした場合、前記移行時間の経過を待たずに、前記冷却ファンが前記第1の回転数となるように制御することを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記ファン制御部が、前記第1の回転数をR1、前記光源の光量をPとしたときに、以下の条件式(2)を満たすように前記冷却ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源装置。
R1=a・P+b(a、bは、任意の定数)・・・(2)
【請求項7】
前記第2の回転数が、前記冷却ファンの最大回転数の略40%に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光を出射する光源装置に関し、特に、光源から発せられる熱を冷却する冷却ファンを備えた光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外光の照射によって硬化するUVインクを用いて印刷を行なう印刷装置が知られている。このような印刷装置では、紫外線照射装置を備え、ヘッドのノズルから媒体にインクを吐出した後、媒体に形成されたドットに紫外光を照射するように構成されている。そして、このような紫外線照射装置には、光源に多数の紫外線LEDが使用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の紫外線照射装置は、光源として多数の紫外線LED素子を有する紫外線照射ヘッドとLED素子の点灯制御等を行うコントローラを備えている。このように光源としてLED素子を用いる場合、投入した電力の大半が熱となることから、LED素子自身が発熱する熱によって発光効率と寿命が低下するといった問題が発生する。そして、かかる問題は、特許文献1の紫外線照射装置のように、多数のLED素子が搭載された装置の場合、熱源となるLED素子が増えることから、さらに深刻なものとなる。このため、特許文献1の紫外線照射装置においては、LED素子に生じた熱を効率よく伝達するヒートシンクとヒートシンクに冷却風を供給する複数のファン装置を備え、LED素子の点灯と同時にファン装置を駆動し、LED素子の消灯と同時にファン装置を停止して、LED素子の発熱を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6349098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の紫外線照射装置によれば、ファン装置の駆動制御によってLED素子の発熱を抑えることができる。しかしながら、特許文献1の構成は、LED素子の点灯と同時にファン装置を駆動し、LED素子の消灯と同時にファン装置を停止する構成であるため、LED素子の消灯時に紫外線照射装置の筐体内に熱がこもってしまい、LED素子を消灯したにも拘わらず筐体が一向に冷めないといった問題がある。また、LED素子の点灯時にはファン装置が常に100%の回転数で回るため、周囲の埃等を吸気口(又はファン装置)から吸い込み易く、故障のリスクが増えるといった問題もある。また、ファン装置が100%の回転数で回る時間が長くなると、ファン装置の寿命が短くなるといった問題も発生する。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、LED素子を消灯したときに筐体内に熱がこもることを抑制し、かつ、筐体内に埃等を吸い込むリスクやファン装置の寿命のリスクを低減することが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の光源装置は、光源と、光源のオン/オフ及び光量を制御する光源制御部と、光源を冷却する冷却ファンと、冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、を備え、ファン制御部は、光源がオンしているときに、冷却ファンが光源の光量に応じた第1の回転数となるように制御し、光源がオフしたときに、所定の待機時間を待って、冷却ファンが第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、光源がオフしたときにも、冷却ファンが回転し続けるため、筐体内に熱がこもることがない。また、光源がオフしている期間、冷却ファンの回転数が低くなるため、筐体内に埃等を吸い込むリスクや冷却ファンの寿命のリスクが低減する。
【0009】
また、別の観点からは、本発明の光源装置は、光源と、光源のオン/オフを制御する光源制御部と、光源を冷却する冷却ファンと、光源のオン/オフに基づいて、冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、を備え、ファン制御部は、光源がオンしたときに、冷却ファンを第1の回転数となるように制御し、光源がオフしたときに、所定の待機時間を待って、冷却ファンを第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御することを特徴とする。
【0010】
また、別の観点からは、本発明の光源装置は、光源と、光源のオン/オフを制御する光源制御部と、光源の温度を検出する温度センサと、光源を冷却する冷却ファンと、光源のオン/オフ及び温度センサの検出結果に基づいて、冷却ファンの回転数を制御するファン制御部と、を備え、ファン制御部は、光源がオンしたときに、冷却ファンを第1の回転数となるように制御し、光源がオフしたときに、温度センサの検出結果が所定値以下となるのを待って、冷却ファンを第1の回転数よりも低い第2の回転数となるように制御することを特徴とする。
【0011】
また、ファン制御部は、第1の回転数をR1、第2の回転数をR2、第1の回転数から第2の回転数までの移行時間をTとしたときに、以下の条件式(1)を満たすように冷却ファンの回転数を制御することが望ましい。
(R2-R1)/T=k(kは、任意の定数)・・・(1)
また、この場合、ファン制御部は、移行時間内に光源がオンした場合、移行時間の経過を待たずに、冷却ファンが第1の回転数となるように制御することが望ましい。
【0012】
また、ファン制御部が、第1の回転数をR1、光源の光量をPとしたときに、以下の条件式(2)を満たすように冷却ファンの回転数を制御することが望ましい。
R1=a・P+b(a、bは、任意の定数)・・・(2)
【0013】
また、第2の回転数が、冷却ファンの最大回転数の略40%に設定されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、LED素子を消灯したときに筐体内に熱がこもることなく、かつ、筐体内に埃等を吸い込むリスクやファン装置の寿命のリスクを低減可能な光源装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係る光照射装置の外観図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る光照射装置の内部構成を説明する図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る光照射装置の内部構成の電気的な接続を説明するブロック図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
図5図5は、図4のフローチャートに対応するタイミングチャートである。
図6図6は、本発明の第1の変形例に係る光照射装置の内部構成の電気的な接続を説明するブロック図である。
図7図7は、本発明の変形例に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
図8図8は、本発明の第2の変形例に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
図9図9は、図8のフローチャートに対応するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る光照射装置1(光源装置)の外観図であり、図1(a)は、本発明の実施形態に係る光照射装置1の平面図である。また、図1(b)は、図1(a)の光照射装置1の右側面図であり、図1(c)は、図1(a)の光照射装置1の底面図であり、図1(d)は、図1(a)の光照射装置1の正面図である。本実施形態の光照射装置1は、印刷装置等に搭載されて、紫外線硬化型インキや紫外線硬化樹脂を硬化させる光源装置であり、照射対象物の上方に配置され、照射対象物に対してライン状の紫外光を出射する。なお、本明細書においては、図1の座標に示すように、後述するLED(Light Emitting Diode)素子210が紫外光を出射する方向をX軸方向、LED素子210の配列方向をY軸方向、ならびにX軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義して説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の光照射装置1は、内部に光源ユニット200や放熱部材400等を収容する薄い箱形のケース100(筐体)と、ケース100の前面に取り付けられ紫外光が出射されるガラス製の窓部105と、ケース100の背面に設けられ、ケース100内の空気を排気する3つのファン110(冷却ファン)とを備えている。また、ケース100の底面には、ケース100に外部から空気を取り込む吸気口102が形成されている。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る光照射装置1の内部構成を説明する図であり、図2(a)は、光照射装置1を平面視したときの平面透視図である。また、図2(b)は、光照射装置1を右側面から見たときの側面透視図である。また、図2(c)は、光照射装置1を正面から見たときの正面透視図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る光照射装置1の内部構成の電気的な接続を説明するブロック図である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態の光照射装置1は、光源ユニット200と、制御基板300と、放熱部材400等をケース100内部に備えている。
【0021】
図2に示すように、光源ユニット200は、Y軸方向及びZ軸方向で規定される矩形状の基板205と、同じ特性を有する16個のLED素子210とを備えている。
【0022】
16個のLED素子210は、X軸方向に光軸が揃えられた状態で、Y軸方向に所定の間隔をおいて基板205の表面に一列に配置され、基板205と電気的に接続されている。基板205は、制御基板300のLED駆動回路330と不図示のケーブルによって接続されており、各LED素子210には、基板205を介してLED駆動回路330からの駆動電流が供給されるようになっている(図3)。各LED素子210に駆動電流が供給されると、各LED素子210からは駆動電流に応じた光量の紫外光(例えば、波長365nm)が出射され、光源ユニット200からはY軸方向に平行なライン状の紫外光が出射される。なお、本実施形態の各LED素子210は、略一様な光量の紫外光を出射するように各LED素子210に供給される駆動電流が調整されており、光源ユニット200から出射されるライン状の紫外光は、Y軸方向において略均一な光量分布を有している。なお、本実施形態においては、ユーザが、制御基板300に接続された操作部500(図1図2において不図示)を操作することによって光源ユニット200から出射される紫外光の光量を調整できるようになっている(詳細は後述)。
【0023】
放熱部材400は、光源ユニット200から発せられた熱を放熱する部材である。本実施形態の放熱部材400は、光源ユニット200の基板205の裏面に密着して配置され、各LED素子210で発せられた熱を伝導する板状のベースプレート410と、ベースプレート410からX軸方向と相反する方向に立設し、ベースプレート410に伝わった熱を空気中に放熱する放熱フィン420とで構成されている(図2(a)、(b))。ファン110が回転すると、ケース100内の空気がファン110から排気され、吸気口102からは外部の空気が取り込まれる。そして、吸気口102から取り込まれた空気が放熱フィン420の表面を流れるように気流が発生し、放熱フィン420が効率よく冷却されるようになっている。
【0024】
図3に示すように、制御基板300は、制御部310と、記憶部320と、LED駆動回路330と、ファン駆動回路340と、を有し、光源ユニット200及びファン110を制御する回路基板である。
【0025】
制御部310は、論理演算を実行するCPU、データ等が一時的にストアされるRAM等から構成され、光照射装置1全体を制御する機能を備えている。制御部310は、記憶部320、LED駆動回路330、ファン駆動回路340、操作部500と電気的に接続されており、光照射装置1に電源が入力されると、記憶部320に記憶された制御プログラムを読み出し、これら各部を制御する。つまり、本実施形態の制御部310は、LED駆動回路330を制御する機能(光源制御部)と、ファン駆動回路340を制御する機能(ファン制御部)とを兼ね備えている。
【0026】
記憶部320は、制御部310で実行される制御プログラムを保存する、いわゆる不揮発性メモリである。
【0027】
操作部500は、ユーザからの入力が行われる、いわゆるユーザインターフェースであり、操作部500を介して、光源ユニット200から出射される紫外光の光量の調整、紫外光のオン・オフ等を設定できるように構成されている。
【0028】
LED駆動回路330は、光源ユニット200と電気的に接続され、各LED素子210に駆動電流を供給する回路である。LED駆動回路330は、制御部310からの指示(信号)に従って、LED素子210をオン・オフし、所定の駆動電流を各LED素子210に出力する。
【0029】
ファン駆動回路340は、ファン110と電気的に接続され、ファン110に駆動電力を供給する回路である。ファン駆動回路340は、制御部310からの指示(信号)に従って、ファン110をオン・オフし、所定の回転数でファン110を回転させる。
【0030】
次に、図4のフローチャートを参照し、制御部310で実行される制御プログラムについて説明する。制御プログラムは、光照射装置1に電源が入力されたときに、記憶部320から読み出され、制御部310で実行される処理である。また、図5は、図4の制御プログラムの各ステップに対応するタイミングチャートであり、制御プログラムの各ステップにおける光源ユニット200とファン110の様子を示している。
【0031】
図4に示すように、制御プログラムが実行されると、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光照射装置1のメインスイッチをONしたか否かを判断する。メインスイッチがONしていないと判断した場合は(ステップS101:NO)、メインスイッチがONするまでステップS101を繰り返し、光源ユニット200及びファン110はオフ(つまり、紫外光の光量:0、ファン回転数:0)の状態を維持する(図5:t0~t1)。そして、メインスイッチがONされると(ステップS101:YES)処理はステップS103に進む。
【0032】
ステップS103では、制御部310は、ファン駆動回路340を制御し、ファン110を所定の回転数R2(例えば、最大回転数の40%の回転数(rpm))で駆動する(図5:t1)。ステップS103の処理が終了すると、処理はステップS105に進む。
【0033】
ステップS105では、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光源スイッチ(光源ユニット200を機能させるためのスイッチ)をONしたか否かを判断する。光源スイッチがONしていないと判断した場合は(ステップS105:NO)、光源スイッチがONするまでステップS103、S105を繰り返し(図5:t1~t2)、光源スイッチがONされると(ステップS105:YES)処理はステップS107に進む。
【0034】
ステップS107では、制御部310は、LED駆動回路330を制御し、光源ユニット200から出射される紫外光が所定の光量P(W)となるように光源ユニット200の各LED素子210に駆動電流を供給する(図5:t2)。ステップS107の処理が終了すると、処理はステップS109に進む。
【0035】
ステップS109では、制御部310は、ファン駆動回路340を制御し、ファン110を回転数R2よりも高い所定の回転数R1(例えば、最大回転数の90%の回転数(rpm))で駆動する(図5:t2)。なお、本実施形態においては、回転数R1は、R1=a×P(aは任意の定数)となるように、光量Pに応じた回転数になっている。ステップS109の処理が終了すると、処理はステップS111に進む。
【0036】
ステップS111では、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをOFFしたか否かを判断する。光源スイッチがOFFしていないと判断した場合は(ステップS111:NO)、光源スイッチがOFFするまでステップS111を繰り返し、光源ユニット200及びファン110はオン(つまり、紫外光の光量:P、ファン回転数:R1)の状態を維持する(図5:t2~t3)。そして、光源スイッチがOFFされると(ステップS111:YES)処理はステップS113に進む。
【0037】
ステップS113では、制御部310は、LED駆動回路330を制御し、光源ユニット200から出射される紫外光を消灯する(図5:t3)。ステップS113の処理が終了すると、処理はステップS115に進む。
【0038】
ステップS115では、制御部310は、所定時間td(例えば、2秒)だけ待機し(図5:t4)、処理はステップS117に進む。
【0039】
ステップS117では、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをONしたか否かを判断する。光源スイッチがONしていないと判断した場合は(ステップS117:NO)、処理はステップS119に進み、光源スイッチがONされていると判断した場合は(ステップS117:YES)、処理はステップS107に進む。
【0040】
ステップS119では、制御部310は、ファン駆動回路340を制御し、ファン110の回転数を回転数R1から回転数R2まで所定の比率で低下させる(図5:t4~t5)。つまり、図5に示すように、本実施形態においては、回転数R1から回転数R2までの移行時間をT(例えば、10秒)としたときに、以下の条件式(1)を満たすように、ファン駆動回路340を制御する。
(R2-R1)/T=k(kは、任意の定数)・・・(1)
ステップS119の処理が終了すると、処理はステップS121に進む。
【0041】
ステップS121では、制御部310は、ファン駆動回路340の設定を確認し、ファン110の回転数が回転数R2になったか否かを判断する。そして、ファン110の回転数が回転数R2になっていない場合は(ステップS121:NO)、ステップS117~S121を繰り返し(図5:t4~t5)、ファン110の回転数が回転数R2になった場合は(ステップS121:YES)、処理はステップS123に進む(図5:t5)。
【0042】
ステップS123では、制御部310は、ユーザが操作部500を介してメインスイッチをOFFしたか否かを判断する。メインスイッチがOFFしていないと判断した場合は(ステップS123:NO)、処理はステップS103に進み、メインスイッチがOFFされていると判断した場合は(ステップS123:YES)、制御部310は、ファン110を停止させて(ステップS125)、制御プログラムを終了する。
【0043】
このように、本実施形態の光照射装置1においては(つまり、制御プログラムが実行されると)、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをONにすると、光源ユニット200からは所定の光量Pの紫外光が出射され、ファン110は回転数R1で駆動される(図5:t2~t3)。そして、光源スイッチがOFFになると、紫外光が消灯された後、所定時間tdを待ってファン110の回転数が徐々に低下し(図5:t3~t5)、回転数R2で待機する(図5:t5~t6)。つまり、紫外光が消灯した後もファン110が回転し続けるため、ケース100内に熱がこもることはない。また、紫外光が消灯し、待機状態のときには、ファン110の回転数が低くなるため、ケース100内に埃等を吸い込むリスクやファン110の寿命のリスクが低減する。
【0044】
なお、図5において、t6~t9は、ステップS119において、ファン110の回転数を低下させているときに、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをONにした場合の様子を示している。つまり、図4において、ステップS117~S121を繰り返しているときに(図5:t8~t9)、移行時間T1よりも短い時間T2で光源スイッチのONを検出すると、ファン110の回転数が回転数R2まで低下していないため、処理はステップS107に進む(ステップS117:YES)。そして、制御部310は、LED駆動回路330を制御し、光源ユニット200から出射される紫外光が所定の光量Pとなるように光源ユニット200の各LED素子210に駆動電流を供給する(図5:t9)。このように、本実施形態においては、移行時間T1中に光源スイッチのONを検出すると、ステップS117~S121の処理は中断され、光源ユニット200からは所定の光量Pの紫外光が出射され、ファン110は回転数R1で駆動されるようになっている(図5:t9)。
【0045】
また、図5において、t9~t11は、ステップS115において、所定時間tdだけ待機しているときに、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをONにした場合の様子を示している。つまり、図4のステップS115において、所定時間tdだけ待機しているときに、光源スイッチのONを検出すると、処理はステップS117からステップS107に進む(つまり、ステップS119に進むことはない)。そして、制御部310は、LED駆動回路330を制御し、光源ユニット200から出射される紫外光が所定の光量Pとなるように光源ユニット200の各LED素子210に駆動電流を供給する(図5:t11)。このように、本実施形態においては、所定時間tdの待機中(T3の期間中)に光源スイッチのONを検出すると、ステップS117~S121の処理は行われず(つまり、ファン110の回転数は低下することなく)、光源ユニット200からは所定の光量Pの紫外光が出射され、ファン110は回転数R1を維持するように駆動されるようになっている(図5:t11)。
【0046】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態のステップS109において、回転数R1は、R1=a×P(aは任意の定数)となるように設定されている(つまり、回転数R1と光量Pは正比例の関係にある)としたが、以下の条件式(2)に示すように、一次関数として一般化することができる。
R1=a・P+b(a、bは、任意の定数)・・・(2)
また、必ずしも回転数R1と光量Pは比例関係にある必要はなく、回転数R1が所定の回転数に設定されてもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、回転数R2は、最大回転数の40%の回転数であるものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、光源ユニット200の発熱量、放熱部材400やファン110の冷却能力等によって適宜設定することができる。
【0048】
また、本実施形態のステップS115において、所定時間td(例えば、2秒)だけ待機するものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、所定時間tdは、光源ユニット200の発熱量、放熱部材400やファン110の冷却能力等によって適宜設定することができる。
【0049】
また、本実施形態の光照射装置1は、ケース100内部に放熱部材400を有するものとして説明したが、ファン110によって光源ユニット200を冷却することができればよく、必ずしも放熱部材400は必要ではない。
【0050】
(第1の変形例)
図6は、本発明の第1の変形例に係る光照射装置1Aの内部構成の電気的な接続を説明するブロック図である。また、図7は、本変形例の制御部310で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【0051】
図6に示すように、本変形例の光照射装置1Aは、光源ユニット200の温度を検出する温度センサ600を有し、本実施形態の制御プログラムのステップS115に代えて、ステップS116を有する点で本実施形態の構成と異なっている。
【0052】
つまり、本変形例においては、光源スイッチがOFFした後(ステップS111、S113)、制御部310は、温度センサ600の検出結果が所定値(例えば、40°)以下になるまで待機し(S116:NO)、温度センサ600の検出結果が所定値以下になったらファン110の回転数を徐々に低下させる(ステップS117~S121)。このように、本変形によれば、温度センサ600の検出結果に基づいてファン110の回転数を制御することにより、光源ユニット200を確実に冷却することが可能となる。
【0053】
(第2の変形例)
図8は、本発明の第2の変形例に係る光照射装置1B(図8において不図示)の制御部310で実行される制御プログラムのフローチャートである。また、図9は、図8の制御プログラムの各ステップに対応するタイミングチャートであり、制御プログラムの各ステップにおける光源ユニット200とファン110の様子を示している。なお、本変形例に係る光照射装置1Bの構成は、本実施形態の光照射装置1と同一であり、制御プログラムのみ異なるものである。
【0054】
図8に示すように、本変形例の光照射装置1Bの制御プログラムは、ステップS109とステップS101の間に、ステップS110a、ステップS110b及びステップS110cを有する点で、本実施形態の光照射装置1の制御プログラムと異なっている。
【0055】
ステップS110aでは、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光量の変更操作を行ったか否か(つまり、光量Pを変更する操作を行ったか否か)を判断する。光量の変更操作が行われていないと判断した場合は(ステップS110a:NO)、処理はステップS111に進み、光量の変更操作が行われたと判断した場合は(ステップS110a:YES)、処理はステップS110bに進む。
【0056】
ステップS110bでは、制御部310は、操作部500に入力されるユーザ操作に基づいてLED駆動回路330を制御し、光源ユニット200から出射される紫外光が所定の光量P´(「P´」は、変更後の光量)となるように光源ユニット200の各LED素子210に駆動電流を供給する(図9:t2a)。ステップS110bの処理が終了すると、処理はステップS110cに進む。
【0057】
ステップS110cでは、制御部310は、ステップS110bの光量P´に応じてファン駆動回路340を制御し、ファン110の回転数R1を回転数R1´に変更する(図9:t2a)。つまり、回転数R1´が、R1´=a×P´(aは任意の定数)となるように、回転数が変更される。ステップS110cの処理が終了すると、処理はステップS111に進む。
【0058】
ステップS111では、制御部310は、ユーザが操作部500を介して光源スイッチをOFFしたか否かを判断する。光源スイッチがOFFしていないと判断した場合は(ステップS111:NO)、処理はステップS109に戻り、ステップS110aからステップS110cまでの処理が繰り返される(図9:t2a~t3)。そして、光源スイッチがOFFされると(ステップS111:YES)処理はステップS113に進む。
【0059】
このように、本変形例の光照射装置1Bにおいては、ユーザが操作部500を介して光量の変更操作を行うと、ユーザ操作に基づいて光量Pが変更され、さらに変更後の光量P´に応じてファン110の回転数R1もR1´に変更される(図9:t2a~t3)。そして、光源スイッチがOFFになると、紫外光が消灯された後、所定時間tdを待ってファン110の回転数が徐々に低下し(図9:t3~t5)、回転数R2で待機する(図9:t5~t6)。つまり、本変形例においても、紫外光が消灯した後もファン110が回転し続けるため、ケース100内に熱がこもることはない。また、紫外光が消灯し、待機状態のときには、ファン110の回転数が低くなるため、ケース100内に埃等を吸い込むリスクやファン110の寿命のリスクが低減する。
【0060】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
1 :光照射装置
1A :光照射装置
1B :光照射装置
100 :ケース
102 :吸気口
105 :窓部
110 :ファン
200 :光源ユニット
205 :基板
210 :LED素子
300 :制御基板
310 :制御部
320 :記憶部
330 :LED駆動回路
340 :ファン駆動回路
400 :放熱部材
410 :ベースプレート
420 :放熱フィン
500 :操作部
600 :温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9